JP4107564B2 - 単結晶炭化ケイ素の製造方法 - Google Patents
単結晶炭化ケイ素の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4107564B2 JP4107564B2 JP2002094436A JP2002094436A JP4107564B2 JP 4107564 B2 JP4107564 B2 JP 4107564B2 JP 2002094436 A JP2002094436 A JP 2002094436A JP 2002094436 A JP2002094436 A JP 2002094436A JP 4107564 B2 JP4107564 B2 JP 4107564B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicon carbide
- crystal silicon
- single crystal
- cavity
- groove
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、単結晶炭化ケイ素の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
単結晶炭化ケイ素の製造方法として、例えば、The Institute of Physics Conference Series No. 142 Chapter 1 Page 49、Materials Science Forum Vols. 338-342 Page 125に示すように、昇華法および化学的気相成長法いずれも、単結晶炭化ケイ素バルクから切り出した結晶を、表面に加工を施すことなく、種結晶あるいはエピタキシャル層形成用基板として用いるものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる表面に加工を施していない、種結晶あるいはエピタキシャル層形成用基板には様々な結晶欠陥が存在する。なかでも、いわゆるマイクロパイプ若しくはナノパイプと呼ばれる、空洞を中心部分にもつ螺旋転位は、単結晶炭化ケイ素からなる半導体装置の性能、特に逆バイアス電圧印加時の性能を大きく低下させる原因となる。
即ち、種結晶あるいはエピタキシャル層形成用基板に存在する螺旋転位が、製造された単結晶炭化ケイ素内にそのまま引き継がれ、空洞が形成されるという問題点が存在する。
そこで本発明は、上記の課題を解消するためになされたもので、結晶成長に伴う螺旋転位近傍のステップの密度を低減し、螺旋転位に起因する空洞のない単結晶炭化ケイ素を製造する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る単結晶炭化ケイ素の製造方法は、エピタキシャル成長法により単結晶炭化ケイ素を製造する際に、製造に用いる単結晶炭化ケイ素の種結晶あるいは基板の表面に対して、螺旋転位の現れている小領域を台状に加工すること、あるいは螺旋転位の近傍に溝を形成することにより、段差を形成し、螺旋転位が現れている部分の単結晶炭化ケイ素表面におけるステップ密度を低減し、大きな螺旋転位の小さな螺旋転位群への分解を促進し、空洞を閉塞させことを特徴とする。
【0007】
すなわち、本発明の第1の態様にかかる製造方法は、
(i)螺旋転位の中心部分の空洞を表面に有し、オフ角度をもって切り出された単結晶炭化ケイ素の基板を用意し、
(ii)前記空洞を含み、H>Dtanαを有する台状構造による段差(式中、Hは台状構造を形成する段差の深さを表し、Dは空洞の端から台状構造の端までの距離を表し、αはオフ角度を表す)を前記基板表面に形成し、
(iii)台状構造を形成した基板表面に、エピタキシャル成長法により単結晶炭化ケイ素を堆積させ単結晶炭化ケイ素膜を製造する単結晶炭化ケイ素の製造方法である。
【0008】
また、本発明の第2の態様にかかる製造方法は、
(i)螺旋転位の中心部分の空洞を表面に有し、オフ角度をもって切り出された単結晶炭化ケイ素の基板を用意し、
(ii)前記基板表面の前記空洞の位置から見て、ステップが成長する方向と逆の方向に、H>Dtanαを有する溝による段差(式中、Hは溝を形成する段差の深さを表し、Dは空洞の端から溝の端までの距離を表し、αはオフ角度を表す)を前記基板表面に形成し、
(iii)溝を形成した基板表面に、エピタキシャル成長法により単結晶炭化ケイ素を堆積させ単結晶炭化ケイ素膜を製造する単結晶炭化ケイ素の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に共通する、基材、堆積方法等について説明する。
【0010】
(単結晶炭化ケイ素)
本発明において単結晶炭化ケイ素は、ダイオード等に有用な、六方晶系で6層で一周期となる結晶構造を有する6H形SiC単結晶、六方晶系で4層で一周期となる結晶構造を有する4H形SiC単結晶等を包含するがこれらに限定されるものではない。
【0011】
(基材)
本発明において基材は、SiC単結晶のバルクから所定寸法に切り出された種結晶又は基板であり、オフ角度をもって切り出すことができる。
オフ角度をもって切り出された単結晶炭化ケイ素の基材とは、(0001)面からずらした面を有する基材のことをいう。この角度は、好ましくは3.5〜8°の範囲である。
【0012】
(空洞)
螺旋転位の中心部分の空洞とは、単結晶炭化ケイ素の結晶構造中に存在する螺旋転位に起因する空洞、いわゆるマイクロパイプあるいはナノパイプのことをいう。かかる空洞が基材から単結晶炭化ケイ素に引き継がれ、半導体装置の性能を低下させるのは前述の通りである。
【0013】
(エピタキシャル成長法)
基材表面に単結晶炭化ケイ素を堆積させるにはエピタキシャル成長法が採られるが、これには昇華法、化学的気相成長法、液相成長法、固相成長法等があるが、生産性の高さ、制御の容易性等から昇華法や化学的気相成長法が好ましい。
昇華法は、例えば、グラファイトのルツボにSiCの多結晶粉末を入れ、約2100乃至2400℃に加熱昇華させ種結晶上に堆積させることにより行なうことができる。
化学的気相成長法は、例えば、SiとCの水素化物若しくは塩化物又は有機金属のガスを基板上に導入し熱分解させることにより行なうことが出来る。具体的には、SiH4とプロパンを約0.2気圧、約1500℃で熱分解する方法等が挙げられる。
【0014】
(ステップフロー成長)
以下に、ステップフロー成長の機構について説明する。
単結晶炭化ケイ素の製造中、基板あるいは種結晶の表面にはステップが形成されており、表面に達した原料種はステップに取り込まれ、テラスの上をステップが移動する形で単結晶が形成される、いわゆるステップフロー成長が行われている。そして、これらステップの間には、たとえばJournal of Crystal Growth Vol. 226 Page 254に述べられているように、大きな斥力が働いていると考えられ、ステップの高さ、間隔は定常状態ではあまり変化しない。
【0015】
ここで問題としている螺旋転位は<0001>方向に構成原子のずれ、つまりバーガースベクトルをもち、通常、<0001>方向は単結晶の作製表面に対して垂直であるため、空洞は製造中の堆積表面に現れることになる。バーガースベクトルが大きい場合、螺旋転位の中心には空洞が形成され、単結晶炭化ケイ素の製造中はその中心から螺旋状に拡がるステップが形成されている。このため、螺旋転位の近傍では、表面の<0001>方向からの微傾斜によるステップと螺旋転位に起因するステップが重なって存在しており、ステップの密度は大きな値となっている。
【0016】
結晶中の空洞は歪みによるエネルギーをもつため、この歪みエネルギーとステップ間の斥力によるエネルギーのバランスによりバーガースベクトルの大きさ、つまり空洞の半径および転位芯の数が決定されるというモデルが考えられており、定性的には現象をよく説明している。螺旋転位の中心に形成される空洞の半径は、螺旋転位のバーガースベクトルの大きさに依存し、バーガースベクトルが小さい場合、空洞は形成されない。結晶の製造中、バーガースベクトルの和は保存されるため、空洞を形成する大きなバーガースベクトルの螺旋転位を小さなバーガースベクトルをもつ螺旋転位に分解できれば空洞を閉塞することが可能である。前述のように螺旋転位のバーガースベクトルの大きさは、空洞の歪みによるエネルギーと転位芯群および微傾斜に起因するステップ間の斥力によるエネルギーのバランスにより決定されるため、ステップの密度を減らすことができれば、より小さなバーガースベクトルに分解することが安定な状態となり、つまり空洞を閉塞することが可能となる。
【0017】
(段差)
本発明は、表面に現れている螺旋転位の近傍に台状構造や溝による段差を形成し、その表面に結晶を形成し、螺旋転位近傍のステップ密度を減らし、螺旋転位を分解し空洞を閉塞することを特徴とする。例えば、図5に示すように、<0001>方向から微傾斜をもつ基材51について、螺旋転位による空洞53の近傍に溝52を形成し、気相成長を行う。
単結晶炭化ケイ素はステップフロー成長するため、ステップを掃き出す形で単結晶の形成が進み、図6に示すように、短時間の結晶54の形成の後、螺旋転位による空洞53の近傍には微傾斜によるステップが存在しない状態が実現される。この状態では螺旋転位近傍のステップ密度は非常に小さな値となっており、螺旋転位は分解し易くなっている。さらに結晶の形成を続けると、螺旋転位の上にも結晶が形成され、その際、螺旋転位はより小さな螺旋転位群に分解し、空洞は閉塞され、高品質の単結晶炭化ケイ素が形成されることになる。
段差は、少なくともステップが成長する方向と逆の方向に設けてあれば充分であるが、特にオフ角度を与えてないあるいはステップの成長方向が明らかでない種結晶が基材である場合には、空洞を囲む段差とするのが良い。
【0018】
実施の形態1.
本発明の第1の形態は、図1に示すように、昇華法による単結晶炭化ケイ素の製造に用いる種結晶の形態の基材1の表面の空洞3をともなう螺旋転位の周囲に、反応性イオンエッチング法などを用いてリング状の溝2(溝の幅0.5〜2μm)を形成し、空洞3を含む円柱状の台状構造を形成したものである。図1(a)は平面図で、図1(b)はそのA−A断面図である。
昇華法の場合、種結晶の切り出し方、昇華法の条件(温度、雰囲気圧力、原料分圧など)により、結晶成長中に表面に形成されるステップ高さ、テラス幅は変動する。
図7において、ステップの高さをX、テラス幅をY、空洞73の端から台状構造の端までの距離をD、溝72の深さをHとする。
空洞73の端から台状構造の端までの距離Dは、これを大きくするとステップが掃き出されたテラス上に成長核が形成されるので、100μm以下が好ましく、0.1〜10μmがさらに好ましい。
ステップの高さXは、通常、1〜100nm程度である。
台状構造を形成する溝の深さHは、D、X及びYにより決定され、
H>DX/Yとなる必要がある。溝の深さHは0.5〜2μm程度が好ましい。
また、形成する結晶の厚さをTとすると、欠陥の上に結晶を十分に堆積させるため、H<<Tであることが必要である。
台状構造は、基材の主面の上方からみた場合、空洞73を囲む、円形(図1)若しくは矩形の形状であることが好ましい。空洞73は必ずしも円形、矩形の中心である必要はない。円の直径は2〜4μm、矩形の一辺は2〜4μmであることが好ましい。
この種結晶の表面に炭化ケイ素を堆積させると、螺旋転位近傍におけるステップの密度が小さい状態が実現し、螺旋転位が分解して、空洞が閉塞される。
【0019】
図8は、種結晶の形態である基材81の表面に存在する複数の空洞83の周囲に、複数のリング状の溝82(溝の幅約1μm)により、空洞83を含む円柱状の台状構造を形成した形態を示す。図8(a)は、この基材81の平面図であり、図8(b)は、そのD−D断面図である。この基材81の上に、昇華法を用いて単結晶炭化ケイ素を堆積させる。
図9(a)は前記基材81に単結晶炭化ケイ素を堆積させてバルク8とした図であり、図9(b)はこのようにして得た単結晶炭化ケイ素バルク8を切断することにより単結晶炭化ケイ素ウエハ9を切り出した図である。
ここに示した種結晶を用いて堆積させた単結晶炭化ケイ素バルクは、螺旋転位にともなう空洞を含まない高い品質のものであり、得られた単結晶炭化ケイ素ウエハは半導体装置の製造などに適したものである。
【0020】
実施例1.
本発明の単結晶炭化ケイ素の製造方法によれば、先ず任意の方法により単結晶炭化ケイ素からなる基材1である種結晶を用意し、この種結晶の表面を顕微鏡で観察して螺旋転位に起因する空洞3を検出する。
【0021】
次に、図1に示すように、空洞3の周囲を空洞3から離れて囲むほぼ円形の溝2を形成することにより円形の台形状による段差2cを形成する。溝2は周知の適当な方法により形成すればよいが、図示の例では反応性イオンエッチングを用いる。段差2cは、先に述べたように、空洞3から結晶ステップの成長方向と逆の方向に離れた位置にだけ設ければ充分であるが、この例の場合は基材1として種結晶を用いていてステップの成長方向が不確かであるので、空洞3を全周に亘って囲む溝2を形成してある。円形の台形状の半径は1μm(即ち空洞3から段差2cまでの距離は約1μm)、溝2の開口部の幅は1μm、深さは0.5μmである。図示の溝2の断面形は矩形であるが、U字形、V字形等、任意であり、段差2cの種結晶表面に対する角度も直角である必要はなく、ステップが掃き出されるような僅かな角度があればよい。
【0022】
次に、このように段差2cを形成した基材1の表面上に、改良レイリー法により炭化ケイ素を堆積させると、供給源からの炭化ケイ素分子がステップ上に降着してマイグレートし、やがて段差2cから溝2内に落下する。このため、段差2cよりもステップの成長方向で下流側では、ステップが掃き出されてステップが現れず、ステップ密度が小さい状態が実現できる。このため螺旋転位が分解して空洞が分岐させられて閉塞する。閉塞した空洞は複数本の転位線として残るものと考えられている。このようにして得られた単結晶炭化ケイ素は空洞の無い高品質のものであり、単結晶炭化ケイ素バルクとして有用である。
【0023】
実施の形態2.
本発明の第2の実施形態は、図2に示すように、化学的気相成長法による単結晶炭化ケイ素の製造に用いる、<11-20>方向に傾斜をもたせた(0001)単結晶炭化ケイ素基板の形態の基材21の表面の、空洞23をともなう螺旋転位の周囲に、矩形の溝22を形成し、空洞23を含む台状構造を形成したものである。図2(a)は平面図で、図2(b)はそのB−B断面図である。
オフ角度をもって切り出された単結晶炭化ケイ素の基板に、化学的気相成長法で堆積させる場合において、オフ角度をαとすると、台状構造を形成する溝の深さHは、H>Dtanαであることが必要である。
空洞の端から台状構造の端までの距離Dは、昇華法と同様に、100μm以下が好ましく、0.1〜10μmがさらに好ましい。また、昇華法と同様に、H<<Tであることが必要である。溝の深さHは0.5〜2μmであることが好ましい。
台状構造は、基材21の主面の上方からみた場合、空洞を囲む、円形若しくは矩形(図2(a))の形状であることが好ましい。空洞23は必ずしも円形、矩形の中心である必要はない。矩形の一辺は2〜4μm、円の直径は2〜4μmであることが好ましい。
この単結晶炭化ケイ素基板の表面に炭化ケイ素を堆積させると、螺旋転位近傍におけるステップの密度が小さい状態が実現し、螺旋転位が分解して、空洞が閉塞される。
【0024】
実施例2.
本発明の単結晶炭化ケイ素の製造方法の別の実施例によれば、先ず任意の方法により単結晶炭化ケイ素からなる基材である8°のオフ角度を持つ基板21を用意し、この基板21の表面を顕微鏡で観察して螺旋転位に起因する空洞23を検出する。
【0025】
次に、図2(a)および図2(b)に示すように、空洞23の周囲を空洞23から離れて囲むほぼ正方形の溝22を形成することにより正方形の台形状による段差22cを形成する。溝22は周知の適当な方法により形成すればよいが、図示の例では反応性イオンエッチングを用いる。段差22cは、先に述べたように、空洞23から結晶ステップの成長方向と逆の方向に離れた位置にだけ設ければ充分であるが、この例の場合は基材21としてステップの成長方向が不確かである場合を想定して、空洞23を全周に亘って囲む溝22を形成してある。正方形の台形状の一辺の長さは3μm(空洞23から段差22cまでの最小距離は約1.5μm)、溝2の開口部の幅は1μm、深さは0.5μmである。図示の溝22の断面形は矩形であるが、U字形、V字形等、任意であり、段差2cの種結晶表面に対する角度も直角である必要はなく、僅かな角度があればよい。
【0026】
次に、このように段差22cを形成した基材21の表面上に、化学的気相成長法により炭化ケイ素を堆積させると、供給源からの炭化ケイ素分子がステップ上に降着してミグレイトし、やがて段差22cから溝22内に落下する。このため、段差22cよりもステップの成長方向で下流側では、ステップが掃き出されてステップが現れず、ステップ密度が小さい状態が実現できる。このため螺旋転位が分解して空洞が分岐させられて閉塞する。閉塞した空洞は複数本の線として残るものと考えられている。このようにして得られた単結晶炭化ケイ素は空洞の無い高品質のものであり、単結晶炭化ケイ素膜として有用である。
【0027】
実施の形態3.
本発明の第3の実施形態は、図3に示すように、化学的気相成長法による単結晶炭化ケイ素の製造に用いる、<11-20>方向に傾斜をもたせた(0001)単結晶炭化ケイ素基板の形態の基材31の表面に、空洞33から見て、ステップが成長する方向と逆の側に、0.5〜2μm離れた位置に、溝を形成したものである。図3(a)は平面図で、図3(b)はそのC−C断面図である。
溝の位置は、空洞33から見て、ステップが成長する方向と逆の側に形成することが好ましい。空洞33の端から溝の端までの距離は、100μm以下であることが好ましく、0.1〜10μmであることがさらに好ましい。この場合、溝の向きは、基材表面の面内において、空洞33の位置から見て<11−20>方向に垂直な方向を基準として−30°〜+30°の範囲であることが好ましい。溝の幅は500μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜10μmである。溝の長さは1000μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは1〜50μmである。
この単結晶炭化ケイ素基板の表面に炭化ケイ素を堆積させると、螺旋転位近傍におけるステップの密度が小さい状態が実現し、螺旋転位が分解して、空洞が閉塞される。なお、この溝の形状は、螺旋転位部分のステップが掃き出される大きさであれば任意の形状とすることができる。
【0028】
実施例3.
本発明の単結晶炭化ケイ素の製造方法の更に別の実施例によれば、先ず任意の方法により単結晶炭化ケイ素からなる基材である8°のオフ角度を持つ基板31を用意し、この基板31の表面を顕微鏡で観察して螺旋転位に起因する空洞33を検出する。
【0029】
次に、図3(a)および図3(b)に示すように、基板31の表面上の空洞33の近傍で、空洞33の位置から見てステップが成長する方向と逆の方向の位置に、棒状の溝32による段差32cを形成する。溝32は周知の適当な方法により形成すればよいが、図示の例では反応性イオンエッチングを用いる。段差32cと空洞33との間の距離は約1μmであり、ステップの成長方向に平行で空洞33を通る線が溝32の長さ方向の中心を通るようにしてある。溝32の長さは3μm、溝32の開口部の幅は1μm、深さは0.5μmである。図示の溝32の断面形は矩形であるが、U字形、V字形等、任意であり、段差32cの種結晶表面に対する角度も直角である必要はなく、僅かな角度があればよい。
【0030】
次に、このように段差32cを形成した基材31の表面上に、化学的気相成長法により炭化ケイ素を堆積させると、供給源からの炭化ケイ素分子がステップ上に降着してマイグレートし、やがて段差32cから溝32内に落下する。このため、段差32cよりもステップの成長方向で下流側では、ステップが掃き出されてステップが現れず、ステップ密度が小さい状態が実現できる。このため螺旋転位が分解して空洞が分岐させられて閉塞する。閉塞した空洞は複数本の線として残るものと考えられている。このようにして得られた単結晶炭化ケイ素は空洞の無い高品質のものであり、単結晶炭化ケイ素膜として有用である。
【0031】
本発明の単結晶炭化ケイ素の製造方法により得られた単結晶炭化ケイ素を用いると優れた性能の半導体装置を得ることができる。このような半導体装置の例として、ショットキーバリアダイオード、MOS電界効果トランジスタ、pn接合ダイオード、バイポーラトランジスタ、サイリスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、MIS電界効果トランジスタ等が挙げられる。
それらの具体例としては、上記方法により得られた単結晶炭化ケイ素、電極及びショットキー電極を含むショットキーバリアダイオードがあり、より具体的には、上記方法により得られた単結晶炭化ケイ素、その表面に接触してショットキー接合を形成するショットキー電極、他の表面にオーミックな接触をするオーミック電極を含むショットキーバリアダイオードが挙げられる。
また、その他の例としては、上記方法により得られた単結晶炭化ケイ素、電極、MOSチャンネル及びpn接合を含むMOS電界効果トランジスタ;上記方法により得られた単結晶炭化ケイ素、電極及びpn接合を含むpn接合ダイオード;上記方法により得られた単結晶炭化ケイ素、電極及びpnp或いはnpn接合を含むバイポーラトランジスタ;上記方法により得られた単結晶炭化ケイ素、電極及びpnpn接合を含むサイリスタ;上記方法により得られた単結晶炭化ケイ素、電極、MOSチャンネル及びpn接合を含む絶縁ゲートバイポーラトランジスタ;上記方法により得られた単結晶炭化ケイ素、電極、MISチャンネル及びpn接合を含むMIS電界効果トランジスタ等が挙げられる。
【0032】
図4に、ショットキーバリアダイオードの概略断面図を示した。本発明の単結晶炭化ケイ素の製造方法を用いて製造した単結晶炭化ケイ素を用いた半導体装置は、単結晶炭化ケイ素の基材41と、この基材41の図で上側の表面41a上にエピタキシャル成長法により形成された単結晶炭化ケイ素4と、単結晶炭化ケイ素4の表面を囲んで単結晶炭化ケイ素4上に設けられた環状のガードリング6と、ガードリング6の内側の単結晶炭化ケイ素4の表面に接触してこれを覆い、また外周部でガードリング6にも接触したショットキー電極5と、基材41の図で下面41bに設けられたオーミック電極7とを備えている。先に詳述した通り、単結晶炭化ケイ素の基材41には螺旋転位による空洞43が形成されていることがある。図示の基材41には2本の空洞43aおよび43bが発生していて、いずれも基材41を貫通して延びていて基材41の表面41aに現れている。
【0033】
本発明によれば、基材41の表面41aに現れた空洞43aおよび43bのそれぞれの近傍に於いて、基材41の表面41aで少なくとも結晶ステップの成長方向とは逆方向の位置に段差を形成する溝42aおよび42bが形成される。これらの溝42aおよび42bは先に本発明の単結晶炭化ケイ素の製造方法において説明した溝である。従って、図1乃至図3に示す実施形態の溝を含む様々な段差のうちから、適当なものを選択して使用できる。図4に示す例では、基材1がオフ角度を持つものであるので、段差は、図3に示すのと同様の比較的短い溝による段差であってもよく、空洞43aに対して結晶のステップの成長方向とは逆方向近傍の位置(図4で空洞43aの左)に溝42aが設けられていて、空洞43bに対して結晶のステップの成長方向とは逆方向近傍の位置(図4で空洞43bの左)に溝42aが設けられている。
【0034】
このように、本発明の単結晶炭化ケイ素の製造方法による単結晶炭化ケイ素を用いた半導体装置に於いては、単結晶炭化ケイ素4をエピタキシャル成長させた基材41の表面41a上に、空洞43aおよび43bがあり、その近傍に段差を形成するための溝42aおよび42bが設けられている。このため、先に詳述した通り、この表面41a上にエピタキシャル成長法により形成される単結晶炭化ケイ素4には、基材41の表面41aに現れている空洞43aおよび43bが受け継がれることなく、単結晶炭化ケイ素4内で消滅している。従って、半導体装置の性能を改善することができ、特にダイオード、絶縁ゲートトランジスタ、絶縁ゲート両極性トランジスタ等のパワーデバイスのドリフト層に用いた場合に、性能を大きく向上させることができ効果的である。
【0037】
本発明の第1の態様にかかる製造方法によれば、螺旋転位の中心部分の空洞を表面に有し、オフ角度をもって切り出された単結晶炭化ケイ素の基板を用意し、基板の表面に存在する空洞を含み、H>Dtanαを有する台状構造による段差(式中、Hは台状構造を形成する段差の深さを表し、Dは空洞の端から台状構造の端までの距離を表し、αはオフ角度を表す)を基板表面に形成し、台状構造を形成した基板の表面に、エピタキシャル成長法により単結晶炭化ケイ素を堆積させるので、台状構造によりステップが掃き出されながら結晶の形成が進む。そのため、単結晶炭化ケイ素表面におけるステップ密度が低減され、大きな螺旋転位が小さな螺旋転位群へ分解され、空洞を閉塞させることができ、高品質の単結晶炭化ケイ素膜を製造することができる。また、台状構造の形状、オフ角度、空洞と台状構造との位置関係を調整することにより、より効率的に単結晶炭化ケイ素の堆積が可能となる。
【0038】
本発明の第2の態様にかかる製造方法によれば、螺旋転位の中心部分の空洞を表面に有し、オフ角度をもって切り出された単結晶炭化ケイ素の基板を用意し、基板の表面に存在する空洞の位置から見て、ステップが成長する方向と逆の側に、H>Dtanαを有する溝による段差(式中、Hは溝を形成する段差の深さを表し、Dは空洞の端から溝の端までの距離を表し、αはオフ角度を表す)を基板表面に形成し、溝を形成した基板の表面に、エピタキシャル成長法により単結晶炭化ケイ素を堆積させるので、溝によりステップが掃き出されながら結晶の形成が進む。そのため単結晶炭化ケイ素表面におけるステップ密度が低減され、大きな螺旋転位が小さな螺旋転位群へ分解され、空洞を閉塞させることができ、効率的に、高品質の単結晶炭化ケイ素膜を製造することができる。また基板の加工も比較的容易で、溝の形状、オフ角度、空洞と溝との位置関係を調整することにより、より効率的に単結晶炭化ケイ素の堆積が可能となる。
【0039】
以上のように本発明によれば、高品質の単結晶炭化ケイ素を製造することができ、本発明による炭化ケイ素半導体を用いてパワーデバイスを作製すれば、性能を大きく向上させることができる。
本発明により製造された単結晶炭化ケイ素は、炭化ケイ素半導体による、ダイオード、絶縁ゲートトランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタなど、パワーデバイスのドリフト層に用いた場合、特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1で示した種結晶の概略図である。(a)は、平面図である。(b)は、(a)のA−A断面図である。
【図2】 実施の形態2で示した基板の概略図である。(a)は、平面図である。(b)は、(a)のB−B断面図である。
【図3】 実施の形態3で示した基板の概略図である。(a)は、平面図である。(b)は、(a)のC−C断面図である。
【図4】 本発明により製造された単結晶炭化ケイ素を備えたショットキーバリアダイオードの断面図である。
【図5】 空洞の近傍に溝を形成した、微傾斜(0001)単結晶炭化ケイ素基板の断面図である。
【図6】 空洞の近傍に溝を形成した、微傾斜(0001)単結晶炭化ケイ素基板の表面に、単結晶炭化ケイ素を堆積させた単結晶炭化ケイ素膜の断面図である。
【図7】 空洞と台状構造との位置関係を示した概略図である。
【図8】 単結晶炭化ケイ素の製造に用いる複数の空洞を有する種結晶の概略図である。(a)は、平面図である。(b)は、(a)のD−D断面図である。
【図9】 図8の種結晶から単結晶炭化ケイ素ウエハを製造する工程を示す図である。(a)は、種結晶上に単結晶炭化ケイ素バルクを堆積させた図である。(b)は、単結晶炭化ケイ素バルクを切断することにより単結晶炭化ケイ素ウエハを切り出すことを示す図である。
【符号の説明】
1,21,31,41,51,71,81 単結晶炭化ケイ素の基材、2,22,32,52,72,82 溝、2c,22c,32c 段差、3,23,33,53,73,83 空洞、4,54 堆積された単結晶炭化ケイ素、5 ショットキー電極、6 ガードリング、7 オーミック電極、8 堆積させた単結晶炭化ケイ素バルク、9 炭化ケイ素ウエハ、X ステップの高さ、Y テラス幅、D 空洞の端から台状構造の端までの距離、H 溝の深さ。
Claims (2)
- (i)螺旋転位の中心部分の空洞を表面に有し、オフ角度をもって切り出された単結晶炭化ケイ素の基板を用意し、
(ii)前記空洞を含み、H>Dtanαを有する台状構造による段差(式中、Hは台状構造を形成する段差の深さを表し、Dは空洞の端から台状構造の端までの距離を表し、αはオフ角度を表す)を前記基板表面に形成し、
(iii)台状構造を形成した基板表面に、エピタキシャル成長法により単結晶炭化ケイ素を堆積させ単結晶炭化ケイ素膜を製造する単結晶炭化ケイ素の製造方法。 - (i)螺旋転位の中心部分の空洞を表面に有し、オフ角度をもって切り出された単結晶炭化ケイ素の基板を用意し、
(ii)前記基板表面の前記空洞の位置から見て、ステップが成長する方向と逆の方向に、H>Dtanαを有する溝による段差(式中、Hは溝を形成する段差の深さを表し、Dは空洞の端から溝の端までの距離を表し、αはオフ角度を表す)を前記基板表面に形成し、
(iii)溝を形成した基板表面に、エピタキシャル成長法により単結晶炭化ケイ素を堆積させ単結晶炭化ケイ素膜を製造する単結晶炭化ケイ素の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002094436A JP4107564B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 単結晶炭化ケイ素の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002094436A JP4107564B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 単結晶炭化ケイ素の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003292399A JP2003292399A (ja) | 2003-10-15 |
JP4107564B2 true JP4107564B2 (ja) | 2008-06-25 |
Family
ID=29238422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002094436A Expired - Lifetime JP4107564B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 単結晶炭化ケイ素の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4107564B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009170457A (ja) * | 2008-01-10 | 2009-07-30 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 炭化珪素基板の表面処理方法および半導体装置 |
JP5669134B2 (ja) * | 2011-01-21 | 2015-02-12 | 一般財団法人電力中央研究所 | 炭化珪素単結晶の製造方法 |
US9597819B2 (en) | 2012-09-03 | 2017-03-21 | Hitachi Metals, Ltd. | Method for cutting high-hardness material by multi-wire saw |
-
2002
- 2002-03-29 JP JP2002094436A patent/JP4107564B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003292399A (ja) | 2003-10-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5915194A (en) | Method for growth of crystal surfaces and growth of heteroepitaxial single crystal films thereon | |
US8536582B2 (en) | Stable power devices on low-angle off-cut silicon carbide crystals | |
US8835988B2 (en) | Hybrid monolithic integration | |
US7364617B2 (en) | Seed and seedholder combinations for high quality growth of large silicon carbide single crystals | |
US9903046B2 (en) | Reduction of carrot defects in silicon carbide epitaxy | |
US6890600B2 (en) | SiC single crystal, method for manufacturing SiC single crystal, SiC wafer having an epitaxial film, method for manufacturing SiC wafer having an epitaxial film, and SiC electronic device | |
US7391058B2 (en) | Semiconductor devices and methods of making same | |
JP4185215B2 (ja) | SiCウエハ、SiC半導体デバイス、および、SiCウエハの製造方法 | |
US5463978A (en) | Compound semiconductor and controlled doping thereof | |
US5803967A (en) | Method of forming diamond devices having textured and highly oriented diamond layers therein | |
US8338833B2 (en) | Method of producing silicon carbide semiconductor substrate, silicon carbide semiconductor substrate obtained thereby and silicon carbide semiconductor using the same | |
WO2001018872A1 (fr) | TRANCHE DE SiC, DISPOSITIF A SEMI-CONDUCTEUR DE SiC, ET PROCEDE DE PRODUCTION D'UNE TRANCHE DE SiC | |
JP2009088223A (ja) | 炭化珪素半導体基板およびそれを用いた炭化珪素半導体装置 | |
JP2009295728A (ja) | 炭化珪素半導体基板およびその製造方法 | |
JP2007131504A (ja) | SiCエピタキシャルウエーハおよびそれを用いた半導体デバイス | |
JP3750622B2 (ja) | エピタキシャル膜付きSiCウエハ及びその製造方法並びにSiC電子デバイス | |
JP3776374B2 (ja) | SiC単結晶の製造方法,並びにエピタキシャル膜付きSiCウエハの製造方法 | |
JP4442366B2 (ja) | エピタキシャルSiC膜とその製造方法およびSiC半導体デバイス | |
JPH11268989A (ja) | 単結晶の製造方法 | |
JP2007214547A (ja) | 窒化アルミニウム結晶の製造方法、窒化アルミニウム結晶、窒化アルミニウム結晶基板および半導体デバイス | |
JP4107564B2 (ja) | 単結晶炭化ケイ素の製造方法 | |
Spencer et al. | Substrate and epitaxial issues for SiC power devices | |
JP2006120897A (ja) | 炭化珪素素子及びその製造方法 | |
JPH04286163A (ja) | 半導体基板の製造方法 | |
JP3142312B2 (ja) | 六方晶半導体の結晶成長方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041208 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070315 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070529 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070727 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080318 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080328 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110411 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4107564 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120411 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130411 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140411 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |