JP6050485B2 - 高純度マンガンの製造方法及び高純度マンガン - Google Patents

高純度マンガンの製造方法及び高純度マンガン Download PDF

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Description

本発明は、市販の電解マンガン(Mn)から高純度マンガン(Mn)及びそれを製造する方法に関する。
市販で入手可能な金属Mnの製造方法は、硫酸アンモニウム電解浴からの電解法であり、この方法によって得られる市販の電解Mnには硫黄(S)が100〜3000ppm程度、カーボン(C)も数100ppm含まれている。塩素(Cl)も数100ppm、また水溶液中からの電析物のため、酸素(O)も数1000ppm程度含まれている。
前記電解MnからのS,Oの除去法としては、従来技術では昇華精製法がよく知られている。しかし、昇華精製法は装置が非常に高い上に、歩留まりが非常に悪いという難点があった。また、昇華精製法ではSとOを低減できたとしても、昇華精製装置のヒータ材質、コンデンサー材質等を起因とする汚染を受けてしまうため、精製法による金属Mnは、電子デバイス用の原料として適さないという問題があった。
先行技術としては、下記特許文献1に金属Mn中のSの除去方法が記載され、MnO、Mn、MnOなどのMn酸化合物及び/又は金属Mnの溶融温度で、これらのMn酸化物となるもの、例えば炭酸Mnなどを添加し、Mn化合物を添加した金属Mnを、不活性雰囲気で溶融し、溶融状態で好ましくは30〜60分間保持して、S含有量:0.002%とすることが記載されている。
しかし、この文献1には、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、塩素(Cl)の含有量については、一切記載がなく、これらが含有することによる問題の解決に至っていない。
下記特許文献2には、金属Mnの電解採取方法および高純度金属Mnを、塩酸に過剰に溶解して未溶解物を濾過した溶解液に、酸化剤を添加すると共に中和し、生成した沈殿物を濾過し、緩衝剤を添加して調製した電解液を用いることを特徴とする金属Mnの電解採取方法が記載され、好ましくは、金属Mnの塩酸溶解液に、さらに金属Mnを追加し、未溶解物を濾過した溶解液に過酸化水素とアンモニア水を添加し、弱酸性ないし中性の液性下で生成した沈殿物を濾過し、緩衝剤を添加して調製した電解液を用いて金属Mnの電解採取を行う方法が記載されている。
しかし、この文献2には、高純度MnのS:1ppmの低減化の記載はあるが、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、塩素(Cl)の含有量については、一切記載がなく、これらが含有することによる問題の解決に至っていない。
下記特許文献3には、高純度Mnの製造方法が記載され、塩化Mn水溶液にキレート樹脂を用いたイオン交換精製法を適用し、次いで、その精製塩化Mn水溶液を、電解採取法により高純度化する方法が記載されている。乾式法は、固相Mnから真空昇華精製法(固相Mnの昇華により得たMn蒸気を蒸気圧差により、冷却部にて選択的に凝縮蒸着させること)により、高純度Mnを得ることが記載されている。
そして、この文献3の硫黄(S)、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)の合計濃度が10ppm以下であることが記載されている。
しかしながら、この文献3には、半導体部品の製造に有害である塩素(Cl)の含有量の記載がない。原料として塩化Mnを使用していることから、塩素が高濃度に含有される可能性があり、問題を有している。
下記特許文献4には、低酸素Mn材料の製造方法が記載され、Mn原料を不活性ガス雰囲気中で誘導スカル溶解することにより、酸素量を100ppm以下に低減したMn材料を得ること、また、Mn原料を誘導スカル溶解する前に酸洗浄することが、より酸素低減を図ることができるため好ましいという記載がある。しかし、この文献4には、高純度Mn中の酸素(O)、硫黄(S)、窒素(N)の低減に関する記載はあるが、それ以外の不純物の含有量に関する記載は一切なく、これらが含有することによる問題の解決に至っていない。
下記特許文献5には、磁性材用Mn合金材料、Mn合金スパッタリングタ−ゲット及び磁性薄膜が記載され、酸素含有量が500ppm以下、S含有量が100ppm以下、好ましくはさらに不純物(Mnおよび合金成分以外の元素)含有量が合計で1000ppm以下とすることが記載されている。
さらに、同文献には、市販されている電解Mnに脱酸・脱硫剤としてCa,Mg,La等を加え、高周波溶解を行うことによって酸素(O)、硫黄(S)を除去する方法や、予備溶解後に真空蒸留して高純度化することが記載されている。
上記のMn原料において、実施例3では脱酸・脱硫剤を加え高周波溶解し、酸素含有量を50ppm、硫黄含有量10ppm(特許文献5の表3)となり、また実施例7では予備溶解後に真空蒸留して、酸素含有量を30ppm、硫黄含有量10ppm(特許文献5の表7)とする記載がある。また、これらの例では、Siが10〜20ppm程度、Pbが10〜30ppm程度含有されている。
しかし、下記特許文献5より製造されるMnの純度は3Nレベルであり、本発明より得られる高純度のMnは得られていない。さらに、下記特許文献5の実施例3では脱酸・脱硫剤を加えて高周波溶解しているため脱酸・脱硫剤がMn中に混入して純度を下げる問題があり、実施例7の場合には予備溶解後に真空蒸留しており、溶解Mnの99%以上を揮発させるため、製造コストが高いという問題点がある。
下記特許文献6には、高純度Mn材料の製造方法及び薄膜形成用高純度Mn材料が記載されている。この場合、粗Mnを1250〜1500°Cで予備溶解した後、1100〜1500°Cで真空蒸留することにより、高純度Mn材料を得ることが記載されている。好ましくは、真空蒸留の際の真空度を5×10− 5 〜10Torrとする。
これにより得られる高純度Mnは不純物含有量が合計で100ppm以下、酸素(O):200ppm以下、窒素(N):50ppm以下、硫黄(S):50ppm以下、炭素(C):100ppm以下である。そして、実施例2(表2)では、酸素が30ppmであり、他の元素が10ppm未満である例が記載されている。しかし、この場合も、不純物レベルは目的とするレベルに至っていない。
この他、下記特許文献7に高純度Mn合金からなるスパッタリングターゲットが記載され、特許文献8に硫酸を使用したMnの回収方法が記載され、特許文献9に酸化Mnを加熱還元した金属Mnを製造する方法が記載されているが、特に脱硫に関する記載はない。
以上から、本発明者らは、Mn原料を酸で浸出し、フイルターで残渣をろ過後、電解においてカソード側に前記ろ過後の液を使用する高純度Mnの製造方法、また前記電解Mnを脱ガス処理し、電解Mn中のCl含有量を100ppm以下とする同高純度Mnの製造方法、さらに前記電解Mn原料を脱ガス処理し、不活性雰囲気中で溶解することにより、Cl≦10ppm、C≦50ppm、S<50ppm、O<30ppmのMnを製造する高純度Mnの製造方法を提案した(特許文献10参照)。
この方法は、Mnの高純度化に有効である。本願発明は、さらに高純度化を達成でき、かつコスト低減が可能である製造方法と高純度Mnを目途とするものである。
特開昭53−8309号公報 特開2007−119854号公報 特開2002−285373号公報 特開2002−167630号公報 特開平11−100631号公報 特開平11−152528号公報 特開2011−068992号公報 特開2010−209384号公報 特開2011−094207号公報 特開2013−142184号公報
本発明の目的は、市販の電解Mnから高純度Mn及びそれを製造する方法を提供するものであり、特に従来技術に比べて不純物量が少なく、かつ低コストで高純度Mnを製造することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するものであって、以下の発明を提供する。
1)高純度Mnの製造方法であって、Mn原料をマグネシアルツボに入れ、真空誘導溶解炉(VIM炉)を用いて500Torr以下の不活性雰囲気下、溶解温度1240〜1400°Cで溶解し、カルシウム(Ca)をMn重量の0.5〜2.0%の範囲で添加して脱酸及び脱硫を行い、脱酸及び脱硫の終了後鉄製鋳型に鋳込でインゴットを製造し、次にこのMnインゴットをスカル溶解炉に装填し、真空ポンプにより10−5Torr以下に減圧して加熱を開始し、溶融状態を10〜60分保持した後、溶解反応を終了させ、高純度Mnを得ることを特徴とする高純度Mnの製造方法。
2)真空誘導溶解(VIM)とスカル溶解により精製した高純度Mnであって、不純物元素であるB、Mg、Al、Si、S、Ca、Cr、Fe、Niの総量が50ppm以下であり、ガス成分元素を除き、4N5(99.995%)以上の純度を有することを特徴とする高純度Mn。
3)真空誘導溶解(VIM)とスカル溶解により精製した高純度Mnであって、不純物元素であるB、Mg、Al、Si、S、Ca、Cr、Fe、Niの総量が50ppm以下であり、ガス成分元素を除き、4N5(99.995%)以上の純度を有し、ガス成分である酸素(O)、窒素(N)がそれぞれ10ppm未満であることを特徴とする高純度Mn。
4)不純物元素であるB、Mg、Al、Si、S、Ca、Cr、Fe、Niの総量が50ppm以下であり、ガス成分元素を除き、4N5(99.995%)以上の純度を有することを特徴とする高純度Mn。
5)不純物元素であるB、Mg、Al、Si、S、Ca、Cr、Fe、Niの総量が50ppm以下であり、ガス成分元素を除き、4N5(99.995%)以上の純度を有し、ガス成分である酸素(O)、窒素(N)がそれぞれ10ppm未満であることを特徴とする高純度Mn。
なお、本願明細書で使用する単位「ppm」は、全て「wtppm」を意味し、ガス成分元素である窒素(N)、酸素(O)を除き、各元素濃度の分析値はGDMS(Glow Discharge Mass Spectrometry)法によって分析し、またガス成分元素(O、N)の分析にはLECO社製の酸素窒素分析装置を使用して分析した。また、本発明におけるガス成分元素とは、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)を意味する。以下も同様を意味する。
本発明によれば、以下の効果を有する。
(1)不純物元素であるB、Mg、Al、Si、S、Ca、Cr、Fe、Niの総量が50ppm以下であり、4N5(99.995%)以上の純度を有する高純度Mn、さらに、ガス成分であるO、Nが、それぞれ10ppm未満とすることができる高純度Mnを得ることができる。
(2)本発明によれば、特別な装置を必要とせずに、汎用炉で製造可能であり、従来法である蒸留法と比較して低コストかつ高収率で高純度Mnを得ることができる等の効果を挙げられることができる。
(3)また、スパッタリングターゲットにした場合には、パーティクルの発生の少ないターゲットとすることができる効果を有する。
原料Mnから、VIM溶解、スカル溶解の工程を経て、高純度Mnを製造するまでの、一連の工程の概略説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本願発明の高純度Mnの製造方法は、市販(2Nレベル)のフレーク状電解Mnを原料として使用できるが、原料の純度には影響しないので、原料の種類には、特に制限はない。
高純度Mnの製造に際して、まずMn原料をマグネシア坩堝に入れ、真空誘導溶解炉(VIM炉)を用いて500Torr以下の不活性雰囲気下、溶解温度1240〜1400°Cで溶解する。1240℃未満ではMnが融解しないためVIM処理することができない。
1400℃を超えると、Mn溶湯中の酸化物、硫化物の浮遊物が高温のため再融解して溶湯Mn中に取り込まれ、VIM溶解後のマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、酸素(O)及び硫黄(S)の濃度が数百ppm〜千ppmオーダーとなり、最終的に本発明の目的の純度を達成することができない。この結果を表2に示す。
そして、このMn溶湯に、CaをMn重量の0.5〜2.0%の範囲で徐々に添加して脱酸及び脱硫を行った。脱酸及び脱硫の終了後に、鉄製鋳型に鋳込でインゴットを製造する。インゴットの冷却後、インゴットに付着しているスラグは除去する。
次に、このMnインゴットをスカル溶解炉に装填し、真空ポンプにより10−5Torr以下に減圧して加熱を開始し、溶融状態を10〜60分保持した後、溶解反応を終了させ、高純度Mnを得る。
この製造方法により得られたMnは、不純物元素であるB、Mg、Al、Si、S、Ca、Cr、Fe、Niの総量が50ppm以下であり、ガス成分を除き、4N5(99.995%)以上の純度を有する高純度Mnとすることができる。
さらに、不純物元素であるB、Mg、Al、Si、S、Ca、Cr、Fe、Niの総量が50ppm以下であり、ガス成分であるO、Nがそれぞれ10ppm未満とすることができる。
特に、Mnを使用する電子機器等においてO、Nの存在は、酸化物又は窒化物を形成するため、Mnそのものの特性を悪化させるだけでなく、Mnとの複合材若しくは合金化した材料における酸化物又は窒化物の形成による影響(特性の悪化)又は隣接する素材との間で、O又はNの拡散による影響(特性の悪化)が生じる場合があり、このようにO、Nの含有量の低減化が可能であるMnの存在は極めて有効である。
これらの工程の概要の一覧を、図1に示す。
スカル溶解については、通常のスカル溶解装置を使用することが可能である。一般に、スカル炉は冷却されており、誘導加熱により、炉内部に装填された原料を溶解するので、炉からの汚染がないという特徴を有している。
Mnの精製において、VIM溶解により、予めカルシウム(Ca)でS、Oを除き、次にスカル炉を使用して、極端に増加したMg、Caを除去し、最終的にMnの高純度化を図るという発想は、従来技術では存在しなかったと言える。
以下に、実施例をもって説明するが、これらは発明を理解し易いようにするためであり、本発明は実施例又は比較例によって限定されるものではない。
(実施例1)
出発原料として、市販のフレーク状電解Mn(純度2N:99%)を使用した。原料Mnの不純物は、B:15ppm、Mg:90ppm、Al:4.5ppm、Si:39ppm、S:280ppm、Ca:5.9ppm、Cr:2.9ppm、Fe:11ppm、Ni:10ppm、O:720〜2500ppm、N:10〜20ppmであった。
(VIM溶解工程)
上記Mn原料をマグネシアルツボに入れ、真空誘導溶解炉(VIM炉)を用いて200Torr以下の不活性雰囲気下で、溶解温度を1300°Cとし、溶解した。そして、このMn溶湯に、Mn重量の1重量%のカルシウム(Ca)を徐々に添加して脱酸及び脱硫を行った。脱酸及び脱硫の終了後、鉄製鋳型にMnの溶湯を鋳込でインゴットを製造した。インゴットの冷却後、インゴットに付着していたスラグは除去した。
この溶解後のインゴットの不純物は、B:14ppm、Mg:160ppm、Al:1.2ppm、Si:16ppm、S:16ppm、Ca:520ppm、Cr:2.5ppm、Fe:3.6ppm、Ni:1.3ppm、O:10ppm未満、N:10ppm未満となった。この結果を、表1に示す。
この表1に示す通り、カルシウム還元の工程なので、鋳造されたMn中にはCaが増加しており、また、マグネシア坩堝の構成元素であるMgは、Caに還元されやすく、その一部がMn中に混入してMgは大きく増加するが、S、O、Niが大きく低減し、他の元素も低減しているのが分かる。
(スカル溶解工程)
次に、上記のVIM溶解で得たMnインゴットを水冷した坩堝に充填し、該坩堝をスカル溶解炉に設置して、真空ポンプにより10−5Torr以下とし、誘導加熱により加熱して、原料であるMnインゴットの融解を確認した後、30分間維持してから溶解を終了し、凝固したMnを得た。
このMnインゴットの不純物は、B:8.1ppm、Mg:1.9ppm、Al:1.7ppm、Si:16ppm、S:2.7ppm、Ca:9.4ppm、Cr:1.1ppm、Fe:3.6ppm、Ni:1.1ppm、O:10ppm未満、N:10ppm未満となった。
この結果を、同様に表1に示す。表1に示す通り、スカル溶解後には、一次のVIM溶解で増加したCaとMgが大きく低減しているのが分かる。また、Sも低減している。これはスカル溶解により、揮発し易い不純物が除去されたと考えられる。
上記の脱酸・脱硫剤を添加したVIM溶解とスカル溶解処理を行うことによって、純度2Nの電解Mn原料が、ガス成分元素を除き、4N5に高純度化することができた。
本発明によれば、極めて高い純度のMnを得ることができ、また製造工程も比較的簡単で、製造コストを低減できるので、配線材料、磁性材(磁気ヘッド)等の電子部品材料、半導体部品材料に使用する金属Mn、同薄膜、特にMn含有薄膜を作製するためのスパッタリングターゲット材として有用である。本発明は、特別な装置を必要とせずに、汎用炉で製造可能であり、従来法である蒸留法と比較して低コストかつ高収率で高純度Mnを得ることができるので、産業上の利用価値が高いと言える。

Claims (3)

  1. 高純度Mnの製造方法であって、Mn原料をマグネシアルツボに入れ、真空誘導溶解炉(VIM炉)を用いて500Torr以下の不活性雰囲気下、溶解温度1240〜1400°Cで溶解し、カルシウム(Ca)をMn重量の0.5〜2.0%の範囲で添加して脱酸及び脱硫を行い、脱酸及び脱硫の終了後鉄製鋳型に鋳込でインゴットを製造し、次にこのMnインゴットをスカル溶解炉に装填し、真空ポンプにより10−5Torr以下に減圧して加熱を開始し、溶融状態を10〜60分保持した後、溶解反応を終了させ、高純度Mnを得ることを特徴とする高純度Mnの製造方法。
  2. 真空誘導溶解(VIM)とスカル溶解により精製した高純度Mnであって、不純物元素であるB、Mg、Al、Si、S、Ca、Cr、Fe、Niの総量が50ppm以下であり、ガス成分を除き4N5(99.995%)以上の純度を有することを特徴とする高純度Mn。
  3. 真空誘導溶解(VIM)とスカル溶解により精製した高純度Mnであって、不純物元素であるB、Mg、Al、Si、S、Ca、Cr、Fe、Niの総量が50ppm以下であり、ガス成分元素を除き4N5(99.995%)以上の純度を有し、ガス成分である酸素(O)、窒素(N)がそれぞれ10ppm未満であることを特徴とする高純度Mn。
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