JPH05214710A - 蓄熱式路面構造 - Google Patents

蓄熱式路面構造

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JPH05214710A
JPH05214710A JP4057049A JP5704992A JPH05214710A JP H05214710 A JPH05214710 A JP H05214710A JP 4057049 A JP4057049 A JP 4057049A JP 5704992 A JP5704992 A JP 5704992A JP H05214710 A JPH05214710 A JP H05214710A
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JP
Japan
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heat
heat storage
road surface
storage material
material layer
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JP4057049A
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English (en)
Inventor
Masahiko Omura
雅彦 大村
Eiji Hashimoto
英治 橋本
Yuichi Hayashi
祐一 林
Chiaki Momose
千秋 百瀬
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 路面の表面材層3下に、蓄熱材4aにて囲ま
れたヒートパイプ2が敷設された路面構造であって、ヒ
ートパイプ2が表面材層1に略平行する部分2aと表面
材層1から深さ方向の路深部に達する部分2bよりな
り、且つ蓄熱材4aが蓄熱成分のパラフィン類と、該パ
ラフィン類100重量部あたり5〜30重量部の炭化水
素系有機高分子からなるバインダ成分とが機械的手段に
て混合されてなることを特徴とする。 【効果】 路面構造形成コストおよびランニングコスト
が低減でき、路面上の積雪や凍結を防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、路面構造に関するもの
であり、更に詳しくは、温暖時に路面の熱を路深部に蓄
積し、寒冷時にこの蓄積した熱を路面下に放出して路面
を加温し、路面の融雪または凍結防止ができる路面構造
に関する。
【0002】本発明における路面構造とは、一般に言う
道路のみならず、駐車場、広場、空き地等の地面構造を
広く包含し、これらの表面およびその近傍の構造を含む
ものである。
【0003】
【従来の技術】加温機能を有する路面については、例え
ば融雪または凍結防止対策を施した路面などが知られて
おり、これらはいずれもコンクリート、基礎路盤等の基
礎材層の上に温水パイプまたはヒーター等を敷設し、更
にこの上にコンクリート、アスファルト等の表面材層を
設けた構造を有しており、パイプに温水を循環させたり
或いはヒーターで加熱することによって、路面を加温し
て路面の融雪または凍結防止を行う等の機能を発揮す
る。
【0004】これらの構造のうち、温水パイプ方式のも
のでは、熱源装置で温水を作り、これを循環させる方法
が一般的に行われている。熱源装置としては、ガスまた
は石油ボイラー、電気温水機、ヒートポンプ等が利用さ
れているが、これら人工的手段の熱源装置を利用する場
合、特に電力利用の場合にはランニングコストが高くな
るという難点がある。これはヒーターを利用する場合も
同様であり、いずれの場合においてもランニングコスト
の低減が強く求められているのが現状である。
【0005】そこで、自然界の太陽熱や大気熱等によっ
て熱せられた路面の熱エネルギーを、ヒートパイプを利
用して路深部に蓄熱し、寒冷時にこの熱を路面下へ放出
させて路面を加温し、路面の融雪または凍結防止を行う
ことが提案されている。ところが、ヒートパイプを単独
使用しても蓄熱容量が小さく、広大な面積の路面上の融
雪または凍結防止を行うには不十分であって、未だ実現
されていないのが現状である。
【0006】上記蓄熱容量を改善するものとして、蓄熱
材を組合せたヒートパイプが知られている(特開平3−
156292号公報参照)。このヒートパイプは、パイ
プ本体の上部に蓄熱体を一体的に設けたもので、このヒ
ートパイプ装置を予め温めておくか、或いは冷却してお
き、パイプ本体の下部を、流動体に浸漬し揺動させるこ
とにより、ヒートパイプの作用で流動体をその温度と速
やかに平衡させる機能を発揮するものである。上記蓄熱
体は、流動体を温度変化させるに十分な熱量を蓄える機
能を果たすもので、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等
の金属またはその合金による熱伝導の良好な材質からな
る。
【0007】ところが前記したように、前記路面の融雪
または凍結防止を行うためには、大容量の熱を蓄積でき
る蓄熱体が必要とされるので、ヒートパイプに一体的に
設けられる蓄熱体が大径のものとなり、上記熱伝導の良
好な金属またはその合金を多量に使用しなければならな
い。この結果、蓄熱体の製造コストが高くなるととも
に、その組立および施工が面倒となる。
【0008】一方、蓄熱材としては、相変化潜熱を利用
する潜熱蓄熱材が効率よく利用できることが知られてい
る。中でも常温付近で相変化する低温型潜熱蓄熱材とし
ては、水、塩化カルシウム水和物、硫酸ナトリウム水和
物、酢酸ナトリウム水和物等の無機系蓄熱材、パラフィ
ン類等の有機系蓄熱材があり、各用途に適した相変化温
度、すなわち蓄熱温度のものがそれぞれ使用されてい
る。ところで、これらの蓄熱材は相変化するため、蓄熱
すると固体より液体となる致命的な欠点がある。このた
め架橋ポリエチレン等にパラフィン類を含浸して液化を
防ぐ方法が提案されているが、パラフィン類が除々に流
動化して比較的短時間で表面がべと付き、蓄熱時に液化
する欠点は解消されない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記蓄熱材で蓄熱材部
を形成したヒートパイプを使用するとき、蓄熱時に蓄熱
材が液化するので、これを収容する容器や槽が必要にな
る。したがって、道路や駐車場のような広大な面積の路
面を融雪または凍結防止するためには、多量の蓄熱材が
使用されるので、この蓄熱材を収容する巨大な容器や槽
が必要になる。また、加温する路面の面積に応じて、対
応する大きさの容器や槽を作成しなければならず、手間
がかかるとともに、コスト高となる。さらに、この容器
や槽を路面下に埋設しなければならず、施工作業が困難
である。
【0010】本発明は、従来技術における前述の如き難
点を解消し、路面構造形成コストおよびランニングコス
トを低減し、路面の融雪または凍結防止ができる路面構
造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の如
き現状に鑑み種々研究を行なった結果、特定の蓄熱成分
とバインダ成分とからなる組成物を機械的手段で混合し
た蓄熱材が、蓄熱時に液化しないことを見出し、この蓄
熱材でヒートパイプを囲む構成にして、前記目的を達成
した。
【0012】即ち、本発明の蓄熱式路面構造は、路面の
表面材層下に、蓄熱材にて囲まれたヒートパイプが敷設
された路面構造であって、ヒートパイプが表面材層に略
平行する部分と表面材層から深さ方向の路深部に達する
部分よりなり、且つ蓄熱材が、蓄熱成分としてのパラフ
ィン類と、該パラフィン類100重量部あたり5〜30
重量部の炭化水素系有機高分子からなるバインダ成分と
が機械的手段にて混合されてなることを特徴とするもの
である。また、蓄熱材にて囲まれたヒートパイプが、基
礎材層の上面に配設されてなるものである。
【0013】
【作用】本発明によれば、昼間や夏季に太陽光等で熱せ
られた路面の熱エネルギーを、表面材層下の蓄熱材部、
さらにはこの蓄熱材部にて囲まれた上記表面材層に略平
行するヒートパイプ部分から、作動液を介して表面材層
から深さ方向の路深部に達するヒートパイプ部分へ移動
させ、このヒートパイプ部分を囲った蓄熱材部に蓄熱で
きる。
【0014】一方、夜間や冬季の寒冷時には、前記蓄熱
時とは逆に作用して、路深部の蓄熱材部に蓄熱した熱エ
ネルギーを、表面材層下の蓄熱材部から放出して路面を
加温できる。したがって、人工的な熱源が不要となり、
ランニングコストを大幅に低減することが可能となる。
【0015】また、蓄熱時に液化せずに固形状態が保持
できる特定の蓄熱材を使用するので、路面下に配設され
るヒートパイプを囲う蓄熱材部が容易に形成でき、ま
た、従来の蓄熱材を収容する容器や槽を不要にできる。
したがって、施工が簡単かつ容易となり、施工コストを
低減できる。
【0016】次に、図面を参照しながら本発明を更に詳
細に説明する。図1は、本発明の路面構造を示す断面図
である。図1において、1は基礎材層、2はヒートパイ
プ、3は表面材層、4は蓄熱材部を表わす。
【0017】ヒートパイプ2は、図1(b)の側断面図
から明らかなように、表面材層3に略平行する部分2a
と表面材層3から深さ方向の路深部に達する部分2bを
熱交換部とするものである。このヒートパイプ2は、図
1(a)で示されるように、適当なピッチで表面材層3
下に配設される。上記ヒートパイプ2の熱交換部2a,
2bの周囲には、蓄熱材4aで囲まれた蓄熱材部4が形
成されている。
【0018】上記基礎材層1としては、例えば砕石、玉
砂利、砂、コンクリート、モルタル等が挙げられる。こ
の基礎材層1の上にヒートパイプ2を配設するが、必要
に応じて例えば断熱材、防水材、熱伝導材等を介在させ
てもよい。
【0019】ヒートパイプ2としては、銅、鋼、ステン
レス等の通常使用されている材質のパイプの曲げ可能な
金属ストレート管、柔軟性のあるコルゲート管等が使用
できる。これらのうち特に、表面を防食処理を施したも
のが好適に使用できる。
【0020】このパイプのサイズは、用途目的に応じた
設計等に従って適宜決定すればよいが、通常は呼び径6
A〜25Aのものが好ましく用いられる。
【0021】上記ヒートパイプに封入される作動液とし
ては、通常ヒートパイプで使用されるものであればよ
く、例えば水、アルコール、不凍液、フロン、パーフロ
ロカーボン、アンモニア等が使用できる。
【0022】上記表面材層3としては、コンクリート、
アスファルト等の路面材が、通常は20〜60mm程度の
厚さに施工される。
【0023】蓄熱材は、蓄熱成分としてのパラフィン類
と、該パラフィン類100重量部当たり5〜30重量部
の炭化水素系有機高分子からなるバインダ成分とを機械
的手段にて混合してえられるものが使用される。
【0024】上記パラフィン類としては、JIS K
7121(プラスチックの転移温度測定方法)に従って
測定したTmax が5〜50℃、好ましくは10〜35℃
の温度域にある有機化合物が使用される。このTmax
低すぎると路面温度が低くなり、融雪、凍結防止機能が
発揮されにくくなり、また、高すぎると自然の熱エネル
ギーの蓄積が充分になされにくくなる。
【0025】このパラフィン類の好ましい具体例として
は、Cn 2n+2で表される直鎖状または側鎖を有する脂
肪族飽和炭化水素よりなる各種パラフィン、ロウ、ワッ
クスをはじめ、α−オレフィン類、高級アルコール、脂
肪酸、この脂肪酸と1価または2価の高級アルコールの
エステル、ポリエチレングリコール等が挙げられ、これ
らの1種または2種以上の混合物として使用される。
【0026】上記炭化水素系有機高分子としては、主鎖
が基本的に炭化水素であり、主鎖中における他の成分
(例えばO、N、Si、ハロゲン等)の含有量は10重
量%以下、好ましくは5重量%以下である炭化水素系有
機高分子の1種または2種以上が用いられる。かかる炭
化水素系有機高分子の例を以下に示す。
【0027】(1)ポリオレフィン系ポリマー類:ポリ
メチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレ
フィンのホモポリマー、オレフィン同士のコポリマー、
α−オレフィンと他のモノマー、例えば酢酸ビニル、ア
クリル酸エチル、メタクリル酸エチル等とのコポリマ
ー、およびこれらの軽度にハロゲン化されたポリマー等
が挙げられる。これは非結晶性〜低結晶性でもよいし、
結晶性でもよい。
【0028】(2)熱可塑性エラストマー類:ゴム並び
にプラスチックスの分野で「熱可塑性エラストマー」と
して知られている、或いは知られ得るもののうち、使用
したパラフィン類のTmax +10℃の温度域で、好まし
くはTmax +20℃の温度域でゴム弾性を有するものが
使用される。勿論Tmax +20℃より高温度でゴム弾性
を持続するものも使用できる。具体的には、スチレン
系、オレフィン系、ウレタン系、エステル系等の各種の
従来公知の熱可塑性エラストマーが例示できる。
【0029】(3)炭化水素系ゴム類:天然ゴム、スチ
レン−ブタジエン−共重合体ゴム、ブチルゴム、イソプ
レンゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレ
ン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム、エチレン−
酢酸ビニル共重合体ゴム、エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体ゴム等が例示される。
【0030】上記炭化水素系有機高分子は、架橋性、非
架橋性のいずれであってもよい。この炭化水素系有機高
分子の使用量は、パラフィン類100重量部に対して5
〜30重量部である。5重量部未満では、Tmax 以上に
おいてパラフィン類が滲み出し易くなる傾向があり、一
方、30重量部を超える過大量では、パラフィン類の使
用量が少なくなるのに比例して蓄熱量も少なくなる。
【0031】この炭化水素系有機高分子の架橋や加硫
は、必要に応じてパラフィン類との混合中、或いは混合
の後に行われる。この架橋又は加硫の方法としては、一
般に用いられている化学架橋、シラン架橋(水架橋)お
よび電子線や放射線照射による架橋等が採用できる。
【0032】蓄熱材を架橋するに際しては、上記いずれ
の架橋方法を採用するにしても、その架橋度はJIS
C 3005に従って測定し、組成物中の架橋物が、ゲ
ル分率にして1重量%以上、好ましくは2重量%以上と
するものである。架橋度が1%以上、好ましくは2%以
上とすることにより、使用したパラフィン類のTmax
上に蓄熱材が加温されても、蓄熱材が溶融や滴下するこ
となく、元の形状を保持することが可能となる。
【0033】本発明で使用する蓄熱材は、前記のパラフ
ィン類と炭化水素系有機高分子とを、前記した割合で機
械的手段により混合して得られるが、ここでいう混合と
は、パラフィン類と炭化水素系有機高分子の少なくとも
1成分の溶融物に、残余の成分が少なくとも膨潤、好ま
しくは溶解することにより、或いは高温度によって混合
対象となるいずれの成分も外力にて流動変形しうる状態
で攪拌、混合、或いは混練されることを意味する。
【0034】例えば100〜200℃に保持されたパラ
フィン類の溶融物に炭化水素系有機高分子を溶解し、得
られる高温度の溶液を攪拌混合する態様、混合各成分が
軟化する温度、例えば50〜250℃で2本ロール、バ
ンバリーミキサ、押出機、2軸混練押出機等の通常の混
練機を使用して混練混合する態様等が例示される。混合
は、可及的に充分であることが好ましいが、一般には1
〜150分程度の混合を行って、目視にて一様に混合さ
れたと判断される程度で十分である。
【0035】上記の混合によって溶液状となった組成物
は、そのままで、或いは若干冷却して任意の形状の蓄熱
材を成形できる。蓄熱材の形状としては、粒状、ペレッ
ト状、チップ状、繊維状、シート状、板状、ブロック等
に成形できる。例えば、溶液状となった組成物を押出機
でシート状、板状に押し出し成形することができ、更に
該押出機により棒状、パイプ状にも成形できる。さら
に、この板状、ブロック状の成形物を粉砕してチップ状
としたり、棒状、パイプ状の成形物を細断して粒状、ペ
レット状とすることができる。
【0036】本発明で使用する上記蓄熱材には、必要に
応じて各種の添加剤を配合することができる。たとえば
老化防止剤、酸化防止剤、着色剤、顔料、帯電防止剤等
が配合され、その他用途に応じて防黴剤、難燃剤等、更
には伝熱性向上のために金属粉、金属繊維、金属酸化
物、カーボン、カーボンファイバー等を併用することが
できる。
【0037】このようにして得られた蓄熱材は、前記ヒ
ートパイプ2の熱交換部2a,2bに接触するように囲
って蓄熱材部4を形成する。勿論ヒートパイプ2の全長
にわたり蓄熱材部4を形成することもできる。この蓄熱
材部4の形成は、粒状、チップ状の蓄熱材をセメント、
砂と適量混合し、適量の水を加えて練り、ヒートパイプ
の周囲に打設する方法、ヒートパイプ設置後、あるいは
設置前にヒートパイプに接するように蓄熱材単独または
砂あるいは土と共に散布する方法、ヒートパイプを配設
した後に、その周囲に蓄熱材あるいはこれを含有する配
合物を直接流し込んで固化させる方法等でなされる。
【0038】この蓄熱材部4の形成においては、蓄熱材
を密に充填してもよいが、通常は熱膨張吸収のために、
空隙を作って充填することが好ましい。この空隙の作り
方としては、蓄熱材をブロック等の成形品の形で施工す
るときには、適宜の間隔をあけて配設したり、散布して
点在させればよいし、また前記の流し込み方式を採用す
るときには、スポンジ等のスペーサーを混入させればよ
い。
【0039】蓄熱材部4の厚さについては、特に限定さ
れず適宜選択すればよく、厚いほど蓄熱容量を大きくで
きて好ましいが、通常は5〜60mm、好ましくは20〜
40mmが適当である。
【0040】このようにして蓄熱材部4を形成した後、
アスファルト、モルタル、コンクリート等の表面材層3
を設けると、図1(b)で示されるように、ヒートパイ
プ2の路深部に達する部分を囲う蓄熱材部4で、5〜5
0℃程度、好ましくは10〜35℃の熱量が蓄積できる
本発明の路面構造が得られる。上記路面構造によれば、
気象条件にもよるが、路面温度が0.5℃以上となり融
雪、凍結防止が効果的になされる。なお、このヒートパ
イプ2の路深部長さは、少なくとも50cm以上必要であ
り、長くすれば土中蓄熱ができ、また土中熱が利用でき
て好ましい。
【0041】図2は、本発明に係る路面構造の一例を示
す側断面図、図3は、他の例を示す断面図であって、前
記図1と同一箇所には同一の符号を付して、その詳細な
説明は省略する。
【0042】図2において、前記図1と相違するところ
は、基礎路盤1上に仕切り材11を所々に適宜載置し
て、この間に断熱材6および熱伝導材8を敷設したこと
である。また、表面材層3を2層にしたことである。
【0043】仕切り材11としてコンクリートブロック
等のを用いると、路面の強度保持がなされて好ましい。
【0044】熱伝導材8として、金属等の熱電導率に優
れるシート、線状物、網状物等を上記ヒートパイプ2の
配設時に、ヒートパイプ2および/または蓄熱材部4に
接するように敷設すると、ヒートパイプ2の配設ピッチ
を広げることができて好ましい。このときワイヤーメッ
シュ等の熱伝導材8を用いると、ヒートパイプ2の取り
付けが容易となりより好ましい。また、この熱伝導材8
は、図3で示すように、仕切り材11上に敷設してもよ
い。
【0045】蓄熱材部4を設けた上に表面材層3を設け
るが、表面材層3を上層3aと下層3bの2層としても
よく、下層3bをコンクリートやモルタル層で形成し、
その上に前記アスファルト、コンクリート等の路面材を
施工すればよい。
【0046】なお、前記基礎路盤1上に路盤表面仕上げ
層として、アスファルト、モルタル、コンクリート等の
層を通常10〜50mm程度の厚さに設けることが好まし
い。或いはこの表面仕上げ層を設けずにシートや油紙等
の防水材を敷いてもよい。
【0047】また、本発明では、路面の表面材層下に、
蓄熱材にて囲まれたヒートパイプを配設するとともに、
他の公知の融雪または凍結防止手段を併用できる。例え
ば、上記ヒートパイプと平行してパイプに温水を循環さ
せたり或いはヒーターで加熱する熱媒循環用パイプを併
設することができる。この場合、蓄熱材に蓄熱された熱
と熱媒循環用パイプからの熱が、路面下に放熱されて路
面が加温されるので、特に厳寒時においても路面の融雪
や凍結防止が容易にできて好ましい。
【0048】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図面にしたがい、
更に具体的に説明する。ただし、本発明はこの実施例に
限定されるものではない。 実施例1 駐車場の路面を図2に示した如き構造とした。即ち、1
00mm厚の基礎粉石層1の上面に50mm角のコンクリー
トブロック11を間隔をあけて配設し、その間に市販の
25mm厚の断熱シート6を敷いた後、さらにワイヤーメ
ッシュ(3.5mm径)8を敷設した。ついで、フロン2
2が作動液として封入された長さ8m、外径16mmの銅
製コルゲートパイプ2を、一端から5mの個所で90度
に折曲して形成される熱交換部2aを、上記基礎砕石層
1に対して略平行に、上記ワイヤーメッシュ8にしばり
つけて取り付けるとともに、一方の長さ3mの熱交換部
2bを、土中の深さ方向へ形成した孔中に挿入した。な
お、上記パイプ2は、200mmのピッチで配設した。
【0049】しかる後、下記組成からなる20mm未満の
径を有する粒状蓄熱材を、上記ヒートパイプ2の熱交換
部2a,2bの周囲に約25mm厚さの蓄熱材部4を形成
した。さらにその上にコンクリートを50mm厚に打設し
て、コンクリート層3aを形成し、さらにその上面に5
0mm厚のアスファルト層3bを施工して屋外駐車場用の
路面構造とした。
【0050】 蓄熱材の組成 C1634で表される直鎖状のパラフィン 100重量部 熱可塑性エラストマー 13重量部 (シェル化学社製、商品名クレイトンG−1650) ポリエチレンワックス 7重量部 酸化防止剤 0.2重量部 この蓄熱材の蓄熱温度は16.5℃、蓄熱量は40kc
al/kgであり、蓄熱時も固形を保っていた。
【0051】なお、上記実施例で使用する蓄熱材は、上
記蓄熱材組成を、150℃ 攪拌ミキサーを使用して、
約120分溶融混練して混合した後、型に流し込んで棒
状に冷却固化させ、ついでこれを細断して20mm径のス
クリーンを通過する粒状物としたものである。
【0052】上記構造の駐車場路面を駐車場の一部に形
成して通年観察した結果、蓄熱材およびヒートパイプを
施設していない箇所では、積雪した日数が10日、凍結
した日数が18日あったが、上記実施例の構造を形成し
た箇所は、降雪しても雪が次第に融けて積雪せず、また
凍結した日は一日もなかった。
【0053】実施例2 図3で示すように、細粒玉砂利1を敷きつめて約100
mm厚の基礎材層1を形成した後、約25mm厚の断熱層6
を形成した。ついで50mm角のコンクリートブロック1
1を間隔をあけて配設し、さらにワイヤーメッシュ8を
敷設して、これにフロン22が作動液として封入された
長さ8m、直径8mmのステンレス製パイプ2を、実施例
1と同様にして取り付けて配設した。
【0054】しかる後、実施例1と同じ組成からなる蓄
熱材を、セメント/砂/蓄熱材=1/1/2の容量比で
混合し、水を加えて練り合わせ、これを上記パイプ2の
周囲に流し込んで、約25mm厚の蓄熱材層4形成した。
さらにその上に50mm厚のアスファルト層3を施工して
屋外駐車場用の路面構造とした。ただし、上記蓄熱材と
して、12mm径のスクリーンを通過するチップ状に成形
したものを使用した。
【0055】上記構造の駐車場路面を観察していたとこ
ろ、ある日、外気温が−5℃〜−1℃で約13時間にわ
たり降雪があり、駐車場路面上に約10cm程積雪した。
ところが、路面上の雪は次第に融けて、ついには完全に
融けて積雪がなくなり、また路面が凍結することもなか
った。
【0056】実施例3 図1で示すように、約100mm厚の基礎砕石層1の上面
に下記に示す組成からえられる粒状蓄熱材を、実施例2
と同様にセメントおよび砂と混合してモルタルとし、ヒ
ートパイプ配設位置に施し、この所定位置にヒートパイ
プ2を載置するとともに、さらにその上からモルタルを
流し込んでヒートパイプ2の熱交換部2a,2bの周囲
に蓄熱材部4を形成した。なお、ヒートパイプ2は、長
さ3.5m、外径16mmの銅製コルゲートパイプを、一
端から2mの個所で90度に折曲して形成される熱交換
部2aを、上記基礎砕石層1に対して略平行に、一方の
長さ1.5mの熱交換部2bを、深さ方向へ実施例1と
同様にして配設した。ついで、蓄熱材部4の上面に50
mm厚のアスファルトを施工して、舗道通路の路面構造と
した。
【0057】 蓄熱材の組成 C1634で表される直鎖状のパラフィン 80重量部 C1430で表される直鎖状のパラフィン 20重量部 熱可塑性エラストマー 13重量部 (シェル化学社製、商品名クレイトンG−1650) ポリエチレンワックス 7重量部 酸化防止剤 0.2重量部 この蓄熱材の蓄熱温度は11℃、蓄熱量は35kcal
/kgであり、蓄熱時も固形を保っていた。なお、粒状
蓄熱材は、上記組成からえられる蓄熱材を実施例1と同
様にして成形したものである。上記路面構造を実施例2
の駐車場横の通路に適用したところ、降雪時に、通路上
の雪は融け、しかも凍結することはなかった。
【0058】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明では、路面下に
設けたヒートパイプとその熱交換部の周囲に形成した蓄
熱材部の作用によって、路面の熱エネルギーを土中の蓄
熱材部に蓄積し、寒冷時にこの熱エネルギーを路面下に
放出することができるので、人工的な熱エネルギーを不
要として、路面の加温工程におけるランニングコストを
大幅に低減することができる。
【0059】また、蓄熱時に液化したり流動することの
ない特定の蓄熱材を使用するので、蓄熱材を収容する容
器や槽を不要として、路面構造の施工作業を簡単かつ容
易にするとともに、施工コストが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の路面構造を示す断面図である。
【図2】本発明の路面構造の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の路面構造の他の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 :基礎材層 2 :ヒートパイプ 2a,2b:熱交換部 3 :表面材層 4a:蓄熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 百瀬 千秋 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路面の表面材層下に、蓄熱材にて囲まれ
    たヒートパイプが配設された路面構造であって、ヒート
    パイプが表面材層に略平行する部分と表面材層から深さ
    方向の路深部に達する部分よりなり、且つ蓄熱材が蓄熱
    成分のパラフィン類と、該パラフィン類100重量部あ
    たり5〜30重量部の炭化水素系有機高分子からなるバ
    インダ成分とが機械的手段にて混合されてなることを特
    徴とする蓄熱式路面構造。
  2. 【請求項2】 蓄熱材にて囲まれたヒートパイプが基礎
    材層の上面に配設されてなる請求項1記載の蓄熱式路面
    構造。
JP4057049A 1992-02-07 1992-02-07 蓄熱式路面構造 Pending JPH05214710A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001081712A (ja) * 1999-09-10 2001-03-27 East Japan Railway Co 地熱を利用した融雪方法
JPWO2014025070A1 (ja) * 2012-08-10 2016-07-25 Jsr株式会社 蓄熱材用組成物

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JP2001081712A (ja) * 1999-09-10 2001-03-27 East Japan Railway Co 地熱を利用した融雪方法
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