JP2007132182A - 冷却・保温用舗装工法および舗装材料 - Google Patents

冷却・保温用舗装工法および舗装材料 Download PDF

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Abstract

【課題】
気化熱を利用し冷却・保温する舗装で、効果が高く、効果の持続期間が長く、維持管理を殆んど必要としない舗装工法と舗装材料の創出が課題となる。
【解決手段】
平坦面上に貯水部を作り、貯水部内あるいはその上部まで多孔質粒状材と固化材との混合物を打設し、貯水可能な間隙率を30%以上とした冷却・保温用舗装工法。その貯水部を不透水性の側壁を設置したり、貯水部内に排水手段を設けたり、貯水部内あるいはその上部に粒度、反射率、熱伝導率、親水性、耐摩耗性が異なる混合物を層状に打設した多層構造の舗装工法。多孔質粒状材として粉状物を除去した軽量気泡コンクリート破砕物を用いた舗装工法。軽量気泡コンクリート破砕物に固化材をその容積の15〜35%混合した冷却・保温用舗装材料。これにより上記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、発明は舗装の冷却・保温に関するものである。
建築物の省エネのため、様々な対策が採られている。たとえば、反射率の高い塗料で塗装することにより、太陽熱を反射させる方法がある。この方法は熱線の入射量を減らす効果はあるが太陽熱により温まった物体を冷ます効果はない。
水の気化熱で建築物や舗装面を冷却する方法として打ち水、保水ブロックあるいは屋上緑化がある。打ち水は効果が高いとして試みられているが与えた水が流れ去るため効果が持続しない欠点がある。特開2004−76482号公報の保水ブロックによる方法は、保水ブロックの保水量が極めて少ないため2〜3日間効果が持続するだけである。
特開2003−166210号公報の保水性舗装構造および保水機能は舗装本体の下部および側面下部を不透水層に覆われていることを記載している。しかし、使用する骨材が砂や砂利などの殆んど間隙を含んでいない材料であるため空隙率が10〜30%と少なく、また、これら骨材が太陽熱の反射や断熱に適していないため、夏季には貯水量が少なく冷却持続期間が短い、太陽熱の吸収率が高く表面温度があまり下がらないという欠点がある。また、冬季には放射冷却で下部まで冷えるため保温効果が悪いという欠点がある。
屋上緑化により屋上面を冷却する方法は効果の持続性、効果の高さで有望であるが、植物を用いるので緑地の管理に手間がかかる問題があった。
このようなことから、夏季には冷却持続期間が長く、舗装表面の温度を屋上緑化面同様に下げ、冬季には断熱により放射冷却が下部に到達しない舗装で、管理が必要な屋上緑化と異なり管理を必要としない気化熱を利用する建築物や舗装面の冷却工法の確立が待たれていた。
本発明は上記従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、気化熱を奪う水を多量に貯水でき、しかも、太陽熱の反射率を高く維持できる材料を使用し、冷却・保温に優れた効果を発揮する工法の開発である。
本発明の第1発明は、平坦面上に貯水部を作り、貯水部内あるいはその上部に多孔質粒状材と固化材との混合物を打設し貯水可能な間隙率を30%以上としたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法をその解決手段とするものである。
また、本発明の第2発明は、第1発明において貯水部が防水面、コンクリート面等の不透水面上に不透水性の側壁を設置して作ったものであることを特徴とする冷却・保温用舗装工法をその解決手段とするものである。
また、本発明の第3発明は、第1発明において貯水部がシートを敷設し立ち上り部を設け側壁として作ったものであることを特徴とする冷却・保温用舗装工法をその解決手段とするものである。
また、本発明の第4発明は、第1〜3発明において多孔質粒状材として粉状物を除去した軽量気泡コンクリート破砕物を用いたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法をその解決手段とするものである。
また、本発明の第5発明は、第1〜4発明において貯水部内あるいはその上部に粒度、反射率、熱伝導率、親水性あるいは耐摩耗性が異なる混合物を層状に打設した多層構造であることを特徴とする冷却・保温用舗装工法をその解決手段とするものである。
また、本発明の第6発明は、第1〜5発明において貯水部内に貯えた水の排水手段を設けたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法をその解決手段とするものである。
また、本発明の第7発明は、軽量気泡コンクリート破砕物に固化材を軽量気泡コンクリート破砕物容積の15〜35%混合した材料であることを特徴とする冷却・保温用舗装材料をその解決手段とするものである。
また、本発明の第8発明は、平坦面上に貯水部を作り、貯水部内あるいはその上部までの下層部分に多孔質粒状材を敷設しその上層に多孔質粒状材と固化材との混合物を打設し作った、貯水可能な間隙率を30%以上としたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法をその解決手段とするものである。
また、本発明の第9発明は第8発明による工法で第2〜6発明の工法を用いたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法をその解決手段とするものである。
また、本発明の第10発明は第1〜9発明において冷却・保温用舗装工法で用いる資材中に植物根やコケの成長抑制剤あるいは枯殺剤を混入することを特徴とする冷却・保温用舗装工法。
第1発明は、平坦面に貯水部を作り、貯水部内あるいはその上部まで多孔質粒状材と固化材との混合物を打設し、貯水可能な間隙率を30%以上としたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法である。
本発明で平坦面上に、例えば、深さ5〜15cmの水を貯えられる貯水部を設け、その内部に多孔質粒状材と固化材との混合物を打設することにより、気化熱を奪う水を多量に貯水できる。この舗装は屋上緑化と同様に夏季において冷却に対して有効であるとともに、冬季において放射冷却を防ぐ層として機能するので保温に対して有効である。したがって、屋上の押えコンクリートとして用いることにより、大幅な省エネを達成することができる。なお、混合物の打設は、予め混合物に加水し打設しても、混合物を打設したあと表面から水を注ぎ固化させてもよい。
本発明での舗装内の貯水可能な間隙の意味合いは次のようである。舗装内の間隙は粒状材間の間隙と粒状材内の間隙の合計である。このうち貯水可能な間隙は水に舗装を1日間浸漬した時に水が浸入できる間隙で、たとえば多孔質材の独立気泡は間隙ではあるが貯水可能な間隙には含まれない。したがって、貯水可能な間隙を増やすには連続気泡を多く含む多孔質粒状材を用いるとともに粒状材間の間隙を埋める固化材の使用量を減らす必要がある。
本発明での平坦面は若干の傾斜や不陸があっても貯水できる程度の平坦さがあればよい。また、多孔質粒状材として、軽量気泡コンクリート破砕物、軽石、パーライト、珪藻土焼成物、クリンカーアッシュが挙げられるが、これらに限定されるものではない。間隙率が高い状態であっても舗装としての十分の強度を持たせることを目的として、固化材は上記骨材の表面にまぶす程度、つまり、固化材の混合割合は骨材容積の15〜35%好ましくは20〜30%とする。これに適する固化材として、たとえば、セメント系のものがあるが、これに限定されるものではない。
本発明で貯水部内に打設する混合物は側壁の高さもしくはそれ以上の高さまであることが、好ましい。
第2発明は、第1発明において貯水部が防水面、コンクリート面等の不透水面上に不透水性の側壁を設置して作ったものであることを特徴とする冷却・保温用舗装工法である。
本発明での防水面としてアスファルト防水、塩ビシート防水、FRP防水、ゴムシート防水等あるがいずれでもよく、不透水性であるならばこれら材料に限定されるものではない。また、不透水性ならばコンクリート面であってもよい。
本発明での不透水性の側壁素材は不透水性のものであれば良い。たとえば、0.3mm厚さのL字型軟質塩ビ板を用いることができるが、これに限定されるものではない。この工法によれば、貯水部は既設の不透水層上に側壁を設けるだけで完成するので安価に作ることができる。
本発明での不透水性の側壁底部と底面の不透水層との接着は水密状態を維持できるものであればよい。たとえば、ゴムアス系接着剤や両面粘着ゴムテープを使用することができる。
不透水性の側壁の高さは用途によって変えてよいが、高さ5〜15cmが好ましく、高さ8〜10cmが特に好ましい。
第3発明は、第1発明において貯水部がシートを敷設し立ち上り部を設け側壁として作ったものであることを特徴とする冷却・保温用舗装工法である。
本発明でのシートは塩ビシート、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートいずれでもよく、不透水性であれば、これらに限定されるものではない。
本発明での貯水部は、このシートを対象面に敷設し端部を折り曲げ、側壁とすることにより貯水できるようにすることができる。
第4発明は、第1〜3発明において多孔質粒状材として粉状物を除去した軽量気泡コンクリート破砕物を用いたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法である。
発明者は気化熱を利用して冷却する舗装材料を探索したところ、軽量気泡コンクリート破砕物とセメント系固化材との混合物を打設し作った舗装は、水の浸透性が良く、しかも、貯水可能な間隙率が極めて高く、固化物の強度も十分高いこと見出した。更に、発明者は、この固化物が白色で、軽量気泡コンクリート破砕物の親水性が珪藻土焼成物あるいは軽石に比べ低いため、固化物表面の乾燥期間が長く熱線の反射率が高いことを発見した。
すなわち、軽量気泡コンクリート破砕物は珪藻土焼成物や軽石に比べ親水性が低いため、表面は速く乾燥し、乾燥期間が長い。このため、軽量気泡コンクリート破砕物による舗装面は次の二つの理由で太陽熱を吸収しにくい。第一の理由は、一般的に無機材料は湿潤状態になると濃色化するが、乾燥しやすい軽量気泡コンクリート破砕物表面の場合長く白色に保たれ、その間の反射率が高く保たれることである。第二の理由は、赤外線等の熱線は水に吸収されやすい性質を持っており湿潤状態のものは熱線をよく吸収するが、乾燥しやすい軽量気泡コンクリート破砕物表面は熱線の反射率が高く保たれる特性があることである。
軽量気泡コンクリート板は間隙率が高く断熱性が高い、白色で太陽光の反射率が高いという特性を持っているが、独立気泡が多く、しかも、間隙の径が毛細管現象で水を上昇させるには大き過ぎるものを多く含むため、水を含みにくいという特性がある。このため、舗装用に用いると舗装中に貯水できる水量が少ない上、水の浸透性が低い。この軽量気泡コンクリート板を破砕し粒状にすると、これと固化材との混合物を打設し貯水可能な間隙率を30%以上とした舗装は、独立気泡は含むものの貯水できる間隙が増加し、表面が乾燥しやすく、太陽熱の反射率が高いという冷却・保温用舗装材料として適している性質を持つようになる。なお、この原料として、建設廃棄物である軽量気泡コンクリート端材や解体材を利用できることも利点である。
なお、細孔隙を多く含む材料は、乾燥時には熱伝導率が低い。しかし、吸水しやすく、湿潤状態になると熱伝導率が高くなり、加えられた太陽熱は内部まで侵入し内部の物体温度を高めるとともに、放射冷却時には断熱材として機能しにくい。無機物の親水性は、珪藻土焼成物、パーライトあるいは軽石のように連続気泡の細孔隙を多く含む素材では強く、毛細管力で水を吸い上げやすいが、軽量気泡コンクリート破砕物のように孔隙が大きくしかも独立気泡を多く含む素材では弱く、毛細管で水を上げにくい。したがって、軽量気泡コンクリート破砕物自体の断熱性は高く表面に与えられた太陽熱は内部に移動しにくく、冷熱も移動しにくい。しかも、舗装表面部分はすばやく乾燥するので、低い熱伝導率を長期間維持できる点が本発明の用途に適している。
軽量気泡コンクリート破砕物中に粉状物が含まれると間隙率が低下するとともに、固化材使用量が増え、間隙を塞ぐため、さらに間隙率が低下する。したがって、軽量気泡コンクリート破砕物から粒径1mm以下の成分を除くことが好ましい。ただし、篩別により粉状物を除く場合3%程度の粉状物が含まれることもある。軽量気泡コンクリート破砕物の大きさは粒径1〜50mmのものが好ましい。特に1〜20mmのものが好ましい。
第5発明は、第1〜4発明において貯水部内あるいはその上部に粒度、反射率、熱伝導率、親水性あるいは耐摩耗性が異なる混合物を層状に打設した多層構造であることを特徴とする冷却・保温用舗装工法である。
多層構造とするときには下層に用いる材料は多く貯水できる素材とし、表層に用いる材料は親水性が低く、太陽熱の反射率が高く、細粒素材たとえば軽量気泡コンクリート破砕物の細粒にすることにより、舗装面の貯水量を多くし、太陽熱の侵入を抑えるとともに貯水した水の蒸発を少なくし、その上舗装面の強度を高くすることができる。この場合、エマルジョン系固化材を用いると有効である。維持管理時等簡易的に表面を仕上げる場合は白色セメントあるいは白色塗料を吹きつけても良い。
多層構造とする場合、たとえば、下層に粒径3〜20mm、表層に粒径1〜3mmの軽量気泡コンクリート破砕物を用いると下層の間隙が多いため貯水量が多く、表層は密で強度が高いため舗装面として優れている。
表層は、反射率、熱伝導率、親水性、及び耐摩耗性の優れているもので覆うことにより、舗装の熱特性、耐摩耗性が優れているものにすることができる。例えば、硅砂やサンゴ砂と白色固化材との混合物があるが、これらに限定されるものではない。また、固化材としてセメント系、エマルジヨン系、樹脂系があるが、これらに限定されるものではない。
なお、間隙が小さい珪藻土焼成物や軽石を表層に用いると、舗装表面が湿潤状態に保たれるため、熱線吸収量が多く軽量気泡コンクリート破砕物を材料とする舗装面より若干高い温度になる。また、蒸発量が多いため、いわゆるムットした雰囲気になる。その上、貯水した水の消費が多く、冷却可能期間が短くなる。このような理由で多層構造による場合は表層を軽量気泡コンクリート破砕物の細粒とすることが好ましい。
第6発明は、第1〜5発明において貯水部内に貯えた水の排水手段を設けたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法である。
本発明は貯水部からの強制排水機能を設けることにより、大雨が予想される日時以前に強制排水することにより押えコンクリート内もしくは舗装面の貯水部を空け、新たに降る雨水を貯留できるため、都市型洪水の緩和に有効である。
第7発明は、軽量気泡コンクリート破砕物に固化材を軽量気泡コンクリート破砕物容積の15〜35%、好ましくは20〜30%混合した材料であることを特徴とする冷却・保温用舗装材料である。
第8発明は、平坦面上に貯水部を作り、貯水部内あるいはその上部までの下層部分に多孔質粒状材を敷設しその上層に多孔質粒状材と固化材との混合物を打設し作った、貯水可能な間隙率を30%以上としたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法である。
第1発明により強度が高い冷却・保温用舗装を作ることができるが、施工に要する材料費や工費が高くなる。第8発明によると下層部分に固化材を混合する必要がないため、それらが大幅に安くなる。
しかも、表層部分は多孔質粒状材と固化材との混合物を打設し作るので、歩行に十分な強度を持つ冷却・保温用舗装を作ることができる。表層部分の厚さは2〜3cmであることが望ましい。
第9発明は、第8発明による工法で第2〜6発明の工法を用いたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法である。この工法により第8発明に第2〜6発明の工法の特徴を持たせることができる。
第10発明は、第1〜9発明において冷却・保温用舗装工法で用いる資材中に植物根やコケの成長抑制剤あるいは枯殺剤を混入することを特徴とする冷却・保温用舗装工法である。
第1〜9発明において冷却・保温用舗装工法で用いる資材中に植物根やコケの成長抑制剤あるいは枯殺剤を混入することにより、雑草の繁茂やコケによる被覆を防ぐことができる。
本特許の0032〜0036項の理由により軽量気泡コンクリート破砕物と固化材の混合物は冷却・保温用舗装材料として適している。軽量気泡コンクリート破砕物の大きさは粒径1〜50mmのものが好ましい。特に1〜20mmのものが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。2005年8月23日に明治大学工学部建築学科屋上の押えコンクリート上に試験区を設けた。それぞれの区の大きさは1m×1mで、区中心部で舗装もしくは張り芝の表面と下面で押えコンクリートに接する面の2箇所に自記式温度計を設置し温度測定した。温度測定は15分間隔で連続して行った。設置時に十分注水した後放置し、その後は全く注水しなかった。
屋上の押えコンクリート面に8cm厚さで貯水できるように貯水部を設け、その内部に径1〜2mmの珪藻土焼成物(イソライト)と固化材との混合物を打設し舗装した区である。その断面図を図1に示す。直径10cmでくり貫いたコアサンプルの重量は555gで貯水可能な間隙率は56%であった。珪藻土焼成物と固化材との混合物の真比重は約2.5であるので計算上は約65%の間隙率となるが、小孔隙を多く含み含水しやすいため貯水可能な間隙率は56%となっている。
屋上の押えコンクリート面に8cm厚さで貯水できるように貯水部を設け、その内部に下部6cmを軽量気泡コンクリート破砕物(ALC)3〜20mmと固化材との混合物を打設し、表層2cmを軽量気泡コンクリート破砕物1〜3mmと固化材との混合物を打設し舗装した区である。その断面図を図2に示す。直径10cmでくり貫いたコアサンプルの風乾重は467gで貯水可能な間隙率は44.2%であった。軽量気泡コンクリート破砕物と固化材との混合物の真比重は約2.4であるので計算上は約68%の間隙率となるが、かなり多くの独立気泡を含み水が浸入しないため貯水可能な間隙率は44.2%となっている。
それらの貯水部の平面構造を図3に、貯水部構造の俯瞰図を図4に示す。
比較例として、屋上の押えコンクリート面を人工芝で舗装した区を設け、比較例1とした。
比較例2は、屋上の押えコンクリート面にヤシ殻マットを敷き8cm厚さとした後コウライシバを張り芝した区である。貯水可能な間隙率は65%であった。芝は順調に活着し、2005年9月10日の時点では緑被率100%であった。
比較例3は、屋上の押えコンクリート面である。
各実施例と比較例の試験区の状態が安定し、高い気温が続いた2005年9月10日から20日にかけての温度測定データを図5〜8に示した。図5に実施例1の表面と下面温度および比較例3の温度変化を示した。図6に実施例2の表面と下面温度および比較例3の温度変化を示した。図7に比較例1の表面と下面温度および比較例3の温度変化を示した。図8に比較例2の表面と下面温度および比較例3の温度変化を示した。
図5〜8からわかるように、比較例3の押さえコンクリート面及び人工芝面の温度は最も高い。
気化熱を利用する方式である実施例1の貯水型珪藻土焼成物舗装、実施例2の貯水型軽量気泡コンクリート破砕物舗装区あるいは比較例2の張り芝区の被覆物表面とコンクリート面の温度は、直射日光は当たらず日陰になるが気化熱を利用しない比較例1の人工芝下面のコンクリート面温度に比べはるかに低い。
気化熱を利用する方式である実施例1の貯水型珪藻土焼成物舗装、実施例2の貯水型軽量気泡コンクリート破砕物舗装区あるいは比較例2の張り芝区の被覆物表面とコンクリート面の温度測定の結果から、表面温度および下面温度は軽量気泡コンクリート破砕物舗装が最も低く、次いで芝生であり、珪藻土焼成物が最も高かった。
なお、実施例1の貯水型珪藻土焼成物舗装表面はほぼ全期間を通して含水状態で、乾燥状態では淡黄色であるものが淡褐色を呈していた。実施例2の貯水型軽量気泡コンクリート破砕物舗装表面はほぼ全期間を通して乾燥状態で白色であった。
実施例2の軽量気泡コンクリート破砕物舗装は表面が乾燥しやすいので、表面温度と下面温度は特に低かった。
以上のように一連の本発明により、夏季には冷却効果が屋上緑化以上に高く、しかも効果の維持期間が長い、冬季には保温効果が高い舗装工法と舗装材料を完成することができた。
本発明は夏季には舗装表面と舗装下部を冷却し、冬季には舗装下部を保温する工法とそれに用いる材料を提供することができる。本発明は建設業分野に適用される。
舗装層が一層の冷却・保温舗装の一実施形態を示した断面図である(実施例1)。 舗装層が二層の冷却・保温舗装の一実施形態を示した断面図(実施例2)。 貯水部の平面構造の一実施形態である。 貯水部の構造を示した俯瞰図である。 実施例1の表面と下面温度および比較例3の温度変化を示したグラフである。 実施例2の表面と下面温度および比較例3の温度変化を示したグラフである。 比較例1の表面と下面温度および比較例3の温度変化を示したグラフである。 比較例2の表面と下面温度および比較例3の温度変化を示したグラフである。
符号の説明
1 不透水層
2 L字型側壁
3 接着層
4 貯水部
5 軽量気泡コンクリート破砕物と固化材との混合物からなる層
6 粗粒軽量気泡コンクリート破砕物と固化材との混合物からなる層
7 細粒軽量気泡コンクリート破砕物と固化材との混合物からなる層



Claims (10)

  1. 平坦面上に貯水部を作り、貯水部内あるいはその上部まで多孔質粒状材と固化材との混合物を打設し、貯水可能な間隙率を30%以上としたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法。
  2. 請求項1において貯水部が防水面、コンクリート面等の不透水面上に不透水性の側壁を設置して作ったものであることを特徴とする冷却・保温用舗装工法。
  3. 請求項1において貯水部がシートを敷設し立ち上り部を設け側壁として作ったものであることを特徴とする冷却・保温用舗装工法。
  4. 請求項1〜3において多孔質粒状材として粉状物を除去した軽量気泡コンクリート破砕物を用いたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法。
  5. 請求項1〜4において貯水部内あるいはその上部に粒度、反射率、熱伝導率、親水性あるいは耐摩耗性が異なる混合物を層状に打設した多層構造であることを特徴とする冷却・保温用舗装工法。
  6. 請求項1〜5の貯水部内に貯えた水の排水手段を設けたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法。
  7. 軽量気泡コンクリート破砕物に固化材を軽量気泡コンクリート破砕物容積の15〜35%混合した材料であることを特徴とする冷却・保温用舗装材料。
  8. 平坦面上に貯水部を作り、貯水部内あるいはその上部までの下層部分に多孔質粒状材を敷設しその上層に多孔質粒状材と固化材との混合物を打設し作った、貯水可能な間隙率を30%以上としたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法。
  9. 請求項8による工法で請求項2〜6の工法を用いたことを特徴とする冷却・保温用舗装工法。
  10. 請求項1〜9において冷却・保温用舗装工法で用いる資材中に植物根やコケの成長抑制剤あるいは枯殺剤を混入することを特徴とする冷却・保温用舗装工法。























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