JP6213586B2 - 硫化処理方法、硫化物の製造方法、及びニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法 - Google Patents

硫化処理方法、硫化物の製造方法、及びニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法 Download PDF

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Description

本発明は、ニッケルを含む硫酸酸性溶液から硫化剤による硫化反応に基づき、ニッケルの硫化物を生成させる硫化処理の方法に関するものである。
ニッケル酸化鉱石を原料とするニッケル湿式製錬の分野においては、近年、高温高圧下で酸浸出する高圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leach)法による、低ニッケル品位鉱石からの有価金属の回収が実用化されている。そして、HPAL法によってニッケル酸化鉱石より浸出されたニッケル、コバルト等の有価金属の回収については、加圧下で有価金属を含む硫化浴に硫化水素ガス等の硫化剤を添加することにより、硫化物として回収する方法が一般的に行われている。
その硫化処理においては、効率よく硫化反応を生じさせるための方法として、反応容器の圧力、反応時間、反応溶液のpH、種晶の添加等を調整する方法が知られている。
また、硫化反応の反応効率の改善手段の一つとして、例えば特許文献1には、反応容器に水硫化ナトリウムを添加するという方法が開示されている。具体的に、この方法は、硫化反応容器に過剰に吹き込んだ硫化水素ガスを苛性ソーダ溶液で回収することにより得られる水硫化ナトリウム溶液を、再度その硫化反応容器に添加するというものである。この方法によれば、硫化反応の進行に伴う反応溶液のpH低下を抑制し、生成した硫化物の再溶解を抑制することができる。また、硫化物の再溶解を抑制できることから、反応終液におけるニッケルやコバルトの濃度を低く維持できるため、これにより硫化反応の反応効率を向上させることができ、ニッケルやコバルトといった有価金属を高効率で回収することができる。
さて、このような硫化処理を行う工程において、効率よく硫化反応を進めるには滞留時間を長くすることが有利であり、反応容器に供給した溶液のショートパスを防止するために、2基以上の反応槽を直列に並べることがある。そのような場合、硫化剤である硫化水素ガスと水硫化ナトリウム溶液は、その全量を、反応始液の給液側に近い最初の反応槽(第1の反応槽)に添加する。
しかしながら、上述したような方法では、生成するニッケル及びコバルトの硫化物(ニッケルコバルト混合硫化物)の粒径を制御することは難しく、しばしば、50%粒子径(D50)で表される平均粒子径が50μm未満となる小さな粒径の硫化物が生成することがある。
粒径が細かい硫化物は、後工程で圧搾濾過器等を用いて固液分離する際の脱水性を低下させ、処理量を確保するためには相応する過大な設備や時間を要することになり、処理効率を著しく低下させてしまう。また、微細な粒径の硫化物は、酸化されやすく、操業や品質に影響を及ぼすこともある。
このようなことから、ニッケルやコバルトの硫化物を生成させる硫化処理において、高い反応効率を維持しつつ、生成する硫化物の粒径を安定化させる技術が求められている。
特開2010−126778号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、少なくともニッケルを含有する硫酸酸性溶液から硫化剤を用いて硫化反応を生じさせ、ニッケルの硫化物を生成させるにあたり、高い反応効率を維持しつつ、生成する硫化物の粒径を適切に制御することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、硫化剤として硫化水素ガスを用いるとともに、その硫化水素ガスの未反応分を回収して水硫化ナトリウムを生成させ、得られた水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御することによって、高い反応効率を維持しながら、生成する硫化物の微細化を抑えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、ニッケルを含む硫酸酸性溶液を反応槽に供給し、該硫酸酸性溶液に硫化水素ガスを添加してニッケルの硫化物を生成させる硫化処理方法であって、前記硫酸酸性溶液に添加した硫化水素ガスのうちの未反応のガスを回収し、回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウムを添加して水硫化ナトリウムを生成させ、得られた水硫化ナトリウムの溶液を前記硫酸酸性溶液に添加し、前記水硫化ナトリウム溶液を添加するに際しては、前記硫酸酸性溶液を供給する反応槽に対する該水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御することによって、生成するニッケルの硫化物の粒径が50%粒子径(D50)で50μm以上となるようにする、硫化処理方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記反応槽は、直列に連結された2基以上からなり、前記硫酸酸性溶液は、直列に連結された2基以上の前記反応槽のうちの最も上流にある第1の反応槽に供給される、硫化処理方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第2の発明において、前記第1の反応槽におけるニッケル回収率が90%未満となるように、該第1の反応槽内に添加する硫化水素ガス及び水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御する、硫化処理方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第2又は第3の発明において、前記第1の反応槽内に添加する水硫化ナトリウム溶液の添加量を、該第1の反応槽に供給される該硫酸酸性溶液の流量の0.20%以下の割合に制御する、硫化処理方法である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記硫酸酸性溶液は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法にて該ニッケル酸化鉱石のスラリーに対して高温高圧下で硫酸による浸出処理を施して得られる浸出液である、硫化処理方法である。
(6)本発明の第6の発明は、ニッケルを含む硫酸酸性溶液を反応槽に供給し、該硫酸酸性溶液に硫化水素ガスを添加してニッケルの硫化物を得るニッケル硫化物の製造方法であって、前記硫酸酸性溶液に添加した硫化水素ガスのうちの未反応のガスを回収し、回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウムを添加して水硫化ナトリウムを生成させ、得られた水硫化ナトリウムの溶液を前記硫酸酸性溶液に添加し、前記水硫化ナトリウム溶液を添加するに際しては、前記硫酸酸性溶液を供給する反応槽に対する該水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御することによって、粒径が50%粒子径(D50)で50μm以上であるニッケル及びコバルトの硫化物を得る、ニッケル硫化物の製造方法である。
(7)本発明の第7の発明は、ニッケル酸化鉱石に対して高温高圧下で硫酸を用いてニッケルを浸出し、得られた浸出液からニッケルの硫化物を生成させるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において、前記浸出液を反応槽に供給し、該浸出液に硫化水素ガスを添加してニッケルの硫化物を生成させる硫化工程を含み、前記硫化工程では、前記浸出液に添加した硫化水素ガスのうちの未反応のガスを回収し、回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウムを添加して水硫化ナトリウムを生成させ、得られた水硫化ナトリウムの溶液を前記浸出液に添加し、前記水硫化ナトリウム溶液を添加するに際しては、前記浸出液を供給する反応槽に対する該水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御することによって、生成するニッケルの硫化物の粒径が50%粒子径(D50)で50μm以上となるようにする、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法である。
本発明によれば、少なくともニッケルを含有する硫酸酸性溶液から硫化剤を用いた硫化処理によりニッケルの硫化物を生成させる処理において、高い反応効率を維持しつつ、生成する硫化物の粒径を適切に制御することができる。
ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の流れの一例を示した工程図である。 実施例及び比較例にて行った硫化処理の結果を示すグラフ図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
なお、本明細書において、「X〜Y」(X、Yは任意の数値)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」であることを意味する。
≪1.硫化処理方法≫
本実施の形態に係る硫化処理方法は、少なくともニッケルを含む硫酸酸性溶液を反応槽に供給し、その硫酸酸性溶液を収容した反応槽の気相に硫化水素ガスを添加して硫化反応を生じさせ、ニッケルの硫化物を生成させる硫化処理の方法である。
この硫化処理方法では、例えば純度95%〜99%程度の硫化水素ガスを硫化剤として用い、硫化反応により硫化物を生成させるための必要理論当量よりも多い過剰量の硫化水素ガスを、硫化反応始液であるその硫酸酸性溶液に添加する。これにより、硫酸酸性溶液に含まれるニッケルを硫化物として高い回収率で回収することができる。
一方で、過剰量の硫化水素ガスを添加しているために、硫化反応に関与しなかった未反応のガスが反応槽内に残存するようになる。そこで、この硫化処理方法では、添加した硫化水素ガスのうちの未反応のガスを回収し、回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウムを添加して水硫化ナトリウムを生成させ、得られた水硫化ナトリウムの溶液を硫酸酸性溶液に添加するようにしている。これにより、硫酸酸性溶液中のニッケルを、ニッケル硫化物としてより一層に高い回収率で回収することが可能になるとともに、硫化水素ガスの利用効率を向上させることもできる。
そして、このとき、本実施の形態に係る硫化処理方法においては、得られた水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御することを特徴としている。より具体的には、硫酸酸性溶液を供給する反応槽に対する水硫化ナトリウム溶液の添加量を、生成するニッケル硫化物の粒径が50%粒子径(D50)で50μm以上となるようにする制御する。
このような硫化処理方法によれば、硫化剤による硫化反応の反応効率を高めて、硫酸酸性溶液に含まれるニッケルの硫化物としての回収率を向上させるとともに、生成するその硫化物の粒径が微細化すること防ぐことができる。
ここで、本実施の形態に係る硫化処理方法では、上述したように、未反応の硫化水素ガスを回収して水硫化ナトリウムを生成させ、その全量を硫化反応に繰り返している。このことから、硫化処理においては、下記(1)式に示されるような硫化水素ガスによる硫化反応に加えて、下記(2)式で示されるような水硫化ナトリウムによる硫化反応が生じる。なお、下記式(1)及び(2)において、Mは、NiやCoを表す。
MSO+HS→MS+HSO ・・・(1)
2NaHS+MSO→NaSO+MS+HS ・・・(2)
また、硫化処理においては、硫化反応を生じさせる硫化反応槽に、始液である硫酸酸性溶液を供給した後、硫酸酸性溶液を収容した反応槽内の気相部分に硫化水素ガスを吹き込むことによって添加し、その気相中に吹き込んだ硫化水素ガスを液相中に溶解させることで、硫化反応を進行させるようにしている。
硫化反応槽としては、特に限定されないが、直列に連結された2基以上の槽、好ましくは3基以上の槽、より好ましくは4基以上の槽からなる反応槽を用いることができる。2基以上の槽からなる硫化反応槽においては、最も上流にある反応槽(第1の反応槽)に、硫化反応始液であるニッケルを含む硫酸酸性溶液が供給され、それぞれの反応槽にて順次連続的に硫化反応が生じる。また、その第1の反応槽には、硫化水素ガスを吹き込むためのガス吹き込み口が設けられており、硫化水素ガス吹き込まれる。
より具体的に、例えば、3基の槽から構成されてなる硫化反応槽において、先ず、連続的に設けられた最初の反応槽(最も上流の反応槽)である第1の反応槽内に、硫化反応始液であるニッケルを含む硫酸酸性溶液が供給されるとともに、ガス吹き込み口から反応槽内の気相部分に硫化水素ガスが吹き込み添加される。そして、その第1の反応槽において所定の時間に亘り硫化反応を生じさせると、次に、生成したニッケルの硫化物を含んだ溶液が第2の反応槽に移送され、引き続き硫化反応が進行する。同様に、最終段である第3の反応槽においても硫化反応が進行し、その第3の反応槽にて得られた反応後のスラリー(反応終液)から、シックナー等の固液分離装置によりニッケルの硫化物と反応終液である貧液とが分離する。なお、最終段の第3の反応槽は、貯留槽としてもよい。
このように、例えば2基以上の複数の槽からなる反応槽では、主として第1の反応槽において、硫化反応に基づく硫化物の生成反応が生じ、続く第2の反応槽以降において、生成したニッケル硫化物のいわゆる成長が生じる。
ところが、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、第1の反応槽におけるニッケル回収率が90%以上である場合、最終的に得られる硫化物の粒径が小さくなる傾向があることを見出した。なお、ここでいう“第1の反応槽における「ニッケル回収率」”とは以下の式で定義される。
ニッケル回収率=(始液体積×始液中のニッケル濃度−第1の反応槽の終液体積×第1の反応槽の終液中のニッケル濃度)÷(始液体積×始液中のニッケル濃度)
つまり、第1の反応槽においては核発生による硫化反応が支配的となるため、その第1の反応槽でのニッケル回収率が高い(90%以上)場合には、粒径の細かな硫化物が大量に生成し、後段の反応槽において十分に核成長することができないと考えられる。そして、このことが、粒径の小さな硫化物が生成する原因であると推測される。
このことから、本発明者らは、反応槽、特に第1の反応槽に添加する硫化剤の添加量を制御することによって、第2の反応槽以降の後段の反応槽において十分に硫化物の核成長を生じさせながら、硫化処理において高いニッケル回収率を達成できることを見出した。なお、ここでいう“硫化処理における「ニッケル回収率」”とは以下の式で定義される。
ニッケル回収率=(始液体積×始液中のニッケル濃度−終液体積×終液中のニッケル濃度)÷(始液体積×始液中のニッケル濃度)
上述したように、本実施の形態に係る硫化処理方法において、硫化剤としては、硫化水素ガスを添加するとともに、硫化反応に関与しなかった未反応のガスを回収して生成させた水硫化ナトリウム溶液を添加している。このとき、例えば、硫化水素ガスの添加を、第2の反応槽以降の後段の反応槽に変更すると、それぞれの反応槽の圧力や液レベルの制御が困難になり、安定した操業が継続できなくなる。
そこで、未反応の硫化水素ガスを回収して生成させた水硫化ナトリウムの溶液の添加量を制御することによって、生成するニッケルの硫化物の粒径が50%粒子径(D50)で50μm以上となるようにする。
このように、水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御することによって、反応槽内の圧力や液レベルに影響を与えずに安定的に操業を継続しながら、得られる硫化物の微細化を抑えて、適切な粒径に制御することができる。
より具体的には、第1の反応槽内に添加する水硫化ナトリウム溶液の添加量を、その第1の反応槽に供給される反応始液である硫酸酸性溶液の流量の0.20%以下の割合に制御することが好ましい。そして、余剰分の水硫化ナトリウム溶液については、第2の反応槽以降の後段の反応槽に添加する。
このように、第1の反応槽内に添加する水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御することにより、硫化水素ガスを有効に活用して高い反応効率を維持しながら、より効果的に、得られる硫化物の微細化を抑制し、具体的には50%粒子径(D50)で50μm以上の粒径に制御した硫化物を製造することができる。また、硫化物の粒径を適切に制御できることにより、その硫化物の酸化による品質低下を防ぐことができる。さらに、硫化処理後に硫化物を含むスラリーに対して濾過処理等を施す際に、濾過性の低下を防ぐことができ、効率的な操業を行うことができる。
水硫化ナトリウム溶液の添加方法としては、特に限定されないが、例えば、反応槽として加圧反応容器を用いる場合には、ダイヤフラムポンプ等の一般的に高圧容器に添加供給が可能なポンプを用いることができる。
≪2.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法での適用≫
本実施の形態に係る硫化処理方法では、上述したように硫化処理の対象として、少なくともニッケルを含む硫酸酸性溶液を用いる。このニッケルを含む硫酸酸性溶液は、硫化反応の反応始液であり、例えば、ニッケル濃度が0.5g/L〜5.0g/L程度の硫酸酸性の水溶液である。また、この硫酸酸性溶液は、ニッケル以外の元素として、コバルト、鉄、マンガン、マグネシウム、アルミニウム、クロム、鉛等を含むものであってもよい。
本実施の形態に係る硫化処理方法は、例えば、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法における硫化工程での処理に適用することができる。このとき、ニッケルを含む硫酸酸性溶液としては、原料のニッケル酸化鉱石のスラリーに対して高温高圧下で硫酸を用いた浸出処理を施して得られた浸出液を用いることができる。この浸出液には、ニッケルのほか、有価金属としてコバルトを含有する。なお、後述するように、その浸出処理を経て得られた浸出液に対して中和剤を用いて中和処理を行うことで得られた中和後液を用いてもよい。
以下では、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法についての概要を説明して、その湿式製錬方法における硫化工程での処理に、上述した硫化処理方法を適用した具体的な態様について説明する。なお、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法として、高温高圧下で浸出を行う高温加圧酸浸出法(HPAL法)による湿式製錬方法を例に挙げて説明する。
<2−1.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の各工程について>
図1は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の流れの一例を示した工程図である。図1に示すように、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法は、原料のニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して高温高圧下で浸出処理を施す浸出工程S1と、浸出スラリーから残渣を分離してニッケル及びコバルトを含む浸出液を得る固液分離工程S2と、浸出液のpHを調整して浸出液中の不純物元素を中和澱物スラリーとして分離し中和後液を得る中和工程S3と、中和後液に硫化水素ガスを添加することでニッケル及びコバルトの硫化物を生成させる硫化工程(ニッケル回収工程)S4とを有する。
(1)浸出工程
浸出工程S1では、オートクレーブ等の高温加圧反応槽を用い、ニッケル酸化鉱石のスラリー(鉱石スラリー)に硫酸を添加して、温度230℃〜270℃程度、圧力3〜5MPa程度の条件下で撹拌し、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを生成させる。
ニッケル酸化鉱石としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱が挙げられる。ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8重量%〜2.5重量%であり、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、鉄の含有量は、10重量%〜50重量%であり、主として3価の水酸化物(ゲーサイト)の形態であるが、一部2価の鉄がケイ苦土鉱物に含有される。また、浸出工程S1では、このようなラテライト鉱の他に、ニッケル、コバルト、マンガン、銅等の有価金属を含有する酸化鉱石、例えば深海底に賦存するマンガン瘤等を用いることができる。
浸出工程S1における浸出処理では、例えば下記式(i)〜(v)で表される浸出反応と高温熱加水分解反応が生じ、ニッケル、コバルト等の硫酸塩としての浸出と、浸出された硫酸鉄のヘマタイトとしての固定化が行われる。ただし、鉄イオンの固定化は完全には進行しないため、通常、得られる浸出スラリーの液部分には、ニッケル、コバルト等の他に2価と3価の鉄イオンが含まれる。なお、この浸出工程S1では、次工程の固液分離工程S2で生成されるヘマタイトを含む浸出残渣の濾過性の観点から、得られる浸出液のpHが0.1〜1.0にとなるように調整することが好ましい。
・浸出反応
MO+HSO⇒MSO+HO ・・・(i)
(なお、式中Mは、Ni、Co、Fe、Zn、Cu、Mg、Cr、Mn等を表す)
2Fe(OH)+3HSO⇒Fe(SO+6HO ・・・(ii)
FeO+HSO⇒FeSO+HO ・・・(iii)
・高温熱加水分解反応
2FeSO+HSO+1/2O⇒Fe(SO+HO ・・・(iv)
Fe(SO+3HO⇒Fe+3HSO ・・・(v)
なお、鉱石スラリーを装入したオートクレーブへの硫酸の添加量としては、特に限定されないが、鉱石中の鉄が浸出されるような過剰量が用いられる。例えば、鉱石1トン当り300kg〜400kg程度とする。
(2)固液分離工程
固液分離工程S2では、浸出工程S1で生成した浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケルやコバルト等の有価金属を含む浸出液と浸出残渣とに分離する。
固液分離工程S2では、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、シックナー等の固液分離装置を用いて固液分離処理を施す。具体的には、先ず、浸出スラリーが洗浄液により希釈され、次に、浸出スラリー中の浸出残渣がシックナーの沈降物として濃縮される。これにより、浸出残渣に付着するニッケルやコバルトをその希釈度合に応じて減少させることができる。なお、実操業では、このような機能を持つシックナーを多段に連結して用いることにより、ニッケル及びコバルトの回収率の向上を図ることができる。
(3)中和工程
中和工程S3では、浸出液の酸化を抑制しながら、pHが4以下となるように酸化マグネシウムや炭酸カルシウム等の中和剤を添加して、3価の鉄を含む中和澱物スラリーとニッケル回収用母液である中和後液とを得る。
中和工程S3では、分離された浸出液の酸化を抑制しながら、得られる中和後液のpHが4以下、好ましくは3.0〜3.5、より好ましくは3.1〜3.2になるように、その浸出液に炭酸カルシウム等の中和剤を添加し、ニッケル回収用の母液の元となる中和後液と、不純物元素として3価の鉄を含む中和澱物スラリーとを形成する。中和工程S3では、このように浸出液に対する中和処理(浄液処理)を施すことで、HPAL法による浸出処理で用いた過剰の酸を中和して中和終液と生成するとともに、溶液中に残留する3価の鉄イオンやアルミニウムイオン等の不純物を中和澱物として除去する。
なお、中和後液は、上述したように、原料のニッケル酸化鉱石に対して硫酸による浸出処理(浸出工程S1)を施して得られた浸出液に基づく溶液であって、ニッケル及びコバルトを含む硫酸酸性溶液である。この中和後液は、後述する硫化工程S4における硫化反応の反応始液となるものであり、ニッケル濃度及びコバルト濃度が、それぞれおよそ0.5g/L〜5.0g/Lの範囲のものである。また、この中和後液中には、ニッケルやコバルト以外に、微量に残存した鉄、マンガン、マグネシウム、アルミニウム、クロム、鉛等が含まれることがある。
(4)硫化工程(ニッケル回収工程)
硫化工程S4では、ニッケル及びコバルトを含む硫酸酸性溶液である中和後液を硫化反応始液として、その硫化反応始液に対して硫化水素ガスを吹き込むことによって硫化反応を生じさせ、不純物成分の少ないニッケル及びコバルトの硫化物と、ニッケルやコバルトの濃度を低い水準で安定させた貧液(硫化後液)とを生成させる。
なお、中和後液中に亜鉛が含まれる場合には、硫化物としてニッケル及びコバルトを分離するに先立って、亜鉛を硫化物として選択的に分離することができる。
硫化工程S4における硫化処理は、硫化反応槽等を用いて行うことができ、硫化反応槽に導入した硫化反応始液に対して、その反応槽内の気相部分に硫化水素ガスを吹き込み、溶液中に硫化水素ガスを溶解させることで硫化反応を生じさせる。この硫化処理により、硫化反応始液中に含まれるニッケル及びコバルトを硫化物として固定化して回収する。
なお、硫化反応の終了後においては、得られたニッケル及びコバルトの硫化物を含むスラリーをシックナー等の沈降分離装置に装入して沈降分離処理を施し、その硫化物のみをシックナーの底部より分離回収する。一方で、水溶液成分は、シックナーの上部からオーバーフローさせて貧液として回収する。
<2−2.硫化工程における硫化処理方法について>
ここで、硫化工程S4での処理、つまりニッケル及びコバルトを含む硫酸酸性溶液である中和終液からニッケル及びコバルトの硫化物を生成させる硫化処理においては、上述した硫化処理方法を適用することができる。
すなわち、本実施の形態に係るニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法では、その硫化工程S4において、硫酸酸性溶液に添加した硫化水素ガスのうちの未反応のガスを回収し、回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウムを添加して水硫化ナトリウムを生成させ、得られた水硫化ナトリウム溶液を硫酸酸性溶液に添加する。そして、その水硫化ナトリウム溶液を添加するに際しては、反応始液である硫酸酸性溶液を供給する反応槽に対する水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御することによって、生成するニッケル及びコバルトの硫化物の粒径が50%粒子径(D50)で50μm以上となるようにする。
より具体的には、例えば、直列に連結された2基以上の反応槽を用いて硫化処理を行い、その直列に連結された2基以上の反応槽のうちの最も上流にある、反応始液である硫酸酸性溶液が供給される第1の反応槽への水硫化ナトリウム溶液の添加量を、その第1の反応槽に供給される硫酸酸性溶液の流量の0.20%以下の割合に制御する。
具体的な硫化処理の方法についての詳細は、上述した内容と同様であるため、ここでの説明は省略するが、本実施の形態においては、このようにして硫化剤として用いる化合物のうちの水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御することによって、硫化反応の反応効率を維持しながら、得られる硫化物の粒子の微細化を抑えることができ、適切な粒径に制御することができる。これにより、後段の濾過処理において、濾過性の低下を防いで、ニッケル及びコバルトの硫化物としての回収率を高めることができ、安定的な操業を実現することができる。
なお、図1の工程図にも示すように、この硫化工程S4において得られたニッケル及びコバルトの硫化物は、その一部を種晶として、硫化工程S4における硫化反応に繰り返し用いることが好ましい(図1中の矢印R)。上述したような硫化処理を経て得られたニッケル及びコバルトの硫化物は、その粒径の微細化が抑えられており、具体的には50%粒子径(D50)で50μm以上のものである。したがって、このようにして得られたニッケル及びコバルトの硫化物を繰り返し用いることによって、種晶として好適に用いることができ、連続的な操業において得られる硫化物の粒径をより適切な範囲に制御することが可能となる。
以下、本発明の実施例を示してさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた金属の分析は、ICP発光分析法により行った。また、硫化物の粒径は、レーザー回折散乱法による粒度分布測定によりマイクロトラック粒度分析器を用いて行った。
[実施例1]
直列に連結された3基の槽からなる反応槽を用いて、ニッケルを含む硫酸酸性溶液を反応始液とし、硫化水素ガスを吹き込んで硫化処理を行った。なお、直列に連結された3基の反応槽のうち、最も上流にある第1の反応槽に反応始液である硫酸酸性溶液を供給し、その第1の反応槽と、次の2槽目の第2の反応槽とにおいて硫化反応を生じさせた。3槽目の第3の反応槽は貯留槽として使用した。
具体的に、硫酸酸性溶液中のニッケル濃度は4.0g/L〜4.3g/Lであり、第1の反応槽への硫酸酸性溶液の給液流量を300m/Hr〜350m/Hrとした。また、硫化水素ガスの吹き込み流量は500Nm/Hr〜550Nm/Hrとしてその全量を第1の反応槽に吹き込んだ。
また、吹き込んだ硫化水素ガスのうちの未反応分である反応槽内に残存したガスを回収し、回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウムを添加して水硫化ナトリウム溶液を生成させた。水硫化ナトリウム溶液の生成量は2.5m/Hrであり、その水硫化ナトリウム溶液の全量を硫化処理に繰り返して用いた。
このとき、水硫化ナトリウム溶液の第1の反応槽への供給流量を始液給液流量の0.20%に調整し、残りの水硫化ナトリウム溶液は第2の反応槽へ供給した。
このような処理により生成した硫化物の粒径は、50%粒子径(D50)で50μmであった。また、このときの硫化処理におけるニッケル回収率は99.0%だった。
ニッケル回収率=(始液体積×始液中のニッケル濃度−終液体積×終液中のニッケル濃度)÷(始液体積×始液中のニッケル濃度)
[実施例2]
実施例2では、水硫化ナトリウム溶液を第1の反応槽には供給せず、その全量を第2の反応槽へ供給した。なお、それ以外は実施例1と同様にして処理を行った。
このような処理により生成した硫化物の粒径は、50%粒子径(D50)で62μmであった。また、このときの硫化処理におけるニッケル回収率は98.1%であった。
[比較例1]
比較例1では、水硫化ナトリウム溶液の全量を第1の反応槽へ供給した。なお、始液給液流量に対するその水硫化ナトリウム溶液の給液流量としては0.68%であった。それ以外は実施例1と同様にして処理を行った。
このような処理により生成した硫化物の粒径は、50%粒子径(D50)で23μmであり、微細な硫化物となった。なお、このときの硫化処理におけるニッケル回収率は99.0%だった。
[比較例2]
比較例2では、水硫化ナトリウム溶液の第1反応槽への供給流量を始液給液流量の0.29%に調整し、残りの水硫化ナトリウム溶液は第2の反応槽へ供給した。なお、それ以外は実施例1と同様にして処理を行った。
このような処理により生成した硫化物の粒径は、50%粒子径(D50)で35μmであり、微細な硫化物となった。なお、このときの硫化処理におけるニッケル回収率は99.1%であった。
図2は、上述した実施例、比較例にて行った硫化処理の結果を示すものであり、第1の反応槽への水硫化ナトリウム溶液の添加量(始液給液流量に対する比率)に対する、生成した硫化物のD50%粒子径の関係を示すグラフ図である。
実施例、比較例の結果から、硫化剤として、硫化水素ガスと、その硫化水素ガスの未反応分から生成させた水硫化ナトリウム溶液とを用い、さらに、反応始液を供給する第1の反応槽へのその水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御することにより、高い反応効率を維持しながら、生成する硫化物の微細化を抑え、粒径を適切に制御できることが分かった。

Claims (7)

  1. ニッケルを含む硫酸酸性溶液を反応槽に供給し、該硫酸酸性溶液に硫化水素ガスを添加してニッケルの硫化物を生成させる硫化処理方法であって、
    前記硫酸酸性溶液に添加した硫化水素ガスのうちの未反応のガスを回収し、
    回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウムを添加して水硫化ナトリウムを生成させ、
    得られた水硫化ナトリウムの溶液を前記硫酸酸性溶液に添加し、
    前記水硫化ナトリウム溶液を添加するに際しては、前記硫酸酸性溶液を供給する反応槽に対する該水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御することによって、生成するニッケルの硫化物の粒径が50%粒子径(D50)で50μm以上となるようにする
    硫化処理方法。
  2. 前記反応槽は、直列に連結された2基以上からなり、
    前記硫酸酸性溶液は、直列に連結された2基以上の前記反応槽のうちの最も上流にある第1の反応槽に供給される
    請求項1に記載の硫化処理方法。
  3. 下記式で定義される前記第1の反応槽におけるニッケル回収率が90%未満となるように、該第1の反応槽内に添加する硫化水素ガス及び水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御する
    請求項2に記載の硫化処理方法。
    ニッケル回収率=(硫酸酸性溶液の体積×硫酸酸性溶液中のニッケル濃度−第1の反応槽の反応終液の体積×第1の反応槽の反応終液中のニッケル濃度)÷(硫酸酸性溶液の体積×硫酸酸性溶液中のニッケル濃度)
  4. 前記第1の反応槽内に添加する水硫化ナトリウム溶液の添加量を、該第1の反応槽への前記硫酸酸性溶液の供給量の0.20%以下の割合に制御する
    請求項2又は3に記載の硫化処理方法。
  5. 前記硫酸酸性溶液は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において該ニッケル酸化鉱石のスラリーに対して高温高圧下で硫酸による浸出処理を施して得られる浸出液である
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の硫化処理方法。
  6. ニッケルを含む硫酸酸性溶液を反応槽に供給し、該硫酸酸性溶液に硫化水素ガスを添加してニッケルの硫化物を得るニッケル硫化物の製造方法であって、
    前記硫酸酸性溶液に添加した硫化水素ガスのうちの未反応のガスを回収し、
    回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウムを添加して水硫化ナトリウムを生成させ、
    得られた水硫化ナトリウムの溶液を前記硫酸酸性溶液に添加し、
    前記水硫化ナトリウム溶液を添加するに際しては、前記硫酸酸性溶液を供給する反応槽に対する該水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御することによって、粒径が50%粒子径(D50)で50μm以上であるニッケルの硫化物を得る
    ニッケル硫化物の製造方法。
  7. ニッケル酸化鉱石に対して高温高圧下で硫酸を用いてニッケルを浸出し、得られた浸出液からニッケルの硫化物を生成させるニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において、
    前記浸出液を反応槽に供給し、該浸出液に硫化水素ガスを添加してニッケルの硫化物を生成させる硫化工程を含み、
    前記硫化工程では、
    前記浸出液に添加した硫化水素ガスのうちの未反応のガスを回収し、
    回収した硫化水素ガスに水酸化ナトリウムを添加して水硫化ナトリウムを生成させ、
    得られた水硫化ナトリウムの溶液を前記浸出液に添加し、
    前記水硫化ナトリウム溶液を添加するに際しては、前記浸出液を供給する反応槽に対する該水硫化ナトリウム溶液の添加量を制御することによって、生成するニッケルの硫化物の粒径が50%粒子径(D50)で50μm以上となるようにする
    ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法。
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