JP6071171B2 - 電極材料及びそれを用いたリチウムイオン電池 - Google Patents

電極材料及びそれを用いたリチウムイオン電池 Download PDF

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Description

本発明は、電極材料、その製造方法、電極材料を含む電極シート及びリチウムイオン電池に関する。
近年の移動通信、情報電子機器の発達に伴い、高容量かつ軽量なリチウム二次電池の需要が増加する傾向にある。室温で高いリチウムイオン伝導性を示す電解質のほとんどが液体であり、市販されているリチウムイオン二次電池の多くが有機系電解液を用いている。
この有機系電解液を用いたリチウム二次電池では、漏洩、発火や爆発の危険性があり、より安全性の高い電池が望まれている。固体電解質を用いた全固体電池では、電解質の漏洩や発火が起こりにくいという特徴を有するが、固体電解質のイオン伝導度は一般的に低く実用化が難しいのが現状である。
固体電解質を用いたリチウム二次電池では、従来、室温で10−3Scm−1の高いイオン伝導性を示す固体電解質としてLiNをベースとするリチウムイオン伝導性セラミックスが知られている。しかし、分解電圧が低いため3V以上で作動する電池を構成することができなかった。
硫化物系固体電解質としては、特許文献1にイオン伝導性10−4Scm−1台の固体電解質が開示されている。また特許文献2には、LiSとPから合成された、イオン伝導性10−4Scm−1台の電解質が開示されている。
さらに、特許文献3は、LiSとPを68〜74モル%:26〜32モル%の比率で合成した硫化物系結晶化ガラスで10−3Scm−1台のイオン導電性を実現している。
このような全固体リチウム電池の高性能化が望まれている。しかし、全固体リチウム電池は、粉体同士の接触であり、その接触面積が小さいため電解液を用いたリチウム電池のような高性能な電池にならない。
そこで、固体電解質粒子同士及び固体電解質粒子と電極活物質粒子の接触面積を向上させ、それらの接触抵抗を小さくすることが必要になる。
特許文献4には、図7に示すように活物質の表面の全てを無機固体電解質と導電助剤で覆うことが開示されている。しかし、電極に用いた場合、電極内部の電子伝導性を確保するために、一方の活物質表面から他方の活物質の表面まで導電助剤が連続的に接するようにする必要がある。
このように導電助剤が連続的に接するようにするためには、活物質、固体電解質、導電助剤の混合方法及び電極の製造方法を工夫する必要があった。さらに、このことはリチウムイオン電池を大型化する際に問題となる。
特開平4−202024号公報 特開2002−109955号公報 特開2005−228570号公報 特開2003−59492号公報
本発明は、導電助剤を連続的に接触させる必要がない電極材料及び該電極材料を用いたリチウムイオン電池を得ることを目的とする。
本発明によれば、以下の電極材料等が提供される。
1.表面の一部に単数又は複数の硫化物系固体電解質が融着している活物質を含む電極材料。
2.前記硫化物系固体電解質に粒界がない1に記載の電極材料。
3.前記活物質の表面の5%〜90%に硫化物系固体電解質が融着している1又は2に記載の電極材料。
4.前記活物質が互いに前記硫化物系固体電解質を介して融着している1〜3のいずれかに記載の電極材料。
5.さらに硫化物系固体電解質粒子を含む1〜4のいずれかに記載の電極材料。
6.活物質と硫化物系固体電解質の混合物を前記硫化物系固体電解質のガラス転移温度以上で熱処理する工程、及び熱処理した混合物を砕き、表面の一部に単数又は複数の硫化物系固体電解質が融着している活物質を製造する工程を含む電極材料の製造方法。
7.6に記載の製造方法により製造された電極材料。
8.1〜5及び7のいずれかに記載の電極材料を含む電極シート。
9.1〜5及び7のいずれかに記載の電極材料を用いて製造した電極シート。
10.1〜5及び7のいずれかに記載の電極材料を含む電極層と、固体電解質である電解質層とを含むリチウムイオン電池。
11.1〜5及び7のいずれかに記載の電極材料を原料として製造した電極層と、固体電解質である電解質層とを含むリチウムイオン電池。
本発明によれば、導電助剤を連続的に接触させる必要がない電極材料及び該電極材料を用いたリチウムイオン電池を得ることができる。
本発明の電極材料を示す断面図である。 図1の点線部の拡大図である。 実施例1で得られた電極材料の拡大写真である。 実施例1で得られた電極材料の拡大写真である。 評価例1の結果を示すグラフである。 評価例1の結果を示すグラフである。 評価例1の結果を示すグラフである。 評価例2の結果を示すグラフである。 評価例2の結果を示すグラフである。 評価例2の結果を示すグラフである。 特許文献4の電極材料を示す断面図である。
本発明の電極材料は、表面の一部に単数又は複数の硫化物系固体電解質が融着している活物質を含む。
表面の一部に単数又は複数の硫化物系固体電解質が融着している活物質を適宜、「コート活物質」という。
融着とは、硫化物系固体電解質の表面又は全体が加熱溶解し、硫化物系固体電解質と活物質間の空間が充たされて硫化物系固体電解質と活物質の接触面積が増大し、分子間力が高まる状態を意味する。
例えば、図1及び2に示すように、固体電解質と活物質の接触角が鋭角を形成するように、硫化物系固体電解質と活物質が接着している。
接触角とは、固体電解質表面と活物質表面が交わる点aにおける、活物質の接線bに対して、固体電解質表面が形成する角度αを意味する。
活物質の表面の1以上の部分に硫化物系固体電解質が融着している。好ましくは、活物質の表面の5%〜90%に硫化物系固体電解質が融着している。活物質は通常粒子状であるが不定形でもよい。
活物質の表面の硫化物系固体電解質の厚さの平均は、好ましくは0.01μm〜5μmである。
融着している硫化物系固体電解質同士は、好ましくは粒界がない。
さらに、硫化物系固体電解質が融着している活物質同士が、融着している硫化物系固体電解質を介して接着していることが好ましい。
このような電極材料では、活物質と硫化物系固体電解質との接触が向上し、リチウムイオン電池の性能を高めることができる。また、活物質の表面全体を硫化物系固体電解質が覆っていないため、活物質同士の表面が直接接触でき、導電助剤を連続的に接触させる必要もなく、また、電極内部の電子伝導性を確保されるため、導電助剤を用いなくてもよく、大面積電池やバインダー入り電池に用いることが可能である。
本発明の電極材料は、かかるコート活物質のみからなってもよいが、さらに硫化物系固体電解質粒子を含んでもよい。
また、活物質の表面に融着している硫化物系固体電解質と、硫化物系固体電解質粒子は同一であっても異なっていてもよい。
尚、電極内部の電子伝導性を向上させるため、導電助剤を用いてもよい。
本発明の硫化物系固体電解質は、好ましくはLi及びSを含む。
また、硫化物系固体電解質は、P、B、Si、Ge及びAlからなる群から選択される少なくとも1種以上の元素、並びにLi元素及びS元素を含むことが好ましい。
硫化物系固体電解質を、硫化リチウムと、五硫化二りんから製造する場合、混合モル比は、通常50:50〜80:20、好ましくは60:40〜75:25であり、さらに好ましくは、65:35〜75:25である。特に好ましくは、LiS:P=68:32〜74:26(モル比)程度である。
硫化物系固体電解質は、結晶化していることが好ましい。
結晶化しているとイオン伝導度が高くなり、本発明の電極材料をリチウムイオン電池に用いるとより高性能のリチウムイオン電池を製造することができる。
ここで、結晶構造として、例えば、特許文献2に開示されているLiPS構造体、Li構造体、LiPS構造体、LiSiS構造体、LiSiS構造体、特許文献3や国際公開第2007/066539号パンフレットに開示されているLi11構造体が好ましく、最も好ましくは、Li11構造体である。
ここで、Li11構造は、X線回折(CuKα:λ=1.5418Å)において、2θ=17.8±0.3deg,18.2±0.3deg,19.8±0.3deg,21.8±0.3deg,23.8±0.3deg,25.9±0.3deg,29.5±0.3deg,30.0±0.3degに回折ピークを有する。
上記結晶構造であれば、非晶体よりイオン伝導度が高くなるからである。
ここで、本発明に係る硫化物系固体電解質の結晶化された部分は、1つの結晶構造のみからなっていてもよく、複数の結晶構造を有していてもよい。
活物質には、正極の製造に用いる正極活物質と、負極の製造に用いる負極活物質がある。
ここで、本発明の活物質は、硫化物系ガラス固体電解質のTg以上に加熱しても、劣化や溶解しないものが好ましい。
なお、硫化物系ガラス固体電解質のTgにより用いることが好ましい活物質が異なるため、融着させる硫化物系ガラス固体電解質により好ましい活物質は選択できる。
正極活物質としては、リチウムイオンの挿入脱離が可能な金属酸化物、電池分野において正極活物質として公知のものが使用できる。
例えば、硫化物系では、硫化チタン(TiS)、硫化モリブデン(MoS)、硫化鉄(FeS、FeS)、硫化銅(CuS)及び硫化ニッケル(Ni)等が使用でき、特にTiSが好適である。これらの物質は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また酸化物系では、好ましくは式(1)又は(2)に従う。
LiNi1−x (1)
LiNiCoAl1−a−b (2)
(式中、xは0.1<x<0.9を満たす数であり、MはFe,Co,Mn及びAlからなる群から選ばれる元素であり、0≦a≦1、0≦b≦1である。)
また、例えば、酸化ビスマス(Bi)、鉛酸ビスマス(BiPb)、酸化銅(CuO)、酸化バナジウム(V13)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、オリビン型リン酸鉄リチウム(LiFePO)や、ニッケル−マンガン系酸化物(LiNi0.5Mn0.5)、ニッケル−アルミニウム−コバルト系酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.05)、ニッケル−マンガン−コバルト系酸化物(LiNi0.33Co0.33Mn0.33)等が使用でき、特にLiCoOやLiNi0.8Co0.15Al0.05が好適である。これらの物質は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
尚、上記の硫化物系と酸化物系を混合して用いることも可能である。また、上記の他に、セレン化ニオブ(NbSe)も使用することができる。
必要に応じて表面を酸化物や硫化物等でコート処理したものも好適に使用できる。
負極活物質としては、リチウムイオンの挿入脱離が可能な物質、電池分野において負極活物質として公知のものが使用できる。
例えば、炭素材料、具体的には、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、ポリアセン、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、天然黒鉛及び難黒鉛化性炭素等が挙げられ、特に人造黒鉛が好適である。
また、金属リチウム、金属インジウム、金属アルミ、金属ケイ素、金属スズ等の金属自体や他の元素、化合物と組合せた合金を、負極活物質として用いることができる。
これらの負極活物質は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に係るコート活物質は、活物質粒子と硫化物系固体電解質粒子の混合物を硫化物系固体電解質のガラス転移温度(Tg)以上で熱処理し、熱処理した混合物を砕いて得られる。活物質粒子と硫化物系固体電解質粒子の混合物は、ボールミル、微粉砕機、複合粒子化装置等の機械的手法を用いずに、単に混合したものである。
使用する活物質粒子及び固体電解質粒子の粒径は特に制限ないが、平均粒径が数μm〜数10μmのものが好適である。
活物質と硫化物系固体電解質の配合比(重量比)は好ましくは50:50〜90:20、より好ましくは60:40〜80:20である。この範囲で配合することにより、イオン伝導経路と電子伝導経路の双方の確保ができる。
原料として用いる固体電解質としては、硫化物系ガラス固体電解質が好ましいこと以外は上記硫化物系固体電解質と同様である。尚、硫化物系ガラス固体電解質と硫化物系結晶ガラス固体電解質のブレンドでもよい。また、Tgで溶融が起きれば結晶化度を有する硫化物系ガラス固体電解質でもよい。
ここで、硫化物系ガラス固体電解質とは非晶質の硫化物系固体電解質を意味する。
ここで、硫化物系結晶ガラス固体電解質とは結晶構造を有する硫化物系固体電解質を意味する。
加熱処理の温度は、硫化物系ガラス固体電解質のTg以上であって、活物質が分解・変質しない温度以下であることが好ましい。
尚、好ましい加熱方法は、硫化物系ガラス固体電解質のTg以上であって、結晶化温度以下で加熱し、硫化物系ガラス固体電解質が活物質に融着した後、結晶化温度で加熱する方法である。
または、硫化物系ガラス固体電解質の結晶化温度以上(硫化物系ガラス固体電解質のTg以上)で加熱し、硫化物系ガラス固体電解質の活物質への融着と結晶化を同時に行う方法も好ましい。
硫化物系ガラス固体電解質の状態の方が活物質に対して融着しやすいため、高性能のリチウムイオン電池を得る観点からは、前者が好ましい。
一方、硫化物系ガラス固体電解質の結晶化温度以上で加熱する後者の場合には、加熱温度の制御が容易になる。
原料の少なくとも一部がガラス状態である固体電解質は、加熱されることにより、結晶化する。その結果リチウムイオン伝導性が高まる。
加熱処理により硫化物系ガラス固体電解質の表面又は全体が溶融し、活物質の表面に付着する。
昇温速度を大きくすることで、結晶化する前に軟化した固体電解質と活物質の接触を良好にすることができる。また、工程時間を短くできる。
尚、融着した固体電解質の結晶化度が小さい場合は、その後の熱処理で高くすることが可能である。
加熱時間は例えば1秒〜60分である。加熱雰囲気は好ましくは不活性ガス雰囲気下であり、真空状態でもよい。
また、加熱処理前及び/又は加熱処理時に加圧してもよい。
例えば、250℃以上350℃以下で1分以上60分以下加熱する。
また、例えば250℃以上300℃以下で1分以上60分以下加熱し、その後300℃以上350℃以下で1分以上30分以下加熱してもよい。
加熱処理後に塊を砕くが、粉砕でもよいし解砕程度でもよい。
また、上記した通り、導電助剤は用いる必要はないが、用いる場合、導電助剤をはじめから固体電解質及び活物質と混合し、熱処理粉砕してもよいし、熱処理し粉砕した後に合材に導電助剤を加えてもよい。導電助剤が直接活物質上に配置されることで効率よく電子伝導パスを形成できる。特に活物質の電子伝導性が低い場合には有効である。
原料として用いることのできる硫化物系ガラス固体電解質の製造方法としては、溶融急冷法、メカニカルミリング法(MM法)、スラリー法が挙げられる。
溶融急冷法による場合、PとLiSを所定量乳鉢にて混合しペレット状にしたものを、カーボンコートした石英管中に入れ真空封入する。所定の反応温度(通常400℃〜1000℃、0.1時間〜12時間)で反応させた後、氷中に投入し急冷することにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。
MM法による場合、PとLiSを所定量乳鉢にて混合し、メカニカルミリング法にて反応させることにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。LiSは高純度のものが好ましい。
MM法は回転ボールミル、転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル等種々の形式を用いることができる。MM法の条件としては、例えば遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。
スラリー法は、国際公開2004/093099、国際公開2009/047977に記載されている。
具体的には、所定量の原料(例えば、P粒子とLiS粒子)を有機溶媒中で所定時間反応させることにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。
ここで、特開2010−140893に記載されているように、反応を進行させるため、原料を含むスラリーをビーズミルと反応容器との間で循環させながら反応させてもよい。
反応温度は、好ましくは20℃以上80℃以下、より好ましくは20℃以上60℃以下である。
反応時間は、好ましくは1時間以上16時間以下、より好ましくは2時間以上14時間以下である。
原料(例えば、硫化リチウムと五硫化二リン)が、有機溶媒の添加により溶液又はスラリー状になる程度であることが好ましい。通常、有機溶媒1リットルに対する原料(合計量)の添加量は0.001kg以上1kg以下程度となる。好ましくは0.005kg以上0.5kg以下、特に好ましくは0.01kg以上0.3kg以下である。
有機溶媒としては特に制限はないが、非プロトン性有機溶媒が特に好ましい。
非プロトン性有機溶媒としては、非プロトン性有機溶媒(例えば、炭化水素系有機溶媒)、非プロトン性の極性有機化合物(例えば、アミド化合物,ラクタム化合物,尿素化合物,有機イオウ化合物,環式有機リン化合物等)を、単独溶媒として、又は、混合溶媒として、好適に使用することができる。
炭化水素系有機溶媒としては、飽和炭化水素、不飽和炭化水素又は芳香族炭化水素が使用できる。
飽和炭化水素としては、ヘキサン、ペンタン、2−エチルヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等が挙げられる。
不飽和炭化水素しては、ヘキセン、ヘプテン、シクロヘキセン等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、トルエン、キシレン、デカリン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。
これらのうち、特にトルエン、キシレンが好ましい。
炭化水素系溶媒は、あらかじめ脱水されていることが好ましい。具体的には、水分含有量として100重量ppm以下が好ましく、特に30重量ppm以下であることが好ましい。
尚、必要に応じて炭化水素系溶媒に他の溶媒を添加してもよい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、エタノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類等、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
本発明の電極シートは本発明の電極材料を含み、又は本発明の電極材料を原料として製造される。
リチウムイオン電池は、正極層、固体電解質層及び負極層を含む。本発明のリチウムイオン電池は、正極層及び負極層のいずれか一方又は両方が本発明の電極材料を含み、又は本発明の電極材料を用いて製造され、電解質層が固体電解質である。
正極層は、リチウム電池において正極活物質として使用されているものが使用できるが、上記の電極材料を用いるのが好ましい。負極層は、リチウム電池において負極活物質として使用されているものが使用できるが、上記の電極材料を用いるのが好ましい。
固体電解質層は、固体電解質からなり、硫化物系ガラスセラミックス固体電解質及び/又は硫化物系ガラス固体電解質からなるものが好ましい。
固体電解質層に用いられる硫化物系固体電解質は好ましくは結晶化度が50%以上の硫化物系結晶化ガラス固体電解質である。全体の結晶化度が50%以上であれば硫化物系結晶化ガラス固体電解質と硫化物系ガラス固体電解質の混合物でもよい。
硫化物系固体電解質の結晶化度が50%未満の場合は、イオン伝導度を高くできるという結晶化させる効果が少なくなるおそれがある。
本発明の電極材料に用いる固体電解質粒子も同様である。
結晶化度は、NMRスペクトル装置を用いることにより測定できる。具体的には、硫化物系固体電解質の固体31P−NMRスペクトルを測定し、得られた固体31P−NMRスペクトルについて、70〜120ppmに観測される共鳴線を、非線形最少二乗法を用いたガウス曲線に分離し、各曲線の面積比を求めることにより結晶化度を測定できる。
正極層や負極層には、それぞれ正極集電体や負極集電体を設けるとよい。その正極集電体及び負極集電体としては、例えば、ステンレス鋼、金、白金、銅、亜鉛、ニッケル、スズ、アルミニウム、マグネシウム、インジュウム又はこれらの合金等からなる板状体や箔状体等が使用できる。
製造例1[硫化リチウムの製造例]
(1)硫化リチウム(LiS)の製造
硫化リチウムは、特開平7−330312号公報の第1の態様(2工程法)の方法に従って製造した。具体的には、撹拌翼のついた10リットルオートクレーブにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6モル)及び水酸化リチウム287.4g(12モル)を仕込み、300rpm、130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3リットル/分の供給速度で2時間吹き込んだ。
続いて、この反応液を窒素気流下(200cc/分)昇温し、反応した硫化水素の一部を脱硫化水素化した。昇温するにつれ、上記硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサにより凝縮し系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に反応液の温度は上昇するが、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。脱硫化水素反応が終了後(約80分)反応を終了し、硫化リチウムを得た。
(2)硫化リチウムの精製
上記(1)で得られた500mLのスラリー反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリー)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌した。その温度のままNMPをデカンテーションした。さらにNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌し、その温度のままNMPをデカンテーションし、同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、窒素気流下230℃(NMPの沸点以上の温度)で硫化リチウムを常圧下で3時間乾燥した。得られた硫化リチウム中の不純物含有量を測定した。
尚、亜硫酸リチウム(LiSO)、硫酸リチウム(LiSO)並びにチオ硫酸リチウム(Li)の各硫黄酸化物、及びN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)の含有量は、イオンクロマトグラフ法により定量した。その結果、硫黄酸化物の総含有量は0.13質量%であり、LMABは0.07質量%であった。
製造例2[LiSとP(モル比)=70:30のガラスの製造例]
製造例1で製造したLiSとP(アルドリッチ製)を出発原料に用いた。これらをモル比70:30に調整した混合物約1gと、直径10mmのアルミナ製ボール10ケとを45mLのアルミナ製容器に入れ、遊星型ボールミル(フリッチュ社製:型番P−7)にて、窒素中、室温(25℃)にて、回転速度を370rpmとし、20時間メカニカルミリング処理することで、白黄色の粉末であるリチウム・リン系硫化物ガラス固体電解質を得た。このもののガラス転移温度をDSC(示差走査熱量測定)により測定したところ、220℃であった。
製造例3[70:30のガラスセラミックスの製造例]
製造例2で得られた固体電解質ガラス粒子をグローブボックス内Ar雰囲気下でSUS製チューブに密閉し、300℃、2時間の加熱処理を施し電解質ガラスセラミックス(硫化物系固体電解質:平均粒径14.52μm)を得た。このガラスセラミックス粒子のX線回折測定では、2θ=17.8、18.2、19.8、21.8、23.8、25.9、29.5、30.0degにピークが観測された。
このガラスセラミックス粒子のイオン伝導度は、1.3×10−3S/cmであった。イオン伝導度は交流インピーダンス法により測定した結果から、算出した。
製造例4[67:33のガラスの製造例]
製造例1で得られた平均粒径30μm程度のLiSを0.592g、P(アルドリッチ社製)を1.406gとした以外は、製造例2と同様にして固体電解質ガラス粒子を得た。このときの回収率は80%であった。得られた固体電解質ガラス粒子のX線回折測定(CuKα:λ=1.5418Å)を行なった結果、原料LiSのピークは観測されず、固体電解質ガラスに起因するハローパターンであった。
製造例5[67:33のガラスセラミックスの製造例]
製造例4で得られた固体電解質ガラス粒子をグローブボックス内Ar雰囲気下でSUS製チューブに密閉し、300℃、2時間の加熱処理を施し電解質ガラスセラミックス(硫化物系固体電解質:平均粒径50μm)を得た。このガラスセラミックス粒子のイオン伝導度は、0.2×10−3S/cmであった。
製造例6[75:25のガラスの製造例]
製造例1で得られた平均粒径30μm程度のLiSを0.766g、P(アルドリッチ社製)を1.22gとした以外は、製造例2と同様にして固体電解質ガラス粒子(硫化物系固体電解質:平均粒径50μm)を得た。このときの回収率は82%であった。得られた固体電解質ガラス粒子のX線回折測定(CuKα:λ=1.5418Å)を行なった結果、原料LiSのピークは観測されず、固体電解質ガラスに起因するハローパターンであった。
この固体電解質ガラス粒子のイオン伝導度は、0.3×10−3S/cmであった。
製造例7[80:20のガラスの製造例]
製造例1で得られた平均粒径30μm程度のLiSを0.906g、P(アルドリッチ社製)を1.092gとした以外は、製造例2と同様にして固体電解質ガラス粒子を得た。このときの回収率は85%であった。得られた固体電解質ガラス粒子のX線回折測定(CuKα:λ=1.5418Å)を行なった結果、原料LiSのピークは観測されず、固体電解質ガラスに起因するハローパターンであった。
製造例8[80:20のガラスセラミックスの製造例]
製造例7で得られた固体電解質ガラス粒子をグローブボックス内Ar雰囲気下でSUS製チューブに密閉し、280℃、2時間の加熱処理を施し電解質ガラスセラミックス(硫化物系固体電解質:平均粒径50μm)を得た。このガラスセラミックス粒子のイオン伝導度は、0.5×10−3S/cmであった。
実施例1
正極活物質としてLiNi0.8Co0.15Al0.05、固体電解質として製造例2で製造したリチウム・リン系硫化物ガラス固体電解質粉末を、重量比70:30で混合し、混合物1gをφ15.5の金型で10MPa圧力成型し、ペレット化させた。これを所定の金属密閉容器へ入れ、300℃10分熱処理を行った。この熱処理済ペレットを粉砕し、正極合材の粉体とした。
活物質に対する固体電解質の融着状態を図3、4に示す。左下写真の白色部分はLiNi0.8Co0.15Al0.05のCo、右上写真の白線で囲む部分は固体電解質のS、右下写真の白線で囲む部分は電解質のPを示す。
従って、LiNi0.8Co0.15Al0.05上に固体電解質が存在することが分かり、左上写真に示すように固体電解質が活物質に融着していることが分かる。さらに、硫化物系固体電解質に粒界はなく、活物質が硫化物系固体電解質を介して融着していた。
負極活物質として黒鉛粉末を用いた。この負極活物質と、製造例3で製造した結晶化ガラス固体電解質(ガラスセラミックス電解質)を重量比60:40で混合し、これを負極活物質合材とした。
製造例3で製造したガラスセラミックス電解質45.1mgを直径9.5mmのステンレス製の金型に投入し、加圧成型して電解質層とし、さらに上記で調製した正極合材を12.9mg投入し再び加圧成型した。正極合材とは反対側から上記負極活物質合材を10.9mgを投入して三層構造とし、加圧成型して電池とした。
実施例2
熱処理を行う正極合材に使用する固体電解質のLiSとPのモル比を80:20とした(正極合材に使用する固体電解質を製造例7で製造したリチウム・リン系硫化物ガラス固体電解質粉末にした)以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
実施例1と同様にして固体電解質の融着状態を確認し、固体電解質は活物質に融着していることが分かった。
実施例3
負極活物質として黒鉛粉末、固体電解質として製造例2で製造したリチウム・リン系硫化物ガラス固体電解質粉末を重量比60:40で混合し、混合物1gをφ15.5の金型で10MPa圧力成型し、ペレット化させた。所定の金属密閉容器へ入れ、ガスクロにて300℃10分で熱処理を行った。この熱処理済ペレットを粉砕し、負極合材とした。
実施例1と同様にして固体電解質の融着状態を確認し、固体電解質は活物質に融着していることが分かった。
正極活物質としてLiNi0.8Co0.15Al0.05を用いた。この正極活物質と製造例3で製造したガラスセラミックス電解質を重量比70:30で混合し、これを正極活物質合材とした。
この他は実施例1と同様にして電池を作製した。
参考例1
正極活物質としてLiCoO2、固体電解質として製造例2で製造したリチウム・リン系硫化物ガラス固体電解質粉末を重量比70:30で混合し、混合物1gをφ15.5の金型で10MPa圧力成型し、ペレット化させた。所定の金属密閉容器へ入れ、300℃10分熱処理を行った。この熱処理済ペレットを粉砕し、正極合材の粉体とした。
実施例1と同様にして固体電解質の融着状態を確認し、固体電解質は活物質に融着していることが分かった。
負極活物質としてIn箔(0.1tmm、φ9.5)を用いた。このIn箔をφ9.5のポンチで打ち抜いた。
製造例3で製造したガラスセラミックス電解質45.1mgを直径9.5mmのステンレス製の金型に投入し、加圧成型し、さらに上記で調製した正極合材を30mg投入し再び加圧成型した。正極合材とは反対側から負極箔を投入し三層構造とし加圧成型し、電池とした。
参考例2
負極活物質としてLiTiO3、固体電解質として製造例2で製造したリチウム・リン系硫化物ガラス固体電解質粉末を重量比60:40で混合し、混合物1gをφ15.5の金型で10MPa圧力成型しペレット化させた。所定の金属密閉容器へ入れ、ガスクロマトグラフィーにて300℃10分で熱処理を行った。この熱処理済ペレットを粉砕し、負極合材とした。
実施例1と同様にして固体電解質の融着状態を確認し、固体電解質は活物質に融着していることが分かった。
正極活物質としてLiNi0.8Co0.15Al0.05を用いた。この正極活物質と製造例3で製造したガラスセラミックス電解質を重量比70:30で混合し、これを正極活物質合材とした。
製造例3で製造したガラスセラミックス電解質45.1mgを直径9.5mmのステンレス製の金型に投入し、加圧成型し、さらに上記で調製した正極合材を12.9mg投入し再び加圧成型した。正極合材とは反対側から上記負極活物質合材を24.2mgを投入し、三層構造として加圧成型し、電池とした。
実施例6
熱処理を行う正極合材に使用する固体電解質を製造例4で製造したリチウム・リン系硫化物固体電解質を用いた以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
実施例1と同様にして固体電解質の融着状態を確認し、固体電解質は活物質に融着していることが分かった。
実施例7
熱処理を行う正極合材に使用する固体電解質を製造例6で製造したリチウム・リン系硫化物固体電解質を用いた以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
実施例1と同様にして固体電解質の融着状態を確認し、固体電解質は活物質に融着していることが分かった。
実施例8
電解質層と負極層に用いた固体電解質を製造例8で製造したガラスセラミックス電解質に変更した以外は実施例2と同様にして電池を作製した。
実施例1と同様にして固体電解質の融着状態を確認し、固体電解質は活物質に融着していることが分かった。
実施例9
電解質層と負極層に用いた固体電解質を製造例5で製造したガラスセラミックス電解質を用いた以外は実施例6と同様にして電池を作製した。
実施例1と同様にして固体電解質の融着状態を確認し、固体電解質は活物質に融着していることが分かった。
実施例10
電解質層と負極層に用いた固体電解質を製造例6で製造したガラス電解質を用いた以外は実施例7と同様にして電池を作製した。
実施例1と同様にして固体電解質の融着状態を確認し、固体電解質は活物質に融着していることが分かった。
比較例1
正極合材に使用する固体電解質を製造例3で製造したガラスセラミックス電解質とし、熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
比較例2
正極合材に使用する固体電解質を製造例3で製造したガラスセラミックス電解質とし、熱処理を行わなかった以外は、参考例1と同様にして電池を作製した。
比較例3
負極合材に使用する固体電解質を製造例3で製造したガラスセラミックス電解質とし、熱処理を行わなかった以外は、参考例2と同様にして電池を作製した。
表1に実施例1〜3及び6〜10、参考例1〜2、較例1〜3の電池の構成を示す。表中、LNCAOはLiNi0.8Co0.15Al0.05O2、LCOはLiCoO2、LTOはLiTiO3、g−SEはガラス固体電解質、gc−SEはガラスセラミックス電解質を示す。
評価例1
電池評価(レート特性)
実施例1,2,3及び比較例1にて作製したリチウム電池の評価
電池の評価は次の通り実施した。1サイクル目に1cmあたり500μAで4.2Vまで充電、500μAで2.5Vまで放電し、2サイクル目に500μAで4.2Vまで充電、1mAで2.5Vまで放電し、3サイクル目に500μAで4.2Vまで充電、3mAで2.5Vまで放電し、4サイクル目に500μAで4.2Vまで充電、10mAで2.5Vまで放電した。各サイクルにおける放電時の電圧の平均値について、放電電流密度に対してプロットした。結果を図5Aに示す。
参考例1及び比較例2にて作製したリチウム電池の評価
電池の評価は次の通り実施した。1サイクル目に1cm2あたり500μAで3.6Vまで充電、500μAで1.5Vまで放電し、2サイクル目に500μAで3.6Vまで充電、1mAで1.5Vまで放電し、3サイクル目に500μAで3.6Vまで充電、3mAで1.5Vまで放電し、4サイクル目に500μAで3.6Vまで充電、10mAで1.5Vまで放電した。各サイクルにおける放電時の電圧の平均値について、放電電流密度に対してプロットした。結果を図5Bに示す。
参考例2及び比較例3にて作製したリチウム電池の評価
電池の評価は次の通り実施した。1サイクル目に1cm2あたり500μAで2.6Vまで充電、500μAで1.5Vまで放電し、2サイクル目に500μAで2.6Vまで充電、1mAで1.5Vまで放電し、3サイクル目に500μAで2.6Vまで充電、3mAで1.5Vまで放電し、各サイクルにおける放電時の電圧の平均値について、放電電流密度に対してプロットした。結果を図5Cに示す。
また、上記のプロットに対して近似直線をひいた場合の傾きの大きさを表2に示す。この傾きは、電池の内部抵抗に相当する値であるので、値が小さい方が充放電が効率よく行われることを示す。
評価例2
電池評価(充電時インピーダンス測定)
実施例1,2,3及び比較例1にて作製した電池に1cm2あたり500μAで4.2Vまで充電、また、参考例1及び比較例2にて作製した電池に1cm2あたり500μAで3.6Vまで充電、参考例2及び比較例3にて作製した電池に1cm2あたり500μAで2.7Vまで充電し、充電後の各電池のインピーダンスを交流インピーダンス法により測定した。このとき得られたコールコールプロット(図6A〜C)から、電池の界面抵抗に由来する円弧の直径から抵抗を求めた。結果を表3に示す。
評価例3
電池評価(サイクル特性)
実施例1,2,3及び比較例1にて作製した電池に1cm2あたり1mAで4.2Vまで充電を行い、1mAで2.5Vまで放電した。これを繰り返し200回実施し、初期放電容量及び200回目の放電容量について調べた。
参考例1及び比較例2にて作製した電池に1cm2あたり1mAで3.6Vまで充電を行い、1mAで1.5Vまで放電した。これを繰り返し200回実施し、初期放電容量及び200回目の放電容量について調べた。
参考例2及び比較例3にて作製した電池に1cm2あたり1mAで2.6Vまで充電を行い、1mAで1.5Vまで放電した。これを繰り返し200回実施し、初期放電容量及び200回目の放電容量について調べた。各電池のサイクル特性に関して表4に示す。
実施例6〜10にて作製した電池に1cmあたり1mAで4.2Vまで充電を行い、1mAで2.5Vまで放電した。これを繰り返し200回実施し、初期放電容量及び200回目の放電容量について調べた。各電池のサイクル特性に関して表4に示す。
本発明の電極材料は、リチウムイオン電池の電極に使用できる。また、本発明のリチウムイオン電池は、各種電化製品の電源等として使用できる。

Claims (6)

  1. 表面の一部に単数又は複数の硫化物系固体電解質が融着している、式(2)で表される酸化物及びLiNi0.33Co0.33Mn0.33からなる群から選ばれる1以上の活物質を含む粉体状電極材料(但し、前記活物質がLiCoO 及びLiNiO である場合を除く。)
    LiNiCoAl1−a−b (2)
    (式中、0≦a≦1、0≦b≦1である。)
  2. 前記活物質が、前記式(2)で表される酸化物である請求項1に記載の電極材料。
  3. 前記活物質が、LiNi0.8Co0.15Al0.05又はLiNi0.33Co0.33Mn0.33である請求項1に記載の電極材料。
  4. 前記硫化物系固体電解質が結晶構造を有する請求項1〜のいずれかに記載の電極材料。
  5. 前記活物質の表面の5%〜90%に硫化物系固体電解質が融着している請求項1〜のいずれかに記載の電極材料。
  6. さらに硫化物系固体電解質粒子を含む請求項1〜のいずれかに記載の電極材料。
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