JP6102927B2 - 高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法 - Google Patents

高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法 Download PDF

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Description

本発明は、高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法に関し、特に、炭化珪素半導体材料のマルチワイヤーソーによる切断方法に関する。
近年、新しい半導体材料として炭化珪素半導体が注目されている。炭化珪素半導体は、シリコン半導体よりも絶縁破壊電界、電子の飽和ドリフト速度および熱伝導率が大きい。このため、炭化珪素半導体を用いて、従来のシリコンデバイスよりも高温、高速で大電流動作が可能なパワーデバイスを実現する研究・開発が活発になされている。なかでも、電動二輪車、電気自動車やハイブリッドカーに使用されるモータは交流駆動あるいはインバータ制御されるため、こうした用途に使用される高効率なスイッチング素子の開発が注目されている。このようなパワーデバイスを実現するためには、高品質な炭化珪素半導体層をエピタキシャル成長させるための単結晶炭化珪素ウエハが必要である。
単結晶半導体ウエハは、一般的に単結晶半導体材料のインゴットあるいはロッドと呼ばれる塊体を、マルチワイヤーソーを用いてスライスすることによって得られる(例えば、特許文献1)。
特開2009−202406号公報
炭化珪素は、シリコンに比べて高硬度であり加工性に乏しい半導体材料である。このため、単結晶シリコンウエハの製造と同様の方法によって、単結晶炭化珪素ウエハを製造する場合、単結晶シリコンウエハの製造に比べて、かなり時間を要する。特に、大口径のウエハを作製するために、単結晶炭化珪素のインゴットの直径が大きくなると、要する時間も膨大となる。
また、窒化ガリウムなど硬度の高い半導体材料のウエハや窒化ガリウム半導体層を形成するために用いられる高硬度のサファイアからなるウエハを製造する場合にも同様の課題が考えられる。
本発明は、このような課題に鑑み、効率的に高硬度材料のウエハを製造することのできる方法を提供することを目的とする。
本発明の高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法は、両端を有する本体部分と、前記本体部分の両端のうちの一方にのみ位置する低品質結晶部分とを有する少なくとも1つのインゴットを用意する工程(A)と、前記少なくとも1つのインゴットを固定用ベースに固定する工程(B)と、ソーワイヤーが前記少なくとも1つのインゴットの前記低品質結晶部分とは接触せず、前記本体部分に接触するように、前記少なくとも1つのインゴットを前記ソーワイヤーに対して相対的に移動させることによって、前記インゴットをスライスする工程(C)とを包含する。
前記マルチワイヤーソーは、少なくとも一対のローラー間で前記ソーワイヤーが複数回、巻回され、前記少なくとも一対のローラー間において、等間隔で平行に張られた複数の切削部分を有する切削領域を含み、前記工程(C)において、前記ソーワイヤーの前記切削領域が前記少なくとも1つのインゴットの前記低品質結晶部分とは接触せず、前記本体部分に接触してもよい。
前記工程(A)において、第1および第2のインゴットを用意し、前記工程(B)において、前記低品質結晶部分が位置しない端部が互いに対向するように前記第1および第2のインゴットを前記固定用ベースに固定し、前記工程(C)において、前記ソーワイヤーの前記切削領域が前記第1および第2のインゴットの前記低品質結晶部分とは接触せず、前記本体部分に接触してもよい。
前記工程(B)において、前記第1のインゴットの前記本体部分と前記低品質結晶部分との境界と、前記第2のインゴットの本体部分と前記低品質結晶部分との境界との距離が、前記マルチワイヤーソーの前記切削領域の両端にそれぞれ位置する切削部分の間隔以上となるように、前記第2のインゴットを前記第1のインゴットに対して配置してもよい。
前記ソーワイヤーは、前記少なくとも一対のローラー間において、前記等間隔で平行に張られた複数の切削部分を有し、前記切削領域から所定の間隔を隔てて位置する他の切削領域を含み、前記工程(A)において、第1および第2のインゴットを用意し、前記工程(B)において、前記第1のインゴットの前記低品質結晶部分が位置しない端部が前記第2のインゴットの低品質結晶部分と対向するように前記第1および第2のインゴットを前記固定用ベースに固定し、前記工程(C)において、前記ソーワイヤーの前記切削領域および前記他の切削領域が、前記第1および第2インゴットの前記低品質結晶部分とは接触せず、前記本体部分にそれぞれ接触してもよい。
前記工程(B)において、前記第1のインゴットの前記低品質結晶部分が位置しない端部から、前記第2のインゴットの低品質結晶部分と本体部分との境界までの距離が、前記ソーワイヤーにおける前記所定の間隔と一致するように、前記第2のインゴットを前記第1のインゴットに対して配置してもよい。
前記第1のインゴットの前記低品質結晶部分が位置しない端部から、前記第2のインゴットの低品質結晶部分と本体部分との境界までの距離と一致するように、前記ソーワイヤーにおける前記所定の間隔を決定してもよい。
前記少なくとも一対のローラーは、前記切削領域において、前記ソーワイヤーを受ける複数の溝をそれぞれ有し、前記切削領域の、前記一対のローラ―の軸方向における中央近傍に位置する前記少なくとも一対のローラーの第1の溝の深さの初期値からの変化量d1と、前記ソーワイヤーの前記切削領域において、前記少なくとも1つのインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第2の溝の深さの初期値からの変化量d2とを測定し、前記d2が前記d1の3倍以上である場合、前記第2の溝から前記ソーワイヤーを外して新たな切削領域を構成する工程を更に包含してもよい。
前記切削領域の、前記一対のローラ―の軸方向における中央近傍に位置する前記少なくとも一対のローラーの第1の溝の深さの初期値からの変化量d1と、前記ソーワイヤーの前記切削領域において、前記第1のインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第2の溝の深さの初期値からの変化量d2と、前記ソーワイヤーの前記切削領域において、前記第2のインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第3の溝の深さの初期値からの変化量d2’とを測定し、前記d2および前記d2’の少なくとも一方が前記d1の3倍以上である場合、前記少なくとも一方に対応する溝から前記ソーワイヤーを外して新たな切削領域を構成する工程を更に包含してもよい。
前記少なくとも一対のローラーは、前記切削領域および前記他の切削領域において、前記ソーワイヤーを受ける複数の溝をそれぞれ有し、前記切削領域の、前記一対のローラ―の軸方向における中央近傍に位置する前記少なくとも一対のローラーの第1の溝の深さの初期値からの変化量d1と、前記ソーワイヤーの前記切削領域において、前記第1のインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第2の溝の深さの初期値からの変化量d2と、前記ソーワイヤーの前記他の切削領域において、前記第2のインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第3の溝の深さの初期値からの変化量d2’とを測定し、前記d2および前記d2’の少なくとも一方が前記d1の3倍以上である場合、前記少なくとも一方に対応する溝から前記ソーワイヤーを外して少なくとも1つの新たな切削領域を構成する工程を更に包含してもよい。
前記少なくとも一対のローラーの回転振れを50μm以下に調整してもよい。
本発明の切断方法によれば、インゴットの一端に低品質結晶部分を残したまま、インゴットをスライスできるため、低品質結晶部分を別途除去する場合に比べて、単結晶炭化珪素ウエハを製造するのに要する時間を短縮することができる。
(a)は、第1の実施形態で用いる単結晶炭化珪素インゴットの斜視図であり、(b)は結晶成長させた単結晶炭化珪素の斜視図である。 図1に示すインゴットを固定用ベースに固定した状態を示す斜視図である。 第1の実施形態で用いるマルチワイヤーソーに図2に示す状態のインゴットを配置した斜視図である。 第1の実施形態で用いる他のマルチワイヤーソーに図2に示す状態のインゴットを配置した斜視図である。 第1の実施形態における、ソーワイヤーの第1の切削領域およびインゴットの位置関係を示す図である。 第1の実施形態で用いるマルチワイヤーソーにおけるローラー、ソーワイヤーを受ける溝およびの第1の切削領域とインゴットとの具体的な位置関係を示す図である。 第1の実施形態で用いるマルチワイヤーソーにおけるローラー、ソーワイヤーを受ける溝およびの第1の切削領域とインゴットとの具体的な他の位置関係を示す図である。 マルチワイヤーソーのローラーに掛けられたソーワイヤーを示す断面図である。 マルチワイヤーソーのローラーに掛けられたソーワイヤーを示す断面図であって、第1の切削領域の一番端の溝が深くなっていることを示す図である。 第2の実施形態において、2つのインゴットを固定用ベースに固定した状態を示す斜視図である。 第2の実施形態における、ソーワイヤーの第1および第2の切削領域と2つのインゴットとの位置関係を示す図である。 第2の実施形態における、マルチワイヤーソーのローラーに掛けられたソーワイヤーを示す断面図である。 第2の実施形態において、2つのインゴットを固定用ベースに固定した状態を示す他の斜視図である。 第2の実施形態における、ソーワイヤーの第1および第2の切削領域と2つのインゴットとの他の位置関係を示す図である。 第3の実施形態において、2つのインゴットを固定用ベースに固定した状態を示す斜視図である。 第3の実施形態における、ソーワイヤーの第1および第2の切削領域と2つのインゴットとの他の位置関係を示す図である。 第3の実施形態において、2つのインゴットを固定用ベースに固定した状態を示す他の斜視図である。 第4の実施形態における、ソーワイヤーの第1および第2の切削領域と2つのインゴットとの他の位置関係を示す図である。 実施例における溝の摩耗量と使用時間との関係を示す図である。 実施例において、ローラー回転振れの制御を行い、インゴットを切断した後のローラーの中央部の断面を示す図である。 実施例において、ローラー回転振れの制御を行わないでインゴットを切断した後のローラーの中央部の断面を示す図である。
単結晶炭化珪素は単結晶シリコンに比べて硬度が高いため、切削に要する時間がシリコンに比べて長くなる。また、最も外側に位置するソーワイヤーの位置を決めているローラーの溝は、テンション変動の影響を受けやすく、磨り減りやすいという課題がある。本願発明者らは、シリコンウエハなどの製造と同様のプロセスによって高硬度の単結晶炭化珪素をスライスし、単結晶炭化珪素ウエハを製造する場合に、切削回数を減らすことによって、単結晶炭化珪素インゴットからウエハを製造するのに要する時間をできるだけ短くすることを検討した。
従来の半導体ウエハ製造工程では、まず単結晶半導体インゴットの両端に位置している成長先端部分および結晶品質の低い低品質結晶部分を切断または研削加工によって除去し、インゴットの側面を切削により成形した後、成形されたインゴットをマルチワイヤーソーの中央に配置し、インゴットをスライスしていた。しかし、この方法によれば、単結晶炭化珪素は難加工材料であるため、成長先端部分および低品質結晶部分の切断あるいは研削に膨大な時間を要し、ウエハの生産が著しく低下する。
このため、例えば、成長先端部分および低品質結晶部分を除去せず、かつ、最も外側に位置するソーワイヤーを使用せずにこれらの部分ごと一緒にマルチワイヤーソーでインゴットを切断することが考えられる。しかし、この場合、低品質結晶部分には非結晶部分やポリタイプ、転位等が多く発生しているため、低品質結晶部分を切断することによって、クラックが入ったり、余計なテンションがワイヤーソーにかかり、ワイヤーソーが断線しやすくなるなどの問題が生じ得る。
本願発明者らは、成長先端部分のみを切断し、残った低品質結晶部分をソーワイヤーの切削位置からはみ出させて、インゴットをスライスすれば、上述の問題を生じさせることなく、ウエハの製造時間を従来の2/3から1/2に短縮できることを見出した。以下、本発明による高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
以下、本発明による高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法の第1の実施形態を説明する。
本実施形態の方法は、(A)高硬度材料のインゴットを用意する工程、(B)インゴットを固定用ベースに固定する工程、および(C)インゴットをスライスする工程を含む。高硬度材料としては、炭化珪素、サファイア、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、ダイヤモンド、窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化ガリウムおよび二酸化チタンなどがあげられる。高硬度材料は単結晶であってもよいし、多結晶であってもよい。以下、高硬度材料として、単結晶炭化珪素を例に説明する。
まず単結晶炭化珪素を含むインゴットを用意する工程を説明する。図1(a)は、本実施形態で用いるインゴットの模式的な斜視図である。インゴット10は、本体部分10aと、本体部分10aの両端のうちの一方にのみ位置する低品質結晶部分10eとを有する。少なくとも本体部分10aは単結晶炭化珪素からなる。低品質結晶部分10eは、単結晶炭化珪素を含み、非結晶炭化珪素やポリタイプを含んでいてもよい。インゴット10は、例えば、図1(b)に示すように、炭化珪素の種結晶11上にエピタキシャル成長した炭化珪素12を加工することによって得られる。炭化珪素12の成長方法に特に制限はなく、改良レーリー法をはじめ、種々の単結晶成長方法によって形成することができる。
図1(b)に示すように、成長した炭化珪素12は、種結晶11との界面近傍に結晶品質が低い低品質結晶領域10bを含む。また、成長した炭化珪素12は、整った円筒形ではなく、成長先端部分10cも平坦ではない。このため、まず成長先端部分10cを例えば粗加工用のバンドソーなどの切断機により切断し、研削盤などを用いて平坦化加工を施す。これにより、炭化珪素12の、低品質結晶領域10bと反対側の端面が平坦になる。その後、結晶方位測定装置などを用いて、端面の結晶方位を決定する。決定した端面の結晶方位に基づき、製造するウエハの主面が所定の結晶方位を有するように、主面の加工を行い、切断方向を決定する。決定した切断方向に対して垂直な側面を有する円筒形のインゴット10が得られるよう、図1(b)において、一点鎖線で示すように、炭化珪素12の側面を、粗加工用の該当研削機にて、外筒研削する。インゴット10の直径は、成長した炭化珪素12の太さに依存する。改良レーリー法によれば、例えば、4インチのウエハを切り出すことができる程度の直径を有する炭化珪素12を成長させることができる。
これにより、図1(a)に示すように、所定の結晶方位を有する端面10fを有し、端面10fに対して垂直な側面10sを有する円筒形状のインゴット10を得る。図1(a)に示すように、インゴット10は、欠陥が少なく結晶品質の高い本体部分10aと、低品質結晶領域10bと、種結晶11とを含む。以下、種結晶11および低品質結晶領域10bを合わせて、低品質結晶部分10eと呼ぶ。図1(a)に示すように、低品質結晶部分10eは円筒形状の本体部分10aの両端のうち一方にのみ位置している。
次に、インゴット10を固定用ベースに固定する工程を説明する。図2に示すように、インゴット10の側面を側面の形状に対応した凹部を有する固定用ベース14に固定する。固定は、例えば、半導体インゴットスライス加工用のエポキシ接着剤(日化精工製Wボンドなど)などによって行う。固定用ベース14は、インゴット10を完全に切断した場合に、その一部が切断され得る。しかし、切断されたウエハがバラバラにならないよう、固定用ベース14は、切断されない部分が残るような厚さを有していることが好ましい。
次に、インゴット10をスライスする工程を説明する。インゴット10のスライスは、半導体ウエハを製造する一般的なマルチワイヤーソーを用いることができる。マルチワイヤーソーによる切断は、遊離砥粒方式と固定砥粒方式に大別される。遊離砥粒方式はダイヤモンド砥粒を水溶性または油性系液中に分散させたスラリーをピアノ線などのソーワイヤーに吐出しながら切断を行う。固定砥粒方式は、ピアノ線などのワイヤーにダイヤモンド砥粒をめっき法などで固着させたソーワイヤーを用い、切削液を吐出しながら切断を行う。本実施形態ではいずれの方式を用いてもよい。
本実施形態の方法によって、3インチのインゴット10をスライスする場合、例えば、以下の条件を用いることができる。
(遊離砥粒方式)
マルチワイヤーソー:タカトリ製マルチワイヤーソー MWS−34
ピアノ線:ジャパンファインスチール製 ピアノ線 Φ0.16
スラリーのベース液:パレス化学製 PS−L−40
ダイヤモンド砥粒: 切断面の必要粗さおよび必要切断速度に応じて粒度、濃度を決定
(固定砥粒方式)
マルチワイヤーソー:タカトリ製マルチワイヤーソー MWS−34
ワイヤー: アライドマテリアル製 ダイヤモンド電着ワイヤー Φ0.25
切削液: アライドマテリアル製 DKW−2
また、本実施形態には、種々の構成のマルチワイヤーソーを用いることができる。図3は、3つのローラーを有するマルチワイヤーソー56を模式的に示している。マルチワイヤーソー56は、ローラー51a、51b、51cと、ローラー51a、51b、51c間で複数回、巻回されたソーワイヤー50とを有する。
ソーワイヤー50の両端は、例えば、回収ボビン54a、54bに巻回されている。分かりやすさのため、図3では、回収ボビン54a、54bをローラー51aの近くに配置しているが、回収ボビン54a、54bはローラー51a、51b、51cから離れて配置されていてもよい。ソーワイヤー50は、ローラー51bとローラー51cとの間において、等間隔で平行に張られた複数の切削部分を有し、マルチワイヤーソーを構成している。
切削時には、回収ボビン54a、54bおよびローラー51a、51b、51cが同一方向に回転し、ソーワイヤー50を回収ボビン54aまたは回収ボビン54bの一方に巻き取る。所定の長さの分のソーワイヤー50が、一方の回収ボビンに巻き取られたら、回収ボビン54a、54bおよびローラー51a、51b、51cを逆方向に回転させる。これにより、ソーワイヤー50が逆方向に移動し、回収ボビン54aまたは回収ボビン54bの他方に巻き取られる。これを繰り返すことによって、ソーワイヤー50が往復移動する。
ローラー51bとローラー51cとの間のソーワイヤー50により形成される第1切削領域51rにおいて、スラリーあるいは切削液を吐出しながらインゴット10をソーワイヤーに接触させることによって、インゴット10が同時にスライスされ、複数のウエハが得られる。図3に示すように、このタイプのマルチワイヤーソー56では、一般に、第1切削領域51rにおいて、固定用ベース14に支持されたインゴット10をステージ53で押し上げ、インゴット10を切断する。
図4は、2つのローラーを有するマルチワイヤーソー57を模式的に示している。マルチワイヤーソー57は、ローラー51a、51bと、ローラー51a、51b間で複数回、巻回されたソーワイヤー50とを有する。ソーワイヤー50は、ローラー51aとローラー51bとの間において、等間隔で平行に張られた複数の切削部分を有し、マルチワイヤーソーを構成している。このため、ローラー51aとローラー51bとの間で、ソーワイヤー50により形成される第1切削領域51rにおいて、インゴット10が同時にスライスされ、複数のウエハが得られる。図4に示すように、このタイプのマルチワイヤーソー57では、例えば第1切削領域51rにおいて、固定用ベース14に支持されたインゴット10を押し下げ、インゴット10を切断する。
ソーワイヤー50は単結晶炭化珪素を切削するのに適したものを用いる。また、第1切削領域51rにおけるソーワイヤー50の切削部分のピッチは、作製するウエハの仕様(厚さ)に応じて調整される。マルチワイヤーソーは、単結晶炭化珪素を切断するのに適した条件で運転される。
なお、マルチワイヤーソーは、ソーワイヤーが双方向に移動するタイプ以外のものであってもよい。たとえば、ローラー間で一方向にソーワイヤーが移動するタイプのマルチワイヤーソー、ローラーが上下や円弧に揺動するタイプのマルチワイヤーソー、ローラーごとに左右に往復移動するタイプのマルチワイヤーソー等種々のタイプのマルチワイヤーソーを用いることができる。
次に、インゴット10とソーワイヤーとの配置を説明する。図1(a)を参照して説明したように、用意したインゴット10は、両端の一方に低品質結晶部分10eを有している。低品質結晶部分10eの低品質結晶領域10bには転位等が多く発生しているため、低品質結晶領域10bをソーワイヤーで切削すると、低品質結晶領域10bにクラックが入り、そのクラックが本体部分10aにまで伝搬したり、余計なテンションがソーワイヤー50に掛かり、ソーワイヤー50が断線するなどの問題が生じ得る。また、低品質結晶領域10bを切削することによって、スラリー中に低品質結晶領域10bの切粉が混入し、スラリーを劣化させてしまう。
このため、ソーワイヤーがインゴット10の低品質結晶部分10eとは接触せず、本体部分10aに接触するように、インゴットをソーワイヤーに対して相対的に移動させることによって、インゴット10をスライスする。具体的には図5に示すように、ソーワイヤー50によって構成される第1切削領域51rには、インゴット10のうち本体部分10aが接触し、低品質結晶部分10eは第1切削領域51r外に位置するように、インゴット10を配置する。本実施形態では、第1切削領域51rにおけるローラーの軸が伸びる方向の長さL1は、インゴット10の本体部分10aの長さ(低品質結晶部分10eと本体部分10aとの境界から端面10fまでの距離)M1より大きい。しかし、長さL1と長さM1とは等しくてもよいし(L1=M1)、長さL1よりも長さM1のほうが長くてもよい。ソーワイヤーがインゴット10の低品質結晶部分10eとは接触せず、本体部分10aに接触していれば、低品質結晶部分10eを別途除去する場合に比べて、単結晶炭化珪素ウエハを製造するのに要する時間を短縮することができる。
なお、マルチワイヤーソーの装置構成によっては、図5に示すように、低品質結晶部分10eが第1切削領域51rからはみ出すようにインゴット10を保持できないことも考えられる。この場合には、例えば、図6Aに示すように、ローラー51a、51b、51cに設けられた、ソーワイヤー50を受ける複数の溝51gのうち、一部の領域51sにはソーワイヤー50を掛けないように構成すればよい、これにより、低品質結晶部分10eが第1切削領域51r外の領域51sに位置するように、インゴット10を配置することができる。また、図6Bに示すように、領域51tに溝51gが設けられていないローラー51a、51b、51cを用い、すべての溝51gにソーワイヤー50を掛けてもよい。このような構成のローラー51a、51b、51cを用いても、低品質結晶部分10eが第1切削領域51r外の領域51tに位置するように、インゴット10を配置することができる。
続いて、図3あるいは図4に示すように、固定用ベース14に支持されたインゴット10を矢印の方向に移動させることによって、ソーワイヤーの第1切削領域51rが、インゴット10のうち本体部分10aを切削する。これにより、複数枚の単結晶炭化珪素ウエハが同時に切断される。この時、低品質結晶部分10eは、ソーワイヤーの第1切削領域51rとは接触しない。このため、上述した問題が生じることなく、クラックのない単結晶炭化珪素ウエハが得られる。また、ソーワイヤー50が断線する可能性も小さいので、ソーワイヤー50の断線によって装置を停止し、ソーワイヤー50を張り替えたりするなどトラブルが発生する可能性も小さくすることできる。スラリーの劣化も抑制される。よって、歩留まりの向上が図れるとともに、単結晶炭化珪素ウエハの製造に要する平均的な製造時間も短縮することが可能となり、製造コストを低減することができる。
ただし、一般に、マルチワイヤーソーを構成するソーワイヤー50のうち、第1切削領域51rの一番端に位置する両端部分は、他の位置の部分に比べて、大きなテンションがかかりやすい。このため、従来のマルチワイヤーソーを用いたインゴットの切断方法では、ソーワイヤー50のうち、第1切削領域51rの一番端に位置する部分では、インゴットを切断しないように、インゴットをソーワイヤー50に対して配置していた。つまり、インゴットを第1切削領域51rの中央近傍に配置し、第1切削領域51rの一番端に位置する両端部分が、インゴットと接触しないようにしていた。したがって、低品質結晶部分を事前に取り除く必要があった。
図7Aは、例えば、ローラー51bに巻回されたソーワイヤー50の端面を模式的に示している。ローラー51bには、ソーワイヤー50を案内する溝51gが複数設けられ、溝51g内にソーワイヤー50が位置している。図に示すように、インゴット10を切断する前では、ローラー51bの溝51gの深さは、いずれもd0であり、等しい。
ローラー51b等を回転させながら、ソーワイヤー50にインゴット10を接触させることによってインゴット10はスライスされる。この時、ソーワイヤー50がインゴット10から力を受けるため、ソーワイヤー50を受ける溝51gは摩耗し、溝51gの深さが大きくなる。さらに、本実施形態の方法によってインゴット10をスライスした場合、ソーワイヤー50のうち、第1切削領域51rの一番端に位置する部分、つまり、低品質結晶部分10eに最も近接した部分には、他の位置の部分に比べて、大きなテンションがかかる。図7Bは、この理由により、ローラー51bの一番端の溝51g1が、他の溝51gmに比べて、より深くなった様子を模式的に示している。インゴット10の切断が進むにつれて、ローラー51bの一番端の溝51g1は、定常部の溝51gmよりもより深くなる。ここで定常部とは、ソーワイヤー50のうち、上述したように端部に位置することによるテンションの影響を受けない部分をいう。具体的には、第1切削領域51rの中央近傍の溝をいう。図7Bに示すように、定常部の溝51gmの摩耗による初期値からの深さ変化量d1とし、一番端の溝51g1の摩耗による初期値からの深さ変化量d2とした場合、d2>d1となる。
このように、ソーワイヤーを受けるローラーの溝の一部が深くなっていると、切削時に、ソーワイヤーに均等に張力が印加されなくなり、インゴット10を均一に切削ができなくなる。このため、本実施形態では、ローラーの溝51gの摩耗による深さの変化を、所定の周期で測定し、一番端の溝51g1における初期値からの深さd2が、定常部の溝51gmにおける初期値からの深さd1に対して所定の値よりも大きくなっている場合、その部分での切削を行わないように、ソーワイヤー50を溝51g1から外す。そして、一つ内側の溝、つまり、溝51g2に掛けられるソーワイヤー50が一番端となるように新たな切削領域を構成し、インゴット10の切削を行う。所定の周期とは、例えば、20時間ごとなどの一定の時間周期であってもよいし、インゴットの切断回数に基づく周期であってもよい。
本願発明者らによる詳細な検討の結果、定常部の溝51gmの摩耗による初期値からの深さ変化量d1に対して、一番端の溝51g1の摩耗による初期値からの深さ変化量d2がd2≧3×d1(d2がd1の300%以上)を満たすに至った場合、上述したソーワイヤー50の位置を変えることが好ましく、d2≧2×d1を満たすに至った場合、上述したソーワイヤー50の位置を変えることがより好ましいことが分かった。ソーワイヤー50の位置を変え、2番目の溝51g2が、ソーワイヤー50を受ける一番端の溝となった場合、2番目の溝51g2が一番端の溝となった時の溝51g2および定常部の溝51gmをそれぞれ深さの初期値としてd2、d1を測定し、上述の条件で、一番端の溝である2番目の溝51g2の管理を行う。これにより、ソーワイヤーのすべての部分が適切な張力でインゴット10と接触し、インゴット10を効率的に切削できるようになる。
また、ソーワイヤー50が異常なテンションを受け、断線したり、インゴット10から切り出される単結晶炭化珪素ウエハの厚さがばらついたりするのを抑制するため、ローラー51a、51b、51cの回転振れは50μm以下であることが好ましい。回転振れの制御は、例えば、ローラー51a、51b、51cをマルチワイヤーソーに取り付け、ゆっくりローラー51a、51b、51cを回転させて回転振れを測定する。回転によるローラー51a、51b、51cの振れが50μmよりも大きい場合、回転を止めて、ローラー51a、51b、51cをいったん外し、位置を変更して、ローラー51a、51b、51cを取り付ける。その後、再び、回転振れを測定する。この手順を、振れの値が50μm以下になるまで繰り返す。なお、上記条件は図4に示すマルチワイヤーソーなどについても同様である。
このように上述した工程を実行することにより、インゴット10から単結晶炭化珪素ウエハを切り出すことができる。
本実施形態の方法によれば、インゴット10の一端に低品質結晶部分10eを残したまま、インゴットをスライスできるため、低品質結晶部分10eを別途除去する場合に比べて、単結晶炭化珪素ウエハを製造するのに要する時間を短縮することができる。上述したように、炭化珪素の硬度はシリコンに比べて非常に大きいため、インゴットを一か所切断するのに要する時間もかなり長い。特に、インゴットの直径が大きくなれば、切断に要する時間も長くなってしまう。このため、本実施形態の方法は、特に大口径の単結晶炭化珪素ウエハを製造する場合に製造時間を大幅に短縮することができる。
また、上述したように、ソーワイヤーの一番端の部分を受けるローラーの溝を管理することによって、ソーワイヤーが断線するのを抑制することができ、マルチワイヤーソーの稼働率を高めることができる。このため、大口径の単結晶炭化珪素ウエハの生産性を高め、また、製造コストを低減することができる。
また、摩耗した溝からソーワイヤーを外すことによって、位置精度が悪いソーワイヤーの切削部分を除外できる。よってソーワイヤーによる高い加工精度を確保することができ、反りがなく、面精度の高いウエハを製造することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明による単結晶材料のマルチワイヤーソーによる切断方法の第2の実施形態を説明する。本実施形態では、2つ以上のインゴット10をマルチワイヤーソーによって同時にスライスすることができる。
まず第1の実施形態と同様の方法によって、2つのインゴット10、10’(第1及び第2のインゴット)を用意する。
次に、固定用ベース14に2つのインゴット10、10’を固定する。インゴット10の低品質結晶部分10eが位置していない端面10fがインゴット10’の低品質結晶部分10e’と対向するように配置する。また、図8に示すように、インゴット10の低品質結晶部分10eが位置していない端面10fからインゴット10’の低品質結晶部分10e’と本体部分10a’との境界までの距離はQ1に設定する。インゴット10の端面10fからインゴット10’の端面10f’までの距離はQ2である。ただしインゴット10とインゴット10’において、低品質結晶部分10e、10e’の長さは互いにほぼ等しい。また、本体部分10aの長さも互いにほぼ等しい。距離Q1、Q2は、以下において説明するように、マルチワイヤーソーにおけるソーワイヤー50の配置によって定められる。Q1は、概ね以下で説明するP1に一致する。また、Q2は概ねL1+P1と一致する。
次に、インゴット10、10’をスライスする工程を説明する。図9に示すように、マルチワイヤーソーにおいて、ソーワイヤーは、ローラー間に等間隔で平行に張られた複数の切削部分を有する第1切削領域51rおよび第2切削領域51r’を含んでいる。第1切削領域51rと第2切削領域51r’との間隔はP1である。第1切削領域51rおよび第2切削領域51r’のローラーの軸と平行な方向の長さは第1の実施形態と同様L1である。間隔P1は、マルチワイヤーソーのローラーに掛けられたソーワイヤー50の配置によって予め定められる。
第1切削領域51rと第2切削領域51r’との間には、ソーワイヤー50は張られていない。図9において、一点鎖線で示すソーワイヤー50’は、図10に示し、以下において説明するように、第1切削領域51rおよび第2切削領域51r’が隣接する部分以外の箇所でソーワイヤー50が掛けられる溝の位置を飛ばすために、ソーワイヤー50’が斜めに掛けられることを示している。
図10は、2つの切削領域を有するソーワイヤーにおいて、ローラーに巻回されたソーワイヤー50の断面を模式的に示している。第1切削領域51rと第2切削領域51r’との間に間隔P1を設けるために、間隔P1に位置する溝51gにはソーワイヤーを掛けていない。このようなソーワイヤーの配置は、例えば、図3に示すマルチワイヤーソーにおいては、ローラー51aのある溝51gmに巻回されたソーワイヤー50’をローラー51bでは、対応する溝51gmではなく、ローラー51bの対応する溝51gmから間隔P1を隔てた溝51gnに掛けることによって実現することができる。この場合、ローラー51aとローラー51bとの間では、間隔P1に対応する幅で斜めにソーワイヤー50’が掛けられるが、ローラー51aとローラー51bとの間に張られたソーワイヤーには、第1切削領域51rおよび第2切削領域51r’は位置しないため、インゴットが斜めに切断されることはない。また、このように、ソーワイヤー50を斜めに掛ける方法は「溝とばし」として、一般的なマルチワイヤーソーにおいて設定可能である。
図9に示すように、このように、ソーワイヤー50がローラーに巻回されたソーワイヤーを用い、第1の実施形態と同様に、固定用ベース14を移動させることによって、インゴット10およびインゴット10’の低品質結晶部分10eを切削することなく、インゴット10およびインゴット10’の本体部分10aを同時にスライスし、それぞれ単結晶炭化珪素ウエハを製造することができる。この場合、第1切削領域51rおよび第2切削領域51r’において、インゴット10、10’の低品質結晶部分10e、10e’に最も近接するソーワイヤーの切削部分を受けるローラーの溝の深さをそれぞれ測定し、溝の深さの初期値からの変化量d2、d2’に基づき溝の摩耗を管理することが好ましい。
本実施形態によれば、複数のインゴット10を同時にスライスすることができるため、単結晶炭化珪素ウエハの製造時間をより短縮することができる。
上述の実施形態では、ローラーに掛けられたソーワイヤー50の配置によって決まる間隔P1に合わせてインゴット10およびインゴット10’を固定用ベース14に固定した。
しかし、逆に、インゴット10およびインゴット10’の配置に合わせてソーワイヤー50の巻回位置を決定してもよい。
まず第1の実施形態と同様の方法によって、2つのインゴット10、10’(第1及び第2のインゴット)を用意する。次に図11に示すように、固定用ベース14に2つのインゴット10、10’を固定する。この場合、インゴット10の低品質結晶部分10eが位置していない端面10fからインゴット10’の低品質結晶部分10e’と本体部分10a’との境界までの距離Q1は任意に設定してもよい。ただし、Q1は、マルチワイヤーソーにおけるソーワイヤーの最小巻回ピッチ(ローラーの溝51gのピッチ)よりも長い。また、Q1があまり長くなると、ローラー間で斜めに掛けたソーワイヤーにテンションがかかり、適切な条件で切削を行うことが困難となる場合があるため、マルチワイヤーソーに定められた適正な「溝とばし」の範囲でQ1を決定する。
次に、図12に示すように、2つのインゴット10、10’の距離Q1に一致する間隔P2で第1切削領域51rと第2切削領域51r’とが配置されるように、ローラーにソーワイヤー50を巻回する。上述したように、距離Q1に等しい間隔P2を設けるために、溝を飛ばしてソーワイヤーを巻回させればよい。
このような方法によっても同様に、複数のインゴット10を同時にスライスすることができるため、単結晶炭化珪素ウエハの製造時間をより短縮することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明による単結晶材料のマルチワイヤーソーによる切断方法の第3の実施形態を説明する。本実施形態では、2つ以上のインゴットの配置方法が第2の実施形態と異なる。
まず第1の実施形態と同様の方法によって、2つのインゴット10、10’(第1及び第2のインゴット)を用意する。
次に、固定用ベース14に2つのインゴット10、10’を固定する。図13Aに示すように、インゴット10の低品質結晶部分10eが位置していない端面10fとインゴット10’の低品質結晶部分10e’が位置していない端面10f’とが互いに対向するように配置する。インゴット10の本体部分10aおよび低品質結晶部分10eの境界からインゴット10’の本体部分10a’および低品質結晶部分10e’の境界までの距離がR1となるように設定する。この時、端面10fと端面10f’との距離はS1である。本実施形態では、インゴット10とインゴット10’において、低品質結晶部分10e、10e’の長さは異なっていてもよい。また、本体部分10a、10a’の長さも異なっていてもよい。距離R1、S1は、以下において説明するように、マルチワイヤーソーにおける第1切削領域51rの両端にそれぞれ位置する切削部分の間隔に基づいて決められる。
次に、インゴット10、10’をスライスする工程を説明する。図13Bに示すように、マルチワイヤーソーにおいて、ソーワイヤー50は、ローラー間に等間隔で平行に張られた複数の切削部分を有する第1切削領域51rを含んでいる。
図13Bに示すように、第1切削領域51rのローラーの軸と平行な方向の長さは第1の実施形態と同様、L1である。つまり、第1切削領域51rの両端にそれぞれ位置する切削部分52sと切削部分52eとの間隔はL1である。距離R1は、この間隔L1以上となるように(R1≧L1)設定されている。このため、図13Bに示すように、インゴット10の低品質結晶部分10eおよびインゴット10’の低品質結晶部分10e’は、第1切削領域51rの外側に位置している。R1=L1に設定すれば、本体部分10a、10a’を切り落とすことなく、最も多くのウエハを得ることができ、効率的に切断することできる。また、R1>L1に設定すれば、本体部分10a、10a’の一部を低品質結晶部分10e、10e’に残してインゴット10を切断することができる。この低品質結晶部分10e、10e’側に残された本体部分10a、10a’ の一部は、インゴット10ごとの結晶品質確認用のテストピースとして用いることが可能であり、これによって、本体部分10a、10a’ の一部を生産管理や品質管理に役立てることもできる。
インゴット10、10’が上述した位置関係で固定用ベース14に固定され、かつ、固定用ベースに支持されたインゴット10、10’が第1切削領域51rに対して上述した位置関係で配置された状態で、固定用ベース14を移動させることによって、インゴット10、10’の低品質結晶部分10e,10e’を切削することなく、インゴット10、10’の本体部分10a、10a’を同時にスライスし、それぞれ単結晶炭化珪素ウエハを製造することができる。
第1の実施形態で説明したように、スライスの際、第1切削領域51rにおいて、インゴット10の低品質結晶部分10eに最も近接するソーワイヤーの切削部分52sを受けるローラーの溝、およびインゴット10’の低品質結晶部分10e’に最も近接するソーワイヤーの切削部分52eを受けるローラーの溝の深さを測定し、管理することが好ましい。切削部分52sを受けるローラーの溝の深さおよび切削部分52eを受けるローラーの溝の深さの変化量が、中央近傍の溝の深さの変化量の3倍以上、あるいは、2倍以上となった場合、その溝からソーワイヤーを外し、摩耗した溝を使わないようにする。
図13Cは、図13Bに示す第1切削領域51rから図13Dに示すように、ソーワイヤー50の切削部分52sおよび切削部分52e(点線で示す)を溝から外し、新たな第1切削領域52rを構成したマルチワイヤーソーを用いて引き続き、インゴット10、10’をスライスする場合におけるインゴット10、10’の配置を示している。図では、切削部分52sおよび切削部分52e(点線で示す)を溝から外しているが、上述した管理に基づき、一方のみを溝から外してもよい。
インゴット10の低品質結晶部分10eが位置していない端面10fとインゴット10’の低品質結晶部分10e’が位置していない端面10f’とが互いに対向するように配置する。インゴット10の本体部分10aおよび低品質結晶部分10eの境界からインゴット10’の本体部分10a’および低品質結晶部分10e’の境界までの距離がR2となるように設定する。端面10fと端面10f’との距離はS2である。R2およびS2は、それぞれR1およびS1よりも短い。つまり、端面10fと端面10f’との距離を小さくして、インゴット10、10’を配置している。
図13Dに示すように、第1切削領域52rは、ソーワイヤー50の切削部分52sおよび切削部分52eを外した状態で構成されており、ローラーの軸と平行な方向の長さ、つまり、第1切削領域52rの両端にそれぞれ新たに位置することになった切削部分52s’と切削部分52e’との間隔はL2である。距離R2は、この間隔L2以上となるように設定されている。この場合についても、最も多くのウエハを得るためにR2=L2となるように設定してもよい。
第1切削領域52rのローラーの軸と平行な方向の長さは、ローラーの両端の溝からソーワイヤー50をそれぞれ外すことによって短くなっているが、インゴット10とインゴット10’との間隔を短くすることによって、本体部分10a、10a’が余分に第1切削領域52rの外側に位置することなく、インゴット10、10’をソーワイヤーの第1切削領域52rに対して配置できる。
このように、インゴット10、10’が配置された状態で、固定用ベース14を移動させることによって、インゴット10、10’の低品質結晶部分10e,10e’を切削することなく、また、本体部分10a、10a’を余分に切り落としてしまうことなく、インゴット10、10’の本体部分10a、10a’を同時にスライスし、それぞれ単結晶炭化珪素ウエハを製造することができる。
以降、端面10fと端面10f’との間隔が、ソーワイヤーの切削部分の配置間隔よりも大きい場合には、さらに、溝からソーワイヤーを外しても、インゴット10とインゴット10’との間隔を短くすることによって、インゴット10、10’の本体部分10a、10a’を同時にスライスし、それぞれ単結晶炭化珪素ウエハを製造することができる。
本発明は上記実施形態に限られず種々の変形が可能である。たとえば、第2の実施形態では2つのインゴットを固定用ベースに固定し、2つの切削領域を有するソーワイヤーを備えたワイヤーソーでインゴットを切断したが、3つ以上のインゴットを固定し、所定の間隔で配置された3つ以上の切削領域を有するソーワイヤーを備えたワイヤーソーでインゴットを同時に切断してもよい。この場合、切削領域の2以上の間隔は、互いに異なっていてもよい。
また、上記実施形態では、インゴットの低品質結晶部分に最も近接するソーワイヤーの切削部分を受けるローラーの溝の深さを測定し、管理しているが、これに加えて、低品質結晶部分に2番目に近接するソーワイヤーの切削部分を受けるローラーの溝の初期値からの深さ変化量d3も第1の実施形態で説明したように管理してもよい。この場合、例えば、d2≧3d1かつd3<2d1を満たす場合には、一番端の溝のみからソーワイヤーを外し、d2≧3d1かつd2≧2d1を満たす場合には、一番端および2番目の溝からソーワイヤーを外すという管理を行ってもよい。
(実施例)
以下、第1の実施形態の方法によって、炭化珪素のインゴットを切断した結果を説明する。インゴットは直径3インチであり、遊離砥粒方式でインゴットを切断した。使用した機器および材料は以下の通りである。
切断機:タカトリ製マルチワイヤーソー MWS−34
ピアノ線:ジャパンファインスチール製 ピアノ線 φ0.16
スラリのベース液:パレス化学製 PS−L−40
ダイヤモンド砥粒:砥粒径3〜30μmのものを使用し、ダイヤモンドスラリを作製
実施形態による効果を確認するために、低品質結晶部分を有するインゴットから、条件を変えてインゴットの本体部分の切断を行い、このときワイヤーソーの断線が発生した頻度を計測した。表1に、切断の条件および断線の発生頻度をまとめて示す。
表1において、「低品質結晶部分の切断除外」とは、低品質結晶部分も切断するかどうかという条件を示す。「あり」の場合、図5に示すように、低品質結晶部分10eが切削領域に位置しないようにインゴットを移動させ、低品質結晶部分10eを切断しなかった。
「ローラー回転振れ制御」とは、ローラーの回転振れが50μm以下になるように測定とソーワイヤーをローラーにかける位置の変更を行ったかどうかという条件を示す。「あり」の場合、回転振れ制御を行い、「なし」の場合、回転振れ制御を行わなかった。
「溝の管理」とは、一番端の溝の摩耗量が上述したように、定常部の溝の摩耗量の300%以上になった場合に、その溝を使用しないように管理を行ったかという条件を示す。「あり」の場合、管理を行い、「なし」の場合、管理を行わなかった。
断線発生頻度は、100時間の稼働あたりに発生したワイヤーソーの断線回数を示す。
これらの条件を組み合わせた切断方法A〜Cによってインゴットを切断し、切断の際、発生した断線の発生頻度を求めた。
Figure 0006102927
表1に示すように、切断方法Cにおける断線の発生頻度は切断方法Bにおける断線の発生頻度の1/6程度である。このことから、一番端の溝の摩耗量を管理することによって、さらに断線発生の頻度を大幅に減らすことができることが分かる。
また、切断方法A〜Cで使用するインゴットは、本体部分の一端に低品質結晶部分を有しており、エピタキシャル成長した炭化珪素の両端を切断および/または研削する場合に比べて、インゴットを用意するのに要する時間を大幅に短くすることができる。本実施例では、両端を切断および/または研削する場合に比べて、2/3から1/2程度の時間で、インゴットを作製することができた。このため、本実施形態によれば、低品質結晶部分をあらかじめ除去する場合に比べて、単結晶炭化珪素ウエハを製造するのに要する時間を短縮することができることが確認できた。
図14は、本実施例によってインゴットを切断した場合における一番端の溝の摩耗量を示す(線b)。比較のために、定常部における溝の摩耗量(線c)および一番端の溝からソーワイヤーを外すことなく、切断を続けた場合の溝の摩耗量(線a)を示している。横軸は、所定の時間間隔を示している。
図14に示すように、所定の時間間隔で一番端の溝の摩耗量を測定したところ、測定ごとに、摩耗量が定常部の摩耗量の3倍の値を超えた。このため、測定毎に一番端の溝からソーワイヤーを外し、2番目の溝がソーワイヤーの掛けられた一番端の溝となるように、インゴットの配置を変更し、切断を行った。ただし、5番目および8番目の測定時には、一番端の溝の摩耗量が定常部の摩耗量の3倍の値を超えなかったため、一番端の溝からソーワイヤーを外すことなく切断を続けた。
このような方法によって切断を続けた場合、9回目の測定時まで、ソーワイヤーが断線することはなかった。
一方、一番端の溝からソーワイヤーを外すことなく、切断を続けた場合、時間の経過とともに一番端の溝の摩耗量が増大し、4回目と5回目の測定の間において、ソーワイヤーが断線した。ソーワイヤーを張り替えて、さらに切断を続けたところ、5回目と6回目の測定の間でもソーワイヤーが断線した。
これらの結果から、一番端の溝の摩耗量の管理を行うことによって、ソーワイヤーの断線が発生するのを抑制することができるのが分かる。
図15Aおよび図15Bは、ローラー回転振れの制御を行って、所定の時間、インゴットを切断した後のローラー、および、回転振れの制御を行わなかったローラーの中央部の断面を観察した結果を示している。図15Aに示すように、ローラー回転振れの制御を行った場合、ソーワイヤーが溝の底部で位置ずれすることなく摺動するため、溝の底部は広がらない。このため、溝の間隔が変化せず、切断されたウエハの厚さにばらつきが生じにくい。
これに対して、図15Bに示すように、回転振れの制御を行わなかった場合、溝底部において、ソーワイヤーの位置が振れることによって溝の底部が広くなる。また、溝の側面も摩耗によって、後退する。その結果、溝全体が大きくなり、溝の間隔がばらつく。このため、切断されたウエハの厚さにもばらつきが生じ得る。これらの結果から、ローラー回転振れの制御を行うことによって、インゴット10から切り出される単結晶炭化珪素ウエハの厚さがばらついたりするのを抑制することができることが分かった。
本願に開示された高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法は、種々の結晶成長方法によって製造され、種々の大きさを有する単結晶炭化珪素インゴットのスライスに好適に用いることができる。
10、10’ インゴット
10a 本体部分
10b 低品質結晶領域
10e 低品質結晶部分
10f 端面
10s 側面
11 種結晶
12 炭化珪素
14 固定用ベース
50 ソーワイヤー
51a、51b、51c ローラー
51r 第1切削領域
51r’ 第2切削領域
53 ステージ
51g、51g1、51g2、51gm、51gn 溝

Claims (12)

  1. 両端を有する本体部分と、前記本体部分の両端のうちの一方にのみ位置する低品質結晶部分とをそれぞれ有する第1および第2のインゴットを用意する工程(A)と、
    前記低品質結晶部分が位置しない端部が互いに対向するように前記第1および第2のインゴットを固定用ベースに固定する工程(B)と、
    少なくとも一対のローラー間でソーワイヤーが複数回、巻回され、前記少なくとも一対のローラー間において、等間隔で平行に張られた複数の切削部分を有する切削領域を含むマルチワイヤーソーを用い、前記ソーワイヤーの前記切削領域が前記第1および第2のインゴットの前記低品質結晶部分とは接触せず、前記本体部分に接触するように、前記第1および第2のインゴットを前記ソーワイヤーに対して相対的に移動させることによって、前記第1および第2のインゴットをスライスする工程(C)と
    を包含する、高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法。
  2. 前記工程(B)において、前記第1のインゴットの前記本体部分と前記低品質結晶部分との境界と、前記第2のインゴットの本体部分と前記低品質結晶部分との境界との距離が、前記マルチワイヤーソーの前記切削領域の両端にそれぞれ位置する切削部分の間隔以上となるように、前記第2のインゴットを前記第1のインゴットに対して配置する請求項に記載の高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法。
  3. 両端を有する本体部分と、前記本体部分の両端のうちの一方にのみ位置する低品質結晶部分とをそれぞれ有する第1および第2のインゴットを用意する工程(A)と、
    前記第1のインゴットの前記低品質結晶部分が位置しない端部が前記第2のインゴットの低品質結晶部分と対向するように前記第1および第2のインゴットを固定用ベースに固定する工程(B)と、
    少なくとも一対のローラー間でソーワイヤーが複数回、巻回され、前記少なくとも一対のローラー間において、等間隔で平行に張られた複数の切削部分を有する切削領域と、前記等間隔で平行に張られた複数の切削部分を有し、前記切削領域から所定の間隔を隔てて位置する他の切削領域とを含むマルチワイヤーソーを用い、前記ソーワイヤーの前記切削領域および前記他の切削領域が、前記第1および第2インゴットの前記低品質結晶部分とは接触せず、前記本体部分にそれぞれ接触するように、前記第1および第2のインゴットを前記ソーワイヤーに対して相対的に移動させることによって、前記第1および第2のインゴットをスライスする工程(C)と
    を包含する、高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法。
  4. 前記工程(B)において、前記第1のインゴットの前記低品質結晶部分が位置しない端部から、前記第2のインゴットの低品質結晶部分と本体部分との境界までの距離が、前記ソーワイヤーにおける前記所定の間隔と一致するように、前記第2のインゴットを前記第1のインゴットに対して配置する請求項に記載の高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法。
  5. 前記第1のインゴットの前記低品質結晶部分が位置しない端部から、前記第2のインゴットの低品質結晶部分と本体部分との境界までの距離と一致するように、前記ソーワイヤーにおける前記所定の間隔を決定する請求項に記載の高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法。
  6. 両端を有する本体部分と、前記本体部分の両端のうちの一方にのみ位置する低品質結晶部分とを有する少なくとも1つのインゴットを用意する工程(A)と、
    前記少なくとも1つのインゴットを固定用ベースに固定する工程(B)と、
    少なくとも一対のローラー間でソーワイヤーが複数回、巻回され、前記少なくとも一対のローラー間において、等間隔で平行に張られた複数の切削部分を有する切削領域を含むマルチワイヤーソーを用い、前記ソーワイヤーの前記切削領域が前記少なくとも1つのインゴットの前記低品質結晶部分とは接触せず、前記本体部分に接触するように、前記少なくとも1つのインゴットを前記ソーワイヤーに対して相対的に移動させることによって、前記インゴットをスライスする工程(C)と
    を包含し、
    前記少なくとも一対のローラーは、前記切削領域において、前記ソーワイヤーを受ける複数の溝をそれぞれ有し、
    前記切削領域の、前記一対のローラ―の軸方向における中央近傍に位置する前記少なくとも一対のローラーの第1の溝の深さの初期値からの変化量d1と、前記ソーワイヤーの前記切削領域において、前記少なくとも1つのインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第2の溝の深さの初期値からの変化量d2とを測定し、前記d2が前記d1の3倍以上である場合、前記第2の溝から前記ソーワイヤーを外して新たな切削領域を構成する工程を更に包含する高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法。
  7. 前記切削領域の、前記一対のローラ―の軸方向における中央近傍に位置する前記少なくとも一対のローラーの第1の溝の深さの初期値からの変化量d1と、前記ソーワイヤーの前記切削領域において、前記第1のインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第2の溝の深さの初期値からの変化量d2と、前記ソーワイヤーの前記切削領域において、前記第2のインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第3の溝の深さの初期値からの変化量d2’とを測定し、前記d2および前記d2’の少なくとも一方が前記d1の3倍以上である場合、前記少なくとも一方に対応する溝から前記ソーワイヤーを外して新たな切削領域を構成する工程を更に包含する請求項またはのいずれかに記載の高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法。
  8. 前記少なくとも一対のローラーは、前記切削領域および前記他の切削領域において、前記ソーワイヤーを受ける複数の溝をそれぞれ有し、
    前記切削領域の、前記一対のローラ―の軸方向における中央近傍に位置する前記少なくとも一対のローラーの第1の溝の深さの初期値からの変化量d1と、前記ソーワイヤーの前記切削領域において、前記第1のインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第2の溝の深さの初期値からの変化量d2と、前記ソーワイヤーの前記他の切削領域において、前記第2のインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第3の溝の深さの初期値からの変化量d2’とを測定し、前記d2および前記d2’の少なくとも一方が前記d1の3倍以上である場合、前記少なくとも一方に対応する溝から前記ソーワイヤーを外して少なくとも1つの新たな切削領域を構成する工程を更に包含する請求項からのいずれかに記載の高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法。
  9. 前記少なくとも一対のローラーの回転振れを50μm以下に調整する請求項からのいずれかに記載の高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法。
  10. 両端を有する本体部分と、前記本体部分の両端のうちの一方にのみ位置する低品質結晶部分とを有する少なくとも1つのインゴットを用意する工程(A)と、
    前記少なくとも1つのインゴットを固定用ベースに固定する工程(B)と、
    少なくとも一対のローラー間でソーワイヤーが複数回、巻回され、前記少なくとも一対のローラー間において、等間隔で平行に張られた複数の切削部分を有する切削領域を含むマルチワイヤーソーを用い、前記ソーワイヤーの前記切削領域が前記少なくとも1つのインゴットの前記低品質結晶部分とは接触せず、前記本体部分に接触するように、前記少なくとも1つのインゴットを前記ソーワイヤーに対して相対的に移動させることによって、前記インゴットをスライスする工程(C)と
    を包含し、
    前記少なくとも一対のローラーは、前記切削領域において、前記ソーワイヤーを受ける複数の溝をそれぞれ有し、
    前記切削領域の、前記一対のローラ―の軸方向における中央近傍に位置する前記少なくとも一対のローラーの第1の溝の深さの初期値からの変化量d1と、前記ソーワイヤーの前記切削領域において、前記少なくとも1つのインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第2の溝の深さの初期値からの変化量d2とを測定し、前記d1と前記d2とが所定の関係を満たしている場合、前記第2の溝から前記ソーワイヤーを外して新たな切削領域を構成する工程を更に包含する高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法。
  11. 前記切削領域の、前記一対のローラ―の軸方向における中央近傍に位置する前記少なくとも一対のローラーの第1の溝の深さの初期値からの変化量d1と、前記ソーワイヤーの前記切削領域において、前記第1のインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第2の溝の深さの初期値からの変化量d2と、前記ソーワイヤーの前記切削領域において、前記第2のインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第3の溝の深さの初期値からの変化量d2’とを測定し、前記d1と前記d2および前記d2’の少なくとも一方とが所定の関係を満たしている場合、前記少なくとも一方に対応する溝から前記ソーワイヤーを外して新たな切削領域を構成する工程を更に包含する請求項またはのいずれかに記載の高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法。
  12. 前記少なくとも一対のローラーは、前記切削領域および前記他の切削領域において、前記ソーワイヤーを受ける複数の溝をそれぞれ有し、
    前記切削領域の、前記一対のローラ―の軸方向における中央近傍に位置する前記少なくとも一対のローラーの第1の溝の深さの初期値からの変化量d1と、前記ソーワイヤーの前記切削領域において、前記第1のインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第2の溝の深さの初期値からの変化量d2と、前記ソーワイヤーの前記他の切削領域において、前記第2のインゴットの低品質結晶部分に最も近接する前記ソーワイヤーの切削部分を受ける前記少なくとも一対のローラーの第3の溝の深さの初期値からの変化量d2’とを測定し、前記d1と前記d2および前記d2’の少なくとも一方とが所定の関係を満たしている場合、前記少なくとも一方に対応する溝から前記ソーワイヤーを外して少なくとも1つの新たな切削領域を構成する工程を更に包含する請求項からのいずれかに記載の高硬度材料のマルチワイヤーソーによる切断方法。
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