JP2017032218A - 地中熱利用の熱交換装置 - Google Patents

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悟司 安本
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輝幸 福原
寛章 寺崎
Hiroaki Terasaki
寛章 寺崎
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    • Y02E10/10Geothermal energy

Abstract

【課題】地中熱を効率的に活用し得る地中熱利用の熱交換装置を提供する。【解決手段】熱媒液が内部を流れる管体2を、地中に埋設される採熱管部5と、放熱されるべき領域において放熱し又は吸熱されるべき領域において吸熱し得る吸放熱管部6を具えたものとする。管体2内で熱媒液を循環させるポンプ4を管体2に介在させる。採熱管部5を覆う高熱伝導部7は、珪石及び珪砂の混合物からなる伝導部9の内部に形成されている内部空隙部10に、防腐性蒟蒻13からなる含水充填材11が充填され、該含水充填材が該内部空隙部に留まっている。【選択図】図1

Description

本発明は、建物内部の冷暖房を行うために応用でき、又、トンネルの舗装部表面や道路の舗装部表面、駐車場の舗装部表面等の舗装部表面を加温して該舗装部表面の凍結防止や舗装部表面の融雪に応用でき、更に、道路の舗装部表面や駐車場の舗装部表面等の舗装部表面を冷却させて例えばヒ−トアイランド現象を緩和する等のために応用し得る地中熱利用の熱交換装置に関するものである。
寒冷地のトンネルの舗装部表面(路面)では、通行する車両のタイヤ等に付着してトンネル内に持ち込まれた水や、トンネルの内壁面での結露水や該内壁面に染みだした水が滴下して路面に付着した水が、気温低下によって凍結することがあるが、このような路面凍結は、通行する車両のスリップ事故の原因となる恐れがあった。
かかる路面の凍結防止対策としては例えば特許文献1に開示されているような、路面に凍結防止剤を散布する散布方式や、散水ノズルから路面に地下水や温水等を散水する散水方式、路面内部に温水パイプや発熱ケ−ブルを埋設して路面の凍結防止を図る加熱方式、地中熱を利用して路面の凍結防止を図る地中熱伝導方式等が提供されている。
しかしながら前記散布方式によるときは、凍結防止剤の主成分が塩化ナトリウム又は塩化カルシウム等の塩化化合物であるため、これがトンネル内のコンクリ−トや鋼材、更に、防災設備や電気配線等に悪影響を及ぼす問題があった。
又、前記散水方式による場合は、道路に給水パイプを配設したり排水溝を設ける必要がある他、気温が低い場合には散水した水が凍結する可能性があり、特に地下水を用いる場合は地盤沈下の原因となる問題もあった。
又前記加熱方式では、路面内部に温水パイプや伝熱ケ−ブルを配設したり、熱源設備や変電設備を設置しなければならない等、設備コストが高くつく問題があった他、これを運転するための運転コストが高くつく問題があった。
又前記地中熱伝導方式は、トンネル坑口の壁面や地中に埋設された地中熱交換用パイプとトンネル坑口に埋設された放熱用パイプとを連結し、地中熱により加温された水を該地中熱交換用パイプと該放熱用パイプとの間で循環させ、これによって路面を加温し凍結を防止するものであった。この地中熱伝導方式によるときは、前記凍結防止剤散水方式におけるような塩化化合物がトンネル内のコンクリ−トや鋼材、防災設備、電気配線等に悪影響を及ぼすといった問題を解消できると共に、前記散水方式におけるような、散水した水が凍結する可能性がある等の問題を解消できる利点があり、更に、前記加熱方式におけるような特別な熱源設備や変電設備を設置しなければならないことに伴う設備コストの高騰を招く問題も解消できる利点があった。
然しながら、熱源として地中熱を利用するものであるため周辺の地中から地中熱交換用パイプへの熱移動効率の改善が課題とされていた。かかる熱移動効率の向上を図らんとして、例えば特許文献2や特許文献3が開示する地中熱利用の熱交換装置が提案されている。然しながら、これらの熱交換装置は何れも、前記地中熱交換用パイプを覆う熱伝導部の内部に多数の空隙が存在するために該熱伝導部の熱伝導率が良好でなく、地中熱移動が効率的に行われない問題があった。
より具体的には、特許文献2は、例えば図9に示すように、地表から地下深く存在する硬岩aに達するまで穿設した鉛直孔bに熱交換器cを挿入し、該鉛直孔bと該熱交換器cとの間に珪砂dを充填した構成を具えており、該熱交換器cの内部に不凍液eを循環させてなる不凍液循環式地中熱利用装置として構成されている。そして該不凍液を循環させて、冬期においては地中熱を利用して路面の融雪や床暖房を行い、夏期においては、地表の熱を地下に蓄え、その熱を冬期に使用可能としたものであった。該装置にあっては、前記鉛直孔bと前記熱交換器cとの間に珪砂dを充填することによって、熱伝導部fにおける空隙を低減させんとするものであり、これによって該熱伝導部fの熱伝導率を高めて該熱伝導部fにおける地中熱の移動を効率化せんとするものであった。
然しながら、このように珪砂を充填して構成された熱伝導部fにあってもその内部には空隙が残存しており、該熱伝導部fの熱伝導率の向上のために改善の余地があった。
そこで、特許文献3に係る熱交換装置においては、かかる熱伝導部における空隙をより一層低減させんとして、地中の浅層部に熱交換器を設ける水平埋設方式を採用し、砂礫層中に地中熱交換器を埋設し、該砂礫層を水で飽和状態にさせるために、地上に設置された貯水タンク内の水を注水パイプを介して該砂礫層に注水するように構成されていた。
かかる特許文献3に係る熱交換装置によるときは、該注水タンクから砂礫層に水を供給することによって該砂礫層を水で常に飽和状態とさせることができるため、該砂礫層の内部の空隙を無くすことができ、これによって該砂礫層の熱伝導率を高めることができた。
然しながら、かかる熱交換装置によるときは、地上設置の前記注水タンクに貯留されている水の温度が気温の影響を受けるために地中熱を有効に活用できない問題があった。即ち、冬期にあっては、注水タンク内の水が外気で冷却されるために前記砂礫層に供給される水の温度は地中熱温度(年間を通して平均15℃)よりも低くなる。夏期にあっては、注水タンク内の水が外気で加熱されるために前記砂礫層に供給される水の温度は地中熱温度よりも高くなる。その結果、前記飽和状態とされた水によって前記砂礫層の熱伝導率を高めることができても、熱の移動効率が悪く、地中熱を有効に活用できない問題があったのである。
又、前記砂礫層を常に飽和状態に保つために、貯水タンクの水量管理や該砂礫層への注水量の管理を確実に行うことを要したり、注水タンクを特別に必要としたり、該砂礫層へ注水する水量を調整するための流量調整弁等の制御装置を要する等、施工コストの上昇を招く問題があった他、維持管理に面倒さを伴い、又、管理コストの上昇を招く問題もあった。
特開平8−53807号公報 特開2003−307353号公報 特開2013−217603号公報
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、冬期においては、建物内部の暖房や、トンネルの舗装部表面や道路の舗装部表面、駐車場等の舗装部表面の凍結防止や融雪を無散水で効果的に行うことができる一方、夏期においては、建物内部の冷房や、道路や駐車場等における舗装部表面を効果的に冷却してヒ−トアイランド現象の抑制やアスファルト舗装部の長寿命化に寄与でき、加えて、工期の短縮、施工コスト低減にも寄与し得る地中熱利用の熱交換装置の提供を課題とするものである。
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る地中熱利用の熱交換装置(以下熱交換装置ともいう)は、熱媒液が内部を流れる管体は、地中に埋設される地中熱交換用管部と、放熱されるべき領域において放熱し又は吸熱されるべき領域において吸熱し得る吸放熱管部とを具え、該管体内で熱媒液を循環させるためのポンプが該管体に介在されており、該地中熱交換用管部を覆う如く高熱伝導部が設けられており、該高熱伝導部は、砕石及び砕砂の混合物からなる伝導部又は砕砂からなる伝導部の内部に存する内部空隙部に含水充填材が充填され、該含水充填材が該内部空隙部に留まっていることを特徴とするものである。前記地中熱交換用管部は、横方向に延長する如く地中に埋設されたものとして、又、縦方向に延長する如く地中に埋設されたものとして構成できる。
前記熱交換装置のより具体的な態様の一つは、前記地中熱交換用管部が、縦方向に長いU字状管部を具える如く構成されており、該U字状管部が、地盤を縦方向に掘削して形成された縦孔内に、縦方向に延長する如く収容されると共に、該U字状管部を覆う如く高熱伝導部が設けられており、該高熱伝導部は、砕石及び砕砂の混合物からなる伝導部又は砕砂からなる熱伝導部の内部に存する内部空隙部に含水充填材が充填され、該含水充填材が該内部空隙部に留まっていることを特徴とするものである。
又、前記熱交換装置のより具体的な態様の他は、熱媒液を貯留し得るコンクリート製の水槽が地中に埋設され、該水槽の下面部及び/又は側面部を覆う如く高熱伝導部が設けられており、該高熱伝導部は、砕石及び砕砂の混合物からなる伝導部又は、砕砂からなる伝導部の内部に存する内部空隙部に含水充填材が充填され、該含水充填材が該内部空隙部に留まっており、又、熱媒液が内部を流れる如くなされた、放熱されるべき領域において放熱し又は吸熱されるべき領域において吸熱し得る吸放熱管部を具え、前記水槽内の熱媒液を該吸放熱管部に送ると共に該吸放熱管部内の熱媒液を前記水槽内に戻すポンプを具えることを特徴とするものである。
この場合、前記水槽は、地面を掘削して形成した施工空間の底部に設けた基礎部上で構築されたものとし、該基礎部は、支持部上に基礎コンクリート部を設け、該基礎コンクリート部には開口を設け、該開口に前記高熱伝導部が設けられたものとし、該開口に設けられた該高熱伝導部の上面部が前記水槽の下面部に接した状態とし、又該支持部は、前記高熱伝導部からなるものとし、砕石及び砕砂の混合物からなる前記伝導部の内部に存する内部空隙部に前記含水充填材が充填されたものとし、該含水充填材が該内部空隙部に留まったものとするのがよい。
前記の各熱交換装置において、前記含水充填材は、米粒大乃至顆粒大を呈する防腐性蒟蒻からなるものとするのがよく、又、前記砕石としては珪石を用い、且つ、前記砕砂としては珪砂を用いるのがよい。
又、前記の各熱交換装置において、前記吸放熱管部にヒ−トポンプを介在させるのがよい。
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明の一態様は、熱媒液が内部を流れる管体を、地中に埋設される地中熱交換用管部と、放熱されるべき領域において放熱し又は吸熱されるべき領域において吸熱し得る吸放熱管部とを具えるものとし、該地中熱交換用管部を覆う如く高熱伝導部を設け、該高熱伝導部は、砕石及び砕砂の混合物からなる伝導部又は砕砂からなる伝導部の内部に存する内部空隙部に含水充填材が充填され、該含水充填材が該内部空隙部に留まっている。又本発明の他の態様は、地中に埋設されて熱媒液を貯留し得る水槽の下面部及び/又は側面部を覆う如く設けられた高熱伝導部が、砕石及び砕砂の混合物からなる伝導部又は砕砂からなる伝導部の内部に形成されている内部空隙部に含水充填材が充填され、該含水充填材が該内部空隙部に留まっている。
然して本発明によるときは、前記内部空隙部における熱伝導率(空気の熱伝導率)の低さを、該内部空隙部に充填されてなる前記含水充填材によって高めるように改善でき、これによって、相対的に温度の高い周辺の地中から前記高熱伝導部を介して前記地中熱交換用管部や前記水槽への熱移動を効率的に生じさせることができ、又、相対的に温度の高い地中熱交換用管部や水槽から前記高熱伝導部を介して周辺の地中への熱移動を効率的に生じさせることができる。特に前記水槽を、地面を掘削して形成した施工空間の底部に設けた基礎部上で構築することとし、該基礎部は、支持部上に基礎コンクリート部を設けて構成し、該基礎コンクリート部には開口を設け、該開口に前記高熱伝導部を設け、又、該高熱伝導部の上面部が前記水槽の下面部に接した状態となし、該支持部は、前記高熱伝導部からなるものとし、砕石及び砕砂の混合物からなる前記伝導部の内部に存する内部空隙部に前記含水充填材が充填されたものとし、該含水充填材が該内部空隙部に留まった状態となすことにより、水槽を安定状態で設置できるのは元より、前記高熱伝導部を介して、周辺の地中から該水槽への熱移動を効率的に生じさせることができる。又、前記高熱伝導部を介して、該水槽から周辺の地中への熱移動を効率的に生じさせることができる。
これによって、冬期においては、地中熱を効率的に利用して、建物内部の暖房を効果的に行うことができ、又、トンネルの舗装部表面や道路の舗装部表面、駐車場等の舗装部表面の凍結防止や融雪を無散水で効果的に行うことができる。一方夏期においては、建物内部の冷房を効果的に行うことができ、又、道路や駐車場等における舗装部表面を効果的に冷却してヒ−トアイランド現象の抑制やアスファルト舗装部の長寿命化を図ることができる。加えて、かかる熱移動の効率化が図られることから、前記地中熱交換用管部の長さの短縮化、及び、それに伴う施工空間の掘削量の削減を図り得る等、該地中熱交換用管部の施工規模をより小さくできることとなり、工期の短縮及び施工コストの低減にも寄与できることとなる。
(2) 特に、前記含水充填材として防腐性蒟蒻を用いる場合は、その有する特性、即ち、熱伝導率が高いこと、一定の弾力性を有すること、水分保持力に優れること、防腐性、防虫性、防黴性を有していることによって、以下の如き独特の効果が得られることとなる。
a.該防腐性蒟蒻の適度の弾力性によって、前記内部空隙部に該防腐性蒟蒻を容易且つ確実に充填できる。かかる確実な充填によって、且つ、該防腐性蒟蒻が水分保持力に優れていることによって、前記高熱伝導部の熱伝導率をより高めることができる。
b.該防腐性蒟蒻は、一定の弾力性を有する固形物であるために取り扱い性に優れており、その適度の弾力性によって前記内部空隙部に容易に充填できる。かかることから、熱伝導率の高い高熱伝導部を作業性よく構築できることとなる。
c.該防腐性蒟蒻は、水分保持力に優れ、且つ、防腐性、防虫性、防黴性を有しているため、この充填によって構成された、熱伝導率の高い高熱伝導部の長寿命化を図り得る。
d.該防腐性蒟蒻の適度の弾力性によって、これを前記内部空隙部に容易に充填できる。又、該防腐性蒟蒻は元々蒟蒻であるために安価で経済性に優れる。これらによって、熱伝導率の高い高熱伝導部を施工コストの低減を図って構築できることとなる。
(3) 前記伝導部を構成する前記砕石や砕砂として、熱伝導率の高い珪石や珪砂を用いる場合は、該伝導部の熱伝導率をより高めることができ、前記建物の内部の冷暖房や前記凍結防止、融雪、前記ヒ−トアイランド現象の緩和、アスファルト舗装部の長寿命化をより効果的に行うことができる。
(4) 前記吸放熱管部にヒートポンプを介在させる場合は、地中熱をヒートポンプの熱源として利用して建物の冷暖房等を、電気使用量を低減させながら効果的に行い得ることとなる。
本発明に係る地中熱利用の熱交換装置の一実施例を説明する説明図である。 伝導部の内部空隙部と、該内部空隙部が含水充填材で充填された状態を示す説明図である。 地中熱交換用管部の配設状態の一例を示す説明図である。 本発明に係る地中熱利用の熱交換装置を、地盤に設けた縦孔を用いて構成した実施例を説明する説明図である。 本発明に係る地中熱利用の熱交換装置を、地下埋設の水槽を用いて構成した実施例を説明する説明図である。 その部分拡大図である。 本発明に係る熱交換装置が建物内部の冷暖房を行うために応用された場合の一例を示す断面図である。 本発明に係る地中熱利用の熱交換装置により得られた熱を、トンネルに関連して、凍結や融雪によるスリップ事故を防止するために利用した場合を説明する説明図である。 従来の地中熱利用の熱交換装置を説明する説明図である。
[第1型の熱交換装置]
図1において本発明に係る地中熱利用の熱交換装置1は、年間を通して平均15℃を保つ地中熱を熱源として利用するものであり、熱媒液が内部を流れる管体2を具え、該管体2内で該熱媒液(不凍液等)3を循環させるためのポンプ4が該管体2に介在されている。該管体2は、例えば、可撓性を有するポリエチレン管であり、地中に埋設される地中熱交換用管部5と、放熱されるべき領域において放熱し又は吸熱されるべき領域において吸熱し得る吸放熱管部6とを具えている。そして該地中熱交換用管部5を覆う如く、熱伝導率の高い高熱伝導部7が設けられている。該高熱伝導部7は、図2に示すように、砕石8a及び砕砂8bの混合物からなり又は砕砂からなる伝導部9の内部に存する内部空隙部10に含水充填材11が充填され、該含水充填材11が該内部空隙部10に留まっている。
前記高熱伝導部7は、地面を所要深さ(例えば0.5〜20mの深さであり、ビルの地下室の床部下側に高熱伝導部7を設ける場合は、地面からの深さが大となる)、所要長さ、所要幅で掘削して設けた施工空間12に設けられており、その上下厚さは例えば50cm程度である。そして該高熱伝導部7内において、前記地中熱交換用管部5が、横方向に延長する如く所要の蛇行状態で地中に埋設されている。図3は、該高熱伝導部7で覆われた前記地中熱交換用管部5の埋設状態の一例を示すものである。図3(A)は、施工空間12の水平状態の底面(掘削部の底面や該底面上に形成されたコンクリート面等)12a上で該地中熱交換用管部5を蛇行状態に配設した状態を示し、図3(B)は、リング状に巻回された該地中熱交換用管部5を、前記底面12a上で、個々のリング状部5aを重なり状態にしながら横にずらして配設した状態を示している。又図3(C)は、前記底面12a上で、例えば平面視で四角形状の渦状を呈する巻回状態で該地中熱交換用管部5を配設した場合を示している。これらにおいて、該地中熱交換用管部5回りに高熱伝導部7が設けられ、その上部が土で埋め戻される。
前記高熱伝導部7は、前記内部空隙部10をできるだけ無くすために締め固めるのがよい。前記伝導部9を構成する前記砕石8a、砕砂8bとして、熱伝導率が約6W/(m・k)と高い珪石、珪砂を用いる場合は、高熱伝導部の熱伝導率がより高くなり、土中の熱の移動がより効率的に行われることとなる。なお、該伝導部9における珪石と珪砂の割合は50対50に、より好ましくは47対53とするのがよい。
前記含水充填材11としては、熱伝導率が高く、しかも一定の弾力性を有し、水分保持力に優れ、更に、防腐性、防虫性、防黴性を有している防腐性蒟蒻13(図2(B))を用いるのがよい。該防腐性蒟蒻13は強アルカリの蒟蒻であり、防腐性、防虫性、防黴性を有しており、例えば、水酸化カルシウムを、食品の蒟蒻製造時に混合する量の3倍程度の量で混合して製造できる。
かかる防腐性蒟蒻13を前記内部空隙部10に充填され易くするためには、該防腐性蒟蒻13の粒度は、ある程度小さい粒度のものがよい。その粒度は好ましくは、米粒大乃至顆粒大(米粒大から顆粒大までの間にある所要の粒度)である。防腐性蒟蒻13をかかる粒度とする手段の一つとしては、該防腐性蒟蒻13を直径が1mm程度の白滝状物とし、これを1mm程度の長さで切断する手段を例示できる。なお、該白滝状物の断面形態は、円形状の他、四角形状等の任意形態に設定できる。
該防腐性蒟蒻13は、前記粒度を有し且つ一定の弾力性を有するため、これが所要に弾性変形してその形状が変わることにより前記内部空隙部10に充填され易い。又、該防腐性蒟蒻13に前記砕石や砕砂が食い込むこと等によっても、前記内部空隙部10に充填され易い。
このように内部空隙部10に充填された防腐性蒟蒻13は液状物ではないため、該内部空隙部10から流出することなく該内部空隙部10に留まった状態となる。かかることから、該内部空隙部10に水分を保持できることとなる。そして、該内部空隙部10に充填されている該防腐性蒟蒻13は高湿度の土中に存するため、乾燥せず、その水分量は維持される。
該防腐性蒟蒻13の熱伝導率は0.79〜0.84W/(m・k)程度と高い。因みに、水の熱伝導率が0.56〜0.68W/(m・k)であるところ該防腐性蒟蒻13の熱伝導率が0.79〜0.84W/(m・k)程度であることから、該防腐性蒟蒻13は、水よりも高い熱伝導率が見込める。蒟蒻は本来、水と繊維質からなるため、水よりも熱伝導率が高い。前記高熱伝導部7における前記防腐性蒟蒻13の混合割合は、前記伝導部9が、珪石及び珪砂の混合物からなる場合、例えば10〜30体積%の割合で混合するのがよい。
かかる構成を有する高熱伝導部7は、該伝導部9の内部に形成されている内部空隙部10が防腐性蒟蒻(含水充填材)13で良好に充填されており、その熱伝導率は高く、2.5W/(m・k)程度である。
かかる熱交換装置によるときは、冬期にあっては、相対的に温度の高い周辺の地中14から前記高熱伝導部7を介して前記地中熱交換用管部5への熱移動が効率的に生じ、該地中熱交換用管部5を通過する過程で熱媒液3が昇温される。そして、放熱されるべき領域において、前記吸放熱管部6で放熱され、該吸放熱管部6を流れる熱媒液3が冷却される。このように冷却された熱媒液3が前記地中熱交換用管部に移動する。又夏期にあっては、吸熱されるべき領域において、前記吸放熱管部6を流れる該熱媒液3が昇温される。そして前記地中熱交換用管部5を通過する過程で該熱媒液の保有熱が前記高熱伝導部7を介して周辺の地中14に効率的に移動し該熱媒液は冷却され、前記吸放熱管部6に移動する。
[第2型の熱交換装置]
図4は、本発明に係る地中熱利用の熱交換装置1の他の実施例を示すものであり、熱媒液3が内部を流れる管体2を具え、該管体2内で熱媒液3を循環させるためのポンプ4が該管体2に介在されている。該管体2は、地中に埋設される地中熱交換用管部5と、放熱されるべき領域において放熱し又は吸熱されるべき領域において吸熱し得る吸放熱管部6とを具える。本実施例において該地中熱交換用管部5は、縦方向に長いU字状管部15を具える如く構成され、地盤16を縦方向に掘削して形成された縦孔17内に、縦方向に延長する如く収容されている。そして、該U字状管部15を覆う如く高熱伝導部7が設けられている。これによって、該地中熱交換用管部5が地中に埋設された状態とされている。該高熱伝導部7は、前記第1型の熱交換装置1で説明したと同様に構成でき、図2に示すように、砕石8a及び砕砂8bの混合物からなり又は砕砂からなる伝導部9の内部に存する内部空隙部10に含水充填材11が充填され、該含水充填材11が該内部空隙部10に留まっている。
前記縦孔17は、例えば地山の岩盤をボ−リングして形成されており、例えば、孔径が約135mmで、縦方向の長さが約100mに設定されている。そして、前記管体2の内径は30mm程度に設定されている。又前記含水充填材11としては、前記と同様の防腐性蒟蒻13を用いるのがよい。
かかる熱交換装置1によるときは、冬期にあっては、相対的に温度の高い周辺の地中14から前記高熱伝導部7を介して前記地中熱交換用管部5への熱移動が効率的に生じ、該地中熱交換用管部5を通過する過程で熱媒液が昇温される。そして、放熱されるべき領域において、前記吸放熱管部6で放熱され、該吸放熱管部6を流れる熱媒液が冷却される。又夏期にあっては、吸熱されるべき領域でおいて、前記吸放熱管部6を流れる熱媒液が昇温される。そして前記地中熱交換用管部5を通過する過程で、熱媒液の保有熱が前記高熱伝導部7を介して周辺の地中14に効率的に移動し該熱媒液は冷却される。前記高熱伝導部7には断熱層となる空気層が殆ど存在せず、従って、これらの熱移動がより効率的に行われる。
前記縦孔17は平野部で設けることもできる。又、前記縦孔17の縦方向の長さは例えば5〜200mに設定でき、縦方向の長さが比較的短い場合は、孔径を1m程度と大径に設定することもできる。又、前記縦孔17の径によっては、前記縦孔17内に収容するU字状管部15を複数本とすることもできる。
[第3型の熱交換装置]
図5〜6は、本発明に係る地中熱利用の熱交換装置1のその他の態様を示すものであり、熱媒液3を貯留し得る水槽(例えば、コンクリート製やFRP製、金属製の水槽)19が地中に埋設され、該水槽19の少なくとも側面部21を覆う如く高熱伝導部7が設けられている。そして該高熱伝導部7は、図2に示したと同様にして、砕石及び砕砂の混合物からなり又は砕砂からなる伝導部9の内部に存する内部空隙部10に前記含水充填材11が充填されている。
又、前記熱媒液3が内部を流れる如くなされた、放熱されるべき領域において放熱し又は吸熱されるべき領域において吸熱し得る吸放熱管部6を具え、該吸放熱管部6にはポンプ4が介在されている。そして該ポンプ4の駆動によって、該吸放熱管部6の一方の端部に接続された吸水管部が前記水槽19内の熱媒液3を吸引し、該吸放熱管部6の他方の端部に接続された吐出管部は熱媒液3を前記水槽19内に吐出する如くなされている。
前記水槽19をコンクリート製とする場合、通常の骨材を用いた普通コンクリート製としてもよいのであるが、熱伝導率の高い骨材、例えば、熱伝導率が約6W/(m・k)である珪石と珪砂の混合物を骨材とするコンクリート製とするのがよい。
かかる構成を有する水槽19は、例えば図5〜6に示すように、地面を掘削して形成した施工空間の底部に設けた基礎部26上で構築される。該基礎部26は、支持部26a上に基礎コンクリート部26bを設けてなり、該基礎コンクリート部26bには所要間隔を置いて開口24が設けられ、該開口24にも前記高熱伝導部7が設けられている。又、前記支持部26aは、高熱伝導部7からなり、砕石及び砕砂の混合物からなる前記伝導部9の内部に存する内部空隙部10に前記含水充填材11が充填され、該含水充填材11が該内部空隙部10に留まっている。
そして、該基礎部26上の水槽19の下面部30は前記開口24に設けられている前記高熱伝導部7の上面部7aに接した状態にあり、且つ、該水槽19の側面部21を覆う如く前記高熱伝導部7が設けられている。該高熱伝導部7は、本実施例においては、珪石からなる砕石と珪砂からなる砕砂の混合物からなる伝導部9の内部に形成されている前記内部空隙部10に、前記防腐性蒟蒻13からなる前記含水充填材11が、前記と同様にして充填されている。なお図5においては、前記水槽19の上面部34a、及びこれと面一の前記高熱伝導部7の上面部34b、マンホール筒の外周面34c、及び、該マンホール筒の上端開口を閉蓋する蓋版の下面34dが、ポリエチレンフォーム等の断熱材38で覆われている。
前記基礎コンクリート部26は、好ましくは、プレキャストコンクリート製の板体を敷設して構成する。該板体には、所要間隔を置いて前記開口24が該板体を貫通して設けられている。なお該開口24は、並設されたプレキャストコンクリート製の板体間に設けられてもよい。又該基礎コンクリート部26は、現場打ちコンクリートからなるものであってもよい。
本実施例においては、前記水槽19の上面部34が、地表29から0.5〜2mの深さに存するように設定され、本実施例においては約1mの深さに存するように設定されている。又、該水槽19の下面部30は、地表29から5mまでの深さに存するように設定されており、本実施例においては約3.4mの深さに存するように設定されている。
そして前記吸放熱管部6の一方の端部31を、一方の管部32に接続すると共に、その他方の端部33を他方の管部35に接続してなり、該一方の管部32の端部分36及び前記他方の管部35の端部分37は、共に、所要間隔を置いて前記水槽19内で配設され、前記熱媒液3中で開放されている。本実施例においては、一方の管部32の開口端39が上に位置し、他方の管部35の開口端40が下に位置している。そして前記ポンプ4は、前記一方の管部32又は前記他方の管部35の中間所要部位に配設されており、本実施例においては、前記一方の管部32に配設されている。
かかる構成を有する熱交換装置1の作用を、冬期と夏期に分けて説明する。冬期にあっては、前記水槽19が埋設されている周辺の地中温度は、例えば融雪を要する吸放熱領域の表面温度よりも相対的に高い。そのため、前記ポンプ4の駆動によって、前記吸放熱管部6を通過する過程で、融雪のために冷却された熱媒液3が、前記開口端40から前記水槽19に流入することにより、該水槽19内に貯留されている熱媒液3の温度を低下させることになるが、相対的に温度の高い周辺の地中14から該水槽19への熱移動が生じ、水槽19内の熱媒液3は徐々に加温されることになる。
本実施例においては、高熱伝導部7からなる前記支持部26aと、前記開口24に高熱伝導部7が設けられてなる前記基礎コンクリート部26bと、前記側面部21を覆う高熱伝導部7を介して、周辺の地中14から該水槽19への熱移動(下からの熱移動及び側方からの熱移動等)が効率的に生ずる。そして、このように加温された熱媒液3は、前記開口端39から前記吸放熱管部6に送られる。
逆に夏期にあっては、水槽19が埋設されている周辺の地中温度は、放熱されるべき領域の温度より相対的に低い。このため、前記ポンプ4の駆動によって、前記吸放熱管部6を通過して前記吸熱されるべき領域を冷却させる過程で昇温された熱媒液3が、前記開口端39から前記水槽19に流入することになり、該水槽19内に貯留されている熱媒液3の温度を上昇させることになる。この場合は、相対的に温度の低い周辺の地中14に対して、前記高熱伝導部7を介し、前記水槽19から周辺の地中への熱移動(下方への熱移動及び側方への熱移動)が効率的に生じ、水槽19内の熱媒液3は徐々に温度が低下する。このように冷やされた熱媒液3は、前記開口端40から前記吸放熱管部6に送られる。
冬期及び夏期における前記熱移動が効率よく行われるのは、前記高熱伝導部7には断熱層となる空気層が殆ど存在しないからである。なお前記ポンプ4は、水中ポンプとしてもよい。
〔前記第1型、第2型、第3型の熱交換装置1の利用態様〕
図7は、これらの熱交換装置1が、地中熱を用いて建物38の内部38aの冷暖房を行うために利用された場合の一例を示しており、前記吸放熱管部6にヒートポンプ(例えばガス式ヒートポンプ)41が介在されている。このように建物の内部の冷暖房を行う場合は、図7に示されているように、建物の床下空間34で前記施工空間12を形成するのがよく、該施工空間は、地面を例えば0.5〜2mの深さに掘削して形成するのがよい。
冬期において建物38の内部38aを暖房する際は、地中熱が、前記高熱伝導部7において前記地中熱交換用管部5内の熱媒液3に吸収され、吸熱した熱媒液が前記ポンプ4の圧送により前記ヒ−トポンプ41の第1の熱交換器42まで搬送される。該第1の熱交換器42では、搬送された熱媒液から、膨張弁を通過した低温・低圧の熱媒へ放熱され、これによって該熱媒が加温される。この熱媒がコンプレッサで圧縮されて昇温された後、建物の内部に設置した第2の熱交換器43にて建物の内部38aに放熱され該内部を暖房できる。
逆に夏期において建物38の内部38aを冷房する際は、建物の内部の空気の熱が第2の熱交換器43の吸熱管の熱媒に吸熱され、この熱媒がコンプレッサで圧縮された後、前記第1の熱交換器42で前記熱媒液3に放熱される。吸熱した熱媒液3が前記ポンプ4の圧送によって前記地中熱交換用管部5まで搬送され、該地中熱交換用管部5で前記高熱伝導部7を介して地中14へ放熱された後、冷却された該熱媒液は前記第2の熱交換器42に戻る。これによって建物の内部を冷房できる。
図8は、前記第1型、第2型、第3型の熱交換装置1により得られた熱を、トンネルに関連して、凍結や積雪によるスリップ事故を防止するために利用した場合を示している。例えば設計速度が80km/hの寒冷地の道路において、前記放熱されるべき領域を、トンネル45の坑口46から該トンネル45内に向けて10m程度の長さの範囲の舗装部表面47及び、坑口45の外側に向けて110m程度の範囲の舗装部表面49に設定し、この舗装部表面47,49の凍結防止や融雪を無散水で行うこととしている。坑口46からトンネル45に向けて10m程度の長さ範囲の舗装部表面47の凍結防止や融雪を図る必要があるのは、外部冷気の影響を受けて該舗装部表面47が凍結しやすいためであり、又、該舗装部表面47に雪が吹き込み易いからである。一方、坑口46の外側に向けて110m程度の範囲の舗装部表面49の凍結防止や融雪を図る必要があるのは、環境が一変する、トンネルを出た直後の自動車の制動停止視距を考慮してのものである。
かかる構成の熱交換装置1を、例えば、鉄道の駅周辺の無散水融雪を図るためや駅舎の冷暖房に利用する場合は、鉄道の高架下において、地面を例えば4〜10mの深さで且つ高架の延長方向に例えば20〜30m程度の長さに掘削して施工空間を形成し、前記と同様構成の高熱伝導部7内で前記地中熱交換用管部5を水平な蛇行状態等で配管するのが好ましい。このように、地中熱交換用管部5を高架下等の屋根のある構築物の下側に配置する場合は、放射冷却等の自然の影響を極力少なくすることができて好ましい。例えば、かかる地中熱交換用管部5での採熱によって温められた熱媒液3は前記吸放熱管部6に送られ、該吸放熱管部6での放熱によって駅周りの融雪を行うことができる。
その他、前記熱交換装置1の前記地中熱交換用管部5で採熱された熱は、駐車場や一般道路、橋梁等の各舗装部表面の融雪や凍結防止に利用することもできる。又、建物の内部を暖房する場合、例えば工場において、夜間に、地中熱交換用管部5で採熱された熱をヒートポンプを用いないで前記吸放熱管部6で放熱させれば、始業時の温度をある程度上げておくことができる。なお、前記吸放熱管部6にヒートポンプを介在させれば、工場内を積極的に冷暖房できる。又、前記地中熱交換用管部5で採熱された熱は、ハウス内部の空気を温めて植物の成長を促進させるためにも利用できる。この場合、前記吸放熱管部6で放熱された熱で加温された空気を植物の成長点に吹き付けて該成長点を温めることは、植物の成長を促進させる上で効果的である。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1) 前記地中熱利用の熱交換装置1を地中埋設の水槽19を以て構成する場合、前記高熱伝導部7は、該水槽19の下面部30及び側面部21を覆う如く設けられることの他、その何れか一方のみを覆う如く設けられることもある。
(2) 前記内部空隙部10に充填される含水充填材11としては、前記防腐性蒟蒻の他、前記内部空隙部10に留まった状態となって該内部空隙部10に水分を保持させることができるものであれば、蒟蒻粉や珪酸ナトリウム、高分子ポリマ−に水が混合されてゲル状を呈するものであってもよい他、ミセル形成型増粘剤(例えばビスコトップ(登録商標))にセメントミルクが混合されたものであってもよい。
(3) 前記含水充填材11を構成するために用いる防腐剤としては、環境に悪影響のないものを用いる。例えば、前記した水酸化カルシウムの他、水酸化ナトリウムを例示できる。
1 地中熱利用の熱交換装置
2 管体
3 熱媒液
4 ポンプ
5 地中熱交換用管部
6 吸放熱管部
7 高熱伝導部
9 伝導部
10 内部空隙
11 含水充填材
12 施工空間
13 防腐性蒟蒻
15 U字状管部
17 縦孔
19 水槽

Claims (9)

  1. 熱媒液が内部を流れる管体は、地中に埋設される地中熱交換用管部と、放熱されるべき領域において放熱し又は吸熱されるべき領域において吸熱し得る吸放熱管部とを具え、該管体内で熱媒液を循環させるためのポンプが該管体に介在されており、該地中熱交換用管部を覆う如く高熱伝導部が設けられており、該高熱伝導部は、砕石及び砕砂の混合物からなる伝導部又は砕砂からなる伝導部の内部に存する内部空隙部に含水充填材が充填され、該含水充填材が該内部空隙部に留まっていることを特徴とする地中熱利用の熱交換装置。
  2. 前記地中熱交換用管部は、横方向に延長する如く地中に埋設されていることを特徴とする請求項1記載の地中熱利用の熱交換装置。
  3. 前記地中熱交換用管部は、縦方向に延長する如く地中に埋設されていることを特徴とする請求項1記載の地中熱利用の熱交換装置。
  4. 前記地中熱交換用管部は、縦方向に長いU字状管部を具える如く構成されており、該U字状管部が、地盤を縦方向に掘削して形成された縦孔内に、縦方向に延長する如く収容されると共に、該U字状管部を覆う如く高熱伝導部が設けられており、該高熱伝導部は、砕石及び砕砂の混合物からなる伝導部又は砕砂からなる伝導部の内部に存する内部空隙部に含水充填材が充填され、該含水充填材が該内部空隙部に留まっていることを特徴とする請求項1記載の地中熱利用の熱交換装置。
  5. 熱媒液を貯留し得る水槽が地中に埋設され、該水槽の下面部及び/又は側面部を覆う如く高熱伝導部が設けられており、該高熱伝導部は、砕石及び砕砂の混合物からなる伝導部又は砕砂からなる伝導部の内部に存する内部空隙部に含水充填材が充填され、該含水充填材が該内部空隙部に留まっており、
    又、熱媒液が内部を流れる如くなされた、放熱されるべき領域において放熱し又は吸熱されるべき領域において吸熱し得る吸放熱管部を具え、前記水槽内の熱媒液を該吸放熱管部に送ると共に該吸放熱管部内の熱媒液を前記水槽内に戻すポンプを具えることを特徴とする地中熱利用の熱交換装置。
  6. 前記水槽は、地面を掘削して形成した施工空間の底部に設けた基礎部上で構築されており、該基礎部は、支持部上に基礎コンクリート部を設けてなり、該基礎コンクリート部には開口が設けられ、該開口に前記高熱伝導部が設けられており、該開口に設けられた該高熱伝導部の上面部が前記水槽の下面部に接した状態となされており、又該支持部は、前記高熱伝導部からなり、砕石及び砕砂の混合物からなる前記伝導部の内部に存する内部空隙部に前記含水充填材が充填され、該含水充填材が該内部空隙部に留まっていることを特徴とする請求項5記載の地中熱利用の熱交換装置。
  7. 前記含水充填材は、米粒大乃至顆粒大を呈する防腐性蒟蒻からなることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の地中熱利用の熱交換装置。
  8. 前記砕石は珪石であり且つ前記砕砂は珪砂であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の地中熱利用の熱交換装置。
  9. 前記吸放熱管部にヒ−トポンプが介在されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の地中熱利用の熱交換装置。
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