JP2018154305A - 車両前部構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】前突時のフロントサイドメンバの車両上側への変形を抑制し、ダッシュパネルの後退を抑制する。【解決手段】ダッシュパネル30と、ダッシュパネル30に取り付けられたダッシュクロスメンバ31と、ダッシュパネル30の車両前方側に配置されるフロントサイドメンバ20と、フロントサイドメンバ20の上部と締結されるサスペンションタワー40と、サスタワーブレース50と、を備え、ダッシュクロスメンバ31はサスペンションタワー40の上端41よりも車両上方側に配置され、サスタワーブレース50は、サスペンションタワー40の上端41との第1締結部58がダッシュクロスメンバ31との第2締結部59よりも車両下方側となるように傾斜してサスペンションタワー40の上端41とダッシュクロスメンバ31とを車両前後方向に接続する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両前部のサスペンションタワーとダッシュクロスメンバとを接続するサスタワーブレースの構造に関する。
自動車の前部のサスペンションタワーとフロントピラーとの間をサスタワーブレースで接続してサスペンションタワーからの衝突荷重をフロントピラーに逃がす構造において、サスタワーブレースの機械的強度を調整して前突時のフロントピラーのねじりを少なくしつつサスペンションタワーの後退を抑制する構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−179294号公報
ところで、自動車の前方には車両前後方向に延びる主要構造部材であるフロントサイドメンバが設けられている。フロントサイドメンバは、正面からの荷重を車室の下側に配置された強度部材に伝達するように構成されている。従って、フロントサイドメンバは、正面から衝突荷重が加わった際に、車室の下側の強度部材から上方向への反力を受けて車両上側に湾曲するように変形する場合がある。フロントサイドメンバは、車両幅方向に湾曲して車両前後方向につぶれることにより衝突荷重を吸収するように設計されているので、車両上側に湾曲した場合には吸収できる衝撃荷重が小さくなる場合がある。
特許文献1に記載された従来技術の構造では、サスペンションタワーの後退を抑制することができるものの、フロントサイドメンバの車両上側への変形を抑制することができず、フロントサイドメンバの後方のダッシュパネルの後退を抑制する観点から改善の余地があった。
そこで、本発明は、前突時のフロントサイドメンバの車両上側への変形を抑制し、ダッシュパネルの後退を抑制することを目的とする。
本発明の車両前部構造は、車室の前方を区画するダッシュパネルと、前記ダッシュパネルに取り付けられて車両幅方向に延びるダッシュクロスメンバと、前記ダッシュパネルの車両前方側に配置されるフロントサイドメンバと、前記フロントサイドメンバの上部と締結されるサスペンションタワーと、一端が前記ダッシュクロスメンバに締結され、他端が前記サスペンションタワーの上端に締結されるサスタワーブレースと、を備え、前記ダッシュクロスメンバは前記サスペンションタワーの上端よりも車両上方側に配置され、前記サスタワーブレースは、前記サスペンションタワーの上端との第1締結部が前記ダッシュクロスメンバとの第2締結部よりも車両下方側となるように傾斜して前記サスペンションタワーの上端と前記ダッシュクロスメンバとを車両前後方向に接続することを特徴とする。
本発明の車両前部構造において、前記サスタワーブレースは、前記第1締結部の近傍に強度低減部を有してもよい。
本発明の車両前部構造において、前記サスタワーブレースは、ウェブと前記ウェブを挟んで対向する2つのフランジとを有する溝形断面部材であり、前記ウェブが前記フランジより車両上側で、前記フランジが車両上下方向に延びるように配置され、前記フランジが前記ダッシュクロスメンバに締結され、前記ウェブが前記サスペンションタワーの上端に締結されており、前記ウェブの前記第1締結部の近傍に前記強度低減部を形成する孔が設けられてもよい。
本発明の車両前部構造において、前記フランジの高さが第2締結部側から第1締結部側に向かって低くなっていてもよい。
本発明の車両前部構造において、前記ダッシュパネルの車両後方側に配置されたフロントピラーと、前記フロントピラーに締結されたフロントピラー内側ガセットと、を含み、前記ダッシュクロスメンバの車両幅方向の端部が前記フロントピラー内側ガセットに締結されていてもよい。
本発明は、前突時のフロントサイドメンバの車両上側への変形を抑制し、ダッシュパネルの後退を抑制することができる。
実施形態における前部構造を組み込んだ自動車のボデーの骨格構造を示す斜視図である。 実施形態における前部構造を車両前方側から見た斜視図である。 実施形態における前部構造を車両後方側から見た斜視図である。 実施形態における前部構造を示す側面図である。 実施形態における前部構造を示す平面図である。 実施形態の前部構造におけるサスタワーブレースの斜視図と各部の断面を示す図である。 実施形態の前部構造を備える自動車が前突した直後の荷重の伝達と変形を示す側面図である。 実施形態の前部構造を備える自動車が前突した際の衝突前半における荷重の伝達と変形を示す側面図である。 実施形態の前部構造を備える自動車が前突した際の衝突後半における荷重の伝達と変形を示す側面図である。
以下、図面を参照しながら実施形態の車両の前部構造60について説明する。最初に図1を参照しながら、本実施形態の前部構造60を組み込んだ自動車100のボデー構造について説明する。図1に示すように、自動車100は、アルミ等の金属によって構成された骨格構造を備えている。自動車100は、フロントピラー10より前方の前部骨格80と、後部骨格90と、フロントピラー10と後部骨格90の間の車室86を形成する車室骨格85とを備えている。前部骨格80は、図示しない前部バンパに接続されたフロント補強部材65と、フロント補強部材65に接続されたフロントサイドメンバ20と、車室86とエンジンルーム66を区画するダッシュパネル30と、フロントピラー10と、フロントピラー10に接続されて車両前方に延びるアッパメンバ70とを含んでいる。フロントサイドメンバ20とアッパメンバ70の間には、前部車輪の懸架装置が収納されるサスペンションタワー40が設けられている。サスペンションタワー40とダッシュパネル30との間は、サスタワーブレース50で接続されている。
図2に示すように、前部構造60は、ダッシュパネル30と、ダッシュパネル30に取り付けられたダッシュクロスメンバ31と、フロントサイドメンバ20と、サスペンションタワー40と、サスタワーブレース50とで構成されている。図3に示すように、ダッシュクロスメンバ31の車両幅方向の端部は、フロントピラー10に締結されたフロントピラー内側ガセット38に締結されている。
ダッシュパネル30は、エンジンルーム66と車室86とを仕切る板部材である。図2、図3に示すように、ダッシュクロスメンバ31は、金属の薄板を溝形に折り曲げ、折り曲げ部の側端に帯板状の締結リブ31aを成形したものである。ダッシュクロスメンバ31は、締結リブ31aをダッシュパネル30にスポット溶接することによりダッシュパネル30に締結され、ダッシュパネル30を補強している。
図1、図2に示すように、フロントサイドメンバ20は、ダッシュパネル30の車両前方に配置された自動車100の前後方向に延びる主要構造部材である。フロントサイドメンバ20には、エンジン、駆動用のモータ等が搭載される。フロントサイドメンバ20の車両前方端は、フロント補強部材65に締結され、車両後方端は締結リブ21をダッシュパネル30にスポット溶接してダッシュパネル30に締結されている。図4に示すように、フロントサイドメンバ20が接続されているダッシュパネル30の車室86側には、クロス補強部材35が取り付けられている。このクロス補強部材35は、フロントピラー10に締結されている。フロントサイドメンバ20は、クロス補強部材35を介してフロント補強部材65からの荷重をフロントピラー10に伝達する。また、フロントサイドメンバ20の車両後方端側の下側には、ダッシュパネル30に沿って配置された接続メンバ25に接続されている。接続メンバ25は、フロントサイドメンバ20の下面から車室86の下側に向かって湾曲した強度部材で車室86の下側に配置された図示しない車室下部強度部材に接続されている。フロントサイドメンバ20は、接続メンバ25を介してフロント補強部材65からの荷重を車室下部強度部材に伝達する。
図2に示すように、サスペンションタワー40は、ダッシュパネル30の車両前方側で、フロントサイドメンバ20とアッパメンバ70との間に設けられる前部車輪の懸架装置が収納される円筒状の部材である。サスペンションタワー40は、前部車輪の懸架装置が収納される円筒部44と、円筒部44から下側のフロントサイドメンバ20の上面、および側面につながっているカウリング部43と、円筒部44の前方に接続されて前部車輪の前半分の上側をカバーする第1ホイールハウス49と、円筒部44とダッシュパネル30との間に取り付けられて前部車輪の後半分の上側をカバーする第2ホイールハウス45とを有している。カウリング部43、第1、第2ホイールハウス49、45は、板状の金属部材をプレス成型したものである。カウリング部43の下端部はフロントサイドメンバ20の上部に形成された締結リブ22とスポット溶接等によって締結されている。円筒部44の上端41はアッパメンバ70に締結されている。第1ホイールハウス49は、アッパメンバ70とフロントサイドメンバ20に締結されている。第2ホイールハウス45は、ダッシュパネル30の車両前方側に締結されている。
図2、図4に示すように、サスタワーブレース50は、一端がダッシュパネル30、ダッシュクロスメンバ31に締結され、他端がサスペンションタワー40の上端41に締結されている。図2、図4に示すように、ダッシュクロスメンバ31はサスペンションタワー40の上端41よりも車両上側に配置されているので、サスタワーブレース50は、サスペンションタワー40の上端41との第1締結部58がダッシュパネル30、ダッシュクロスメンバ31との第2締結部59よりも車両下方側となるように傾斜してサスペンションタワー40の上端41とダッシュパネル30、ダッシュクロスメンバ31とを車両前後方向に接続するものである。
図6(a)は、サスタワーブレース50の斜視図であり、図6(b)は、図6(a)に示すA−A断面、つまり、サスタワーブレース50のダッシュパネル側の断面を示す断面図であり、図6(c)は、図6(a)に示すB−B断面、つまり、サスタワーブレース50のサスペンションタワー側の断面を示す断面図であり、図6(d)は、図6(a)に示すC−C断面、つまり、サスタワーブレース50の中央の車両前後方向の断面を示す断面図である。
図6(a)から図6(c)に示すように、サスタワーブレース50は、ウェブ51とウェブ51を挟んで対向する2つのフランジ52とを有する溝形断面部材であり、ウェブ51がフランジ52より車両上側にあり、フランジ52が車両上下方向に延びるように配置されている。図6(b)から図6(d)に示すように、フランジ52の高さはダッシュパネル側(第2締結部59の側)からサスペンションタワー側(第1締結部58の側)に向かって低くなっている。また、図6(a)、図6(d)に示すように、ウェブ51のサスペンションタワー40との第1締結部58の近傍には、孔57が設けられている。この孔57は、サスタワーブレース50の圧縮強度、曲げ強度を低減する強度低減部を構成する。
図6(a)に示すように、フランジ52のダッシュパネル側には、車両幅方向に広がった帯板状の締結リブ53が形成されている。締結リブ53にはスポット溶接点54が設けられている。そして、図4に示すように、締結リブ53とダッシュパネル30とダッシュクロスメンバ31の締結リブ31aとがスポット溶接で一体に溶接されることによってフランジ52はダッシュクロスメンバ31と締結される。またウェブ51のサスペンションタワー側には、帯板状の締結リブ55が形成されている。締結リブ55には、スポット溶接点56が設けられている。締結リブ55はスポット溶接でサスペンションタワー40の上端41に締結される。
図2、図3に示すように、フロントピラー10は、溝形薄肉断面の長尺部材であるフロントピラー外側パネル11と溝形薄肉断面の長尺部材であるフロントピラー内側パネル13の帯板状の各接続リブ12、14をスポット溶接で略四角筒状に接続した中空長尺部材である。
図3、図5に示すように、フロントピラー内側ガセット38は、ガセット本体33と、フロントピラーブレース32とで構成されている。図3に示すように、ガセット本体33は、車両前方に向かって幅が狭くなる箱型形状で周囲にフロントピラー内側パネル13の外側面に当たる帯板状の締結リブ33aが形成されたものである。締結リブ33aは、スポット溶接によってフロントピラー内側パネル13の外側面に溶接されている。また、ガセット本体33の車両後方側の締結部33bは、スポット溶接によってフロントピラー内側パネル13の車両後方側面に接合されている。フロントピラーブレース32は、フロントピラー10とダッシュクロスメンバ31とを接続する円弧状の部材で、その断面を溝形に折り曲げ、立上部32fの側端に帯板状の締結リブ32aを成形したものである。締結リブ32aのダッシュパネル30の側の端部は、ボルトあるいはスポット溶接によってダッシュクロスメンバ31に締結されている。また、フロントピラーブレース32の凸部32wは、ガセット本体33の凸部33wにボルト37で締結されている。
以上のように、ダッシュクロスメンバ31の車両幅方向の端部はフロントピラー内側ガセット38に締結されており、フロントピラー内側ガセット38はフロントピラー10に締結されている。
次に、図7から図9を参照しながら、以上のように構成された前部構造60を備える自動車100が前突した場合にフロント補強部材65に加わった衝突荷重の伝達と各部の変形について説明する。
自動車100が前突すると、図7の白抜き矢印S10に示すように、フロント補強部材65に衝突荷重が加わる。フロント補強部材65に加わった衝突荷重は、フロントサイドメンバ20を伝わって図7の矢印S11に示すように、サスペンションタワー40を車両後方に押しつける。サスペンションタワー40に掛かった車両後方への衝突荷重は、図7の矢印S12に示すように、サスタワーブレース50を通ってダッシュクロスメンバ31、フロントピラー内側ガセット38、フロントピラー10に伝達され、フロントピラー10で受け止められる。また、フロントサイドメンバ20に加わった衝突荷重は、図7の矢印S13に示すように、クロス補強部材35を介してフロントピラー10に伝達されてフロントピラー10で受け止められると共に、接続メンバ25を介して車室下部強度部材に伝達され、車室下部強度部材で受け止められる。
ダッシュクロスメンバ31に掛かる衝突荷重はフロントピラー10によって受け止められるので、サスタワーブレース50にはダッシュクロスメンバ31から車両前方への反力が掛かる。サスタワーブレース50のダッシュクロスメンバ31との第2締結部59は、サスペンションタワー40の上端41との第1締結部58よりも車両上側に位置しているので、サスペンションタワー40は、サスタワーブレース50から図7の矢印S15に示すような車両前方下向きの力を受ける。この力によってフロントサイドメンバ20は、図7の矢印S16に示す車両下方向への力を受ける。
一方、フロントサイドメンバ20には、接続メンバ25からの反力が図7の矢印S17に示すように、車両斜め上方向にかかり、フロントサイドメンバ20を上側に湾曲させようとする。
図7に示す状態では、サスタワーブレース50からの斜め下方向に向かう力によるフロントサイドメンバ20を下側に抑え込もうとする力の方が接続メンバ25からの斜め上方向に向かう力によるフロントサイドメンバ20を上側に湾曲させようとする力よりも大きいので、フロントサイドメンバ20は上側に湾曲せず、車両幅方向に湾曲して車両前後方向につぶれることにより衝突荷重を十分吸収する。このため、前突によるダッシュパネル30の後退を効果的に抑制することができる。また、ダッシュクロスメンバ31に掛かる衝突荷重をフロントピラー10によって受け止めるのでサスタワーブレース50に掛かる車両前方下向きの反力を大きくできる。このため、より効果的にフロントサイドメンバ20の上方向への湾曲を抑制してダッシュパネル30の後退を抑制することができる。
次に、図7に示した状態よりも少し時間が経過すると、図8に示すように、衝突荷重によりダッシュクロスメンバ31、クロス補強部材35が変形し、サスペンションタワー40が図7に示した状態よりも後退してくる。また、フロントサイドメンバ20の車両幅方向の湾曲変形による車両前後方向につぶれのため、フロントサイドメンバ20の車両外側の第1ホイールハウス49に変形による皺が発生する。また、第2ホイールハウス45も変形によりつぶれてくる。
図7を参照して説明したと同様、サスペンションタワー40は、サスタワーブレース50から図8の矢印S25に示すような車両前方下向きの力を受け、この力によってフロントサイドメンバ20を図8の矢印S26に示すように車両下方向へ押し付ける。また、フロントサイドメンバ20には、接続メンバ25からの反力が図8の矢印S27に示すように、車両斜め上方向にかかり、フロントサイドメンバ20を上側に湾曲させようとする。
この状態でも、図7に示す状態と同様、フロントサイドメンバ20を下側に抑え込もうとする力の方がフロントサイドメンバ20を上側に湾曲させようとする力よりも大きいので、フロントサイドメンバ20は上側に湾曲せず、車両幅方向にさらに湾曲して車両前後方向につぶれ、衝突荷重を十分に吸収する。
次に。図8に示した状態よりも更に時間が経過すると、図9に示すように、サスタワーブレース50が図6に示す孔57の位置で座屈変形する。これは、孔57を設けることによりこの部分の圧縮強度、曲げ強度が低くなり、強度低減部を構成しているので応力集中が発生して座屈変形が発生することによる。また、ダッシュパネル側(第2締結部59の側)からサスペンションタワー側(第1締結部58の側)に向かってフランジ52の高さを低くしているので、孔57の位置できれいに座屈変形が発生する。サスタワーブレース50が座屈変形するとサスタワーブレース50からのダッシュクロスメンバ31に伝達される衝突荷重が小さくなるので、ダッシュクロスメンバ31の後退が抑制される。
一方、サスペンションタワー40にはフロント補強部材65、フロントサイドメンバ20から図9に示す矢印S30、S31のように車両後方に向かう衝突荷重が掛かっている。この衝突荷重によってサスペンションタワー40は後退を続ける。サスペンションタワー40が後退すると、図9に示すように、サスタワーブレース50の第1締結部58が下方向に移動し、孔57よりダッシュパネル側のサスタワーブレース50は車両上下方向となる。また、サスペンションタワー40に締結されているサスタワーブレース50の第1締結部58はサスペンションタワー40の上端41に沿って車両前後方向に水平に延びる。つまり、サスタワーブレース50は、図9に示すように、孔57よりダッシュパネル側が車両上下方向に立ちあがり、孔57よりサスペンションタワー側が略水平方向に延びるL字型状に変形する。そして、サスタワーブレース50は、図9の矢印S32に示すように、車両上下方向に延びる縦部材としてサスペンションタワー40を下方向に押し付ける。このため、図9に矢印S33で示すように略垂直下向きの力がサスペンションタワー40からフロントサイドメンバ20に加わる。
この状態では、接続メンバ25とフロントサイドメンバ20の変形により、図9の矢印S34に示すように、フロントサイドメンバ20には接続メンバ25から車両上側に向かう力がかかる。これによってフロントサイドメンバ20は上方向に湾曲しようとする。しかし、先に説明したように、フロントサイドメンバ20にはサスペンションタワー40からの下向きの力が掛かっているので、フロントサイドメンバ20が上方向に大きく湾曲することを抑制することができる。このため、フロントサイドメンバ20は、車両幅方向に更に湾曲して車両前後方向につぶれることにより衝突荷重を十分に吸収することができ、ダッシュパネル30の後退を抑制することができる。
また、本実施形態の前部構造60は、ダッシュクロスメンバ31の車両幅方向の端部がフロントピラー内側ガセット38に締結されており、フロントピラー内側ガセット38がフロントピラー10に締結され、前突時にダッシュクロスメンバ31に掛かる衝突荷重をフロントピラー10で受け止める。このため、ダッシュクロスメンバ31からサスペンションタワー40に掛かる車両前方下向きの力を大きくし、フロントサイドメンバ20を車両下方向に押し付ける力を大きくしてフロントサイドメンバ20が上方向に大きく湾曲することをより抑制することができる。これにより、より効果的にダッシュパネル30の後退を抑制することができる。
このように、本実施形態の前部構造60は、前突時のフロントサイドメンバ20の車両上側への変形を抑制し、ダッシュパネル30の後退を抑制することができる。
以上説明した実施形態では、孔57を設けることによりこの部分の圧縮強度、曲げ強度が低くなる強度低減部を構成して応力集中を発生させ、座屈変形が発生するようにしたが、これに限らず、例えば、ウェブ51の車両下側の面に凸状の溶接ビードを設け、この部分に応力を集中させて溶接ビードを境にサスタワーブレース50がL字型に座屈変形するようにしてもよい。また、ウェブ51の車両上側の面に複数のノッチを配置し、ノッチに応力を集中させてノッチを境にサスタワーブレース50がL字型に座屈変形するようにしてもよい。
以上説明した実施形態では、サスタワーブレース50は、ウェブ51とウェブ51を挟んで対向する2つのフランジ52とを有する溝形断面部材であり、ウェブ51が車両上側で、フランジ52が車両上下方向に延びるように配置されていることとして説明したが、この形状に限定されるものではない。例えば、箱型断面の部材であり、サスペンションタワー40の上端41との第1締結部58の近傍に強度低減用の孔57を設けるようにしてもよいし、板状、棒状の部材で構成してもよい。
このように、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲により規定されている本発明の技術的範囲ないし本質から逸脱することない全ての変更及び修正を包含するものである。
10 フロントピラー、11 フロントピラー外側パネル、12、14 接続リブ、13 フロントピラー内側パネル、20 フロントサイドメンバ、21、22、31a、32a、33a、53、55 締結リブ、25 接続メンバ、30 ダッシュパネル、31 ダッシュクロスメンバ、32 フロントピラーブレース、32f、33f 立上部、32w、33w 凸部、33 ガセット本体、33b 締結部、35 クロス補強部材、37 ボルト、38 フロントピラー内側ガセット、40 サスペンションタワー、41 上端、43 カウリング部、44 円筒部、45 第2ホイールハウス、49 第1ホイールハウス、50 サスタワーブレース、51 ウェブ、52 フランジ、54、56 スポット溶接点、57 孔、58 第1締結部、59 第2締結部、60 前部構造、65 フロント補強部材、66 エンジンルーム、70 アッパメンバ、80 前部骨格、85 車室骨格、86 車室、90 後部骨格、100 自動車。

Claims (5)

  1. 車両前部構造であって、
    車室の前方を区画するダッシュパネルと、
    前記ダッシュパネルに取り付けられて車両幅方向に延びるダッシュクロスメンバと、
    前記ダッシュパネルの車両前方側に配置されるフロントサイドメンバと、
    前記フロントサイドメンバの上部と締結されるサスペンションタワーと、
    一端が前記ダッシュクロスメンバに締結され、他端が前記サスペンションタワーの上端に締結されるサスタワーブレースと、を備え、
    前記ダッシュクロスメンバは前記サスペンションタワーの上端よりも車両上方側に配置され、
    前記サスタワーブレースは、前記サスペンションタワーの上端との第1締結部が前記ダッシュクロスメンバとの第2締結部よりも車両下方側となるように傾斜して前記サスペンションタワーの上端と前記ダッシュクロスメンバとを車両前後方向に接続する車両前部構造。
  2. 請求項1に記載の車両前部構造であって、
    前記サスタワーブレースは、前記第1締結部の近傍に強度低減部を有する車両前部構造。
  3. 請求項2に記載の車両前部構造であって、
    前記サスタワーブレースは、ウェブと前記ウェブを挟んで対向する2つのフランジとを有する溝形断面部材であり、前記ウェブが前記フランジより車両上側で、前記フランジが車両上下方向に延びるように配置され、前記フランジが前記ダッシュクロスメンバに締結され、前記ウェブが前記サスペンションタワーの上端に締結されており、
    前記ウェブの前記第1締結部の近傍に前記強度低減部を形成する孔が設けられている車両前部構造。
  4. 請求項3に記載の車両前部構造であって、
    前記フランジの高さが第2締結部側から第1締結部側に向かって低くなっている車両前部構造。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の車両前部構造であって、
    前記ダッシュパネルの車両後方側に配置されたフロントピラーと、
    前記フロントピラーに締結されたフロントピラー内側ガセットと、を含み、
    前記ダッシュクロスメンバの車両幅方向の端部が前記フロントピラー内側ガセットに締結されている車両前部構造。
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