JP5803819B2 - 車両前部構造 - Google Patents

車両前部構造 Download PDF

Info

Publication number
JP5803819B2
JP5803819B2 JP2012132304A JP2012132304A JP5803819B2 JP 5803819 B2 JP5803819 B2 JP 5803819B2 JP 2012132304 A JP2012132304 A JP 2012132304A JP 2012132304 A JP2012132304 A JP 2012132304A JP 5803819 B2 JP5803819 B2 JP 5803819B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
radiator support
radiator
support
width direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012132304A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013256162A (ja
Inventor
浩治 佐伯
浩治 佐伯
渉 川島
渉 川島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012132304A priority Critical patent/JP5803819B2/ja
Publication of JP2013256162A publication Critical patent/JP2013256162A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5803819B2 publication Critical patent/JP5803819B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、車両前部構造に関する。
一般に、車両前部のエンジンルーム内の車両前後方向前側には、クーリングモジュールを支持するラジエータサポートが配設されている。下記特許文献1には、ラジエータサポートを用いた荷重伝達構造が開示されている。簡単に説明すると、この先行技術では、ラジエータサポートの上縁部を構成するラジエータサポートアッパの左右両側が、第1の支持部材及び第2の支持部材といった二種類の部材によって車体骨格部材に支持されている。これにより、前面衝突時にラジエータサポートアッパに作用する衝突荷重は、第1の支持部材及び第2の支持部材を介して車体骨格部材に分散されて伝達されることになる。
特開2006−193118号公報 特開2005−119537号公報
しかしながら、上記先行技術による場合、ラジエータサポートアッパ側に前面衝突時の初期の衝突荷重が入力された場合には有効であるが、ラジエータサポートロア側に初期の衝突荷重が入力された場合にはエネルギー吸収効率が低い。従って、上記先行技術は、この点において改良の余地がある。
なお、特許文献2には、荷重受け領域を車両上下方向に拡大させる部材として左右のラジエータサポートサイドを活用する技術が開示されている。しかし、この先行技術の特長は、バンパリインフォースメントの高さが異なる複数の車種に対して荷重伝達性能が発揮される点にあり、部材を変形させることにより前面衝突時の衝突エネルギーを積極的に吸収させる構造ではない。
本発明は上記事実を考慮し、前面衝突時の初期の衝突荷重が車両前部の下部側に入力された場合に、高いエネルギー吸収性能を発揮することができる車両前部構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係る車両部構造は、車両前部の車両幅方向両側に車両前後方向に沿って延在する左右一対のフロントサイドメンバと、前記左右一対のフロントサイドメンバの前端部を車両幅方向に繋ぐフロントバンパリインフォースメントと、前記フロントバンパリインフォースメントの車両後方側に配置され、車両幅方向及び車両上下方向に沿って延在するラジエータと、前記ラジエータの両側部の車両幅方向外側に配置されると共に車両上下方向に沿って延在しかつ前記フロントサイドメンバに接合された左右一対のラジエータサポートサイドを含んで構成されたラジエータサポートと、前記ラジエータサポートサイドの車両前後方向後部側でかつ車両側面視でフロントサイドメンバの高さ方向中間部よりも車両下方側となる部位に設けられた脆弱部と、を有し、前記ラジエータサポートサイドは、平断面形状がハット形に形成されており、前記脆弱部は、当該ラジエータサポートサイドの車両後方側の側壁部を車両幅方向に横断するように形成されていると共に、車両幅方向を向く中間壁と車両後方側の側壁部とで形成される稜線を分断している
請求項2記載の本発明に係る車両前部構造は、請求項1記載の発明において、前記脆弱部は、前記フロントサイドメンバの下縁よりも車両下方側に設けられている。
請求項3記載の本発明に係る車両前部構造は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記ラジエータサポートの車両後方側には、前記フロントサイドメンバにサスペンションメンバサポートを介して支持されたサスペンションメンバが配置されており、前記ラジエータサポートサイドにおける前記脆弱部から当該ラジエータサポートサイドの車両前後方向後部側の下端までの距離は、当該脆弱部から前記サスペンションメンバサポートまでの距離よりも短く設定されている。
請求項4記載の本発明に係る車両前部構造は、請求項3記載の発明において、前記ラジエータサポートサイドにおける前記脆弱部から当該ラジエータサポートサイドの車両前後方向前部側の下端までの距離は、当該脆弱部から前記サスペンションメンバサポートまでの距離よりも短く設定されている。
請求項5記載の本発明に係る車両前部構造は、請求項3又は請求項4記載の発明において、前記左右一対のラジエータサポートサイドの下端部は、前記ラジエータの車両下方側にて車両幅方向に沿って延在するラジエータサポートロアによって連結されていると共に、当該ラジエータサポートロアと前記サスペンションメンバとは車両前後方向に沿って延在するブレース部材によって車両前後方向に連結されており、さらに、前記ブレース部材には車両前後方向の荷重入力に対する剛性を低下させる低剛性部が設けられている。
請求項6記載の本発明に係る車両前部構造は、請求項5記載の発明において、前記低剛性部は、前記ブレース部材に車両前後方向に離間して配置された複数の開口部である。
請求項1記載の本発明によれば、前面衝突時の初期の衝突荷重が車両前部の下部側に入力されると、当該衝突荷重はフロントバンパリインフォースメントからラジエータサポートの左右一対のラジエータサポートサイドの下部側に亘って伝達される。このため、左右一対のフロントサイドメンバの前端部側が変形すると共に、ラジエータサポートサイドが脆弱部を起点として車両後方側へ変形する。具体的には、脆弱部はラジエータサポートサイドの車両前後方向後部側でかつ車両側面視でフロントサイドメンバの高さ方向中間部よりも車両下方側となる部位に設けられているため、ラジエータサポートサイドの下部側は脆弱部を起点(回転中心)として車両後方側へ回動するように変形される。このように本発明では、左右一対のフロントサイドメンバの前端部側を変形させるだけでなく、ラジエータサポートの左右のラジエータサポートサイドの下部側を車両後方側へ回動させるように変形させることができるので、従来よりもエネルギー吸収量が増加する。
請求項2記載の本発明によれば、脆弱部がフロントサイドメンバの下縁よりも車両下方側に設けられているため、ラジエータサポートサイドの下部側の車両後方側への回動(変形)動作はフロントサイドメンバの下縁よりも車両下方側で行われる。このため、ラジエータサポートサイドはフロントサイドメンバの前端部側での変形の影響を受け難い。
請求項3記載の本発明によれば、ラジエータサポートサイドにおける脆弱部から当該ラジエータサポートサイドの車両前後方向後部側の下端までの距離が、当該脆弱部からサスペンションメンバサポートまでの距離よりも短く設定されている。このため、ラジエータサポートサイドの下部側が脆弱部を起点として車両後方側へ回動する際に、車両側面視でラジエータサポートサイドの下部側がフロントサイドメンバにより近づいていく。つまり、ラジエータサポートサイドの下部側がフロントサイドメンバに対して略平行になるようにラジエータサポートサイドの下部側が車両後方側へ回動し易くなる。ラジエータサポートサイドの下部側がフロントサイドメンバに対して略平行になると、フロントサイドメンバの前部側の変形が進行する過程で、ラジエータサポートサイドの下部側がサスペンションメンバサポートに当接して車両前後方向に圧縮される。このため、フロントサイドメンバとラジエータサポートサイドの下部側の両者が同時に変形する。
請求項4記載の本発明によれば、ラジエータサポートサイドにおける脆弱部から当該ラジエータサポートサイドの車両前後方向前部側の下端までの距離が、当該脆弱部からサスペンションメンバサポートまでの距離よりも短く設定されている。つまり、脆弱部からサスペンションメンバサポートまでの距離は、請求項3記載の発明の場合よりも長くなっている。このため、ラジエータサポートサイドの下部側が脆弱部を起点として車両後方側へ回動した場合に、車両側面視でラジエータサポートサイドの下部側がフロントサイドメンバにより一層近づいていく。このため、フロントサイドメンバとラジエータサポートサイドの下部側の両者が車両前後方向に圧縮されて変形する可能性がより一層高くなる。
請求項5記載の本発明によれば、左右一対のラジエータサポートサイドの下端部はラジエータサポートロアによって車両幅方向に連結されている。さらに、このラジエータサポートロアとサスペンションメンバとがブレース部材によって車両前後方向に連結されている。このため、ラジエータサポート及びサスペンションメンバの支持剛性が高くなる。その一方で、前述した衝突荷重が車両前部に入力されると、ブレース部材は低剛性部を起点として車両前後方向に変形する。従って、ラジエータサポートサイドの下部側の車両後方側への回動動作を妨げることが抑制される。
請求項6記載の本発明によれば、ブレース部材には車両前後方向に離間して複数の開口部が配置されており、これらの開口部によって低剛性部が構成されている。このため、ラジエータサポートロアから車両後方側への荷重が入力された際に、ブレース部材は、各開口部の形成位置では大きく変形し、それ以外の部分では小さく変形する。その結果、車両側面視でブレース部材は略Z字形状に変形する。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両前部構造は、前面衝突時の初期の衝突荷重が車両前部の下部側に入力された場合に、高いエネルギー吸収性能を発揮することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両前部構造は、所期のエネルギー吸収性能が得られる可能性を高めることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両前部構造は、前面衝突時の衝突荷重のエネルギー吸収量を増大させることができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車両前部構造は、前面衝突時の衝突荷重のエネルギー吸収量を増大させることに対する信頼性を高めることができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る車両前部構造は、本来の効果を担保しつつNV性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係る車両前部構造は、ブレース部材の変形モードを安定させることができ、その結果、請求項5記載の本発明が奏する効果の実効性を担保することができるという優れた効果を有する。
本実施形態に係る車両前部構造の全体構成をフロントサイドメンバの車両幅方向内側で切断し、その状態を車両側方から見て示す側断面図である。 図1に示される状態から前面衝突してバリアが侵入してきた状態を示す図1に対応する側断面図である。 図2に示される状態からバリアが更に侵入してきた状態を示す図2に対応する側断面図である。 本実施形態に係る車両前部構造の要部を示す斜視図である。
以下、図1〜図4を用いて、本発明に係る車両前部構造の一実施形態について説明する。なお、各図に適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、又矢印UPは車両上方側を示している。さらに、矢印INは車両幅方向内側を示している。
図1及び図4に示されるように、車両前部10の車両幅方向両側には、各々車両前後方向に沿って延在された左右一対のフロントサイドメンバ12が配設されている。各フロントサイドメンバ12は略矩形の閉断面構造とされており、車両骨格部材を構成している。また、各フロントサイドメンバ12の前端部には、フロントサイドメンバ12と同様の矩形の閉断面構造とされた金属製のクラッシュボックス14がそれぞれ接続されている。クラッシュボックス14は、車両前後方向の軸圧縮荷重を受けることにより、蛇腹状に塑性変形するようになっている。また、フロントサイドメンバ12の車両幅方向内側の縦壁部12Aには、クラッシュボックス14の車両後方側に複数の縦リブ16が車両前後方向に所定の間隔で形成されている。なお、フロントサイドメンバ12とクラッシュボックス14の双方が本発明における「フロントサイドメンバ」に相当する。
上述した左右一対のクラッシュボックス14の前端部は、車両幅方向に沿って延在するフロントバンパリインフォースメント18によって連結されている。フロントバンパリインフォースメント18は矩形状の閉断面構造とされており、車両骨格部材を構成している。このフロントバンパリインフォースメント18の前面側には、図示しないフロントバンパアブソーバを介してフロントバンパカバー20が配設されるようになっている(図1参照)。
上述したフロントバンパリインフォースメント18の車両後方側には、車両幅方向及び車両上下方向に沿って延在すると共に薄型の直方体形状とされたラジエータ22が配設されている。なお、ラジエータ22は、車両側面視で、下端部が上端部よりも車両前後方向前側に位置するように後傾した状態で配置されている。
上述したラジエータ22は、車両正面視で略矩形枠状に形成されたラジエータサポート24によって車体に支持されている。ラジエータサポート24は、上縁部を構成するラジエータサポートアッパ26と、下縁部を構成するラジエータサポートロア28と、両側部を構成する左右一対のラジエータサポートサイド30と、を備えている。ラジエータサポートアッパ26は、ラジエータ22の上端部に沿って車両幅方向に延在されている。また、ラジエータサポートロア28は、ラジエータ22の下端部に沿って車両幅方向に延在されている。なお、ラジエータサポートロア28は、各々ハット形の断面形状に形成された上部ロア部材32と下部ロア部材34とを上下に重ね合わせ、各々の前側フランジ部同士及び後側フランジ部同士をそれぞれ接合することにより閉断面構造に構成されている。
一方、左右一対のラジエータサポートサイド30は、平断面形状がハット形に形成された部材として構成されている。また、一対のラジエータサポートサイド30は、車両幅方向に対向する中間壁30Aと、この中間壁30Aの前後端から車両幅方向外側へ屈曲された前後一対の側壁部30Bと、各側壁部30Bの先端部から互いに離反する方向へ屈曲された前後一対のフランジ部30Cと、を含んで構成されている。前後一対のフランジ部30Cは、フロントサイドメンバ12の縦壁部12Aにスポット溶接等によって接合されている。但し、他の接合方法を用いてもよい。なお、ラジエータサポートサイド30の下端部とラジエータサポートロア28の上部ロア部材32との接続部には、補強用のガセット36が配設されている。
ここで、上述したラジエータサポートサイド30の車両前後方向後部側でかつ車両側面視でフロントサイドメンバ12の高さ方向中間部(図1の一点鎖線Pで示す位置)よりも車両下方側となる部位には、第1脆弱部38及び第2脆弱部40が形成されている。より具体的に説明すると、第1脆弱部38及び第2脆弱部40は、フロントサイドメンバ12の下縁12Aよりも車両下方側に設けられている。また、第1脆弱部38は、ラジエータサポートサイド30の車両後方側の側壁部30BにV字状のビードとして形成されている。さらに、第1脆弱部38は、当該車両後方側の側壁部30Bを車両幅方向に横断するように形成されている。従って、第1脆弱部38は中間壁30Aと車両後方側の側壁部30Bとで形成される稜線42を分断している。また、第2脆弱部40は、ラジエータサポートサイド30の車両後方側に位置する後側のフランジ部30Cに形成されている。なお、第2脆弱部40は第1脆弱部38と略同一の高さに設定されている。また、第2脆弱部40は、車両側面視でV字状に形成された切欠部として構成されている。
また、車両側面視において、ラジエータサポートサイド30における脆弱部(第1脆弱部38)からラジエータサポートサイド30の車両前後方向後部側の下端(以下、単に「後側下端」と称す。)までの距離L1は、当該脆弱部から後述するサスペンションメンバサポート50までの距離Sよりも短く設定されている。さらに、ラジエータサポートサイド30における脆弱部(第1脆弱部38)からラジエータサポートサイド30の車両前後方向前部側の下端(以下、単に「前側下端」と称す。)46までの距離L2は、前記距離Sよりも短く設定されている。
また、ラジエータサポートロア28の車両後方側には、図示しないフロントサスペンションを支持するサスペンションメンバ48が配設されている。サスペンションメンバ48は、クロスメンバとサイドメンバとを略矩形状に組み合わせた枠状に構成されている。フロントサスペンションメンバ48の四隅と左右のフロントサイドメンバ12とがサスペンションメンバサポート50によって支持されている。
図4に示されるように、上記フロントサスペンションメンバ48の前側クロスメンバ52とラジエータサポートロア28とは、平面視で略A型に形成されたブレース部材54によって相互に連結されている。このブレース部材54はプレス成形品とされており、車両前後方向の中間部に設けられたブリッジ部54Aを挟む車両前後方向の両側に、低剛性部としての略矩形状の開口部56がそれぞれ形成されている。
(本実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
図1に示されるバリア58は、車両を模擬した衝突体である。構造的には、バリア58は、直方体形状のバリア本体58Aの前面の下部にフロントバンパに相当する凸部58Bが形成された構造になっている。このバリア58に車両が前面衝突すると、その際の初期の衝突荷重は、車両前部10の下部側に入力される。このため、凸部58Bによって、フロントバンパリインフォースメント18が車両後方側へ押圧されると共に、ラジエータサポート24の下部側が車両後方側へ押圧される。
ここで、ラジエータサポート24はラジエータ22に合わせて車両側面視で後傾した状態で配置されている。このため、バリア58の凸部58Bからの衝突荷重は、最初にラジエータサポート24の前側下端46に入力される。さらに、ラジエータサポートサイド30の車両前後方向後部側には、フロントサイドメンバ12の下縁12Aよりも車両下方側となる部位に第1脆弱部38及び第2脆弱部40が形成されている。これにより、ラジエータサポートサイド30の下部側は第1脆弱部38及び第2脆弱部40の形成部位で剛性が低下している。その結果、図2に示されるように、第1脆弱部38(及び第2脆弱部40)を起点(回転中心)として、ラジエータサポートサイド30の下部側が車両後方側へ回動するようにラジエータサポートサイド30の下部側が塑性変形される。このように本実施形態では、左右一対のフロントサイドメンバ12の前端部側を変形させるだけでなく、ラジエータサポート24の左右のラジエータサポートサイド30の下部側を車両後方側へ回動させるように変形させることができるので、従来よりもエネルギー吸収量が増加する。その結果、本実施形態によれば、前面衝突時の初期の衝突荷重が車両前部10の下部側に入力された場合に、高いエネルギー吸収性能を発揮することができる。
また、本実施形態では、第1脆弱部38及び第2脆弱部40がフロントサイドメンバ12の下縁12Aよりも車両下方側に設けられているため、ラジエータサポートサイド30の下部側の車両後方側への回動(変形)動作はフロントサイドメンバ12の下縁12Aよりも車両下方側で行われる。従って、ラジエータサポートサイド30はフロントサイドメンバ12の前端部側での変形の影響を受け難くなる。つまり、ラジエータサポート24のラジエータサポートサイド30は車両側面視でクラッシュボックス14と重なる位置に配設されている。このため、仮に脆弱部がフロントサイドメンバ12の下縁12Aよりも車両上方側に設定されていると、フロントサイドメンバ12の前端部側が車両後方側に塑性変形した際に、脆弱部に捩じり等の予期せぬ変形が及ぶこともある。その場合、ラジエータサポートサイド30の下部側の回動動作が妨げられる可能性もある。しかし、本実施形態では、第1脆弱部38及び第2脆弱部40がフロントサイドメンバ12の下縁12Aよりも車両下方側に設けられているため、ラジエータサポートサイド30の下部側はこのような影響を受け難い。その結果、本実施形態によれば、所期のエネルギー吸収性能が得られる可能性を高めることができる。
さらに、本実施形態では、ラジエータサポートサイド30における第1脆弱部38からラジエータサポートサイド30の後側下端44までの距離L1が、第1脆弱部38からサスペンションメンバサポート50までの距離Sよりも短く設定されている。このため、図2に示されるように、ラジエータサポートサイド30の下部側が第1脆弱部38を起点として車両後方側へ回動する際に、車両側面視でラジエータサポートサイド30の下部側がフロントサイドメンバ12により近づいていく。つまり、図3に示されるように、ラジエータサポートサイド30の下部側がフロントサイドメンバ12に対して略平行になるようにラジエータサポートサイド30の下部側が車両後方側へ回動し易くなる。ラジエータサポートサイド30の下部側がフロントサイドメンバ12に対して略平行になると、フロントサイドメンバ12の前部側の変形が進行する過程で、ラジエータサポートサイド30の下部側がサスペンションメンバサポート50に当接して車両前後方向に圧縮される。このため、フロントサイドメンバ12とラジエータサポートサイド30の下部側の両者が同時に変形する。その結果、本実施形態によれば、前面衝突時の衝突荷重のエネルギー吸収量を増大させることができる。
加えて、ラジエータサポートサイド30における第1脆弱部38から当該ラジエータサポートサイド30の前側下端46までの距離L2が、第1脆弱部38からサスペンションメンバサポート50までの距離Sよりも短く設定されている。つまり、第1脆弱部38からサスペンションメンバサポート50までの距離Sは、上記場合よりも長くなっている。このため、ラジエータサポートサイド30の下部側が第1脆弱部38を起点として車両後方側へ回動した場合に、車両側面視でラジエータサポートサイド30の下部側がフロントサイドメンバ12により一層近づいていく。このため、フロントサイドメンバ12とラジエータサポートサイド30の下部側の両者が車両前後方向に圧縮されて変形する可能性がより一層高くなる。よって、本実施形態によれば、前面衝突時の衝突荷重のエネルギー吸収量を増大させることに対する信頼性を高めることができる。
また、本実施形態では、ラジエータサポートロア28とサスペンションメンバ48とがブレース部材54によって車両前後方向に連結されている。このため、ラジエータサポート24及びサスペンションメンバ48の支持剛性が高くなる。その一方で、前述した衝突荷重が車両前部10に入力されると、ブレース部材54は一対の開口部56を起点として車両前後方向に変形する。従って、ラジエータサポートサイド30の下部側の車両後方側への回動動作を妨げない。すなわち、本実施形態によれば、本来の効果を担保しつつNV性能を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、ブレース部材54には車両前後方向に離間して複数の開口部56が配置されており、これらの開口部56によって低剛性部が構成されている。このため、ラジエータサポートロア28から車両後方側への荷重が入力された際に、ブレース部材54は、各開口部56の形成位置では大きく変形し、それ以外の部分では小さく変形する。これにより、図2の二点鎖線で示すように、ブレース部材54は車両側面視で略Z字形状に変形する。よって、本実施形態によれば、ブレース部材54の変形モードを安定させることができ、その結果、本来の効果を担保しつつNV性能を向上させるという前記効果の実効性を担保することができる。なお、低剛性部であればよく、開口部56以外の他の構成(例えば、ビードや凹部等で剛性差を設けた構成等)を用いてもよい。また、本発明には、上記ブレース部材54を省略した構成も含まれる。つまり、ブレース部材54は車体構造によっては省略可能である。
なお、本実施形態では、脆弱部として二種類の第1脆弱部38及び第2脆弱部40を設定したが、これに限らず、脆弱部としての貢献度がより高い第1脆弱部38だけにしてもよい。
また、本実施形態では、第1脆弱部38をV字状のビードで構成すると共に第2脆弱部40を切欠部で構成したが、これに限らず、ラジエータサポートサイド30の脆弱部形成部位の剛性を低下させることができる構成であればすべて適用可能である。
さらに、本実施形態では、ラジエータサポートサイド30におけるフロントサイドメンバ12の下縁12Aよりも車両下方側に第1脆弱部38及び第2脆弱部40を設定したが、請求項1記載の本発明との関係では、ラジエータサポートサイドにおけるフロントサイドメンバの高さ方向中間部よりも車両下方側に脆弱部が形成されていればよい。従って、請求項1記載の本発明には、フロントサイドメンバ12の高さ方向中間部(図1の一点鎖線P)よりも車両下方側でかつ下縁12B以上の範囲に脆弱部が設定されている場合も含まれる。このような構成であっても、脆弱部がラジエータサポートサイドのフロントサイドメンバへの結合部位よりも車両下方側に位置していれば、ラジエータサポートサイドの下部側は当該脆弱部を起点としてある程度車両後方側へ回動するものと思われる。
また、本実施形態では、フロントサイドメンバ12の前端部にクラッシュボックス14が配設されていたが、これに限らず、前端部がクラッシュボックスの機能を有するフロントサイドメンバを用いてもよい。
さらに、本実施形態では、ラジエータサポートサイド30の前後幅とラジエータサポートロア28の前後幅とが同一に設定されているが、これに限らず、ラジエータサポートロアの前後幅をラジエータサポートサイドの前後幅よりも広くしてバリアの凸部がラジエータサポートロアの前側フランジ部に先に当たるようにしてもよい。仮にそのような構成を採ったとしても、脆弱部からラジエータサポートロアの前側フランジ部までの距離は、脆弱部からラジエータサポートサイドの前側下端までの距離L2とそれほど違わないので、十分な効果が得られるものと思われる。
また、上述した本実施形態では、ラジエータサポート24がラジエータ22に合わせて車両側面視で後傾した状態で配置されていたが、これに限らず、ラジエータサポートが車両上下方向に垂直に配設されていてもよい。
10 車両前部
12 フロントサイドメンバ
14 クラッシュボックス(フロントサイドメンバ)
18 フロントバンパリインフォースメント
22 ラジエータ
24 ラジエータサポート
28 ラジエータサポートロア
30 ラジエータサポートサイド
38 第1脆弱部
40 第2脆弱部
44 後側下端
46 前側下端
48 サスペンションメンバ
50 サスペンションメンバサポート
54 ブレース部材
56 開口部(低剛性部)
P フロントサイドメンバの高さ方向中間部

Claims (6)

  1. 車両前部の車両幅方向両側に車両前後方向に沿って延在する左右一対のフロントサイドメンバと、
    前記左右一対のフロントサイドメンバの前端部を車両幅方向に繋ぐフロントバンパリインフォースメントと、
    前記フロントバンパリインフォースメントの車両後方側に配置され、車両幅方向及び車両上下方向に沿って延在するラジエータと、
    前記ラジエータの両側部の車両幅方向外側に配置されると共に車両上下方向に沿って延在しかつ前記フロントサイドメンバに接合された左右一対のラジエータサポートサイドを含んで構成されたラジエータサポートと、
    前記ラジエータサポートサイドの車両前後方向後部側でかつ車両側面視でフロントサイドメンバの高さ方向中間部よりも車両下方側となる部位に設けられた脆弱部と、
    を有し、
    前記ラジエータサポートサイドは、平断面形状がハット形に形成されており、
    前記脆弱部は、当該ラジエータサポートサイドの車両後方側の側壁部を車両幅方向に横断するように形成されていると共に、車両幅方向を向く中間壁と車両後方側の側壁部とで形成される稜線を分断している、
    車両前部構造。
  2. 前記脆弱部は、前記フロントサイドメンバの下縁よりも車両下方側に設けられている、
    請求項1記載の車両前部構造。
  3. 前記ラジエータサポートの車両後方側には、前記フロントサイドメンバにサスペンションメンバサポートを介して支持されたサスペンションメンバが配置されており、
    前記ラジエータサポートサイドにおける前記脆弱部から当該ラジエータサポートサイドの車両前後方向後部側の下端までの距離は、当該脆弱部から前記サスペンションメンバサポートまでの距離よりも短く設定されている、
    請求項1又は請求項2記載の車両前部構造。
  4. 前記ラジエータサポートサイドにおける前記脆弱部から当該ラジエータサポートサイドの車両前後方向前部側の下端までの距離は、当該脆弱部から前記サスペンションメンバサポートまでの距離よりも短く設定されている、
    請求項3記載の車両前部構造。
  5. 前記左右一対のラジエータサポートサイドの下端部は、前記ラジエータの車両下方側にて車両幅方向に沿って延在するラジエータサポートロアによって連結されていると共に、
    当該ラジエータサポートロアと前記サスペンションメンバとは車両前後方向に沿って延在するブレース部材によって車両前後方向に連結されており、
    さらに、前記ブレース部材には車両前後方向の荷重入力に対する剛性を低下させる低剛性部が設けられている、
    請求項3又は請求項4記載された車両部構造。
  6. 前記低剛性部は、前記ブレース部材に車両前後方向に離間して配置された複数の開口部である、
    請求項5記載の車両前部構造。
JP2012132304A 2012-06-11 2012-06-11 車両前部構造 Active JP5803819B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012132304A JP5803819B2 (ja) 2012-06-11 2012-06-11 車両前部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012132304A JP5803819B2 (ja) 2012-06-11 2012-06-11 車両前部構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013256162A JP2013256162A (ja) 2013-12-26
JP5803819B2 true JP5803819B2 (ja) 2015-11-04

Family

ID=49952998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012132304A Active JP5803819B2 (ja) 2012-06-11 2012-06-11 車両前部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5803819B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6299701B2 (ja) 2015-07-31 2018-03-28 トヨタ自動車株式会社 車両下部構造
JP6520608B2 (ja) * 2015-09-25 2019-05-29 日産自動車株式会社 サスペンションメンバ保護構造
JP6278030B2 (ja) * 2015-11-02 2018-02-14 トヨタ自動車株式会社 車両前部構造
JP6981155B2 (ja) * 2017-10-02 2021-12-15 トヨタ自動車株式会社 車体前部構造

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4449404B2 (ja) * 2003-10-17 2010-04-14 トヨタ自動車株式会社 車両の前部車体構造
JP4424208B2 (ja) * 2005-01-17 2010-03-03 トヨタ自動車株式会社 車体の前部構造
JP2009154617A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Toyota Motor Corp 車両用アンダメンバ構造
JP2010089736A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Toyota Motor Corp ラジエータサポート構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013256162A (ja) 2013-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5637203B2 (ja) 車体前部構造
JP5765310B2 (ja) 車体前部構造
JP6178361B2 (ja) 車両前部構造
JP6344270B2 (ja) バッテリユニット搭載構造
JP5835284B2 (ja) 車体前部構造
JP6577978B2 (ja) 車体構造
JP2005125989A (ja) 車両用フード構造
JP6600873B2 (ja) 車体構造
JP7052459B2 (ja) 車両骨格構造
JP2019130972A (ja) 車両前部の骨格構造
JP5803819B2 (ja) 車両前部構造
CN109421815B (zh) 车体构造
JP5251442B2 (ja) 車両用フード構造
JP5513903B2 (ja) 車両用緩衝装置
JP5486251B2 (ja) 車両用衝撃吸収具及び車両用バンパ装置
JP2007182162A (ja) 自動車の前部車体構造
JP5615869B2 (ja) 車体後部構造
JP5686586B2 (ja) 自動車用車体骨格における補強構造
JP5831246B2 (ja) 車体前部構造
JP2012162108A (ja) 車両前部構造
JP2007030778A (ja) クラッシュボックス
JP4798485B2 (ja) 車両のフロントバンパー構造
JP6187427B2 (ja) 車両の後部車体構造
JP2005271734A (ja) 車両前部の衝撃吸収構造
JP2020203570A (ja) 車体前部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150817

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5803819

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160706