JP7200698B2 - ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明に係るニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本発明の実施形態の湿式製錬方法(以下、単に「湿式製錬プロセス」とも称する)は、図1に示す高圧酸浸出法(HPAL法)のプロセスフローに沿って原料のニッケル酸化鉱石を処理してニッケルコバルト混合硫化物を作製するものであり、そのニッケル回収工程において不純物品位の制御が行われる。なお、本明細書においては、「X~Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、特にことわらない限り「X以上Y以下」を意味している。
浸出工程S1では、原料としてのコバルトを含むニッケル酸化鉱石を所定の粒度に粉砕した後、水を加えて所定のスラリー濃度に調製した鉱石スラリーをオートクレーブと称する圧力容器に硫酸と共に装入し、該鉱石スラリーに対して攪拌しながら、圧力3~4.5MPaG程度、温度220~280℃程度の高温高圧条件下で高圧酸浸出処理を施すことによって、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを生成する。
MO+H2SO4→MSO4+H2O
(式中、Mは、Ni、Co、Fe、Zn、Cu、Mg、Cr、Mn等を表す)
[式2]
2Fe(OH)3+3H2SO4→Fe2(SO4)3+6H2O
[式3]
FeO+H2SO4→FeSO4+H2O
[式4]
2FeSO4+H2SO4+1/2O2→Fe2(SO4)3+H2O
[式5]
Fe2(SO4)3+3H2O→Fe2O3+3H2SO4
予備中和工程S2では、上記浸出工程S1にて得た浸出スラリーのpHを所定の範囲に調整する。すなわち、前述したように上記浸出工程S1の高圧酸浸出処理では、浸出率を向上させる観点から過剰の硫酸が添加されるため、オートクレーブから抜き出される浸出スラリーにはフリー硫酸(浸出反応に関与しなかった余剰の硫酸であり、遊離硫酸とも称する)が含まれており、そのpHは非常に低い。そこで、予備中和工程S2では、次工程の固液分離工程S3における多段洗浄の際に効率よく洗浄が行われるように、浸出スラリーのpHを好ましくは2~6程度の範囲内に調整する。
固液分離工程S3では、上記予備中和工程S2にてpH調整された浸出スラリーを洗浄液と共にシックナー等の沈降分離設備に導入し、更に凝集剤供給設備等から供給される好適にはアニオン系の凝集剤を添加することで、浸出残渣を洗浄しながら凝集させて効率的に沈降分離を行う。これにより、ニッケル及びコバルトのほか亜鉛等の不純物元素を含む浸出液(粗硫酸ニッケル水溶液)が得られる。上記のようにシックナーを用いる場合は、浸出スラリー中の浸出残渣が沈降物として濃縮され、その際、洗浄液による浸出スラリーの希釈の度合いに応じて、浸出残渣に付着するニッケル分を減少させることができる。濃縮スラリーの形態でシックナーの底部から抜き出される浸出残渣は、後述する最終中和工程S8において中和処理が施されることで重金属が除去された後、テーリングダムに移送される。
中和工程S4では、上記固液分離工程S3において浸出残渣から分離された粗硫酸ニッケル水溶液からなる浸出液に炭酸カルシウム等のpH調整剤を添加し、これによりpH調整することで、該浸出液の酸化を抑制しながら不純物元素を含む中和澱物を生成する。この中和澱物を固液分離により除去することで、ニッケル及びコバルトと共に主に亜鉛からなる不純物元素を含む中和終液が得られる。この中和工程S4では、中和終液のpHが4以下、好ましくは3.0~3.5、より好ましくは3.1~3.2になるように上記pH調整を行うのが好ましく、これにより浸出液中に残留する主に3価の鉄イオンやアルミニウムイオンを中和澱物として効果的に除去することができる。
脱亜鉛工程S5では、例えば微加圧された脱亜鉛反応槽に上記中和工程S4で処理された中和終液を導入し、更に該反応槽の気相中に硫化水素ガスなどの硫化剤を吹き込むことにより硫化処理を施す。これにより、ニッケル及びコバルトに対して亜鉛が選択的に硫化され、亜鉛硫化物が生成される。この亜鉛硫化物を分離除去することにより、ニッケル及びコバルトを含む硫酸溶液からなるニッケル回収母液(脱亜鉛終液)が得られる。なお、このニッケル回収母液は、通常は不純物成分としての鉄、マグネシウム、マンガン等を各々数g/L程度含んでいる。
ニッケル回収工程S6では、上記脱亜鉛反応槽よりも高い圧力に加圧された硫化反応槽に上記ニッケル回収母液を導入し、更に硫化剤として硫化水素ガス及び水硫化ナトリウムを添加する。これにより、硫化反応を生じさせてニッケル及びコバルトを含む硫化物(ニッケルコバルト混合硫化物)を生成する。このニッケルコバルト混合硫化物は、ろ過などの固液分離により固形分として回収され、液側にはニッケル回収終液が排出される。
上記のニッケル回収工程S6においてニッケルコバルト混合硫化物の回収時に液相側として排出されるニッケル回収終液には、脱亜鉛工程S5やニッケル回収工程S6において添加した硫化水素などの硫化剤のうち未反応のものが溶存している。そのため、硫化剤除去工程S7では該ニッケル回収終液に対して空気を吹き込むと共に、後述する最終中和工程S8で生成した酸化性スラリーを添加し、該ニッケル回収終液に含まれる硫化剤に起因する溶存硫化水素を硫黄として固定化して除去する。これにより貧液が得られる。
上記硫化剤除去工程S7での処理により得られる貧液は、鉄のほか、マグネシウム、マンガン、アルミニウム等の不純物成分を含み得るため、最終中和工程S8では上記貧液及び上記固液分離工程S3からスラリーの形態で排出される浸出残渣に対して石灰石などの中和剤を添加して所定のpH範囲に調整する中和処理(無害化処理)を施す。これにより、これら貧液や浸出残渣スラリーに含まれる3価の鉄から水酸化鉄を析出させる。なお、この最終中和工程S8では、上記の無害化処理によりマンガン等の不純物成分も排出基準を満たすまで除去することができ、系外に放出可能な排水終液が得られる。
本発明の実施形態に係る湿式製錬方法では、上記ニッケル回収工程S6において、硫化反応槽内の硫化反応始液に添加する水硫化ナトリウムの添加量を調整することにより、不純物であるマグネシウムの濃度を制御している。硫化反応槽が直列に連結する4基の反応槽で構成される場合について具体的に説明すると、図2に示すように、4基の反応槽のうちの最も上流側に位置する第1の反応槽1に、硫化反応始液であるニッケル回収母液が供給されると共に、ガス吹き込み口から第1の反応槽1内の気相部分に化学量論量の1.5~2.5倍程度の過剰の硫化水素ガスが吹き込まれる。
S2 予備中和工程
S3 固液分離工程
S4 中和工程
S5 脱亜鉛工程
S6 ニッケル回収工程
S7 硫化剤除去工程
S8 最終中和工程
1 第1の反応槽
2 第2の反応槽
3 第3の反応槽
4 第4の反応槽
5 固液分離装置
6 充填塔
7 演算手段
Claims (4)
- ニッケル酸化鉱石を硫酸溶液と共に加圧容器に入れて高圧下で酸浸出する浸出工程と、該浸出工程で得た浸出スラリーを洗浄しながら浸出残渣を分離除去してニッケル及び不純物元素を含む浸出液を得る固液分離工程と、該浸出液に中和剤を添加してpH調整すると共に凝集剤を添加して不純物元素を含む中和澱物を生成した後、該中和澱物を分離除去してニッケルを含む中和終液を得る中和工程と、該中和終液に硫化剤を添加して亜鉛硫化物を生成した後、該亜鉛硫化物を分離除去してニッケル回収母液を得る脱亜鉛工程と、該ニッケル回収母液に硫化剤として水硫化ナトリウムと過剰の硫化水素ガスとを添加してニッケルを含む混合硫化物を生成した後、該混合硫化物を固液分離により回収するニッケル回収工程とからなるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法であって、
前記ニッケル回収母液におけるニッケル濃度に対するマグネシウム濃度の濃度比に応じて前記水硫化ナトリウムの添加量を調整することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。 - 前記水硫化ナトリウムは、前記過剰に添加した硫化水素ガスのうち、未反応ガスとして放出されるものを水酸化ナトリウム水溶液で吸収することで生成することを特徴とする、請求項1に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
- 前記水硫化ナトリウムの添加量の調整は、前記水酸化ナトリウム水溶液の添加量で間接的に調整されることを特徴とする、請求項2に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
- 前記ニッケル回収母液のニッケル濃度に対するマグネシウム濃度の濃度比が2.5を超える場合は、前記ニッケル回収母液中のニッケル1モルに対して添加する水酸化ナトリウムのモル量を0.17以上0.27以下で制御し、前記ニッケル回収母液のニッケル濃度に対するマグネシウム濃度の濃度比が2.0を超え2.5以下の場合は、前記ニッケル回収母液中のニッケル1モルに対して添加する水酸化ナトリウムのモル量を0.20以上0.40以下で制御し、前記ニッケル回収母液のニッケル濃度に対するマグネシウム濃度の濃度比が1.2を超え2.0以下の場合は、前記ニッケル回収母液中のニッケル1モルに対して添加する水酸化ナトリウムのモル量を0.24以上0.40以下で制御することを特徴とする、請求項3に記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
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