JP5942920B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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この発明は、車両の前部車体構造に関し、詳しくは、車室前部とエンジンルームとを仕切るように設置され、縦壁部と該縦壁部に連続して後方側ほど下方に傾斜するよう車両の前後方向に延びる傾斜部とを有するダッシュパネルと、上記ダッシュパネルから車両の前方側へ延びるフロントサイドフレームと、上記傾斜部に連続して上記車室の底面部を形成するフロアパネルと、上記フロントサイドフレームの後端部から上記傾斜部と上記フロアパネルとに沿って車両の後方側へ延びるフロアフレームとを備えたような車両の前部車体構造に関する。
従来、上述例の車両の前部車体構造としては、図6に示す構造がある。
すなわち、車室61の前部とエンジンルーム62とを前後方向に仕切るダッシュパネルとしてのダッシュロアパネル63を設け、このダッシュロアパネル63は、縦壁部63Aと、該縦壁部63Aに連続して後方側ほど下方に傾斜するよう車両の前後方向に延びる傾斜部63B(いわゆるトーボード部)とを備えている。
また、上述のダッシュロアパネル63からエンジンルーム62の左右両サイド部において車両の前方側へ延びるフロントサイドフレーム64を設けると共に、上述の傾斜部63Bの後端部に連続して上記車室61の底面部を形成するフロアパネル65を設けている。
さらに、上述のフロントサイドフレーム64の後端部64aから上述の傾斜部63Bと上述のフロアパネル65の車外側の面に沿って車両の後方側へ延びるフロアフレーム66を設けている。このフロアフレーム66は断面逆ハット形状に形成されていて、該フロアフレーム66と上述の傾斜部63Bおよびフロアパネル65との間には車両の前後方向に連続する閉断面67が形成されている。
加えて、上述の傾斜部63Bの上部にはフロアフレーム66の延存方向に沿って車両の前後方向に延びるビード68を一体形成して、該ビード68により傾斜部63Bの剛性向上を図ると共に、上述の傾斜部63B上面とフロアパネル65上面には、上述のフロアフレーム66の延在方向に沿って車両の前後方向に延びるフロアフレーム補強部材69を設けている。このフロアフレーム補強部材69は断面ハット形状に形成されていて、このフロアフレーム補強部材69と上述の傾斜部63Bおよびフロアパネル65との間には、車両の前後方向に連続する閉断面70が形成されている。
なお、図中、71A,71Bはトンネル部、72は上述のダッシュロアパネル63と一体または一体的に形成されたホイールハウス、73はサスクロス取付けブラケット74に対してマウント部材75を用いて取付けられたフロントサスクロスであり、図中、矢印Fは車両の前方を示す。
そして、上述の車両の前部車体構造においては、フロントサイドフレーム64に折れの切っ掛け(折れ起点)となるビードを形成する等して、車両の前突時に該フロントサイドフレーム64の折れモードをコントロールすることで、衝突エネルギを吸収し、ダッシュロアパネル63の傾斜部63Bにおける乗員下肢空間(特に、足元スペース)を確保するという、技術思想を採用している。
しかしながら、小型車では、フロントサイドフレームの車両前後方向の長さが短く、該フロントサイドフレームによる衝突エネルギの吸収量が少なくなる。このため、上述の技術思想をそのまま適用する場合には、ダッシュロアパネルの傾斜部を、フロアフレーム、フロアフレーム補強部材、ビード等で強固に形成するのが一般的であるが、この場合には重量の増大を招くという問題点があった。
ところで、特許文献1には、エンジンルームと車室とを前後方向に仕切るダッシュパネルを設け、このダッシュパネルは縦壁部と、該縦壁部に連続して後方側ほど下方に傾斜するよう車両の前後方向に延びる傾斜部とを有しており、この傾斜部に、フロアフレームの延在方向に沿うビードを形成して、上記ダッシュパネルの前突荷重に対する強度を高める構造が開示されているが、該特許文献1で開示された構造は、図6で示した従来構造と実質的に同等であるから、上述同様の問題点がある。
特開2012−11959号公報
そこで、この発明は、特に前後長さが短い車両において、前突時に乗員下肢空間(足元スペース)を確保することができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
この発明による車両の前部車体構造は、車室前部とエンジンルームとを仕切るように設置され、縦壁部と該縦壁部に連続して後方側ほど下方に傾斜するよう車両の前後方向に延びる傾斜部とを有するダッシュパネルと、上記ダッシュパネルから車両の前方側へ延びるフロントサイドフレームと、上記傾斜部に連続して上記車室の底面部を形成するフロアパネルと、上記フロントサイドフレームの後端部から上記傾斜部と上記フロアパネルとに沿って車両の後方側へ延びるフロアフレームとを備えた車両の前部車体構造であって、上記傾斜部に、上記フロアフレームの延在方向に沿って前後方向に延びるビードが形成されるとともに、脆弱部が設けられ、該脆弱部は上記傾斜部の前後方向の中央よりも車両前方側にのみ設けられるとともに、前記ビードの高さが部分的に低いビード谷部により構成されたものである。
上記構成によれば、ダッシュパネルの傾斜部に脆弱部を設け、該脆弱部が上記傾斜部の前後方向の中央よりも車両前方側にのみ設けられているので、特に前後長さが短い車両において、前突時に上記傾斜部の所望の位置、すなわち、脆弱部を設けた位置に谷折れを発生させることができる。
これにより、フロントサイドフレームの変形スペースが増加し、この分、フロントサイドフレームがより一層折れ変形し、フロントサイドフレームによる衝突エネルギ吸収量を向上させることができると共に、上記傾斜部の脆弱部での折れ変形をも衝突エネルギ吸収に寄与させることにより、乗員下肢空間(足元スペース)を確保することができる。
特に、上記脆弱部を、上記傾斜部の前後方向の中央よりも車両前方側にのみ設けたので、乗員下肢空間を確保するうえで有効となる。
さらに、本発明は、上記傾斜部に上記フロアフレームの延在方向に沿って前後方向に延びるビードを形成し、上記脆弱部は、該ビードの高さが部分的に低いビード谷部により構成されたものである。
上記構成によれば、上記ビードの高さが部分的に低いビード谷部にて上記脆弱部を構成したので、該脆弱部を簡単な構成によって実現することができる。
この発明の一実施態様においては、上記傾斜部上面と上記フロアパネル上面に、上記フロアフレームの延在方向に沿って前後方向に延びるフロアフレーム補強部材を設け、該フロアフレーム補強部材の前端が上記ビード谷部に対応する位置に設けられたものである。
上記構成によれば、上記ビード谷部にはフロアフレーム補強部材が存在しない一方で、ビード谷部より車両の後方側の傾斜部からフロアパネルにかけての部位にはフロアフレーム補強部材が存在する。
これにより、ビード谷部より車両の後方側の傾斜部からフロアパネルにかけての部位の強度はフロアフレーム補強部材により高められており、つまり、当該部位の強度は、ビード谷部の強度よりも大きく設定されている。
このため、前突時の車体前後方向の荷重によって、上記脆弱部であるビード谷部が、上記傾斜部と上記フロアパネルとの間に形成される屈曲部よりも確実に先に折れ曲がる。よって、乗員下肢空間(足元スペース)をより一層確実に確保することができる。
この発明によれば、ダッシュパネルの傾斜部に脆弱部が設けられ、該脆弱部は上記傾斜部の前後方向の中央よりも車両前方側にのみ設けられたものであるから、特に前後長さが短い車両において、前突時に上記傾斜部の所望の位置に谷折れを発生させることで、フロントサイドフレームによる衝突エネルギ吸収量を向上させると共に、上記傾斜部の折れ変形をも衝突エネルギ吸収に寄与させることにより、乗員下肢空間(足元スペース)を確保することができる効果がある。
本発明の車両の前部車体構造を示す側面図 図1の要部拡大側面図 図2の構造を車室側の斜め上方から見た状態で示す斜視図 図2の構造をエンジンルーム側の斜め下方から見た状態で示す斜視図 衝突後の変形状態を示す説明図 従来の車両の前部車体構造を示す側面図
特に前後長さが短い車両において、前突時にダッシュパネルの傾斜部の所望の位置に谷折れを発生させることで、フロントサイドフレームによる衝突エネルギ吸収量を向上させると共に、上記傾斜部の折れ変形をも衝突エネルギ吸収に寄与させることにより、乗員下肢空間(足元スペース)を確保するという目的を、車室前部とエンジンルームとを仕切るように設置され、縦壁部と該縦壁部に連続して後方側ほど下方に傾斜するよう車両の前後方向に延びる傾斜部とを有するダッシュパネルと、上記ダッシュパネルから車両の前方側へ延びるフロントサイドフレームと、上記傾斜部に連続して上記車室の底面部を形成するフロアパネルと、上記フロントサイドフレームの後端部から上記傾斜部と上記フロアパネルとに沿って車両の後方側へ延びるフロアフレームとを備えた車両の前部車体構造において、上記傾斜部に脆弱部が設けられ、該脆弱部は上記傾斜部の前後方向の中央よりも車両前方側にのみ設けられるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の前部車体構造を示し、図1は一部を断面した状態で示す車両の前部車体構造の側面図、図2は図1の要部拡大側面図、図3は図2の構造を車室側の斜め上方から見た状態で示す斜視図である。
図1,図2において、車室1の前部とエンジンルーム2とを前後方向に仕切るダッシュパネルとしてのダッシュロアパネル3を設けている。
上述のダッシュロアパネル3は、上下方向および車幅方向に延びる縦壁部4と、この縦壁部4の下端部4aに連続して車両後方側ほど下方に傾斜するよう車両の前後方向に延びる傾斜部5(いわゆるトーボード)とを備えている。
ここで、上述の縦壁部4は一般的な鋼板により形成される一方で、前高後低状に配置された上述の傾斜部5は高張力鋼板(いわゆるハイテン鋼)により形成されている。
上述の傾斜部5の後端部5aに連続して車両後方に略水平に延びるフロアパネル6を設け、このフロアパネル6で車室1の底面部を形成するように構成している。
図1,図2に示すように、上述のダッシュロアパネル3およびフロアパネル6の車幅方向中央部には、車室1側へ突出するトンネル部7,8が一体または一体的に形成されており、ダッシュロアパネル3側のトンネル部7とフロアパネル6側のトンネル部8とは、車両の前後方向に連続するように形成されている。
また上述のダッシュロアパネル3における左右の車幅方向外側には、ホイールハウス9,9が一体または一体的に形成されている。
一方、図1,図2に示すように、ダッシュロアパネル3からエンジンルーム2の左右両サイドにおいて車両の前方側へ延びる左右一対のフロントサイドフレーム10,10(但し、図面では一方のフロントサイドフレームのみを示す)を有している。
このフロントサイドフレーム10は、フロントサイドフレームインナとフロントサイドフレームアウタを接合固定して、車両の前後方向に延びる閉断面を備えた車体強度部材である。
図2に示すように、上述のフロントサイドフレーム10には、縦壁部4下部の前面形状に対応した上部フランジ10aと、傾斜部5前部の前面形状に対応した下部フランジ10bとが一体に折曲げ形成されており、上部フランジ10aを縦壁部4に接合固定し、下部フランジ10bを傾斜部5に接合固定している。
また、図1,図2に示すように、上述のフロントサイドフレーム10の後端部から上記傾斜部5と上記フロアパネル6とに沿って車両の後方側へ延びるフロアフレーム11を設けている。
このフロアフレーム11の車幅方向断面は逆ハット形状に形成されており、底壁11aと左右の側壁11b,11bと、左右の側壁11b,11bの上端から車幅方向に延びる左右の接合フランジ部11c,11cとを有し、左右の接合フランジ部11c,11cを傾斜部5の下面およびフロアパネル6の下面にスポット溶接固定することで、フロアフレーム11がフロントサイドフレーム10の後端部から傾斜部5とフロアパネル6とに沿って車両の後方側へ延びるように構成したものである。
そして、フロアフレーム11と傾斜部5との間、並びに、フロアフレーム11とフロアパネル6との間には、車両の前後方向に連続するフロアフレーム閉断面が形成されており、車体下部剛性の向上を図るように構成している。
図1,図2に示すように、上述のフロアフレーム11の前端部と前部との間に跨るように、側面視略三角形状のサス取付けブラケット12が連結固定されている。一方、図1に示すように、フロントサイドフレーム10の前端部には、下方に向けて延びるフロントサスクロス支持用の支持部材13が一体的に形成されている。
上述のフロントサイドフレーム10の下方部には、図示しないエンジン(またはパワートレイン)を支持するフロントサスクロス14を設けている。このフロントサスクロス14は、前側に位置するサイドメンバ15と、後側に位置するサイドメンバ16と、図示しない中間クロスメンバとを備えており、前側のサイドメンバ15の前部は、上下方向に延びるブラケット17を介して上述の支持部材13に結合されており、前側のサイドメンバ15の後部または中間クロスメンバの車幅方向端部は、上下方向に延びる連結部材18(いわゆるツノ部材)およびマウント部19を介して、フロントサイドフレーム10の後部下面に結合されており、後側のサイドメンバ16の後部は、マウント部材20を介して、上述のサス取付けブラケット12の水平下面部に結合されている。
上述のマウント部材20は、図2に示すように、後側のサイドメンバ16の後端孔部に、アウタパイプ21、ブッシュ22を介して設けたインナパイプ23と、予めサス取付けブラケット12に溶接固定された長尺のナット24とを有し、インナパイプ23の上下にサスクロス支持部材25,26を介設した状態で、下方からインナパイプ23内に挿通したボルト27を上述のナット24に締結することで、後側のサイドメンバ16をサス取付けブラケット12に取付けるように構成している。
そして、上述のフロントサスクロス14は、車両の前突時に所定値以上の前突荷重が入力された時、後述するダッシュロアパネル3の傾斜部4に設けられる脆弱部(ビード谷部)の谷折れ変形よりも先に車体から離脱するように、そのマウント構造が設定されている。
ここで、フロントサスクロス14を構成する前側のサイドメンバ15の前端部には、セットプレート28を介して、衝突エネルギ吸収部材としてのサブクラッシュカン29が設けられており、フロントサスクロス14の上方に位置するフロントサイドフレーム10の前端部には、セットプレート30を介して、衝突エネルギ吸収部材としてのメインクラッシュカン(図示せず)を取付けるように構成している。
図2,図3に示すように、ダッシュロアパネル3の傾斜部5には、その助手席側(図3の左側)および運転席側(図3の右側)の双方に、フロアフレーム11の延在方向(車両前後方向)に沿って車両の前後方向に延びる上凸形状のビード31,32を一体形成している。
前側に位置するビード31の後端部と、後側に位置するビード32の前端部との間には、ビード31,32の高さが部分的に低いビード谷部33を形成している。この実施例では、図2,図3に示すように、ビード31,32の高さが部分的にゼロとなるビード谷部33を形成している。
上述の前側に位置するビード31と、後側に位置するビード32とは、ビード谷部33を介して車両の前後方向に連続するように形成されている。
そして、このビード谷部33により、車両の前突時においてダッシュロアパネル3の傾斜部5の所望の位置で谷折れ変形を発生させるための脆弱部を形成したものであり、該脆弱部としてのビード谷部33は上述の傾斜部5の前後方向の中央よりも車両前方側にのみ設けられている。
この実施例では、上述のビード谷部33はフロントサスクロス14を取付けるマウント部材20と上下方向に略対向する部位に設定されており、さらに詳しくは、ビード谷部33の形成位置は、マウント部材20を構成するインナパイプ23の外周部リヤ側面と上下方向に対向する部位に設定されている。特に、前後長さが短い車両において、前突時にダッシュロアパネル3の傾斜部5の所望の位置、すなわち、脆弱部(ビード谷部33)を設けた位置に谷折れ(図5参照)を発生させ、これにより、フロントサイドフレーム10の変形スペースが増加し、この分、フロントサイドフレーム10がより一層折れ変形し、フロントサイドフレーム10による衝突エネルギ吸収量を向上させ、さらに傾斜部5の脆弱部(ビード谷部33)での折れ変形をも衝突エネルギ吸収に寄与させることで、乗員下肢空間(足元スペース)を確保すべく構成したものである。
また、上述の脆弱部をビード谷部33により形成することで、当該脆弱部を簡単に形成すべく成したものである。
さらに、図2,図3に示すように、ビード32の形成位置において、上述の傾斜部5の上面と上述のフロアパネル6の上面には、フロアフレーム11の延在方向に沿って車両の前後方向に延びるフロアフレーム補強部材34を設けている。
このフロアフレーム補強部材34は、上壁34aと、左右の側壁34b,34bと、これら各側壁34b,34bの下端から車幅方向に向けて一体形成された接合フランジ部34c,34cと、を有して車幅方向断面がハット状になるように形成されており、左右の接合フランジ部34c,34cを、上述の傾斜部5およびフロアパネル6にスポット溶接にて接合固定したものであり、該フロアフレーム補強部材34の前側部分でビード32を覆っている。
図2に示すように、上述のフロアフレーム補強部材34の前端34dは、傾斜部5に形成されたビード谷部33の後端に対応する位置に設けられている。これにより、ビード谷部33にはフロアフレーム補強部材34が存在しない一方で、傾斜部5とフロアパネル6との間の屈曲部35(後側のビード32の終端部)にはフロアフレーム補強部材34が存在するように構成している。
つまり、上述の屈曲部35の強度はフロアフレーム補強部材34により高められており、当該部位の強度が、ビード谷部33の強度に対して大きくなるように形成し、車体前後方向の衝突荷重によって、上述の傾斜部5が、該傾斜部5とフロアパネル6との間に形成された屈曲部35よりも先に折れ曲がるように構成している。
また、図2に示すように、フロアフレーム補強部材34の前端34dよりも後方には、上述の傾斜部5上面からフロアパネル6上面にわたって所定長さ後方に延び、かつトンネル部7,8を隔てた助手席側と運転席側との双方において傾斜部5の車幅方向略全幅にわたるようにティビア保護部材36を設け、このティビア保護部材36の前端36a位置を、フロアフレーム補強部材34の前端34d位置と一致させている。なお、上述のティビア保護部材36はポリスチレン等の合成樹脂により構成される。
図4は図2の構造をエンジンルーム側の斜め下方から見た状態で示す斜視図である。
図2,図4に示すように、上述のフロントサイドフレーム10とフロアフレーム11との接続部の後方側で、かつ、上述のビード谷部33と上下方向に略対向する部分には、フロアフレーム11に脆弱部を形成している。
この実施例では、ビード谷部33の近傍位置においてフロアフレーム11の接合フランジ部11cにノッチ11dを形成し、このノッチ11dを脆弱部に設定し、前突時においてフロアフレーム11がダッシュロアパネル3のビード谷部33での谷折れに対応して折れやすくなるように構成している。
また、上述のビード谷部33の直前側においては、フレーム構造の強度が大となるように構成している。すなわち、ビード谷部33の直前側においてフロントサイドフレーム10の後端部10cと、フロアフレーム11の前端部11fとを図2に示す所定長さLにて重ね合わせてオーバラップ部37を形成し、このオーバラップ37により強度を高めている。
さらに、ビード谷部33の直前部において、フロアフレーム11の側壁11bにリブ11eを一体形成し、このリブ11eによりビード谷部33直前部のフロアフレーム11の強度を高めている。
上述のオーバラップ部37とリブ11eとの両者による強度アップ構造と、ビード谷部33とノッチ11dとの両者による脆弱化構造とで、強度に大きい差を形成して、車両前突時にダッシュロアパネル3およびフロアフレーム11を所望部位にて折れ変形させるように構成している。
なお、図3,図4において、40はトルクボックスである。また、図中、矢印Fは車両の前方を示し、矢印Rは車両の後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両の上方を示す。
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用を説明する。
車両の前突時に、図5に矢印で示すように、所定値以上の前突荷重が入力されると、サブクラッシュカン29およびメインクラッシュカンのクラッシュ後に、まず、フロントサイドフレーム10が圧縮変形して潰れ、次にフロントサスクロス14が車体から離脱する。このフロントサスクロス14の離脱により該フロントサスクロス14がダッシュロアパネル3の傾斜部5の折曲げを阻害しないようになる。
上述のフロントサスクロス14の離脱後に、フロントサイドフレーム10がさらに後退すると、ダッシュロアパネル3はその傾斜部5のビード谷部33を谷折れの起点として図5に仮想線で示す衝突前の状態から同図に実線で示すように谷折れ変形する。
傾斜部5の谷折れ変形によりダッシュロアパネル3が後退することで、フロントサイドフレーム10の変形スペースが増加し、この分、フロントサイドフレーム10がより一層折れ変形し、衝突エネルギの吸収量が向上する。
また、傾斜部5を高張力鋼板で形成し、この傾斜部5をビード谷部33で谷折れ変形させることにより、当該傾斜部5の谷折れ変形も衝突エネルギ吸収に寄与させることができ、さらに、上述のビード谷部33の形成位置は傾斜部5の前後方向の中央よりも車両前方側に設定されているので、乗員下肢空間(足元スペース)を確保することができる。
このように上記実施例の車両の前部車体構造は、車室1前部とエンジンルーム2とを仕切るように設置され、縦壁部4と該縦壁部4に連続して後方側ほど下方に傾斜するよう車両の前後方向に延びる傾斜部5とを有するダッシュパネル(ダッシュロアパネル3参照)と、上記ダッシュパネル(ダッシュロアパネル3)から車両の前方側へ延びるフロントサイドフレーム10と、上記傾斜部5に連続して車室1の底面部を形成するフロアパネル6と、上記フロントサイドフレーム10の後端部から上記傾斜部5と上記フロアパネル6とに沿って車両の後方側へ延びるフロアフレーム11とを備えた車両の前部車体構造であって、上記傾斜部5に脆弱部(ビード谷部33参照)が設けられ、該脆弱部(ビード谷部33)は上記傾斜部5の前後方向の中央よりも車両前方側にのみ設けられたものである(図2参照)。
この構成によれば、上記傾斜部5に脆弱部(ビード谷部33)を設け、該脆弱部(ビード谷部33)が上記傾斜部5の前後方向の中央よりも車両前方側にのみ設けられているので、特に前後長さが短い車両において、前突時にダッシュパネル(ダッシュロアパネル3)の傾斜部5の所望の位置、すなわち、脆弱部(ビード谷部33)を設けた位置に谷折れを発生させることができる。
これにより、フロントサイドフレーム10による衝突エネルギ吸収量を向上させることができると共に、上記傾斜部5の脆弱部(ビード谷部33)での折れ変形をも衝突エネルギ吸収に寄与させることにより、乗員下肢空間(足元スペース)を確保することができる。
特に、上記脆弱部(ビード谷部33)を、上記傾斜部5の前後方向の中央よりも車両前方側にのみ設けたので、乗員下肢空間を確保するうえで有効となる。
また、上記傾斜部5に上記フロアフレーム11の延在方向に沿って前後方向に延びるビード31,32を形成し、上記脆弱部は、該ビード31,32の高さが部分的に低いビード谷部(この実施例ではビード31,32の高さがゼロとなるビード谷部33)により構成されたものである(図2,図3参照)。
この構成によれば、上記ビード31,32の高さが部分的に低いビード谷部33にて上記脆弱部を構成したので、該脆弱部(ビード谷部33)を簡単な構成によって実現することができる。
さらに、上記傾斜部5上面と上記フロアパネル6上面に、上記フロアフレーム11の延在方向に沿って前後方向に延びるフロアフレーム補強部材34を設け、該フロアフレーム補強部材34の前端34dが上記ビード谷部33に対応する位置に設けられたものである(図2,図3参照)。
この構成によれば、上記ビード谷部33にはフロアフレーム補強部材34が存在しない一方で、ビード谷部より車両の後方側の傾斜部からフロアパネル6にかけての部位にはフロアフレーム補強部材34が存在する。
これにより、ビード谷部より車両の後方側の傾斜部5からフロアパネル6にかけての部位の強度はフロアフレーム補強部材34により高められており、つまり、当該部位の強度は、ビード谷部33の強度よりも大きく設定されている。
このため、前突時の車体前後方向の荷重によって、上記脆弱部であるビード谷部33が、上記傾斜部5と上記フロアパネル6との間に形成される屈曲部35よりも確実に先に折れ曲がる。よって、乗員下肢空間(足元スペース)をより一層確実に確保することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のダッシュパネルは、実施例のダッシュロアパネル3に対応し、
以下同様に、
脆弱部は、ビード谷部33に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、ダッシュパネルにおける傾斜部の板厚を変化させ、板厚が薄い部分を脆弱部に設定するよう構成してもよい。
以上説明したように、本発明は、車室前部とエンジンルームとを仕切るように設置され、縦壁部と該縦壁部に連続して後方側ほど下方に傾斜するよう車両の前後方向に延びる傾斜部とを有するダッシュパネルと、上記ダッシュパネルから車両の前方側へ延びるフロントサイドフレームと、上記傾斜部に連続して上記車室の底面部を形成するフロアパネルと、上記フロントサイドフレームの後端部から上記傾斜部と上記フロアパネルとに沿って車両の後方側へ延びるフロアフレームとを備えた車両の前部車体構造について有用である。
1…車室
2…エンジンルーム
3…ダッシュロアパネル(ダッシュパネル)
4…縦壁部
5…傾斜部
6…フロアパネル
10…フロントサイドフレーム
11…フロアフレーム
31,32…ビード
33…ビード谷部(脆弱部)
34…フロアフレーム補強部材

Claims (2)

  1. 車室前部とエンジンルームとを仕切るように設置され、縦壁部と該縦壁部に連続して後方側ほど下方に傾斜するよう車両の前後方向に延びる傾斜部とを有するダッシュパネルと、
    上記ダッシュパネルから車両の前方側へ延びるフロントサイドフレームと、
    上記傾斜部に連続して上記車室の底面部を形成するフロアパネルと、
    上記フロントサイドフレームの後端部から上記傾斜部と上記フロアパネルとに沿って車両の後方側へ延びるフロアフレームとを備えた車両の前部車体構造であって、
    上記傾斜部に、上記フロアフレームの延在方向に沿って前後方向に延びるビードが形成されるとともに、脆弱部が設けられ、
    該脆弱部は上記傾斜部の前後方向の中央よりも車両前方側にのみ設けられるとともに、前記ビードの高さが部分的に低いビード谷部により構成された
    車両の前部車体構造。
  2. 上記傾斜部上面と上記フロアパネル上面に、上記フロアフレームの延在方向に沿って前後方向に延びるフロアフレーム補強部材を設け、
    該フロアフレーム補強部材の前端が上記ビード谷部に対応する位置に設けられた
    請求項記載の車両の前部車体構造。
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