JP6070677B2 - 車両前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両前部構造に関する。
特許文献1には、フロントサイドフレームの車両幅方向外側面に他の部位よりも脆弱なビードが形成された車両前部構造が開示されている。言い換えると、ビードが車両幅方向外側面のみに形成されていることで、衝突時に該ビードが形成された部位を起点としてフロントサイドフレームを車両幅方向内側へ屈曲させる車両前部構造と言える。
特開2013−203320号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、ビードが形成された部位を起点としてフロントサイドフレームを車両幅方向内側へ屈曲させる構造となっているため、衝突時に車両前後方向でエネルギーが吸収され難い。よって、衝突時のフロントサイドメンバでのエネルギー吸収量を増加させるには改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、衝突時のフロントサイドメンバでのエネルギー吸収量を増加させることができる車両前部構造を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る車両前部構造は、車両幅方向で対向する内側壁及び外側壁を備えたフロントサイドメンバと、前記フロントサイドメンバの車両前後方向の前端部に設けられ又は該前端部に形成され、車両幅方向で前記フロントサイドメンバよりも拡幅され、荷重を受ける荷重受部と、前記フロントサイドメンバの車両前後方向の前記荷重受部よりも後側で少なくとも前記内側壁及び前記外側壁に形成され、前記フロントサイドメンバの他の部位の剛性に比べて低剛性とされた脆弱部と、前記フロントサイドメンバの車両前後方向で前記脆弱部よりも後側に設けられ、前記外側壁から車両幅方向の外側へ突出され衝突時に前記荷重受部と接触する接触部材で構成され、前記脆弱部の剛性よりも高剛性とされた補強部と、を有する。
請求項1に記載の本発明に係る車両前部構造では、荷重受部の後側に脆弱部が形成されている。このため、荷重受部に加わった衝突荷重のエネルギーは、脆弱部が変形することで吸収される。さらに、脆弱部は、フロントサイドメンバの外側壁だけでなく内側壁にも形成されている。このため、衝突時に脆弱部が車両前後方向に圧壊し易く、衝突によるエネルギーを吸収し易い。このように、衝突時から車両前後方向でエネルギーが吸収されると共にエネルギーを吸収し易くなるので、衝突時のフロントサイドメンバでのエネルギー吸収量を増加させることができる。
請求項に記載の本発明に係る車両前部構造では、補強部の剛性が脆弱部の剛性に比べて高剛性となっている。このため、衝突荷重が補強部に作用したとき、補強部自体は圧縮され難いので、補強部と他の部位との境界部分でフロントサイドメンバの折れが生じる。即ち、フロントサイドメンバは、衝突時に脆弱部でエネルギー吸収した後で補強部が設けられた部位を起点として折れる。このように、脆弱部よりも後側に脆弱部よりも高剛性の補強部が設けられていることで、フロントサイドメンバを設定した部位で折れさせることができる。
請求項に記載の本発明に係る車両前部構造の前記補強部は、前記内側壁から前記外側壁まで跨った板材である。
請求項に記載の本発明に係る車両前部構造では、板材がフロントサイドメンバの内側壁から外側壁まで配置されることで、フロントサイドメンバの断面全体が荷重伝達経路として活かされる。これにより、微小ラップ衝突時や正面衝突時など車両の衝突形態が変わっても、フロントサイドメンバの後方へ荷重を安定して伝達させることができる。
請求項に記載の本発明に係る車両前部構造では、接触部材がフロントサイドメンバの外側壁よりも外側へ突出されているので、衝突時にフロントサイドメンバの圧壊した部位が元の外側壁の位置よりも外側に膨出しても、この圧壊した部位が接触部材に接触する。ここで、接触部材は、他の部位よりも高剛性である補強部を構成しているので圧縮され難い。このため、フロントサイドメンバには、接触部材が設けられた部位を起点として折れが生じる。即ち、接触部材が設けられていることにより、補強部でのフロントサイドメンバの折れが促進されるので、フロントサイドメンバをより確実に折れさせることができる。
請求項に記載の本発明に係る車両前部構造の前記荷重受部は、前記外側壁の車両幅方向外側に設けられ、平面視で車両前後方向の後側を上底とし前側を下底とする台形状に形成されたガセットを有する。
請求項に記載の本発明に係る車両前部構造では、荷重受部として平面視で三角形状のガセットを用いる場合に比べて、荷重受部の車両前後方向の長さを短く設定することが可能となる。これにより、荷重受部として平面視で三角形状のガセットを用いる場合に比べて、車両前部構造を軽量化することができる。
請求項に記載の本発明に係る車両前部構造の前記荷重受部は、中空の箱状に形成され前記フロントサイドメンバの前記前端部に設けられた荷重受部材を有する。
請求項に記載の本発明に係る車両前部構造では、荷重受部材がフロントサイドメンバの前端部(車両前後方向前側)に取り付けられる構造となっている。このため、荷重受部材の車両前後方向の長さを変更することで、フロントサイドメンバを有する各種(例えば、車両前後方向の長さが異なるタイプ)の車両に車両前部構造を取り付けることができる。
請求項に記載の本発明に係る車両前部構造の前記フロントサイドメンバは、前記内側壁及び前記外側壁を車両前後方向の前側と後側に分割する分割部材を有し、前記脆弱部は、前記前側の前記内側壁及び前記前側の前記外側壁に形成され、前記前側の前記内側壁、前記前側の前記外側壁、前記荷重受部、及び前記分割部材により箱体が形成されている。
請求項に記載の本発明に係る車両前部構造では、分割部材を含む箱体がフロントサイドメンバの車両前後方向前側に取り付けられる構造となっている。このため、箱体の車両前後方向の長さを変更することで、フロントサイドメンバを有する各種(例えば、車両前後方向の長さが異なるタイプ)の車両に車両前部構造を取り付けることができる。
以上説明したように、請求項1に記載の車両前部構造によれば、衝突時のフロントサイドメンバでのエネルギー吸収量を増加させることができるという優れた効果を有する。
請求項に記載の車両前部構造によれば、フロントサイドメンバを設定した部位で折れさせることができるという優れた効果を有する。
請求項に記載の車両前部構造によれば、微小ラップ衝突時や正面衝突時など車両の衝突形態が変わっても、フロントサイドメンバの後方へ荷重を安定して伝達させることができるという優れた効果を有する。
請求項に記載の車両前部構造によれば、フロントサイドメンバをより確実に折れさせることができるという優れた効果を有する。
請求項に記載の車両前部構造によれば、車両前部構造を軽量化することができるという優れた効果を有する。
請求項に記載の車両前部構造によれば、フロントサイドメンバを有する各種の車両に車両前部構造を取り付けることができるという優れた効果を有する。
請求項に記載の車両前部構造によれば、フロントサイドメンバを有する各種の車両に車両前部構造を取り付けることができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る車両前部構造が適用された車両の前部の主要構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る車両前部構造の部分横断面図である。 (A)図2の3A−3A線で切断した切断面を拡大して示す拡大縦断面図である。(B)図2の3B−3B線で切断した切断面を拡大して示す拡大縦断面図である。 第1実施形態に係る車両前部構造の凹部及びバルクを示す斜視図である。 第1実施形態に係る車両前部構造のフロントサイドメンバ及びガセットを示す斜視図である。 (A)、(B)、(C)第1実施形態に係る車両前部構造における衝突時の変形状態を示す説明図である。 第2実施形態に係る車両前部構造の部分横断面図である。 第3実施形態に係る車両前部構造の部分横断面図である。 (A)第1変形例に係る車両前部構造の部分横断面図である。(B)第2変形例に係る車両前部構造の部分横断面図である。(C)第3変形例に係る車両前部構造の部分横断面図である。 (A)第4変形例に係る車両前部構造の部分横断面図である。(B)第5変形例に係る車両前部構造の部分横断面図である。 (A)、(B)対比例の車両前部構造においてフロントサイドメンバが折れる状態を示す説明図である。
[第1実施形態]
以下、図1〜図6を参照して、本発明に係る車両前部構造の第1実施形態について説明する。なお、各図に適宜示す矢印FRは車両前方(進行方向)を示しており、矢印UPは車両上方を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示しており、矢印INは車両幅方向内側を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の車両幅方向の左右を示すものとする。
<車両の全体構成>
図1には、第1実施形態に係る車両10の要部が示されている。車両10では、キャビン12(車室)よりも車両前後方向の前側にエンジンコンパートメント14が形成されている。エンジンコンパートメント14には、エンジンやモータ等を含んで構成されたパワーユニット16が収容されている。図1では、パワーユニット16を二点鎖線で示している。また、エンジンコンパートメント14の車両上下方向下部における車両幅方向両側部には、それぞれ車両前部構造40が設けられている。車両前部構造40の詳細については後述する。
さらに、エンジンコンパートメント14の車両上下方向下部における車両幅方向両側部には、左右一対の後述するフロントサイドメンバ42が設けられている。なお、車両10及び車両前部構造40は、基本的に左右対称に構成されているため、図1以外では車両10の右側の図示を省略すると共に右側の構造についての説明を省略する。フロントサイドメンバ42の上面には、図示しないエンジンマウントが取り付けられている。パワーユニット16は、このエンジンマウントを介して左右のフロントサイドメンバ42に支持されている。
フロントサイドメンバ42の前端部には、後述するブラケット54を介して、クラッシュボックス22(衝撃吸収部材)がボルト締結等の手段によって固定されている。クラッシュボックス22の前端部には、ボルト締結等の手段によってバンパリインフォースメント24が固定されている。バンパリインフォースメント24は、左右のクラッシュボックス22の前端部間に掛け渡されている。
クラッシュボックス22は、車両前後方向に沿った軸圧縮荷重に対する剛性(曲げ剛性)がフロントサイドメンバ42よりも低剛性とされている。そして、クラッシュボックス22は、車両10が前面衝突した際に、フロントサイドメンバ42が変形する前に変形して衝突のエネルギーの一部を吸収する構成になっている。
ここで、前面衝突には、車両10の正面全体が衝突する対称衝突(フルラップ衝突)と、車両10の正面片側が衝突する非対称衝突(オフセット衝突)とがある。本実施形態では、オフセット衝突のうち、車両前部におけるフロントサイドメンバ42の車両幅方向外側で衝突する場合を微小ラップ衝突と称する。
エンジンコンパートメント14の車両幅方向両側部において、フロントサイドメンバ42の車両上下方向上側(以後、車両上方側と称する)には、サスペンションタワー26が設けられている。サスペンションタワー26は、下端部がフロントサイドメンバ42に結合されている。なお、本実施形態において、単に「結合」と記載する場合は、レーザ溶接、スポット溶接、ボルト及びナットを用いた締結の各手段のうち、いずれか1つの手段又は複数の手段を用いて2つの部材を結合することを意味している。
サスペンションタワー26の上端部は、エプロンアッパメンバ28に結合されている。エプロンアッパメンバ28の車両前後方向の後端部は、カウル32の車両幅方向両端部と結合されている。カウル32の車両幅方向両端部は、フロントピラー34に結合されている。フロントピラー34の車両上下方向下端部には、ロッカ36の前端部が結合されている。さらに、カウル32の車両下方側には、キャビン12とエンジンコンパートメント14とを仕切る(区画する)ダッシュパネル38が設けられている。
ここで、車両10では、ダッシュパネル38よりも車両前後方向の前側がクラッシャブルゾーンとされている。そして、車両10では、前面衝突した際のキャビン12の変形を抑制できるように、クラッシュボックス22や車両前部構造40を積極的に変形させて、衝突のエネルギーを吸収するように構成されている。
<要部構成>
次に、車両前部構造40について説明する。
図2に示すように、第1実施形態に係る車両前部構造40は、フロントサイドメンバ42と、荷重受部の一例としてのガセット52及びブラケット54と、脆弱部の一例としてのビード56とを有している。さらに、車両前部構造40は、補強部及び接触部材の一例としてのバルク62を有している。
〔フロントサイドメンバ〕
図2に示すように、フロントサイドメンバ42は、一例として、車両前後方向に延びるインナパネル44と、インナパネル44の車両幅方向外側に位置し車両前後方向に延びる第1アウタパネル46及び第2アウタパネル48とを有している。第1アウタパネル46は、車両前後方向前側に位置している。第2アウタパネル48は、車両前後方向で第1アウタパネル46よりも後側に位置している。なお、インナパネル44は、内側壁の一例である。また、第1アウタパネル46及び第2アウタパネル48は、外側壁の一例である。図2では、クラッシュボックス22を二点鎖線で示している。
(インナパネル)
図3(A)に示すように、インナパネル44は、一例として、車両前後方向に見て車両幅方向外側へ向けて開口した断面ハット状に形成されている。具体的には、インナパネル44は、縦壁44Aと、上壁44Bと、下壁44Cと、上フランジ44Dと、下フランジ44Eとを含んで構成されている。
縦壁44Aは、車両上下方向に延びている。上壁44Bは、縦壁44Aの上端部から車両幅方向外側へ延びている。下壁44Cは、縦壁44Aの下端部から車両幅方向外側へ上壁44Bとほぼ同じ長さで延びている。上フランジ44Dは、上壁44Bの縦壁44A側とは反対側の端部から上方へ延びている。下フランジ44Eは、下壁44Cの縦壁44A側とは反対側の端部)から下方へ延びている。
図5に示すように、インナパネル44の車両前後方向前端部には、上フランジ44Fと下フランジ44Gとが形成されている。上フランジ44Fは、上壁44Bの車両前後方向の前端部から車両上下方向上側へ延びている。下フランジ44Gは、下壁44Cの車両前後方向の前端部から車両上下方向下側へ延びている。縦壁44Aの前面と上フランジ44Fの前面と下フランジ44Gの前面とは、ほぼ同一面上に揃うように配置されている。
図2に示すように、縦壁44A(インナパネル44)の車両前後方向におけるガセット52よりも後側で且つバルク62よりも前側の部位には、車両前後方向に間隔をあけて、2箇所のビード56が形成されている。なお、ガセット52、バルク62、及びビード56の詳細については後述する。
(第1アウタパネル)
図2に示すように、第1アウタパネル46は、一例として、縦壁46Aと前フランジ46Bと後フランジ46Cとで構成されている。
縦壁46Aは、車両幅方向を板厚方向とする板状に形成されている。また、縦壁46Aは、インナパネル44の縦壁44Aと車両幅方向で対向している。さらに、図3(A)に示すように、縦壁46Aの車両上下方向における下端から上端までの長さは、一例として、インナパネル44の車両上下方向における下フランジ44Eの下端から上フランジ44Dの上端までの長さとほぼ等しくなっている。
図2に示すように、前フランジ46Bは、縦壁46Aの車両前後方向の前端部から車両幅方向外側へ延びている。後フランジ46Cは、縦壁46Aの車両前後方向の後端部から車両幅方向外側へ延びている。即ち、第1アウタパネル46は、平面視で車両幅方向外側へ向けて開口したU字状に形成されている。なお、縦壁46A、前フランジ46B、及び後フランジ46Cの車両上下方向の長さはほぼ等しくなっている。
また、前フランジ46Bは、一例として、後述するブラケット54の車両前後方向後側の後面54Dに溶接により結合されている。後フランジ46Cは、一例として、後述するバルク62の前面62Dに溶接により結合されている。
縦壁46Aの車両前後方向におけるガセット52よりも後側で且つバルク62よりも前側の部位には、車両前後方向に間隔をあけて2箇所のビード56が形成されている。なお、ビード56の詳細については後述する。
(第2アウタパネル)
図2に示すように、第2アウタパネル48は、一例として、縦壁48Aと前フランジ48Bとで構成されている。
縦壁48Aは、車両幅方向を板厚方向とする板状に形成されている。また、縦壁48Aは、インナパネル44の縦壁44Aと車両幅方向で対向している。さらに、縦壁48Aの車両上下方向における下端から上端までの長さは、一例として、インナパネル44の車両上下方向における下フランジ44E(図3(A)参照)の下端から上フランジ44D(図3(A)参照)の上端までの長さとほぼ等しくなっている。
前フランジ48Bは、縦壁48Aの車両前後方向の前端部から車両幅方向外側へ延びている。即ち、第2アウタパネル48は、平面視でL字状に形成されている。また、前フランジ48Bは、一例として、後述するバルク62の後面62Eに溶接により結合されている。
ここで、図3(A)に示すように、インナパネル44の上フランジ44D及び下フランジ44Eは、第1アウタパネル46の車両上下方向の上端部及び下端部に溶接により結合されている。同様に、上フランジ44D及び下フランジ44Eは、第2アウタパネル48(図2参照)の車両上下方向の上端部及び下端部に溶接により結合されている。これにより、インナパネル44と第1アウタパネル46、及びインナパネル44と第2アウタパネル48とによって、車両前後方向へ延びる閉断面が形成されている。
〔ブラケット〕
図5に示すように、ブラケット54は、一例として、縦壁54Aとフランジ54Bとで構成されている。縦壁54Aは、車両前後方向に見て矩形の板材で構成されている。フランジ54Bは、縦壁54Aの車両幅方向内側端部から車両前後方向後側へ延びている。
縦壁54Aの車両幅方向の長さは、インナパネル44、第1アウタパネル46、及び後述するガセット52を組み付けた状態で、インナパネル44の縦壁44Aからガセット52の後述する前フランジ52Fまでを覆う長さとなっている。また、縦壁54Aの車両上下方向の長さは、インナパネル44、第1アウタパネル46、及び後述するガセット52を組み付けた状態で、上フランジ44F、下フランジ44G、前フランジ46B、前フランジ52Fを覆う長さとなっている。
ここで、縦壁54Aの車両前後方向前側の面を前面54C、車両前後方向後側の面を後面54Dとする。前面54Cには、既述のクラッシュボックス22(図1参照)の車両前後方向後端部が溶接又は締結により結合されている。後面54Dには、上フランジ44F、下フランジ44G、前フランジ46B、及び前フランジ52Fが溶接により結合されている。
〔ガセット〕
図3(A)に示すように、ガセット52は、第1アウタパネル46の縦壁46Aの車両幅方向外側に設けられている。また、ガセット52は、一例として、車両前後方向に見て車両幅方向内側へ向けて開口した断面ハット状に形成されている。具体的には、ガセット52は、縦壁52Aと、上壁52Bと、下壁52Cと、上フランジ52Dと、下フランジ52Eと、前フランジ52F(図5参照)とで構成されている。
縦壁52Aは、車両上下方向に沿った板状に形成されており、車両幅方向で第1アウタパネル46と対向配置されている。上壁52Bは、縦壁52Aの車両上下方向上端部から車両幅方向内側へ延びている。下壁52Cは、縦壁52Aの下端部から車両幅方向内側へ上壁52Bとほぼ同じ長さで延びている。上フランジ52Dは、上壁52Bの車両幅方向内側端部から上方へ延びている。下フランジ52Eは、下壁52Cの車両幅方向内側端部から下方へ延びている。
図2に示すように、ガセット52の縦壁52Aは、組み付け状態で車両上下方向に見て、ブラケット54の車両幅方向外側端部から車両前後方向後側へ向かうにつれて車両幅方向内側へ向かうように傾斜した状態で配置されている。即ち、車両上下方向に見て、縦壁52Aは、ブラケット54の縦壁54Aに対して角度θ1で斜めに配置されている。
ここで、車両前部構造40を車両上下方向に見て、縦壁52Aを傾斜方向に延長した延長線K(破線で示す)と、フロントサイドメンバ42の車両幅方向外側部とが交わる位置を折れ点P1とする。折れ点P1とは、フロントサイドメンバ42に折れモードを生じさせる設定位置であり変形起点である。なお、本実施形態では、一例として、折れ点P1に後述するバルク62が配置されている。
ガセット52の下壁52Cは、一例として、車両上下方向に見て、車両前後方向後端を上底とし車両前後方向前端を下底とする台形状に形成されている。具体的には、下壁52Cは、車両前後方向の前端面及び後端面がそれぞれ車両幅方向に沿っており、該前端面の車両幅方向の長さL1よりも該後端面の車両幅方向の長さL2が短くなっている。長さL1は、フロントサイドメンバ42の車両前後方向前端部において、衝突時に車両幅方向で必要とされる拡幅量に基づいて設定される。また、下壁52Cの車両幅方向内側端面は、車両前後方向に沿っている。さらに、下壁52Cの車両幅方向外側端面は、縦壁52Aに沿った傾斜面となっている。
加えて、下壁52Cの車両前後方向前端部における車両幅方向内側端部には、切欠部52Gが形成されている。切欠部52Gの大きさは、車両上下方向に見て、第1アウタパネル46の前フランジ46Bが収容される大きさとなっている。なお、上壁52B(図3(A)参照)の形状は下壁52Cと同様の形状であるため説明を省略する。
図5に示すように、ガセット52の車両前後方向前端部には、前フランジ52Fが形成されている。前フランジ52Fは、車両前後方向に見て、車両幅方向内側に開口したU字状に形成されている。なお、前フランジ52Fは、切欠部52Gには形成されていない。
〔ビード〕
図4に示すように、ビード56は、一例として、インナパネル44の縦壁44Aに2箇所、第1アウタパネル46の縦壁46Aに2箇所形成されている。具体的には、図2に示すように、各ビード56は、車両前後方向でガセット52よりも後側で且つ折れ点P1(バルク62が配置された位置)よりも前側に形成されている。
図4に示すように、インナパネル44のビード56は、縦壁44Aの一部が車両上下方向に見て断面略V字状に車両幅方向外側へ膨出することにより形成されており、車両上下方向に延びる複数の稜線を形成している。第1アウタパネル46のビード56は、縦壁46Aの一部が車両上下方向に見て断面略V字状に車両幅方向内側へ膨出することにより形成されており、車両上下方向に延びる複数の稜線を形成している。各ビード56は、一例として、車両上下方向の長さ(高さ)、車両前後方向の長さ(幅)、及び車両幅方向の長さ(膨出量)が、ほぼ同じ長さとなっている。
インナパネル44及び第1アウタパネル46においてビード56が形成された部位は、インナパネル44及び第1アウタパネル46の他の部位の剛性(曲げ剛性)に比べて低剛性とされている。即ち、ビード56が形成された部位は、車両前後方向前側からの衝突荷重に対して脆弱になっている。これにより、各ビード56が形成された部位は、荷重を受けたときに変形しながらエネルギーを吸収するようになっている。
図2及び図3(B)に示すように、インナパネル44のビード56は、一例として、第1アウタパネル46のビード56と車両幅方向で対向配置されている。ビード56の配置、形状、数は、車両前後方向前側から衝突荷重が入力された際にフロントサイドメンバ42が車両幅方向内側へ折り曲がるように設定されている。
なお、インナパネル44のビード56と第1アウタパネル46のビード56とは、車両幅方向で対向するものに限らず、車両前後方向でずれた配置となっていてもよい。また、インナパネル44のビード56の形状と第1アウタパネル46のビード56の形状とは、同じ形状のものに限らず、異なる形状となっていてもよい。さらに、インナパネル44のビード56の数と第1アウタパネル46のビード56の数とは、同じ数に限らず、異なる数であってもよい。
〔バルク〕
図2に示すように、バルク62は、フロントサイドメンバ42の車両前後方向でガセット52よりも後側に設けられている。また、バルク62は、板材で構成され、車両幅方向でインナパネル44の縦壁44Aから第1アウタパネル46の縦壁46A及び第2アウタパネル48の縦壁48Aまで跨って設けられている。
さらに、バルク62は、一例として、車両上下方向に見て車両幅方向の2箇所で屈曲させた形状となっており、縦壁62Aとフランジ62Bと折曲部62Cとを含んで構成されている。縦壁62Aの車両幅方向外端部及び折曲部62Cは、縦壁46A及び後フランジ46Cよりも車両幅方向外側に突出されている。ここで、フロントサイドメンバ42におけるバルク62が設けられた部位は、ビード56の剛性(曲げ剛性)よりも高剛性とされている。
縦壁62Aは、車両前後方向を板厚方向として車両幅方向に沿って配置されている。また、縦壁62Aの車両前後方向前側の前面62Dの一部は、第1アウタパネル46の後フランジ46Cに溶接されている。さらに、縦壁62Aの車両前後方向後側の後面62Eの一部は、第2アウタパネル48の前フランジ48Bに溶接されている。
図4に示すように、バルク62の車両上下方向の長さは、インナパネル44の下壁44Cと上壁44Bとの間に挿入可能な長さとなっている。また、縦壁62Aにおける車両幅方向中央部よりも外側で且つ車両上下方向の上端には、車両上下方向上側へ延びる結合部62Fが形成されている。さらに、縦壁62Aにおける車両幅方向中央部よりも外側で且つ車両上下方向の下端には、車両上下方向下側へ延びる結合部62Gが形成されている。結合部62F、62Gの車両幅方向内側端部は、フランジ62B(図2参照)がインナパネル44に接触した状態で、上フランジ44D、下フランジ44Eと接触している。
図2に示すように、フランジ62Bは、縦壁62Aの車両幅方向内側端部から車両前後方向後側へ延びている。また、フランジ62Bは、縦壁44Aの車両幅方向外側面に溶接されている。
折曲部62Cは、車両上下方向に見て、縦壁62Aの車両幅方向外側端部から車両前後方向前側へ向かうにつれて車両幅方向外側へ向かうように傾斜している。また、折曲部62Cの車両前後方向前端部から第1アウタパネル46の縦壁46Aまでの長さL3は、既述のガセット52の長さL2よりも長くなっている。これにより、衝突時にガセット52の車両前後方向後端部が、縦壁46A、縦壁62A、及び折曲部62Cで囲まれた領域内に進入してバルク62と接触することが可能となっている。
(車両前部構造の組み付け)
図4に示すように、車両前部構造40の組み付けでは、一例として、インナパネル44の内側にバルク62を挿入し、フランジ62B(図2参照)を縦壁44Aに溶接する。そして、インナパネル44の車両前後方向後側の上フランジ44D及び下フランジ44Eに第2アウタパネル48の縦壁48Aを溶接する。さらに、前フランジ48Bと結合部62F及び結合部62Gとを溶接する。
続いて、バルク62の車両前後方向前側に第1アウタパネル46を配置し、後フランジ46Cを結合部62F、縦壁62A、及び結合部62Gに溶接すると共に、縦壁46Aを上フランジ44D及び下フランジ44Eに溶接する。これにより、フロントサイドメンバ42が形成される。
続いて、図5に示すように、ガセット52の上フランジ52D及び下フランジ52Eを第1アウタパネル46の縦壁46Aに溶接する。そして、上フランジ44F、下フランジ44G、前フランジ46B、及び前フランジ52Fにブラケット54の縦壁54Aが溶接される。さらに、フランジ54Bが縦壁44Aに溶接される。このようにして、車両前部構造40が形成される。なお、ブラケット54の前面54Cには、クラッシュボックス22(図1参照)が取り付けられる。
<対比例>
次に、対比例の車両前部構造200について説明する。なお、本実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を適宜省略する。また、対比例の車両前部構造200は、車両幅方向の左右で対称な構造であるため、車両幅方向の左側について説明し、右側の説明を省略する。
図11(A)には、対比例の車両前部構造200が示されている。対比例の車両前部構造200は、フロントサイドメンバ202と、フロントサイドメンバ202に溶接されたガセット204と、フロントサイドメンバ202及びガセット204の車両前後方向前端部に溶接されたブラケット54とを有する。
フロントサイドメンバ202は、筒状に形成され車両前後方向に沿って延びている。ブラケット54の前面54Cには、クラッシュボックス22が取り付けられている。図11(A)、(B)では、クラッシュボックス22を二点鎖線で示している。
ガセット204は、車両幅方向に沿った断面が車両幅方向内側に開口したハット状に形成されており、車両上下方向に見て直角三角形状に形成されている。具体的には、ガセット204の三角形の斜辺に対応する傾斜壁204Aが、ブラケット54の後面54Dとフロントサイドメンバ202の車両幅方向外側の側面202Aとに溶接されている。これにより、対比例の車両前部構造200では、傾斜壁204Aのフロントサイドメンバ202側の端部位置P2が折れ点として設定されている。なお、傾斜壁204A(ガセット204)が配置された区間では、フロントサイドメンバ202に他の部位よりも低剛性の脆弱部が形成されていない。
対比例の車両前部構造200において、微小ラップ衝突時にブラケット54に車両前後方向に沿って衝突荷重Fが入力されたものとする。ここで、図11(B)に示すように、対比例の車両前部構造200では、ブラケット54とフロントサイドメンバ202とを剛体である傾斜壁204Aで接続している。また、傾斜壁204Aが配設された区間(車両前後方向の長さL4の区間として示す)では、フロントサイドメンバ202に脆弱部が形成されていない。これらの理由により、対比例の車両前部構造200では、微小ラップ衝突時、折れ点P2でフロントサイドメンバ202の折れが生じる前の段階で、傾斜壁204Aが配置された区間においてフロントサイドメンバ202の軸圧縮塑性変形が生じ難い。このため、対比例の車両前部構造200では、フロントサイドメンバ202でのエネルギー吸収量を増加させることが難しい。
<作用並びに効果>
次に、第1実施形態の車両前部構造40の作用並びに効果について説明する。
図6(A)に示すように、車両前部構造40において、微小ラップ衝突時、クラッシュボックス22を介して、ブラケット54の車両幅方向でフロントサイドメンバ42よりも外側に衝突荷重Fが入力される。そして、衝突荷重Fは、ブラケット54、ガセット52、及びフロントサイドメンバ42の前端部を介してフロントサイドメンバ42の車両前後方向後側へ伝達される。なお、以後の説明では、微小ラップ衝突時を単に衝突時という。
ここで、フロントサイドメンバ42には、ガセット52よりも車両前後方向の後側で且つ折れ点P1に位置するバルク62よりも車両前後方向の前側にビード56が形成されている。このため、図6(B)に示すように、フロントサイドメンバ42では、折れモードが生じる前に、ビード56が形成された部位が車両前後方向に沿って軸圧縮塑性変形(圧壊)して衝突荷重のエネルギーを吸収する。即ち、本実施形態の車両前部構造40では、既述の対比例に比べて、衝突時からエネルギー吸収が行われる。
さらに、ビード56は、フロントサイドメンバ42の第1アウタパネル46だけでなく、インナパネル44にも形成されている。このため、第1アウタパネル46のみにビード56が形成された構成に比べて、衝突時にビード56が車両前後方向に圧壊し易く、衝突によるエネルギーを吸収し易い。これにより、車両前部構造40では、衝突時のフロントサイドメンバ42でのエネルギー吸収量を増加させることができる。
続いて、図6(C)に示すように、ビード56の形成部の塑性変形が進むと、ガセット52の車両前後方向後端部がバルク62と接触する(バルク62に引っ掛かる)。ここで、フロントサイドメンバ42におけるバルク62が設けられた部位の剛性がフロントサイドメンバ42の他の部位の剛性に比べて高剛性となっているため、衝突荷重がバルク62に作用したとき、バルク62自体は圧縮され難い。これにより、フロントサイドメンバ42のバルク62が設けられた部位と他の部位との境界部分で、フロントサイドメンバ42の折れモードが生じる。
即ち、フロントサイドメンバ42は、衝突時に車両幅方向内側及び外側のビード56でエネルギー吸収した後で、バルク62が設けられた部位(折れ点P1)を起点として折れる。このように、車両前部構造40では、フロントサイドメンバ42に他の部位よりも高剛性のバルク62が設けられていることで、フロントサイドメンバ42を設定した部位で折れさせることができる。さらに、折れ点P1の周辺部では、ガセット52の車両前後方向後端位置を中心とする曲げモーメントMが作用することにより、フロントサイドメンバ42が車両幅方向内側へ折れ変形する。
続いて、車両幅方向内側へ折れ変形したフロントサイドメンバ42が、パワーユニット16(二点鎖線で示す)と接触することで、衝突荷重Fが車両幅方向内側(反衝突側)へ伝達される。これにより、図1に示す車両10では、キャビン12が衝突物(図示省略)から遠ざけられるので、キャビン12の変形を抑制することができる。
また、図2に示すように、車両前部構造40では、バルク62がフロントサイドメンバ42の縦壁46Aよりも外側へ突出されている。このため、衝突時にフロントサイドメンバ42の圧壊した部位が元の縦壁46Aの位置よりも外側に膨出しても、この圧壊した部位が他の部位よりも高剛性であるバルク62に接触する(引っ掛かる)。また、バルク62は、既述のように圧縮され難い。このため、フロントサイドメンバ42には、バルク62が設けられた部位を起点として折れが生じる。
このように、車両前部構造40では、バルク62がフロントサイドメンバ42よりも車両幅方向外側に突出されていることにより、該バルク62を設けた部位でのフロントサイドメンバ42の折れが促進される。これにより、フロントサイドメンバ42により確実に折れモードを生じさせることができる。
さらに、図2に示すように、車両前部構造40では、既述の対比例のように平面視で三角形状のガセット204(図11(A)参照)を用いる場合に比べて、衝突荷重を受ける荷重受部の車両前後方向の長さを短く設定することが可能となる。具体的には、ガセット52では、車両前部構造40を平面視して、縦壁46A、ガセット52の車両前後方向後端面52H、及び延長線Kで囲まれた三角形の領域が無くなっている。これにより、車両前部構造40では、対比例に比べて、全体を軽量化することができる。
加えて、図2に示すように、車両前部構造40では、バルク62が縦壁44Aから縦壁46Aまで跨った板材で構成されている。これにより、フロントサイドメンバ42を車両前後方向に見た断面全体が荷重伝達経路として活かされるので、微小ラップ衝突時や正面衝突時など車両10の衝突形態が変わっても、フロントサイドメンバ42の後方へ衝突荷重を安定して伝達させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る車両前部構造70について説明する。
第2実施形態に係る車両前部構造70は、図1に示す第1実施形態に係る車両10において、車両前部構造40に換えて設けられている。なお、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。同様の構成とは、一部の長さや形状が異なるものの、基本的な機能が同様である構成を含む概念である。
図7に示すように、車両前部構造70は、フロントサイドメンバ72と、荷重受部の一例としてのブラケット78及び荷重受部材82と、ビード56と、バルク62とを有している。なお、車両前部構造70は、基本的に左右対称に構成されているため、左側の構造について説明し、右側の構造についての説明を省略する。図7では、クラッシュボックス22を二点鎖線で示している。
〔フロントサイドメンバ〕
図7に示すように、フロントサイドメンバ72は、一例として、車両前後方向に延びるインナパネル74と、インナパネル74の車両幅方向外側に位置し車両前後方向に延びる第1アウタパネル76及び第2アウタパネル48とを有している。
(インナパネル)
インナパネル74は、内側壁の一例である。また、インナパネル74は、第1実施形態のインナパネル44(図2参照)において、ビード56から車両前後方向前端までの長さが短く設定された以外は、インナパネル44と同様の構成である。即ち、インナパネル74の縦壁44Aにおけるバルク62よりも車両前後方向前側の部位には、ビード56が2箇所形成されている。
(第1アウタパネル)
第1アウタパネル76は、外側壁の一例であり、車両前後方向で第2アウタパネル48よりも前側に位置している。また、第1アウタパネル76は、第1実施形態の第1アウタパネル46(図2参照)において、ビード56から車両前後方向前端までの長さが短く設定された以外は、第1アウタパネル46と同様の構成である。即ち、第1アウタパネル76の縦壁46Aにおけるバルク62よりも車両前後方向前側の部位には、ビード56が2箇所形成されている。
ここで、図7では図示を省略するが、インナパネル74の上フランジ44D及び下フランジ44E(図3(A)参照)は、第1アウタパネル76の車両上下方向の上端部及び下端部に溶接により結合されている。同様に、上フランジ44D及び下フランジ44Eは、第2アウタパネル48の車両上下方向の上端部及び下端部に溶接により結合されている。これにより、インナパネル74と第1アウタパネル76、及びインナパネル74と第2アウタパネル48とによって、車両前後方向へ延びる閉断面が形成されている。
〔ブラケット〕
図7に示すように、ブラケット78は、一例として、縦壁78Aとフランジ78Bとで構成されている。縦壁78Aは、車両前後方向に見て、車両幅方向を長手方向とし車両上下方向を短手方向とする矩形の板材で構成されている。フランジ78Bは、縦壁78Aの車両幅方向内側端部から車両前後方向後側へ延びている。
縦壁78Aの車両幅方向の長さは、縦壁44Aから前フランジ46Bまでを覆う長さとなっている。また、縦壁78Aの車両上下方向の長さは、組み付け状態で上フランジ44F、下フランジ44G(図5参照)、及び前フランジ46Bを覆う長さとなっている。ここで、縦壁78Aの車両前後方向前側の面を前面78C、車両前後方向後側の面を後面78Dとする。後面78Dには、上フランジ44F、下フランジ44G(図5参照)、及び前フランジ46Bが溶接により結合されている。
〔荷重受部材〕
図7に示すように、荷重受部材82は、一例として、鋼板によって中空の箱状に形成され、フロントサイドメンバ72の車両前後方向前端部に設けられている。具体的には、荷重受部材82は、前壁82Aと、後壁82Bと、右側壁82Cと、左側壁82Dと、図示しない上壁及び下壁とにより構成されている。また、荷重受部材82は、車両上下方向に見て台形状に形成され、車両前後方向に見て矩形状に形成されている。
前壁82Aは、車両幅方向及び車両上下方向に沿った板状に形成されている。また、前壁82Aの車両幅方向の長さは、一例として、フロントサイドメンバ72の前端部の車両幅方向の長さよりも長くなっている。さらに、前壁82Aの車両前後方向前面には、クラッシュボックス22の後端部が結合されている。
後壁82Bは、車両幅方向及び車両上下方向に沿った板状に形成され、車両前後方向における前壁82Aよりも後側で且つブラケット78の前側に配置されている。また、後壁82Bの車両幅方向の長さは、一例として、縦壁78Aの車両幅方向の長さとほぼ同じ長さとなっている。さらに、後壁82Bの車両前後方向後面は、ブラケット78の前面78Cに結合されている。
右側壁82Cは、車両前後方向及び車両上下方向に沿った板状とされ、前壁82Aの車両幅方向内側端部から後壁82Bの車両幅方向内側端部まで形成されている。また、右側壁82Cは、一例として、縦壁44Aを車両前後方向に延長した延長線(図示省略)上に配置されている。
左側壁82Dは、車両上下方向に見て、前壁82Aの車両幅方向外側端部から車両前後方向後側へ向かうにつれて車両幅方向内側へ向かうように傾斜した状態で配置されている。即ち、車両上下方向に見て、左側壁82Dは、前壁82Aに対して角度θ2で斜めに配置されている。
〔バルク〕
図7に示すバルク62は、フロントサイドメンバ92の折れ点(折れモードを生じさせる設定位置)に配置されている。また、バルク62は、フロントサイドメンバ72において、第1実施形態と同様に、縦壁44A、後フランジ46C、及び前フランジ48Bに結合されている。また、バルク62は、縦壁62Aの車両幅方向外端部及び折曲部62Cが、縦壁46A、後フランジ46C、及び前フランジ48Bよりも車両幅方向外側に突出されている。
<作用並びに効果>
次に、第2実施形態の車両前部構造70の作用並びに効果について説明する。
図7に示す車両前部構造70において、衝突時、クラッシュボックス22を介して荷重受部材82の車両幅方向でフロントサイドメンバ72よりも外側に衝突荷重が入力される。そして、衝突荷重は、荷重受部材82、ブラケット78、及びフロントサイドメンバ72の前端部を介して、フロントサイドメンバ72の車両前後方向後側へ伝達される。
ここで、フロントサイドメンバ72には、荷重受部材82よりも車両前後方向の後側で且つ折れ点に位置するバルク62よりも車両前後方向の前側に低剛性のビード56が形成されている。このため、フロントサイドメンバ72では、折れモードが生じる前に、ビード56が形成された部位が車両前後方向に沿って軸圧縮塑性変形して衝突荷重のエネルギーを吸収する。即ち、本実施形態の車両前部構造70では、既述の対比例に比べて、衝突時からエネルギー吸収が行われる。
また、ビード56は、フロントサイドメンバ72の第1アウタパネル76だけでなく、インナパネル74にも形成されている。このため、第1アウタパネル76のみにビード56が形成された構成に比べて、衝突時にビード56が車両前後方向に圧壊し易く、衝突によるエネルギーを吸収し易い。これにより、車両前部構造70では、衝突時のフロントサイドメンバ72でのエネルギー吸収量を増加させることができる。
続いて、ビード56の形成部の塑性変形が進むと、荷重受部材82の車両前後方向後端部で且つ車両幅方向外側端部がバルク62と接触する。そして、第1実施形態の車両前部構造40(図2参照)と同様に、フロントサイドメンバ72の内折れが生じる。さらに、内折れしたフロントサイドメンバ72がパワーユニット16(図1参照)と接触することで、衝突荷重が車両幅方向内側へ伝達されるので、キャビン12の変形を抑制することができる。
また、車両前部構造70では、荷重受部材82がフロントサイドメンバ72の車両前後方向前側に取り付けられる構造となっている。このため、荷重受部材82の車両前後方向の長さを変更することで、フロントサイドメンバ72を有する各種(例えば、車両前後方向の長さが異なるタイプ)の車両10(図1参照)に車両前部構造70を取り付けることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る車両前部構造90について説明する。
第3実施形態に係る車両前部構造90は、図1に示す第1実施形態に係る車両10において、車両前部構造40に換えて設けられている。なお、第1、第2実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を適宜省略する。
図8に示すように、車両前部構造90は、フロントサイドメンバ92と、ブラケット78及び荷重受部材82と、ビード56と、バルク62とを有している。バルク62は、フロントサイドメンバ92の折れ点に位置している。なお、車両前部構造90は、基本的に左右対称に構成されているため、左側の構造について説明し、右側の構造についての説明を省略する。図8では、クラッシュボックス22を二点鎖線で示している。
〔フロントサイドメンバ〕
図8に示すように、フロントサイドメンバ92は、一例として、車両前後方向に延びる第1インナパネル94及び第2インナパネル96と、車両前後方向に延びる第1アウタパネル76及び第2アウタパネル48と、後ブラケット98とを有している。
(第1インナパネル)
第1インナパネル94は、車両前後方向で第2インナパネル96よりも前側に位置している。なお、第1インナパネル94は、内側壁の一例である。また、第1インナパネル94は、一例として、車両前後方向の長さが第1アウタパネル76の車両前後方向の長さとほぼ同じ長さとされた以外は、第1実施形態のインナパネル44(図2参照)と同様の構成とされている。さらに、第1インナパネル94の縦壁44Aには、車両前後方向に間隔をあけて、車両幅方向外側へ膨出した2箇所のビード56が形成されている。
(第2インナパネル)
第2インナパネル96は、一例として、車両前後方向の長さが第2アウタパネル48の車両前後方向の長さとほぼ同じ長さとされた以外は、第1実施形態のインナパネル44(図2参照)と同様の構成とされている。つまり、第2インナパネル96は、上フランジ44F、下フランジ44G(図5参照)、及び前フランジ48Bを有している。また、第2インナパネル96の縦壁44Aは、車両前後方向で第1インナパネル94の縦壁44Aと直線状に並んで配置されている。
(第1アウタパネル)
第1アウタパネル76は、外側壁の一例である。また、第1アウタパネル76は、一例として、第1インナパネル94の車両幅方向外側に位置し、車両幅方向で第1インナパネル94と対向配置されている。
(第2アウタパネル)
第2アウタパネル48は、第2インナパネル96の車両幅方向外側に位置し、車両幅方向で第2インナパネル96と対向配置されている。
(後ブラケット)
図8に示すように、後ブラケット98は、フロントサイドメンバ92の内側壁及び外側壁を車両前後方向の前側と後側に分割する分割部材の一例である。具体的には、後ブラケット98は、フロントサイドメンバ92を第1インナパネル94、第2インナパネル96、第1アウタパネル76、第2アウタパネル48に分割している。また、後ブラケット98は、一例として、縦壁98Aとフランジ98Bとで構成されている。
縦壁98Aは、車両前後方向に見て、車両幅方向を長手方向とし車両上下方向を短手方向とする矩形の板材で構成されている。フランジ98Bは、縦壁98Aの車両幅方向内側端部から車両前後方向前側へ延びている。
縦壁98Aの車両幅方向の長さは、縦壁44Aから前フランジ48Bまでを覆う長さとなっている。また、縦壁98Aの車両上下方向の長さは、組み付け状態で上フランジ44F、下フランジ44G(図5参照)、及び前フランジ48Bを覆う長さとなっている。縦壁98Aの車両前後方向前側の面を前面98C、車両前後方向後側の面を後面98Dとする。
〔箱体〕
図8に示すように、後ブラケット98の前面98Cが、第1インナパネル94の後端面及び第1アウタパネル76の後フランジ46Cに結合される。また、ブラケット78の後面78Dが、第1インナパネル94の前端面及び第1アウタパネル76の前フランジ46Bに結合される。これにより、第1インナパネル94、第1アウタパネル76、ブラケット78、及び後ブラケット98で囲まれた箱体99が形成されている。
車両前部構造90の組み付けでは、バルク62のフランジ62Bが第2インナパネル96の縦壁44Aの車両幅方向外側部に結合され、バルク62の後面62Eが前フランジ48Bに結合される。また、箱体99の後面98Dが、第2インナパネル96の縦壁44Aの前端面及びバルク62の前面62Dに結合される。さらに、荷重受部材82の後壁82Bが、箱体99の前面78Cに結合される。加えて、荷重受部材82の前壁82Aにクラッシュボックス22の後端部が結合される。このようにして、車両前部構造90が組み付けられる。
<作用並びに効果>
次に、第3実施形態の車両前部構造90の作用並びに効果について説明する。
図8に示す車両前部構造90において、衝突時、クラッシュボックス22を介して荷重受部材82の車両幅方向でフロントサイドメンバ92よりも外側に衝突荷重が入力される。そして、衝突荷重は、荷重受部材82及び箱体99を介して、フロントサイドメンバ72の車両前後方向後側へ伝達される。
ここで、フロントサイドメンバ92には、荷重受部材82よりも車両前後方向の後側で且つ折れ点に位置するバルク62よりも車両前後方向の前側にビード56が形成されている。このため、フロントサイドメンバ92では、折れモードが生じる前に、ビード56が形成された部位が車両前後方向に沿って軸圧縮塑性変形して衝突荷重のエネルギーを吸収する。即ち、本実施形態の車両前部構造90では、既述の対比例に比べて、衝突時からエネルギー吸収が行われる。
また、ビード56は、第1アウタパネル76だけでなく、第1インナパネル94にも形成されている。このため、第1アウタパネル76のみにビード56が形成された構成に比べて、衝突時にビード56が車両前後方向に圧壊し易く、衝突によるエネルギーを吸収し易い。このように、車両前部構造90では、衝突時の早い段階からエネルギーが吸収されると共にエネルギーを吸収し易くなるので、衝突時のフロントサイドメンバ92でのエネルギー吸収量を増加させることができる。
続いて、箱体99におけるビード56の形成部の塑性変形が進むと、荷重受部材82の車両前後方向後端部で且つ車両幅方向外側端部がバルク62と接触する。そして、第1実施形態の車両前部構造40(図2参照)と同様に、フロントサイドメンバ92の内折れが生じる。さらに、内折れしたフロントサイドメンバ92がパワーユニット16(図1参照)と接触することで、衝突荷重が車両幅方向内側へ伝達されるので、キャビン12の変形を抑制することができる。
また、車両前部構造90では、箱体99がフロントサイドメンバ92の車両前後方向前側に取り付けられる構造となっている。このため、荷重受部材82だけでなく、箱体99の車両前後方向の長さを変更することで、フロントサイドメンバ92を有する各種(例えば、車両前後方向の長さが異なるタイプ)の車両10(図1参照)に車両前部構造90を取り付けることができる。
次に、上記各実施形態に使用可能な車両前部構造の変形例について説明する。
(第1変形例)
図9(A)には、第1変形例としての車両前部構造100が示されている。車両前部構造100は、第1実施形態の車両前部構造40(図2参照)において、バルク62(図2参照)に換えて、補強部の一例としてのバルク102を設けた構成とされている。バルク102は、平面視でL字状に形成された板材で構成されており、縦壁102Aと、縦壁102Aの車両幅方向内側端部から車両前後方向後側へ延びるフランジ102Bとを有している。
縦壁102Aは、車両幅方向でインナパネル44から第1アウタパネル46及び第2アウタパネル48まで跨って設けられている。しかし、縦壁102Aは、車両幅方向で後フランジ46C及び前フランジ48Bよりも外側には延びていない。このように、バルク62(図2参照)よりも車両幅方向の長さが短いバルク102を用いた構成であっても、バルク102が設けられた部位は、バルク102が設けられていない部位に比べて高剛性の部位となる。これにより、ビード56によるエネルギー吸収後、バルク102を設けた部位を折れ点として、フロントサイドメンバ42を内折れさせることができる。
(第2変形例)
図9(B)には、第2変形例としての車両前部構造110が示されている。車両前部構造110は、車両前部構造40(図2参照)において、バルク62(図2参照)に換えて、補強部の一例としてのバルク112を設けた構成とされている。
バルク112は、縦壁112Aと、縦壁112Aの車両幅方向外側端部から車両前後方向前側へ斜め方向に延びる折曲部112Bとを有している。縦壁112Aは、車両幅方向で第1アウタパネル46及び第2アウタパネル48から後フランジ46C及び前フランジ48Bよりも外側へ延びている。なお、バルク112は、インナパネル44から第1アウタパネル46及び第2アウタパネル48までの間には設けられていない。
このように、バルク112がインナパネル44から第1アウタパネル46及び第2アウタパネル48まで跨っていない構成であっても、バルク112が設けられた部位は、バルク112が設けられていない部位よりも高剛性の部位となる。これにより、ビード56によるエネルギー吸収後、バルク112を設けた部位を折れ点として、フロントサイドメンバ42を内折れさせることができる。
(第3変形例)
図9(C)には、第3変形例としての車両前部構造120が示されている。車両前部構造120は、フロントサイドメンバ122と、ガセット52と、ブラケット54とを有している。フロントサイドメンバ122は、インナパネル124と、アウタパネル128とを有している。ガセット52は、アウタパネル128の車両前後方向の前端部で且つ車両幅方向の外側に結合されている。ブラケット54は、フロントサイドメンバ122及びガセット52の車両前後方向の前端部に結合されている。
インナパネル124は、車両前後方向に沿っている。また、インナパネル124は、車両前後方向に見て車両幅方向外側に開口したハット状に形成されている。さらに、インナパネル124の車両前後方向のガセット52よりも後側には、車両幅方向外側に膨出したビード56が形成されている。加えて、インナパネル124の車両前後方向のビード56よりも後側には、車両幅方向内側に突出し他の部位よりも厚肉とされた補強部の一例としての厚肉部126が形成されている。
アウタパネル128は、車両前後方向に沿っており、車両幅方向でインナパネル124と対向配置されている。また、アウタパネル128の車両前後方向のガセット52よりも後側には、車両幅方向内側に膨出したビード56が形成されている。さらに、アウタパネル128の車両前後方向のビード56よりも後側には、車両幅方向外側に突出し他の部位よりも厚肉とされた厚肉部126が形成されている。
このように、バルク62(図2参照)が無い構成でも、厚肉部126が他の部位よりも高剛性の部位となるので、ビード56によるエネルギー吸収後、厚肉部126を形成した部位を折れ点として、フロントサイドメンバ122を内折れさせることができる。
(第4変形例)
図10(A)には、第4変形例としての車両前部構造130が示されている。車両前部構造130は、フロントサイドメンバ132と、荷重受部材82とを有している。フロントサイドメンバ132は、インナパネル74と、アウタパネル134とを有している。荷重受部材82は、フロントサイドメンバ132の車両前後方向の前端部に結合されている。
アウタパネル134は、車両前後方向に沿っており、車両幅方向でインナパネル74と対向配置されている。また、アウタパネル134には、車両幅方向内側に膨出しインナパネル74のビード56と車両幅方向で対向するビード56が形成されている。なお、インナパネル74及びアウタパネル134の車両前後方向のビード56よりも後側には、バルク62(図2参照)は設けられておらず厚肉部126(図10(C)参照)もない。
このように、バルク62(図2参照)及び厚肉部126(図10(C)参照)が無い構成であっても、フロントサイドメンバ132において脆弱なビード56が形成された部位と、ビード56よりも高剛性の部位とが存在する。これにより、ビード56によるエネルギー吸収後、ビード56よりも車両前後方向で後側の部位を折れ点として、フロントサイドメンバ132を内折れさせることが可能となる。
(第5変形例)
図10(B)には、第5変形例としての車両前部構造140が示されている。車両前部構造140は、フロントサイドメンバ42と、バルク142と、ガセット144と、ブラケット54とを有している。
バルク142は、縦壁142Aと、縦壁142Aの車両幅方向内側端部から車両前後方向後側へ延びるフランジ142Bと、縦壁142Aの車両幅方向外側端部から車両前後方向前側へ斜め方向に延びる折曲部142Cとを有している。縦壁142Aは、車両幅方向でインナパネル44から後フランジ46C及び前フランジ48Bよりも外側へ延びている。即ち、バルク142は、インナパネル44から第1アウタパネル46及び第2アウタパネル48まで跨っている。また、フランジ142Bは、インナパネル44に結合されている。
ガセット144は、車両前後方向に見て車両幅方向内側へ開口したハット状に形成されている。また、ガセット144は、平面視で車両前後方向を長手方向とし車両幅方向を短手方向とする矩形状に形成されている。このように、平面視で矩形状(四角形状)のガセット144を用いた構成であっても、ビード56が変形してエネルギー吸収した後にガセット144がバルク142と接触することで、フロントサイドメンバ42を内折れさせることができる。
(他の変形例)
ビード56は、縦壁44A、46Aだけでなく、上壁44Bや下壁44Cに形成してもよい。また、ビード56は、平面視で断面略V字状のものに限らず、断面円弧状や断面多角形状のものであってもよい。さらに、ビード56は、車両上下方向で複数形成されていてもよい。加えて、ビード56は、車両前後方向の数が2つのものに限らず1つであってもよく、あるいは、3つ以上形成されていてもよい。また、ビード56は、車両前後方向で複数形成される場合、車両前後方向に作用する衝突荷重に対する剛性がそれぞれ異なっていてもよい。さらに、脆弱部を形成することでフロントサイドメンバに低剛性と高剛性の部位を形成し、高剛性の部位で折れモードを生じさせる構成では、補強部が設けられていなくてもよい。
荷重受部は、ガセット52やブラケット54のようにフロントサイドメンバ42の車両前後方向の前端部に設けられるものに限らず、フロントサイドメンバ42の前端部に形成されたものであってもよい。例えば、フロントサイドメンバ42の前端部に車両幅方向に拡幅させた拡幅部を形成してもよい。
荷重受部材82は、フロントサイドメンバ72の車両前後方向前端面に取り付けられるものに限らない。例えば、インナパネル74の縦壁44Aの車両幅方向外側面と第1アウタパネル76の前フランジ46Bとに結合されるものであってもよい。
ガセット52、144は、平面視で台形状、矩形状のものに限らず、平面視で三角形状や他の多角形状に形成されていてもよい。
バルク62、102、112、142は、車両幅方向外端部に折曲部62C、112B、142Cが形成されず、車両幅方向に沿って平坦な板状に形成されていてもよい。
車両前部構造130において、荷重受部材82が無く、フロントサイドメンバ132の車両前後方向前端部が車両幅方向外側に拡幅されていてもよい。また、荷重受部材82が無く且つフロントサイドメンバ132の車両前後方向前端部が車両幅方向外側に拡幅されていない構成であってもよい。
以上、本発明の第1、第2、第3実施形態、及び各変形例に係る車両前部構造について説明したが、これらの実施形態及び各変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 車両
40 車両前部構造
42 フロントサイドメンバ
44 インナパネル(内側壁の一例)
46 第1アウタパネル(外側壁の一例)
48 第2アウタパネル(外側壁の一例)
52 ガセット(荷重受部の一例)
54 ブラケット(荷重受部の一例)
56 ビード(脆弱部の一例)
62 バルク(補強部及び接触部材の一例)
70 車両前部構造
72 フロントサイドメンバ
74 インナパネル(内側壁の一例)
76 第1アウタパネル(外側壁の一例)
78 ブラケット(荷重受部の一例)
82 荷重受部材(荷重受部の一例)
90 車両前部構造
92 フロントサイドメンバ
94 第1インナパネル(内側壁の一例)
98 後ブラケット(分割部材の一例)
99 箱体
100 車両前部構造
102 バルク(補強部の一例)
110 車両前部構造
112 バルク(補強部の一例)
120 車両前部構造
122 フロントサイドメンバ
126 厚肉部(補強部の一例)
130 車両前部構造
132 フロントサイドメンバ
140 車両前部構造
142 バルク(補強部の一例)
144 ガセット(荷重受部の一例)

Claims (5)

  1. 車両幅方向で対向する内側壁及び外側壁を備えたフロントサイドメンバと、
    前記フロントサイドメンバの車両前後方向の前端部に設けられ又は該前端部に形成され、車両幅方向で前記フロントサイドメンバよりも拡幅され、荷重を受ける荷重受部と、
    前記フロントサイドメンバの車両前後方向の前記荷重受部よりも後側で少なくとも前記内側壁及び前記外側壁に形成され、前記フロントサイドメンバの他の部位の剛性に比べて低剛性とされた脆弱部と、
    前記フロントサイドメンバの車両前後方向で前記脆弱部よりも後側に設けられ、前記外側壁から車両幅方向の外側へ突出され衝突時に前記荷重受部と接触する接触部材で構成され、前記脆弱部の剛性よりも高剛性とされた補強部と、
    を有する車両前部構造。
  2. 前記補強部は、前記内側壁から前記外側壁まで跨った板材である請求項に記載の車両前部構造。
  3. 前記荷重受部は、前記外側壁の車両幅方向外側に設けられ、平面視で車両前後方向の後側を上底とし前側を下底とする台形状に形成されたガセットを有する請求項1又は請求項2に記載の車両前部構造。
  4. 前記荷重受部は、中空の箱状に形成され前記フロントサイドメンバの前記前端部に設けられた荷重受部材を有する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両前部構造。
  5. 前記フロントサイドメンバは、前記内側壁及び前記外側壁を車両前後方向の前側と後側に分割する分割部材を有し、
    前記脆弱部は、前記前側の前記内側壁及び前記前側の前記外側壁に形成され、
    前記前側の前記内側壁、前記前側の前記外側壁、前記荷重受部、及び前記分割部材により箱体が形成されている請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両前部構造。
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