JP5509242B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
本発明は、前突荷重が小さい軽度のナローオフセット衝突の場合には、前突荷重の衝撃吸収に関与するバンパビームエクステンションに十分な衝撃吸収ストローク与えることができる車体前部構造を提供することを課題とする。
本発明は、車体前部構造が構成される部品の製造を容易におこなうことができるとともに、部品の歩留まりの向上を図ることができる車体前部構造を提供することを課題とする。
請求項1及び2に係る発明では、車体前部構造は、車体前後方向に延ばされたフロントサイドフレームと、このフロントサイドフレームの車幅外方に配置され、フロントサイドフレームの車幅外方に前突荷重が作用したときにフロントサイドフレームに前突荷重を伝達するガセットと、を備える。
車両の衝突実験などでは正面衝突を想定したものが多かったが、実際の衝突事故の場合は真正面からの衝突より、左右どちらかに大きくズレ、フロントサイドフレームの車幅方向外方に前突荷重が作用する衝突が多いことが判明した。このような衝突をナローオフセット衝突という。正面衝突は車の前面全てで衝撃を吸収するが、ナローオフセット衝突ではフロントサイドフレームに衝突荷重が作用しないので、エネルギー吸収ができないため、車のダメージがより大きくなる。従って、このナローオフセット衝突を想定して車体の強度や衝撃吸収の設計をすることが求められている。
そこで、フロントサイドフレームの車幅外方に配置され、フロントサイドフレームの車幅外方にナローオフセット衝突の前突荷重が作用したときにフロントサイドフレームに前突荷重を伝達するガセットを設けることで、前突荷重をガセットが受けてからフロントサイドフレームを折りエネルギー吸収する。この結果、ナローオフセット衝突の前突荷重の衝撃吸収能力を拡大することができる。
ガセットが、平面視でフロントサイドフレームの先端から所定距離離れて車体後方に配置され、フロントサイドフレームの先端とガセットの外端部との間に、フロントサイドフレームからガセットが剥離することを防止するテンション部材が架設されたので、ナローオフセット衝突が発生したときに、ガセットがフロントサイドフレームから剥がれることを防止できる。この結果、ナローオフセット衝突でフロントサイドフレームの外側に作用した前突荷重に抗してテンション部材がフロントサイドフレームからガセットが剥離することを防止し、該ガセットがフロントサイドフレームを折ることで、前突荷重による衝撃エネルギーを吸収することができる。
そこで、ガセット結合部とエンジンマウント部との間に、フロントサイドフレームに前突荷重が作用したときに、フロントサイドフレームが折れ曲がる低強度部の折れ点を設定することで、フロントサイドフレームに凹み形状などの特別な形状追加や、補強部材(補強材)の追加などが必要なくなる。この結果、製造を容易におこなうことができるとともに、部品の歩留まりの向上を図ることができる。さらに、車体の軽量化にもつながる。
ロアメンバ連結部材が、平面視でフロントサイドフレームの前方部位とでL字形状が構成されるように配置されるとともに、ロアメンバ連結部材の前壁がロアメンバの先端と車体前後方向で略同一位置に配置される。
フロントサイドフレームの先端に前突荷重を吸収する内バンパビームエクステンションが配置され、ロアメンバの先端に前突荷重を吸収する外バンパビームエクステンションが配置され、外バンパビームエクステンションが、内バンパビームエクステンションよりも長く形成されたので、前突荷重が小さい軽度のナローオフセット衝突では、十分な衝撃吸収ストロークが得られ、ロアメンバの破損を抑制することができる。この結果、外バンパビームエクステンションのみの交換で修理が可能となり経済的となる。
すなわち、ナローオフセット衝突におけるフロントサイドフレームの外側の入力に対して、フロントサイドフレームの車幅外方まで延ばされ、左右の外バンパビームエクステンションをバンパビームの両端に結合することで、ナローオフセット衝突の初期段階から前突荷重をロアメンバ及びフロンントサイドフレームへ荷重伝達させることが可能となる。この結果、前突荷重の衝撃吸収能力の拡大を図ることができる。
テンション部材32をフロントサイドフレーム15の先端15aとガセット(ロアメンバ連結部材)31に架設し、ナローオフセット衝突でガセット31からフロントサイドフレーム15に荷重伝達可能として衝撃エネルギーを吸収できるようにした(図16(b)参照)。また、外バンパビームエクステンション25を内バンパビームエクステンション24よりも長く設定して前突荷重が小さい軽度のナローオフセット衝突に対応した(図18(a)参照)。
以下、発明の詳細を述べる。
フロントサイドフレーム15及びアッパメンバ21は、ダッシュボードロアパネル18側でフロントサイドフレーム15とアッパメンバ21との間にダンパハウジング27が設けられる。
左右のダンパハウジング27は、ストラットタワーバー28で連結され、車体剛性が高めされている。
詳細には、ガセット31は、フロントサイドフレーム15と、フロントサイドフレーム15に沿わせて配置するロアメンバ22とを連結するロアメンバ連結部材であり、ガセット31は、平面視でフロントサイドフレーム15の先端15aから所定距離離れて車体後方に配置され、フロントサイドフレーム15の先端15aとガセット31の外端部31aとの間に、フロントサイドフレーム15からガセット31が剥離することを防止するテンション部材32が架設されている。
以下、ガセット31を、適宜「ガセット31」又は「ロアメンバ連結部材31」と記載する。
ガセット結合部35は、ガセット(ロアメンバ連結部材)31が結合され高強度となる(図5も参照)。
すなわち、エンジンマウント部37は、エンジンマウントブラケット41や固定部材42などで構成されるエンジンマウントブラケット構造により高強度となる(図7も参照)。
折れ点38は、フロントサイドフレーム15の周辺に結合する部材がなく、低強度となる(図6参照)。
内バンパビームエクステンション24、外バンパビームエクステンション25、補強部材44及びテンション部材32で、二つのバンパビームエクステンション24,25がユニット化され、バンパビームエクステンション組立体46が形成される。
バンパビームエクステンション組立体46は、車体前方からフロントサイドフレーム15及びロアメンバ22のそれぞれの締結部47,48に一体で取付けられる。
テンション部材(テンションプレート)32は、内及び外バンパビームエクステンション24,25の取付プレートを兼ねる。
外取付部52は、ガセット31を介してロアメンバ22の先端22aに結合される。外取付部52の締結部52a〜52cは、3箇所設けられる。
補強部材44には、外バンパビームエクステンション25側に2箇所、内バンパビームエクステンション24側に3箇所のバンパビーム締結部44a〜44eが設けられる。また、テンション部材32の締結部51aの締結用の開口45が一箇所設けられる。
アッパ部材61は、ロア部材62に結合する本体部63と、ロアメンバ22に結合するアッパ側フランジガセット31と、が形成される。なお、本体部63は、フロントサイドフレーム15、ロア部材62の前上フランジ67a及び後上フランジ69aに結合される。
前壁67には、車幅外方に延ばされた前壁延長部71と、アッパ部材61に結合する前上フランジ67aと、フロントサイドフレーム15に結合する前内フランジ67bと、が形成される。
後壁69には、アッパ部材61に結合する後上フランジ69aと、フロントサイドフレーム15に結合する後内フランジ69bと、ロアメンバ22に結合する後外フランジ69cと、が形成される。
なお、ガセット31の外端部31aは、アッパ部材61のアッパ側フランジ65、外フランジ68b及び後外フランジ69c位置である。
車両の衝突実験などでは正面衝突を想定したものが多かったが、実際の衝突事故の場合は真正面からの衝突より、左右どちらかに大きくズレ、フロントサイドフレームの車幅方向外方に前突荷重が作用する衝突が多いことが判明した。このような衝突をナローオフセット衝突という。正面衝突は車の前面全てで衝撃を吸収するが、ナローオフセット衝突ではフロントサイドフレームに衝突荷重が作用しないので、エネルギー吸収ができないため、車のダメージがより大きくなる。従って、このナローオフセット衝突を想定して車体の強度や衝撃吸収の設計をすることが求められている。
ロアメンバ連結部材31が、平面視でフロントサイドフレーム15の前方部位15bとでL字形状56が構成されるように配置されるとともに、ロアメンバ連結部材31の前壁がロアメンバ22の先端22aと車体前後方向で略同一位置に配置される。
Claims (7)
- 車体前後方向に延ばされたフロントサイドフレームと、このフロントサイドフレームの車幅外方に配置され、該フロントサイドフレームの車幅外方に前突荷重が作用したときに該フロントサイドフレームに前突荷重を伝達するガセットと、を備えた車体前部構造であって、
前記ガセットは、平面視で前記フロントサイドフレームの先端から所定距離離れて車体後方に配置され、前記フロントサイドフレームの先端と前記ガセットの外端部との間に、該フロントサイドフレームから該ガセットが剥離することを防止するテンション部材が架設され、
前記フロントサイドフレームは、前記ガセットが結合され高強度となるガセット結合部と、該ガセット結合部の車体後方にてエンジンをマウントするために高強度とされるエンジンマウント部と、を備え、
前記ガセット結合部と前記エンジンマウント部との間に、該フロントサイドフレームに前突荷重が作用したときに、該フロントサイドフレームが折れ曲がることを可能にする低強度部の折れ点を設定することを特徴とする車体前部構造。 - 車体前後方向に延ばされたフロントサイドフレームと、このフロントサイドフレームの車幅外方に配置され、該フロントサイドフレームの車幅外方に前突荷重が作用したときに該フロントサイドフレームに前突荷重を伝達するガセットと、を備えた車体前部構造であって、
前記ガセットは、平面視で前記フロントサイドフレームの先端から所定距離離れて車体後方に配置され、前記フロントサイドフレームの先端と前記ガセットの外端部との間に、該フロントサイドフレームから該ガセットが剥離することを防止するテンション部材が架設され、
前記ガセットは、前記フロントサイドフレームと、該フロントサイドフレームに沿わせて配置するロアメンバとを連結するロアメンバ連結部材であり、
前記ロアメンバ連結部材は、平面視で前記フロントサイドフレームの前方部位とでL字形状が構成されるように配置されるとともに、前記ロアメンバ連結部材の前壁が前記ロアメンバの先端と車体前後方向で略同一位置に配置され、
前記フロントサイドフレームの先端に前突荷重を吸収する内バンパビームエクステンションが配置され、前記ロアメンバの先端に前突荷重を吸収する外バンパビームエクステンションが配置され、
前記外バンパビームエクステンションは、前記内バンパビームエクステンションよりも長く形成されることを特徴とする車体前部構造。 - 前記内及び外バンパビームエクステンションは、内及び外バンパビームエクステンションの前端同士が補強部材で連結されて一体化されたことを特徴とする請求項2記載の車体前部構造。
- 前記テンション部材は、鋼板にてプレートに形成され、該テンション部材、前記ロアメンバ連結部材、及び前記フロントサイドフレームの前方部位で略台形形状の構造体を形成し、該略台形形状の構造体の前部に三角形中空構造部を形成することを特徴とする請求項2又は3のいずれか1項記載の車体前部構造。
- 前記フロントサイドフレームの前方に車幅方向にバンパビームを備え、該バンパビームは前記フロントサイドフレームの車幅外方まで延ばされ、
前記外バンパビームエクステンションは、車体の左右に一対設けられ、左右の外バンパビームエクステンションは、前記バンパビームの両端に結合することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の車体前部構造。 - 前記テンション部材は、前記内及び外バンパビームエクステンションの取付プレートを兼ねることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項記載の車体前部構造。
- 前記ロアメンバ連結部材は、該ロアメンバ連結部材の前壁に車幅外方に延びる前壁延長部を備え、
前記前壁延長部は、前記テンション部材と前記ロアメンバの先端で挟み込み結合されることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項記載の車体前部構造。
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