JP6937084B2 - 車両構造 - Google Patents
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Description
そこで、従来においては、たとえば特許文献1,2に記載の手段がある。
特許文献1においては、車室の前部に設けられて起立するダッシュパネルの下部寄り領域に、乗員の足配置用部位が設けられており、かつこの足配置用部位には、所定の形状に形成された屈曲状プレートが設けられている。この屈曲状プレートは、車両の前突時において、乗員の足の踵部を車両後方側に押圧するように変形し、このことにより乗員の足首角度が大きく変化しないようにして、乗員保護を図ることが可能である。
一方、特許文献2においては、前記した屈曲状プレートに代えて、可動タイプのフロアパッドが乗員の足配置用部位に配置されている。前記フロアパッドは、車両の荷重入力があった際に車両後方に位置ずれする。このことにより、乗員の足に大きな荷重が作用し難くなり、乗員保護を図ることが可能である。
一方、特許文献2によれば、フロアパッドが後退する作用によって乗員の足への荷重入力を抑制し得るものの、フロアバッド、およびこのフロアパッドを車両の前突時に円滑に後退させるための構造部が必要となる。したがって、車両の製造コストが高くなり、また重量が増大する虞もある。
第1に、車両の前突が発生し、フロントサイドメンバに対して、車両前方側から所定以上の荷重入力があると、フロントサイドメンバの後下がり状の傾斜部は、前記剛性断点を起点として屈曲変形し、前記傾斜部のうち、剛性断点よりも車両前方側の領域は上向きに回転する。このことにより、衝突荷重の吸収緩和が効果的に図られる。一方、前記したフロントサイドメンバの傾斜部の変形、およびこれに伴うダッシュパネルの変形は、乗員の足配置用部位よりも車両前方側の位置において行なわれる。したがって、大きな衝突荷重が乗員の足に作用することは適切に抑制される。その結果、乗員の下肢の傷害値を小さくし、乗員保護性能に優れたものとすることができる。
第2に、特許文献1,2に記載された屈曲状プレートやフロアバッドなどの別部材を追加して設ける必要はない。このため、部品点数の少数化、生産性の向上を図ることにより、製造コストを低減し、また軽量化をも図ることが可能である。
アクセルおよびブレーキペダル6a,6b、ならびにフットレスト6cは、本発明でいう「乗員の足配置用部位」の具体例に相当する。
図2には、カウル18(網点模様部分)が示されているが、他の図ではカウル18を省略している。
前側取付け部9Aは、サスペンションメンバ4の前部寄り領域の上面部に起立して設けられた前側ブラケット部41を、フロントサイドメンバ3に固定された支持部材39にゴムブッシュ81aを介して連結した部位である(図4も参照)。
図6によく表れているように、後側取付け部9Bは、傾斜部30の下面側に溶接された台座部38に、サスペンションメンバ4の後部を、ボルト90を用いて締結した部位である。後側取付け部9B’は、サスペンションメンバ4の後部に固定されたステー42を、傾斜部30の台座部38よりも下側の部分にボルト91を用いて締結した部位である。
図7において、符号16は、トンネル部17aの基端部を補強する補強部材であり、符号15は、ロッカを示している。
端部は、フロントサイドメンバ3のうち、台座部38によって剛性が高められた領域付近(剛性断点Rよりも車両後方側の領域)に溶接されている。このことにより、剛性断点Rの車両後方側領域の剛性をより高くし、車両1の前突時において、剛性断点Rを起点として、フロントサイドメンバ3の傾斜部30を適切に変形させることが一層確実化される。
乗員の足配置用部位は、アクセルペダル、ブレーキペダル、およびフットレストに限定
されない。クラッチペダルなども該当する。また、助手席については、前記したようなペダル類は存在しないが、助手席の車両前方側のフロア上(ダッシュパネル上も含む)には、足配置用のスペースが確保されるのが通例であり、本発明でいう足配置用部位は、そのような部位も含む概念である。
本発明は、エンジン自動車に限らず、ハイブリッド車や電気自動車にも適用することができる。したがって、本発明でいうパワープラントは、エンジン(内燃機関)に代えて、または加えて、モータを用いたものとすることもできる。
R 剛性断点
1 車両
10 エンジンルーム
11 車室
2 パワープラント
3 フロントサイドメンバ
30 傾斜部(フロントサイドメンバの)
38 台座部
4 サスペンションメンバ
5 ダッシュパネル
6a アクセルペダル(足配置用部位)
6b ブレーキペダル(足配置用部位)
6c フットレスト(足配置用部位)
Claims (2)
- 車室前部に配設されたダッシュパネルと、
このダッシュパネルの車両前方側に位置して前記ダッシュパネルに接合された後下がり状の傾斜部を有するフロントサイドメンバと、
前記ダッシュパネルの下部寄り領域の上側に設けられた乗員の足配置用部位と、
を備えている、車両構造であって、
前記フロントサイドメンバの前記傾斜部の下面側には、サスペンションメンバの取付けを図るための台座部が接合され、かつこの台座部の前端は、前記足配置用部位よりも車両前方側に位置しており、
前記フロントサイドメンバの前記後下がり状の傾斜部のうち、前記台座部の前記前端に隣接する箇所であって、前記台座部の接合部と、その車両前方側における前記台座部の非接合部との境界部分は、前記フロントサイドメンバに車両前方側から所定以上の荷重入力があったときに前記傾斜部の屈曲変形の起点となり、前記足配置用部位よりも車両前方側の領域を上向きに回転可能とする剛性断点として構成されており、
前記フロントサイドメンバは、前記剛性断点の車両前方側に位置する部位として、車両後方側に進むほど車幅方向内方側に位置するように底面視において傾斜した内入り傾斜部を備えていることを特徴とする、車両構造。 - 請求項1に記載の車両構造であって、
前記ダッシュパネルの車両前方側のエンジンルーム内に配されたパワープラントは、前記荷重入力に伴って車両後方側に変位した際に、前記傾斜部のうち、前記剛性断点よりも車両前方側の領域に突入可能とされている、車両構造。
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