JP6061106B2 - 蓄熱材用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄熱材用組成物に関する。詳しくは、直鎖飽和炭化水素化合物の相変化に伴う潜熱を利用した蓄熱材用組成物であって、構成成分の選択および使用割合の調整によって相変化温度を任意に設定することが可能であり、且つ潜熱量が大きな前記組成物に関する。
蓄熱材とは、物質の単一相における温度変化に伴うエネルギー(熱容量ないし顕熱)または物質の相変化に伴うエネルギー(潜熱)の大きい物質(蓄熱媒)を含有する材料であり、該蓄熱媒に蓄えた熱を随時取り出すことができる材料を意味する。蓄熱材は、例えばゲル状、エマルジョン状、カプセル状等の種々の形態で、水等の熱搬送媒体の存在下または不存在下に、例えばヒートポンプ;ビルディング、家屋、地下街等の空調用途;自動車等の空調、キャニスター用途;ICチップ等の電子部品の昇温防止用途;衣類の繊維、生鮮食品または臓器輸送容器の保冷用途;道路、橋梁等における構造材料の恒温用途;カーブミラーの防曇用途;冷蔵庫等の家電用品の冷却・恒温用途;生活用品としての保冷材、カイロ用途等の種々の分野において利用されている。
古くは、蓄熱媒として水を用いた蓄熱材が一般的であった。しかし、蓄熱媒として水を用いる場合には、顕熱のみを利用する場合が多い。そこで、より大きな蓄熱効果を得るために、顕熱のほかに相変化に伴う潜熱をも利用する蓄熱材が注目されている。
潜熱を利用し得る蓄熱媒としては、パラフィン化合物(飽和炭化水素化合物)が知られている。パラフィン化合物は、その多くが消防法上の危険物第4類に属し、取扱いに格別の注意を要し、漏えい防止の対策も必要となる。
本願出願人は、強固・高価な容器を使用せずにパラフィン化合物の漏えいを防止し得る蓄熱材料として、パラフィン化合物とともに、バインダー成分として特定の水添ジエン系共重合体を用いる技術を提案した(国際公開第2011/078340号)。この技術によると、使用するパラフィン化合物の最高結晶転移温度(Tmax、多くの場合、融解ピーク温度ないし融点に該当する。)を超えても相分離およびパラフィン化合物のブリードが見られず、しかも成形加工時には良好な流動性を示しながら固化後の形状保持性が良好であるという優れた技術である。しかしながら、この技術において、蓄熱材の相変化温度を選択するにはパラフィン化合物の種類の選択によるしかない。ここで、例えば炭素数25以下程度の範囲では、パラフィン化合物の炭素数が1つ増えるごとに融点が不連続ないし段階的に上昇する。従って、パラフィン化合物を利用する蓄熱材の相変化温度も段階的にしか選択できないこととなるから、中間的な相変化温度の要求に応えることはできない。
この点、パラフィン化合物に凝固点降下剤を混合して中間的な相変化温度を創出する技術が提案されている。この技術によると、パラフィン化合物および凝固点降下剤の選択および使用割合の変量によって任意の相変化温度を創出することはできるが、蓄熱量が損なわれることとなる。
そのため、中間的な相変化温度を創出できるとともに、蓄熱量の大きい蓄熱材は、いまだに知られていない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、十分な潜熱量を維持しつつ、相変化温度を任意に設定することができる蓄熱材用組成物を提供することにある。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、
炭素数が2nである直鎖飽和炭化水素化合物(A)と、
炭素数が2n+mである直鎖飽和炭化水素化合物(B)と、
分子量が50〜300であり、溶解度パラメータが5〜8.5(cal/cm0.5であり、示差走査熱量計によって測定される融点が前記直鎖飽和炭化水素化合物(B)の融点よりも30℃以上低い有機化合物(C)と、
を含有し、ただし、前記nは4以上の自然数から選択される1つの数であり、直鎖飽和炭化水素化合物(A)におけるnと直鎖飽和炭化水素化合物(B)におけるnとは同じ数であり、
mは−3、−1、+1または+3であり、そして
前記直鎖飽和炭化水素化合物(A)の含有量Mと前記直鎖飽和炭化水素化合物(B)の含有量Mとの質量比M:Mが99:1〜80:20である、蓄熱材用組成物によって達成される。
上記蓄熱材用組成物は、好ましくはさらに、バインダー成分(D)を含有する。
本発明の蓄熱材用組成物は、構成成分の選択および使用割合の調整によって、相変化温度を任意に設定することが可能であり、しかも潜熱量が大きいものである。
さらにバインダー成分(D)を含有する本発明の好ましい態様によると、使用する直鎖飽和炭化水素化合物のTmaxを超えても相分離および直鎖飽和炭化水素化合物のブリードが見られず、しかも成形加工時には良好な流動性を示しながら固化後の形状保持性が良好な蓄熱材用組成物が提供される。
本発明の蓄熱材用組成物は、
炭素数が2nである直鎖飽和炭化水素化合物(A)と、
炭素数が2n+mである直鎖飽和炭化水素化合物(B)と、
特定の有機化合物(C)と、
を含有する。そして好ましくはさらに、バインダー成分(D)を含有する。
上記において、nは4以上の自然数から選択される1つの数であり、
直鎖飽和炭化水素化合物(A)におけるnと直鎖飽和炭化水素化合物(B)におけるnとは同じ値であり、
mは−3、−1、+1または+3である。
<直鎖飽和炭化水素化合物(A)>
本発明におけるnは4以上の自然数から選択される1つの数であり、直鎖飽和炭化水素化合物(A)は炭素数が2nである。このような直鎖飽和炭化水素化合物(A)を使用することにより、本発明の蓄熱材用組成物の潜熱量をより大きくすることができる。
上記nは、好ましくは5〜12の自然数から選択される1つの数であり、より好ましくは6〜10の自然数から選択される1つの数である。このnの値は、上記の範囲から、所望の相変化温度に応じて適宜に選択される。
直鎖飽和炭化水素化合物(A)は、本発明の蓄熱材用組成物が使用される環境温度領域における熱を有効利用するとの観点から、示差走査熱量計(DSC)によって測定した場合に−20〜50℃程度に融解ピーク温度(融点)を有するものを選択して使用することが好ましい。
好ましい直鎖飽和炭化水素化合物(A)をその融点とともに例示すると、以下のとおりである。
n−オクタン(−57℃)、n−デカン(−30℃)、n−ドデカン(−12℃)、n−テトラデカン(6℃)、n−ヘキサデカン(18℃)、n−オクタデカン(28℃)、n−イコサン(37℃)およびn−ドコサン(46℃)。
これらの直鎖飽和炭化水素化合物は2種類以上を混合して用いてもよいが、明確かつ単一の相変化温度を得る目的から、上記のうちから選択される1種類のみを使用することが好ましい。
<直鎖飽和炭化水素化合物(B)>
本発明における直鎖飽和炭化水素化合物(B)は、炭素数が2n+mである。このnは、上記直鎖飽和炭化水素化合物(A)の炭素数の2nにおけるnと同じ数である。そしてmは−3、−1、+1または+3である。mの値は、好ましくは−3、−1または+1であり、より好ましくは−1または+1であり、最も好ましくは−1である。従って、本発明の最も好ましい態様における直鎖飽和炭化水素化合物(B)の炭素数は、上記直鎖飽和炭化水素化合物(A)の炭素数よりも1少ない。
このような直鎖飽和炭化水素化合物(B)を使用することにより得られる蓄熱材用組成物における潜熱量をより高くすることができる。
好ましい直鎖飽和炭化水素化合物(B)をその融点とともに例示すると、以下のとおりである。
n−ヘプタン(−91℃)、n−ノナン(−51℃)、n−ウンデカン(−21℃)、n−トリデカン(−5℃)、n−ペンタデカン(9℃)、n−ヘプタデカン(21℃)、n−ノナデカン(32℃)およびn−ヘンイコサン(41℃)。
<直鎖飽和炭化水素化合物の使用割合>
直鎖飽和炭化水素化合物(A)および直鎖飽和炭化水素化合物(B)の使用割合は、蓄熱材用組成物における直鎖飽和炭化水素化合物(A)の含有量Mと前記直鎖飽和炭化水素化合物(B)の含有量Mとの質量比M:Mが99:1〜80:20となる値である。この値は、97:3〜80:20とすることが好ましく、95:5〜80:20とすることがより好ましい。この範囲の使用割合とすることにより、明確且つ単一の相変化温度を設定することができ、しかも得られる蓄熱材用組成物の潜熱量を損なうことがない。ここで、2nが8〜22の範囲にある場合、一般に、炭素数が偶数(2n)の直鎖飽和炭化水素化合物の方が、炭素数が奇数(2n+m)(ただしmは−3、−1、+1または+3である。)の直鎖飽和炭化水素化合物よりも潜熱量が高い。従って、上記のように直鎖飽和炭化水素化合物(A)および(B)のうちの直鎖飽和炭化水素化合物(A)の使用割合を多く設定することにより、高い潜熱量を維持しながら相変化温度を任意に調節することが可能となる。
<有機化合物(C)>
本発明における有機化合物(C)は、分子量、溶解度パラメータおよび示差走査熱量計によって測定される融解ピーク温度(融点)が、それぞれ上記のような所定の値である有機化合物である。この有機化合物(C)の分子量は、50〜300であり、50〜200であることが好ましく;
溶解度パラメータは、5〜8.5(cal/cm0.5であり、6〜8(cal/cm0.5であることが好ましく;そして
その融点が、上記直鎖飽和炭化水素化合物(B)の融点よりも、30℃以上低いものであり、45〜130℃低いことが好ましい。直鎖飽和炭化水素化合物(A)の融点の方が直鎖飽和炭化水素化合物(B)の融点よりも低い場合には、有機化合物(C)は、上記の要件を満たすほかにさらに、その融点が直鎖飽和炭化水素化合物(A)の融点よりも、30℃以上低いものであることが好ましく、45〜130℃低いことがより好ましい。
このような物性を示す有機化合物(C)は、本発明の蓄熱材用組成物において、いわゆる凝固点降下剤の如くに機能し、直鎖飽和炭化水素化合物(A)および(B)の混合物の相変化温度を効果的に下げることができる。そしてこのことにより、本発明の蓄熱材用組成物の潜熱量の低下を最小限に抑制しつつ、所望の凝固点降下効果を発現することができるのである。
上記溶解度パラメータ(SP)は、下記数式(1)
SP=d(Σ△F)/M (1)
(上記数式(1)中、dは密度であり、△Fはモル引力定数であり、Mは分子量である。)
によって算出することができる。モル引力定数の和(Σ△F)は、「溶解性理論における溶解性パラメータ(SP)の役割(第1報)」,日本接着学会誌,vol.29,No.5,pp204−211(1993)に従って決定することができる。
このような有機化合物(C)としては、例えばα−オレフィン、n−ヘキサン、イソパラフィン、脂肪酸エーテル、脂肪族ケトン、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル等を挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。これらの具体例を、その融点とともに例示すると、上記α−オレフィンとしては、例えば1−デセン(−66℃)、1−ドデセン(−35℃)、1−トリデセン(−23℃)、1−テトラデセン(−13℃)等を;
上記イソパラフィンとしては、例えば炭素数10〜30の分岐状アルカン等を;
上記脂肪酸エーテルとしては、例えばジ−n−ブチルエーテル(−98℃)、ジ−n−ヘキシルエーテル(−43℃)、ジ−n−ヘプチルエーテル(−24℃)等を;
上記脂肪族ケトンとしては、例えば2−オクタノン(−22℃)、3−オクタノン(−24℃)、2−ノナノン(−9℃)、3−ノナノン(−12℃)、シクロヘプタノン(−25℃)等を;
上記脂肪族アルコールとしては、例えば1−ヘキサノール(−52℃)、1−ヘプタノール(−36℃)、1−オクタノール(−16℃)、エチレングリコール(−13℃)、ゲラニオール(3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−オール)(15℃)等を;
上記脂肪酸エステルとしては、例えば乳酸ブチル(−28℃)、乳酸エチル(−26℃)、オレイン酸メチル(−40℃)、コハク酸ジエチル(−23℃)、デカン酸エチル(−21℃)、デカン酸メチル(−14℃)、ドデカン酸ブチル(−8℃)等を、それぞれ挙げることができる。上記n−ヘキサンの融点は−95℃である。上記イソパラフィンとしてさらに具体的には、例えば2,2,4,4,6,8,8−ヘプタメチルノナン(0℃)等を挙げることができる。
本発明の蓄熱材用組成物における有機化合物(C)の使用割合は、所望の組成物融点によって適宜に設定されるべきであるが、組成物の凝固点降下効果と潜熱量の維持とのバランスをとる観点から、蓄熱材用組成物における上記直鎖飽和炭化水素化合物(A)の含有量Mおよび直鎖飽和炭化水素化合物(B)の含有量Mの合計と有機化合物(C)の含有量Mとの質量比((M+M):M)として、99:1〜80:20とすることが好ましく、97:3〜85:15とすることがより好ましく、95:5〜90:10とすることがより好ましい。この範囲の使用割合とすることにより、本発明の蓄熱材用組成物の潜熱量を損なうことなく、所望の組成物融点を設定することが可能となる。
<バインダー成分(D)>
本発明の好ましい態様において蓄熱材用組成物に含有されるバインダー成分(D)としては、エラストマーおよび熱可塑性樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種の重合体、脂肪酸金属塩等を挙げることができる。
上記エラストマーとしては、例えば水添ブロック(共)重合体、共役ジエンゴム(ただし、水添ブロック(共)重合体を除く。以下同じ。)、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム等を挙げることができ、これらのうちから選択される少なくとも1種を使用することができる。これらのエラストマーは、適度なゴム弾性を有し、直鎖飽和炭化水素化合物(A)および直鎖飽和炭化水素化合物(B)を好ましく包摂するバインダー成分として機能する。そのため、バインダー成分(D)としてエラストマーを含有する蓄熱材用組成物は、その取扱いが容易であるとともに、使用に際して所望の形状に成型することが容易であるため、好ましい。さらに、これらのエラストマーは、直鎖飽和炭化水素化合物(A)および直鎖飽和炭化水素化合物(B)の融点を超える温度領域においてもゴム弾性を維持することができるから、バインダー成分(D)としてエラストマーを含有する蓄熱材用組成物は、これを蓄熱材として使用する際に、使用するすべての温度領域において形状保持性に優れることとなるため、好ましい。エラストマーのうち熱可塑性エラストマーを使用することが、蓄熱材を製造する際の加工性、得られた蓄熱材を容器等に充填する際の加工性に優れることとなるため、より好ましい。エラストマーとして特に好ましくは水添ブロック(共)重合体である。
上記水添ブロック(共)重合体は、少なくとも重合体ブロック(1)と重合体ブロック(2)とを有するブロック(共)重合体であることが好ましい。
上記重合体ブロック(1)は、共役ジエン(共)重合ブロックの水素添加物であることが好ましい。そして、水添前の共役ジエン(共)重合ブロックにおけるビニル結合含量は、得られる蓄熱材の常温(10〜40℃)における形状保持性を維持するとの観点から、30〜95モル%であることが好ましく、50〜75モル%であることがより好ましく、55〜65モル%であることがさらに好ましい。ここで、ビニル結合含量とは、水添前の共役ジエン(共)重合ブロック中に、1,2−結合、3,4−結合および1,4−結合の結合様式で組み込まれている共役ジエンのうち、1,2−結合および3,4−結合の結合様式で組み込まれている共役ジエンの割合(百分率)をいう(以下同じ)。
上記重合体ブロック(1)の原料である共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等を挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することが好ましい。これらのうち、工業的入手性が高く、物性の優れた蓄熱材用組成物を得ることができることから、1,3−ブタジエン、イソプレンおよび1,3−ペンタジエンよりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましい。重合体ブロック(1)の原料である共役ジエンとしては、1,3−ブタジエンを95質量%以上含むものであることが好ましく、1,3−ブタジエンのみを使用することが特に好ましい。
重合体ブロック(1)の水素添加率は、得られる蓄熱材の形状保持性等の観点から、90%以上とすることが好ましく、95%以上とすることがより好ましい。
このような重合体ブロック(1)は、水添ブロック(共)重合体にゴム性を付与するソフトセグメントブロックとして機能することができる。
上記重合体ブロック(2)としては、例えばアルケニル芳香族化合物(共)重合ブロック、オレフィン(共)重合ブロック等を挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上からなることができる。これらのうち、オレフィン(共)重合ブロックは、結晶性のオレフィン(共)重合ブロックであることが好ましい。
上記アルケニル芳香族化合物(共)重合ブロックの原料であるアルケニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン、ビニルピリジン等を挙げることができ、そのうちスチレンおよびα−メチルスチレンが好ましく、特にスチレンが好ましい。
上記結晶性オレフィン(共)重合ブロックは、共役ジエン(共)重合体からなるブロックの水素添加物であることが好ましく、共役ジエンのビニル結合含量が30モル%未満の共役ジエン(共)重合体からなるブロックの水素添加物であることが好ましい。上記ビニル結合含量は、得られる蓄熱材における直鎖飽和炭化水素化合物のブリードを有効に防止するとの観点から、20モル%以下であることがより好ましく、18モル%以下であることがさらに好ましい。このビニル結合含量は0モル%であってもよい。
この結晶性オレフィン(共)重合ブロックの原料である共役ジエンとしては、水添ブロック(共)重合体における重合体ブロック(1)の原料である共役ジエンとして上記に例示したものと同じものを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することが好ましい。結晶性オレフィン(共)重合ブロックの原料である共役ジエンとしては、1,3−ブタジエンおよびイソプレンから選択される1種以上を95質量%以上含むものであることが好ましく、1,3−ブタジエンおよびイソプレンから選択される1種以上のみを使用することが特に好ましい。
この結晶性オレフィン(共)重合ブロックにおいては、共役ジエンとともにアルケニル芳香族化合物が共重合されていてもよい。このアルケニル芳香族化合物としては、アルケニル芳香族化合物(共)重合ブロックの原料として上記に例示したものと同じものを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
結晶性オレフィン(共)重合ブロックにおいて、共役ジエンとともにアルケニル芳香族化合物が共重合されている場合、このブロック中で該アルケニル芳香族化合物は、ランダム共重合されていてもよく、少数のアルケニル芳香族化合物が連続したショートブロックを構成していてもよく、あるいはアルケニル芳香族化合物の存在割合がブロック中で徐々に変化するテーパーブロックであってもよい。
結晶性オレフィン(共)重合ブロックにおけるアルケニル芳香族化合物の共重合割合は、得られる蓄熱材用組成物を成型加工する際の流動性を確保するとの観点から、50質量%以下とすることが好ましく、30質量%以下とすることがより好ましく、特に20質量%以下とすることが好ましい。
結晶性オレフィン(共)重合ブロックの水素添加率は、得られる蓄熱材の形状保持性等の観点から、90%以上とすることが好ましく、95%以上とすることがより好ましい。この水素添加率は、共役ジエンに由来する二重結合を基準とした計算値であり、結晶性オレフィン(共)重合ブロックがアルケニル芳香族化合物の共重合体の水素添加物である場合であっても、芳香族環中の不飽和結合はこの水素添加率の計算には反映されない。
このような重合体ブロック(2)は、水添ブロック(共)重合体に形状維持性を付与するハードセグメントブロックとして機能することができる。
上記水添ブロック(共)重合体における重合体ブロック(1)の含有量Mと重合体ブロック(2)の含有量Mとの質量比(M/M)は、得られる蓄熱材の形状保持性を確保し、且つ蓄熱材における直鎖飽和炭化水素化合物のブリードを効果的に防止する観点から、好ましくは95/5〜50/50であり、より好ましくは90/10〜60/40である。
水添ブロック(共)重合体のブロック構成としては、重合体ブロック(1)を「S」で、重合体ブロック(2)を「H」でそれぞれ表したとき、下記の構造式を挙げることができる。

(S−H)n1
(S−H)n2−S
(H−S)n3−H 上記において、n1〜n3は、それぞれ、1以上の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。上記の構造式において重合体ブロック(1)および重合体ブロック(2)のうちの少なくとも一方が複数存在するとき、これらはそれぞれ同一であってもよく、相違していてもよい。
水添ブロック(共)重合体は、これを構成する各ブロックが直線状に結合した直鎖の(共)重合体であってもよく、各ブロックが分岐状に結合したグラフト(共)重合体型であってもよく、あるいは各ブロックが星型に結合したスターポリマー型であってもよい。

上記のような水添ブロック(共)重合体につき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、20万〜70万であることが好ましく、20万〜60万であることがより好ましく、25万〜50万であることが特に好ましい。所要の力学的性質を得て、さらに組成物の相分離および直鎖飽和炭化水素化合物のブリードを防ぐために、Mwは20万以上であることが好ましく;
蓄熱材を成形加工するための流動性を確保するために、Mwは70万以下であることが好ましい。

水添ブロック(共)重合体は、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される融点が70〜140℃の範囲にあることが好ましく、80〜120℃の範囲にあることがより好ましい。ここで、水添共役ジエン共重合体の融点とは、JIS K−7121に準拠して測定した際の補外融解開始温度(Tim)を意味する。
水添ブロック(共)重合体のメルトフローレート(以下「MFR」ともいう。)の値は特に限定されるものではないが、0.01〜100g/10minであることが好ましい。ここで、水添ブロック(共)重合体のMFRは、JIS K−7210に準拠して、230℃、10kgの荷重で測定した値である。 このような水添ブロック(共)重合体は、例えば特許第3134504号および特許第3360411号に記載の方法により製造することができる。
上記のような水添ブロック(共)重合体としては、例えばアルケニル芳香族化合物および共役ジエン化合物のブロック(共)重合体の水素添加物または結晶性オレフィンブロック(共)重合体(共役ジエン系ブロック(共)重合体の水素添加物)を使用することが好ましい。これらの水添ブロック(共)重合体は、これを含有する蓄熱材用組成物が、例えば容器に充填する際等に優れた作業性を示すこととなる点で好ましい。
このような水添ブロック(共)重合体の具体例としては、上記アルケニル芳香族化合物および共役ジエン化合物のブロック(共)重合体の水素添加物として、例えばスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック(共)重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック(共)重合体(SEPS)、スチレン−エチレン/ブチレンブロック(共)重合体(SEB)、スチレン−エチレン/プロピレンブロック(共)重合体(SEP)等を;
上記結晶性オレフィンブロック(共)重合体として、例えばスチレン−エチレン/ブチレン−オレフィンブロック(共)重合体(SEBC)等のアルケニル芳香族化合物−オレフィンブロック(共)重合体:オレフィン−エチレン/ブチレン−オレフィンブロック(共)重合体(CEBC)等のオレフィンブロック(共)重合体等を、それぞれ挙げることができる。
本発明における水添ブロック(共)重合体としては、CEBCが、得られる蓄熱材用組成物を成型加工する際の流動性および直鎖飽和炭化水素化合物との親和性の観点から好ましい。
上記共役ジエンゴムとしては、例えば天然ゴム;ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)等の合成ゴムを挙げることができる。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムとしては、例えばエチレンとα−オレフィンとの二元共重合体ゴム、エチレンとα−オレフィンと非共役ジエンとの三元共重合体ゴムを挙げることができる。上記α−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数3〜8のα−オレフィンを挙げることができ、その具体例としては、例えばプロピレン、1-オクテン等を挙げることができる。上記非共役ジエンとしては、例えばエチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン等を挙げることができる。従って、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムの具体例としては、例えばエチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム等を挙げることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
ポリオレフィンの原料であるオレフィンとしては、α−オレフィンを使用することが好ましく、炭素数2〜12のα−オレフィンを使用することがより好ましく、具体的には、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン等から選択される1種以上を使用することが好ましい。
ポリオレフィンとしては、結晶性を示すものを使用することが好ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等を挙げることができる。これらのうち、汎用性の観点から、結晶性ポリエチレンまたは結晶性ポリプロピレンを用いることが好ましく、結晶性ポリエチレンを用いることが特に好ましい。この結晶性ポリエチレンは、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・オクテン共重合体等であることができるほか、バイオポリエチレンであってもよい。
結晶性ポリエチレンにつき、示差走査熱量測定(DSC法)によって測定される融点は、好ましくは80〜140℃、より好ましくは90〜140℃であり、さらに100〜140℃であることが好ましい。使用する直鎖飽和炭化水素化合物(A)の融点以上の融点を有する結晶性ポリエチレンが好ましく、直鎖飽和炭化水素化合物(A)の融点よりも20℃以上高い融点を有するものを使用することがより好ましい。また、結晶性ポリエチレンの示差走査熱量測定法(DSC法)により測定される融解熱量は、高温領域における蓄熱材の形状保持性の観点から、50kJ/kg以上あることが好ましい。
結晶性ポリエチレンの、JIS K−7210に準拠した、温度190℃、荷重2.16kg下におけるメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.01〜100g/10min、より好ましくは0.1〜80g/10minである。
ポリオレフィンは、そのMwが1,000〜10,000,000であることが好ましく、10,000〜5,000,000であることがより好ましく、10,000〜1,000,000であることが特に好ましい。
上記のうち、本発明におけるバインダー成分(D)として重合体を用いる場合、該重合体としてはエラストマーを用いることが好ましく、特に水添ブロック(共)重合体を用いることが、成分の分離・ブリードが起こり難く、長期耐久性に優れるほか、これを含有する蓄熱材用組成物の成型加工を繰り返して行ってもその物性が劣化する程度が少ない点で好ましい。
また、本発明の蓄熱材用組成物を比較的高温の用途に用いる場合(例えば相転移温度を80℃以上に設定する場合)、このバインダー成分(D)として、CEBCまたはSEBCと、ポリオレフィンと、を混合して使用することが好ましい。両者の使用割合は、得られる蓄熱材の高温における形状維持性を確保するとの観点から、CEBCまたはSEBCとポリオレフィンとの合計に対するポリオレフィンの使用割合として、10〜50質量%とすることが好ましい。
上記脂肪酸金属塩は、蓄熱材用組成物中で直鎖飽和炭化水素化合物を包摂して拘束し、該蓄熱材用組成物から直鎖飽和炭化水素化合物がブリードすることを防止する機能を有する。
脂肪酸金属塩としては、例えば炭素数4〜24の脂肪族カルボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボン酸の金属塩であることが好ましく、炭素数4〜24の脂肪族カルボン酸の金属塩であることがより好ましい。さらに好ましくは炭素数6〜24、特に好ましくは炭素数8〜24の脂肪族カルボン酸の金属塩である。
脂肪酸金属塩を構成する脂肪族カルボン酸としては、例えば2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等を挙げることができる。脂肪酸としてとりわけ好ましくは2−エチルヘキサン酸である。
脂肪酸金属塩を構成する金属種としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属;
マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属;
アルミニウム、マンガン、鉛等のその他の金属塩等を挙げることができる。これらのうち、2価以上の金属イオンの塩が好ましく、特にアルミニウム塩が好ましい。
本発明におけるバインダー成分(D)としての脂肪酸金属塩としては、2−エチルヘキサン酸アルミニウムがとりわけ好ましい。2−エチルヘキサン酸アルミニウムの市販品としては、例えばオクトープアルミA(ホープ製薬(株)製)等を挙げることができる。
脂肪酸金属塩は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
上記のような脂肪酸金属塩は、これのみで本発明におけるバインダー成分(D)として使用することができ、あるいは脂肪酸金属塩と脂肪酸との混合物をバインダー成分(D)として用いてもよい。脂肪酸金属塩と脂肪酸とを併用することにより、本発明の蓄熱材用組成物の粘度が上昇し、その結果、直鎖飽和炭化水素化合物のブリードをより効果的に防止することができることとなるため、好ましい。
バインダー成分(D)において、脂肪酸金属塩と好ましく併用される脂肪酸としては、例えば炭素数10〜30の飽和または不飽和の長鎖脂肪酸を使用することができる。長鎖飽和脂肪酸としては、例えばラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸等を;
長鎖不飽和脂肪酸としては、例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等を、それぞれ挙げることができる。これらのうち、オレイン酸を使用することが特に好ましい。オレイン酸の市販品としては、例えばゲル化補助剤Nsp(ホープ製薬(株)製)等を挙げることができる。
脂肪酸金属塩と好ましく併用されるこれらの脂肪酸は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
脂肪酸金属塩と脂肪酸とを併用する場合、両者の使用割合は、脂肪酸金属塩100質量部に対する脂肪酸の使用割合として、5〜100質量部とすることが好ましく、20〜80質量部とすることがより好ましく、さらに25〜75質量部とすることが好ましい。
本発明の蓄熱材用組成物において、上記のようなバインダー成分(D)は、1種単独で使用することができ、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の蓄熱材用組成物におけるバインダー成分(D)の使用割合は、組成物の全量に対して、好ましくは70質量%以下であり、より好ましくは2〜70質量%であり、さらに好ましくは3〜25質量%であり、特に好ましくは4.5〜20質量%であり、就中5〜15質量%であることが好ましい。バインダー成分(D)として脂肪酸金属塩と脂肪酸との混合物を用いる場合、上記バインダー成分(D)の使用割合は、脂肪酸金属塩と脂肪酸との合計の使用割合を意味する。
<任意の相変化温度創出のための組成設定方法の一例>
上記のような成分を含有する本発明の蓄熱材用組成物が任意の相変化温度を示すようにするために、各成分の種類および使用割合をどのように設定すべきかの指針について、その一例を以下に説明する。
先ず、本発明の蓄熱材用組成物がバインダー成分(D)を含有しない場合について説明し、次に本発明の蓄熱材用組成物がバインダー成分(D)を含有する場合について説明する。
本発明の蓄熱材用組成物がバインダー成分(D)を含有しない場合、各成分の種類および使用割合は、例えば以下のように選択される。
所望の相変化温度がT(℃)である場合、先ず、T(℃)付近の融点を示す直鎖飽和炭化水素化合物(A)のうちから適当なものを選択する。この直鎖飽和炭化水素化合物(A)の選択により、使用可能な直鎖飽和炭化水素化合物(B)の範囲が自動的に定まるから、これらのうちから適当な直鎖飽和炭化水素化合物(B)を適宜選択して使用する。直鎖飽和炭化水素化合物(A)および直鎖飽和炭化水素化合物(B)の使用割合は、所望の相変化温度Tと直鎖飽和炭化水素化合物(A)の融点との差△Tによって設定することができる。この差△Tが大きいほど直鎖飽和炭化水素化合物(B)の相対的使用割合を上記の範囲で大きくすればよく、△Tが小さければ直鎖飽和炭化水素化合物(B)の相対的使用割合を小さくすればよい。
有機化合物(C)の種類および使用割合も、△Tによって設定することができる。△Tが大きい場合には有機化合物(C)の使用割合を多くすればよく、△Tが小さい場合には有機化合物(C)の使用割合を少なくすればよい。
そして上記の指針のもとで少しの予備実験を行うことにより、当業者は所望の相変化温度を示す蓄熱材用組成物の最適組成を知ることができる。
次に、本発明の蓄熱材用組成物がバインダー成分(D)を含有する場合について説明する。
先ず、バインダー成分(D)の種類および使用割合は、蓄熱材用組成物の所望の硬さに応じて設定される。より硬い蓄熱材用組成物を調製したいときには、より硬質のバインダー成分(D)を上記の範囲でより大きい割合で使用すればよく、より軟らかい蓄熱材用組成物を調製したいときには、より軟質のバインダー成分(D)をより小さい割合で使用すればよい。次に、バインダー成分(D)を含有する蓄熱材用組成物の相変化温度は、バインダー成分(D)を含有しない場合に比べて低くなる。この変化の程度は、バインダー成分(D)の使用割合に依存する。
従って上記のことを念頭に置いたうえで、蓄熱材用組成物がバインダー成分(D)を含有しない場合に準じて、直鎖飽和炭化水素化合物(A)、直鎖飽和炭化水素化合物(B)および有機化合物(C)の種類および使用割合を選択し、そして少しの予備実験を行うことにより、所望の相変化温度を示す蓄熱材用組成物の最適組成を知ることができることとなる。
<その他の成分>
本発明の蓄熱材用組成物は、上記直鎖飽和炭化水素化合物(A)、直鎖飽和炭化水素化合物(B)および有機化合物(C)ならびに任意的に用いられるバインダー成分(D)のほかに、本発明の効果を減殺しない範囲において、その他の成分を含有していてもよい。
このようなその他の成分としては、例えば着色剤、金属粉末、無機繊維、有機繊維、伝熱性付与剤、ガラス、無機ウィスカー、充填剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、結晶核剤、難燃化剤、加硫剤、加硫助剤、防菌・防カビ剤、分散剤、着色防止剤、発泡剤、防錆材等を挙げることができる。
上記着色剤としては、例えば酸化チタン、カーボンブラック等を;
上記金属粉末としては、例えばフェライト等を;
上記無機繊維としては、例えばガラス繊維、金属繊維、アスベスト等を;
上記有機繊維としては、例えば炭素繊維、アラミド繊維等を;
上記伝熱性付与剤としては、例えば窒化アルミニウム、窒化ホウ素、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、カーボンナノチューブ、膨張黒鉛等を;
上記ガラスとしては、例えばガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク等を;
上記無機ウィスカーとしては、例えばチタン酸カリウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー等を;
上記充填剤としては、例えばタルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、カオリン、ケイ藻土、モンモリロナイト、グラファイト、軽石、エボナイト粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂等を;
上記難燃化剤としては、例えば金属水酸化物、リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤等を、それぞれ挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を用いることができる。
このようなその他の成分の使用割合としては、本発明の蓄熱材用組成物の全量に対して、30質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましい。
<蓄熱材用組成物の調製方法>
本発明の蓄熱材用組成物は、上記のような各成分を含有するものである限り、どのような方法によって製造されたものであってもよい。
本発明の蓄熱材用組成物がバインダー成分(D)を含有しないものである場合、該蓄熱材用組成物は、直鎖飽和炭化水素化合物(A)、直鎖飽和炭化水素化合物(B)および有機化合物(C)ならびに任意的に使用されるその他の成分を、適宜の手段を用いて混合することによって製造することができる。ここで採用される混合手段としては、例えば撹拌式混合器の使用、磁気撹拌等を挙げることができる。
一方、本発明の蓄熱材用組成物がバインダー成分(D)を含有するものである場合には、直鎖飽和炭化水素化合物(A)、直鎖飽和炭化水素化合物(B)、有機化合物(C)およびバインダー成分(D)ならびに任意的に使用されるその他の成分を、適宜の手段を用いて混合することによって製造することができる。ここで採用される混合手段としては、例えば2本ロール、押出機、2軸混錬押出機、撹拌式混合機等を挙げることができる。混合温度はバインダー成分(D)の可塑化温度領域とすることが好ましく、例えば80〜200℃において混合することができる。混合後の組成物を冷却すると固化するので、型枠への流し込みまたは延伸加工等の適宜の手段により、任意の形状に成形することが可能である。
<蓄熱材>
上記のようにして製造された本発明の蓄熱材用組成物は、これをそのまま、あるいは適当な包装材料または容器に封入したうえで、蓄熱材として用いることができる。包装材料に封入することにより、蓄熱材としての取り扱いが容易になるとともに、蓄熱材用組成物が長期安定性に優れることとなる点で、好ましい。
ここで使用することのできる包装材料としては、例えばポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体製フィルム等;これらのフィルム上に、ラミネートまたは蒸着によって金属層を設けたもの;これらのフィルムの複数からなる多層フィルム等を用いて製造された包装材料を挙げることができる。上記包装材料が多層フィルムを用いて製造されたものである場合、該多層フィルムは上記に例示したフィルムからなる層のほかに、接着剤層を有していてもよい。
容器としては、例えば合成樹脂をブロー成形して得たブロー容器、金属容器等を挙げることができる。
本発明における好ましい包装材料は、
熱融着性を有するフィルム(熱融着性層)のみを用いて製造されたものであるか、あるいは
熱融着性層を最内層とし、これに他のフィルムを積層してなる多層フィルムを用いて製造されたものである。これらのうち、後者の態様が特に好ましい。
上記において、熱融着性層はヒートシール層として働く。従って、本発明の蓄熱材用組成物を上記の好ましい包装材料中に封入するには、例えば一端を開口して袋状に成形した上記の好ましい包装材料中に、公知の適宜の充填装置によって本発明の蓄熱材用組成物を充填した後、開口部をヒートシールすることによって蓄熱材用組成物を密封する方法(ヒートシール法)を採用することが、生産性の面から好ましい。
上記熱融着性層であるフィルムとしては、例えばポリオレフィンフィルムを使用することが好ましい。具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等からなるフィルムを挙げることができる。
本発明における包装材料が多層フィルムを用いて製造されたものである場合、上記熱融着性を有するフィルム以外の層としては、例えば直鎖飽和炭化水素化合物(A)および直鎖飽和炭化水素化合物(B)の揮発を防止するためのバリア層、本発明の蓄熱材用組成物の耐熱性を補うための耐熱層等を挙げることができる。
上記バリア層としては、例えばポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム等を使用することができる。
上記耐熱層としては、例えばポリエステルフィルムを使用することができ、その具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルムを挙げることができる。
本発明における包装材料としては、最内層、最外層およびこれらの中間に位置する少なくとも1層の中間層を有し、
最内層が熱融着性を有するフィルムからなる層であり、
最外層が耐熱層であり、そして、
中間層のうちの少なくとも1層がバリア層である包装材料が最も好ましい。この場合の包装材料は、中間層としてのバリア層を2層以上有していてもよく、
熱融着性層、耐熱層およびバリア層以外の機能を有するフィルムからなる層を有していてもよく、層間に接着剤層を有していてもよい。
以下の実施例および比較例における評価は、それぞれ、以下の方法で行った。
<直鎖飽和炭化水素化合物の融点>
示差走査熱量計(DSC)によって次のようにして測定した。
DSC測定は、試料を100℃において30分間保持した後、10℃/分の速度で−50℃まで冷却し、該温度において30分間保持した後に、10℃/分の速度で昇温しつつ行った。JIS K7122に準拠して、得られたDSCチャートの補外融解開始温度を融点とした。
<DSCピーク形状>
各蓄熱材用組成物を試料として上記と同様の方法により測定したDSCチャートにおいて、吸熱曲線における融解ピークが単一であったときを「単峰」性とし、吸熱曲線が2つの融解ピークを有していたときを「2峰」性として評価した。
<蓄熱材用組成物の融点>
上記蓄熱材用組成物のDSCチャートにおける補外融解開始温度を融点とした。
なお、上記ピーク形状が2峰性であるとき、融点は各峰ごとに評価した。
<蓄熱材用組成物の凝固点>
上記蓄熱材用組成物のDSCチャートにおける補外結晶化開始温度を凝固点とした。
なお、上記ピーク形状が2峰性であるとき、凝固点は各峰ごとに評価した。
<潜熱量>
JIS K7122に準拠して、示差走査熱量計(DSC)によって潜熱量を測定した。DSCの測定条件は上記と同様であり、得られたDSCチャートにおけるピーク面積に相当する熱量を潜熱量(kJ/kg)とした。
なお、上記ピーク形状が2峰性であるとき、潜熱量は各峰ごとに評価した。
<凝固点降下剤の有効性>
上記蓄熱材用組成物のDSCチャートにおいて、凝固点降下剤の使用量に対する相変化温度の降下の程度が高く、且つ直鎖飽和炭化水素化合物の相変化ピークを2峰化させることがなかった場合に、凝固点降下剤が有効に機能していると評価し、有効性が「良好」であるとした。一方、凝固点降下剤の使用量に対する相変化温度の降下の程度が低いか、あるいは直鎖飽和炭化水素化合物の相変化ピークを2峰化させた場合は、凝固点降下剤の有効性が「不良」であるとした。
<耐ブリード性>
ドライラミネーション法によって製造されたポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)積層フィルム(内装:PE、80μm、外装:PP、15μm)からなる包装材料中に、各実施例・比較例で調製した蓄熱材用組成物を、空隙がないように充填・封入し、50℃において24時間静置した後に、直鎖飽和炭化水素化合物がバインダー成分から分離しているかどうかを目視観察した。
ここで、直鎖飽和炭化水素化合物の分離が観察されなかったものを耐ブリード性が「良好」であると評価し、直鎖飽和炭化水素化合物の分離が僅かしか観察されなかったものを耐ブリード性が「可」であると評価し、そして直鎖飽和炭化水素化合物が明らかに分離したものを耐ブリード性が「不良」であると評価した。
実施例1
ガラス製のフラスコ中で、直鎖飽和炭化水素化合物(A)としてn−デカン72.9質量部、直鎖飽和炭化水素化合物(B)としてn−ノナン8.1質量部、凝固点降下剤としてn−ヘキサン(c6)9質量部およびバインダー成分としてDR6360B(商品名、エチレン−エチレン・ブチレン−エチレンブロック共重合体、JSR(株)製)10質量部を仕込み、90℃において2時間混合することにより、蓄熱材用組成物を調製した。
上記の蓄熱材用組成物を用いて各種の評価を行った。評価結果は第1表に示した。
実施例2〜20および比較例1〜10
上記実施例1において、直鎖飽和炭化水素化合物(A)、直鎖飽和炭化水素化合物(B)および凝固点降下剤の種類および使用割合を、それぞれ、第1表に記載のとおりとしたほかは実施例1と同様にして蓄熱材用組成物を調製し、各種の評価を行った。評価結果は第1表に示した。
なお、実施例13および20ではバインダー成分を使用せず、比較例1〜3では凝固点降下剤を使用しなかった。
Figure 0006061106
Figure 0006061106
Figure 0006061106
Figure 0006061106
第1表における各成分の略称は、それぞれ以下の意味である。
<直鎖飽和炭化水素化合物(A)>
C10:n−デカン
C14:n−テトラデカン
C16:n−ヘキサデカン
C18:n−オクタデカン
<直鎖飽和炭化水素化合物(B)>
C9:n−ノナン
C13:n−トリデカン
C15:n−ペンタデカン
C17:n−ヘプタデカン
C19:n−ノナデカン
<凝固点降下剤>
イソパラフィン:品名「IPソルベント2028」、出光興産(株)製、炭素数12〜16の分岐状アルカンの混合物
へプチルエーテル:ジ−n−へプチルエーテル
PW−90:品名「ダイアナプロセスオイルPW−90」、出光興産(株)製、パラフィンオイル(重量平均分子量750)
<バインダー成分>
DR6360B:(商品名、JSR(株)製、エチレン−エチレン・ブチレン−エチレンブロック共重合体)
SEBS:(品名「クレイトンG1651」、JSR(株)製、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体)
脂肪酸金属塩:オクトープアルミA(商品名、ホープ製薬(株)製)70質量%およびゲル化補助剤Nsp(商品名、ホープ製薬(株)製)30質量%の混合物
凝固点降下剤のうち、実施例1〜20ならびに比較例4および5で使用した化合物は本発明所定の有機化合物(C)に該当する。比較例6〜10で使用した化合物は本発明所定の有機化合物(C)に該当しない。実施例14、18および19における「脂肪酸金属塩」の使用量(質量部)は、オクトープアルミAおよびゲル化補助剤Nspの合計の使用量である。
第1表の融点欄、凝固点欄および潜熱量欄において、2つの数値が「/」で区切って記載されているのは、これらの値を、DSCの2峰性ピークにおける各峰について評価した結果を示す。

Claims (9)

  1. 炭素数が2nである直鎖飽和炭化水素化合物(A)と、
    炭素数が2n+mである直鎖飽和炭化水素化合物(B)と、
    分子量が50〜300であり、溶解度パラメータが5〜8.5(cal/cm0.5であり、示差走査熱量計によって測定される融点が前記直鎖飽和炭化水素化合物(B)の融点よりも30℃以上低い有機化合物(C)と、
    を含有し、ただし、前記nは4以上の自然数から選択される1つの数であり、直鎖飽和炭化水素化合物(A)におけるnと直鎖飽和炭化水素化合物(B)におけるnとは同じ数であり、
    mは−3、−1、+1または+3であり、そして
    前記直鎖飽和炭化水素化合物(A)の含有量Mと前記直鎖飽和炭化水素化合物(B)の含有量Mとの質量比M:Mが99:1〜80:20である、蓄熱材用組成物。
  2. 上記mが−3、−1または+1である、請求項1に記載の蓄熱材用組成物。
  3. 上記mが−1である、請求項2に記載の蓄熱材用組成物。
  4. 前記有機化合物(C)が、α−オレフィン、n−ヘキサン、イソパラフィン、脂肪族エーテル、脂肪族ケトン、脂肪族アルコールおよび脂肪族エステルよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄熱材用組成物。
  5. 前記直鎖飽和炭化水素化合物(A)の含有量Mおよび直鎖飽和炭化水素化合物(B)の含有量Mの合計と有機化合物(C)の含有量Mとの質量比(M+M):Mが99:1〜80:20である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄熱材用組成物。
  6. さらに、バインダー成分(D)を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄熱材用組成物。
  7. 前記バインダー成分(D)が水添ブロック(共)重合体である、請求項6に記載の蓄熱材用組成物。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄熱材用組成物から形成されてなることを特徴とする、蓄熱材。
  9. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄熱材用組成物が包装材料または容器に封入されてなることを特徴とする、蓄熱材。
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