JP7347110B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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この発明は、車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームを備える車両の前部車体構造に関する。
従来、車両前突時において、フロントサイドフレームを圧縮変形させることで、衝突エネルギを吸収するように構成した車両の前部車体構造が知られている。
その際、フロントサイドフレームに対して車両前後方向に延びるレインフォースメントを接合固定して、エネルギの吸収量の向上を図るように成した車両の前部車体構造が既に発明されている。
すなわち、特許文献1に開示されているように、フロントサイドフレームのアウタ部材であるフロントサイドフレームアウタと、インナ部材であるフロントサイドフレームインナとの間に、車両前後方向に延びるレインフォースメントを接合固定したものである。そして、当該レインフォースメントによりフロントサイドフレームの閉断面を左右に分割すると共に、レインフォースメントの剛性により、車両前突に伴うフロントサイドフレームの圧縮変形時における衝突エネルギの吸収量増加を図るものである。
上述の特許文献1に開示された従来構造においては、レインフォースメントにより衝突エネルギの吸収量増加を図ることができる。このフロントサイドフレームを長手方向で圧縮変形させる構造においては、フロントサイドフレームの前後方向の中途部が先に潰れると、この中途部よりも前方側の圧縮変形が困難となり、エネルギ吸収効率が悪化するので、如何にして中途部が先に潰れないようにし前側部から長手方向全体にわたりスムーズに圧縮変形させるかが重要になる。
特開2009-143393号公報
そこで、この発明は、車両前突時における衝突エネルギの吸収量向上と、フロントサイドフレームのスムーズな蛇腹状の圧縮変形と、を両立させることができる車両の前部車体構造の提供を目的とする。
この発明による車両の前部車体構造は、車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームを備える車両の前部車体構造であって、上記各フロントサイドフレームは、車両前後方向に延びて当該フロントサイドフレームに接合されるレインフォースメントを備えており、上記レインフォースメントには、車両前後方向に所定の間隔を隔てて複数の脆弱部が形成され、上記脆弱部は上下方向に延びる長円形状の開口部と、上記長円形状の開口部の上下方向に隣接して形成された生産時の位置決め開口部としたものである。
上記構成によれば、上述のレインフォースメントにより車両前突時の衝突エネルギ吸収量の向上を図りつつ、前後方向に所定間隔を隔てた複数の脆弱部により、フロントサイドフレームをスムーズな蛇腹状に圧縮変形させることが可能となる。
要するに、車両前突時における衝突エネルギの吸収量向上と、フロントサイドフレームのスムーズな蛇腹状の圧縮変形と、を両立させることができる。
さらに上述したように、上記脆弱部は上下方向に延びる長円形状の開口部を脆弱部の一部として形成することで、簡単な構成でレインフォースメントに車両前後方向で大きな剛性差をもたせ、車両前突時にフロントサイドフレームのスムーズな蛇腹状の圧縮変形を達成することができると共に、上記長円形状の開口部により、レインフォースメントの軽量化をも図ることができる。
さらに上述したように、生産時の位置決め開口部を上記長円形状の開口部の上下方向に隣接して形成することで、レインフォースメントの長手方向の強弱関係に悪影響を及ぼすことなく、該生産時の位置決め開口部を圧縮変形時の脆弱部の一部として形成することができる。
さらに、上述の長円形状の開口部に隣接する位置決め開口部を、レインフォースメントがフロントサイドフレームに対して組付けられる際の位置決め部と、圧縮変形時の脆弱部と、に兼用することができ、当該位置決め開口部を、脆弱部としても利用することができる。
この発明の一実施態様においては、上記レインフォースメントは、上記フロントサイドフレームのアウタ部材とインナ部材の上下の各フランジ部に挟み込まれて接合され、当該レインフォースメントにて上記フロントサイドフレームの閉断面部を左右に分割するように配設されたものである。
上記構成によれば、上述のレインフォースメントによりフロントサイドフレーム内部に、左右に分割された2つの閉断面部が形成されるので、車両前突時における衝突エネルギ吸収量のさらなる向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上部に上記フロントサイドフレーム後部の車外側に配設されるフロントサスペンションダンパ上端が支持されるとともに、下端が上記フロントサイドフレームと連結されるサスペンションタワー部を備え、上記レインフォースメントは、車両前後方向で上記サスペンションタワー部の上記フロントサイドフレームへの連結部とオーバラップするように設けられたものである。
上記構成によれば、上述のサスペンションタワー部からフロントサイドフレームに加わる上下荷重によって、当該フロントサイドフレームが上下方向に変形しようとするのを、上述のレインフォースメントにて抑制することができる。
この発明によれば、車両前突時における衝突エネルギの吸収量向上と、フロントサイドフレームのスムーズな蛇腹状の圧縮変形と、を両立させることができる効果がある。
本発明の車両の前部車体構造を示す斜視図 車両右側の前部車体構造を示す外側面図 フロントサイドフレームインナを取外した状態で示す前部車体構造の内側面図 図3の要部斜視図 (a)は図3のA-A線に沿う要部拡大断面図、(b)は図3のB-B線に沿う要部拡大断面図 図3のC-C線に沿う要部拡大断面図 図6の上方斜視図 レインフォースメントを示す斜視図 (a)はサブフレーム前側取付け部における補強部材の拡大平面図、(b)は前部節部材の拡大平面図、(c)は中間節部材の拡大平面図 車両右側の前部車体構造の他の実施例を示す外側面図 フロントサイドフレームインナを取外した状態での前部車体構造の他の実施例を示す内側面図 図11の要部斜視図 図11のD-D線に沿う要部拡大断面図 図13の上方斜視図 レインフォースメントの他の実施例を示す斜視図
車両前突時における衝突エネルギの吸収量向上と、フロントサイドフレームのスムーズな蛇腹状の圧縮変形と、を両立させるという目的を、車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームを備える車両の前部車体構造であって、上記各フロントサイドフレームは、車両前後方向に延びて当該フロントサイドフレームに接合されるレインフォースメントを備えており、上記レインフォースメントには、車両前後方向に所定の間隔を隔てて複数の脆弱部が形成され、上記脆弱部は上下方向に延びる長円形状の開口部と、上記長円形状の開口部の上下方向に隣接して形成された生産時の位置決め開口部としたという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の前部車体構造を示し、図1は当該車両の前部車体構造を示す斜視図、図2は前部車体構造を示す外側面図、図3はフロントサイドフレームインナを取外した状態で示す前部車体構造の内側面図である。
また、図4は図3の要部斜視図、図5の(a)は図3のA-A線に沿う要部拡大断面図、図5の(b)は図3のB-B線に沿う要部拡大断面図、図6は図3のC-C線に沿う要部拡大断面図、図7は図6の上方斜視図である。
さらに、図8はレインフォースメントを示す斜視図、図9の(a)はサブフレーム前側取付け部に位置する補強部材の平面図、図9の(b)は前部節部材の平面図、図9の(c)は中間節部材の平面図である。
なお、図2~図9は車両右側の構造を示すので、以下の説明においては主として車両右側の構造について説明するが、車両左側の構造は、右側のそれと左右対称または左右略対称に形成されている。
図3において、エンジンルーム(但し、電動車両の場合は、モータルーム)と車室とを車両前後方向に仕切るダッシュロアパネル1を設けている。
この実施例では、上述のダッシュロアパネル1は上側パネル1aと下側パネル1bとに上下2分割されている。また、下側パネル1bの下部車幅方向中央にはトンネル部1cが形成されている。
図1、図3に示すように、上述のダッシュロアパネル1の前部には、トンネル部1cとダッシュロアパネル1下部に沿う断面ハット形状のダッシュクロスメンバ2を設け、このダッシュクロスメンバ2とダッシュロアパネル1との間には、ダッシュクロス閉断面3(図3参照)を形成している。
上述のダッシュクロスメンバ2は、トンネル部1cと対応する部位のアーチ部2aと、このアーチ部2aの下部から車幅方向左右外方に延びる水平部2b,2cと、を備えている。
図3に示すように、上述のダッシュロアパネル1の上部には、ダッシュレイン4と、ダッシュパネル補強部材5の橋架部5aと、ダッシュアッパパネル6と、カウルパネル7と、から成るカウル部8が形成されている。ダッシュレイン4はダッシュロアパネル1の上部から車両前方に延びる部材である。ダッシュパネル補強部材5の橋架部5aはダッシュレイン4の前部に対して車両前後方向に延びる部材である。ダッシュアッパパネル6は橋架部5aの後部とダッシュロアパネル1の上端折曲げ部1dとに接合されている。カウルパネル7はダッシュアッパパネル6の上部に接合されている。
図1に示すように、上述のダッシュパネル補強部材5は、トンネル部1cの左右と対応するダッシュクロスメンバ2から上方に延びる左右の脚部5b,5cと、これら脚部5b,5cの上端部相互間を車幅方向に連結する上述の橋架部5aと、から形成されている。上述の左右の脚部5b,5cとダッシュロアパネル1との間には、上下方向に延びる閉断面(図示せず)が形成されている。
上述のダッシュロアパネル1およびカウル部8の車幅方向左右両端には車体強度部材であるヒンジピラー(図示せず)が取付けられ、このヒンジピラーの前部には、図1~図4に示すように、エプロンパネル9を介してエプロンレインフォースメント10が設けられる。
上述のエプロンレインフォースメント10は車両前後方向に延びる強度部材であって、このエプロンレインフォースメント10は、図4に示すように、断面ハット形状のエプロンレインフォースメントアッパ11と、断面逆ハット形状のエプロンレインフォースメントロア12とを接合して形成されている。また、エプロンレインフォースメントアッパ11とエプロンレインフォースメントロア12との間には、車両の前後方向に延びるエプロンレイン閉断面13が形成されている。
図1に示すように、上述のエプロンレインフォースメント10よりも車幅方向内方かつ下方には、ダッシュクロスメンバ2を含むダッシュロアパネル1から車両の前方に延びる左右一対のフロントサイドフレーム50,50を設けている。
このフロントサイドフレーム50は、エンジンルーム(但し、電動車両の場合には、モータルーム)の左右両サイドを車両の前後方向に延びる車体強度部材である。
図1に示すように、上述のフロントサイドフレーム50の前端にはセットプレート14を取付けており、このセットプレート14に対して、クラッシュカン15後端部の取付けプレート16を締結固定している。
そして、左右一対のフロントサイドフレーム50,50の前部には、セットプレート14、取付けプレート16およびクラッシュカン15を介して、車幅方向に延びるバンパビーム17を取付けている。
図1~図3に示すように、フロントサイドフレーム50の前部と、エプロンレインフォースメントロア12の前部と、の間は、上下方向に延びるシュラウドサイド18により連結されている。同図に示すように、当該シュラウドサイド18は、シュラウドサイド前側部材19と、シュラウドサイド後側部材20と、を備えている。
左右のシュラウドサイド18,18の上端部相互間は、図示しないシュラウドアッパにより車幅方向に連結される。
図1~図4に示すように、上述のフロントサイドフレーム50の後端部には、当該フロントサイドフレーム50後端部からフロアパネル下面に沿って車両後方に延びるフロアフレーム21を設けている。このフロアフレーム21は上述のフロントサイドフレーム50と連続して車両前後方向に延びる車体強度部材であって、フロアパネルとフロアフレーム21との間には、車両の前後方向に延びるフロアフレーム閉断面(図示せず)が形成されている。
上述のフロアフレーム21におけるサブフレーム後側取付け位置には、サブフレーム取付け座22が取付けられている。
上述のフロントサイドフレーム50は、図5の(a)、(b)に示すように、フロントサイドフレームインナ51とフロントサイドフレームアウタ52の上下の各接合フランジ部51a,52a、51b,52bを接合して構成されている。
図1に示すように、上述のフロントサイドフレームインナ51の後部と、その後方に位置するダッシュクロスメンバ2の水平部2cとの間にはガセット部材23を斜交い状に取付けている。
図1~図4に示すように、エプロンレインフォースメント10とフロントサイドフレーム50との間には、アルミ鋳造製のフロントサスペンションタワー部24(以下、単にサスペンションタワー部24と略記する)を取付けている。
上述のサスペンションタワー部24は、上部にフロントサイドフレーム50後部の車外側に配設されるフロントサスペンションダンパSD上端が支持されると共に、下端が上述のフロントサイドフレーム50に連結されている。
なお、図示の便宜上、フロントサスペンションダンパSDはその上部側の一部分のみを示している。
図2~図4に示すように、このサスペンションタワー部24は、サスペンションハウジング24aに、タワー部24b、サストップ部24c、上壁部24d、上壁部24dの後部から上方に隆起したタワーバー取付け座24e、前下取付け部24f、中間下側取付け部24g、後下取付け部24h、が一体形成されている。
サスペンションタワー部24の上壁部24dには、図示しないリベットを用いて、エプロンレインフォースメントアッパ11が取付けられている。また、図2に示すように、前下取付け部24fは、複数のリベット25を用いてフロントサイドフレームアウタ52に取付けられている。同様に、図2に示すように、後下取付け部24hは、複数のリベット26を用いてフロントサイドフレームアウタ52に取付けられている。さらに、図2~図4、図5の(a)に示すように、中間下側取付け部24gは、複数のリベット27を用いてフロントサイドフレームアウタ52の上側の接合フランジ部52a(詳しくは、その上方延長部)に取付けられている。
ここで、上述の各リベット25,26,27としては、セルフピアシング・リベット(self-piercing rivet、いわゆるSPR)を用いることができる。
図1に示すように、平面視で車両前方側が開放する略V字状のタワーバー28を設けている。このタワーバー28は基部28aと、左右のスラント部28b,28cと、スラント部28b,28cの前端部に固定したブラケット29,29と、を備えている。図1、図3に示すように、タワーバー28の基部28aはダッシュパネル補強部材5の橋架部5aに固定されており、上述のブラケット29は複数の締結部材30を用いて、サスペンションタワー部24のタワーバー取付け座24eに固定されている。
上述のタワーバー28により、サスペンションタワー部24の変位を抑制して、操縦安定性および乗り心地の向上を図るように構成している。
なお、図1において、31はトルクボックス、図1~図3において、32はホイールハウスである。
図2、図3、図6に示すように、上述のフロントサイドフレーム50は、前端50Eと、前側部50Fと、後側部50Rと、を備えている。
上述のフロントサイドフレーム50の前端50Eは、サブフレームの前側が取付けられるフロントサブフレーム取付け部としてのウエルドナット53が設けられた領域である。また、上述のフロントサイドフレーム50の後側部50Rは、サスペンションタワー部24の少なくともタワー部24bと対応する位置において後述するレインフォースメント54が接合される領域である。さらに、上述のフロントサイドフレーム50の前側部50Fは、上記前端50Eと上記後側部50Rとの間に位置する領域である。
そして、上述のフロントサイドフレーム50は、前側部50Fに対して後側部50Rの剛性が高く形成されている。具体的には、フロントサイドフレーム50の後側部50Rに車両前後方向に延びて当該後側部50Rに接合されるレインフォースメント54を備える一方で、前側部50Fにはレインフォースメントを
一切設けていない。これにより、前側部50Fに対して後側部50Rの剛性が高くなるように形成している。
しかも、上述の前側部50Fおよび後側部50Rの各領域で、車両前後方向に交互に剛性差が形成されている。
具体的には、フロントサイドフレーム50の前側部50Fにおいては、図6、図7に示すように、凹状上下ビード部57により剛性が最も低い低剛性部58を形成し、この凹状上下ビード部57の直後方におけるフロントサイドフレーム50の内部に前部節部材59を配設している。これにより、前側部50Fは、車両前後方向に交互に剛性差が形成されている。なお、これら各要素57,58,59の詳細については後述する。
また、フロントサイドフレーム50の後側部50Rにおいては、図6、図7に示すように、上述のレインフォースメント54に車両前後方向に所定の間隔を隔てて脆弱部としての長円形状の複数の開口部54aを形成することで、後側部50Rは、車両前後方向に交互に剛性差が形成されている。
すなわち、レインフォースメント54に、複数の開口部54aを形成することで、開口部54aが存在して相対的に剛性が低い部位と、開口部54aが存在することなく相対的に剛性が高い部位と、が車両前後方向に交互に形成されている。
つまり、フロントサイドフレーム50は、前側部50Fに対して後側部50Rの剛性を高く形成したうえで、さらに前側部50Fおよび後側部50Rの各領域で、車両前後方向に交互に剛性差が形成されたものである。
これにより、車両前突時に相対的に剛性が低いフロントサイドフレーム50の前側部50Fから圧縮変形が開始される。その後、相対的に剛性が高いフロントサイドフレーム50の後側部50Rを圧縮変形させることで、フロントサイドフレーム50を前側部50Fから長手方向全体にわたってスムーズな蛇腹状に圧縮変形させるよう構成したものである。
また、既述したように、車両前後方向に延びてフロントサイドフレーム50に接合される上述のレインフォースメント54を備え、当該レインフォースメント54には、車両前後方向に所定の間隔を隔てて複数の脆弱部としての開口部54aが形成されている。
これにより、上記レインフォースメント54にて車両前突時の衝突エネルギ吸収量の向上を図りつつ、前後方向に所定の間隔を隔てた複数の脆弱部である開口部54aにて、フロントサイドフレーム50をスムーズな蛇腹状に圧縮変形させるよう構成したものである。
さらに、上記脆弱部を、上下方向に延びる長円形状の開口部54aから形成している。これにより、簡単な構成でレインフォースメント54に車両前後方向で大きな剛性差をもたせ、車両前突時にフロントサイドフレーム50のスムーズな蛇腹状の圧縮変形を達成すると共に、レインフォースメント54の軽量化をも図るよう構成している。
図5の(a)(b)に示すように、フロントサイドフレーム50は、外壁面部52c(フロントサイドフレームアウタ52の縦壁面部)と内壁面部51c(フロントサイドフレームインナ51の縦壁面部)とを備えている。
図5の(a)(b)に示すように、フロントサイドフレームインナ51は、上下の接合フランジ部51a,51bと内壁面部51cとで、車幅方向外方へ開放する断面横向きハット形状に形成されている。同様に、フロントサイドフレームアウタ52は、上下の接合フランジ部52a,52bと外壁面部52cとで、車幅方向内方へ開放する断面横向きハット形状に形成されている。
同図に示すように、フロントサイドフレーム50の上記外壁面部52cおよび内壁面部51cの上下方向中央部位には、車両の前後方向に延びる凹状前後ビード部55がそれぞれ形成されている。
フロントサイドフレームインナ51に形成された凹状前後ビード部55により、当該フロントサイドフレームインナ51には、本来の稜線X1~X4に対して、凹状前後ビード部55による稜線X5~X8が増加形成される。
同様に、フロントサイドフレームアウタ52に形成された凹状前後ビード部55により、当該フロントサイドフレームアウタ52には、本来の稜線X11~X14に対して、凹状前後ビード部55による稜線X15~X18が増加形成される。
図1~図3に示すように、フロントサイドフレーム50の前側部50Fにおける前寄り位置には、上述の凹状前後ビード部55の上下幅が上下方向に拡大する上下幅拡大部56が形成されている。この上下幅拡大部56は、フロントサイドフレームインナ51とフロントサイドフレームアウタ52との車幅方向の対向位置にそれぞれ形成されたものである。
図2、図3、図6、図7に示すように、上述の上下幅拡大部56には、その上下幅の範囲内において凹状前後ビード部55よりもフロントサイドフレーム50内部側に凹んで上下方向に延びる上述の凹状上下ビード部57が形成されている。当該凹状上下ビード部57にて上述の低剛性部58が形成されている。
この凹状上下ビード部57(低剛性部58)の形成により、車両前突時にフロントサイドフレーム50を前側部50Fから圧縮変形させる際、当該前側部50Fの前寄り位置に形成した凹状上下ビード部57による低剛性部58が折れ切っ掛けとなる。これにより、フロントサイドフレーム50の前側部50Fの前後方向の途中からの変形を抑制し、フロントサイドフレーム50の前側部50Fの前寄り位置からの変形を可能としたものである。
図6で示した前部節部材59は、凹状上下ビード部57または上下幅拡大部56の直後方におけるフロントサイドフレーム50内部に位置するもので、この前部節部材59と、凹状上下ビード部57(または、上下幅拡大部56)とで剛性差が形成される。これにより、圧縮変形開始を確実に誘起させ、フロントサイドフレーム50の蛇腹状の圧縮変形を可能としたものである。
図9の(b)に示すように、上述の前部節部材59は、車幅方向に延びる節部59aと、この節部59aの車幅方向両端から車両前方に向けて一体に折曲げ形成されたフランジ59b,59cと、を備えている。図6に示すように、車幅方向内側のフランジ59bは、フロントサイドフレームインナ51に形成されたアーク溶接用の開口60を利用して、フロントサイドフレームインナ51の内面に固定されている。車幅方向外側のフランジ59cは、フロントサイドフレームアウタ52の内面にスポット溶接手段にて固定されている。
図3、図6、図7に示すように、フロントサイドフレーム50の前側部50Fよりも車両前方に位置するフロントサイドフレーム50の前端50Eには、フロントサブフレーム取付け部として上述のウエルドナット53が設けられている。
そして、上述の凹状上下ビード部57または上下幅拡大部56は、ウエルドナット53の直後方に設けられている。
上述の前側部50Fよりも車両前方に位置するフロントサイドフレーム50の前端50Eに、フロントサブフレーム取付け部としてのウエルドナット53を設け、凹状上下ビード部57、上下幅拡大部56は、ウエルドナット53の直後方に設けたので、圧縮変形への影響を抑制しつつ、サブフレーム前部の支持を可能とするよう構成している。
図6、図7に示すように、上述のウエルドナット53の周囲は、フロントサイドフレーム50内部に配設されたインナ側補強部材61とアウタ側補強部材62とで補強されている。
図9の(a)に示すように、インナ側補強部材61は、車幅方向に延びる前壁61a、および後壁61bと、これら各壁61a,61bの車幅方向内端を前後方向に連結する内側壁61cと、前壁61aおよび後壁61bの車幅方向外端から前方および後方に延びるフランジ61d,61eと、を一体形成したものである。
アウタ側補強部材62は、前後のフランジ62a,62b間を、連結壁62cで前後方向に一体連結したものである。
図6、図7に示すように、インナ側補強部材61の内側壁61cは、フロントサイドフレームインナ51に形成されたアーク溶接用の開口63を利用して、フロントサイドフレームインナ51の内面に固定されている。
インナ側補強部材61、およびアウタ側補強部材62の前側の各フランジ61d,62aは、フロントサイドフレームアウタ52に対してスポット溶接手段にて3枚接合固定されている。同様に、インナ側補強部材61およびアウタ側補強部材62の後側の各フランジ61e,62bも、フロントサイドフレームアウタ52に対してスポット溶接手段にて3枚接合固定されている。
上述の各補強部材61,62により、サブフレーム前部の支持剛性向上を図るように構成している。
図5に示すように、上述のレインフォースメント54は、その上端部がフロントサイドフレームインナ51の上側の接合フランジ部51aとフロントサイドフレームアウタ52の上側の接合フランジ部52aとに挟み込まれて接合固定されている。同様に、レインフォースメント54の下端部は、フロントサイドフレームインナ51の下側の接合フランジ部51bとフロントサイドフレームアウタ52の下側の接合フランジ部52bとに挟み込まれて接合固定されている。
これにより、上述のレインフォースメント54でフロントサイドフレーム閉断面50Sを、図5に示すように、左右に分割している。
上述のレインフォースメント54により、フロントサイドフレーム50内部に、左右に分割された2つの閉断面部が形成され、この結果、車両前突時における衝突エネルギ吸収量のさらなる向上を図るよう構成している。
図2、図3に示すように、上述のレインフォースメント54は、車両前後方向でサスペンションタワー部24のフロントサイドフレーム50、特に、フロントサイドフレームアウタ52への連結部(各リベット25,26,27による連結部参照)とオーバラップするよう設けられている。これにより、サスペンションタワー部24からフロントサイドフレーム50に加わる上下荷重によって、当該フロントサイドフレーム50が上下方向に変形しようとするのを、レインフォースメント54にて抑制すべく構成している。
ここで、上述のレインフォースメント54は、図5で示したように、フロントサイドフレームインナ51およびフロントサイドフレームアウタ52の上下の各接合フランジ部51a,52a、51b,52bと3枚接合固定されている。
また、上述のレインフォースメント54の上下方向中間部は、フロントサイドフレームインナ51の凹状前後ビード部55における凹底部に形成された複数のアーク溶接用の開口64,64を利用して、フロントサイドフレームインナ51の内面に固定されている(図5~図7参照)。
図6、図8に示すように、レインフォースメント54の前後両端部には、当該両端部から車幅方向外方に延びる折曲げ部54b,54cがそれぞれ一体形成されている。また、当該レインフォースメント54の上側前後には生産時の位置決め開口部54d,54e(つまり、位置決め用の基準孔)が開口形成されている。
図8に示すように、上述の位置決め開口部54d,54eのうち後側の位置決め開口部54eは、上記長円形状の開口部54a(複数の開口部54aのうち最も後方に位置する開口部54a参照)の上下方向に隣接して形成されている。すなわち、位置決め開口部54eは最後部に位置する開口部54aの延長線上に存在する。
これにより、上記位置決め開口部54eを、レインフォースメント54がフロントサイドフレーム50に対して組付けられる際の位置決め部と、車両前突時におけるフロントサイドフレーム50、レインフォースメント54の圧縮変形時の脆弱部と、に兼用すべく構成している。
図3、図4、図5に示すように、上述のレインフォースメント54の後端部対応位置からフロントサイドフレーム50の後端部まで前後方向に延びる下部補強部材65を設けている。図5の(a)に示すように、この下部補強部材65は、断面凹状でフロントサイドフレームアウタ52の内底部に配置されている。
図3、図6に示すように、上述のレインフォースメント54の直後方位置のフロントサイドフレーム50下面には、フロントサブフレームの前後方向中間部が取付けられる。このフロントサブフレームの前後方向中間部を取付けるために、上述のレインフォースメント54の直後方位置には、サブフレーム中間取付け部としてのウエルドナット66を設けている。
図3、図4、図6に示すように、レインフォースメント54の直後方位置で、かつウエルドナット66の直前位置におけるフロントサイドフレーム閉断面50S内には、中間節部材67を設けている。
図6、図9の(c)に示すように、この中間節部材67は、車幅方向に延びる節部67aと、該節部67aの車幅方向内端から後方に延びるフランジ67bと、上記節部67aの車幅方向外端から前方に延びるフランジ67cと、を一体形成
したものである。
図6、図7に示すように、上述の中間節部材67のフランジ67bは、フロントサイドフレームインナ51に形成されたアーク溶接用の開口68を利用して、フロントサイドフレームインナ51の内面に固定されている。また、中間節部材67のフランジ67cはスポット溶接手段にてフロントサイドフレームアウタ52の内面に接合固定されている。
さらに、図3、図4に示すように、上述のガセット部材23の前端と対応するフロントサイドフレーム閉断面50S内部には、後部節部材69を配設している。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
このように構成した車両の前部車体構造は、上記レインフォースメント54により車両前突時の衝突エネルギ吸収量の向上を図ることができる。
また、上記レインフォースメント54には、車両前後方向に所定の間隔を隔てて複数の脆弱部としての開口部54aを形成しているので、開口部54aが存在する部位と、開口部54aが存在しない部位とで車両前後方向に剛性差の大小が交互に形成される。このため、フロントサイドフレーム50をスムーズな蛇腹状に圧縮変形させることができる。
フロントサイドフレームアウタ52とサスペンションタワー部24とは、リベット25,26,27で締結されているが、フロントサイドフレーム50の圧縮変形時には、アルミ鋳造製のサスペンションタワー部24の各取付け部24f,24g,24hが損傷し、リベット25,26,27がサスペンションタワー部24から外れる。このため、上記圧縮変形には支障が生じない。
このように、上記実施例の車両の前部車体構造は、車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム50を備える車両の前部車体構造であって、上記各フロントサイドフレーム50は、車両前後方向に延びて当該フロントサイドフレーム50に接合されるレインフォースメント54を備えており、上記レインフォースメント54には、車両前後方向に所定の間隔を隔てて複数の脆弱部(開口部54a参照)が形成されたものである(図1~図4参照)。
この構成によれば、上述のレインフォースメント54により車両前突時の衝突エネルギ吸収量の向上を図りつつ、前後方向に所定間隔を隔てた複数の脆弱部(開口部54a)により、フロントサイドフレーム50をスムーズな蛇腹状に圧縮変形させることが可能となる。
要するに、車両前突時における衝突エネルギの吸収量向上と、フロントサイドフレーム50のスムーズな蛇腹状の圧縮変形と、を両立させることができる。
また、この発明の一実施形態においては、上記脆弱部は上下方向に延びる長円形状の開口部54aから形成されたものである(図3、図4、図8参照)。
この構成によれば、簡単な構成でレインフォースメント54に車両前後方向で大きな剛性差が交互に形成され、車両前突時にフロントサイドフレーム50のスムーズな蛇腹状の圧縮変形を達成することができると共に、上記長円形状の開口部54aにより、レインフォースメント54の軽量化をも図ることができる。
さらに、この発明の一実施形態においては、上記レインフォースメント54には、開口部54eが形成されており、該開口部54eは上記長円形状の開口部54a上下方向に隣接して形成されたものである(図8参照)。
この構成によれば、レインフォースメント54に何らかの目的で開口部54eを形成する際、レインフォースメント54の長手方向の強弱関係に悪影響を及ぼすことなく、該開口部54eを圧縮変形時の脆弱部の一部として形成することができる。
加えて、この発明の一実施形態においては、上記レインフォースメント54の開口部54eは、生産時の位置決め開口部54eであることを特徴とする。
この構成によれば、上述の長円形状の開口部54aに隣接する位置決め開口部54eを、レインフォースメント54がフロントサイドフレーム50に対して組付けられる際の位置決め部と、圧縮変形時の脆弱部と、に兼用することができ、当該位置決め開口部54eを、脆弱部としても利用することができる。
さらにまた、この発明の一実施形態においては、上記レインフォースメント54は、上記フロントサイドフレーム50のアウタ部材(フロントサイドフレームアウタ52)とインナ部材(フロントサイドフレームインナ51)の上下の各フランジ部(51a,51b,52a,52b)に挟み込まれて接合され、当該レインフォースメント54にて上記フロントサイドフレーム50の閉断面部(フロントサイドフレーム閉断面50S)を左右に分割するように配設されたものである(図5参照)。
この構成によれば、上述のレインフォースメント54によりフロントサイドフレーム50内部に、左右に分割された2つの閉断面部が形成されるので、車両前突時における衝突エネルギ吸収量のさらなる向上を図ることができる。
加えて、この発明の一実施形態においては、上部に上記フロントサイドフレーム50後部の車外側に配設されるフロントサスペンションダンパSD上端が支持されるとともに、下端が上記フロントサイドフレーム50と連結されるサスペンションタワー部24を備え、上記レインフォースメント54は、車両前後方向で上記サスペンションタワー部24の上記フロントサイドフレーム50への連結部とオーバラップするように設けられたものである(図2、図3参照)。
この構成によれば、上述のサスペンションタワー部24からフロントサイドフレーム50に加わる上下荷重によって、当該フロントサイドフレーム50が上下方向に変形しようとするのを、上述のレインフォースメント54にて抑制することができる。
さらに、上記実施例で開示したように、車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム50,50を備える車両の前部車体構造において、上記各フロントサイドフレーム50,50は、前側部50Fに対し後側部50Rの剛性が高く形成されており、上記前側部50Fおよび上記後側部50Rの各領域で、車両前後方向に交互に剛性差が形成され、上記フロントサイドフレーム50は、外壁面部52cおよび内壁面部51cを備えており、上記フロントサイドフレーム50の上記外壁面部52cおよび内壁面部51cには、車両前後方向に延びる凹状前後ビード部55を備え、上記フロントサイドフレーム50の前側部50Fの前寄り位置に、上記凹状前後ビード部55の上下幅が拡大する上下幅拡大部56が形成され、該上下幅拡大部56には、上記凹状前後ビード部55よりもフロントサイドフレーム50の内部側に凹んで上下方向に延びる凹状上下ビード部57が形成される剛性の最も低い低剛性部58を備えると(図1~図6参照)、次の如き効果がある。
すなわち、フロントサイドフレーム50の前側部50Fと後側部50Rとの各領域で車両前後方向に交互に剛性差を形成したので、車両前突時に相対的に剛性が低いフロントサイドフレーム50の前側部50Fから圧縮変形が開始される。その後、相対的に剛性が高いフロントサイドフレーム50の後側部50Rを圧縮変形させるので、当該フロントサイドフレーム50を前側部50Fから長手方向全体にわたりスムーズな蛇腹状に圧縮変形させることが可能となる。
また、フロントサイドフレーム50の外壁面部52c、内壁面部51cに車両前後方向に延びる凹状前後ビード部55が形成されることで、当該凹状前後ビード部55により稜線X5~X8、X15~X18を増加することができ、車両前後方向に対するフロントサイドフレーム50の断面剛性向上を図ることができる。
さらに、上記凹状上下ビード部57にて低剛性部58を形成することで、車両前突時にフロントサイドフレーム50を前側部50Fから圧縮変形させる際、その前寄り位置に形成した凹状上下ビード部57による低剛性部58が折れ切っ掛けとなる。このため、フロントサイドフレーム50の前側部50Fの前後方向の途中からの変形を抑制して、フロントサイドフレーム50の前側部50Fの前寄り位置からの変形が可能となる。
よって、フロントサイドフレーム50を前方側から確実に圧縮変形させることができる。
図10~図15は車両の前部車体構造の実施例2を示す。
図10は車両右側の前部車体構造の実施例2を示す外側図面、図11はフロントサイドフレームインナ51を取外した状態での前部車体構造の実施例2を示す内側面図である。また、図12は図11の要部斜視図、図13は図11のD-D線に沿う要部拡大断面図、図14は図13の上方斜視図、図15はレインフォースメント54の他の実施例を示す斜視図である。
なお、図10~図15において前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。また、図10~図15は車両右側の構造を示すが、車両左側の構造は、右側のそれと左右対称または左右略対称に形成されている。
図1~図9で示した実施例1においては、車両前後方向に所定の間隔を隔てて合計5つの脆弱部(開口部54a)が形成されたレインフォースメント54を例示したが、図10~図15に示す実施例2においては、所定間隔を隔てて合計2つの脆弱部(開口部54a)が形成されたレインフォースメント54を採用している。
これにより、実施例2のレインフォースメント54の車両前後方向の長さは、実施例1のレインフォースメント54の車両前後方向の長さに対して、相対的に短くなり、この分、レインフォースメント54の軽量化を図ることができる。
実施例2のレインフォースメント54において、開口部54aが形成された部位の上下方向断面構造は、図5の(b)と同一となり、また開口部54aの非形成部位の上下方向断面構造は、図5の(a)と同一となる。
図15に示すように、上述のレインフォースメント54は、上下方向に延びる複数の開口部54a、並びに、複数の位置め開口部54d,54eが形成されたレイン本体54Aと、このレイン本体54Aの前端から車幅方向外方に一体に折曲げ形成された折り返し部54Bと、を備えている。
図15に示すように、上述の折り返し部54Bは、レイン本体54Aの前端から車幅方向外方に延びる前壁部54fと、この前壁部54fの車幅方向外端から前方に延びる側部フランジ54gと、前壁部54fの上端および下端からそれぞれ前方に延びる上部フランジ54hおよび下部フランジ54iと、を備えている。
図12、図13に示すように、折り返し部54Bの側部フランジ54gは、フロントサイドフレームアウタ52の凹状前後ビード部55における凹底面にスポット溶接手段にて接合固定されている。また、折り返し部54Bの上下の各フランジ54h,54iは、フロントサイドフレームアウタ52の上下の内面にスポット溶接手段にて接合固定されている。
さらに、レイン本体54Aは、図14に示す複数のアーク溶接用の開口64を利用して、フロントサイドフレームインナ51の凹状前後ビード部55における凹底面に接合固定されている。
このように、レインフォースメント54を一方の凹状前後ビード部55と他方の凹状前後ビード部55とにそれぞれ接合することで、サスペンションタワー部24からの上下方向の荷重入力によるフロントサイドフレーム50の断面崩れを抑制するように構成している。
図10~図15で示した実施例2においても、その他の点については、図1~図9で示した実施例1とほぼ同様の作用、効果を奏するものである。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のレインフォースメントに形成された脆弱部は、実施例の長円形状の開口部54aおよび位置め開口部54eに対応し、
以下同様に、
フロントサイドフレームのアウタ部材は、フロントサイドフレームアウタ52に対応し、
フロントサイドフレームのインナ部材は、フロントサイドフレームインナ51に対応し、
フランジ部は、接合フランジ部51a,51b,52a,52bに対応し、
フロントサイドフレームの閉断面部は、フロントサイドフレーム閉断面50Sに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームを備える車両の前部車体構造について有用である。
24…サスペンションタワー部
50…フロントサイドフレーム
50S…フロントサイドフレーム閉断面(フロントサイドフレームの閉断面部)
51…フロントサイドフレームインナ(インナ部材)
52…フロントサイドフレームアウタ(アウタ部材)
51a、51b、52a、52b…接合フランジ(フランジ部)
54…レインフォースメント
a…長円形状の開口部(脆弱部)
54e…位置め開口部(脆弱部)
SD…フロントサスペンションダンパ

Claims (3)

  1. 車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームを備える車両の前部車体構造であって、
    上記各フロントサイドフレームは、車両前後方向に延びて当該フロントサイドフレームに接合されるレインフォースメントを備えており、
    上記レインフォースメントには、車両前後方向に所定の間隔を隔てて複数の脆弱部が形成され
    上記脆弱部は上下方向に延びる長円形状の開口部と、上記長円形状の開口部の上下方向に隣接して形成された生産時の位置決め開口部である
    車両の前部車体構造。
  2. 上記レインフォースメントは、上記フロントサイドフレームのアウタ部材とインナ部材の上下の各フランジ部に挟み込まれて接合され、
    当該レインフォースメントにて上記フロントサイドフレームの閉断面部を左右に分割するように配設された
    請求項に記載の車両の前部車体構造。
  3. 上部に上記フロントサイドフレーム後部の車外側に配設されるフロントサスペンションダンパ上端が支持されるとともに下端が上記フロントサイドフレームと連結されるサスペンションタワー部を備え、
    上記レインフォースメントは、車両前後方向で上記サスペンションタワー部の上記フロントサイドフレームへの連結部とオーバラップするように設けられた
    請求項に記載の車両の前部車体構造。
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