JP7354757B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents
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Description
すなわち、フロントサイドフレームの前側部と後側部との各領域で車両前後方向に交互に剛性差を形成したので、車両前突時に相対的に剛性が低いフロントサイドフレームの前側部から圧縮変形が開始される。その後、相対的に剛性が高いフロントサイドフレームの後側部を圧縮変形させるので、当該フロントサイドフレームを前側部から長手方向全体にわたりスムーズに圧縮変形させることが可能となる。
よって、フロントサイドフレームを前方側から確実に圧縮変形させることができる。
上記構成によれば、凹状上下ビード部または上下幅拡大部の直後方に節部材を設けたので、凹状上下ビード部、上下幅拡大部と節部材とで剛性差が形成される。これにより、圧縮変形開始を確実に誘起させ、フロントサイドフレームの圧縮変形が可能となる。
上記構成によれば、上述のレインフォースメントによりフロントサイドフレーム後側部の剛性を、フロントサイドフレーム前側部の剛性に対して、容易に高剛性化することができる。
上述の脆弱部は、開口部にて形成してもよい。
なお、上記脆弱部を開口部で形成した場合には、レインフォースメントの軽量化をも図ることができる。
図面は車両の前部車体構造を示し、図1は当該車両の前部車体構造を示す斜視図、図2は前部車体構造を示す外側面図、図3はフロントサイドフレームインナを取外した状態で示す前部車体構造の内側面図である。また、図4は図3の要部斜視図、図5の(a)は図3のA-A線に沿う要部拡大断面図、図5の(b)は図3のB-B線に沿う要部拡大断面図、図6は図3のC-C線に沿う要部拡大断面図、図7はレインフォースメントを示す斜視図である。さらに、図8の(a)はサブフレーム前側取付け部に位置する補強部材の平面図、図8の(b)は前部節部材の平面図、図8の(c)は中間節部材の平面図である。
この実施例では、上述のダッシュロアパネル1は上側パネル1aと下側パネル1bとに上下2分割されている。また、下側パネル1bの下部車幅方向中央にはトンネル部1cが形成されている。
上述のダッシュクロスメンバ2は、トンネル部1cと対応する部位のアーチ部2aと、このアーチ部2aの下部から車幅方向左右外方に延びる水平部2b,2cと、を備えている。
このフロントサイドフレーム50は、エンジンルームの左右両サイドを車両の前後方向に延びる車体強度部材である。
左右のシュラウドサイド18,18の上端部相互間は、図示しないシュラウドアッパにより車幅方向に連結される。
上述のフロアフレーム21におけるサブフレーム後側取付け位置には、サブフレーム取付け座22が取付けられている。
図1に示すように、上述のフロントサイドフレームインナ51の後部と、その後方に位置するダッシュクロスメンバ2の水平部2cとの間にはガセット部材23を斜交い状に取付けている。
ここで、上述の各リベット25,26,27としては、セルフピアシング・リベット(self-piercing rivet、いわゆるSPR)を用いることができる。
なお、図1において、31はトルクボックス、図1~図3において、32はホイールハウスである。
上述のフロントサイドフレーム50の前端50Eは、サブフレームの前側が取付けられるフロントサブフレーム取付け部としてのウエルドナット53が設けられた領域である。また、上述のフロントサイドフレーム50の後側部50Rは、サスペンションタワー部24の少なくともタワー部24bと対応する位置において後述するレインフォースメント54が接合される領域である。さらに、上述のフロントサイドフレーム50の前側部50Fは、上記前端50Eと上記後側部50Rとの間に位置する領域である。
一切設けていない。これにより、前側部50Fに対して後側部50Rの剛性が高くなるように形成している。
具体的には、フロントサイドフレーム50の前側部50Fにおいては、図6に示すように、凹状上下ビード部57により剛性が最も低い低剛性部58を形成し、この凹状上下ビード部57の直後方におけるフロントサイドフレーム50の内部に前部節部材59を配設している。これにより、前側部50Fは、車両前後方向に交互に剛性差が形成されている。なお、これら各要素57,58,59の詳細については後述する。
同図に示すように、フロントサイドフレーム50の上記外壁面部52cおよび内壁面部51cには、車両の前後方向に延びる凹状前後ビード部55がそれぞれ形成されている。
そして、上述の凹状上下ビード部57または上下幅拡大部56は、ウエルドナット53の直後方に設けられている。
図8の(a)に示すように、インナ側補強部材61は、車幅方向に延びる前壁61a、後壁61bと、各壁61a,61bの車幅方向内端を前後方向に連結する内側壁61cと、前壁61bの車幅方向外端から前方に延びるフランジ61dと、後壁61bの車幅方向外端から後方に延びるフランジ61eと、を一体形成したものである。
アウタ側補強部材62は、前後のフランジ62a,62b間を、連結壁62cで前後方向に一体連結したものである。
上述の各補強部材61,62により、サブフレーム前部の支持剛性向上を図るように構成している。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
すなわち、フロントサイドフレーム50の前側部50Fと後側部50Rとの各領域で車両前後方向に交互に剛性差を形成したので、車両前突時に相対的に剛性が低いフロントサイドフレーム50の前側部50Fから圧縮変形が開始される。その後、相対的に剛性が高いフロントサイドフレーム50の後側部50Rを圧縮変形させるので、当該フロントサイドフレーム50を前側部50Fから長手方向全体にわたりスムーズな蛇腹状に圧縮変形させることが可能となる。
よって、フロントサイドフレーム50を前方側から確実に圧縮変形させることができる。
さらに、この発明の一実施形態においては、上記レインフォースメント54には、車両前後方向に所定の間隔を隔てて脆弱部(開口部54a参照)が形成されたものである(図7参照)。
上記実施例で示したように、上記脆弱部を開口部54aで形成した場合には、レインフォースメント54の軽量化をも図ることができる。
図9は車両右側の前部車体構造の実施例2を示す外側図面、図10はフロントサイドフレームインナ51を取外した状態での前部車体構造の実施例2を示す内側面図である。また、図11は図10の要部斜視図、図12は図10のD-D線に沿う要部拡大断面図、図13はレインフォースメント54の他の実施例を示す斜視図である。
図9~図13で示した実施例2においても、その他の点については、図1~図8で示した実施例1とほぼ同様の作用、効果を奏するものである。
この発明の節部材は、実施例の前部節部材59に対応し、
以下同様に、
フロントサブフレーム取付け部は、ウエルドナット53に対応し、
脆弱部は、開口部54aに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
50E…前端
50F…前側部
50R…後側部
51c…内壁面部
52c…外壁面部
53…ウエルドナット(フロントサブフレーム取付け部)
54…レインフォースメント
54a…開口部(脆弱部)
55…凹状前後ビード部
56…上下幅拡大部
57…凹状上下ビード部
58…低剛性部
59…前部節部材(節部材)
Claims (5)
- 車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームを備える車両の前部車体構造であって、
上記各フロントサイドフレームは、車両前後方向視で閉断面形状に形成されるとともに、前側部に対し後側部の剛性が高く形成されており、
上記前側部および上記後側部の各領域で、車両前後方向に交互に剛性差が形成され、
上記フロントサイドフレームは、外壁面部および内壁面部を備えており、
上記フロントサイドフレームの上記外壁面部および内壁面部には、車両前後方向に延びる凹状前後ビード部を備え、
上記フロントサイドフレーム前側部の前寄り位置に、上記凹状前後ビード部の上下幅が拡大する上下幅拡大部が形成され、
該上下幅拡大部には、上記凹状前後ビード部よりもフロントサイドフレーム内部側に凹んで上下方向に延びる凹状上下ビード部が形成される上記フロントサイドフレームの前側部および後側部の領域において剛性の最も低い低剛性部を備えた
車両の前部車体構造。 - 上記凹状上下ビード部または上記上下幅拡大部の直後方における上記フロントサイドフレーム内部には、節部材が配設された
請求項1に記載の車両の前部車体構造。 - 上記フロントサイドフレームの上記前側部よりも車両前方に位置するフロントサイドフレームの前端には、フロントサブフレーム取付け部が設けられており、
上記凹状上下ビード部または上記上下幅拡大部は、上記フロントサブフレーム取付け部の直後方に設けられた
請求項1または2に記載の車両の前部車体構造。 - 上記フロントサイドフレームの後側部に車両前後方向に延びて当該後側部に接合されるレインフォースメントを備えた
請求項1~3の何れか一項に記載の車両の前部車体構造。 - 上記レインフォースメントには、車両前後方向に所定の間隔を隔てて脆弱部が形成された
請求項4に記載の車両の前部車体構造。
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