JP6080219B2 - 自動車の車体構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車体フレーム下部から連続繊維を含むFRP製の左右一対のクラッシュレールを前後方向外側に延出させた自動車の車体構造に関する。
自動車の防護壁(ダッシュパネルロア)から前方に突出する左右一対の潰れ部材(クラッシュレール)を、根元部から先端部に向かって肉厚が徐々に薄くなり、かつ根元部から先端部に向かって断面積が徐々に小さくなる繊維強化樹脂製の中空角管部材で構成することで、衝突荷重の入力時にクラッシュレールを座屈することなく適度に潰して衝突エネルギーを吸収するものが、下記特許文献1により公知である。
US−A1−6406088
ところで、上記特許文献1に記載されたものは、衝突荷重がクラッシュレールの軸線に対して平行に入力した場合には衝突エネルギーを有効に吸収することが可能であっても、衝突荷重がクラッシュレールの軸線に対して傾斜する方向に入力すると、クラッシュレールが傾いたり中間部で折れ曲がったりすることで、軸方向の圧壊が阻害されて充分なエネルギー吸収効果が得られなくなる可能性があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クラッシュレールの軸線に対して傾斜する方向の衝突荷重が入力したときに、クラッシュレールの傾きを抑制して衝突エネルギーの吸収効果を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、車体フレーム下部から連続繊維を含むFRP製の左右一対のクラッシュレールを前後方向外側に延出させた自動車の車体構造であって、前記クラッシュレールは本体部の左右両側面から水平方向に突出するフランジ部を備え、車体フレーム上部から前後方向外側に延びて下側に湾曲する延性を有する金属製の姿勢規制部材の下端を前記クラッシュレールの先端に接続する第1金属ジョイントは、前後方向内面に前記姿勢規制部材が嵌合する上部嵌合部と前記クラッシュレールが嵌合する下部嵌合部とを備えるとともに、前後方向外面にFRP製のバンパービームが固定され、前記第1金属ジョイントは上下方向に離間した少なくとも2点で前記姿勢規制部材に固定されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記クラッシュレールの前記本体部は先端から基端まで一定肉厚の中空閉断面に構成され、前記閉断面の断面積は先端から基端に向けて増加することを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記クラッシュレールの前記本体部の閉断面は左右対称な多角形状であることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記クラッシュレールに含まれる前記連続繊維は、前後方向と、それに直交する方向とに配向されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、前後方向に配向される前記連続繊維は、前記クラッシュレールの稜線に沿うことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項6に記載された発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項の構成に加えて、前記左右一対のクラッシュレールの基端間を連結部材で連結したことを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか1項の構成に加えて、前記左右一対のクラッシュレールの先端間を車幅方向に延びる前記バンパービームで接続し、前記バンパービームは平面視でW字状に形成されて前後方向外側に最も突出する左右一対の荷重入力部を備えることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項8に記載された発明によれば、請求項7の構成に加えて、前記バンパービームは前後方向内側に開放するコ字状断面であり、少なくとも前記左右一対のクラッシュレールの先端に接続する部分が閉断面に構成されることを特徴とする自動車の車体構造が提案される
また請求項に記載された発明によれば、請求項1〜請求項の何れか1項の構成に加えて、前記車体フレーム上部はFRP製のリヤピラーの上端を後方に延長した延長部であり、前記姿勢規制部材の前端は第2金属ジョイントを介して前記延長部に接続され、前記第2金属ジョイントは前記延長部の後端を囲むように嵌合する嵌合部を備えることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
また請求項10に記載された発明によれば、請求項1〜請求項の何れか1項の構成に加えて、前記車体フレーム下部は金属製のリヤサイドフレームであり、前記クラッシュレールの前端は第3金属ジョイントを介して前記リヤサイドフレームに接続され、前記第3金属ジョイントは前記クラッシュレールの前端を囲むように嵌合する嵌合部を備えることを特徴とする自動車の車体構造が提案される。
尚、実施の形態のリヤピラーの延長部14aは本発明の車体フレーム上部に対応し、実施の形態のリヤサイドフレーム22は本発明の車体フレーム下部に対応し、実施の形態の第1連続繊維84および第2連続繊維85は本発明の連続繊維に対応する。
請求項1の構成によれば、連続繊維を含むFRP製の左右一対のクラッシュレールは、車体フレーム下部から前後方向外側に延出する。クラッシュレールは本体部の左右両側面から水平方向に突出するフランジ部を備え、車体フレーム上部から前後方向外側に延びて下側に湾曲する延性を有する金属製の姿勢規制部材の下端をクラッシュレールの先端に接続したので、クラッシュレールの先端に軸方向に対して傾斜する方向の衝突荷重が入力したときに、クラッシュレールの左右方向の傾きをフランジ部により抑制するとともに、クラッシュレールの上下方向の傾きを姿勢規制部材により抑制することで、クラッシュレールの軸方向の圧壊を促進して衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。
また姿勢規制部材はクラッシュレールの先端に第1金属ジョイントを介して接続され、第1金属ジョイントは上下方向に離間した少なくとも2点で姿勢規制部材に固定されるので、クラッシュレールに衝突荷重が入力したときにクラッシュレールおよび姿勢規制部材の固定部が相対回転するのを防止することで、クラッシュレールの圧壊に伴って姿勢規制部材を効率的に曲げ変形させて衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。
また第1金属ジョイントは、前後方向内面に姿勢規制部材が嵌合する上部嵌合部とクラッシュレールが嵌合する下部嵌合部とを備えるとともに、前後方向外面にFRP製のバンパービームが固定されるので、バンパービームから入力される衝突荷重を第1金属ジョイントを介してクラッシュレールおよび姿勢規制部材に効率的に伝達して吸収することができる。
また請求項2の構成によれば、クラッシュレールの本体部は先端から基端まで一定肉厚の中空閉断面に構成されるので、クラッシュレールを軽量化しながら強度を高めることができ、しかもクラッシュレールを成形する金型の製造を容易化することができる。またクラッシュレールの閉断面の断面積は先端から基端に向けて増加するので、衝突荷重によりクラッシュレールを先端側から基端側に順次圧壊して衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。
また請求項3の構成によれば、クラッシュレールの本体部の閉断面は左右対称な多角形状であるので、クラッシュレールの稜線の数を増加させて荷重伝達部位を増加することで、軸方向の圧壊荷重を増加させて衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。また軽量化のためにクラッシュレールの肉厚(板厚)を薄くしても、多角形状として辺の数を増加させて必要な板厚比を確保することで座屈を抑制することができ、軸方向の圧壊荷重を増加させて衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。
また請求項4の構成によれば、クラッシュレールに含まれる連続繊維は、前後方向と、それに直交する方向とに配向されるので、前後方向に配向された連続繊維によりクラッシュレールの曲げ強度を高めるとともに、前後方向に対して直交する方向に配向された連続繊維で前後方向の連続繊維の剥離を防止することで、クラッシュレールの曲げ強度を更に高め、クラッシュレールの軸方向の圧壊を促進して衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。
また請求項5の構成によれば、前後方向に配向される連続繊維は、クラッシュレールの稜線に沿うので、クラッシュレールの曲げ変形を抑制することで軸方向の圧壊を促進して衝突エネルギーの吸収性能を高めることができる。
また請求項6の構成によれば、左右一対のクラッシュレールの基端間を連結部材で連結したので、衝突荷重が入力したときに左右一対のクラッシュレールが水平面内で傾くのを防止し、クラッシュレールの軸方向の圧壊を促進して衝突エネルギーの吸収性能を高めることができる。
また請求項7の構成によれば、左右一対のクラッシュレールの先端間を車幅方向に延びるバンパービームで接続し、バンパービームは平面視でW字状に形成されて前後方向外側に最も突出する左右一対の荷重入力部を備えるので、衝突荷重をバンパービームの2カ所に分散して入力させることで、バンパービームの局所的な破壊を防止することができ、バンパービームを軽量化しながら荷重支持性能を高めることができる。
また請求項8の構成によれば、バンパービームは前後方向内側に開放するコ字状断面であり、少なくとも左右一対のクラッシュレールの先端に接続する部分が閉断面に構成されるので、衝突荷重をバンパービームの強固な部分からクラッシュレールに効率的に伝達して吸収することができる
また請求項の構成によれば、車体フレーム上部はFRP製のリヤピラーの上端を後方に延長した延長部であり、姿勢規制部材の前端は第2金属ジョイントを介して延長部に接続され、第2金属ジョイントは延長部の後端を囲むように嵌合する嵌合部を備えるので、姿勢規制部材に入力した後面衝突の衝突荷重が第2金属ジョイントを介してFRP製のリヤピラーの延長部に伝達されるとき、延長部の局所的な破壊を第2金属ジョイントにより防止することで、衝突荷重をリヤピラーに効果的に伝達して吸収することができる。
また請求項10の構成によれば、車体フレーム下部は金属製のリヤサイドフレームであり、クラッシュレールの前端は第3金属ジョイントを介してリヤサイドフレームに接続され、第3金属ジョイントはクラッシュレールの前端を囲むように嵌合する嵌合部を備えるので、クラッシュレールに後面衝突の衝突荷重が入力したとき、第3金属ジョイントでクラッシュレールの倒れを防止して衝突エネルギーの吸収効果を高めるとともに、衝突荷重をクラッシュレールからリヤサイドフレームに効果的に伝達して吸収することができる。
自動車の車体フレームの後部を斜め後方から見た斜視図。 図1の2方向矢視図。 図2の3方向矢視図。 図2の4方向矢視図。 図2の5方向矢視図。 図3の6部拡大図。 図3の7A−7A線〜7D−7D線断面図。
以下、図1〜図7に基づいて本発明の実施の形態を説明する。尚、本明細書において前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向とは、運転席に着座した乗員を基準として定義される。
図1〜図3に示すように、CFRP(カーボン繊維強化樹脂)を主たる材料とする自動車の車体フレームの後部は、車体フロア11と、車体フロア11の左右両側部に沿って前後方向に延びる左右一対のサイドシル12,12と、左右のサイドシル12,12の後端から後上方に起立する左右一対のリヤピラー14,14と、左右のサイドシル12,12の前後方向中間部から上方に起立する左右一対のセンターピラー15,15と、図示せぬフロントピラーアッパーの上端から左右のセンターピラー15,15の上端を経由して左右のリヤピラー14,14の上端に延びる左右一対の上部部材16,16と、左右のセンターピラー15,15の上端間を車幅方向に接続するルーフアーチ24とを備える。
車体フロア11の後端と左右のリヤピラー14,14の後面とに平板状の後部隔壁18が接合され、 後部隔壁18の後端からリヤパーシェル19が後方に水平に延出する。車体フロア11の後端から後方に向かって後部フロア44が一体に連続しており、車体フロア11の後部下面および後部フロア44の下面に配置された左右一対のリヤサイドフレーム22,22は、左右一対のリヤホイールハウスインナー23,23を介してリヤピラー14,14に接続される。そして後部フロア44の上方に荷室45が区画される。
リヤサイドフレーム22は、前側のCFRP製フレーム74と後側の金属製フレーム75とからなり、CFRP製フレーム74は、車体フロア11の後部が後部フロア44に向けてキックアップする部分において、上下のフロアパネル間に中空閉断面部を設けることで構成される。一方、アルミニウム合金の鋳造材よりなる金属製フレーム75は、後部フロア44の後半部の下面に接合され、CFRP製フレーム74の後方に直列に接続される。後部フロア44の下面においてCFRP製フレーム74はL字状の凹部74aを有しており、その凹部74aに金属製フレーム75が嵌合して接着により接合される。
図3〜図7に示すように、金属製フレーム75の後端に第3金属ジョイント80を介してCFRP製のクラッシュレール81の前端が接続される。クラッシュレール81は、本体部82aおよび一対のフランジ部82b,82bを備えて下向きに開放する断面ハット状の上部部材82と、本体部83aおよび一対のフランジ部83b,83bを備えて上向きに開放する断面ハット状の下部部材83とを、フランジ部82b,82b,83b,83bどうしを接合することで八角形状の閉断面に構成される。上部部材82の本体部82aおよびフランジ部82b,82bは一定の肉厚であり、下部部材83の本体部83aおよびフランジ部83b,83bは一定の肉厚である。また上部部材82および下部部材83に含まれる連続繊維は八角形断面の8本の稜線に沿うように前後方向に配向される第1連続繊維84…と、それに直交する方向に配向される第2連続繊維85…とからなる(図6参照)。
クラッシュレール81は前端(基端)から後端(先端)に向けて断面積が縮小するようにテーパーしており、フランジ部82b,82b,83b,83bは車幅方向内側および外側に水平方向に張り出している。第3金属ジョイント80は、金属製フレーム75の後端にボルト86…で固定される取付フランジ80aと、取付フランジ80aから後方に突出する八角筒状の嵌合部80bとを備え、嵌合部80bにクラッシュレール81の前端が嵌合して接着により固定される。また第1金属ジョイント87の取付フランジ87aの下部からの八角筒状の下部嵌合部87bが前方に突出しており、この下部嵌合部87bにクラッシュレール81の後端が嵌合して接着により固定される。
リヤピラー14の上端を後方に延長した延長部14aの後端に、第2金属ジョイント88のコ字状の嵌合部88aが後方から嵌合して接着により固定される。また第1金属ジョイント87の取付フランジ87aの上部から2枚の平行な壁部よりなる上部嵌合部87cが前方に突出する。四角形断面の金属管を側面視でL字状に屈曲させた姿勢規制部材89の前端に取付フランジ89aが溶接されており、この取付フランジ89aが第2金属ジョイント88の後面にボルト90…で固定される。また姿勢規制部材89の下端が第1金属ジョイント87の2枚の平行な壁部よりなる上部嵌合部87c間に嵌合し、車幅方向に延びる上下2本のボルト91,91で固定される。
左右一対のクラッシュレール81,81の前端の車幅方向内面間が、車幅方向に延びる板状の連結部材96で接続される。連結部材96がクラッシュレール81,81に接続される車幅方向両端には三角形の筋交い部96a,96aが設けられており、これらの筋交い部96a,96aはクラッシュレール81,81の車幅方向への倒れを抑制するように機能する。
図3、図4および図7に示すように、左右一対のクラッシュレール81,81の後端に向けた第1金属ジョイント87,87に、CFRP製のバンパービーム92の車幅方向両端部が接続される。バンパービーム92は、上壁93a、側壁93b、下壁93cおよび上下一対の接合フランジ93d,93eを有して前向きに開放する断面コ字状の本体部93と、本体部93の車幅方向両端部において、接合フランジ93d,93eに接合されて閉断面を構成する左右一対の板状の閉塞部94,94とを備える。本体部93の接合フランジ93d,93eおよび閉塞部94を貫通するボルト95…を第1金属ジョイント87,87に螺合することで(図7(D)参照)、バンパービーム92が左右一対のクラッシュレール81,81の後端に支持される。
バンパービーム92は平面視でW字状に屈曲しており、車体中心線に対して左右対称に配置された左右一対の荷重入力部92a,92aが、バンパービーム92のうちで後方に最も突出している(図3参照)。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
後面衝突の衝突荷重がバンパービーム92に入力すると、その衝突荷重は左右一対のクラッシュレール81,81を介してリヤサイドフレーム22,22の金属製フレーム75,75に伝達され、そこから車体各部に分散されて吸収される。その際にCFRP製のクラッシュレール81,81は後端側から前端側に順次圧壊して衝突エネルギーを吸収するが、衝突荷重の入力方向が前後方向に対して傾斜していると、クラッシュレール81,81が傾いたり中間部で折れ曲がったりして軸方向に圧壊せず、衝突エネルギーの吸収効果が有効に発揮されない可能性がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、クラッシュレール81は本体部82a,83aの左右両側面から水平方向に突出するフランジ部82b,82b,83b,83bを備えるため、フランジ部82b,82b,83b,83bにより左右方向の曲げ剛性が高められることで、クラッシュレール81が左右方向に傾いたり中間部で折れ曲がったりし難くなり、クラッシュレール81の軸方向の圧壊が促進されて衝突エネルギーの吸収効果が高められる。
また衝突荷重の入力時にクラッシュレール81が上下方向に傾いても衝突エネルギーの吸収効果が有効に発揮されなくなるが、本実施の形態によれば、リヤピラー14の延長部14aから後方に延びて下側に湾曲する延性を有する金属製の姿勢規制部材89の下端をクラッシュレール81の後端に接続したので、姿勢規制部材89が中間の屈曲部で折れ曲がりながらクラッシュレール81の上下方向の傾きを抑制することで、クラッシュレール81の軸方向の圧壊を促進して衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。
このとき、姿勢規制部材89はクラッシュレール81の後端に第1金属ジョイント87を介して接続され、第1金属ジョイント87の上部嵌合部87cは上下方向に離間した2本のボルト91,91で姿勢規制部材89の下端に固定されるので、クラッシュレール81に衝突荷重が入力したときにクラッシュレール81および姿勢規制部材89の固定部が相対回転するのを防止することで、クラッシュレール81の圧壊に伴って姿勢規制部材89を効率的に曲げ変形させて衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。
またクラッシュレール81を構成する上部部材82および下部部材83の本体部82a,83aは後端から前端まで一定肉厚を有するので、クラッシュレール81を軽量化しながら強度を高めることができ、しかもクラッシュレールの上部部材82および下部部材83を成形する金型の製造を容易化することができる。しかもクラッシュレール81の中空閉断面の断面積は後端から前端に向けて増加するので、衝突荷重によりクラッシュレール81を後端側から前端側に順次圧壊して衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。
またクラッシュレール81の本体部82a,83aの閉断面は左右対称な多角形状であるので、クラッシュレール81の稜線の数を増加させて荷重伝達部位を増加するとともに、クラッシュレール81の左右方向一方あるいは上下方向一方への傾きを防止し、軸方向の圧壊荷重を増加させて衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。また軽量化のためにクラッシュレール81の肉厚(板厚)を薄くしても、多角形状として辺の数を増加させて必要な板厚比を確保することで座屈を抑制することができ、軸方向の圧壊荷重を増加させて衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。
またクラッシュレール81に含まれる連続繊維は、前後方向に配向される第1連続繊維84…と、それに直交する方向に配向される第2連続繊維85…とを含むので、第1連続繊維84…によりクラッシュレール81の曲げ強度を高めるとともに、第2連続繊維85…で第1連続繊維84…を束ねて剥離を防止することで、クラッシュレール81の曲げ強度を更に高め、クラッシュレール81の軸方向の圧壊を促進して衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。特に、第1連続繊維84…は、八角形断面のクラッシュレール81の稜線に沿うので、クラッシュレール81の曲げ変形を一層効果的に抑制することができる。
また左右一対のクラッシュレール81,81の前端間を筋交い部96a,96aを有する連結部材96で連結したので、後面衝突の衝突荷重が入力したときに左右一対のクラッシュレール81,81が水平面内で傾くのを防止し、クラッシュレール81,81の軸方向の圧壊を促進して衝突エネルギーの吸収性能を高めることができる。
また左右一対のクラッシュレール81,81の後端間を接続して車幅方向に延びるFRP製のバンパービーム92は、平面視でW字状に形成されて最も後方に突出する左右一対の荷重入力部92a,92aを備えるので(図3参照)、例えば他車のバンパービームとの衝突による衝突荷重をバンパービーム92の2カ所に分散して入力させることで、バンパービーム92の局所的な破壊を防止することができ、バンパービーム92を軽量化しながら荷重支持性能を高めることができる。
しかもバンパービーム92の本体部93は前方に向けて開放するコ字状断面であり、左右一対のクラッシュレール81,81の後端に接続する部分が板状の閉塞部94,94で閉塞されて閉断面に構成されるので、衝突荷重をバンパービーム92の強固な閉断面部分からクラッシュレール81,81に効率的に伝達して吸収することができる。
更に第1金属ジョイント87は、前面に姿勢規制部材89が嵌合する上部嵌合部87cとクラッシュレール81が嵌合する下部嵌合部87bとを備えるとともに、後面にバンパービーム92が固定されるので、バンパービーム92から入力される衝突荷重を第1金属ジョイント87を介してクラッシュレール81および姿勢規制部材89に効率的に伝達して吸収することができる。
また姿勢規制部材89の前端は第2金属ジョイント88を介してリヤピラー14の延長部14aに接続されるが、第2金属ジョイント88は延長部14aの上下面および後面を囲むように嵌合する嵌合部88aを備えるので(図2参照)、姿勢規制部材89に入力した後面衝突の衝突荷重が第2金属ジョイント88を介してFRP製のリヤピラー14の延長部14aに伝達されるとき、前記延長部14aの局所的な破壊を第2金属ジョイント88により防止することで、衝突荷重をリヤピラー14に効果的に伝達して吸収することができる。
またクラッシュレール81の前端は第3金属ジョイント80を介してリヤサイドフレーム22に接続されるが、第3金属ジョイント80はクラッシュレール81の前端を取り囲むように嵌合する嵌合部80bを備えるので(図5および図6参照)、クラッシュレール81に衝突荷重が入力したとき、第3金属ジョイント80でクラッシュレール81の倒れを防止して衝突エネルギーの吸収効果を高めるとともに、衝突荷重をクラッシュレール81からリヤサイドフレーム22に効果的に伝達して吸収することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明のFRPは実施の形態のCFRPに限定されず、GFRP(ガラス繊維強化樹脂部)等の他種のFRPであっても良い。
また実施の形態のクラッシュレール81は車体後部に配置されて後面衝突の衝突荷重を吸収するものであるが、車体前部に配置されて前面衝突の衝突荷重を吸収するものであっても良い。
また実施の形態のクラッシュレール81は断面八角形であるが、八角形以外の多角形断面であっても良いし、多角形以外の円形断面等であっても良い。
14 リヤピラー
14a リヤピラーの延長部(車体フレーム上部)
22 リヤサイドフレーム(車体フレーム下部)
80 第3金属ジョイント
80b 嵌合部
81 クラッシュレール
82a 本体部
82b フランジ部
83a 本体部
83b フランジ部
84 第1連続繊維(連続繊維)
85 第2連続繊維(連続繊維)
87 第1金属ジョイント
87b 下部嵌合部
87c 上部嵌合部
88 第2金属ジョイント
88a 嵌合部
89 姿勢規制部材
92 バンパービーム
92a 荷重入力部
96 連結部材

Claims (10)

  1. 車体フレーム下部(22)から連続繊維(84,85)を含むFRP製の左右一対のクラッシュレール(81)を前後方向外側に延出させた自動車の車体構造であって、
    前記クラッシュレール(81)は本体部(82a,83a)の左右両側面から水平方向に突出するフランジ部(82b,83b)を備え、車体フレーム上部(14a)から前後方向外側に延びて下側に湾曲する延性を有する金属製の姿勢規制部材(89)の下端を前記クラッシュレール(81)の先端に接続する第1金属ジョイント(87)は、前後方向内面に前記姿勢規制部材(89)が嵌合する上部嵌合部(87c)と前記クラッシュレール(81)が嵌合する下部嵌合部(87b)とを備えるとともに、前後方向外面にFRP製のバンパービーム(92)が固定され、前記第1金属ジョイント(87)は上下方向に離間した少なくとも2点で前記姿勢規制部材(89)に固定されることを特徴とする自動車の車体構造。
  2. 前記クラッシュレール(81)の前記本体部(82a,83a)は先端から基端まで一定肉厚の中空閉断面に構成され、前記閉断面の断面積は先端から基端に向けて増加することを特徴とする、請求項1に記載の自動車の車体構造。
  3. 前記クラッシュレール(81)の前記本体部(82a,83a)の閉断面は左右対称な多角形状であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の自動車の車体構造。
  4. 前記クラッシュレール(81)に含まれる前記連続繊維(84,85)は、前後方向と、それに直交する方向とに配向されることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  5. 前後方向に配向される前記連続繊維(84)は、前記クラッシュレール(81)の稜線に沿うことを特徴とする、請求項4に記載の自動車の車体構造。
  6. 前記左右一対のクラッシュレール(81)の基端間を連結部材(96)で連結したことを特徴とする、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  7. 前記左右一対のクラッシュレール(81)の先端間を車幅方向に延びる前記バンパービーム(92)で接続し、前記バンパービーム(92)は平面視でW字状に形成されて前後方向外側に最も突出する左右一対の荷重入力部(92a)を備えることを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  8. 前記バンパービーム(92)は前後方向内側に開放するコ字状断面であり、少なくとも前記左右一対のクラッシュレール(81)の先端に接続する部分が閉断面に構成されることを特徴とする、請求項7に記載の自動車の車体構造
  9. 記車体フレーム上部(14a)はFRP製のリヤピラー(14)の上端を後方に延長した延長部(14a)であり、前記姿勢規制部材(89)の前端は第2金属ジョイント(88)を介して前記延長部(14a)に接続され、前記第2金属ジョイント(88)は前記延長部(14a)の後端を囲むように嵌合する嵌合部(88a)を備えることを特徴とする、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
  10. 記車体フレーム下部(22)は金属製のリヤサイドフレーム(22)であり、前記クラッシュレール(81)の前端は第3金属ジョイント(80)を介して前記リヤサイドフレーム(22)に接続され、前記第3金属ジョイント(80)は前記クラッシュレール(81)の前端を囲むように嵌合する嵌合部(80b)を備えることを特徴とする、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の自動車の車体構造。
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