JP5495418B2 - マンガンの回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マンガンの回収方法に関し、特に、マンガン酸化物のようなマンガン化合物と鉄を含むマンガン鉱石などの原料からマンガンを回収する方法に関する。
マンガン酸化物には、マンガンの酸化状態により、酸化第一マンガン(一酸化マンガン、MnO)、酸化第二マンガン(三酸化二マンガン、Mn)、四酸化三マンガン(Mn、MnO・2MnO)、二酸化マンガン(MnO)などの様々なマンガン酸化物があり、天然に産するマンガンを主成分とするマンガン鉱石には、マンガンの酸化状態による様々な形態のマンガン酸化物が種々の割合で含まれている。
このようなマンガン鉱石からマンガンを回収するために、マンガン鉱石を硫酸で浸出する方法が知られている。しかし、この方法では、酸化第一マンガン(MnO)の2価マンガンを硫酸に溶解させて浸出することができるが、酸化第二マンガン(Mn)、四酸化三マンガン(Mn、MnO・2MnO)、二酸化マンガン(MnO)などの4価マンガン(Mn4+)を浸出することができないので、マンガンの浸出率が低いという問題がある。そのため、マンガン鉱石を硫酸で浸出する前に、マンガン鉱石を酸化第一マンガン(MnO)まで還元する必要がある。
このような4価マンガンを含むマンガン鉱石を還元してマンガンを回収する方法として、四酸化三マンガン(Mn)のマンガン鉱石を、二酸化硫黄(SO)などの還元剤の存在下において、pH3以下で硫酸による浸出を行った後、その浸出液に中和剤および酸化剤を加えて脱鉄するとともに、浸出液に硫黄を加えて重金属類を硫化物として除去し、このようにして脱鉄および重金属類除去した液を使用して、電解により金属マンガンを回収する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第5,932,086号公報(第1〜3欄)
しかし、特許文献1の方法では、還元剤の存在下においてpH3以下で硫酸による浸出を行うので、鉄も同時に浸出されて、浸出液に中和剤および酸化剤を加えて鉄を除去する脱鉄工程が必要になる。また、この脱鉄工程では、浸出液のpHが4〜7になるまで十分な量の中和剤を加える必要があり、脱鉄残渣が増大する。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、マンガン化合物と鉄を含むマンガン鉱石のような原料から、マンガンが十分に浸出され且つ鉄が殆ど浸出されない浸出液を得ることができる、マンガンを回収する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、マンガン化合物と鉄を含む原料を硫酸水溶液に溶解し、この水溶液にさらに硫酸を加えてpH3より低いpHを維持しながら硫酸による浸出を行い、その後、水溶液に還元剤として過酸化水素を添加して水溶液のpHを3〜7にし、この水溶液にさらに過酸化水素と硫酸を加えてpH3〜7を維持しながら過酸化水素と硫酸による浸出を行うことにより、マンガン化合物と鉄を含むマンガン鉱石のような原料から、マンガンが十分に浸出され且つ鉄が殆ど浸出されない浸出液を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるマンガンの回収方法は、マンガン化合物と鉄を含む原料を硫酸水溶液に溶解し、この水溶液にさらに硫酸を加えてpH3より低いpH、好ましくはpH2.5以下を維持しながら硫酸による浸出を行い、その後、水溶液に還元剤として過酸化水素を添加して水溶液のpHを3〜7にし、この水溶液にさらに過酸化水素と硫酸を加えてpH3〜7を維持しながら過酸化水素と硫酸による浸出を行うことにより、浸出液から鉄を分離して、浸出液中にマンガンを回収することを特徴とする。
このマンガンの回収方法において、過酸化水素と硫酸による浸出を行った後にろ過することにより、浸出液から鉄を分離するのが好ましい。また、浸出液から電解によって金属マンガンを得るのが好ましい。また、マンガン化合物が、2価より大きい価数のマンガンの化合物または酸化物であるのが好ましく、酸化第二マンガン、四酸化三マンガンおよび二酸化マンガンからなる群から選ばれる少なくとも一種であるのがさらに好ましい。
本発明によれば、マンガン化合物と鉄を含むマンガン鉱石のような原料から、マンガンが十分に浸出され且つ鉄が殆ど浸出されない浸出液を得ることができる。
本発明によるマンガンの回収方法の実施の形態を示す工程図である。 実施例1において硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリー中のMn、FeおよびSiの濃度を示すグラフである。 実施例1において硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリーの酸化還元電位およびpHを示すグラフである。 実施例2において硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリー中のMn、FeおよびSiの濃度を示すグラフである。 実施例2において硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリーの酸化還元電位およびpHを示すグラフである。 実施例3において硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリー中のMn、FeおよびSiの濃度を示すグラフである。 実施例3において硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリーの酸化還元電位およびpHを示すグラフである。 比較例1において硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリー中のMn、FeおよびSiの濃度を示すグラフである。 比較例1において硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリーの酸化還元電位およびpHを示すグラフである。 比較例2において硫酸およびSOガスによる浸出時間に対するスラリー中のMn、FeおよびSiの濃度を示すグラフである。 比較例2において硫酸およびSOガスによる浸出時間に対するスラリーの酸化還元電位およびpHを示すグラフである。 比較例3において硫酸およびSOガスによる浸出時間に対するスラリー中のMn、FeおよびSiの濃度を示すグラフである。 比較例3において硫酸およびSOガスによる浸出時間に対するスラリーの酸化還元電位およびpHを示すグラフである。
本発明によるマンガンの回収方法の実施の形態は、図1に示すように、マンガン化合物と鉄を含む原料を硫酸で浸出を行う硫酸浸出工程と、この硫酸浸出工程で得られた浸出液に過酸化水素(H)と硫酸を加えて過酸化水素と硫酸による浸出を行う過酸化水素浸出工程と、この過酸化水素浸出工程で得られた浸出液を浄液する浄液工程と、この浄液工程で得られた液を電解して金属マンガンを得る電解工程とを備えている。以下、これらの工程について詳細に説明する。
(硫酸浸出工程)
まず、マンガン化合物と鉄を含む原料を用意する。マンガン化合物としては、2価より大きい価数のマンガンの化合物であるのが好ましく、酸化第二マンガン(三酸化二マンガン、Mn)、四酸化三マンガン(Mn、MnO・2MnO)、二酸化マンガン(MnO)のような4価マンガン(または2価より大きい価数のマンガン)を含むマンガンの酸化物であるのがさらに好ましい。
このマンガン化合物と鉄を含む原料を硫酸水溶液に溶解し、この水溶液にさらに硫酸を加えてpH3より低いpH、好ましくはpH2.5以下、さらに好ましくはpH2程度を維持しながら硫酸による浸出を行う。
この硫酸による浸出では、四酸化三マンガン(Mn、MnO・2MnO)などのマンガン酸化物を含む原料中の2価マンガン(Mn2+)が浸出されて浸出液中に溶解するが、4価マンガン(Mn4+)は浸出されない。また、pH3より低いpHで浸出を行うので、浸出液中にFeも溶解する。
(過酸化水素浸出工程)
次に、硫酸浸出工程で得られた浸出液に、還元剤として過酸化水素を添加して浸出液のpHを3〜7にし、この水溶液にさらに過酸化水素と硫酸を加えてpH3〜7を維持しながら過酸化水素と硫酸による浸出を行う。この過酸化水素と硫酸による浸出をpH3〜7で行うと、以下の反応式による反応がほぼ当量で進んで、4価マンガン(Mn4+)が浸出される。なお、pH3より低いpHでは、浸出液中にFeも溶解するため、浸出液から鉄を除去する脱鉄工程が必要になるが、pH3以上では、浸出液中にFeが殆ど溶解しないので、脱鉄工程が不要になる。一方、pH7より高いpHでは、Mnが浸出されない。
MnO+H+HSO→MnSO+2HO+O
この過酸化水素と硫酸による浸出では、還元剤として過酸化水素を使用することにより、硫酸浸出工程で浸出されずに溶け残った4価マンガン(Mn4+)が浸出されて浸出液中に溶解する。また、還元剤として二酸化硫黄(SO)を使用しないので、硫酸イオン濃度を一定に保つことができる。
また、pH3〜7で浸出を行うので、浸出液中にFeが溶解するのが抑制され、硫酸浸出工程で溶解したFeも沈澱する。そのため、還元剤として二酸化硫黄(SO)を使用した場合に必要な脱鉄工程が不要になり、脱鉄残渣の発生を防止することができる。また、過酸化水素と硫酸を加えてpH3〜7に中和して浸出を行うので、還元剤として二酸化硫黄(SO)を使用した場合にFeの除去に必要な中和剤が不要になる。さらに、原料中にSiやAlなどが含まれていても、浸出液中にSiやAlなどが溶解する量を低減することができる。なお、還元剤として二酸化硫黄(SO)を使用する場合には、SOガスの吹き込みによりpHが低下するので、pH3以上にすることができない。
(浄液工程)
次に、過酸化水素浸出工程で得られた浸出液を浄液する。この浄液工程では、過酸化水素浸出工程で得られた浸出液中に重金属類などの不純物が含まれる場合に、浸出液に硫黄などの硫化剤を添加して重金属類などを硫化して除去する。
(電解工程)
次に、浄液工程で得られた液を電解して金属マンガンを得る。この電解工程後に得られた電解後液は、硫酸イオン濃度を調整しなくても、そのまま硫酸浸出工程で再利用することができる。すなわち、従来のように還元剤としてSOを使用する場合には、電解工程後に得られた電解後液中に硫酸イオンが蓄積されるため、中和剤により硫酸イオン濃度を調整しなければ、硫酸浸出工程で再利用することができないが、本発明によるマンガンの回収方法の実施の形態の電解工程後に得られた電解後液は、そのまま硫酸浸出工程で再利用することができる。
以下、本発明によるマンガンの回収方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、マンガン化合物と鉄を含む原料として、表1に示すように、66.91質量%のMn(28.10g)と、3.91質量%のFe(1.64g)と、0.96質量%のSi(0.40g)の品位の四酸化三マンガン(Mn)のマンガン鉱石42gを用意した。
この原料42gと硫酸アンモニウム72gを純水600mLでリパルプし、得られたスラリーに500g/Lの硫酸を添加してpH2.0にした後、さらに硫酸を加えてpH2を維持しながら2時間浸出を行った。この硫酸による浸出後のスラリーをろ過して得られた浸出液の量は670mLであり、この浸出液中のMn、FeおよびSiの濃度(および重量)は、それぞれ23790mg/L(15.94g)、374mg/L(0.25g)および216mg/L(0.14g)であり、Mn、FeおよびSiの浸出率は、それぞれ56.7%、15.3%および35.9%であった。なお、この浸出液中のMnなどの量は、スラリーの一部をろ過して得られた浸出液を使用してICPにより測定した。
この硫酸による浸出後のスラリーに1mL/分の割合で過酸化水素5mLを添加した後に10分間攪拌することを繰り返してpH5まで中和し、この中和後のスラリーにさらに1mL/分の割合で過酸化水素5mLを添加した後に10分間攪拌するとともに硫酸を加えてpH5を維持しながら浸出を行った。この過酸化水素と硫酸による浸出後のスラリーをろ過して得られた浸出液の量は720mLであり、この浸出液中のMn、FeおよびSiの濃度(および重量)は、それぞれ34275mg/L(24.68g)、0.815mg/L(0.00g)および115.8mg/L(0.08g)であり、Mn、FeおよびSiの浸出率は、それぞれ87.8%、0.0%および20.7%であった。また、浸出残渣の重量は13.4g(乾燥後7.9g)であり、この浸出残渣中のMnおよびFeの品位(および重量)は、それぞれ43.37質量%(3.43g)および20.79質量%(1.64g)であった。
これらの結果を表1に示す。また、硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリー中のMn、FeおよびSiの濃度を図2に示し、硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリーの酸化還元電位およびpHを図3に示す。
Figure 0005495418
表1、図2および図3に示すように、本実施例では、硫酸による浸出(pH2で浸出)において溶解したFeが、その後の過酸化水素と硫酸による浸出(pH5で浸出)において沈澱して、Feを含まない浸出液を得ることができるのがわかる。この浸出液を浄液した後に電解液として使用して、電解により金属マンガンを回収することができる。
[実施例2]
まず、マンガン化合物と鉄を含む原料として、表2に示すように、68.27質量%のMn(28.68g)と、2.29質量%のFe(0.96g)と、0.48質量%のSi(0.20g)の品位の四酸化三マンガン(Mn)のマンガン鉱石42gを用意した。
この原料を使用して、過酸化水素と硫酸による浸出をpH4で行った以外は、実施例1と同様の処理を行った。
その結果、硫酸による浸出後のスラリーをろ過して得られた浸出液の量は680mLであり、この浸出液中のMn、FeおよびSiの濃度(および重量)は、それぞれ28800mg/L(18.22g)、210mg/L(0.14g)および97mg/L(0.07g)であり、Mn、FeおよびSiの浸出率は、それぞれ63.6%、14.8%および32.7%であった。
また、過酸化水素と硫酸による浸出後のスラリーをろ過して得られた浸出液の量は700mLであり、この浸出液中のMn、FeおよびSiの濃度(および重量)は、それぞれ39500mg/L(27.65g)、35mg/L(0.02g)および95mg/L(0.07g)であり、Mn、FeおよびSiの浸出率は、それぞれ96.4%、2.6%および32.8%であった。また、浸出残渣の重量は6.4g(乾燥後3.2g)であり、この浸出残渣中のMnおよびFeの品位(および重量)は、それぞれ32.44質量%(1.03g)および29.64質量%(0.94g)であった。
これらの結果を表2に示す。また、硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリー中のMn、FeおよびSiの濃度を図4に示し、硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリーの酸化還元電位およびpHを図5に示す。
Figure 0005495418
表2、図4および図5に示すように、本実施例では、硫酸による浸出(pH2で浸出)において溶解したFeの大部分が、その後の過酸化水素と硫酸による浸出(pH4で浸出)において沈澱して、Feを殆ど含まない浸出液を得ることができるのがわかる。
[実施例3]
実施例1と同様の原料を使用して、過酸化水素と硫酸による浸出をpH2〜6に変化させて行った以外は、実施例1と同様の処理を行った。
その結果、硫酸による浸出後のスラリーをろ過して得られた浸出液の量は670mLであり、この浸出液中のMn、FeおよびSiの濃度(および重量)は、それぞれ24300mg/L(16.28g)、276mg/L(0.19g)および214mg/L(0.14g)であり、Mn、FeおよびSiの浸出率は、それぞれ57.9%、11.3%および35.5%であった。
また、過酸化水素と硫酸による浸出後のスラリーをろ過して得られた浸出液の量は690mLであり、この浸出液中のMn、FeおよびSiの濃度(および重量)は、それぞれ30325mg/L(20.92g)、1mg/L(0.00g)および54mg/L(0.04g)であり、Mn、FeおよびSiの浸出率は、それぞれ74.5%、0.0%および9.3%であった。また、浸出残渣の重量は20.7g(乾燥後13.3g)であった。
これらの結果を表3に示す。また、硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリー中のMn、FeおよびSiの濃度を図6に示し、硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリーの酸化還元電位およびpHを図7に示す。
Figure 0005495418
表3、図6および図7に示すように、本実施例では、硫酸による浸出(pH2で浸出)において溶解したFeが、その後の過酸化水素と硫酸による浸出において沈澱して、Feを含まない浸出液を得ることができるのがわかる。また、pHの上昇に伴ってSiが沈澱し、pH6では浸出液中のSiが非常に少なくなるのがわかる。
[比較例1]
まず、マンガン化合物と鉄を含む原料として、表4に示すように、69.67質量%のMn(29.26g)と、2.16質量%のFe(0.91g)と、0.48質量%のSi(0.20g)の品位の四酸化三マンガン(Mn)のマンガン鉱石42gを用意した。
この原料を使用して、過酸化水素と硫酸による浸出をpH2で行った以外は、実施例1と同様の処理を行った。なお、過酸化水素によりMn4+が浸出される。
その結果、硫酸による浸出後のスラリーをろ過して得られた浸出液の量は650mLであり、この浸出液中のMn、FeおよびSiの濃度(および重量)は、それぞれ28900mg/L(18.79g)、11mg/L(0.01g)および106mg/L(0.07g)であり、Mn、FeおよびSiの浸出率は、それぞれ64.2%、0.8%および34.1%であった。
また、過酸化水素と硫酸による浸出後のスラリーをろ過して得られた浸出液の量は700mLであり、この浸出液中のMn、FeおよびSiの濃度(および重量)は、それぞれ41300mg/L(28.91g)、865mg/L(0.61g)および110mg/L(0.08g)であり、Mn、FeおよびSiの浸出率は、それぞれ98.8%、66.7%および38.2%であった。また、浸出残渣の重量は1.5g(乾燥後1.0g)であり、この浸出残渣中のMnおよびFeの品位(および重量)は、それぞれ34.57質量%(0.35g)および29.64質量%(0.30g)であった。
これらの結果を表4に示す。また、硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリー中のMn、FeおよびSiの濃度を図8に示し、硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリーの酸化還元電位およびpHを図9に示す。
Figure 0005495418
表4、図8および図9に示すように、本比較例では、硫酸による浸出(pH2で浸出)において溶解したFeが、その後の過酸化水素と硫酸による浸出においてもpHが低いために沈澱しないで、浸出液中に含まれるのがわかる。
[比較例2]
まず、マンガン化合物と鉄を含む原料として、表5に示すように、66.86質量%のMn(28.08g)と、3.53質量%のFe(1.48g)と、0.96質量%のSi(0.40g)の品位の四酸化三マンガン(Mn)のマンガン鉱石42gを用意した。
この原料を使用して、過酸化水素と硫酸による浸出の代わりに、硫酸による浸出後のスラリーにSOガスを吹き込みながらpH2で浸出を行った以外は、実施例1と同様の処理を行った。なお、SOによりMn4+が浸出され、SOによる浸出では、硫酸を添加しなくてもpHが下がる。
その結果、硫酸による浸出後のスラリーをろ過して得られた浸出液の量は670mLであり、この浸出液中のMn、FeおよびSiの濃度(および重量)は、それぞれ24300mg/L(16.31g)、349mg/L(0.23g)および222mg/L(0.15g)であり、Mn、FeおよびSiの浸出率は、それぞれ58.1%、15.8%および37.0%であった。
また、過酸化水素と硫酸による浸出後のスラリーをろ過して得られた浸出液の量は690mLであり、この浸出液中のMn、FeおよびSiの濃度(および重量)は、それぞれ39925mg/L(27.55g)、1322mg/L(0.91g)および225mg/L(0.16g)であり、Mn、FeおよびSiの浸出率は、それぞれ98.1%、61.5%および38.5%であった。また、浸出残渣の重量は2.5g(乾燥後1.8g)であり、この浸出残渣中のMnおよびFeの品位(および重量)は、それぞれ29.26質量%(0.53g)および31.31質量%(0.57g)であった。
これらの結果を表5に示す。また、硫酸およびSOガスによる浸出時間に対するスラリー中のMn、FeおよびSiの濃度を図10に示し、硫酸およびSOガスによる浸出時間に対するスラリーの酸化還元電位およびpHを図11に示す。
Figure 0005495418
表5、図10および図11に示すように、本比較例では、硫酸による浸出(pH2で浸出)において溶解したFeが、その後のSOガスによる浸出においてもpHが低いために沈澱しないで、浸出液中に含まれるのがわかる。
[比較例3]
まず、マンガン化合物と鉄を含む原料として、表6に示すように、67.17質量%のMn(28.21g)と、2.17質量%のFe(0.91g)と、0.48質量%のSi(0.20g)の品位の四酸化三マンガン(Mn)のマンガン鉱石42gを用意した。
この原料を使用して、硫酸による浸出および過酸化水素と硫酸による浸出のいずれもpH3で行った以外は、実施例1と同様の処理を行った。
その結果、硫酸による浸出後のスラリーをろ過して得られた浸出液の量は610mLであり、この浸出液中のMn、FeおよびSiの濃度(および重量)は、それぞれ10883mg/L(6.64g)、0mg/L(0.00g)および69mg/L(0.04g)であり、Mn、FeおよびSiの浸出率は、それぞれ23.5%、0.0%および20.9%であった。
また、過酸化水素と硫酸による浸出後のスラリーをろ過して得られた浸出液の量は650mLであり、この浸出液中のMn、FeおよびSiの濃度(および重量)は、それぞれ26000mg/L(16.90g)、13mg/L(0.01g)および94mg/L(0.06g)であり、Mn、FeおよびSiの浸出率は、それぞれ59.9%、0.9%および30.3%であった。また、浸出残渣の重量は21.6g(乾燥後16.9g)であり、この浸出残渣中のMnおよびFeの品位(および重量)は、それぞれ67.02質量%(11.31g)および5.34質量%(0.90g)であった。
これらの結果を表6に示す。また、硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリー中のMn、FeおよびSiの濃度を図12に示し、硫酸および過酸化水素と硫酸による浸出時間に対するスラリーの酸化還元電位およびpHを図13に示す。
Figure 0005495418
表6、図12および図13に示すように、本比較例では、過酸化水素と硫酸による浸出の際のpHが高いためにFeが浸出されないが、硫酸による浸出の際のpHが高いためにMn2+が十分に浸出されないので、浸出液中にFeが含まれないが、Mnの浸出率が低いのがわかる。

Claims (6)

  1. 2価より大きい価数のマンガン化合物と鉄を含む原料を硫酸水溶液に溶解し、この水溶液にさらに硫酸を加えてpH3より低いpHを維持しながら硫酸による浸出を行い、その後、水溶液に還元剤として過酸化水素を添加して水溶液のpHを3〜7にし、この水溶液にさらに過酸化水素と硫酸を加えてpH3〜7を維持しながら過酸化水素と硫酸による浸出を行うことにより、浸出液から鉄を分離して、浸出液中にマンガンを回収することを特徴とする、マンガンの回収方法。
  2. 前記pH3より低いpHが、pH2.5以下であることを特徴とする、請求項1に記載のマンガンの回収方法。
  3. 前記過酸化水素と硫酸による浸出を行った後にろ過することにより、浸出液から鉄を分離することを特徴とする、請求項1または2に記載のマンガンの回収方法。
  4. 前記浸出液から電解によって金属マンガンを得ることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のマンガンの回収方法。
  5. 前記2価より大きい価数のマンガン化合物が、2価より大きい価数のマンガンの酸化物であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のマンガンの回収方法。
  6. 前記2価より大きい価数のマンガン化合物が、酸化第二マンガン、四酸化三マンガンおよび二酸化マンガンからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のマンガンの回収方法。
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