JP6747620B2 - Ni・Co硫化物製造方法及び鉄品位安定化システム - Google Patents

Ni・Co硫化物製造方法及び鉄品位安定化システム Download PDF

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Description

本発明は、Ni・Co硫化物製造方法及び鉄品位安定化システムに関し、より詳しくは、加圧下で硫化剤を使用してニッケル及びコバルトなどの有価金属を含む硫酸水溶液から、それらの有価金属を硫化物として回収する際、その硫化物の鉄品位を安定させるようにした、Ni・Co硫化物製造方法及び鉄品位安定化システムに関する。本出願は、日本国において2018年3月7日に出願された日本特許出願番号特願2018−041314を基礎として優先権を主張するものであり、この出願を参照することにより、本出願に援用される。
近年、ニッケル酸化鉱を原料とするニッケル湿式製錬の分野において、高温高圧を利用した高圧硫酸浸出(HPAL High Pressure Acid Leach)法による低ニッケル品位鉱からの有価金属の回収が実用化されている。このHPAL法によってニッケル酸化鉱より浸出されたニッケル、コバルト等の有価金属の回収については、加圧下で有価金属を含む硫酸ニッケル水溶液(以下、「Ni・Co混合硫酸水溶液」又は単に「硫酸水溶液」ともいう)にHS(硫化水素)ガスなどの硫化剤を添加することにより有価金属を硫化物として回収する方法が一般的に行われている。
例えば、特許文献1には、効率よく硫化反応を行うための方法として、反応容器圧力、反応時間、反応溶液pH、種晶の添加などを調整する方法が開示されている。さらに、硫化反応効率の改善方法のひとつとして、反応容器へNaHS(「水硫化ナトリウム(Sodium Hydrosulfide)」、「硫化水素ナトリウム(Sodium hydrogen sulfide)」、又は「水硫化ソーダ」とも呼ばれている)を添加するという手法がある。
より詳しくは、複数の反応槽を使用して硫化物を回収する工程で未反応のHSガスを再利用するため、NaOH水溶液に吸収して得られるNaHS水溶液の状態で回収し、そのNaHS水溶液を硫化反応工程へ戻し、そこで硫化反応中の硫酸水溶液に添加することにより、硫化反応を調整するというものである。
このような手法、すなわち硫化反応効率の改善方法によれば、硫化反応におけるpHの低下を抑制し、反応終液中のニッケル及びコバルト濃度を低く維持することができる。その結果、硫化反応効率の向上を実現できる。すなわち、この方法によれば、ニッケルやコバルトといった有価金属を硫化物として高効率で回収することができる。
回収されたニッケル混合硫化物は、高純度の電気ニッケルや硫酸ニッケルまで精製するための原料として用いられている。高純度とは、鉄を始めとする不純物の含有量が所定レベル以下に管理された品質をいう。ところで、電気ニッケルや硫酸ニッケルの精製工場では薬品を用いて鉄を除去しているため、ニッケル混合硫化物に含まれる鉄の量が多いと、薬品の消費が多くなり、鉄の除去に時間と手間を要して電気ニッケルや硫酸ニッケルの生産量が低下する。このため、硫化反応工程で鉄の少ないニッケル混合硫化物を得ることが望まれていた。
HPAL法を用いてニッケル酸化鉱から浸出を行う際には、ニッケル、コバルト等の有価金属だけではなく鉄、クロム、マンガン、マグネシウム等の不純物も同時に浸出される。硫化反応により上記浸出液からニッケル、コバルト等の有価金属を硫化物として析出させ回収する工程(硫化反応工程)では、浸出液に含まれる鉄も析出するため、生成する硫化物に含まれる鉄品位を可能な限り低く制御する技術が求められてきた。
特開2010−126778号公報
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ニッケル及びコバルト(以下、「Ni・Co」ともいう)のほか、不純物として鉄を含有する硫酸水溶液から、加圧下でHSガスを使用してニッケル及びコバルトを硫化物として回収する工程において、生成硫化物(以下、「混合硫化物」又は単に「硫化物」ともいう)におけるニッケル回収率(以下、「Ni回収率」ともいう)を高く維持すると共に鉄品位を安定して低く維持できるNi・Co硫化物製造方法及び鉄品位安定化システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、ニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスで硫酸を用いて高圧酸浸出(HPAL)したニッケル及びコバルトを含有する硫酸水溶液からのNi・Co硫化物製造方法であって、前記硫酸水溶液に、加圧下で添加したHSガスにより硫化反応させる硫化反応工程と、前記硫化反応により生成された硫化物の状態でニッケル及びコバルトを回収する固液分離工程と、前記硫化反応で余剰となったHSガスをNaOH水溶液に吸収させてNaHS水溶液の状態で回収するHS回収工程と、前記硫化反応により生成された前記硫化物の鉄品位を検出する鉄品位検出工程と、前記HSガスを吸収した前記NaHS水溶液を前記硫化反応工程へ戻して反応中の前記硫酸水溶液に添加するNaHS水溶液添加量調整工程と、を有し、前記硫化反応工程には、工程順に少なくとも第1反応工程及び第2反応工程を有し、前記第1反応工程は前記硫酸水溶液に前記HSガスを吹き付けて硫化反応させ、前記第2反応工程以降の反応工程では前記硫酸水溶液に前記NaHS水溶液を添加して硫化反応させ、前記NaHS水溶液添加量調整工程では、前記鉄品位検出工程により検出された鉄品位に基づいて前記NaHS水溶液の添加流量Xを制御部が加減するようにし、前記第2反応工程以降の反応工程に供給される前記硫酸水溶液の流量Yに対し、前記NaHS水溶液の添加流量Xを、管理指標W=X/Yが0.15体積%以下となるように、前記制御部において制御するNi・Co硫化物製造方法である。
また、本発明の他の態様は、前記硫化反応工程では、前記制御部が前記硫化物の鉄品位を0.80質量%以下とするものである。
また、本発明の他の態様は、前記固液分離工程のニッケル回収率を98.0%以上とするものである。
また、本発明の他の態様は、ニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスで生成された硫化物に対する鉄品位安定化システムであって、前記湿式製錬プロセスの中で硫酸を用いて高圧酸浸出(HPAL)したニッケル及びコバルトを含有する硫酸水溶液に加圧下で添加したHSガスにより硫化反応させて硫化物を生成させる加圧反応容器と、前記生成された硫化物の状態でニッケル及びコバルトを回収するNi・Co回収手段と、前記加圧反応容器の前記硫化反応で余剰になったHSガスをNaOH水溶液に吸収させたNaHS水溶液の状態で回収するHS回収手段と、前記HSガスを吸収したNaHS水溶液を前記加圧反応容器へ戻して前記硫酸水溶液に添加するNaHS水溶液添加手段と、前記加圧反応容器で生成された前記硫化物の鉄品位を検出する鉄品位検出手段と、該鉄品位検出手段により検出された鉄品位に基づいて、前記NaHS水溶液添加手段に前記NaHS水溶液の添加流量Xを加減させる制御部と、を備えたものである。
また、本発明の他の態様は、前記加圧反応容器は工程順に少なくとも第1反応槽及び第2反応槽を備えて構成され、前記第1反応槽は前記硫酸水溶液に前記HSガスを吹き付けて硫化反応させる機能を有し、前記第2反応槽以降の反応槽では前記硫酸水溶液に前記NaHS水溶液を添加して硫化反応させる機能を有し、前記制御部は、前記第2反応槽以降の反応槽に供給される前記硫酸水溶液の流量Yに対し、前記NaHS水溶液の添加流量Xを、管理指標W=X/Yが0.15体積%以下となるように制御するものである。
本発明によれば、生成硫化物におけるニッケル回収率を高く維持すると共に鉄品位を安定して低く維持できるNi・Co硫化物製造方法及び鉄品位安定化システムを提供できる。
本発明の前提技術として、HPAL法を用いた湿式製錬プロセスにより低品位ニッケル酸化鉱石からNi・Co混合硫化物を製造する工程を説明するための簡略なフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る鉄品位安定化システム(以下、「本システム」ともいう)を説明するためのブロック図である。 還元雰囲気に対する金属硫化物の生成し易さを説明するため、pHと各種金属硫化物の液中濃度との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係るNi・Co硫化物製造方法(以下、「本方法」ともいう)及び本システムに用いられるHS回収手段の一例を説明する模式図である。 本方法の主要な工程、特に図1の硫化工程のみを詳細に説明するためのフローチャートである。 図1の工程をより詳細に説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係るNi・Co硫化物製造方法(本方法)及び鉄品位安定化システム(本システム)について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能である。
まず、本方法の説明に先立ち、その前提技術として、本方法を含むニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセス(以下、単に「湿式製錬プロセス」ともいう)について説明する。この湿式製錬プロセスは、例えばHPAL法により、ニッケル酸化鉱石からニッケル及びコバルトを浸出させて回収する湿式製錬プロセスである。図1を用いて本発明の前提技術から説明する。
図1は、本発明の前提技術として、低品位ニッケル酸化鉱石からNi・Co混合硫化物を製造する工程を説明するための簡略なフローチャートである。また、図6は、図1の工程をより詳細に説明するためのフローチャートである。図1及び図6に示すように、本方法を適用する湿式製錬プロセスは、スラリー調製工程(S1)と、高圧酸浸出工程(以下、単に「浸出工程」ともいう)(S2)と、予備中和工程(S3)と、固液分離工程(S4)と、中和工程(S5)と、脱亜鉛工程(S6)と、硫化工程(S7)と、最終中和工程(S8)と、を有する。本方法、及び本システムは、HPALによる浸出工程(S2)を前提技術とし、特に、硫化工程(S7)において、Ni・Co混合硫化物(以下、「生成硫化物」又は単に「硫化物」ともいう)3の鉄品位F(図2、図5)を安定して低く維持させるようにしたNi・Co硫化物製造方法である。
スラリー調製工程(S1)では、数種類のニッケル酸化鉱石を混合し、水と混合・分級して鉱石スラリーを調製する。浸出工程(S2)では、得られたニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して高温高圧下で浸出処理を施す。予備中和工程(S3)では、浸出工程(S2)にて得られた浸出スラリーのpHを所定範囲に調整する。固液分離工程(S4)では、pH調整をした浸出スラリーを多段洗浄しながら残渣を分離して、ニッケル及びコバルトと共に不純物元素を含む浸出液を得る。
中和工程(S5)では、固液分離工程(S4)で固液分離した浸出液のpHを調整し、不純物元素を含む中和澱物を分離してニッケル及びコバルトと共に鉄を含む中和終液を得る。脱亜鉛工程(S6)では、中和終液にHSガス2等の硫化剤を添加することで亜鉛硫化物を生成させ、その亜鉛硫化物を分離除去してニッケル及びコバルトを含むニッケル回収用母液を得る。
硫化工程(S7)では、ニッケル回収用母液に硫化剤を添加することでニッケル及びコバルトを含む混合硫化物を形成する。最終中和工程(S8)では、固液分離工程(S4)から移送された遊離硫酸の付着した浸出残渣と、硫化工程(S7)から移送されたマグネシウムやアルミニウム、鉄等の不純物を含むろ液(貧液)の中和を行う。なお、各工程の詳細については、図6を用いて後述する。
図2は、本システムを説明するためのブロック図である。図2に示す本システム100は、HPALによるニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスの硫化工程(S7)で生成された硫化物3に対し、鉄品位Fを安定して規定レベルに維持できるようにしたものである。すなわち、本システム100は、ニッケル及びコバルトを含有する硫酸水溶液(以下、「反応始液」又は単に「始液」ともいう)1からHSガス2を用いた硫化反応により生成された硫化物3(図1、図6)の状態でNi・Co混合硫化物を製造する工程をより良く管理するシステムである。
なお、図1の硫化工程(S7)において、加圧下でHSガス2を使用して硫化反応を行い、ニッケル及びコバルトを含有する硫酸水溶液からニッケル及びコバルトを硫化物3として回収する。その際、本システム100は、この硫化工程(S7)で余剰となったHSガス2をNaOH水溶液4で回収する。それによって得られたNaHS水溶液5は、硫化工程(S7)へ添加することにより再利用される。
図2に示すように、本システム100は、加圧反応容器(以下、単に「反応容器」ともいう)10と、鉄品位検出手段15と、Ni・Co回収手段20と、HS回収手段30と、NaHS水溶液添加手段40と、制御部50と、NaHS水溶液添加量検出手段51と、を備えて主要部が構成されている。
加圧反応容器10は、工程順に少なくとも2基が直列接続された第1反応槽11及び第2反応槽12と、を備えて構成されている。この加圧反応容器10は、湿式製錬プロセスの中で硫酸を用いて高圧酸浸出(HPAL)したニッケル及びコバルトを含有する硫酸水溶液1に加圧下で添加したHSガス2により硫化反応させて硫化物3(図1、図6)を生成させる。ここで、ニッケル及びコバルトを含有する硫酸水溶液1は、加圧反応容器10へ供給される。加圧反応容器10として使われる槽のうち最も上流に位置する第1反応槽11に、始液1及びHSガス2が供給されて硫化工程(S7)が実行される。
第1反応槽11へは硫化剤として純度95〜99%のHSガス2を供給する(HS濃度95〜100体積%)。また、ニッケル及びコバルトを硫化物として高い回収率で回収するために、硫化剤は必要理論当量よりも過剰に添加する。したがって有価金属の硫化反応に寄与しなかったHSガス2は余剰となり、硫化反応工程外へと排出される。
Ni・Co回収手段20は、生成された硫化物3を固液分離することによりニッケル及びコバルトを回収する。このNi・Co回収手段20では、ニッケル回収率Nが98.0%以上に維持されるような工程管理がなされている。そのため、特に、第1反応槽11には過剰なHSガス2を吹き込んで硫化反応を促進させている。HS回収手段30は、第1反応槽11の硫化反応で余剰になったHSガス2をNaOH水溶液4に吸収させたNaHS水溶液5の状態で回収する。
硫化反応工程では、下式[1]で示されるようなHSガス2による硫化反応に加えて、下式[2]で示されるような水硫化ソーダによる硫化反応が発生する(下式[1]、(2)においてMはNi、Co及びFeを表す)。
MSO+HS→MS+HSO・・・・・・・・・・・[1]
2NaHS+MSO→NaSO+MS+HS・・・・[2]
NaHS水溶液添加手段40は、HSガス2を吸収して生じたNaHS水溶液5を加圧反応容器10へ添加して硫酸水溶液1との反応に供する。鉄品位検出手段15は、加圧反応容器10で生成された硫化物3の鉄品位Fを検出する。制御部50は、鉄品位検出手段15により検出された鉄品位Fに基づいて、硫化剤の添加量を加減する。鉄品位Fが低いほど硫化剤の添加量を多くし、具体的には、NaHS水溶液添加手段40にNaHS水溶液5の添加流量Xを加減させる。加圧反応容器10にはNaHS水溶液添加量検出手段51が配設されており、NaHS水溶液5が添加される量Xを検出する。
なお、加圧反応容器10の構成について、図2では第1反応槽11及び第2反応槽12の2基で構成されているように示されているが、図4では第1反応槽11につなげられた第2反応槽12以降に、第3反応槽13及び第4反応槽14までの4基が直列に接続された構成が示されている。上述のように、第1反応槽11は硫酸水溶液1に過剰なHSガス2を吹き付けて硫化反応させ、第2反応槽12以降の反応槽では硫酸水溶液1にNaHS水溶液5を添加して硫化反応させる機能を主に有する。
なお、第1反応槽11と、第2反応槽12以降とは、添加する硫化剤について厳格に区別されたものではなく、必要に応じて併用することができる。硫化剤の供給量は、本方法及び本システム100において、種類ごとに区別して管理される。
制御部50は、不図示の操作盤等に配設されたコンピュータを備えて構成され、そのコンピュータに本システム100の各部に配設されたセンサが現在又は直近の状況を検出した信号を入力する。制御部50は、入力された信号を演算処理して、演算処理結果に基づいて、不図示の各アクチュエータ等を適切に制御することによりプロセスの工程管理に寄与するものである。
コンピュータは、パーソナルコンピュータを一部流用したもの、又は専用装置の何れでも良く、中央演算処理装置(CPU)と、そのCPUにより実行されるプログラムと、そのプログラムが予め記憶されているほか適宜に運転操作信号や工程管理用のデータを書き込み/読み出し自在に記憶する記憶装置と、モニタ及びキーボード等による入出力手段と、を備えて構成されている。なお、本システム100は、コンピュータ制御に限らず、運転員が各検出結果に対応した規定通りの手順で手動操作しても同等の効果が得られることはいうまでもない。
制御部50は管理指標算出手段53を有し、これにより算出された管理指標Wを、予め設定された管理基準値Qに適合させるように制御動作する。すなわち、制御部50は、加圧反応容器10の反応槽に供給される硫酸水溶液1の流量(以下、「供給流量」ともいう)Yに対する、NaHS水溶液5の添加流量Xを、管理指標W=X/Yとし、その管理指標Wを管理基準値Q≦0.15体積%に適合させるように、NaHS水溶液5の添加流量Xを制御する。
ここで、添加流量Xの数値は、NaHS水溶液添加量検出手段51によりリアルタイムに検出されて制御部50へ入力される。制御部50は、NaHS水溶液添加手段40に、管理指標W=X/Y=管理基準値Q≦0.15体積%を維持すると共に、鉄品位が0.80質量%を下回った程度に応じて量を増やすようなフィードバック制御により工程管理する。
制御部50は、鉄品位検出手段15が検出した硫化物3の鉄品位Fを0.80質量%以下とするように工程管理のプログラムを実行する。具体的には、上述した管理指標W=X/Y=管理基準値Q≦0.15体積%とする制御であり、第2反応槽12以降の硫化を適宜に抑制することにより実現する。この作用効果については図3を用いて後述する。
なお、鉄品位検出手段15、及びNi・Co回収率検出手段21については、例えば、蛍光X線分析法やICP発光分光分析法や原子吸光分析法を用いることができる。本発明者らは、このような分析法による検出手段を駆使して鋭意研究を重ねた結果、第2反応槽12以降でNaHS水溶液5を使用し、NaHS水溶液5の添加流量Xを増加させた場合に、生成硫化物3の鉄品位Fが増加する傾向があることを発見した。
第1反応槽11では、硫化物溶解度が低い元素であるコバルト及びニッケルが優先的に硫化反応する。これらコバルト及びニッケルの硫化が十分に進行したその次の段、すなわち第2反応槽12以降では、鉄が硫化されることがある。鉄の硫化を抑制するため、第2反応槽12以降へは硫化水素(HS)ガスのかわりに還元作用が比較的弱いNaHS水溶液を添加する。ところで、NaHSは上式[2]のほか下式[2.5]で示されるような中和反応を生じ、pHが上昇する。
NaHS+HSO→NaHSO+HS・・・・[2.5]
図3は、還元雰囲気に対する金属硫化物の生成し易さを説明するため、pHと各種金属硫化物の液中濃度との関係を示す図である。図3に示すグラフの横軸は硫酸水溶液のpHを、縦軸は硫酸水溶液中の金属イオンの濃度を示している。pHが高いほど、硫化剤は硫酸水溶液中の金属イオンに対する強い還元作用を伴って金属硫化物を生成する。鉄の硫化を防ぐには、pHの上昇や硫化剤の過度の添加を抑える必要があり、第2反応槽12以降へのNaHS水溶液5の添加流量Xを低減させることにより、これが可能となる。
図3において、硫酸水溶液1の流量Yに対する、NaHS水溶液5の添加流量Xを、上述の管理指標W=X/Y=管理基準値Q≦0.15体積%の臨界意義を模式的に説明する。図3の下部において、左方向を指す太い矢印Yは硫酸水溶液1の流量Yを増加した場合に相関している。
図3の下部において、右方向を指す太い矢印XはNaHS水溶液5の添加流量Xを増加した場合に相関している。X値とY値との相対的な大小関係が図3のY方向(左)へ偏っている場合、NiSとFeSの生成量はいずれも少なくなる。
逆に、X値とY値との相対的な大小関係が図3のX方向(右)へ偏っている場合、HSやNaHSの還元作用により、NiSとFeSの生成量はいずれも多くなる。このように、図3の左から右へと遷移した場合、NiSの生成が進んで液が薄まった後、FeSの生成比率が高められるものと考えられる。
すなわち、不純物としてFeを含むNi水溶液をpH3の条件でHSガス2と接触させた場合、図3の破線に示すようにpHの上昇に伴ってNiSを生成する。ここで、管理指標W>管理基準値Qとする程度にpHを上昇させ過ぎると、図3の実線に示すようにFeSも生成してしまう。
したがって、HSガス2の過剰な供給及びNaHS水溶液5の過剰な供給は、FeSの濃度を高めて不純物の増加を引き起こす。逆に、管理指標W<管理基準値Qとする程度にpHが低いままでは、図3の破線に示すように目的とするNiSの生成も抑制され、Ni回収率Nも低迷して生産効率が悪い。上述の管理指標W=X/Y=管理基準値Q≦0.15体積%を維持するように工程管理することにより、目標Ni回収率N≧98.0%、目標鉄品位F≦0.80質量%を達成することが可能である。
なお、ニッケル回収率Nは、反応始液と反応終液のニッケル濃度変化から求めたものであり下式[3]のように定義する。
ニッケル回収率N=(始液体積×始液ニッケル濃度−終液体積×終液ニッケル濃度)÷(始液体積×始液ニッケル濃度)・・・・・・・・・・・・[3]
図4は、本方法、及び本システムに用いられるHS回収手段の一例を説明する模式図である。図4に示すように、HS回収手段30は、第1反応槽11と、ガス洗浄塔31と、流体ポンプ33,34を含む配管等により構成され、HSガス2をNaOH水溶液4で吸収し、NaHS水溶液5を製造する装置である。
図4において、加圧型の第1反応槽11にニッケル及びコバルトを含有する硫酸水溶液からなる反応始液1が導入される。一方、硫化剤として、第1反応槽11にはHSガス2が供給されるほか、第2反応槽12に(必要に応じて第3反応槽13、第4反応槽14にも)はNaHS水溶液5が供給される。その結果、第1反応槽11〜第4反応槽14ではニッケル及びコバルトの硫化反応が行なわれ、下流の第4反応槽14の流出口からNi・Co混合硫化物を含む硫化反応後スラリー6が排出される。
また、第1反応槽11における未反応のHSガス2を含む排ガス17は、ガス洗浄塔31により処理される。ガス洗浄塔31では、有害有益なHSガス2をNaOH水溶液4に吸収させることにより、硫化剤として有益なNaHS水溶液5が得られる。この有益成分を分離回収すると共に無害化されたガスは大気放出32される。
なお、NaHS水溶液5の製造方法は状況に応じて、以下の第1〜第3方法を適用可能である。第1方法によれば、ガス洗浄塔31で、25質量%NaOH水溶液4のpHが13.7になるまでHSガス2を吹き込むことによってNaHS水溶液5が製造される。第2方法によれば、ガス洗浄塔31を要さず、試薬(NaHS)を水で希釈することによって、濃度7.45mol/LのNaHS水溶液5が製造される。また、第3方法は第2方法の適宜調整例であり、第2方法で得られた濃度7.455mol/LのNaHS水溶液5に、濃度0.51mol/LでNaOHが含まれるように適宜調整される。これら第1〜第3方法の何れによるNaHS水溶液5であっても、水硫化ナトリウムが水溶性の高い性質であるため、短時間で溶解できる。
第1反応槽11内の圧力としては、ニッケル及びコバルトの硫化反応を進行させるため、100〜300kPaGであることが好ましい。なお、第1反応槽11としては、多段に連結して用いることが効率的であり、その場合には、実質反応時間を確保するために上流側ほど高い圧力とし、第1段の第1反応槽11を250〜300kPaGとし、徐々に圧力を降下させ、最終段の第4反応槽14では100〜150kPaGとすることが好ましい。このような圧力配分により、HSガス2による硫化反応が効率的に促進される。
図5は本方法の主要な工程、特に図1の硫化工程(S7)のみを詳細に説明するためのフローチャートである。図5に示すように、本方法は、主要工程として、硫化反応工程(S10)と、固液分離工程(S20)と、HS回収工程(S30)と、鉄品位検出工程(S31)と、NaHS水溶液添加量調整工程(S40)と、を有して実行される。なお、図5に示す各工程(S10)〜(S40)は、必ずしも厳格に図示した順番どおりに実行される必要はない。
硫化反応工程(S10)では、硫化物3が鉄品位F≦0.80質量%に維持されるように工程管理されている。また、硫化反応工程(S10)には、第1反応工程(S11)と、第2反応工程(S12)とを有する。なお、これら第1反応工程(S11)と、第2反応工程(S12)とは、順番どおりに実行することが必須の要件である。
第1反応工程(S11)では、第1反応槽11において、硫酸水溶液1にHSガス2を吹き付けて硫化反応させる。第2反応工程(S12)では、第2反応槽12〜第4反応槽14における硫酸水溶液1に対し、HSガス2に代えてNaHS水溶液5を硫化剤として添加する。
固液分離工程(S20)では、硫酸水溶液1から硫化物3の状態で固液分離することにより、Ni及びCoをそれぞれ回収する。ここで、ニッケル回収率N≧98.0%を維持するように工程管理される。HS回収工程(S30)では、図4を用いて説明した要領で、第1反応槽11における未反応HSガス2をNaHS水溶液5の状態で回収する。
鉄品位検出工程(S31)では、硫化物3の鉄品位Fを検出する。第2反応工程(S12)で添加するNaHS水溶液5の量は、鉄品位Fに基づいて制御される。その制御目的は、生成硫化物3において、Ni回収率Nを高く、鉄品位Fは安定的に低く維持することにある。
NaHS水溶液添加量調整工程(S40)では、NaHS水溶液5の添加流量Xと、硫酸水溶液1の流量Yとより、管理指標(W=X/Y)=管理基準値Q≦0.15体積%、に適合する関係を維持できるように工程管理する。
図6は、図1の工程をより詳細に説明するためのフローチャートである。図1にも示したように、このニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスは、スラリー調製工程(S1)〜最終中和工程(S8)を有する湿式製錬工程である。特に、本方法、及び本システム100は、その中の硫化工程(S7)において、Ni・Co混合硫化物の鉄品位Fを安定的に低く維持できるものである。その硫化工程(S7)での管理方法について、本発明の一実施形態に係る実施例1,2、及び比較例1,2を列挙し、それらの成績について後述する。
<スラリー調製工程>
スラリー調製工程(S1)では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石を用いて、数種類のニッケル酸化鉱石を所定のNi品位、不純物品位となるように混合し、それらに水を添加してスラリー化し、篩にかけて所定の分級点で分級してオーバーサイズの鉱石粒子を除去した後に、アンダーサイズの鉱石のみを使用する。
スラリー調製工程(S1)で用いるニッケル酸化鉱石は、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱である。ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8〜2.5質量%であり、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、鉄の含有量は、10〜50質量%であり、主として3価の水酸化物(ゲーサイト)の形態であるが、一部2価の鉄がケイ苦土鉱物に含有される。このスラリー調製工程(S1)で用いるニッケル酸化鉱石には、このようなラテライト鉱のほか、ニッケル、コバルト、マンガン、銅等の有価金属を含有する酸化鉱石、例えば深海底に賦存するマンガン瘤等を用いても良い。
ニッケル酸化鉱石の分級方法については、所望する粒径に基づいて鉱石を分級できるものであれば特に限定されず、例えば、一般的な振動篩等を用いた篩分けによって行うことができる。さらに、その分級点についても、特に限定されず、所望する粒径値以下の鉱石粒子からなる鉱石スラリーを得るための分級点を適宜設定することができる。
<浸出工程>
浸出工程(S2)では、ニッケル酸化鉱石に対して、HPAL法を用いた浸出処理を施す。具体的には、原料となるニッケル酸化鉱石を粉砕等して得られた鉱石スラリーに硫酸を添加し、例えば高温加圧容器(オートクレーブ)を用いて、220〜280℃の高い温度条件下で加圧することによって鉱石からニッケル、コバルト等を浸出し、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを形成する。
この浸出工程(S2)における浸出処理では、浸出反応と高温加水分解反応が生じ、ニッケル、コバルト等の硫酸塩としての浸出と、浸出された硫酸鉄のヘマタイトとしての固定化が行われる。ただし、鉄イオンの固定化は完全には進行しないため、通常、得られる浸出スラリーの液部分には、ニッケル、コバルト等のほかに2価と3価の鉄イオンが含まれる。
浸出工程(S2)における硫酸の添加量としては、特に限定されるものではなく、鉱石中の鉄が浸出されるような過剰量が用いられる。
<予備中和工程>
予備中和工程(S3)では、浸出工程(S2)にて得られた浸出スラリーのpHを所定範囲に調整する。上述したHPAL法による浸出処理を行う浸出工程(S2)では、浸出率を向上させる観点から過剰の硫酸を加えるようにしている。そのため、得られた浸出スラリーには浸出反応に関与しなかった余剰の硫酸が含まれており、そのpHは非常に低い。このことから、予備中和工程(S3)では、次工程の固液分離工程(S4)における多段洗浄時に効率よく洗浄が行われるように、浸出スラリーのpHを所定の範囲に調整する。
具体的に、固液分離工程(S4)に供する浸出スラリーは、そのpHを2〜6程度、好ましくは、2.5〜3.4に調整する。pHが2より低いと、後工程の設備を耐酸性とするためのコストが必要となる。一方で、pHが6より高いと、浸出液(スラリー)中に浸出したニッケルが、洗浄の過程で沈殿して残渣に随伴して失われると共に、洗浄効率が低下する可能性がある。
<固液分離工程>
固液分離工程(S4)では、予備中和工程(S3)にてpH調整された浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケル及びコバルトのほか不純物元素として亜鉛や鉄を含む浸出液と、浸出残渣とを得る。
この固液分離工程(S4)では、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、固液分離装置としてシックナーを多段に設けて固液分離処理を施す。具体的には、先ず、浸出スラリーが洗浄液により希釈され、次に、スラリー中の浸出残渣がシックナーの沈降物として濃縮される。これにより、浸出残渣に付着するニッケル分をその希釈の度合いに応じて減少させることができる。また、このようにシックナーを多段に連結して用いることにより、ニッケル及びコバルトの回収率の向上を図ることができる。
固液分離工程(S4)における多段洗浄方法として、ニッケルを含まない洗浄液を向流に接触させる連続向流洗浄法(CCD法:Counter Current Decantation法)を用いる。これにより、系内に新たに導入する洗浄液を削減できると共に、ニッケル及びコバルトの回収率を向上させることができる。
洗浄液としては、ニッケルを含まず、工程に影響を及ぼさないものを用いることができる。その中でも、pHが1〜3の水溶液を用いることが好ましい。洗浄液のpHが高いと、浸出液中にアルミニウムが含まれる場合には嵩の高いアルミニウム水酸化物が生成され、シックナー内での浸出残渣の沈降不良の原因となる。このことから、洗浄液としては、好ましくは、後工程である硫化工程(S7)で得られる低pH(pHが1〜3程度)の貧液を繰り返して利用すると良い。
<中和工程>
中和工程(S5)では、固液分離工程(S4)にて分離された浸出液のpHを調整し、不純物元素を含む中和澱物を分離して、ニッケル及びコバルトと共に亜鉛や鉄を含む中和終液を得る。より具体的には以下のとおりである。
中和工程(S5)では、浸出液に炭酸カルシウム等の中和剤を添加する。中和剤の添加量は、中和によって得られる中和終液のpHが4以下、好ましくは3.0〜3.5、より好ましくは3.1〜3.2になるように調節する。
中和工程(S5)では、このように浸出液に対する中和処理を施すことで、HPAL法による浸出処理で用いた過剰の酸を中和してニッケル回収用の母液の元となる中和終液を生成する。ここで中和終液を生成すると同時に不純物を中和澱物として除去する。この中和澱物とは、溶液中に残留する3価の鉄イオンやアルミニウムイオン等の不純物が水酸化物として形成されたものである。この中和澱物は固液分離工程(S4)に戻し入れても良い。
<脱亜鉛工程>
脱亜鉛工程(S6)では、中和工程(S5)から得られた中和終液にHSガス等の硫化剤を添加することにより亜鉛硫化物を生成させ、その亜鉛硫化物を分離除去してニッケル及びコバルトを含むニッケル回収用母液(脱亜鉛終液)を得る。より具体的には、以下のとおりである。
例えば、加圧された容器内にニッケル及びコバルトと共に亜鉛を含む中和終液を導入し、気相中へHSガスを吹き込むことによって、亜鉛をニッケル及びコバルトに対して選択的に硫化し、亜鉛硫化物とニッケル回収用母液とを生成する。
<硫化工程>
硫化工程(S7)では、ニッケル回収用母液である脱亜鉛終液を硫化反応始液として、その硫化反応始液に対して硫化剤としてのHSガス2を吹き込むことによって硫化反応を生じさせ、Ni・Co混合硫化物を生成させ、ニッケル及びコバルトに乏しい貧液を取り除く。
硫化工程(S7)における硫化処理は、硫化反応槽等を用いて行うことができ、硫化反応槽に装入した硫化反応始液に対して、その反応槽内の気相部分にHSガス2を吹き込み、溶液中にHSガス2を溶解させることで硫化反応を生じさせる。
この硫化処理により、硫化反応始液1中に含まれるニッケル及びコバルトを混合硫化物3として固定化する。硫化反応の終了後、得られたニッケル・コバルト混合硫化物を含むスラリーをシックナー等の固液分離装置に装入して沈降分離処理を施し、その混合硫化物を分離回収する。
なお、残る水溶液成分は、シックナーの上部からオーバーフローさせて貧液として回収する。回収した貧液は、ニッケル等の有価金属濃度の極めて低い溶液であり、硫化されずに残留した鉄、マグネシウム、マンガン等の不純物元素を含む。この貧液は、最終中和工程(S8)に移送されて無害化処理される。あるいは、固液分離工程(S4)における洗浄液として、貧液を用いても良い。
<最終中和工程>
最終中和工程(S8)は、上述した固液分離工程(S4)から移送された遊離硫酸を伴う浸出残渣と、硫化工程(S7)から移送されたマグネシウムやアルミニウム、鉄等の不純物を含むろ液(貧液)の中和を行う。最終中和工程(S8)とは、湿式製錬プロセスから外部にスラリーを廃棄するために行う中和であり、湿式製錬プロセスの最後に行う中和工程のことをいう。
浸出残渣やろ液は、中和剤によって所定のpH範囲に調整され、廃棄スラリー(テーリング)となる。この反応槽にて生成されたテーリングは、テーリングダム(廃棄物貯留場)に移送される。具体的に、最終中和工程(S8)では、浸出残渣に含まれる遊離硫酸を完全に中和し、ろ液に含まれる不純物を水酸化物として固定し、不純物の水酸化物を含むスラリーをテーリングダムに排出する。
<硫化剤の有効利用>
本方法は、硫化剤が有効利用できる点でも有利であるので今から説明する。
硫化工程(S7)における上式[1],[2]は水素イオン生成反応であるため、硫化反応が進むにつれてpHが低下し、反応速度が低下する。そのため、高いNi回収率Nを実現するには、硫化剤を過剰に使用することになっていた。
そこで、回収したNaHS水溶液5を第2反応槽12以降へ供給することにより、上式[1]で生成された硫酸(HSO)の中和反応[2.5]によりpHおよび反応速度の低下が抑制され、同時に、NaHSによる補助的な硫化反応により硫化物を生成するので、硫化剤の使用量を抑制できる。また、上式[2]で発生するHSガス2も有効に反応に寄与する。このように、排出された未反応のHSガス2は、NaHSを経由して、硫化反応に利用されるので、HSガス2の利用効率を大幅に向上することができる。
本方法において、NaHSとしては、硫化物3を製造する際に加圧反応容器10から排出された未反応のHSガス2をNaOH水溶液4で吸収させて得たものが用いられる。リサイクル利用を重視しなければ、市販品の硫化アルカリも利用可能である。未反応のHSガス2をNaOH水溶液4で吸収する方法としては、特に限定されるものではなく、吸収液としてNaOH水溶液4を用いたガス吸収塔、洗浄搭(スクラバー)等の通常の反応効率に優れた各種の装置が用いられる。
ここで、排ガス17中のHSガス2は、下式[4]に従って、NaHS水溶液5を形成する。このとき得られるNaHS水溶液5の濃度は、特に限定されるものではないが、以下に示す適正値が好ましい。すなわち、排ガス中のHSガス2の無害化の目的が十分に達成されるように、NaOH水溶液4の濃度及び供給量が調整される。例えば、濃度18〜30質量%のNaOH水溶液4を用いて、濃度20〜35質量%のNaHS水溶液5が得られる。
NaOH + HS → NaHS + HO ・・・・・・[4]
このように、硫化剤の使用量を抑制しながら目標Ni回収率N≧98%を安定的に得ることができるので、硫化剤の過剰な添加を抑制することにより、鉄の硫化も安定的に抑制することができる利点も生じる。硫化剤などの条件については続いて例示する。
本方法に用いる硫化剤の供給量は、硫化物3の鉄品位Fに応じて調節することができ、鉄品位Fの上限値(例えば、0.80質量%)を下回る度合に応じて硫化剤の添加量を多くすることが望ましい。なお、反応始液として用いるニッケル及びコバルトを含有する硫酸水溶液1中に含まれるニッケル及びコバルトを上式[1]に従って硫化する際に必要とされる反応当量の1.0〜1.1倍程度の範囲内で調節する。これ以上の過剰の添加は、第1反応槽11からの排出される未反応のHSガス2が増加して無駄が増大する。
本方法に用いる硫酸水溶液1のpHは、硫化反応を進行させるため、3.0〜3.5であることが好ましい。すなわち、硫酸水溶液のpHが3.0未満では、前段の中和工程で鉄、アルミニウム等を十分に除去できない。一方、硫酸水溶液のpHが3.5を超えると、ニッケルやコバルトの水酸化物の生成が懸念される。
本方法に用いる硫酸水溶液1の温度は、65〜90℃であることが好ましい。すなわち、硫化反応自体は一般的に高温ほど促進されるが、90℃を超えると、温度を上昇するためにコストがかかること、反応速度が速いため加圧反応容器10への硫化物3が付着すること等の不具合も生じ易くなる。
以下、本発明の実施例と、それに対応する比較例とを対比して本発明の作用効果をより詳細に説明し、判定結果を下表1に示す。なお、実施例及び比較例は、以下の反応条件に統一し、液中の金属に対する分析はICP発光分析によるほか、硫化物3中の不純物品位の測定は蛍光X線元素分析法で行った。また、HSガス2濃度分析は、UVタイプの測定器で行った。
図2に示した本システム100は、図4により詳細な4段に明示した加圧反応容器10と、排ガス17中における未反応のHSガス2からNaHS水溶液5を製造するガス洗浄塔31と、を備えて構成されている。また、本システム100を用いた本方法は、図1、図5及び図6に示した硫化工程(S7)の中で実行される。
なお、通常の操業においては、原料鉱石の組成変動、浸出工程(S2)、固液分離工程(S4)、中和工程(S5)等により、硫化工程(S7)へ導入される反応始液1の供給流量Y及び組成が変動する。しかし、その変動の影響をできるだけ除去して実施例1,2及び比較例1,2の評価を行う。そのため、硫化工程(S7)へ導入する反応始液1について、その導入流量Yを概ね400〜450m/Hrに維持すると共に、始液1のNi濃度は概ね3.7〜4.0g/Lに維持するようにした。
このとき、HSガス2濃度は95〜100体積%(純度95〜99%)、反応始液1のpHは3.0〜3.5)、反応温度は65〜90℃、に設定した。また、加圧反応容器10の内圧の目標値は、第1段目の第1反応槽11が270kPaG、第2段目の第2反応槽12が220kPaG、第3段目の第3反応槽13が180kPaG、第4段目の第4反応槽14が150kPaGに設定された。なお、加圧反応容器10の気液界面の面積は、4段合計で100〜120mである。
本発明の実施例1,2及び比較例1,2に係る何れの場合も、4基の第1〜第4反応槽11〜14が直列に接続された加圧反応容器10を用いている。これにより、硫化反応が連続的に実行される。ここで、HSガス2の吹き込み流量は650〜750m/Hrとし、その全量を第1反応槽11に吹き込んだ。なお、NaHS水溶液5は、ガス洗浄塔31から濃度20〜35質量%で回収され、その添加流量Xは1.0〜1.5m/Hrとし、そこから下表1の添加比率に制御された分量だけを第2反応槽12に添加し、その残余分(もしあれば)を第1反応槽11に添加した。
Figure 0006747620
[実施例1]
上述の反応条件下で第2反応槽12におけるNaHS水溶液5の添加流量Xを始液流量Yの0.05体積%に調整し、残りのNaHS水溶液5は第1反応槽11へ添加した。その結果、硫化工程全体でのニッケル回収率Nは98.3%、硫化物の鉄品位Fは0.68質量%であり、表1の◎印で示すように、非常に良好な結果が得られた。
[実施例2]
上述の反応条件下で第2反応槽12におけるNaHS水溶液5の添加流量Xを始液流量Yの0.15体積%に調整し、残りのNaHS水溶液5は第1反応槽11へ添加した。その結果、硫化工程全体でのニッケル回収率Nは98.6%、硫化物の鉄品位Fは0.79質量%であり、表1の〇印で示すように、良好な結果が得られた。
[比較例]
[比較例1]
上述の反応条件下で第2反応槽12におけるNaHS水溶液5の添加流量Xを始液流量Yの0.21体積%に調整し、残りのNaHS水溶液5は第1反応槽11へ添加した。その結果、硫化工程全体でのニッケル回収率Nは98.8%と要求を満たすものの、硫化物3の鉄品位Fは0.93質量%と実施例1,2に比較して高いため、表1の×印で示すように、許容品質の範囲から外れる結果となった。
[比較例2]
上述の反応条件下で第2反応槽12におけるNaHS水溶液5の添加流量Xを始液流量Yの0.23体積%に調整し、残りのNaHS水溶液5は第1反応槽11へ添加した。その結果、硫化工程全体でのニッケル回収率Nは98.6%と要求を満たすものの、硫化物3の鉄品位Fは1.32質量%と実施例1,2に比較して高いため、表1の×印で示すように、許容品質の範囲から外れる結果となった。
比較例1,2に対する実施例1,2の判定結果は、表1に示すとおりであり、実施例1および2が、特に実施例1の方が、比較例1,2よりも良好である。上表1に示すように、本システム100、及びそれを用いた本方法によれば、ニッケル及びコバルトを含有する硫酸水溶液1に、加圧下に硫化剤としてHSガス2を添加してニッケル及びコバルトを含む硫化物を製造するプロセスにおいて、第2反応槽12以降へのNaHS水溶液5の添加流量Xを、供給されるニッケル及びコバルトを含有する硫酸水溶液1の流量Yの0.15体積%以下とすることで、高効率のニッケル回収率Nを維持しつつ、生成硫化物3の鉄品位Fを0.80質量%以下に安定化して低く維持できる。
このように、本発明によれば、Ni・Co混合硫化物の鉄品位Fをより安定的に制御できる新たな工程管理の方法、及びそれを実現するシステムが構成できる。これによる生成硫化物を原料とする製錬工程での不純物除去の負荷を低減できるので、その工業的価値は極めて大きい。また、過剰なHSガス2の添加によって必要以上に鉄品位Fを低下させることも無いため、ニッケルロスを削減することができる。このことは、高価なHSガス2の使用量も削減されていることを意味する。
なお、上記のように本発明の一実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、Ni・Co硫化物製造方法や鉄品位安定化システムの構成も本発明の一実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
以上より明らかなように、本発明は、ニッケル酸化鉱石のHPAL法による湿式製錬プロセスにおいて、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加し、高温高圧下で浸出する工程で得られた浸出液から、不純物を分離して得られたニッケル回収用母液から、ニッケル及びコバルトを硫化物として回収する硫化工程において好適に用いられる。
1 硫酸水溶液(反応始液)、2 HSガス、3 硫化物、4 NaOH水溶液、5 NaHS水溶液、6 硫化反応後スラリー、10 加圧反応容器、11〜14 第1〜第4反応槽、15 鉄品位検出手段、16 硫酸水溶液流量検出手段、17 (未反応のHSガス2を含む)排ガス、20 Ni・Co回収手段、30 HS回収手段、31 ガス洗浄塔、32 大気放出、33,34 流体ポンプ、40 NaHS水溶液添加手段、50 制御部、51 NaHS水溶液添加量検出手段、53 管理指標算出手段、100 鉄品位安定化システム(本システム)、F 鉄品位、N ニッケル回収率、Q 管理基準値、X (NaHS水溶液5の)添加流量、Y (硫酸水溶液1)の流量、S10 硫化反応工程、S11 第1反応工程、S12 第2反応工程、S20 固液分離工程、S30 HS回収工程、S31 鉄品位検出工程、S40 NaHS水溶液添加量調整工程、W 管理指標(=X/Y)

Claims (7)

  1. ニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスで硫酸を用いて高圧酸浸出(HPAL)したニッケル及びコバルトを含有する硫酸水溶液からのNi・Co硫化物製造方法であって、
    前記硫酸水溶液に、加圧下で添加したHSガスにより硫化反応させる硫化反応工程と、
    前記硫化反応により生成された硫化物の状態でニッケル及びコバルトを回収する固液分離工程と、
    前記硫化反応で余剰となったHSガスをNaOH水溶液に吸収させてNaHS水溶液の状態で回収するHS回収工程と、
    前記硫化反応により生成された前記硫化物の鉄品位を検出する鉄品位検出工程と、
    前記HSガスを吸収した前記NaHS水溶液を前記硫化反応工程へ戻して反応中の前記硫酸水溶液に添加するNaHS水溶液添加量調整工程と、
    を有し、
    前記硫化反応工程には、工程順に少なくとも第1反応工程及び第2反応工程を有し、
    前記第1反応工程は前記硫酸水溶液に前記HSガスを吹き付けて硫化反応させ、
    前記第2反応工程以降の反応工程では前記硫酸水溶液に前記NaHS水溶液を添加して硫化反応させ、
    前記NaHS水溶液添加量調整工程では、前記鉄品位検出工程により検出された鉄品位に基づいて前記NaHS水溶液の添加流量Xを制御部が加減するようにし、前記第2反応工程以降の反応工程に供給される前記硫酸水溶液の流量Yに対し、前記NaHS水溶液の添加流量Xを、管理指標W=X/Yが0.15体積%以下となるように、前記制御部において制御するNi・Co硫化物製造方法。
  2. 前記硫化反応工程では、前記制御部が前記硫化物の鉄品位を0.80質量%以下とする請求項1記載のNi・Co硫化物製造方法。
  3. 前記固液分離工程のニッケル回収率を98.0%以上とする請求項1又は2に記載のNi・Co硫化物製造方法。
  4. ニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスで生成された硫化物に対する鉄品位安定化システムであって、
    前記湿式製錬プロセスの中で硫酸を用いて高圧酸浸出(HPAL)したニッケル及びコバルトを含有する硫酸水溶液に加圧下で添加したHSガスにより硫化反応させて硫化物を生成させる加圧反応容器と、
    前記生成された硫化物の状態でニッケル及びコバルトを回収するNi・Co回収手段と、
    前記加圧反応容器の前記硫化反応で余剰になったHSガスをNaOH水溶液に吸収させたNaHS水溶液の状態で回収するHS回収手段と、
    前記HSガスを吸収したNaHS水溶液を前記加圧反応容器へ戻して前記硫酸水溶液に添加するNaHS水溶液添加手段と、
    前記加圧反応容器で生成された前記硫化物の鉄品位を検出する鉄品位検出手段と、
    該鉄品位検出手段により検出された鉄品位に基づいて、前記NaHS水溶液添加手段に前記NaHS水溶液の添加流量Xを加減させる制御部と、
    を備えた鉄品位安定化システム。
  5. 前記加圧反応容器は工程順に少なくとも第1反応槽及び第2反応槽を備えて構成され、
    前記第1反応槽は前記硫酸水溶液に前記HSガスを吹き付けて硫化反応させる機能を有し、
    前記第2反応槽以降の反応槽では前記硫酸水溶液に前記NaHS水溶液を添加して硫化反応させる機能を有し、
    前記制御部は、前記第2反応槽以降の反応槽に供給される前記硫酸水溶液の流量Yに対し、前記NaHS水溶液の添加流量Xを、管理指標W=X/Yが0.15体積%以下となるように制御する請求項記載の鉄品位安定化システム。
  6. 前記制御部は前記硫化物の鉄品位を0.80質量%以下とする請求項記載の鉄品位安定化システム。
  7. 前記Ni・Co回収手段ではニッケル回収率を98.0%以上とする請求項4〜6の何れかに記載の鉄品位安定化システム。
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