JP6102948B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体前部構造に関する。
エプロンレインフォースメントの前端部に連結部材を取り付けると共に、該連結部材の前端に取り付けられた面部をフロントサイドフレームとクラッシュカンとの間で共締めした構造が知られている(例えば、特開2005−231435号公報参照)。
上記の構成では、微小ラップ衝突の場合に面部に入力された荷重を、連結部材を介してエプロンレインフォースメントに伝える荷重伝達路が形成されるとされている。しかしながら、単に荷重を車両後方に伝える構成では、微小ラップ衝突によるキャビンの変形抑制の観点からは改善の余地がある。
本発明は、微小ラップ衝突よる車体変形を抑制することができる車体前部構造を得ることが目的である。
本発明の第1の態様に係る車体前部構造は、車両前後方向の前側にクラッシュボックスが取り付けられたフロントサイドメンバと、車両前後方向の前側が前記クラッシュボックスとフロントサイドメンバとの間に挟み込まれて接合されると共に、車両前後方向の後側がフェンダエプロン部に接合された連結部材と、平面視で前記フロントサイドメンバと前記連結部材との間に位置する部分に、該フロントサイドメンバ及び前記連結部材に対し車両上下方向にオーバラップして配置されたスペーサと、を備えている。
上記の態様によれば、例えば、フロントサイドメンバに対する車幅方向外側に荷重が入力される形態の前面衝突(以下、「微小ラップ衝突」という)が生じた場合は、連結部材に衝突荷重が入力される。この荷重によって連結部材が変形又は変位すると、該連結部材の前端側がクラッシュボックスとフロントサイドメンバとの間に挟み込まれて接合されていることによって、フロントサイドメンバの前端部が車幅方向外側に引っ張られる。また、上記した連結部材の変形又は変位に伴って、該連結部材とフロントサイドメンバとの間に位置するスペーサによってフロントサイドメンバが車幅方向内向きに押される。これらにより、フロントサイドメンバには折れが生じ、自車両と衝突相手方とが車幅方向にずらされることとなり、自車両の車体への衝突相手方の侵入が抑制される。
このように、上記態様の車体前部構造では、微小ラップ衝突による車体変形を抑制することができる。
上記の態様において、前記スペーサは、前記フロントサイドメンバにおける車幅方向外側の側部に設けられている、構成としても良い。
上記の態様によれば、スペーサがフロントサイドメンバに設けられているので、微小ラップ衝突の際にフロントサイドメンバの特定部位(被設置部位)が、スペーサによって車幅方向内向きに押されることとなる。このため、微小ラップ衝突の際にフロントサイドメンバの適所に折れを生じさせることができる。
上記の態様において、前記連結部材は、前記クラッシュボックスとフロントサイドメンバとの間に挟み込まれた部分から、前記フロントサイドメンバ及びスペーサと車両上下方向にオーバラップするように、側面視で前記フロントサイドメンバの長手方向に沿って車両前後方向の後方に延びる水平部を有する、構成としても良い。
上記の態様によれば、連結部材の水平部が、クラッシュボックスとフロントサイドメンバとの間に挟み込まれた部分から、後方に、すなわち略水平に延びている。この水平部からの荷重がスペーサによってフロントサイドメンバを車幅方向内向きに押す力として伝達される。この水平部が上記の通り略水平方向に延びているため、衝突荷重をスペーサすなわちフロントサイドメンバに伝達する際に、車両上下方向の分力が生じることが抑制される。したがって、衝突荷重を効率的にフロントサイドメンバに伝えることができる。
上記の態様において、前記連結部材は、前記フェンダエプロン部から前記フロントサイドメンバにおける車両前後方向の前側部分に向けて延びる本体と、該本体の車両前後方向の前側に接合され前記クラッシュボックスとフロントサイドメンバとの間に挟み込まれて接合される接合板部とを含んで構成され、前記接合板部における前記本体への接合部位には、該本体に対し車両上下方向に張り出されると共に、前記スペーサに対し車両上下方向のオーバラップしつつ対向する対向面部が形成されている、構成としても良い。
上記の態様によれば、接合板部における本体に対し車両上下方向に張り出された対向面部がスペーサに対向しているので、車両上下方向の広い範囲でスペーサを介してフロントサイドメンバに荷重を伝達することができる。すなわち、衝突荷重を効率的にフロントサイドメンバに伝えることができる。
上記の態様において、前記連結部材は、前記フェンダエプロン部から前記フロントサイドメンバにおける車両前後方向の前側部分に向けて延びる本体と、該本体の車両前後方向の前側に接合され前記クラッシュボックスとフロントサイドメンバとの間に挟み込まれて接合される接合板部とを含んで構成され、前記クラッシュボックスとフロントサイドメンバとの間に挟み込まれた部分から、前記フロントサイドメンバ及びスペーサと車両上下方向にオーバラップするように、側面視で前記フロントサイドメンバの長手方向に沿って車両前後方向の後方に延びる水平部が、前記本体における車両前後方向の前側の部分を含んで構成され、前記接合板部における前記本体への接合部位には、該本体に対し車両上下方向に張り出されると共に、前記スペーサに対し車両上下方向のオーバラップしつつ対向する対向面部が形成され、かつ、前記接合板部は、前記水平部を挟み込む一対の板部を有し、該一対の板部のそれぞれが前記水平部にアーク溶接にて接合されている、構成としても良い。
上記の態様によれば、本体の水平部を挟み込む一対の板部のそれぞれが該水平部にアーク溶接にて接合されているため、接合板部と本体とが強固に接合される。これにより、微小ラップ衝突の際に、連結部材によってフロントサイドメンバの前端側が車幅方向外向きに引っ張られるとの作用が効果的に奏される。
上記の態様において、前記スペーサは、前記フロントサイドメンバに対し車幅方向外側に突出しており、前記連結部材から前記スペーサに車両前後方向の後方へ向かう荷重が作用した場合に、該連結部材と共に車両前後方向の後方に変位又は変形しつつ前記スペーサを車両前後方向の後方から支持する支持部材をさらに備えた、構成としても良い。
上記の態様によれば、支持部材が設けられているため、連結部材が変形又は変位してスペーサを介してフロントサイドメンバを押す際に、該スペーサが支持部材によって車両後方から支持される。
本発明の第2の態様に係る車体前部構造は、車両前後方向の前側にクラッシュボックスが取り付けられたフロントサイドメンバと、車両前後方向の前側が前記クラッシュボックスと前記フロントサイドメンバとの間に挟み込まれて接合されると共に、車両前後方向の後側がフェンダエプロン部に接合された連結部材と、前記フロントサイドメンバに対し車幅方向外側に突出し、かつ前記連結部材の一部及び前記フロントサイドメンバと車両上下方向にオーバラップするように該フロントサイドメンバに設けられたスペーサと、前記連結部材から前記スペーサに車両前後方向の後方へ向かう荷重が作用した場合に、該連結部材と共に車両前後方向の後方に変位又は変形しつつ前記スペーサを車両前後方向の後方から支持する支持部材と、を備えている。
上記の態様によれば、例えば、フロントサイドメンバに対する車幅方向外側に荷重が入力される形態の前面衝突(以下、「微小ラップ衝突」という)が生じた場合は、連結部材に衝突荷重が入力される。この荷重によって連結部材が変位又は変形すると、該連結部材の前端側がクラッシュボックスとフロントサイドメンバとの間に挟み込まれて接合されていることによって、フロントサイドメンバの前端部が車幅方向外側に引っ張られる。また、上記した連結部材の変位又は変形に伴って、該連結部材とフロントサイドメンバとの間に位置するスペーサによってフロントサイドメンバが車幅方向内向きに押される。これらにより、フロントサイドメンバには折れが生じ、自車両と衝突相手方とが車幅方向にずらされることとなり、自車両の車体への衝突相手方の侵入が抑制される。
このように、上記態様の車体前部構造では、微小ラップ衝突よる車体変形を抑制することができる。また、支持部材が設けられているため、連結部材が変形又は変位してスペーサを介してフロントサイドメンバを押す際に、該スペーサが支持部材によって車両後方から支持される。
上記の態様において、前記支持部材は、前記連結部材から前記スペーサにおける車両前後方向の後方部分に向けて突出された突出部を含んで構成されている、構成としても良い。
上記の態様によれば、連結部材が変形又は変位してスペーサを介してフロントサイドメンバを押す際に、連結部材に設けられた突出部がスペーサを車両後方から支持する。すなわち、連結部材(と一体的に動く部分)は、スペーサを車両後方から支持しつつ、該スペーサを介してフロントサイドメンバを押すこととなる。これにより、微小ラップ衝突に対する衝突性能に与える影響を排除し又は小さく抑えつつ、スペーサを支持することができる。
本発明の第3の態様に係る車体前部構造は、車両前後方向の前側にクラッシュボックスが取り付けられたフロントサイドメンバと、車両前後方向の前側が前記クラッシュボックスと前記フロントサイドメンバとの間に挟み込まれて接合されると共に、車両前後方向の後側がフェンダエプロン部に接合され、かつ、前記フロントサイドメンバに対する車幅方向外側に位置する部分における車両前後方向の前側が、平面視で車両前後方向の前側よりも後側で前記フロントサイドメンバから車幅方向外側に離れるように傾斜された傾斜部とされた連結部材と、前記フロントサイドメンバに対し車幅方向外側に突出し、かつ前記連結部材の一部及び前記フロントサイドメンバと車両上下方向にオーバラップするように該フロントサイドメンバに設けられたスペーサと、前記連結部材の前記傾斜部から前記スペーサの車両前後方向の後方部分に向けて突出された突出部と、を備えている。
上記の態様によれば、例えば、フロントサイドメンバに対する車幅方向外側に荷重が入力される形態の前面衝突(以下、「微小ラップ衝突」という)が生じた場合は、連結部材に衝突荷重が入力される。この荷重によって連結部材が変位又は変形すると、該連結部材の前端側がクラッシュボックスとフロントサイドメンバとの間に挟み込まれて接合されていることによって、フロントサイドメンバの前端部が車幅方向外側に引っ張られる。また、上記した連結部材の変位又は変形に伴って、該連結部材とフロントサイドメンバとの間に位置するスペーサによってフロントサイドメンバが車幅方向内向きに押される。これらにより、フロントサイドメンバには折れが生じ、自車両と衝突相手方とが車幅方向にずらされることとなり、自車両の車体への衝突相手方の侵入が抑制される。
このように、上記態様の車体前部構造では、微小ラップ衝突よる車体変形を抑制することができる。また、微小ラップ衝突の際には、連結部材の傾斜部は、平面視でフロントサイドメンバ前端への接合部を支点として回転する如く変形又は変位される。この動作に伴って、傾斜部から突出された突出部がスペーサの車両後方に移動する(回り込む)。この突出部によって、スペーサが車両後方から支持される。
上記の態様において、前記連結部材は、前記フロントサイドメンバに対する車幅方向外側に位置する部分における車両前後方向の前側が、平面視で車両前後方向の前側よりも後側で前記フロントサイドメンバから車幅方向外側に離れるように傾斜された傾斜部とされており、前記連結部材の前記傾斜部から前記スペーサの車両前後方向の後方部分に向けて突出された突出部をさらに備えた、構成としても良い。
上記の態様によれば、微小ラップ衝突の際には、連結部材の傾斜部は、平面視でフロントサイドメンバ前端への接合部を支点として回転する如く変形又は変位される。この動作に伴って、傾斜部から突出された突出部がスペーサの車両後方に移動する(回り込む)。この突出部によって、スペーサが車両後方から支持される。
上記の態様において、前記突出部及び連結部材は、前記スペーサに対し離間して配置されている、構成としても良い。
上記の態様によれば、突出部及び連結部材がスペーサに対し離間されている。このため、例えばフルラップ前面衝突等の微小ラップ衝突以外の形態の衝突の場合に、突出部及び連結部材によってスペーサすなわちフロントサイドメンバの挙動が拘束、阻害等されることが防止又は効果的に抑制される。
上記の態様において、前記突出部は、前記連結部材の一部を曲げることで該連結部材に一体に形成されている、構成としても良い。
上記の態様によれば、連結部材の曲げによって突出部が形成されているため、部品点数の増加を伴うことなく突出部(支持部材)を設けることができる。
以上説明したように本発明に係る車体前部構造は、微小ラップ衝突よる車体変形を抑制することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造の要部を拡大して示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造の概略全体構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造の要部を拡大して示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造の要部を拡大して示す側面図である。 図4の5−5線に沿った断面図である。 図3の6−6線に沿った断面図である。 図3の7−7線に沿った断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造に対する微小ラップ衝突初期の動作を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造に対する微小ラップ衝突時においてクラッシュボックスが圧縮された状態を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造に対する微小ラップ衝突時においてバリヤが連結部材に干渉する状態を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造に対する微小ラップ衝突時において連結部材からフロントサイドメンバに荷重が作用する状態を模式的に示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造に対する微小ラップ衝突時において連結部材からの荷重によりフロントサイドメンバが折れた状態を模式的に示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体前部構造の要部を拡大して示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体前部構造の要部を拡大して示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体前部構造の要部を拡大して示す側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体前部構造に対する微小ラップ衝突初期の動作を模式的に示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体前部構造に対する微小ラップ衝突時においてクラッシュボックスが圧縮された状態を模式的に示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体前部構造に対する微小ラップ衝突時においてバリヤが連結部材に干渉する状態を模式的に示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体前部構造に対する微小ラップ衝突時において連結部材からフロントサイドメンバに荷重が作用する状態を模式的に示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車体前部構造に対する微小ラップ衝突時において連結部材からの荷重によりフロントサイドメンバが折れた状態を模式的に示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る車体前部構造の要部を拡大して示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る車体前部構造に対する微小ラップ衝突時の突出部によるスペーサの支持状態を模式的に示す平面図である。 本発明の第4の実施形態に係る車体前部構造の要部を拡大して示す平面図である。 本発明の第5の実施形態に係る車体前部構造の要部を拡大して示す斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係る車体前部構造の要部を拡大して示す平面図である。 本発明の第5の実施形態に係る車体前部構造の要部を拡大して示す側面図である。 本発明の第5の実施形態に係る車体前部構造のバンパリインフォースメント、クラッシュボックス等を取り外して要部を示す斜視図である。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係る車体前部構造10について、図1〜図8に基づいて説明する。なお、図中に適宜記す矢印FRは車両前後方向の前方向を、矢印UPは車両上下方向の上方向を、矢印RHは前方向を向いた場合の右方向(車幅方向一方)側を、矢印LHは前方向を向いた場合の左方向(車幅方向他方)側をそれぞれ示す。以下の説明で、特記なく前後、上下、左右の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の左右を示すものとする。
[車体前部の基本構成]
図2には、車体前部構造が適用された自動車Aの前部の概略構成が斜視図にて示されている。この図に示される如く、自動車Aの車体Bは、左右一対のフロントサイドメンバ12を備えている。各フロントサイドメンバ12は、それぞれ前後方向に長手とされ、車幅方向に並列して配置されている。各フロントサイドメンバ12は、クラッシュボックス14を介して、車幅方向に長手とされたバンパリインフォースメント16に接合されている。すなわち、左右のクラッシュボックス14の前端間が、バンパリインフォースメント16に架け渡されている。
この実施形態におけるバンパリインフォースメント16は、長手方向に直交する断面視で、B型断面を成している。具体的には、上中下3つのフランジ間に前向きに開口する上下一対の凹部が形成されて成るリヤパネル16Rの上記各フランジにフロントパネル16Fが接合されることで、上下に2つ閉断面部が並ぶB型断面のバンパリインフォースメント16が構成されている。なお、上下の閉断面部間は、後向きに開口する凹部とされている。また、図示は省略するが、フロントパネル16Fにおける上下の閉断面の前壁を成す部分に、前向きに開口するように後方(閉断面の内方)に突出されたビードを車幅方向に亘って形成しても良い。このように例示する構造によって、バンパリインフォースメント16は、曲げに対して高い剛性、強度を有する構成とされている。
また、左右のフロントサイドメンバ12の前部間には、ラジエータサポート18が取り付けられている。ラジエータサポート18は、上下に対向するアッパメンバ18U、ロアメンバ18Lの車幅方向両端が、左右一対のサイドメンバ18Sにて接合されることで、正面視で矩形枠状を成す部分を含んで構成されている。この実施形態では、アッパメンバ18U、ロアメンバ18Lの車幅方向中央部間を連結するセンタメンバ18Cが設けられている。なお、この実施形態におけるサイドメンバ18Sは、車幅方向外向きに張り出した張出部を有しており、該張出部が後述するフランジ52Fと共に後述する前フランジ30、後フランジ40間に挟み込まれて共締めされている(図5参照)。
一方、各フロントサイドメンバ12の後端側は、エンジンコンパートメントEとキャビンCとを仕切るダッシュパネル20に接合されている。より具体的には、フロントサイドメンバ12の後部は、前側よりも後側で下方に位置するように傾斜されたキック部12Kとされており、該キック部12Kがダッシュパネル20に前面側に接合されている。キック部12Kの後下端は、図示しないフロアパネル下方に接合されたフロアアンダリインフォースに繋げられている。ダッシュパネル20の車幅方向中央部には、フロアトンネルTに繋がるトンネル部20Tが形成されている。
また、各フロントサイドメンバ12に対する車幅方向外側には、フェンダエプロン22が設けられている。この実施形態では、各フェンダエプロン22は、図示しない前輪が転舵可能に収容されるホイールハウスHを形成すると共に、サスペンションタワー22Sが一体に形成されている。各サスペンションタワー22Sは、ホイールハウスH内に収容された前輪を支持する図示しないサスペンションの上端部を支持する構成とされている。さらに、各フロントサイドメンバ12には、上記したサスペンションを支持するためのサスペンションメンバ24が取り付けられている。この実施形態では、サスペンションメンバ24は、車幅方向に長手のI型のサスペンションメンバとされており、車幅方向両端において、上記したサスペンションを構成する図示しないロアアームを前後方向に沿った軸周りに回転可能に支持するようになっている。
このサスペンションメンバ24は、前後に離れた複数個所でフロントサイドメンバ12に接合されている。具体的には、サスペンションメンバ24の車幅方向の両外端における前部は、アーム部材24Aを介してフロントサイドメンバ12における前後方向の中間部に下方から接合されている。一方、図示は省略するが、サスペンションメンバ24の車幅方向の両外端における後部は、フロントサイドメンバ12のキック部12Kの後下端部に直接的又は間接的に接合されている。
また、各フェンダエプロン22の車幅方向内端かつ上下方向下端の部分は、フロントサイドメンバ12に接合されている。一方、フェンダエプロン22の車幅方向外端かつ上下方向上端の部分には、前後方向に長手の骨格部材であるエプロンアッパメンバ26に接合されている。各エプロンアッパメンバ26は、車体Bの前上部において車幅方向外端に沿って配置されており、後端部が図示しないカウル部に接合されている。換言すれば、エプロンアッパメンバ26の後端は、カウル部を介してダッシュパネル20に支持されている。また、各エプロンアッパメンバ26の前端側は、エクステンション28を介してラジエータサポート18を構成するサイドメンバ18Sの上端(アッパメンバ18Uの車幅方向外端部)に連結されている。
詳細は後述するが、各フロントサイドメンバ12の前端には、クラッシュボックス14との接合用の前フランジ30が設けられている。前フランジ30は、後向きに開口する平面視略ハット形状に形成され、上下方向に長手の部材とされている。この前フランジ30は、フロントサイドメンバ12に対し下方に突出されている。そして、各前フランジ30下部と、サスペンションメンバ24前部における車幅方向外端部との間が、前後に長い部材であるロアメンバ32にて連結されている。
一方、各前フランジ30の下部における前向面には、前後方向に長いパイプ部材34の後端に設けられたフランジ34Fが、前後方向の締結によって接合されている。各パイプ部材34は、それぞれの後端に形成されたフランジ34Fがフランジ本体30Fの下部に対し面合わせ状態で、図1に示すボルト、ナット等の締結具39による締結にて接合されている。そして、左右のパイプ部材34の前端間が下側バンパリインフォースメント36にて架け渡されている。
以上説明した構成において、エンジンコンパートメントE内には、自動車Aの駆動源であるパワーユニットP(図3参照)が配置されている。パワーユニットPは、左右のフロントサイドメンバ12及びサスペンションメンバ24等の車体Bの構成部位によって直接的又は間接的に支持されている。パワーユニットPは、左右のフロントサイドメンバ間に配置されている。
[要部構成]
(フランジ締結構造)
車体前部構造10の要部は、基本的に左右対称に構成されているので、以下の説明では、左側の構造について主に説明することとする。図1に示される如く、フロントサイドメンバ12の前端には、上記した前フランジ30が接合されている。前フランジ30は、前方を向くフランジ本体30Fと、フランジ本体30Fの左右両端から後方に延びる一対の側壁30Sと、フランジ本体30F及び一対の側壁30S下端を繋ぐ底壁30Bとを少なくとも含んで構成されている。
図3、図6等に示される如く、フランジ本体30Fの背面には、複数(この実施形態では、正面視で上下に長い矩形状を成すように4つ)のウェルドナット38が設けられている。また、前フランジ30における車幅方向内側の側壁30Sは、図3及び図5に示される如く、フロントサイドメンバ12の車幅方向内側を向く内側面である側面12S1に接触又は極近接して配置されている。この車幅方向内側の側壁30Sが側壁部に相当する。
一方、図1に示される如く、クラッシュボックス14後端には、後フランジ40が設けられている。後フランジ40は、フランジ本体40Fの周縁から周壁40Sが前方に短く突出されて構成されている。図示は省略するが、フランジ本体40Fにおけるフランジ本体30Fのウェルドナット38に対応する位置には、ボルト貫通孔が形成されている。
クラッシュボックス14は、ウェルドナット38に螺合するボルト42によって後フランジ40が前フランジ30に締結されることで、フロントサイドメンバ12の前端に接合されている。そして、このクラッシュボックス14の後フランジ40と、フロントサイドメンバ12の前フランジ30との間に、後述する連結部材46の接合板部としてのフランジ52Fが挟み込まれて共締めされるようになっている。
なお、ウェルドナット38とボルト42との螺合による4つの締結部位は、フロントサイドメンバ12の長手方向との直交断面視で該断面を上下に分ける中心線に対する上下両側、該断面を左右に分ける中心線に対する左右両側のそれぞれに配置されている。
(エプロンアッパメンバ)
エプロンアッパメンバ26の前端には、前向きの板状を成すエンドプレート44が接合されている。エンドプレート44は、エプロンアッパメンバ26との接合部位からフェンダエプロン22の前縁に沿って車幅方向内側に延び、該フェンダエプロン22の前縁にも接合されている。エンドプレート44におけるエプロンアッパメンバとの接合部である車幅方向外端は、正面視で略正方形状の矩形プレート部44Aとされている。エンドプレート44におけるフェンダエプロン22の前縁にも接合される部位は、正面視で略弓形を成し、矩形プレート部44Aの車幅方向内側かつ下側の端部に繋がっている。
この実施形態においては、フェンダエプロン22、エプロンアッパメンバ26、及びエンドプレート44が接合されて成る構造体、又はこれら部材の単体の何れか1つ若しくは2つが、本発明のフェンダエプロン部に相当する。
(連結部材)
車体前部構造10は、エプロンアッパメンバ26の前端とフロントサイドメンバ12の前端とを連結する連結部材46を備えている。連結部材46は、閉断面構造の本体としてのパイプ部48と、パイプ部48の後端に設けられた後フランジ50と、パイプ部48の前端に設けられた前側接合部52とを主要部として構成されている。
後フランジ50は、図3及び図4に示される如く、エンドプレート44の矩形プレート部44Aに、ボルト58とウェルドナット59との螺合による締結にて接合されることで、エプロンアッパメンバ26の前端に接合されている。すなわち、連結部材46は、エンドプレート44を介してエプロンアッパメンバ26に接合されている。したがって、連結部材46のエプロンアッパメンバ26すなわちエンドプレート44に対する締結方向は、前後方向に略一致されている。
図1に示される如く、パイプ部48は、例えばパイプ材の曲げにより形成され、前後方向、上下方向及び車幅方向に位置の異なるエプロンアッパメンバ26の前端とフロントサイドメンバ12の前端とを連結するべく、後述する如く湾曲されている。この実施形態では、パイプ部48は、後部48R、中間部48C、及び前部48Fが後方からこの順で繋がるように形成されている。
後部48Rは、側面視で円弧状に形成され、上後端が前後方向を接線方向とするように配置されて後フランジ50接合されている。前部48Fは、平面視で前側よりも後側でフロントサイドメンバ12から車幅方向外側に離れるように傾斜された直線状に形成され、その前端48FFがクラッシュボックス14の車幅方向外側で前方及び車幅方向内側を向いて開口する開口端とされている。中間部48Cは、後部48Rと前部48Fとを繋ぐように形成されている。具体的には、中間部48Cは、後部48Rの前下端における接線方向に沿って、前下方に延びるストレート部と、該ストレート部の前下端と前部48Fの後端とを滑らかに(それぞれの接線方向に沿った境界を成すように)繋ぐ円弧状部とで構成されている。
このパイプ部48は、平面視では図3に示される如く、主に後部48Rが前後方向に沿った直線状を成しており、中間部48C及び前部48Fが前側よりも後側でフロントサイドメンバ12から車幅方向外側に離れるように傾斜された直線状に形成されている。この平面視では、前部48Fにおける前端48FFの車幅方向内側の端部(図1では、後述するフランジ52Fに隠れている)がフロントサイドメンバ12とクラッシュボックス14との接合部に対する車幅方向外側(の近傍)に位置している。
また、パイプ部48は、側面視では図4に示される如く、前部48F(主に図4で後述するフランジ52Fに隠された部分)が略水平面(フロントサイドメンバ12の長手方向)に沿った水平部とされている。そして、この略水平とされた前部48Fに、前側接合部52が接合されている。換言すれば、本体部における前側接合部52から側面視でフロントサイドメンバ12の長手方向(水平方向)に沿って後方に延びる部分が前部48Fとされ、該前部48Fが本発明の水平部に相当する。
前側接合部52は、クラッシュボックス14の後フランジ40とフロントサイドメンバ12の前フランジ30とに共締めされるフランジ52Fと、パイプ部48の前部48Fに接合されるパイプ接合部52Cとを含んで構成されている。具体的には、図1、3〜5に示される如く、前側接合部52は、それぞれ板材としての主パネル54、補強パネル55の2部材構成とされている。そして、フランジ52Fは、主パネル54にて構成されており、前方を向く平板状に形成されると共に、上記ボルトが貫通する4つのボルト貫通孔(図示省略)が形成されている。この主パネル54の周縁からは、周壁54Sが前方に短く突出されて構成されている。
主パネル54におけるフランジ52Fを構成する部分の車幅方向外側の部分は、パイプ部48の前部48Fの長手方向に沿ように傾斜されており、該前部の後方を覆うように半円状に凹まされた凹部54Nが形成されている。図7に示される如く、補強パネル55は、凹部54Nに嵌め込まれたパイプ部48を囲むように断面ハット形状を成している。したがって、パイプ接合部52Cは、主パネル54及び補強パネル55のそれぞれがパイプ部48に対し上下方向の両側に張り出す構成とされている。
そして、パイプ接合部52Cは、前部48Fが凹部54Nに嵌め込まれたパイプ部48に補強パネル55を被せた状態で、各部を溶接することで、パイプ部48と前側接合部52とを接合している。より具体的には、図7に示すアーク溶接部AW1において、前部48Fの長手方向(図7に示す断面との直交方向)に長い(連続又は断続、以下同じ)溶接を施すことで、補強パネル55と主パネル54とが接合されている。また、アーク溶接部AW2において、前部48Fの長手方向に長い溶接を施すことで、主パネル54とパイプ部48の前部48Fとが接合されている。さらに、アーク溶接部AW3において、前部48Fの長手方向に長い溶接を施すことで、補強パネル55とパイプ部48の前部48Fとが接合されている。
補強パネル55は、凹部54Nを上下に跨ぐ2か所において主パネル54に重ね合わされ、アーク溶接部AW1は、補強パネル55の上下のエッジ部に沿った隅肉溶接(重ね継手)とされている。また、補強パネル55の上下方向中間部には、前部48Fの長手方向に長い長孔55Hが形成されており、アーク溶接部AW3は、長孔55Hの下縁に沿った隅肉溶接(重ね継手)とされている。一方、アーク溶接部AW2は、凹部54Nの開口端とパイプ部48(の前部48F)の周面とを、前部48Fの長手方向に沿ってアーク溶接して形成されている。
この前側接合部52については、フランジ52Fが主パネル54の1部材構成で、パイプ接合部52Cが主パネル54と補強パネル55との2部材構成である構成として捉えることも可能である。
以上説明した連結部材46は、後フランジ50がエンドプレート44に前方からの締結にて接合されると共に、前側接合部52のフランジ52Fが後フランジ40と前フランジ30とに挟み込まれた状態でこれらに共締めされている。これにより、連結部材46が、エプロンアッパメンバ26の前端とフロントサイドメンバ12の前端とを連結する構成とされている。
換言すれば、この実施形態における連結部材46は、フロントサイドメンバ12に対する車幅方向外側に張り出した状態で、該フロントサイドメンバ12及びエプロンアッパメンバ26に支持された骨格部材として捉えることも可能である。そして、図3に示される如く、連結部材46は、バンパリインフォースメント16に対しても大きく車幅方向の外側に張り出す構成とされている。これにより、連結部材46は、フロントサイドメンバ12の車幅方向外側への衝突態様では、該衝突荷重の実質的な入力部位として捉えることができる。
そして、この実施形態では、上記の通り連結部材46の前端側の一部すなわちパイプ部48の前部48F、中間部48C、及び前側接合部52のパイプ接合部52Cが、平面視で前側よりも後側でフロントサイドメンバ12から離れるように傾斜されている。また、図3に示される如く、連結部材46を構成するパイプ部48の前端48FFは、フロントサイドメンバ12の前端よりも前方に突出している。
(スペーサ)
図1及び図3に示される如く、フロントサイドメンバ12の車幅方向外向きの側面12S2における連結部材46に対する車幅方向内側部分には、スペーサ56が設けられている。換言すれば、スペーサ56は、平面視でフロントサイドメンバ12と連結部材46との間に位置する部分に配置されている。また、側面図である図4に示される如く、スペーサ56は、フロントサイドメンバ12及び連結部材46の前端側の一部と上下方向にオーバラップして配置されている。
より具体的には、スペーサ56は、連結部材46を構成するパイプ部48の前部48Fに対して、正面視(図3の矢印X視)で車幅方向及び上下方向にオーバラップし、側面視(図3の矢印Y視、図4)で前後方向及び上下方向にオーバラップしている。すなわち、スペーサ56は、パイプ部48の前部48Fに対向して配置されている。また、スペーサ56は、連結部材46の前側接合部52の対向面部としてのパイプ接合部52Cに対しても、対向して配置されているものと捉えることができる。
これにより、連結部材46が後向きの荷重を受けて変形された場合には、該連結部材46を構成するパイプ部48の前部48F(が嵌合する前側接合部52の部分)がスペーサ56に干渉する構成となっている。スペーサ56は、このように変形された連結部材46が干渉する部分が、平面視で車幅方向外側及び前方を共に向くように傾斜された傾斜面56Cとされている。
スペーサ56は、フロントサイドメンバ12におけるパワーユニットPに対する若干前方に位置する部分に接合され、該部分でフロントサイドメンバ12の側面12S2から車幅方向外側に突出されている。この実施形態では、フロントサイドメンバ12に対するスペーサ56の接合構造として、図3及び図4に示される如く、スペーサ56における前後に張り出したフランジ56Fにおけるボルト60を含む締結具による締結が採用されている。
このスペーサ56は、上記の如く連結部材46が干渉した場合に、該連結部材46からの荷重をフロントサイドメンバ12に伝える荷重伝達部材として機能する構成とされている。この荷重伝達によって、後述する本実施形態の作用で説明するように、フロントサイドメンバ12におけるパワーユニットP近傍での折れが促進される構成である。
スペーサ56は、上記の通り荷重伝達部材として機能すれば足り、アルミニウム(又はその合金)や樹脂など軽量(低密度)な材料を用いて構成することができる。
[作用]
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
(微小ラップ衝突時の作用)
上記構成の車体前部構造10が適用された自動車Aに、フロントサイドメンバ12に対する車幅方向外側に衝突体(バリヤBr)が衝突する形態の衝突である微小ラップ衝突が生じた場合の作用について、図8を参照しつつ説明することとする。図示例では、左側のフロントサイドメンバ12の車幅方向外側にバリヤBrが衝突した場合を示す。なお、図8B〜図8Eでは、衝突後のバンパリインフォースメント等の図示を省略している。
上記した微小ラップ衝突の初期には、図8Aに示される如く、バリヤBrから、バンパリインフォースメント16におけるフロントサイドメンバ12の車幅方向外側部分に後向きの荷重が入力される。上記の通りB型断面とされた高強度のバンパリインフォースメント16によってクラッシュボックス14に衝突荷重が伝達されると、該クラッシュボックス14は、図8Bに示される如く前後方向に圧縮される。これにより、衝突初期のエネルギ吸収が果たされる。
次いで、図8Cに示される如くバリヤBrが連結部材46と干渉する部位まで至ると、連結部材46のパイプ部48における平面視で傾斜された前部48Fには、車幅方向内向きの荷重Fyが生じる。この荷重Fyは、自動車AとバリヤBrとが車幅方向に離れる方向の力として作用する。すなわち、連結部材46とバリヤBrとの干渉によって、自動車AとバリヤBrとの車幅方向へのずれが生じ、該自動車AとバリヤBrとすれ違いが促進される。これにより、バリヤBrの自動車Aへの侵入が抑制される。
さらにバリヤBrが連結部材46を後方に押し込むと、後方へ変形又は変位される連結部材46によって、フロントサイドメンバ12の前端が車幅方向外向きに引っ張られる(図8Dの力Fo)。一方、図8Dに示される如く、バリヤBrからの荷重でさらに変形した連結部材46がスペーサ56に干渉すると、該スペーサ56によってフロントサイドメンバ12が車幅方向内向きに押される(図8Dの力Fi)。これらにより、図8Eに示される如く、フロントサイドメンバ12は、パワーユニットPの車幅方向外側に位置する部分において、車幅方向内側に折れが生じる。
この折れによって、フロントサイドメンバ12は、パワーユニットPを車幅方向内向きに押すこととなる。そして、自動車Aにおける質量集中部(の1つ)であるパワーユニットPに入力された横力(慣性力)によって、自動車A自体が反衝突側へ移動される(バリヤBrに対し車幅方向に離れる)。これにより、自動車AとバリヤBrとのすれ違いが一層促進され、車体Bの衝突側端部の局所的な変形が防止又は効果的に抑制される。
(連結部材の作用)
ここで、連結部材46は、前端側の一部すなわちパイプ部48の前部48F、中間部48C、及び前側接合部52のパイプ接合部52Cが、平面視で前側よりも後側でフロントサイドメンバ12から離れるように傾斜されている。この傾斜した部分にバリヤBr(相手方車両等)が衝突すると、該傾斜した部分によって衝突荷重の一部が反衝突側への荷重Fyに変換される。これにより、連結部材46によって、バリヤBrとの車幅方向へのずれ、すなわち上記したバリヤBrとのすれ違いが促進される。
また、連結部材46は、前端側の一部が上記の通り傾斜されているので、車幅方向に沿った張出部と該張出部から後方に延びる延出部とを有する平面視でL字状の連結部材と比較して、フロントサイドメンバ12とエンドプレート44との連結経路が短い。このため、連結部材46は、上記比較例に係る連結部材と比較して、微小ラップ衝突に伴う後方への変形又は変位によって少ない遊び(空走距離)でフロントサイドメンバ12の前端を車幅方向外向きに引っ張る作用を生じる。これにより、連結部材46は、スペーサ56との協働によるフロントサイドメンバ12の折れを大きく促進させる。
また、連結部材46の前側接合部52に接合された前フランジ30が側壁30Sを有する。この側壁30Sは、バリヤBrが連結部材46を後方に押し込むことでフロントサイドメンバ12の前端が車幅方向外向きに引っ張られる際に、該フロントサイドメンバ12の前端を車幅方向に押し出すように機能する。これにより、フロントサイドメンバ12の前端を車幅方向外向きに引っ張る際に、側壁30Sを有しない比較例のようにボルト42のせん断だけに頼ることがなくなる。したがって、車体前部構造10では、微小ラップ衝突の際に、フロントサイドメンバ12の前端に車幅方向外向きの引張力を効率的に作用させることができる。
さらに、連結部材のフランジ52Fをフロントサイドメンバ12の前フランジ30等に共締めするウェルドナット38、ボルト42が、フロントサイドメンバ12を左右に分ける中心線よりも車幅方向内側に位置するものを含む。このため、該中心線に対し車幅方向外側だけでフランジ52Fが前フランジ30に共締めされる構成と比較して、微小ラップ衝突の際に、フロントサイドメンバ12の前端が全体として(全断面で)、車幅方向外向きに引っ張られる。またさらに、上記の通り連結部材46は、車幅方向の両側でフランジ52Fが前フランジ30に共締めされている。このため、上記中心線に対する一方側だけでフランジ52Fが前フランジ30に共締めされる構成と比較して、共締めによる複数の接合部のうち特定の接合部位に荷重(応力)が集中することが抑制される。
これらにより、車体前部構造10では、微小ラップ衝突の際にフロントサイドメンバ12の前端が効率的に車幅方向外側に引っ張られることとなり、該フロントサイドメンバ12に対して適所、適時で折れを生じさせることに寄与する。しかも、連結部材46を構成するパイプ部48の前端48FFがフロントサイドメンバ12の前端よりも前方に突出している。このため、クラッシュボックス14の圧縮後、フロントサイドメンバ12が衝突荷重による圧縮を受ける前に、上記の通り連結部材46によるフロントサイドメンバ12の前端の車幅方向外向きに引っ張る動作を開始させることができる。これにより、フロントサイドメンバ12の折れを、安定して車幅方向内側に向けて生じさせることができる(フロントサイドメンバ12の折れ方向が安定する)。
また、車体前部構造10を構成する連結部材46は、パイプ部48に接合される前側接合部52が主パネル54と補強パネル55との2部材構成とされている。このため、1部材構成の前フランジを用いる比較例と比較して、パイプ部48とのアーク溶接部を増すことができる。これにより、微小ラップ衝突の際に、パイプ部48と前側接合部52との溶接剥がれが防止又は著しく抑制され、連結部材46によって、上記したフロントサイドメンバ12の前端を車幅方向外側に効率的に引っ張ることができる。
またここで、連結部材46は、例えば、フロントサイドメンバに連結部材の接合用の貫通孔を形成した比較例では、連結部材を取り付けた状態で衝突設計を行うと、該連結部材を備えない構成においては、貫通孔が衝突性能に影響を与えてしまうことが懸念される。すなわち、貫通孔に連結部材を接合した場合としない場合とで、前突性能が異なってしまう懸念がある。このため、フロントサイドメンバに上記用途の貫通孔を形成した比較例においては、連結部材を備えない車両との構造の共通化が難しい。
これに対して連結部材46は、前側接合部52のフランジ52Fをフロントサイドメンバ12の前フランジ30とクラッシュボックス14の後フランジ40との間に挟み込まれた状態で、フロントサイドメンバ12の前端に接合されている。このため、車体前部構造10では、フロントサイドメンバ12等による衝突時のエネルギ吸収特性(前面衝突に対する衝突性能)に影響を与えることを防止又は抑制しつつ、微小ラップ衝突に対応して連結部材46を設けることができる。
このように、車体前部構造10では、フロントサイドメンバ12による衝突性能への影響を防止又は抑制しつつ、フロントサイドメンバ12とエンドプレート44とを連結する連結部材46によって、微小ラップ衝突による車体変形を抑制することができる。
そして、車体前部構造10では、連結部材46を備えない車両(例えば、微小ラップ衝突への対応構造が異なる車両)との間で、前面衝突に対する衝突性能への影響を抑えつつ、フロントサイドメンバ12やクラッシュボックス14を共通化することができる。すなわち、微小ラップ衝突による車体変形を抑制するための連結部材46を備えた構成において、該連結部材46を備えない車両との車体構造の共通化が可能とされる。
特に、連結部材46は、後端側の後フランジ50において、ボルト58、ウェルドナット59にてエプロンアッパメンバ26に締結されると共に、前端側の前側接合部52において前フランジ30、40にボルト42、ウェルドナット38にて共締めされている。このため、例えば連結部材の前後端の一方又は双方を溶接等にて車体Bに接合する比較例と比較して、連結部材46を備えない車両との、該連結部材46以外の構造の共通化が容易になる。
そして、連結部材46は、ボルト58、ウェルドナット59にて前後方向に締結されてエンドプレート44に接合されている。例えばエプロンアッパメンバ26における前後方向に長手の壁部を車幅方向に貫通するボルト等によって連結部材を締結する比較例では、衝突荷重をボルトのせん断で受けるこことなる。これに対して、上記の通りエンドプレート44への締結方向が前後方向であるため、連結部材46(パイプ部48の後部48R)において衝突荷重を軸力として受け止めることができる。このように、連結部材46は、ボルト58のせん断強度に頼らずに、バリヤBrからの荷重を効率よく受け止める。
(スペーサの作用)
またここで、スペーサ56がフロントサイドメンバ12と連結部材46との間に、該フロントサイドメンバ12及び連結部材46と上下方向にオーバラップして設けられている。このため、微小ラップ衝突の際に衝突荷重によって後方に変形又は変位した連結部材46がスペーサ56に干渉すると、上記の通りスペーサ56によってフロントサイドメンバ12が車幅方向内側に押される。この作用と、上記した連結部材46がフロントサイドメンバ12の前端を車幅方向外向きに引っ張る作用とによって、上記の通りフロントサイドメンバ12がパワーユニットの側方で折れ、自動車AとバリヤBrとが車幅方向にずれることが促進される。
特に、スペーサ56がフロントサイドメンバ12の車幅方向外向きの側面12S2に設けられている。このため、微小ラップ衝突の際にフロントサイドメンバ12の特定部位(スペーサ56の設置部位)が、スペーサ56によって車幅方向内向きに押されることとなる。これにより、微小ラップ衝突の際にフロントサイドメンバ12の適所に折れを生じさせることができる。
また、連結部材46のパイプ部48の前部48Fは、側面視で前側接合部52から後方に向けて略水平に延びている。このため、前部48は、バリヤBrからの後向きの荷重によって、上下方向への変位や変形が抑制され、略水平面に沿って変形又は変位される。この前部48からの荷重がスペーサ56によってフロントサイドメンバ12を車幅方向内向きに押す力として伝達される。これにより該荷重の伝達の際に上下方向の分力が生じることが抑制されるので、側面視で傾斜した連結部材からスペーサに荷重を伝達する構成と比較して、連結部材46からスペーサ56を介したフロントサイドメンバ12への荷重伝達効率が向上する。このため、フロントサイドメンバ12の折れが促進され、またフロントサイドメンバ12が折れた後にパワーユニットPに効率的に荷重を伝達することができ、自動車AがバリヤBrに対し車幅方向に離れる方向の移動が促進される。
さらに、連結部材46の前側接合部52におけるパイプ接合部52Cが前部48Fに対し上下方向に張り出されて、スペーサ56と対向している。このパイプ接合部52Cを介しても、バリヤBrからの荷重がスペーサ56を介してフロントサイドメンバ12に伝達される。これにより、接合部がパイプ部48の前部48Fに対し上下に張り出していない構成と比較して、パイプ接合部52C、スペーサ56を介して上下に広い範囲でフロントサイドメンバ12に衝突荷重を効率的に伝達することができる。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係る車体前部構造65について、図9〜図12に基づいて説明する。なお、第1の実施形態と基本的に同一の部品や部分については、第1の実施形態と同一の符号を付して、その説明、図示を適宜省略する。
図9には、車体前部構造65が図に対応する斜視図にて示され、図10には、車体前部構造65が図3に対応する平面図にて示され、図11には、車体前部構造65が図4に対応する側面図にて示されている。これらの図に示される如く、車体前部構造65は、支持部材62を備える点で、車体前部構造10とは異なる。
なお、この実施形態におけるスペーサ56は、図10に示される如く、車幅方向の最も外側に張り出した頂部56Tが前後方向の略中央に位置している。スペーサ56における頂部56Tの後方には、平面視で車幅方向外側及び後方を共に向くように傾斜された傾斜面である被支持面56Sが形成されている。
(支持部材)
図10に示される如く、連結部材46を構成するパイプ部48の傾斜部である前部48F(との境界近傍に位置する中間部48Cの部分を含んでも良い)には、支持部材62がスペーサ56側に突出して設けられている。支持部材62は、パイプ部48への接合側である基端62Bに対してスペーサ56側に位置する先端62P側が幅狭とされ、平面視で楔形の外形状を成している。なお、支持部材62のパイプ部48へ接合構造としては、ボルト64を含む締結具による締結が採用されている。
この支持部材62は、その先端62Pがスペーサ56の被支持面56S側に向かうように、パイプ部48からスペーサ56側に突出しており、本発明における突出部に相当する。この支持部材62は、連結部材46と共にスペーサ56に対して離間された状態で配置されている。すなわち、支持部材62は、スペーサ56に対し非拘束とされている。また、この実施形態では、支持部材62の先端62Pは、スペーサ56の頂部56Tよりも車幅方向外側に位置している。すなわち支持部材62は、スペーサ56に対して、全体として図10に示されるギャップGの分だけ車幅方向外側にオフセットして配置されている。
以上説明した支持部材62は、連結部材46のパイプ部48が前端(フランジ52Fの車幅方向外端)を支点に、平面視で図10の矢印R方向に回転(変形又は変位)すると、支持部材62がスペーサ56の被支持面56Sの後方に回り込むようになっている。この回り込み状態で支持部材62は、被支持面56Sに対し接触又は極近接するようになっている。
[作用]
次に、第2の実施形態の作用を説明する。
なお、微小ラップ衝突時の連結部材による作用、スペーサによる作用は、第1の実施形態における車体前部構造における微小ラップ衝突時の連結部材による作用、スペーサによる作用と同様であるので、説明を省略する。
(支持部材の作用)
図12A〜図12Cに示される如く、連結部材46がスペーサ56に干渉するまで変形されると、該連結部材46に設けられた支持部材62が、連結部材46と共に後方に変位しつつスペーサ56の被支持面56Sの後方に回り込む。すなわち、連結部材46の前端側を支点とした回転の如き動作に伴って、支持部材62がスペーサ56の後側近傍に回り込む。これにより、図12Dに示される如く、スペーサ56は、その被支持面56Sにおいて支持部材62によって後方から支持されつつ、連結部材46からの荷重をフロントサイドメンバ12に伝達する。
ここで、スペーサ56は、連結部材46からの荷重によってフロントサイドメンバ12(側面12S2)との間にせん断荷重を受ける。車体前部構造65では、このせん断荷重が支持部材62によって支持されるので、フロントサイドメンバ12に対するスペーサ56の前後方向の位置ずれやフロントサイドメンバ12からの脱落が防止又は効果的に抑制される。また、連結部材46に設けられた支持部材62は、該連結部材46(スペーサ56)と共に後方に変位する。このため、スペーサ56の後方への移動を止めることによる、該スペーサ56のフロントサイドメンバ12に対する位置ずれや脱落が防止又は効果的に抑制される。
これらにより、支持部材62を備えない比較例と比較して、微小ラップ衝突の際にフロントサイドメンバ12への荷重伝達が促進される。すなわち、支持部材62によるスペーサ56の支持作用によって、スペーサ56を介してフロントサイドメンバ12の適所に折れを生じさせることができる。また、フロントサイドメンバ12の折れ発生後も、図12Eに示される如く、フロントサイドメンバ12に対する適所への接合状態が維持される。このため、スペーサ56及びフロントサイドメンバ12を介して、パワーユニットPに反衝突側への荷重を効率的に伝達することができる。
また、車体前部構造65では、スペーサ56に対して支持部材62及び連結部材46が離間して配置されている。このため、例えばフルラップ前面衝突等の微小ラップ衝突以外の形態の衝突の場合に、スペーサ56の動きが支持部材62及び連結部材46に拘束、阻害されることが防止又は効果的に抑制される。すなわち、微小ラップ衝突以外の形態の衝突におけるフロントサイドメンバ12の挙動が、スペーサ56を介して支持部材62及び連結部材46からの拘束や干渉を受けることが防止又は効果的に抑制される。
これにより、微小ラップ衝突以外の形態の衝突に対する衝突性能に影響を与えないように支持部材62を設け、微小ラップ衝突に対する衝突性能を向上することができる。特に、支持部材62が全体としてスペーサ56に対し車幅方向外側にオフセットされている。このため、スペーサ56は単純な後方への移動によって支持部材62に干渉することがなく、微小ラップ衝突以外の形態の衝突に対する衝突性能に影響をより小さく抑えることができる。
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態に係る車体前部構造70について、図13及び図14に基づいて説明する。なお、第1又は第2の実施形態と基本的に同一の部品や部分については、第1又は第2の実施形態と同一の符号を付して、その説明、図示を適宜省略する。
図13には、車体前部構造70の要部が図10に対応する平面図にて示されている。この図に示される如く、車体前部構造70を構成する連結部材72は、本体としてのパイプ部74と、前側接合部52と、後フランジ50とを主要部として構成されている。パイプ部74は、その原材であるパイプ材の曲げによって支持部材としての突出部74Pが形成されている点で、パイプ部48とは異なる。以下、具体的に説明する。
パイプ部74は、後部48Rと同様に形成された後部74Rと、少なくとも前側接合部52のパイプ接合部52Cとの接合部位において前部48Fと同様に構成された前部74Fとを有する。また、パイプ部74は、後部74Rと前部74Fとを繋ぐ中間部74Cを有する。そして、中間部74Cにおける前部74F側の一部、又は、前部74Fの後端側及び中間部74Cの前部74F側の一部を含む部分に、突出部74Pが形成されている。
突出部74Pは、平面視で、中間部74Cにおける後部74Rとの境界部と前部74Fとを繋ぐ平面視における仮想線ILに対し、スペーサ56側に突出している。すなわち、この実施形態では、前部74Fと中間部74Cとで形成する傾斜部に対し、突出部74Pがスペーサ56側に突出された構成とされている。より具体的には、平面視で3カ所の曲げ部74B1、74B2、74B3で曲げられることで、前向きかつ車幅方向外向きに開口する略V字状に形成された変曲部(曲げ部)が、突出部74Pとされている。
また、図示は省略するが、突出部74Pは、少なくとも前部74Fとの境界部から上記V字の折り返し部となる頂部74PPまでの区間が、上下方向においてスペーサ56とオーバラップしている。突出部74Pにおけるスペーサ56に対する頂部74PPの位置は、支持部材62の先端62Pの位置と同様とされている。したがって、突出部74Pは、連結部材72と共にスペーサ56に対し離間して配置されており、かつスペーサ56に対し全体として車幅方向の外側にオフセットして配置されている。
以上説明した突出部74Pは、連結部材72のパイプ部74が前端(フランジ52Fの車幅方向外端)を支点に、平面視で図13の矢印R方向に回転(変形又は変位)すると、スペーサ56の被支持面56Sの後方に回り込むようになっている(図14参照)。この回り込み状態で突出部74Pは、被支持面56Sに対し接触又は極近接するようになっている。
第3の実施形態の突出部74Pによる作用を説明する。図14に示される如く、連結部材72がスペーサ56に干渉するまで変形されると、該連結部材72に一体に形成された突出部74Pがスペーサ56の被支持面56Sの後方に回り込む。すなわち、連結部材72の前端側を支点とした回転の如き動作に伴って、突出部74Pがスペーサ56の後側近傍に回り込む。これにより、スペーサ56は、その被支持面56Sにおいて突出部74Pによって後方から支持されつつ、連結部材72からの荷重をフロントサイドメンバ12に伝達する。
これにより、微小ラップ衝突の際に連結部材72から受ける荷重に基づくスペーサ56のせん断荷重が、突出部74Pによって後方から支持される。このため、フロントサイドメンバ12に対するスペーサ56の前後方向の位置ずれやフロントサイドメンバ12からの脱落が防止又は効果的に抑制される。
このように、第3の実施形態に係る車体前部構造70によっても、第1の実施形態に係る車体前部構造10と同様の作用を奏するので、該車体前部構造10と同様の作用を得ることができる。また、連結部材72による作用、スペーサ56による作用効果も基本的に車体前部構造10と同様であり、車体前部構造10と同様の作用を得ることができる。
また、車体前部構造70では、連結部材72を構成するパイプ部74の曲げによって突出部74Pが一体に形成されているため、部品点数の増加を伴うことなく支持部材としての突出部74Pを設けることができる。
〔第4の実施形態〕
本発明の第4の実施形態に係る車体前部構造80について、図15に基づいて説明する。なお、第1又は第2の実施形態と基本的に同一の部品や部分については、第1又は第2の実施形態と同一の符号を付して、その説明、図示を適宜省略する。
図15には、車体前部構造80の要部が図10に対応する平面図にて示されている。この図に示される如く、車体前部構造80は、支持部材62に代えて、支持部材82を備えている点で、第1の実施形態とは異なる。以下、具体的に説明する。
支持部材82は、平面視で略L字状を成す部材として形成されている。より具体的には、支持部材82は、ベースプレート82Bの端部から支持プレート82Sが立設されて構成されている。この実施形態では、支持部材82は、鋼板やアルミ板などの金属板の曲げ(プレス)加工により上記したL字状に形成されている。
そして、ベースプレート82Bは、パイプ部48における前部48F(と中間部48Cとの境界近傍の部分を含む)に接合され、支持プレート82Sスペーサ56における被支持面56Sに重ね合わされて該スペーサ56に接合されている。これらの接合構造として、ボルト84を含む締結具による締結が採用されている。
第4の実施形態の支持部材82による作用を説明する。車体前部構造80では、支持部材82が連結部材46とスペーサ56とを連結している。このため、スペーサ56は、その被支持面56Sにおいて支持部材82によって後方から支持されつつ、連結部材46からの荷重をフロントサイドメンバ12に伝達する。
これにより、微小ラップ衝突の際に連結部材46から受ける荷重に基づくスペーサ56のせん断荷重が、支持部材82によって後方から支持される。このため、フロントサイドメンバ12に対するスペーサ56の前後方向の位置ずれやフロントサイドメンバ12からの脱落が防止又は効果的に抑制される。
このように、第4の実施形態に係る車体前部構造80によっても、支持部材62がスペーサ56から離間して配置された構成による作用を除いて、第1の実施形態に係る車体前部構造10と同様の作用を奏する。したがって、該車体前部構造10と共通の作用による車体前部構造10と同様の効果を得ることができる。また、連結部材46による作用、スペーサ56による作用効果も基本的に車体前部構造10と同様であり、車体前部構造10と同様の作用を得ることができる。
なお、上記した第1〜4の実施形態では、連結部材46がパイプ部48を本体とする例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、パイプ部48に代えて、後述する連結部材102の如き、複数部材の接合による閉断面構造の本体、押出し成形品(の曲げ加工品)である本体を有する連結部材を採用しても良い。
また、上記した各実施形態では、連結部材46の後端がエンドプレート44に接合された例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、連結部材102の如き、後端がエプロンアッパメンバ26やフェンダエプロン22に接合された連結部材を採用しても良い。
さらに、上記した各実施形態では、前側接合部52が主パネル54と補強パネル55とを有する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、1枚のパネルを曲げることでパイプ部48(本体)を挟み込む構造(一対の板部を1枚のパネルで構成する構造)の前側接合部を採用しても良い。また例えば、単に片側からのみパイプ部48(本体)に接合される前側接合部を採用しても良い。さらに例えば、3枚以上のパネルで構成された前側接合部を採用しても良い。すなわち、前側接合部は、微小ラップ衝突の際に受ける荷重に応じてパイプ部48(本体)と所要の強度で接合されていれば良い。
またさらに、上記した各実施形態では、連結部材46のパイプ部48が水平部としての前部48Fを有する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、前部すなわちスペーサ56に対し上下方向にオーバラップする部分が、側面視で、フロントサイドメンバ12の長手方向に対し傾斜又は湾曲されたパイプ部を有して連結部材を構成しても良い。
また、上記した各実施形態では、フロントサイドメンバ12の側面12S2に設けられたスペーサ56が締結された例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、溶接、ろう付け、接着などの接合構造によってスペーサ56をフロントサイドメンバ12に接合しても良い。微小ラップ衝突の際に支持部材(突出部)にてスペーサを後方から支持する本発明においては、接合構造を簡素化することも可能である。
〔第5の実施形態〕
図16には、本発明の第5の実施形態に係る車体前部構造100の主要部の構成が斜視図にて示されている。また、図17には、車体前部構造100が平面図にて示されており、図18には、車体前部構造100が側面図にて示されている。
これらの図に示される如く、車体前部構造100は、円形状の閉断面を成すパイプ部48を有する連結部材46に代えて、矩形状の閉断面を成す連結部材102を備えている。また、車体前部構造100は、連結部材46に対し離間して配置されたスペーサ56に代えて、連結部材102に接合されたスペーサ(突出部材)104を備えている。以下、具体的に説明する。
(連結部材)
連結部材102は、エプロンアッパメンバ26の前端部から一体的に延出されており、前端部がフロントサイドメンバ12の前部に固定されている。具体的には、連結部材102は、後部102R、中間部102M、及び前部102Fが後方からこの順で繋がるように形成されている。
連結部材102の後部102Rは、エプロンアッパメンバ26の前端部から下方かつ前方に向けて延びている。この実施形態における後部102Rは、図18に示される如く、水平よりも鉛直に近い角度で傾斜されている。また、中間部102Mは、後部102Rの前端部から下方かつ前方に向けて延びている。中間部102Mは、側面視で後部102Rよりも水平に近づく傾斜角とされ、この実施形態では、略45°の傾斜角とされている。さらに、図17に示される如く、中間部102Mは、平面視で前側が後側よりも車幅方向においてフロントサイドメンバ12に近づくように傾斜されている。
そして、連結部材102の前部102Fは、フロントサイドメンバ12と同等の高さに(上下方向にオーバラップして)配置されており、フロントサイドメンバ12の前部に対する車幅方向外側に位置している。この前部102Fの前端側は、車幅方向内向きに延びてフロントサイドメンバ12とクラッシュボックス14との間に至っている。また、連結部材102(主に前部102F及び中間部102M)の車幅方向外側面は、後側で前側よりも車幅方向外側へ向かうように湾曲した湾曲面102Cとされている。
この前部102Fと、フロントサイドメンバ12及びクラッシュボックス14との接合構造について説明する前に、連結部材102の全体構造について補足する。連結部材102は、車幅方向内向きに開口する断面ハット形状のアウタパネル108と、車幅方向外向きに開口する断面ハット形状のインナパネル110(図17参照)とが、互いの上下のフランジにおいて接合されている。これにより、連結部材102は、上記した通り断面矩形状の閉断面構造とされている。また、連結部材102の前部102F側では、アウタパネル108は開口方向が略後向きとなる断面ハット形状とされる一方、インナパネル110はアウタパネル108の上下のフランジに接合される平板状を成している。
このインナパネル110における前部102Fの車幅方向内端部からは、図19に示されるように、平板状のフランジ110Fが車幅方向内側へ延出されている。フランジ110Fにおける車幅方向外端側の一部には、アウタパネル108の車幅方向内端部から延出されたフランジ108Fが、前方から接合されている。
フランジ110Fは、板厚方向が前後方向に沿っており、上下方向中間部が車幅方向内側から切り欠かれている。このフランジ110Fは、フロントサイドメンバ12に設けられた前フランジ30のフランジ本体30Fと、クラッシュボックス14に設けられた後フランジ40は、フランジ本体40Fとの間に挟まれている。そして、フランジ110Fは、ウェルドナット38とボルト42との螺合による4つの締結部位において、フランジ本体30Fとフランジ本体40Fとの間に共締めにより接合されている。この連結部材102のフランジ110Fが接合板部に相当する。
以上説明した連結部材102は、その前端がフロントサイドメンバ12の前端よりも前方に位置している。具体的には、図16〜図18に示される如く、アウタパネル108は、上記したフランジ108Fに対して前方に突出された突出部102Pを有する。この突出部102Pの前端がフロントサイドメンバ12の前端よりも前方に位置する構成とされている。
(スペーサ)
車体前部構造100は、フロントサイドメンバ12及び連結部材102のそれぞれに接合されたスペーサ104を備えている。スペーサ104は、例えば板金材料によって形成された複数の部材が互いに接合されることにより上下に扁平とされた中空の三角柱状に形成されており、フロントサイドメンバ12の前部から車幅方向外側へ突出している。このスペーサ104は、例えば溶接等の手段によってフロントサイドメンバ12の車幅方向外側の壁部である側面12S2に接合されている。
また、スペーサ104は、後側で前側よりも車幅方向内側へ向かうように傾斜した荷重伝達部106を有する。この荷重伝達部106は、スペーサ104における車幅方向外側(後側)の壁として構成されている。具体的には、スペーサ104は、フロントサイドメンバ12に接合されたインナパネル112と、インナパネル112に接合されて該インナパネル112とで閉断面を成すアウタパネル114とを主要部として構成されている。アウタパネル114は、図17に示される如く、平面視で、連結部材102の後述する高剛性部(バルクヘッド116の設置部位)からスペーサ104の後部におけるフロントサイドメンバ12の側面12S2との接合部位まで至っている。
このアウタパネル114は、例えばインナパネル112よりも厚肉とされたり、引張強度の高い材料で構成されたりすることで、スペーサ104における後向きの荷重に対する剛性が高い部分として構成されている。したがって、この実施形態で、主にアウタパネル114にて荷重伝達部106が構成されている。
また、荷重伝達部106の前端部には、前側接合部106Aが設けられている。前側接合部106Aは、連結部材102における前部102Fの背面102B(後述するバルクヘッド116の後壁部116R)に沿って折り曲げられ、該背面102Bに溶接やボルト締結等の手段によって接合されている。一方、荷重伝達部106の後端部には、後側接合部106Bが設けられている。後側接合部106Bは、フロントサイドメンバ12の側面12S2に沿うように曲げられており、該側面12S2に溶接やボルト締結等の手段によって接合されている。
(バルクヘッド)
また、図16及び図17に示される如く、連結部材102の前部102Fの断面内には、補強部材としてのバルクヘッド116が設けられている。このバルクヘッド116は、平面視で後向きに開口するハット形状に形成されている。具体的には、バルクヘッド116は、ハット形状の底を成す後壁部116Rと、後壁部116Rの車幅方向両端から前方に延びる一対のアーム116Aと、各アームの前端から互いに離間するように車幅方向に延びる左右一対の前フランジ116Fとを有する。後壁部116Rは、インナパネル110における連結部材102の背面102Bを成す部分の内面(前面)に溶接等の手段によって接合されている。
一方、一対の前フランジ116Fは、アウタパネル108における前部102Fを成す部分の内面(後面)に、溶接等の手段によって接合されている。より具体的には、車幅方向内側の前フランジ116Fは、アウタパネル108における突出部102Pを成す部分の内面に接合されている。また、車幅方向外側の前フランジ116Fは、アウタパネル108における湾曲面102Cの前部を成す部分の内面に接合されている。
以上により、車体前部構造100では、連結部材102の前端部に入力された後向きの荷重が、バルクヘッド116、スペーサ104の荷重伝達部106を経由してフロントサイドメンバ12に伝達される経路が形成されている。ここで、バルクヘッド116は、連結部材102の前部102Fにおけるスペーサ104に荷重を伝える部分の補強構造とされる。このバルクヘッド116によって、連結部材102の前部102Fに高剛性部が形成されている。
一方、バルクヘッド116は、エプロンアッパメンバ26に荷重を伝達する連結部材102とは独立して、突出部102Pに入力された荷重をフロントサイドメンバ12に伝達するスペーサ104の一部(荷重伝達部106の前側延長部)として捉えても良い。さらに、連結部材102の前部102F、バルクヘッド116、及びスペーサ104をまとめて、フロントサイドメンバ12に対する車幅方向外側に入力された後向きの荷重をフロントサイドメンバ12に伝達する部材(ガセット)と捉えることも可能である。
本実施形態に係る車体前部構造100の他の構成は、図示しない部分を含め、基本的に第1の実施形態に係る車体前部構造10と同様に構成されている。したがって、車体前部構造100によっても、基本的に車体前部構造10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、車体前部構造100では、スペーサ104の荷重伝達部106が連結部材102の背面102Bに接合されている。このため、連結部材102の変形開始前から、該連結部材102(バルクヘッド116)、スペーサ104を介してバリヤBrからの荷重をフロントサイドメンバ12の側部に伝達することができる。特に、スペーサ104が上記のような荷重伝達部106を有しているため、連結部材102の突出部102Pに対して前方から衝突荷重が入力された際には、荷重伝達部106を介してフロントサイドメンバ12に効率的に荷重を伝達することができる。そして、この荷重伝達部106の後端付近(パワーユニットPの側方)においてフロントサイドメンバ12に応力を集中させることができるので、フロントサイドメンバ12に車幅方向内側への折れを生じさせることができる。
しかも、連結部材102の突出部102Pがフロントサイドメンバ12の前端よりも前方に位置しているため、クラッシュボックス14の圧縮後、フロントサイドメンバ12に先行して連結部材102に衝突荷重が作用する。この荷重入力部である連結部材102の突出部102Pがフロントサイドメンバ12に対し車幅方向外側に位置するため、該衝突荷重によってフロントサイドメンバを車幅方向内側に折る方向のモーメントが作用する。このため、フロントサイドメンバ12の車幅方向内側への折れが促進される。
以上により、車体前部構造100では、自動車AのバリヤBrに対する車幅方向のずれを、微小ラップ衝突の開始から短時間で安定した形態で生じさせ、かつ該ずれを一層促進することができる。
また、スペーサ104の荷重伝達部106の前端部が連結部材102の背面102B(バルクヘッド116の後壁部116R)に接合されているため、連結部材102と荷重伝達部106とが衝突荷重によって不用意に離間しないようにすることができる。また、スペーサ104が連結部材102と接合されていない比較例では、通常時の車両の走行振動等によって、連結部材と荷重伝達部106とが不用意に干渉することによる異音の発生が懸念される。これに対して本実施形態では、上記の通りスペーサ104の荷重伝達部106の前端部が連結部材102の背面102B(バルクヘッド116の後壁部116R)に接合されている。このため、通常時の車両の走行振動等によって、連結部材と荷重伝達部106とが不用意に干渉することがなく、該干渉に起因する異音の発生を防止することができる。
なお、第5の実施形態では、スペーサ104が平面視で三角形状に形成された構成にしたが、本発明はこれに限らず、突出部材の形状は適宜設定変更することができる。例えば突出部材が、平面視で車幅方向外側へ凸を成す台形状や半円状に形成された構成にしても良い。
また、第5の実施形態では、衝撃吸収部としてのクラッシュボックス14がフロントサイドメンバ12の前部に固定された構成にしたが、本発明はこれに限らず、衝撃吸収部がフロントサイドメンバの前部に一体に設けられた構成にしても良い。その場合、フロントサイドメンバにおける衝撃吸収部よりも後側の部分に連結部材の前端部を固定する構成になる。
さらに、第5の実施形態では、中空状に形成された連結部材102の前部102Fの断面内に補強部材としてのバルクヘッド116を取り付けることにより、前部102Fを補強する構成にしたが、本発明はこれに限らず、補強部材が省略された構成にしても良い。その場合、例えば、連結部材の前部を連結部材の他の部位(少なくとも連結部材の前部と隣接する部位)よりも肉厚に形成する(材料の板厚を増加させる)ことにより、連結部材の前部を補強する構成にしても良い。また、連結部材の前部は、少なくとも前後方向の荷重に対する剛性が高く構成されることが好ましいため、例えば前後方向に延びる1又は複数のビードを連結部材の前部に形成する構成にしても良い。
また、第5の実施形態では、連結部材102の前部102Fの車幅方向外側面が、前側よりも後側が車幅方向外側に位置するように湾曲した湾曲面102Cとされた構成にしたが、本発明はこれに限らず、連結部材の前部の車幅方向外側面が、前後方向に沿った構成にしても良く、後側へ向かうほど車幅方向外側へ向かうように傾斜した構成にしても良い。
さらに、上記した各実施形態では、車体前部構造10が車幅方向両側に連結部材46、102、スペーサ56、104を備えた例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、車幅方向の一方側にのみ連結部材46、102、スペーサ56、104を設けた構成としても良い。この場合、上記連結部材46、102、スペーサ56、104が設けられない側においては、例えば、車両搭載部品をスペーサに兼用しても良く、他の微小ラップ衝突対策の構造を採用しても良い。
またさらに、上記した各実施形態では、前フランジ30が下方まで延在し、パイプ部材34の後端やロアメンバ32の前端を支持する例を示したが、本発明はこれに限定されない。また、本発明は、前フランジ30が車幅方向内側の側壁30Sを含む一対の側壁を有する例を示したが、本発明はこれに限定されない。前フランジ30又はこれに代わる前フランジが一対の側壁の一方又は双方を有しない構成としても良い。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で各種変更して実施可能であることは言うまでもない。
以下、本明細書で用いた符号と各部の名称との対応関係を示す。
10 車体前部構造
12 フロントサイドメンバ
14 クラッシュボックス
22 フェンダエプロン(フェンダエプロン部)
26 エプロンアッパメンバ(フェンダエプロン部)
30 前フランジ
40 後フランジ
44 エンドプレート(フェンダエプロン部)
46 連結部材
48 パイプ部(本体)
48F 前部(水平部)
52 前側接合部(接合板部)
52C パイプ接合部(対向面部)
54 主パネル(板材)
55 補強パネル(板材)
62 支持部材
65・70・80・100車体前部構造
72 連結部材
74 パイプ部(本体)
74F 前部(水平部)
74P 突出部(支持部材)
82 支持部材
102 連結部材
104 スペーサ

Claims (5)

  1. 車両前後方向の前側にクラッシュボックスが取り付けられたフロントサイドメンバと、
    車両前後方向の前側が前記クラッシュボックスと前記フロントサイドメンバとの間に挟み込まれて接合されると共に、車両前後方向の後側がフェンダエプロン部に接合され、前記フロントサイドメンバに対する車幅方向の外側に位置する部分が閉断面構造とされた連結部材と、
    平面視で前記フロントサイドメンバと前記連結部材との間に位置する部分に、該フロントサイドメンバ及び前記連結部材に対し車両上下方向にオーバラップして配置され、かつ正面視で前記連結部材の閉断面構造とされた部分対し車幅方向にオーバラップして配置されたスペーサと、
    を備えた車体前部構造。
  2. 前記スペーサは、前記フロントサイドメンバにおける車幅方向外側の側部に設けられている請求項1記載の車体前部構造。
  3. 前記連結部材は、前記クラッシュボックスとフロントサイドメンバとの間に挟み込まれた部分から、前記フロントサイドメンバ及びスペーサと車両上下方向にオーバラップするように、側面視で前記フロントサイドメンバの長手方向に沿って車両前後方向の後方に延びる水平部を有する請求項1又は請求項2記載の車体前部構造。
  4. 前記連結部材は、前記フェンダエプロン部から前記フロントサイドメンバにおける車両前後方向の前側部分に向けて延びる本体と、該本体の車両前後方向の前側に接合され前記クラッシュボックスとフロントサイドメンバとの間に挟み込まれて接合される接合板部とを含んで構成され、
    前記接合板部における前記本体への接合部位には、該本体に対し車両上下方向に張り出されると共に、前記スペーサに対し車両上下方向のオーバラップしつつ対向する対向面部が形成されている請求項1〜請求項3の何れか1項記載の車体前部構造。
  5. 前記スペーサの車両前後方向の前側の部分は、前記連結部材の閉断面構造とされた部分に接合されている請求項1〜請求項4の何れか1項記載の車体前部構造。
JP2014558520A 2013-01-25 2014-01-08 車体前部構造 Active JP6102948B2 (ja)

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