JP4457864B2 - ニッケル及び/又はコバルト硫化物の回収方法 - Google Patents
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Description
(式中のMは、重金属元素、例えばNi、Coを表す。)
(1)まず、反応容器として、加圧雰囲気を形成することができる密閉容器を使用し、ニッケル及び/又はコバルトを含む硫化反応始液を装入後、容器内に非酸化性ガスを用いてガス置換する、
(2)次に、硫化反応始液の温度を70〜95℃に昇温した後、硫化水素を添加して、酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を100mV以下まで下げる、
(3)その後、硫化ナトリウム又は水硫化ナトリウムから選ばれる硫化アルカリを添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を100mV以下に保持しながら硫化沈殿反応を行う、
ことを特徴とするニッケル及び/又はコバルト硫化物の回収方法が提供される。
本発明のニッケル及び/又はコバルト硫化物の回収方法は、ニッケル及び/又はコバルトを含む酸性水溶液に硫化アルカリを添加して、ニッケル及び/又はコバルト硫化物を沈殿させ回収する方法において、反応容器内を非酸化性ガス雰囲気下とした後、水溶液を70〜95℃の温度とし、硫化水素を添加して、酸化還元電位を100mV以下に調整し、その後、硫化ナトリウム又は水硫化ナトリウムから選ばれる硫化アルカリを添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を100mV以下に保持しながら硫化沈殿反応を行う、ことを特徴とする。
本発明の方法にしたがって生成したニッケル、コバルト混合硫化物を用いて、酸化反応による硫化物のS/(Ni+Co)モル比を求めた。
まず、硫化反応始液として表1に示すコバルトを含む硫酸ニッケル水溶液を装入した反応容器内の気相部を非酸化性ガスとしてアルゴンガスを用いてガス置換後、常圧で昇温を開始し反応温度の80℃まで加熱した。なお、反応容器としては、ガス吹込みノズルを装備したものを用いた。
結果を図1に示す。図1は、反応液のORPと硫化物のS/(Ni+Co)モル比の経時変化を示す。なお、図中の横軸、時間30分に対応するプロットは、水硫化ソーダを添加後、30分攪拌して得られた酸化反応前の硫化物を示す。
図1より、液のORP上昇、すなわち、酸化反応の進展とともに、硫化物のS/(Ni+Co)モル比が1.0から1.2程度まで上昇することが分かる。
この際、生成された硫化物の酸化反応が起らないので、添加されたイオウの反応効率も上昇する。すなわち、反応当量以上の余分の硫化アルカリの添加を節減することができるので効率的である。
まず、硫化反応始液として表1に示すコバルトを含む硫酸ニッケル水溶液を装入した反応容器(内容積2l)内の気相部をアルゴンガス又は硫化水素ガスで置換し、気相中の酸素濃度を種々に調整後(結果的に、水溶液中のORPも調整される。)、常圧で昇温を開始し反応温度の80℃まで加熱した。なお、反応容器としては、ガス吹込みノズルを装備したものを用いた。次いで、所定の添加当量(反応当量に対する割合)の硫化アルカリを添加して硫化反応を行なった。反応時間は硫化アルカリ添加後30分とした。ここで、硫化水素ガスを用いた場合は、水溶液を昇温後、予め0.01MPa程度の硫化水素ガスを吹込み、ORPを100mV以下に調整した後、硫化アルカリを加えた。
(1)まず、反応容器として、加圧雰囲気を形成することができる密閉容器を使用し、ニッケル及び/又はコバルトを含む硫化反応始液を装入後、容器内に非酸化性ガスを用いてガス置換する段階。これによって、溶存酸素の供給を防止し、硫化時の溶存酸素による硫化物の酸化を抑制する。
(2)次に、70〜90℃に昇温した後、硫化水素を添加して、酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を100mV以下、望ましくは50mV以下まで下げる段階。これによって、非酸化性ガスの置換による酸化還元電位の調整が不十分な場合には、酸化還元電位を所望値に調整することができる。
(3)その後、硫化ナトリウム又は水硫化ナトリウムから選ばれる硫化アルカリを添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を100mV以下、望ましくは50mV以下に保持しながら硫化沈殿反応を行う段階。
以上のように、硫化アルカリの添加による硫化物の沈殿生成に先だって、硫化反応始液に硫化水素を添加して、酸化還元電位を所望値に予備的に調整する段階を含むことができる。
硫化反応始液として表1に示すコバルトを含む硫酸ニッケル水溶液を用いた。また、反応容器としては、ガス吹込みノズルを装備したものを用いた。まず、反応容器(内容積2l)内に上記硫酸ニッケル水溶液1lを装入した後、反応容器の気相部を予備試験から求められた十分量のアルゴンガスで置換した後、常圧で昇温を開始し反応温度の80℃まで加熱した。次いで、硫化アルカリとして、反応当量の33.3%の硫化ナトリウムを添加して硫化反応を行なった。反応時間は硫化アルカリ添加後30分とした。このときのpHとORPは、硫化アルカリ反応後のスラリーを常温まで冷却し測定した。その後、スラリーを0.45μmのメンブレンフィルターで固液分離して得られた沈殿を真空乾燥してニッケル、コバルト及びイオウを分析し、S/(Ni+Co)モル比を求めた。結果を表2に示す。
硫化アルカリとして、反応当量の66.7%の硫化ナトリウムを用いた以外は検討例1と同様に行ない、このときのpHとORPを求め、その後、S/(Ni+Co)モル比を求めた。結果を表2に示す。
硫化アルカリとして、反応当量の33.3%の水硫化ナトリウムを用いた以外は検討例1と同様に行ない、このときのpHとORPを求め、その後、S/(Ni+Co)モル比を求めた。結果を表2に示す。
硫化アルカリとして、反応当量の66.7%の水硫化ナトリウムを用いた以外は検討例1と同様に行ない、このときのpHとORPを求め、その後、S/(Ni+Co)モル比を求めた。結果を表2に示す。
硫化アルカリとして、反応当量の90.4%の水硫化ナトリウムを用いた以外は検討例1と同様に行ない、このときのpHとORPを求め、その後、S/(Ni+Co)モル比を求めた。結果を表2に示す。
硫化アルカリとして、反応当量の100%の水硫化ナトリウムを用いた以外は検討例1と同様に行ない、このときのpHとORPを求め、その後、S/(Ni+Co)モル比を求めた。結果を表2に示す。
硫化反応始液として表1に示すコバルトを含む硫酸ニッケル水溶液を用いた。また、反応容器としては、ガス吹込みノズルを装備したものを用いた。まず、反応容器(内容積2l)内に上記硫酸ニッケル水溶液1lを装入した後、反応容器の気相部を予備試験から得られた十分量のアルゴンガスで置換した後、常圧で昇温を開始し反応温度の80℃まで加熱した。次に、液中に0.01MPa程度の硫化水素ガスを吹込み、ORP(Ag/AgCl電極規準)を−200mVに調整した。次いで硫化アルカリとして、反応当量の33.3%の水硫化ナトリウムを添加して硫化反応を行なった。反応時間は硫化アルカリ添加後30分とした。このときのpHとORPは、硫化アルカリ反応後のスラリーを常温まで冷却し測定した。その後、スラリーを0.45μmのメンブレンフィルターで固液分離して得られた沈殿を真空乾燥してニッケル、コバルト及びイオウを分析し、S/(Ni+Co)モル比を求めた。結果を表2に示す。
反応容器のガス吹込みノズルを大気開放した状態で行ない、非酸化性ガスでの置換を行なわなかったこと、及び硫化アルカリとして、水硫化ナトリウムを用いたこと以外は実施例1と同様に行ない、このときのpHとORPを求め、その後、S/(Ni+Co)モル比を求めた。結果を表2に示す。
Claims (3)
- ニッケル及び/又はコバルトを含む酸性水溶液に硫化アルカリを添加して、硫黄と、ニッケル及び/又はコバルトとの合計量との比が、モル比(S/(Ni及び/又はCo))で0.99〜1.05の範囲内にある、ニッケル及び/又はコバルト硫化物を沈殿させ回収する方法において、
(1)まず、反応容器として、加圧雰囲気を形成することができる密閉容器を使用し、ニッケル及び/又はコバルトを含む硫化反応始液を装入後、容器内に非酸化性ガスを用いてガス置換する、
(2)次に、硫化反応始液の温度を70〜95℃に昇温した後、硫化水素を添加して、酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を100mV以下まで下げる、
(3)その後、硫化ナトリウム又は水硫化ナトリウムから選ばれる硫化アルカリを添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)を100mV以下に保持しながら硫化沈殿反応を行う、
ことを特徴とするニッケル及び/又はコバルト硫化物の回収方法。 - 前記(3)の酸化還元電位(Ag/AgCl電極規準)は、−300〜50mVであることを特徴とする請求項1に記載のニッケル及び/又はコバルト硫化物の回収方法。
- 前記非酸化性ガスは、中性ガスであることを特徴とする請求項1に記載のニッケル及び/又はコバルト硫化物の回収方法。
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