JP4399475B2 - 車両のリヤフレーム構造 - Google Patents
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Description
よって、リヤサイドフレームの後端部のうち、下部が座屈を開始する。下部の座屈が隔壁に到達すると、隔壁の前後の部位が上方に移動する。
これにより、リヤサイドフレームの屈曲部に作用する荷重の向きを、屈曲部に沿わせる方向に変化させて、リヤサイドフレームの剛性を高めることができる。
そこで、リヤサイドフレームに車体後方から荷重が作用した場合、大型バッテリーを保護するために、車両の後部フレーム構造の剛性をさらに高めることが好ましい。
前記バンパービームの下方で、かつ前記左右のリヤフレームの後端下部にそれぞれ設けられた左右のガセットと、それぞれのガセットに架け渡されることで、前記バンパービームの下方で、かつ前記バンパービームの前方に設けられたクロスメンバーと、を備え、前記それぞれのガセットは、一対の側壁および傾斜底壁で上向きに開口する断面略コ字状に形成され、前記それぞれのガセットの傾斜底壁が車体後方に向けて下り勾配に形成され、前記それぞれのガセットの後端部に前記クロスメンバーが架け渡されたことを特徴とする。
請求項3は、前記クロスメンバーの中央部のうち上部位を、後面視において前記バンパービームに重ね合わせたことを特徴とする。
また、左右のガセットにクロスメンバーを架け渡すことで、クロスメンバーをバンパービームの下方で、かつ、バンパービームの前方に設けた。
作用した軽荷重はバンパービームを経て左右のエクステンションに伝えられる。バンパービームを変形させるとともに、エクステンションを軸方向に潰す(座屈させる)ことで軽荷重の一部を吸収する。
残りの荷重は、左右のリヤフレームに伝えられ、左右のリヤフレームで支えられる。
作用した重荷重でバンパービームが変形するとともに、左右のエクステンションが軸方向に潰れる(座屈する)ことで、バンパービームがクロスメンバーの位置まで車体前方に向けて移動する。
よって、バンパービームの変形、左右のエクステンションの潰れ、クロスメンバーの変形および左右のガセットの変形により、重荷重の一部を吸収する。
残りの荷重は、左右のリヤフレームに伝えられ、左右のリヤフレームで支えられる。
これにより、自車の車高と異なる車両が後面衝突した場合でも、衝突により作用する荷重をクロスメンバーやバンパービームなどで十分に吸収することができる。
これにより、車体後部に備えたバッテリー類の電装品をより一層確実に保護することができるという利点がある。
請求項3に係る発明では、クロスメンバーの中央部のうち上部位を、後面視においてバンパービームに重ね合わせた。
よって、バンパービームおよびクロスメンバーを車両後方からの衝突荷重が作用する位置(高さ位置)に配置することができる。
これにより、車両後方からの衝突荷重をバンパービームおよびクロスメンバーで好適に受けることができる。
車両のリヤフレーム構造10は、車体前後方向に向けて配置された左右のリヤフレーム11,12と、左リヤフレーム11に設けられた左リヤホイールハウス14と、右リヤフレーム12に設けられた右リヤホイールハウス(図示せず)と、左右のリヤフレーム11,12に渡って設けられたリヤフロアパネル17と、左右のリヤフレーム11,12の後端部およびリヤフロアパネル17の後端部に設けられたリヤエンドパネル18と、左右のリヤフレーム11,12に設けられた衝撃吸収手段20とを備える。
クロスメンバー31、32は、それぞれ左右のリヤフレーム11,12に架け渡されている。
図示しない右リヤホイールハウスは、左リヤホイールハウス14と左右対称の部材である。この右リヤホイールハウスは、右リヤフレーム12に設けられ、右後輪および右後ダンパー(図示せず)を収容する部材である。
リヤフロアパネル17は、左取付側部22が左リヤフレーム11の上部に設けられ、右取付側部23が右リヤフレーム12の上部に設けられている。
このリヤフロアパネル17は、左取付側部22の内辺から下方に垂下する左壁部24と、右取付側部23の内辺から下方に垂下する右壁部25と、前端部26から下方に垂下する前壁部27と、左壁部24の下辺、右壁部25の下辺および前壁部27の下辺に設けられた底部28とを有する。
収納空間37には、バッテリー38(図1参照)や、その他の電装品(図示せず)などが収納されている。
なお、左壁部24に沿って、燃料蒸発ガスを蓄えるキャニスタ39(図1参照)が設けられている。
左リヤフレーム11の後端部11aに左フランジ41が形成され、左フランジ41にリヤエンドパネル18の左下部18aが取り付けられている。
同様に、右リヤフレーム12の後端部12aに右フランジ42が形成され、右フランジ42にリヤエンドパネル18の右下部18bが取り付けられている。
ベース51は、リヤエンドパネル18の左下部18aと一体に左リヤフレーム11の後端部11a(詳しくは、左フランジ41)に取り付けられている。
エクステンション本体52は、断面略矩形枠状に形成され、後端部52aにバンパービーム45の左端部45aが取り付けられている。
右エクステンション44のエクステンション本体52は、後端部52aにバンパービーム45の右端部45bが取り付けられている。
図4に示すように、バンパービーム45は、上壁54、下壁55および後壁56で断面略コ字状に形成された部材である。
後壁56は、車体後方に向けて断面略湾曲状に突出したビード59を有する。後壁56にビード59を形成することで、バンパービーム45の剛性を高めることができる。
この状態で、左側のエクステンション本体52の後端部52aがバンパービーム45の左端部45aに取り付けられている。
また、右側のエクステンション本体52の後端部52aがバンパービーム45の右端部45bに取り付けられている。
これにより、バンパービーム45を左リヤフレーム11の後端部11aおよび右リヤフレーム12の後端部12aから車体後方へ向けて所定間隔S(図4参照)だけ離して設けることができる。
外側壁63は、上辺63aが略水平に形成され、下辺が車体後方に向けて下り勾配に形成され、後辺に車幅方向左側に折り曲げられた外折曲片67を有する。
傾斜底壁65は、外側壁63の下辺および内側壁64の下辺に設けられることで、車体後方に向けて下り勾配に形成され、後辺に下方に底折曲片69を有する。
これにより、左ガセット46が左リヤフレーム11の後端下部11bに設けられる。
さらに、外折曲片67、内折曲片68および底折曲片69は、左リヤフレーム11の左フランジ41に対して面一になるように配置され、かつ、左フランジ41の下方に配置されている。
これにより、右ガセット47が右リヤフレーム12の後端下部12bに設けられる。
さらに、外折曲片67、内折曲片68および底折曲片69は、右リヤフレーム12の右フランジ42に対して面一になるように配置され、かつ、右フランジ42の下方に配置されている。
このクロスメンバー48は、バンパービーム45の下方で、かつバンパービーム45の前方に設けられている。
ベース74は、隆起部75の左縁から左側に向けて張り出した左張出片76と、隆起部75の右縁から右側に向けて張り出した右張出片77と、隆起部75の上縁から上側に向けて張り出した上張出片78と、隆起部75の下縁から下側に向けて張り出した下張出片79とを有する。
下張出片79は、左端部79aが左ガセット46の底折曲片69に接合され、右端部79bが右ガセット47の底折曲片69に接合され、中央部79cがリヤエンドパネル18の下中央部18cに接合されている。
よって、隆起部75の左端部75aを、左エクステンション43に対して干渉しない位置に設けることができる。
さらに、隆起部75の右端部75cを、右エクステンション44に対して干渉しない位置に設けることができる。
すなわち、後面視において、中央部75eの上部位75fをバンパービーム45の下部45dに重ね合わせた状態に配置することができる。
これにより、車両後方からの衝突荷重をバンパービーム45およびクロスメンバー48で好適に受けることができる。
なお、車両後方からの衝突荷重が作用する位置(高さ位置)は法規要件で求められる。
これにより、車両のリヤフレーム構造10を軽荷重〜重荷重の広範囲に適用することができる。
これにより、自車の車高と異なる車両が後面衝突した場合でも、衝突により作用する荷重をクロスメンバー48やバンパービーム45などで十分に吸収することができる。
この補強部材49は、中央部81がクロスメンバー48に向けて突出するように湾曲状に形成されている。
補強部材49の右端部83は、右リヤフレーム12および右リヤホイールハウスの接合部に右取付ブラケット(図示せず)を用いて取り付けられている。
補強部材49を設けた理由は図6で詳しく説明する。
図5(a),(b)は本発明に係るリヤフレーム構造の後面に荷重が作用した例を説明する図である。なお、(a)は軽荷重が作用した例を示し、(b)は重荷重が作用した例を示す。
(a)において、車体後面、すなわちリヤフレーム構造10の後面に軽衝突が発生した場合、バンパービーム45に軽荷重F1が作用する。
残りの荷重は、左右のリヤフレーム11,12に矢印F2(右リヤフレーム12の矢印F2は図示せず)の如くそれぞれ伝えられる。伝えられた残りの荷重は、左右のリヤフレーム11,12で支えられる。
作用した重荷重F3でバンパービーム45が変形するとともに、左右のエクステンション43,44が軸方向に潰れる(座屈する)。
よって、重荷重F3は、バンパービーム45とともにクロスメンバー48に作用する。クロスメンバー48に作用した荷重F3でクロスメンバー48が変形するとともに左右のガセット46,47が変形する。
伝えられた残りの荷重F4は、左右のリヤフレーム11,12で支えられる。
リヤフレーム構造10の後面中央に荷重F5が局部的に作用することにより、荷重F5が、先ずバンパービーム45の中央部45cに作用する。
作用した荷重F5でバンパービーム45の中央部45cが局部的に変形する。
バンパービーム45の中央部45cが変形することで、バンパービーム45の中央部45cがクロスメンバー48の位置まで車体前方に向けて変位する。
クロスメンバー48の中央部88は、図4に示す、隆起部75の中央部75e、上張出片78の中央部78aおよび下張出片79の中央部からなる。
バンパービーム45の中央部45cやクロスメンバー48の中央部88が局部的に変形することで、荷重F5の一部を吸収する。
これにより、リヤフレーム構造10の後面中央に荷重F5が局部的に作用した場合に、車体後部に備えたバッテリー38、その他の電装品、キャニスタ39などを、補強部材49で確実に保護することができる。
Claims (3)
- 左右のリヤフレーム間にリヤフロアパネルを設け、前記リヤフロアパネルの収納凹部にハイブリッド自動車のバッテリー類の電装品を搭載した車両のリヤフレーム構造であって、
前記左右のリヤフレームの後端部にそれぞれ設けられた左右のエクステンションと、
前記左右のエクステンションに架け渡されたバンパービームと、
前記バンパービームの下方で、かつ前記左右のリヤフレームの後端下部にそれぞれ設けられた左右のガセットと、
それぞれのガセットに架け渡されることで、前記バンパービームの下方で、かつ前記バンパービームの前方に設けられたクロスメンバーと、
を備え、
前記それぞれのガセットは、
一対の側壁および傾斜底壁で上向きに開口する断面略コ字状に形成され、前記それぞれのガセットの傾斜底壁が車体後方に向けて下り勾配に形成され、
前記それぞれのガセットの後端部に前記クロスメンバーが架け渡されたことを特徴とする車両のリヤフレーム構造。 - 前記クロスメンバーの前方において、前記左右のリヤフレームに補強部材が架け渡され、
前記補強部材の中央部が前記クロスメンバーに向けて突出するように湾曲状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の車両のリヤフレーム構造。 - 前記クロスメンバーの中央部のうち上部位を、後面視において前記バンパービームに重ね合わせたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両のリヤフレーム構造。
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