JP6070677B2 - 車両前部構造 - Google Patents
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Description
以下、図1〜図6を参照して、本発明に係る車両前部構造の第1実施形態について説明する。なお、各図に適宜示す矢印FRは車両前方(進行方向)を示しており、矢印UPは車両上方を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の車両幅方向の左右を示すものとする。
図1には、第1実施形態に係る車両10の要部が示されている。車両10では、キャビン12(車室)よりも車両前後方向の前側にエンジンコンパートメント14が形成されている。エンジンコンパートメント14には、エンジンやモータ等を含んで構成されたパワーユニット16が収容されている。図1では、パワーユニット16を二点鎖線で示している。また、エンジンコンパートメント14の車両上下方向下部における車両幅方向両側部には、それぞれ車両前部構造40が設けられている。車両前部構造40の詳細については後述する。
次に、車両前部構造40について説明する。
図2に示すように、フロントサイドメンバ42は、一例として、車両前後方向に延びるインナパネル44と、インナパネル44の車両幅方向外側に位置し車両前後方向に延びる第1アウタパネル46及び第2アウタパネル48とを有している。第1アウタパネル46は、車両前後方向前側に位置している。第2アウタパネル48は、車両前後方向で第1アウタパネル46よりも後側に位置している。なお、インナパネル44は、内側壁の一例である。また、第1アウタパネル46及び第2アウタパネル48は、外側壁の一例である。図2では、クラッシュボックス22を二点鎖線で示している。
図3(A)に示すように、インナパネル44は、一例として、車両前後方向に見て車両幅方向外側へ向けて開口した断面ハット状に形成されている。具体的には、インナパネル44は、縦壁44Aと、上壁44Bと、下壁44Cと、上フランジ44Dと、下フランジ44Eとを含んで構成されている。
図2に示すように、第1アウタパネル46は、一例として、縦壁46Aと前フランジ46Bと後フランジ46Cとで構成されている。
図2に示すように、第2アウタパネル48は、一例として、縦壁48Aと前フランジ48Bとで構成されている。
図5に示すように、ブラケット54は、一例として、縦壁54Aとフランジ54Bとで構成されている。縦壁54Aは、車両前後方向に見て矩形の板材で構成されている。フランジ54Bは、縦壁54Aの車両幅方向内側端部から車両前後方向後側へ延びている。
図3(A)に示すように、ガセット52は、第1アウタパネル46の縦壁46Aの車両幅方向外側に設けられている。また、ガセット52は、一例として、車両前後方向に見て車両幅方向内側へ向けて開口した断面ハット状に形成されている。具体的には、ガセット52は、縦壁52Aと、上壁52Bと、下壁52Cと、上フランジ52Dと、下フランジ52Eと、前フランジ52F(図5参照)とで構成されている。
図4に示すように、ビード56は、一例として、インナパネル44の縦壁44Aに2箇所、第1アウタパネル46の縦壁46Aに2箇所形成されている。具体的には、図2に示すように、各ビード56は、車両前後方向でガセット52よりも後側で且つ折れ点P1(バルク62が配置された位置)よりも前側に形成されている。
図2に示すように、バルク62は、フロントサイドメンバ42の車両前後方向でガセット52よりも後側に設けられている。また、バルク62は、板材で構成され、車両幅方向でインナパネル44の縦壁44Aから第1アウタパネル46の縦壁46A及び第2アウタパネル48の縦壁48Aまで跨って設けられている。
図4に示すように、車両前部構造40の組み付けでは、一例として、インナパネル44の内側にバルク62を挿入し、フランジ62B(図2参照)を縦壁44Aに溶接する。そして、インナパネル44の車両前後方向後側の上フランジ44D及び下フランジ44Eに第2アウタパネル48の縦壁48Aを溶接する。さらに、前フランジ48Bと結合部62F及び結合部62Gとを溶接する。
次に、対比例の車両前部構造200について説明する。なお、本実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を適宜省略する。また、対比例の車両前部構造200は、車両幅方向の左右で対称な構造であるため、車両幅方向の左側について説明し、右側の説明を省略する。
次に、第1実施形態の車両前部構造40の作用並びに効果について説明する。
次に、第2実施形態に係る車両前部構造70について説明する。
図7に示すように、フロントサイドメンバ72は、一例として、車両前後方向に延びるインナパネル74と、インナパネル74の車両幅方向外側に位置し車両前後方向に延びる第1アウタパネル76及び第2アウタパネル48とを有している。
インナパネル74は、内側壁の一例である。また、インナパネル74は、第1実施形態のインナパネル44(図2参照)において、ビード56から車両前後方向前端までの長さが短く設定された以外は、インナパネル44と同様の構成である。即ち、インナパネル74の縦壁44Aにおけるバルク62よりも車両前後方向前側の部位には、ビード56が2箇所形成されている。
第1アウタパネル76は、外側壁の一例であり、車両前後方向で第2アウタパネル48よりも前側に位置している。また、第1アウタパネル76は、第1実施形態の第1アウタパネル46(図2参照)において、ビード56から車両前後方向前端までの長さが短く設定された以外は、第1アウタパネル46と同様の構成である。即ち、第1アウタパネル76の縦壁46Aにおけるバルク62よりも車両前後方向前側の部位には、ビード56が2箇所形成されている。
図7に示すように、ブラケット78は、一例として、縦壁78Aとフランジ78Bとで構成されている。縦壁78Aは、車両前後方向に見て、車両幅方向を長手方向とし車両上下方向を短手方向とする矩形の板材で構成されている。フランジ78Bは、縦壁78Aの車両幅方向内側端部から車両前後方向後側へ延びている。
図7に示すように、荷重受部材82は、一例として、鋼板によって中空の箱状に形成され、フロントサイドメンバ72の車両前後方向前端部に設けられている。具体的には、荷重受部材82は、前壁82Aと、後壁82Bと、右側壁82Cと、左側壁82Dと、図示しない上壁及び下壁とにより構成されている。また、荷重受部材82は、車両上下方向に見て台形状に形成され、車両前後方向に見て矩形状に形成されている。
図7に示すバルク62は、フロントサイドメンバ92の折れ点(折れモードを生じさせる設定位置)に配置されている。また、バルク62は、フロントサイドメンバ72において、第1実施形態と同様に、縦壁44A、後フランジ46C、及び前フランジ48Bに結合されている。また、バルク62は、縦壁62Aの車両幅方向外端部及び折曲部62Cが、縦壁46A、後フランジ46C、及び前フランジ48Bよりも車両幅方向外側に突出されている。
次に、第2実施形態の車両前部構造70の作用並びに効果について説明する。
次に、第3実施形態に係る車両前部構造90について説明する。
図8に示すように、フロントサイドメンバ92は、一例として、車両前後方向に延びる第1インナパネル94及び第2インナパネル96と、車両前後方向に延びる第1アウタパネル76及び第2アウタパネル48と、後ブラケット98とを有している。
第1インナパネル94は、車両前後方向で第2インナパネル96よりも前側に位置している。なお、第1インナパネル94は、内側壁の一例である。また、第1インナパネル94は、一例として、車両前後方向の長さが第1アウタパネル76の車両前後方向の長さとほぼ同じ長さとされた以外は、第1実施形態のインナパネル44(図2参照)と同様の構成とされている。さらに、第1インナパネル94の縦壁44Aには、車両前後方向に間隔をあけて、車両幅方向外側へ膨出した2箇所のビード56が形成されている。
第2インナパネル96は、一例として、車両前後方向の長さが第2アウタパネル48の車両前後方向の長さとほぼ同じ長さとされた以外は、第1実施形態のインナパネル44(図2参照)と同様の構成とされている。つまり、第2インナパネル96は、上フランジ44F、下フランジ44G(図5参照)、及び前フランジ48Bを有している。また、第2インナパネル96の縦壁44Aは、車両前後方向で第1インナパネル94の縦壁44Aと直線状に並んで配置されている。
第1アウタパネル76は、外側壁の一例である。また、第1アウタパネル76は、一例として、第1インナパネル94の車両幅方向外側に位置し、車両幅方向で第1インナパネル94と対向配置されている。
第2アウタパネル48は、第2インナパネル96の車両幅方向外側に位置し、車両幅方向で第2インナパネル96と対向配置されている。
図8に示すように、後ブラケット98は、フロントサイドメンバ92の内側壁及び外側壁を車両前後方向の前側と後側に分割する分割部材の一例である。具体的には、後ブラケット98は、フロントサイドメンバ92を第1インナパネル94、第2インナパネル96、第1アウタパネル76、第2アウタパネル48に分割している。また、後ブラケット98は、一例として、縦壁98Aとフランジ98Bとで構成されている。
図8に示すように、後ブラケット98の前面98Cが、第1インナパネル94の後端面及び第1アウタパネル76の後フランジ46Cに結合される。また、ブラケット78の後面78Dが、第1インナパネル94の前端面及び第1アウタパネル76の前フランジ46Bに結合される。これにより、第1インナパネル94、第1アウタパネル76、ブラケット78、及び後ブラケット98で囲まれた箱体99が形成されている。
次に、第3実施形態の車両前部構造90の作用並びに効果について説明する。
図9(A)には、第1変形例としての車両前部構造100が示されている。車両前部構造100は、第1実施形態の車両前部構造40(図2参照)において、バルク62(図2参照)に換えて、補強部の一例としてのバルク102を設けた構成とされている。バルク102は、平面視でL字状に形成された板材で構成されており、縦壁102Aと、縦壁102Aの車両幅方向内側端部から車両前後方向後側へ延びるフランジ102Bとを有している。
図9(B)には、第2変形例としての車両前部構造110が示されている。車両前部構造110は、車両前部構造40(図2参照)において、バルク62(図2参照)に換えて、補強部の一例としてのバルク112を設けた構成とされている。
図9(C)には、第3変形例としての車両前部構造120が示されている。車両前部構造120は、フロントサイドメンバ122と、ガセット52と、ブラケット54とを有している。フロントサイドメンバ122は、インナパネル124と、アウタパネル128とを有している。ガセット52は、アウタパネル128の車両前後方向の前端部で且つ車両幅方向の外側に結合されている。ブラケット54は、フロントサイドメンバ122及びガセット52の車両前後方向の前端部に結合されている。
図10(A)には、第4変形例としての車両前部構造130が示されている。車両前部構造130は、フロントサイドメンバ132と、荷重受部材82とを有している。フロントサイドメンバ132は、インナパネル74と、アウタパネル134とを有している。荷重受部材82は、フロントサイドメンバ132の車両前後方向の前端部に結合されている。
図10(B)には、第5変形例としての車両前部構造140が示されている。車両前部構造140は、フロントサイドメンバ42と、バルク142と、ガセット144と、ブラケット54とを有している。
ビード56は、縦壁44A、46Aだけでなく、上壁44Bや下壁44Cに形成してもよい。また、ビード56は、平面視で断面略V字状のものに限らず、断面円弧状や断面多角形状のものであってもよい。さらに、ビード56は、車両上下方向で複数形成されていてもよい。加えて、ビード56は、車両前後方向の数が2つのものに限らず1つであってもよく、あるいは、3つ以上形成されていてもよい。また、ビード56は、車両前後方向で複数形成される場合、車両前後方向に作用する衝突荷重に対する剛性がそれぞれ異なっていてもよい。さらに、脆弱部を形成することでフロントサイドメンバに低剛性と高剛性の部位を形成し、高剛性の部位で折れモードを生じさせる構成では、補強部が設けられていなくてもよい。
40 車両前部構造
42 フロントサイドメンバ
44 インナパネル(内側壁の一例)
46 第1アウタパネル(外側壁の一例)
48 第2アウタパネル(外側壁の一例)
52 ガセット(荷重受部の一例)
54 ブラケット(荷重受部の一例)
56 ビード(脆弱部の一例)
62 バルク(補強部及び接触部材の一例)
70 車両前部構造
72 フロントサイドメンバ
74 インナパネル(内側壁の一例)
76 第1アウタパネル(外側壁の一例)
78 ブラケット(荷重受部の一例)
82 荷重受部材(荷重受部の一例)
90 車両前部構造
92 フロントサイドメンバ
94 第1インナパネル(内側壁の一例)
98 後ブラケット(分割部材の一例)
99 箱体
100 車両前部構造
102 バルク(補強部の一例)
110 車両前部構造
112 バルク(補強部の一例)
120 車両前部構造
122 フロントサイドメンバ
126 厚肉部(補強部の一例)
130 車両前部構造
132 フロントサイドメンバ
140 車両前部構造
142 バルク(補強部の一例)
144 ガセット(荷重受部の一例)
Claims (5)
- 車両幅方向で対向する内側壁及び外側壁を備えたフロントサイドメンバと、
前記フロントサイドメンバの車両前後方向の前端部に設けられ又は該前端部に形成され、車両幅方向で前記フロントサイドメンバよりも拡幅され、荷重を受ける荷重受部と、
前記フロントサイドメンバの車両前後方向の前記荷重受部よりも後側で少なくとも前記内側壁及び前記外側壁に形成され、前記フロントサイドメンバの他の部位の剛性に比べて低剛性とされた脆弱部と、
前記フロントサイドメンバの車両前後方向で前記脆弱部よりも後側に設けられ、前記外側壁から車両幅方向の外側へ突出され衝突時に前記荷重受部と接触する接触部材で構成され、前記脆弱部の剛性よりも高剛性とされた補強部と、
を有する車両前部構造。 - 前記補強部は、前記内側壁から前記外側壁まで跨った板材である請求項1に記載の車両前部構造。
- 前記荷重受部は、前記外側壁の車両幅方向外側に設けられ、平面視で車両前後方向の後側を上底とし前側を下底とする台形状に形成されたガセットを有する請求項1又は請求項2に記載の車両前部構造。
- 前記荷重受部は、中空の箱状に形成され前記フロントサイドメンバの前記前端部に設けられた荷重受部材を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両前部構造。
- 前記フロントサイドメンバは、前記内側壁及び前記外側壁を車両前後方向の前側と後側に分割する分割部材を有し、
前記脆弱部は、前記前側の前記内側壁及び前記前側の前記外側壁に形成され、
前記前側の前記内側壁、前記前側の前記外側壁、前記荷重受部、及び前記分割部材により箱体が形成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両前部構造。
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