JP6068669B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車等の車体前部構造に関する。
例えば、特許文献1には、図17に示されるように、シートの中心を結んだ仮想線(一点鎖線)が菱形となるように、車両の車室内に4つのシートを配置する構成が開示されている。
特許文献1のように4つのシートを菱形に配置した場合、車両前方の中央には、センタドライバシートAが位置することとなる。
特許第4873288号公報
ところで、例えば、右ハンドル仕様や左ハンドル仕様の自動車のように車幅方向の片側(一側又は他側)にドライバシートが配置される通常の車体構造を、そのまま特許文献1のようなセンタドライバ仕様の車両に適用してセンタドライバを保護することが困難である。このため、センタドライバを保護するための特別な構造が要請されている。
また、センタドライバ仕様の車体構造とした場合に、通常の自動車の車体構造と比較してより一層の小型化及び軽量化が希求されている。
本発明の一般的な目的は、センタドライバ仕様の車体構造において、車体の小型化及び軽量化を図ることが可能な車体前部構造を提供することにある。
本発明の主たる目的は、前面衝突荷重が車体に付与されたときにセンタドライバを保護することが可能な車体前部構造を提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明は、車幅方向の中央且つ左右フロントピラーの近傍位置に配置される単一のセンタドライバシートと、前記センタドライバシートの前方を囲むように前記左右フロントピラー間に両端部が接合され、車両前方に向かって凸形状のアーチ状に湾曲して形成されるダッシュロアクロスメンバと、前記ダッシュロアクロスメンバの車両前方に配置され、該ダッシュロアクロスメンバの中央の頂点に前面衝突荷重を伝達する荷重伝達機構と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、単一のセンタドライバシートが車幅方向の中央且つ左右フロントピラーの近傍位置に配置されることで、センタドライバ仕様が可能となり、車体の小型化及び軽量化を達成することができる。また、本発明によれば、ダッシュロアクロスメンバが車両前方に向かって凸形状のアーチ状に湾曲して形成されることで、ダッシュロアクロスメンバの前方からの荷重に対する耐力を高めることができる。さらに、本発明によれば、例えば、衝突物と車幅中央位置で前面衝突した場合、荷重伝達機構によって伝達された前面衝突荷重をダッシュロアクロスメンバで吸収することができる。さらにまた、本発明によれば、ダッシュロアクロスメンバの両端部が左右フロントピラー間に接合されているため、左右フロントピラーを介して前面衝突荷重を車体の左右両側に均等に分散させることができる。なお、左右均等に分散された前面衝突荷重は、ダッシュロアクロスメンバから左右フロントピラーやサイドシル等に伝達される。
また、本発明は、前記荷重伝達機構が、左右前輪の内側に配置され、平面視して略U字状の頂部が車両前方に向かって突出する略U字フレームであることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、衝突物(ポール等の路面に立設する柱状物)と前面衝突した際、この衝突物を略U字フレームの前面に沿って滑らせて衝突荷重をいなす(そらす)ことで、センタドライバシートに乗席するセンタドライバを保護することができる。また、本発明によれば、フロントオーバハングを伸ばすことがないため、車体重量の増加を回避してフロント骨格部の軽量化を達成することができる。さらに、本発明によれば、ダッシュロアクロスメンバを車両前方に向かって凸形状のアーチ状に湾曲して形成することにより、車体の片側にドライバシートが配置された従来の車両と比較して、センタドライバの足元スペースを左右フロントピラーよりも前方位置に確保することができる。このため、本発明では、キャビン内のスペースをセンタドライバの足元スペース分だけ拡大することができると共に、センタドライバ位置の車両前後方向への自由度(レイアウト)を増大させることができる。
さらに、本発明は、前記略U字フレームが、前記頂部を間にした左右のスライド面を有することを特徴とする。
本発明によれば、衝突物(ボール等の路面に立設する柱状物)と前面衝突した際、左右のスライド面に沿って衝突物を円滑に滑らせて衝突荷重をいなす(そらす)ことができるため、衝突荷重の緩衝性を向上させることができる。また、センタドライバの足元スペースをさらに車両前方位置に確保することができる。なお、左右のスライド面は、車幅方向外側に向かうにつれて車両後方に位置するように設けられるとよい。
さらにまた、本発明は、前記左右フロントピラーが、前記ダッシュロアクロスメンバとの結合部から下方位置で車両後方に傾斜させてサイドシル前端に結合されることを特徴とする。
本発明によれば、仮に、左右フロントピラーを鉛直下方向の位置でサイドシル前端に結合した場合と比較して、左右フロントピラーを車両後方に傾斜させた分だけセンタドライバの足元スペースを、車両前方の位置に確保することができる。
さらにまた、本発明は、前記左右脚部の後部に接合される連結部材が設けられ、前記連結部材は、ダッシュロアパネルの傾斜面に沿って延在すると共に、前記連結部材の下部は、フロアの前後方向に延びる左右フロアフレームと、車両前方に向かって湾曲するアウトリガーを介して前記サイドシル前端とにそれぞれ接合されることを特徴とする。
本発明によれば、前面衝突時に入力される衝突荷重を、左右脚部の後部に接合される連結部材を介して、キャビンを構成する左右フロアフレーム、アウトリガー、及び、サイドシルによって吸収することにより、キャビン全体で受容することができる。また、本発明によれば、ダッシュロアパネルを車両前方に傾斜(湾曲)させることで、センタドライバの足元スペースを増大させることができる。
さらにまた、本発明は、前記左右脚部間に、左脚部と右脚部とを繋ぐ拘束部材が架設されることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、衝突物と車幅中央位置で前面衝突した際、略U字フレームの左右脚部が拘束部材で拘束されているため、略U字フレームの頂部が衝突荷重によってダッシュロアクロスメンバ側に変形し、衝突荷重をダッシュロアクロスメンバで吸収することができる。
さらにまた、本発明は、前記略U字フレーム及び前記ダッシュロアクロスメンバが、所定断面からなる中空管で形成されることを特徴とする。
本発明によれば、中空管で構成される略U字フレーム及びダッシュロアクロスメンバの断面積を小さくしても、所定の強度・剛性を確保しつつ軽量化を達成することができると共に、容易に製造することができる。
さらにまた、本発明は、前記略U字フレームと前記ダッシュロアクロスメンバとが、上部側ブラケット及び下部側ブラケットによって上下方向から挟み込んで結合されることを特徴とする。
本発明によれば、略U字フレーム及びダッシュロアクロスメンバの曲率等の製造誤差を、上部側ブラケット及び下部側ブラケットによって上下方向から挟み込んで結合することで好適に吸収することができる。
さらにまた、本発明は、前記ダッシュロアクロスメンバの湾曲形状が、前記センタドライバシートに着席するセンタドライバに対して左右対称であり、前記センタドライバシートの下方のフロアパネルに隆起部が設けられ、前記隆起部には、燃料タンク又は走行駆動源が配置されることを特徴とする。
本発明によれば、このように構成することで、センタドライバシートを車体前部に近接配置することが可能となり、例えば、フォミュラーワン(F1)ドライバのような走行感覚が得られると共に、前方視界が良好となり前方視界とセンタドライバの車体感覚とのズレを無くすことができる。
さらにまた、本発明は、前記荷重伝達機構が、前記ダッシュロアクロスメンバの前面に接合され、車両前後方向に延びる左右フロントサイドフレーム前部と、前記左右フロントサイドフレーム前部の前端に両端部が接合されるフロントクロスメンバと、を備え、前記ダッシュロアクロスメンバは、車両前方に向かって凸形状のアーチ状に湾曲して形成され、前記フロントクロスメンバは、車両後方に向かって凸形状のアーチ状に湾曲して形成され、前記フロントクロスメンバの凸形状の頂点と、前記ダッシュロアクロスメンバの凸形状の頂点とが接合されることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、前面衝突時において、左右フロントサイドフレーム前部の一方から入力された衝突荷重の一部は、車両後方に向かって湾曲するフロントクロスメンバに伝達され、さらに、相互に接合された頂点同士を介して、フロントクロスメンバから車両前方に向かって湾曲するダッシュロアクロスメンバに伝達されて衝突荷重を左右に分散させることができる。左右に分散された衝突荷重は、ダッシュロアクロスメンバから左右フロントピラーに伝達される。また、前面衝突時において、左右フロントサイドフレーム前部の一方から入力された衝突荷重の残部は、左右フロアフレームやサイドシル等に伝達される。このように本発明では、例えば、前面衝突時に入力された衝突荷重をキャビン全体で受容することにより、車体の小型化及び軽量化を達成することができる。さらに、本発明によれば、車体の片側にドライバシートが配置された従来の車両と比較して、センタドライバの足元スペースを左右フロントピラーよりも前方位置に確保することができる。このため、本発明では、キャビン内のスペースをセンタドライバの足元スペース分だけ拡大することができると共に、センタドライバ位置の車両前後方向への自由度(レイアウト)を増大させることができる。
また、本発明は、前記左右フロントピラーが、前記ダッシュロアクロスメンバとの結合部から下方位置で車両後方に傾斜させてサイドシル前端に結合されることを特徴とする。
本発明によれば、仮に、左右フロントピラーを鉛直下方向の位置でサイドシル前端に結合した場合と比較して、左右フロントピラーを車両後方に傾斜させた分だけセンタドライバの足元スペースを、車両前方の位置に確保することができる。
さらに、本発明は、前記左右フロントサイドフレーム前部に連続する左右フロントサイドフレーム後部が設けられ、前記左右フロントサイドフレーム後部が、ダッシュロアパネルの傾斜面に沿って延在すると共に、フロアの前後方向に延びる左右フロアフレームと、車両前方に向かって湾曲するアウトリガーを介して前記サイドシル前端とにそれぞれ接合されることを特徴とする。
本発明によれば、前面衝突時に入力される衝突荷重を、キャビンを構成する左右フロントサイドフレーム、アウトリガー、及び、サイドシルによって吸収することにより、キャビン全体で受容することができる。また、本発明によれば、ダッシュロアパネルを車両前方に湾曲させることで、センタドライバの足元スペースを増大させることができる。
さらにまた、本発明は、前記左右フロントサイドフレーム前部及び前記フロントクロスメンバが、前記ダッシュロアクロスメンバよりも耐荷重の耐力が小さく設定されることを特徴とする。
本発明によれば、このように設定することにより、前面衝突時に入力される衝突荷重で左右フロントサイドフレーム前部及びフロントクロスメンバが、ダッシュロアクロスメンバよりも優先的に潰れて衝撃荷重を好適に吸収することができる。
さらにまた、本発明は、前記左右フロントサイドフレーム前部及び前記フロントクロスメンバが、所定断面からなる中空管であり、内側の前記左右フロントサイドフレーム前部を外側の前記左右フロントサイドフレーム後部で挟み込んで嵌合することを特徴とする。
本発明によれば、中空管で構成される左右フロントサイドフレーム前部及びフロントクロスメンバの断面積を小さくしても、所定の強度・剛性を確保しつつ軽量化を達成することができると共に、容易に製造することができる。
さらにまた、本発明は、前記左右フロントサイドフレーム前部と前記フロントクロスメンバの両端部とが、水平方向に隣接する側面同士を重ね合わせて接合されることを特徴とする。
本発明によれば、左右フロントサイドフレーム前部がフロントクロスメンバの両端部と水平方向に隣接する側面同士で重ね合わされて接合され、延在方向と直交する断面積がフロントサイドフレームの断面積とフロントクロスメンバの断面積とが合算された断面積となって増大することにより、前面衝突時の衝突荷重に対する反力を増大させることができる。さらに、前面衝突に入力される衝突荷重によって、左右フロントサイドフレーム前部及びフロントクロスメンバの両端部が同時又は略同時に潰されることにより、衝突荷重の吸収量を増大させることができる。
さらにまた、本発明は、前記ダッシュロアクロスメンバの頂点と前記左右フロアフレーム間とを連結する荷重伝達部材が設けられることを特徴とする。
本発明によれば、荷重伝達部材によって、ダッシュロアパネルの前後位置に略トラス(truss)構造を設けることができ、センタドライバの前方に位置するダッシュロアパネルの強度・剛性を向上させることができる。さらに、前面衝突の際、ダッシュロアパネルの後方に位置する略トラス構造が、ダッシュロアパネルの前方に位置する略トラス構造を潰して圧壊を促進して衝突荷重の吸収量を増大させることができる。
さらにまた、本発明は、前記ダッシュロアクロスメンバの頂点と、前記左右フロントピラー間を連結するステアリングハンガとを接合する他の荷重伝達部材が架設されることを特徴とする。
本発明によれば、他の荷重伝達部材によって、ダッシュロアパネルの前後位置に略トラス(truss)構造を設けることができ、センタドライバの前方に位置するダッシュロアパネルの強度・剛性を向上させることができる。さらに、前面衝突の際、ダッシュロアパネルの後方に位置する略トラス構造が、ダッシュロアパネルの前方に位置する略トラス構造を潰して圧壊を促進して衝突荷重の吸収量を増大させることができる。
さらにまた、本発明は、前記ダッシュロアクロスメンバの湾曲形状が、前記センタドライバシートに着席するセンタドライバに対して左右対称であり、前記センタドライバシートの下方のフロアパネルに隆起部が設けられ、前記隆起部には、燃料タンク又は走行駆動源が配置されることを特徴とする。
本発明によれば、このように構成することで、センタドライバシートを車体前部に近接配置することが可能となり、例えば、フォミュラーワン(F1)ドライバのような走行感覚が得られると共に、前方視界が良好となり前方視界とセンタドライバの車体感覚とのズレを無くすことができる。
さらにまた、本発明は、前記左右フロントピラーから車両前方且つ下方に延びるアッパメンバ前端が設けられ、前記アッパメンバ前端は、前記左右フロントサイドフレーム前部の前端に接合されることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、オフセット前面衝突の際、過大な衝撃荷重が、左右フロントサイドフレームの一方及びフロントクロスメンバに入力されると共に、アッパメンバにも入力されて衝撃荷重の分散化を達成することができる。
本発明では、センタドライバ仕様の車体構造において、車体の小型化及び軽量化を図ると共に、衝突荷重が車体に付与されたときにセンタドライバを保護することが可能な車体前部構造を得ることができる。
本発明の実施形態に係る車体前部構造が適用された車体前部の透過斜視図である。 図1に示す車体前部構造の斜視図である。 (a)は、図1に示す車体前部構造の斜視図、(b)は、(a)のI−I線に沿った拡大断面図である。 (a)は、図1に示す車体前部構造の斜視図、(b)は、上部側ブラケット及び下部側ブラケットによって略U字フレーム及びダッシュロアクロスメンバを挟み込んで結合される状態を示す分解斜視図、(c)は、一体成形された三股筒状体からなる継手の斜視図、(d)は、(a)のII−II線に沿った拡大断面図、(e)は、(a)のIII−III線に沿った拡大断面図である。 (a)は、センタドライバシートAの下方に隆起部を設けた状態を示す車体前部の斜視図、(b)は、(a)に示す車体前部から車体側部及びセンタドライバシートを外した状態を示す斜視図である。 前面衝突時に入力される衝突荷重を略U字フレームのスライド面によっていなす状態を示す平面模式図である。 (a)は、略U字フレームの頂部から衝突荷重が入力される状態を示す平面模式図、(b)は、衝突荷重によって略U字フレームが潰れた状態を示す平面模式図である。 本発明の他の実施形態に係る車体前部構造が適用された車体前部の透過斜視図である。 図8に示す車体前部構造の斜視図である。 図9に示す車体前部構造からアッパメンバを省略した斜視図である。 (a)は、フロントサイドフレーム前部とフロントサイドフレーム後部との接合状態、及び、フロントサイドフレーム前部とフロントクロスメンバとの接合状態を示す斜視図、(b)は、(a)におけるB部の断面図、(c)は、(a)のIV−IV線に沿った拡大断面図である。 (a)は、センタドライバシートAの下方に隆起部を設けた状態を示す車体前部の斜視図、(b)は、(a)に示す車体前部から車体側部及びセンタドライバシートを外した状態を示す斜視図である。 (a)は、前面衝突時に、左フロントサイドフレーム前部から入力された衝突荷重の伝達経路を示す平面模式図、(b)は、センタドライバの足元スペースを示す平面模式図である。 (a)は、左フロントサイドフレーム前部から衝突荷重が入力される状態を示す平面模式図、(b)は、衝突荷重によって左右フロントサイドフレーム前部及びフロントクロスメンバが、ダッシュロアクロスメンバよりも優先的に潰れた状態を示す平面模式図である。 (a)は、本発明のさらに他の実施形態に係る車体前部構造の平面模式図、(b)は、(a)のV−V線に沿った縦断面図である。 (a)は、本発明のさらに他の実施形態に係る車体前部構造の斜視図、(b)は、(a)のVI−VI線に沿った縦断面図である。 従来技術に係る複数のシート配置を示す斜視図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車体前部構造が適用された車体前部の透過斜視図、図2は、図1に示す車体前部構造の斜視図である。なお、各図中に矢印で示される、「前後」及び「上下」は、車両の前後方向及び上下方向を示し、「左右」は、運転席から見た左右方向(車幅方向)をそれぞれ示している。
図1、図2に示されるように、本発明の実施形態に係る車体前部構造10は、車両前方で且つ車幅方向の中央に配置される単一のセンタドライバシートA(図1参照)と、センタドライバシートAの前方を囲むように左右フロントピラー12、12間に両端部が接合されるダッシュロアクロスメンバ14と、左右前輪Tの内側に配置され、平面視して略U字状に形成される略U字フレーム18とを備えて構成されている。なお、単一のセンタドライバシートAは、左右フロントピラー12、12の近傍位置に配置されている。
略U字フレーム18は、車両前方に向かって突出する頂部18aと、車幅方向に所定間隔離間し車両後方に延在する左右の脚部18b、18b(以下、左右の脚部全体を示すときは、単に「脚部18b」という)とから構成される。略U字フレーム18の脚部18bは、後記する上部側ブラケット16a及び下部側ブラケット16bを介してダッシュロアクロスメンバ14の前面14aに結合されている。
また、略U字フレーム18には、頂部18aを間にした両側湾曲面からなる左右のスライド面20が設けられている。左右のスライド面20は、頂部18aと脚部18bとの間に配置され、車幅方向外側に向かうにつれて車両後方に位置(傾斜)するように設けられている。この左右のスライド面20は、後記するように、衝突物M(後記する図6参照)をスライド面20上に沿って滑らすことにより、衝突荷重をいなす機能を営むものである。
さらに、略U字フレーム18の左右脚部18b、18b間には、後記する図7(a)に示されるように、左脚部18bと右脚部18bとを繋ぐ拘束部材21が架設されるとよい。この拘束部材21は、例えば、ワイヤ等の高強度連結部材からなり、脚部18bをワイヤで拘束(保持)した状態で、例えば、前面衝突時に頂部18aをダッシュロアクロスメンバ14側に変形させることができる(後記する図7(b)参照)。
ダッシュロアクロスメンバ14は、車両前方に向かって凸形状のアーチ状に湾曲して形成されている。略U字フレーム18は、車両前方に向かって平面視して略U字状に湾曲して形成されている。この場合、略U字フレーム18の頂部近傍の円弧部位の曲率半径は、ダッシュロアクロスメンバ14の曲率半径よりも小さく設定されている(図6参照)。
図3(a)は、図1に示す車体前部構造の斜視図、図3(b)は、図3(a)のI−I線に沿った拡大断面図である。
図3(b)に示されるように、略U字フレーム18及びダッシュロアクロスメンバ14は、矩形断面(所定断面)からなる中空管で構成されている。この場合、中空管からなる略U字フレーム18とダッシュロアクロスメンバ14とは、上部側ブラケット16a及び下部側ブラケット16bによって上下方向から挟み込んで結合されている(後記する図4(d)参照)。
なお、中空管である略U字フレーム18及びダッシュロアクロスメンバ14は、例えば、鋼板をロールフォーム成形した後、加熱処理加工によって高強度化して形成されるとよい。また、略U字フレーム18及びダッシュロアクロスメンバ14を、アルミニウム押し出し成形やFRP(Fiber Reinforced Plastics)によって形成してもよい。さらに、鋼板をロールフォーム成形で中空管を形成した後、例えば、熱間3次元曲げ加工等によって高強度化して形成されるようにしてもよい。さらにまた、アルミニウム押し出し成形中又はアルミニウム押し出し成形後に、曲げ加工によって形成するようにしてもよい。さらにまた、マンドレル(芯金)にFRPを巻き付けて硬化させるようにしてもよい。
図4(a)は、図1に示す車体前部構造の斜視図、図4(b)は、上部側ブラケット及び下部側ブラケットによって略U字フレーム及びダッシュロアクロスメンバを挟み込んで結合される状態を示す分解斜視図、図4(c)は、一体成形された三股筒状体からなる継手の斜視図、図4(d)は、図4(a)のII−II線に沿った拡大断面図、図4(e)は、図4(a)のIII−III線に沿った拡大断面図である。
図4(b)に示されるように、上部側ブラケット16aは、平面視して略T字を呈し断面略ハット状に形成されている。平面視して略T字に形成することで、略U字フレーム18及びダッシュロアクロスメンバ14の結合部位の形状に対応させることができる。断面略ハット状の部分には、下部側ブラケット16bと溶接される接合フランジ17が設けられている。
下部側ブラケット16bは、上部側ブラケット16aの形状に対応し、平面視して略T字状からなる平板状のプレート部材によって形成されている。図4(b)、図4(d)に示されるように、略U字フレーム18の脚部18bの後端とダッシュロアクロスメンバ14の湾曲する中間部とは、上部側ブラケット16a及び下部側ブラケット16bによって上下方向から挟み込まれた状態で一体的に結合されている。上部側ブラケット16a及び下部側ブラケット16bは、例えば、MIG溶接(Metal Inert Gas Welding)やレーザ溶接等によって接合される(図4(e)参照)。なお、図4(c)に示されるように、上部側ブラケット16aと下部側ブラケット16bとを一体成形して三股筒状体からなる継手16cを構成することで、応力が集中する継手16cの剛性・強度を向上させることができる。
図2に戻って、略U字フレーム18の脚部18bの後部には、連結部材22の上部が接合されている。連結部材22は、ダッシュロアパネル24の傾斜面に沿って延在するように設けられている。連結部材22の下部は、フロアパネル(フロア)26の前後方向に延びる左右フロアフレーム28、28と、車両前方に向かって湾曲するアウトリガー30を介してサイドシル前端32aとにそれぞれ接合されている。
図4(b)、図4(e)に示されるように、連結部材22の上端には、接合フランジ23が設けられている。この場合、図4(e)に示されるように、上部側ブラケット16aの接合フランジ17、下部側ブラケット16b、及び、連結部材22の接合フランジ23からなる三者が一体的に接合されることで、連結部材22の上部が略U字フレーム18の脚部18bに接合されている。
図2に示されるように、左右フロントピラー12は、ダッシュロアクロスメンバ14との結合部36から下方位置で車両後方に傾斜させてサイドシル前端32aに結合されている。サイドシル前端32aは、車幅方向の側端で車両後方に向かって延在するサイドシル32の前方に位置している。
ダッシュロアクロスメンバ14の湾曲形状は、後記する図6に示されるように、センタドライバシートAに着席するセンタドライバDに対して左右対称に構成されている。
図5(a)は、センタドライバシートAの下方に隆起部を設けた状態を示す車体前部の斜視図、図5(b)は、図5(a)に示す車体前部から車体側部及びセンタドライバシートを外した状態を示す斜視図である。
センタドライバシートAの下方のフロアパネル26には、図5(a)、図5(b)に示されるように、隆起部40が設けられている。この隆起部40は、フロアパネル26の平坦面から鉛直上方向に向かって膨出して形成されることにより、その内部に収容空間が形成される。この隆起部40の収容空間内には、例えば、図示しない燃料タンク又は走行駆動源(例えば、電動モータ、バッテリ等)が配置される。
本実施形態に係る車体前部構造10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
図6は、前面衝突時に入力される衝突荷重を略U字フレームのスライド面によっていなす状態を示す平面模式図、図7(a)は、略U字フレームの頂部から衝突荷重が入力される状態を示す平面模式図、図7(b)は、衝突荷重によって略U字フレームが潰れた状態を示す平面模式図である。
本実施形態では、図6に示されるように、例えば、衝突物M(ポール等の路面に立設する柱状物)と前面衝突した際、この衝突物Mを略U字フレーム18のスライド面20に沿って滑らせて衝突荷重をいなす(そらす)ことで、センタドライバシートAに乗席するセンタドライバDを保護することができる。
また、本実施形態では、図1に示されるような車体前部構造10を採用することで、フロントオーバハングを伸ばすことがないため、車体重量の増加を回避してフロント骨格部の軽量化を達成することができる。
さらに、本実施形態では、ダッシュロアクロスメンバ14を車両前方に向かって凸形状のアーチ状に湾曲して形成することにより、車幅方向に沿った車体前部の片側にドライバシートが配置された従来の車両と比較して、センタドライバDの足元スペースを左右フロントピラー12、12よりも前方位置(図6の領域G参照)に確保することができる。このため、本実施形態では、キャビン内のスペースをセンタドライバDの足元スペース分(領域G)だけ拡大することができると共に、車両前後方向へのセンタドライバ位置の自由度(レイアウト)を増大させることができる。
さらにまた、本実施形態では、図6に示されるように、衝突物M(ボール等の路面に立設する柱状物)と前面衝突した際、略U字フレーム18のスライド面20に沿って衝突物Mを円滑に滑らせて衝突荷重をいなす(そらす)ことができる。このため、本実施形態では、衝突荷重の緩衝性を向上させることができる。また、センタドライバDの足元スペースをさらに車両前方位置に確保することができる。
さらにまた、本実施形態では、仮に、左右フロントピラー12、12を鉛直下方向の位置でサイドシル前端32aに結合した場合と比較して、左右フロントピラー12、12を車両後方に向けて傾斜させて結合しているため(図2参照)、車両後方へ傾斜した分だけセンタドライバDの足元スペースを、車両前方の位置に確保することができる。換言すると、左右フロントピラー12、12は、サイドシル前端32aの位置から車両前方に向けて立ち上がるように傾斜させることで、車両前方側に向けて傾斜した分だけセンタドライバDの足元スペースを、車両前方の位置に確保することができる。
さらにまた、本実施形態では、前面衝突時に入力される衝突荷重を、キャビンを構成する連結部材22、アウトリガー30、及び、サイドシル32によって吸収することにより、キャビン全体で受容することができる。また、本実施形態では、ダッシュロアパネル24(図2参照)を車両前方に折曲(湾曲)させることで、センタドライバDの足元スペースをより一層増大させることができる。
さらにまた、本実施形態では、例えば、衝突物Mと車幅中央位置で前面衝突した際、図7(a)に示されるように、略U字フレーム18の脚部18bが、例えば、ワイヤ等の拘束部材21で拘束(保持)されているため、略U字フレーム18の頂部18aが衝突荷重によってダッシュロアクロスメンバ14側に変形し、衝突荷重をダッシュロアクロスメンバ14で吸収することができる(図7(b)参照)。
換言すると、略U字フレーム18の脚部18bを、例えば、ワイヤ等の拘束部材21で拘束(保持)することにより、略U字フレーム18に対して衝突荷重が入力されたときに脚部18bが車幅方向側に拡開しようとすることを防止し、略U字フレーム18の頂部18aがダッシュロアクロスメンバ14側に変形して衝突荷重を伝達することができる。
さらにまた、本実施形態では、中空管で構成される略U字フレーム18及びダッシュロアクロスメンバ14の断面積を小さくしても、所定の強度・剛性を確保しつつ軽量化を達成することができると共に、容易に製造することができる。
さらにまた、本実施形態では、図4(b)、図4(d)に示されるように、上部側ブラケット16a及び下部側ブラケット16bによって略U字フレーム18及びダッシュロアクロスメンバ14を上下方向から挟み込んで一体的に結合することで、略U字フレーム18及びダッシュロアクロスメンバ14の曲率等の製造誤差を好適に吸収することができる。
さらにまた、本実施形態では、センタドライバシートAの下方のフロアパネル26に隆起部40が設けられ、この隆起部40の収納空間内に図示しない燃料タンク又は走行駆動源が配置されることにより、キャビンスペースを拡大させて空間の有効利用を図ることができる。
さらにまた、本実施形態では、ダッシュロアクロスメンバ14の湾曲形状が、センタドライバシートAに着席するセンタドライバDに対して左右対称に構成することで、センタドライバシートAを車体前部に近接配置することが可能となり、例えば、フォミュラーワン(F1)のような走行感覚が得られると共に、前方視界が良好となり前方視界とセンタドライバDの車体感覚とのズレを無くすことができる。
次に、本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、図1〜図7に示す前記実施形態と同一の構成要素には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。図8は、本発明の実施形態に係る車体前部構造が適用された車体前部の透過斜視図、図9は、図8に示す車体前部構造の斜視図、図10は、図9に示す車体前部構造からアッパメンバを省略した斜視図である。
図9に示されるように、他の実施形態に係る車体前部構造10aは、ダッシュロアクロスメンバ14の前面に接合され、車両前後方向に直線状に延びる左右フロントサイドフレーム前部116、116と、左右フロントサイドフレーム前部116、116の前端116aに両端部18aが接合されるフロントクロスメンバ118と、左右フロントピラー12、12から車両前方且つ下方に延びるアッパメンバ120とを備えて構成されている。
左右フロントサイドフレーム前部116、116の後方には、左右フロントサイドフレーム前部116、116に連続する左右フロントサイドフレーム後部122、122がそれぞれ設けられている。左右フロントサイドフレーム後部122、122は、図10に示されるように、ダッシュロアパネル24の傾斜面に沿って延在すると共に、フロアパネル(フロア)26の前後方向に延びる左右フロアフレーム28、28と、車両前方に向かって湾曲するアウトリガー30を介してサイドシル前端32aとにそれぞれ接合されている。また、左右フロントサイドフレーム後部122、122の上端は、ダッシュロアクロスメンバ14の前面に接合されている。
ダッシュロアクロスメンバ14は、車両前方に向かって凸形状のアーチ状に湾曲して形成されている。フロントクロスメンバ118は、車両後方に向かって凸形状のアーチ状(平面視して略U字状)に湾曲して形成されている。フロントクロスメンバ118の凸形状の頂点と、ダッシュロアクロスメンバ14の凸形状の頂点とは、図示しない溶接手段によって接合されて結合点134となっている。
図9及び図10に示されるように、左右フロントピラー12は、ダッシュロアクロスメンバ14との結合部36から下方位置で車両後方に傾斜させてサイドシル前端32aに結合されている。サイドシル前端32aは、車幅方向の側端で車両後方に向かって延在するサイドシル32の前方に位置している。
図9に示されるように、左右フロントピラー12、12から車両前方且つ下方に傾斜して延びるアッパメンバ120の前端120aは、中間部材121を介して左右フロントサイドフレーム前部116、116の前端116aに接合されている。
図11(a)は、フロントサイドフレーム前部とフロントサイドフレーム後部との接合状態、及び、フロントサイドフレーム前部とフロントクロスメンバとの接合状態を示す斜視図、図11(b)は、図11(a)におけるB部の断面図、図11(c)は、図11(a)のIV−IV線に沿った拡大断面図である。
左右フロントサイドフレーム前部116、116及びフロントクロスメンバ118は、矩形断面(所定断面)からなる中空管で構成されている。この場合、内側の各フロントサイドフレーム前部116を外側の各フロントサイドフレーム後部122で挟み込んで嵌合されている。
図11(b)に示されるように、各フロントサイドフレーム後部122は、延在方向と直交する断面が略ハット状からなる突条部材122aと、突条部材122aに接合される平板状のプレート部材122bとから構成されている。各フロントサイドフレーム前部116は、突条部材122aとプレート部材122bとの間で形成される閉断面内に挟み込まれた状態で、相互に対向する上下左右の4箇所が接合される。内側の各フロントサイドフレーム前部116及び外側の各フロントサイドフレーム後部122は、例えば、MIG溶接(Metal Inert Gas Welding)やレーザ溶接等によって一体的に接合される。なお、左右フロントサイドフレーム前部116、116及びフロントクロスメンバ118は、ダッシュロアクロスメンバ14よりも耐荷重の耐力が小さく設定されている。この点については、後記で詳細に説明する。
なお、中空管である各フロントサイドフレーム前部116は、例えば、鋼板をロールフォーム成形した後、加熱処理加工によって高強度化して形成されるとよい。また、各フロントサイドフレーム前部116を、アルミニウム押し出し成形やFRP(Fiber Reinforced Plastics)によって形成してもよい。アーチ状に湾曲するフロントクロスメンバ118は、鋼板をロールフォーム成形で中空管を形成した後、例えば、熱間3次元曲げ加工等によって高強度化して形成されるとよい。また、フロントクロスメンバ118を、アルミニウム押し出し成形中又はアルミニウム押し出し成形後に、曲げ加工によって形成するとよい。さらに、フロントクロスメンバ118を、マンドレル(芯金)にFRPを巻き付けて硬化させるようにしてもよい。
図11(c)に示されるように、左右フロントサイドフレーム前部116、116とフロントクロスメンバ118の両端部118aとは、水平方向に隣接する側面同士を重ね合わせて接合されている。この接合方法は、フロントサイドフレーム前部116及びフロントサイドフレーム後部122の接合方法と同一である。なお、左右フロントサイドフレーム前部116、116の前端116a及びフロントクロスメンバ118の両端部118aには、矩形状の枠体からなる図示しないバルクヘッドが連結される。
ダッシュロアクロスメンバ14の湾曲形状は、後記する図13に示されるように、センタドライバシートAに着席するセンタドライバDに対して左右対称に構成されている。
図12(a)は、センタドライバシートAの下方に隆起部を設けた状態を示す車体前部の斜視図、図12(b)は、図12(a)に示す車体前部から車体側部及びセンタドライバシートを外した状態を示す斜視図である。
センタドライバシートAの下方のフロアパネル26には、図12(a)、図12(b)に示されるように、隆起部40が設けられている。この隆起部40は、フロアパネル26の平坦面から鉛直上方向に向かって膨出して形成されることにより、その内部に収容空間が形成される。この隆起部40の収容空間内には、例えば、図示しない燃料タンク又は走行駆動源(例えば、電動モータ、バッテリ等)が配置される。
他の実施形態に係る車体前部構造10aは、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
図13(a)は、前面衝突時に、左フロントサイドフレーム前部から入力された衝突荷重の伝達経路を示す平面模式図、図13(b)は、センタドライバの足元スペースを示す平面模式図、図14(a)は、左フロントサイドフレーム前部から衝突荷重が入力される状態を示す平面模式図、図14(b)は、衝突荷重によって左右フロントサイドフレーム前部及びフロントクロスメンバが、ダッシュロアクロスメンバよりも優先的に潰れた状態を示す平面模式図である。
本実施形態では、例えば、前面衝突時(前面衝突時)において、図13(a)に示されるように、左フロントサイドフレーム前部116の前端116aから入力された衝突荷重(前面衝突荷重)(F)の一部(F1)が、車両後方に向かって湾曲するフロントクロスメンバ118に伝達される。さらに、衝突荷重(F1)は、相互に接合された頂点同士(結合点134)を介して、フロントクロスメンバ118から車両前方に向かって湾曲するダッシュロアクロスメンバ14に伝達される。ダッシュロアクロスメンバ14の両端部は、それぞれ、左右フロントピラー12、12間に接合されているため、左右フロントピラー12、12を介して衝突荷重(F1)を車体の左右両側に均等に分散させることができる。左右均等に分散された衝突荷重(F1)は、ダッシュロアクロスメンバ14から左右フロントピラー12、12やサイドシル32等に伝達される。
同時に、左フロントサイドフレーム前部116の前端116aから入力された衝突荷重(F)の残部(F2)は、フロントサイドフレーム後部122及びアウトリガー30を介して、ダッシュロアクロスメンバ14、左フロアフレーム28やサイドシル32等に伝達される。このように他の実施形態では、例えば、前面衝突時に入力された衝突荷重(F)をキャビン全体で受容することにより、車体の小型化及び軽量化を達成することができる。
さらに、他の実施形態では、車幅方向に沿った車体前部の片側にドライバシートが配置された従来の車両と比較して、センタドライバDの足元スペースを左右フロントピラー12、12よりも前方位置(図13(b)の領域G参照)に確保することができる。このため、本実施形態では、キャビン内のスペースをセンタドライバDの足元スペース分(領域G)だけ拡大することができると共に、車両前後方向へのセンタドライバ位置の自由度(レイアウト)を増大させることができる。
さらにまた、他の実施形態では、仮に、左右フロントピラー12、12を鉛直下方向の位置でサイドシル前端32aに結合した場合と比較して、左右フロントピラー12、12を車両後方に向けて傾斜させて結合しているため(図9、図10参照)、車両後方へ傾斜した分だけセンタドライバDの足元スペースを、車両前方の位置に確保することができる。換言すると、左右フロントピラー12、12は、サイドシル前端32aの位置から車両前方に向けて立ち上がるように傾斜させることで、車両前方側に向けて傾斜した分だけセンタドライバDの足元スペースを、車両前方の位置に確保することができる。
さらにまた、他の実施形態では、前面衝突時に入力される衝突荷重を、キャビンを構成する左右フロントサイドフレーム後部122、アウトリガー30、及び、サイドシル32によって吸収することにより、キャビン全体で受容することができる。また、本実施形態では、ダッシュロアパネル24(図9、図10参照)を車両前方に折曲(湾曲)させることで、センタドライバDの足元スペースをより一層増大させることができる。
さらにまた、他の実施形態では、左右フロントサイドフレーム前部116、116及びフロントクロスメンバ118が、ダッシュロアクロスメンバ14よりも耐荷重の耐力が小さく設定されている。このように設定されることで、図14(a)と図14(b)とを比較して諒解されるように、前面衝突時に入力される衝突荷重で左右フロントサイドフレーム前部116、116及びフロントクロスメンバ118が、ダッシュロアクロスメンバ14よりも優先的に潰れて衝撃荷重(F)を好適に吸収することができる。
換言すると、車体前部構造10aにおいて、前側を構成する前側構成要素(左右フロントサイドフレーム前部116、116及びフロントクロスメンバ118)と、後側を構成する後側構成要素(ダッシュロアクロスメンバ14)との間で耐荷重差を設定することにより、後側構成要素と比較して前側構成要素を軽量化することができる。
さらにまた、他の実施形態では、中空管で構成される左右フロントサイドフレーム前部116、116及びフロントクロスメンバ118の断面積を小さくしても、内側の各フロントサイドフレーム前部116を外側の各フロントサイドフレーム後部122で挟み込んで嵌合することにより、所定の強度・剛性を確保しつつ軽量化を達成することができると共に、容易に製造することができる。
さらにまた、他の実施形態では、左右フロントサイドフレーム前部116、116がフロントクロスメンバ118の両端部と水平方向に隣接する側面同士で重ね合わされて接合され、延在方向と直交する断面積が各フロントサイドフレーム前部116の断面積とフロントクロスメンバ118の断面積とが合算された断面積となって増大することにより、前面衝突時の衝突荷重に対する反力を増大させることができる。また、他の実施形態では、前面衝突に入力される衝突荷重によって、左右フロントサイドフレーム前部116、116及びフロントクロスメンバ118の両端部が同時又は略同時に潰されることにより、衝突荷重の吸収量を増大させることができる。
さらにまた、他の実施形態では、センタドライバシートAの下方のフロアパネル26に隆起部40が設けられ、この隆起部40の収納空間内に図示しない燃料タンク又は走行駆動源が配置されることにより、キャビンスペースを拡大させて空間の有効利用を図ることができる。
さらにまた、他の実施形態では、ダッシュロアクロスメンバ14の湾曲形状が、センタドライバシートAに着席するセンタドライバDに対して左右対称に構成することで、センタドライバシートAを車体前部に近接配置することが可能となり、例えば、フォミュラーワン(F1)のような走行感覚が得られると共に、前方視界が良好となり前方視界とセンタドライバDの車体感覚とのズレを無くすことができる。
さらにまた、他の実施形態では、アッパメンバ120の前端120aが、左右フロントサイドフレーム前部116の前端116aに接合されることにより、例えば、オフセット前面衝突の際、過大な衝撃荷重が、左右フロントサイドフレーム前部116、116の一方及びフロントクロスメンバ118に入力されると共に、アッパメンバ120にも入力されて衝撃荷重の分散化を達成することができる(図14(b)参照)。
次に、本発明のさらに他の実施形態に係る車体前部構造10bについて説明する。図15(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係る車体前部構造の平面模式図、図15(b)は、図15(a)のV−V線に沿った縦断面図である。さらに他の実施形態に係る車体前部構造10bでは、ダッシュロアクロスメンバ14の頂点(結合点134)の後面と、左右フロアフレーム28、28間とを連結する第1荷重伝達部材(荷重伝達部材)150が設けられている点で前記他の実施形態と相違している。
図15(a)、図15(b)に示されるように、第1荷重伝達部材150は、ダッシュロアクロスメンバ14の頂点(結合点134)の後面に接合されダッシュロアクロスメンバ14から鉛直下方向に延在する鉛直部152と、鉛直部152の下端に接合され前記鉛直部152の下端から左右方向に開くと共に下方に傾斜して左右フロアフレーム28、28に接合される左右傾斜部154、154とから構成される。鉛直部152及び左右傾斜部154、154は、例えば、断面矩形状の中空の金属製管体、又は、断面円形又は矩形状の金属製中実体等によって形成されるとよい。
さらに他の実施形態に係る車体前部構造10bでは、第1荷重伝達部材150によって、ダッシュロアパネル24の前後位置に略トラス(truss)構造を設けることができ、センタドライバDの前方に位置するダッシュロアパネル24の強度・剛性を向上させることができる。例えば、前面衝突の際、ダッシュロアパネル24の後方に位置する略トラス構造(三角形T2参照)が、ダッシュロアパネル24の前方に位置する略トラス構造(三角形T1参照)を潰して圧壊を促進し衝突荷重の吸収量を増大させることができる。
続いて、本発明のさらに他の実施形態に係る車体前部構造10cについて説明する。図16(a)は、本発明のさらに他の実施形態に係る車体前部構造の斜視図、図16(b)は、図16(a)のVI−VI線に沿った縦断面図である。さらに他の実施形態に係る車体前部構造10cでは、第2荷重伝達部材(他の荷重伝達部材)160が略水平方向に沿って架設されている点で前記他の実施形態及び前記さらに他の実施形態と相違している。
この第2荷重伝達部材160は、延在方向と直交する断面が矩形状の中空体からなり、その前端がダッシュロアクロスメンバ14の頂点(結合点134)の後面と接合され、その後端が左右フロントピラー12、12間を連結するステアリングハンガ162の中央に接合されている。
さらに他の実施形態に係る車体前部構造10cでは、第2荷重伝達部材160によって、ダッシュロアパネル24の前後位置に略トラス(truss)構造を設けることができ、センタドライバDの前方に位置するダッシュロアパネル24の強度・剛性を向上させることができる。例えば、前面衝突の際、ダッシュロアパネル24の後方に位置する略トラス構造(三角形T3参照)が、ダッシュロアパネル24の前方に位置する略トラス構造(三角形T1参照)を潰して圧壊を促進し衝突荷重の吸収量を増大させることができる。
10、10a、10b、10c 車体前部構造
12 左右フロントピラー
14 ダッシュロアクロスメンバ
14a 前面
16a 上部側ブラケット
16b 下部側ブラケット
18 略U字フレーム
18a 頂部
18b 脚部
20 スライド面
21 拘束部材
22 連結部材
24 ダッシュロアパネル
26 フロアパネル
28 左右フロアフレーム
30 アウトリガー
32 サイドシル
32a サイドシル前端
40 隆起部
116 左右フロントサイドフレーム前部
118 フロントクロスメンバ
120 アッパメンバ
120a アッパメンバ前端
122 左右フロントサイドフレーム後部
150 第1荷重伝達部材(荷重伝達部材)
160 第2荷重伝達部材(他の荷重伝達部材)
162 ステアリングハンガ
A センタドライバシート
D センタドライバ

Claims (8)

  1. 車幅方向の中央且つ左右フロントピラーの近傍位置に配置される単一のセンタドライバシートと、
    前記センタドライバシートの前方を囲むように前記左右フロントピラー間に両端部が接合され、車両前方に向かって凸形状のアーチ状に湾曲して形成されるダッシュロアクロスメンバと、
    前記ダッシュロアクロスメンバの車両前方に配置され、該ダッシュロアクロスメンバの中央の頂点に前面衝突荷重を伝達する荷重伝達機構と、
    を備え、
    前記荷重伝達機構は、
    左右前輪の内側に配置され、平面視して略U字状の頂部が車両前方に向かって突出する略U字フレームであることを特徴とする車体前部構造。
  2. 請求項1記載の車体前部構造において、
    前記略U字フレームは、前記頂部を間にした左右のスライド面を有することを特徴とする車体前部構造。
  3. 請求項1記載の車体前部構造において、
    前記左右フロントピラーは、前記ダッシュロアクロスメンバとの結合部から下方位置で車両後方に傾斜させてサイドシル前端に結合されることを特徴とする車体前部構造。
  4. 請求項4記載の車体前部構造において、
    前記略U字フレームは、左右脚部を有し、
    前記左右脚部の後部に接合される連結部材が設けられ、
    前記連結部材は、ダッシュロアパネルの傾斜面に沿って延在すると共に、
    前記連結部材の下部は、フロアの前後方向に延びる左右フロアフレームと、車両前方に向かって湾曲するアウトリガーを介して前記サイドシル前端とにそれぞれ接合されることを特徴とする車体前部構造。
  5. 請求項5項記載の車体前部構造において、
    前記左右脚部間には、左脚部と右脚部とを繋ぐ拘束部材が架設されることを特徴とする車体前部構造。
  6. 請求項1記載の車体前部構造において、
    前記略U字フレーム及び前記ダッシュロアクロスメンバは、所定断面からなる中空管で形成されることを特徴とする車体前部構造。
  7. 請求項1記載の車体前部構造において、
    前記略U字フレームと前記ダッシュロアクロスメンバとは、上部側ブラケット及び下部側ブラケットによって上下方向から挟み込んで結合されることを特徴とする車体前部構造。
  8. 請求項1記載の車体前部構造において、
    前記ダッシュロアクロスメンバの湾曲形状は、前記センタドライバシートに着席するセンタドライバに対して左右対称であり、
    前記センタドライバシートの下方のフロアパネルに隆起部が設けられ、
    前記隆起部には、燃料タンク又は走行駆動源が配置されることを特徴とする車体前部構造。
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