JP2022169156A - 蓄冷熱剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】GHS区分がない蓄冷熱剤組成物の提供。【解決手段】(A)ジアルキルエーテル、及び(B)ノルマルパラフィンを含む蓄冷熱剤組成物であって、(A)が、直鎖アルキル基を有するジアルキルエーテルを含み、(B)が、炭素数16~20のノルマルパラフィンを含み、炭素数16~20のノルマルパラフィンの含有量が組成物の全質量を基準として3.0質量%以上、10.0質量%未満であり、DSCにより測定される組成物の融点及び凝固点が-13.0℃~+12.4℃の範囲である前記蓄冷熱剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、冷凍サイクル装置に用いられる蓄冷熱剤組成物に関する。
信号待ち等の停車時にエンジンを自動的に停止する、アイドリングストップの機能を備えた車両が実用化されている。このような車両は、圧縮機の稼動時に蓄冷器に蓄冷させ、圧縮機の停止時に冷却器より車室内への吹出空気を冷却できる、蓄冷式の車両用空調装置を搭載している。
上記車両用空調装置には、蓄冷熱剤ないし蓄冷熱剤組成物が使用されている。水系の蓄冷熱剤ないし蓄冷熱剤組成物は、腐食や腐敗の問題があるため、水系に代えてノルマルパラフィンを基剤として使用した蓄冷熱剤ないし蓄冷熱剤組成物が開発された(例えば、特許文献1)。ノルマルパラフィンは、長期間安定した融解特性及び凝固特性を示し、潜熱熱量が大きいという特長を有する。
しかし、ノルマルパラフィンは、GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labeling of Chemicals)分類による吸引性呼吸器有害性が、5段階のうち最も有害性が高い区分1である。ノルマルパラフィンのなかでも、ノルマルドデカン(n-C12)は引火点が93℃より低いため、GHS区分では引火性液体に分類される。GHS分類の区分外にするには、蓄冷熱剤ないし蓄冷熱剤組成物におけるノルマルパラフィンの含有量を10質量%以下にする必要がある。さらにノルマルテトラデカン(n-C14)は、自動車工業会の自主規制物質である揮発性有機物(VOC:volatile organic compounds)に分類されるため、n-C14の使用を控える傾向がある。
蓄熱材の基剤として、ジアルキルエーテルを使用することは、例えば、特許文献2,3に開示されている。特許文献2には、脂肪酸エステル、脂肪族ケトン、脂肪酸アルコール、及び脂肪族エーテルからなる群から選ばれる少なくとも一種と脂肪酸金属塩との組み合わせが開示されている。特許文献3には、蓄熱材として、ヘテロ元素を含む化合物を内包するマイクロカプセルが開示されている。
特開2013-166845号公報 特開2015-54918号公報 国際公開第2007/058003号
本発明は、GHS区分がない蓄冷熱剤組成物を提供することを目的とする。
本発明はまた、本発明の蓄冷熱剤組成物を封入したアルミニウム製冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明者らが上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定のジアルキルエーテルと、特定のノルマルパラフィンとを組み合わせることによって、GHS区分がない蓄冷熱剤組成物を見出した。すなわち、本発明により、以下の蓄冷熱剤組成物及び蓄冷熱剤組成物を封入したアルミニウム製冷凍サイクル装置を提供する。
1.(A)ジアルキルエーテル、及び(B)ノルマルパラフィンを含む蓄冷熱剤組成物であって、
(A)が、直鎖アルキル基を有するジアルキルエーテルを含み、
(B)が、炭素数16~20のノルマルパラフィンを含み、炭素数16~20のノルマルパラフィンの含有量が、組成物の全質量を基準として3.0質量%以上、10.0質量%未満であり、
DSCにより測定される組成物の融点及び凝固点が-13.0℃~+12.4℃の範囲である前記蓄冷熱剤組成物。
2.容積あたりの融解潜熱が125KJ/L以上である前記1項記載の蓄冷熱剤組成物。
3.引火点が93℃以上である前記1又は2項記載の蓄冷熱剤組成物。
4.(A)が、炭素数6~12の直鎖アルキル基を二つ有するジアルキルエーテルを含む前記1~3のいずれか1項記載の蓄冷熱剤組成物。
5.(A)が、炭素数8~10の直鎖アルキル基を二つ有するジアルキルエーテルである、前記1~4のいずれか1項記載の蓄冷熱剤組成物。
6.さらに、(C)水素発生防止剤を含有する、前記1~5のいずれか1項記載の蓄冷熱剤組成物。
7.(C)が、アミン塩、スルホン酸塩、リン酸エステル及びこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記6項に記載の蓄冷熱剤組成物。
8.さらに、(D)酸化防止剤を含有する、前記1~7のいずれか1項記載の蓄冷熱剤組成物。
9.さらに、(E)ウレア化合物、ウレタン化合物、カーボンブラック、ベントナイト、及びヒュームドシリカの群から選ばれる少なくとも1種の増ちょう剤を含有する、前記1~8のいずれか1項記載の蓄冷熱剤組成物。
10.前記1~9のいずれか1項記載の蓄冷熱剤組成物を封入したアルミニウム製冷凍サイクル装置。
本発明によれば、GHS区分がない蓄冷熱剤組成物を提供することができる。
〔基剤〕
上記(A)成分及び(B)成分は、本発明の蓄冷熱剤組成物の基剤である。
(A)成分は、直鎖アルキル基を有するジアルキルエーテルを含む。炭素数6~12の直鎖アルキル基を二つ有するジアルキルエーテルを含むのが好ましい。炭素数8~10の直鎖アルキル基を二つ有するジアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種であるのがより好ましい。ジアルキルエーテルは単独で使用しても良いし、2種以上を適宜組み合わせて使用しても良い。(A)ジアルキルエーテルの割合が、組成物の全質量を基準として、60質量%以上であるのが好ましく、70質量%以上であるのがより好ましく、80質量%以上であるのが特に好ましい。このような量で含まれることにより、十分な固液潜熱が得られるので好ましい。
(B)成分は、炭素数16~20のノルマルパラフィンを含み、炭素数16~20のノルマルパラフィンの含有量が、組成物の全質量を基準として、3.0質量%以上であって、10.0質量%未満である。10質量%以上なるとGHS分類による区分1に該当するため、人体への安全性が危惧される。3.0質量%未満だと融点が+12.4℃以上になるため冷却器より車室内への吹出空気を十分に冷却できなくなり、蓄冷熱剤としては適さなくなる。5.0~9.5質量%であるのが好ましい。(B)成分が、炭素数16~20のノルマルパラフィンのみからなるのが好ましく、炭素数16~18のノルマルパラフィンのみからなるのがより好ましい。(B)成分は、単独で使用しても良いし、2種以上を適宜組み合わせて使用しても良い。
(A)が、炭素数8または10の直鎖アルキル基を二つ有するジアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、(B)が、炭素数16または17のノルマルパラフィンのみであるか、(A)が、炭素数8の直鎖アルキル基を二つ有するジアルキルエーテルであり、(B)が、炭素数16または17のノルマルパラフィンのみであるか、または(A)が、炭素数10の直鎖アルキル基を二つ有するジアルキルエーテルであり、(B)が、炭素数16または17のノルマルパラフィンのみであるのが最も好ましい。
DSCにより測定される本発明の組成物の融点及び凝固点は、-13.0℃~+12.4℃の範囲である。この範囲内で、本発明の蓄冷熱剤組成物を使用できる。好ましくは-13.0℃~-3.0℃と+3.0℃~+12.4℃の二つの温度範囲である。二つの温度範囲は二つ異なる冷却サイクル装置の想定される温度範囲であり、温度範囲を外れると十分な蓄冷性能が得られない可能性がある。
蓄冷熱剤は容器に入れられ、体積で管理されることから、重量当たりの潜熱(J/g)に密度を掛けることにより求められる、容積あたりの潜熱(KJ/L)により性能が評価される。現在蓄冷熱剤として用いられている炭素数15のノルマルパラフィンの融解潜熱は125KJ/Lであるが、本発明の組成物の容積あたりの融解潜熱は、少なくとも125KJ/Lである。本発明の組成物の融解潜熱は、130KJ/L以上であるのが好ましく、140KJ/L以上であるのがより好ましい。このように、本発明の組成物は、従来の蓄冷熱剤と比較して、格段に高い融解潜熱を有することができる。
本発明の組成物の引火点は、JIS K 2265.4で規定されるクリーブランド開放式にて測定した場合、93℃以上であり得る。引火点が93℃以上であることにより、GHS分類の引火性液体の区分から外れる。本発明の組成物の引火点は、130℃以上であるのが好ましく、140℃以上であるのがより好ましい。
本発明の組成物の酸価は、JIS K 2501.5で規定される方法にて測定した場合、2.0以下であり得る。酸価が2.0以下であることにより、組成物の劣化、分解による水素の発生を抑制することができる。本発明の組成物の酸価は、1.7以下であるのが好ましく、又は1.5以下であるのがより好ましい。
蓄冷剤又は蓄冷熱剤は、通常、アルミニウム製の冷凍サイクル装置に封入して使用される。蓄冷剤又は蓄冷熱剤が冷凍サイクル装置に接触することによりアルミニウムイオンが発生することがあるが、発生したアルミニウムイオンの濃度が高くなると、冷凍サイクル装置に錆が発生したり、水素を発生して冷凍サイクル装置を変形させたりする。
本発明の蓄冷熱剤組成物をアルミニウム製の冷凍サイクル装置に封入した場合を想定し、本発明の組成物と同量の蒸留水を含むサンプル瓶に入れた所定大きさのアルミニウム片が、所定条件下で静置後も変色していなければ、水層のAlイオン濃度は、通常、1.00ppm以下である。好ましくは0.5ppm以下、さらに好ましくは0.11ppm以下である。これにより、アルミニウム製の冷凍サイクル装置の錆や、水素発生によるアルミニウム製の冷凍サイクル装置の変形を防止することができる。
50℃、72時間後の本発明の組成物の蒸発減量は、通常、15質量%以下であり、好ましくは10質量%以下である。蒸発減量が多くなるとアルミニウムケースの変形する可能性が高くなるため、蒸発減量は少ないのが望ましい。なお、50℃は、本発明の組成物を、真夏のカーエアコン周辺で使用することを想定した温度である。
〔(C)水素発生防止剤〕
本発明の蓄冷熱剤組成物は、さらに、水素発生防止剤を含んでもよい。本発明で用いることのできる水素発生防止剤は、アミン塩、スルホン酸塩、リン酸エステル及びこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。これら化合物は、通常、有機インヒビター(油溶性錆止め剤)又は不働態化剤として用いられている。
上記アミン塩としては、脂肪酸アミン塩、芳香族カルボン酸アミン塩、リン酸エステルアミン塩等が挙げられる。脂肪酸アミン塩が好ましい。
上記脂肪酸アミン塩を構成する脂肪酸としては、好ましくは炭素数4~22の脂肪酸、さらに好ましくは炭素数8~18の脂肪酸が挙げられる。脂肪酸は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でも良く、更に直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸、環状脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸でも良い。具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、イソステアリン酸、オクチル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。このうち、オクチル酸、オレイン酸が好ましい。
上記脂肪酸アミン塩を構成するアミンとしては、特に限定されないが、好ましくは飽和又は不飽和の炭素数1~42のアミン、さらに好ましくは、飽和または不飽和の炭素数4~22のアミンが挙げられる。具体的には、オクチルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン、オレイルアミン、牛脂アルキルアミン、硬化牛脂アルキルアミン、アニリン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチル牛脂アルキルアミン、ジメチル硬化牛脂アルキルアミン、ジメチルオレイルアミン等が挙げられる。このうち、硬化牛脂アルキルアミン、トリブチルアミンが好ましい。
上記脂肪酸アミン塩は単独で使用しても良いし、2種以上を適宜組み合わせて使用しても良い。特に、オクチル酸とトリブチルアミンとから得られる脂肪酸アミン塩、オレイン酸と硬化牛脂アルキルアミンとから得られる脂肪酸アミン塩、又はこれらの混合物が好ましい。
上記芳香族カルボン酸アミン塩としては、安息香酸アンモニウム等が挙げられる。
上記リン酸アミン塩を構成するアミンとしては、具体的には、好ましくはターシャリーアルキルアミンや芳香族アミン等が挙げられる。
上記スルホン酸塩のスルホン酸成分としては、例えば、石油スルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸等が挙げられ、それらのアミン塩や金属塩等から構成される。金属塩が好ましい。アミン塩としては、アンモニウム塩、ジエチレントリアミン塩、エチレンジアミン塩等が挙げられる。金属塩としては、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩などが挙げられる。好ましい塩は、カルシウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩である。特に亜鉛塩が好ましい。上記スルホン酸塩は単独で使用しても良いし、2種以上を適宜組み合わせて使用しても良い。
上記リン酸エステルアミン塩を構成するリン酸エステルとしては、酸性リン酸エステルと正リン酸エステル等が挙げられる。酸性リン酸エステルが好ましい。
酸性リン酸エステルとしては、具体的にはメチルアシッドフォスフェート、ブチルアシッドフォスフェート、ジブチルフォスフェート、モノブチルフォスフェート、2-エチルヘキシルアシッドフォスフェート、イソデシルアシッドフォスフェート、モノイソデシルフォスフェート等が挙げられる。
正リン酸エステルとしては、具体的にはトリメチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリス(2-エチルヘキシル)フォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、トリキシレニルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、2-エチルヘキシルジフェニルフォスフェート等が挙げられる。上記リン酸エステルアミン塩は単独で使用しても良いし、2種以上を適宜組み合わせて使用しても良い。
水素発生防止剤としては、脂肪酸アミン塩とリン酸エステルとの併用、又はスルホン酸金属塩とリン酸エステルとの併用が好ましい。特に脂肪酸アミン塩とリン酸エステルとの併用が好ましい。なかでも、脂肪酸アミン塩が、炭素数4~22の脂肪酸と、飽和又は不飽和の炭素数1~42のアミンとの塩、オクチル酸とトリブチルアミンとから得られる脂肪酸アミン塩、オレイン酸と硬化牛脂アルキルアミンとから得られる脂肪酸アミン塩、又はこれらの混合物であり、リン酸エステルが、メチルアシッドフォスフェート、ブチルアシッドフォスフェート、ジブチルフォスフェート、モノブチルフォスフェート、2-エチルヘキシルアシッドフォスフェート、イソデシルアシッドフォスフェート、モノイソデシルフォスフェートからなる群から選ばれる酸性リン酸エステルであるのが好ましい。
脂肪酸アミン塩とリン酸エステルの比率(質量比)としては、10:90~90:10が好ましく、より好ましくは25:75~75:25、さらに好ましくは40:60~60:40である。
水素発生防止剤は、基剤の融解潜熱に影響を与えない程度の量で含ませるのがよい。具体的には、水素発生防止剤の総量は、組成物の全質量を基準として、0.01質量%~10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.05質量%~5.0質量%、さらに好ましくは0.1質量%~3.0質量%、さらに特に好ましくは0.1~1.0質量%である。
〔添加剤〕
本発明の蓄冷熱剤組成物には、基剤の融解潜熱に影響を与えない程度に、蓄冷熱剤に通常用いられる添加剤を加えることができる。具体的には、酸化防止剤等があげられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤がより好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6-ジ-ターシャリーブチル-p-クレゾール(BHT)、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-ターシャリーブチルフェノール)、4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-ターシャリーブチルフェノール)、2,6-ジ-ターシャリーブチル-フェノール、2,4-ジメチル-6-ターシャリーブチルフェノール、ターシャリーブチルヒドロキシアニソール(BHA)、4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-ターシャリーブチルフェノール)、4,4'-メチレンビス(2,3-ジ-ターシャリーブチルフェノール)、4,4'-チオビス(3-メチル-6-ターシャリーブチルフェノール)等が挙げられる。このうち、2,6-ジ-ターシャリーブチル-フェノールが好ましい。
アミン系酸化防止剤としては、N-n-ブチル-p-アミノフェノール、アルキルジフェニルアミン、α-ナフチルアミン、N-フェニル-α-ナフチルアミン、フェノチアジンが挙げられる。このうち、アルキルジフェニルアミンが好ましく、ジオクチルジフェニルアミンが特に好ましい。 上記酸化防止剤は単独で使用しても良いし、2種以上を適宜組み合わせて使用しても良い。
酸化防止剤の総添加量としては、基剤の融解潜熱に影響を与えない程度に添加可能であるが、組成物の全質量を基準にして、0.01質量%~10質量%が好ましく、より好ましくは0.05質量%~5質量%、さらに好ましくは0.1質量%~0.9質量%である。
〔(E)増ちょう剤〕
本発明の蓄冷熱剤組成物は、増ちょう剤を含ませてグリースとしてもよい。本発明において用いることができる増ちょう剤としては、ウレア化合物、ウレタン化合物、カーボンブラック、ベントナイト、及びヒュームドシリカの群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば、下記式(1)で表すことができるジウレア化合物が挙げられる。
R1-NHCONH-R2-NHCONH-R3 (1)
(式中、R1及びR3は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数4~20の炭化水素残を示し、例えば脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基である。R2は炭素数6~15の芳香族系炭化水素基を示す。)
ジウレア化合物は、例えば、芳香族ジイソシアネートに、芳香族アミン、脂肪族アミン、脂環式アミン、又はこれらの2種以上の混合物を基油中で反応させることにより得られる。
芳香族ジイソシアネートの具体例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等があげられる。芳香族アミンの具体例としては、パラトルイジン、アニリン、ナフチルアミン等があげられる。脂肪族アミンの具体例としては、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノニルデシルアミン、エイコシルアミン等があげられる。脂環式アミンの具体例としては、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。このうち、芳香族ジイソシアネートと脂肪族アミン、脂環式アミンまたはこれらの混合物とから得られるジウレア化合物(脂肪族ジウレア化合物、脂環式ジウレア化合物又は脂環式脂肪族ジウレア化合物)が好ましい。特に、芳香族ジイソシアネートがジフェニルメタンジイソシアネートであり、脂肪族アミン、脂環式アミンまたはこれらの混合物がオクタデシルアミン、シクロヘキシルアミンまたはこれらの混合物であるウレア化合物が好ましい。
ウレタン化合物は、上記ジイソシアネートと、炭素数4~20の一価アルコールとを、基油中で反応させることにより得られる。
ヒュームドシリカとしては、一次粒子の平均粒子径が好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは0.05μm以下のものが望ましい。末端をジメチル、トリメチル、オクチルジメチルポリシロキサン等に疎水化したものが好ましい。好ましくは80℃以下のミル処理により添加することを特徴とする増ちょう剤である。基剤の引火点が低い場合、反応工程や80℃以上の加熱をすると工程上危険性が高まる。
基剤の融解潜熱に影響を与えない点からは、少量で基剤をグリース化可能なカーボンブラック、ヒュームドシリカが好ましく、耐アルミニウム性の点からは、カーボンブラック、疎水化ヒュームドシリカからなる群から選ばれる増ちょう剤が好ましい。
増ちょう剤の含有量は、グリースの混和ちょう度が200~400程度となる量であるのがよく、通常、1~30質量%であり、3~20質量%であるのが好ましい。
<蓄冷熱剤組成物の調製>
実施例及び比較例の蓄冷熱剤組成物は、表1~表3に示した物質(表中、(A)~(E)についての数値は、組成物の全質量を基準とした質量%である)をビーカーに投入し、50℃まで加温、攪拌し、溶解したことを確認した後、室温まで自然冷却させることにより製造した。
グリース化した組成物は、自然冷却後の蓄冷熱剤組成物に増ちょう剤を添加後、室温下、三段ロールにて調製した。
得られた蓄冷熱剤組成物を、以下に示す方法で試験した。結果を表1~表3に併記する。
<試験方法>
○ 融点、凝固点および潜熱量
蓄冷熱剤組成物の融点、凝固点および潜熱量は、示差走査熱量測定計(DSC:TAインスルメンツ製DSC Q2000)を用いて測定した。測定は、約5mgのサンプルを-30℃または-20℃まで5℃/分の速度で冷却し、40℃まで5℃/分の速度で昇温する方法で行った。融解ピークの補外融解開始温度を融点とし、最初の結晶化ピークの補外結晶化開始温度を凝固点とした。融解ピークの面積から重量当たりの潜熱量(固液潜熱J/g)を算出し、密度を掛けて容積あたり熱量を算出した。使われる潜熱は容器内の体積に依存するため、容積あたりの潜熱量(固液潜熱KJ/L)を算出した。
○密度g/cm3(15℃)
JIS K 2249に従う。
○引火点(℃)
JIS K 2265.4(クリーブランド開放式(「COC」と略す))に従う。
○酸価mgKOH/g
JIS K 2501.5に従う。
○Alイオン濃度
(1) 実施例及び比較例の蓄冷熱剤組成物8.5mlをサンプル瓶に入れる。
(2) 次に、40×12mmアルミ片をサンプル瓶に入れる。
(3) 最後に、蒸留水8.5mlをサンプル瓶に入れる(蓄冷熱剤:蒸留水=1:1(体積比))。蒸留水に添加後静置したら不溶性のため比重関係で二層に分離する(増ちょう剤無添加の場合、下層は蒸留水、上層は蓄冷熱剤組成物となる。増ちょう剤添加場合、下層は蓄冷熱剤組成物、上層は蒸留水となる)。
(4) サンプル瓶の蓋を閉め、90℃の恒温槽に72h静置した後、アルミ片表面の発錆有無を目視により観察する。錆なしを合格とする。水層をシリンジにて採取し、ICP分析にて純水に溶出したアルミニウムイオンの濃度を測定する。ICP分析は、JIS K0116発光分析通則に従う。
○蒸発減量
100mlビーカーに蓄冷熱剤組成物約50gを入れ、秤量し、50℃の恒温槽に72h静置した後、秤量し、減量分を試験前の質量で割って100分率で表し、蒸発減量とした。
○60回不混和ちょう度
JIS K 2220 7.に従う。
Figure 2022169156000001
Figure 2022169156000002
Figure 2022169156000003

Claims (10)

  1. (A)ジアルキルエーテル、及び(B)ノルマルパラフィンを含む蓄冷熱剤組成物であって、
    (A)が、直鎖アルキル基を有するジアルキルエーテルを含み、
    (B)が、炭素数16~20のノルマルパラフィンを含み、炭素数16~20のノルマルパラフィンの含有量が、組成物の全質量を基準として3.0質量%以上、10.0質量%未満であり、
    DSCにより測定される組成物の融点及び凝固点が-13.0℃~+12.4℃の範囲である前記蓄冷熱剤組成物。
  2. 容積あたりの融解潜熱が125KJ/L以上である請求項1記載の蓄冷熱剤組成物。
  3. 引火点が93℃以上である請求項1又は2記載の蓄冷熱剤組成物。
  4. (A)が、炭素数6~12の直鎖アルキル基を二つ有するジアルキルエーテルを含む請求項1~3のいずれか1項記載の蓄冷熱剤組成物。
  5. (A)が、炭素数8~10の直鎖アルキル基を二つ有するジアルキルエーテルである、請求項1~4のいずれか1項記載の蓄冷熱剤組成物。
  6. さらに、(C)水素発生防止剤を含有する、請求項1~5のいずれか1項記載の蓄冷熱剤組成物。
  7. (C)が、アミン塩、スルホン酸塩、リン酸エステル及びこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載の蓄冷熱剤組成物。
  8. さらに、(D)酸化防止剤を含有する、請求項1~7のいずれか1項記載の蓄冷熱剤組成物。
  9. さらに、(E)ウレア化合物、ウレタン化合物、カーボンブラック、ベントナイト、及びヒュームドシリカの群から選ばれる少なくとも1種の増ちょう剤を含有する、請求項1~8のいずれか1項記載の蓄冷熱剤組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか1項記載の蓄冷熱剤組成物を封入したアルミニウム製冷凍サイクル装置。
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