JP2017133050A - スカンジウムの回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニッケル酸化鉱石から高純度のスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収することができるスカンジウムの回収方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るスカンジウムの回収方法は、スカンジウムを含有する溶液をイオン交換樹脂に通液し、そのイオン交換樹脂から溶離した溶離液に中和剤を添加して中和処理を施し、固液分離により1次中和澱物と1次中和濾液とを得る第1の中和工程と、1次中和濾液にさらに中和剤を添加して中和処理を施し、固液分離により2次中和澱物と2次中和濾液とを得る第2の中和工程と、2次中和澱物に酸を添加して水酸化物溶解液を得る水酸化物溶解工程と、水酸化物溶解液を溶媒抽出に付す溶媒抽出工程と、溶媒抽出工程にて分離された抽残液から酸化スカンジウムを回収するスカンジウム回収工程と有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、スカンジウムの回収方法に関し、より詳しくは、ニッケル酸化鉱石に含まれるスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収するスカンジウムの回収方法に関する。
スカンジウムは、高強度合金の添加剤や燃料電池の電極材料として極めて有用である。しかしながら、生産量が少なく、高価であるため、広く用いられるには至っていない。
ところで、ラテライト鉱やリモナイト鉱等のニッケル酸化鉱石には、微量のスカンジウムが含まれている。しかしながら、ニッケル酸化鉱石は、ニッケル含有品位が低いため、長らくニッケル原料として工業的に利用されてこなかった。そのため、ニッケル酸化鉱石からスカンジウムを工業的に回収することもほとんど研究されていなかった。
しかしながら、近年、ニッケル酸化鉱石を硫酸と共に加圧容器に装入し、240℃〜260℃程度の高温に加熱してニッケルを含有する浸出液と浸出残渣とに固液分離するHPALプロセスが実用化されている。このHPALプロセスでは、得られた浸出液に中和剤を添加することで不純物が分離され、次いで、不純物が分離された浸出液に硫化剤を添加することによりニッケルをニッケル硫化物として回収する。そして、このニッケル硫化物を既存のニッケル製錬工程で処理することによって、電気ニッケルやニッケル塩化合物を得ることができる。
上述のようなHPALプロセスを用いる場合、ニッケル酸化鉱石に含まれるスカンジウムは、ニッケルと共に浸出液に含まれることになる(特許文献1参照)。そして、HPALプロセスで得られた浸出液に対して中和剤を添加して不純物を分離し、次いで硫化剤を添加すると、ニッケルはニッケル硫化物として回収される一方で、スカンジウムは硫化剤添加後の酸性溶液中に含まれるようになるため、HPALプロセスを使用することによって、ニッケルとスカンジウムとを効果的に分離することができる。
また、スカンジウムの分離を、キレート樹脂を用いて行う方法もある(特許文献2参照)。具体的に、特許文献2に示される方法では、先ず、ニッケル含有酸化鉱石を酸化性雰囲気の高温高圧のもとで酸性水溶液中にニッケルとスカンジウムとを選択的に浸出させて酸性溶液を得て、次いでその酸性溶液のpHを2〜4の範囲に調整した後、硫化剤の使用によってニッケルを硫化物として選択的に沈殿回収する。次に、得られたニッケル回収後の溶液をキレート樹脂と接触させることによってスカンジウムを吸着させ、そのキレート樹脂を希酸で洗浄した後、洗浄後のキレート樹脂を強酸と接触させることでキレート樹脂からスカンジウムを溶離する。
また、上述した酸性溶液からスカンジウムを回収する方法として、溶媒抽出を用いてスカンジウムを回収する方法も提案されている(特許文献3及び4参照)。具体的に、特許文献3に示される方法では、先ず、スカンジウムの他に、少なくとも鉄、アルミニウム、カルシウム、イットリウム、マンガン、クロム、マグネシウムの1種以上を含有する水相の含スカンジウム溶液に、2−エチルヘキシルスルホン酸−モノ−2−エチルヘキシルをケロシンで希釈した有機溶媒を加えて、スカンジウム成分を有機溶媒中に抽出する。次いで、有機溶媒中にスカンジウムと共に抽出されたイットリウム、鉄、マンガン、クロム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムを分離するために、塩酸水溶液を加えてスクラビングを行うことによってそれらを除去した後、有機溶媒中にNaOH水溶液を加えて、有機溶媒中に残存するスカンジウムをSc(OH)を含むスラリーとし、これを濾過して得られたSc(OH)を塩酸で溶解して塩化スカンジウム水溶液を得る。そして、得られた塩化スカンジウム水溶液にシュウ酸を加えてシュウ酸スカンジウム沈殿とし、その沈殿を濾過することによって、鉄、マンガン、クロム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムを濾液中に分離した後、仮焼することにより高純度な酸化スカンジウムを得る。
また、特許文献4には、スカンジウム含有供給液をバッチ処理によって一定の割合で抽出剤に接触させることにより、スカンジウム含有供給液からスカンジウムを選択的に分離回収する方法が記載されている。
これらの方法で回収されるスカンジウムの品位は、酸化スカンジウムに換算して95%〜98%程度の純度が得られることが知られている。ところが、合金への添加等の用途に対しては十分な品位であるものの、近年需要が高まっている燃料電池の電解質等の用途に対しては、良好な特性を発揮するために、さらに高純度な、例えば99.9%程度の品位が必要とされる。
しかしながら、上述したニッケル酸化鉱石には、産出する地域によって種類や量の大小にばらつきはあるものの、鉄やアルミニウムの他に、マンガンやマグネシウム等、さまざまな不純物元素が含有されている。
スカンジウムを、燃料電池の電解質等の用途に用いる場合、不純物の元素によっては許容できる上限の品位があり、元素個々に許容限度以下にまで分離除去する必要がある。
しかしながら、特許文献2や特許文献3で開示されるキレート樹脂や有機溶媒では、いくつかの不純物元素はスカンジウムと類似の挙動を示し、スカンジウムと有効に分離回収することが困難となる。また、ニッケル酸化鉱石の浸出液に含まれる鉄、アルミ等の不純物は、スカンジウムよりもはるかに高濃度であり、これらの多量の不純物の影響もあって、ニッケル酸化鉱石から高純度なスカンジウムを工業的に回収するのに適した方法は見出されていない。
このように、ニッケル酸化鉱石からスカンジウムを回収しようとしても、大量に含有される鉄やアルミニウム等の多種多様な不純物を効果的に分離して、高純度なスカンジウムを効率的に回収することは困難だった。
特開平3−173725号公報 特開平9−194211号公報 特開平9−291320号公報 国際公開第2014/110216号
本発明は、上述したような実情に鑑みて提案されたものであり、ニッケル酸化鉱石から高純度のスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収することができるスカンジウムの回収方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、スカンジウムを含有する酸性溶液をイオン交換樹脂に通液して得られた溶離液に対して、2段階の中和処理を経て得られた溶解液を溶媒抽出に付すことで、ニッケル酸化鉱石から高純度のスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収することができることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、スカンジウムを含有する溶液をイオン交換樹脂に通液し、該イオン交換樹脂から溶離した溶離液に中和剤を添加して中和処理を施し、固液分離により1次中和澱物と1次中和濾液とを得る第1の中和工程と、前記1次中和濾液にさらに中和剤を添加して中和処理を施し、固液分離により2次中和澱物と2次中和濾液とを得る第2の中和工程と、前記2次中和澱物に酸を添加して水酸化物溶解液を得る水酸化物溶解工程と、前記水酸化物溶解液を溶媒抽出に付す溶媒抽出工程と、前記溶媒抽出工程にて分離された抽残液から酸化スカンジウムを回収するスカンジウム回収工程と、有するスカンジウムの回収方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記第1の中和工程では、前記溶離液のpHを3.5〜4.5の範囲に調整する、スカンジウムの回収方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記第2の中和工程では、前記1次中和濾液のpHを5.5〜6.5の範囲に調整する、スカンジウムの回収方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記水酸化物溶解工程では、前記酸として硫酸を用い、得られる水酸化物溶解液のpHが0.8〜1.5の範囲に維持されるように前記2次中和澱物を溶解する、スカンジウムの回収方法である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記イオン交換樹脂に供される前記スカンジウムを含有する溶液は、前記ニッケル酸化鉱石を高温高圧下で硫酸により浸出して浸出液を得る浸出工程と、前記浸出液に中和剤を添加して不純物を含む中和澱物と中和後液とを得る中和工程と、前記中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る硫化工程とを有するニッケル酸化鉱石の湿式製錬処理により得られる前記硫化後液である、スカンジウムの回収方法である。
本発明によれば、ニッケル酸化鉱石から高純度のスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収することができる。
スカンジウムの回収方法を説明するためのフロー図である。 スカンジウムの回収方法の適用した全体の流れの一例を説明するためのフロー図である。 中和工程の流れを説明するためのフロー図である。 スカンジウム溶離液に中和剤を添加した際における、溶液のpHとその溶液から沈殿した各元素の割合(沈殿率)を示すグラフ図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、本明細書において、「X〜Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
≪1.スカンジウムの回収方法≫
図1は、本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法の一例を示すフロー図である。このスカンジウムの回収方法は、ニッケル酸化鉱石を硫酸等の酸により浸出して得られた、スカンジウムを含有する酸性溶液から、スカンジウムと不純物とを分離して、高純度のスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収するものである。
このスカンジウムの回収方法では、スカンジウムを含有する酸性溶液をイオン交換樹脂に通液してスカンジウムを吸着させ、次いでそのイオン交換樹脂に酸溶液を接触させることで得られる溶離液(スカンジウム溶離液)に対して、2段階の中和処理を施すことによって不純物を分離するとともにスカンジウムを濃縮する。そして、そのスカンジウムを濃縮させた酸性溶液を、さらにアミン系抽出剤等の抽出剤を用いた溶媒抽出に供することにより、その酸性溶液中に含まれる不純物を抽出剤中に抽出し、抽出後に酸性溶液(抽残液)に残留することになるスカンジウムと分離する。
この溶媒抽出により抽残液中に含まれるようになったスカンジウムについては、例えば、アルカリを添加して中和処理を施すことで水酸化物の沈殿を得るか、もしくはシュウ酸を用いたシュウ酸塩化処理によりシュウ酸塩の沈殿物として回収するといった方法により、製品用途に適した固体の形状にするとともに残留する不純物も分離して、スカンジウムを高純度な水酸化スカンジウムやシュウ酸スカンジウムの結晶として回収する。
なお、得られた水酸化スカンジウムやシュウ酸スカンジウムの結晶は、公知の方法により焼成する等して酸化スカンジウムの形態とする。このようにして生成した酸化スカンジウムは、燃料電池の電解質の材料として用いたり、また、溶融塩電解等の方法によりスカンジウムメタルを得た後にアルミニウムに添加して合金とするといった用途等に供することができる。
このように、本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法は、スカンジウムを分離して回収するにあたって、イオン交換処理を経てスカンジウムが濃縮された溶液(溶離液)に対して、2段階の中和処理を施すことによってさらにスカンジウムを濃縮し、その後アミン系抽出剤等の溶媒抽出剤を用いた溶媒抽出処理を行うことを特徴としている。このような方法によれば、不純物をより効果的に分離することができ、ニッケル酸化鉱石のような多くの不純物を含有する原料からであっても、安定した操業のもと、高純度のスカンジウムを効率よく回収することができる。
より具体的に、本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法は、図1のフロー図に示すように、ニッケル酸化鉱石を硫酸等の酸で浸出することにより、スカンジウムを含有する酸性溶液を得るニッケル酸化鉱石の湿式製錬処理工程S1と、その酸性溶液から不純物を除去してスカンジウムを濃縮させたスカンジウム溶離液を得るスカンジウム溶離工程S2と、スカンジウム溶離液に中和剤を添加して中和処理を施して高濃度のスカンジウムを含有する溶液(抽出始液)を得る中和工程S3と、得られた抽出始液をアミン系抽出剤等による溶媒抽出に付すことで、不純物を抽出剤中に抽出して抽出後に酸性溶液に残留するスカンジウムと分離する溶媒抽出工程S4と、抽残液からスカンジウムを回収するスカンジウム回収工程S5とを有する。
≪2.スカンジウムの回収方法の各工程について≫
<2−1.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬処理工程>
スカンジウム回収の処理対象となるスカンジウムを含有する酸性溶液としては、ニッケル酸化鉱石を硫酸により処理して得られる酸性溶液を用いることができる。
具体的に、溶媒抽出に付される酸性溶液としては、ニッケル酸化鉱石を高温高圧下で硫酸等の酸により浸出して浸出液を得る浸出工程S11と、浸出液に中和剤を添加して不純物を含む中和澱物と中和後液とを得る中和工程S12と、中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る硫化工程S13とを有するニッケル酸化鉱石の湿式製錬処理工程S1により得られる硫化後液を用いることができる。以下では、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬処理工程S1の流れを説明する。
(1)浸出工程
浸出工程S11は、例えば高温加圧容器(オートクレーブ)等を用いて、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して240℃〜260℃の温度下で撹拌処理を施し、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを形成する工程である。なお、浸出工程S11における処理は、従来知られているHPALプロセスに従って行えばよく、例えば特許文献1に記載されている。
ここで、ニッケル酸化鉱石としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱が挙げられる。ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8重量%〜2.5重量%であり、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、これらのニッケル酸化鉱石には、スカンジウムが含まれている。
浸出工程S11では、得られた浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを洗浄しながら、ニッケルやコバルト、スカンジウム等を含む浸出液と、ヘマタイトである浸出残渣とに固液分離する。この固液分離処理では、例えば、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、凝集剤供給設備等から供給される凝集剤を用いて、シックナー等の固液分離設備によって固液分離処理を施す。具体的には、先ず、浸出スラリーが洗浄液により希釈され、次に、スラリー中の浸出残渣がシックナーの沈降物として濃縮される。なお、この固液分離処理では、シックナー等の固液分離槽を多段に連結させて用い、浸出スラリーを多段洗浄しながら固液分離することが好ましい。
(2)中和工程
中和工程S12は、上述した浸出工程S11により得られた浸出液に中和剤を添加してpHを調整し、不純物元素を含む中和澱物と中和後液とを得る工程である。この中和工程S12における中和処理により、ニッケルやコバルト、スカンジウム等の有価金属は中和後液に含まれるようになり、鉄、アルミニウムをはじめとした不純物の大部分が中和澱物となる。
中和剤としては、従来公知のもの使用することができ、例えば、炭酸カルシウム、消石灰、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
中和工程S12における中和処理では、分離された浸出液の酸化を抑制しながら、pHを1〜4の範囲に調整することが好ましく、1.5〜2.5の範囲に調整することがより好ましい。pHが1未満であると、中和が不十分となり、中和澱物と中和後液とに分離できない可能性がある。一方で、pHが4を超えると、アルミニウムをはじめとした不純物のみならず、スカンジウムやニッケル等の有価金属も中和澱物に含まれる可能性がある。
(3)硫化工程
硫化工程S13は、上述した中和工程S12により得られた中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る工程である。この硫化工程S13における硫化処理により、ニッケル、コバルト、亜鉛等は硫化物となり、スカンジウム等は硫化後液に含まれることになる。
具体的に、硫化工程S13では、得られた中和後液に対して、硫化水素ガス、硫化ナトリウム、水素化硫化ナトリウム等の硫化剤を添加し、不純物成分の少ないニッケル及びコバルトを含む硫化物(ニッケル・コバルト混合硫化物)と、ニッケル濃度を低い水準で安定させ、スカンジウム等を含有させた硫化後液とを生成させる。
硫化工程S13における硫化処理では、ニッケル・コバルト混合硫化物のスラリーに対してシックナー等の沈降分離装置を用いた沈降分離処理を施し、ニッケル・コバルト混合硫化物をシックナーの底部より分離回収する。一方で、水溶液成分である硫化後液についてはオーバーフローさせて回収する。
本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法では、以上のようなニッケル酸化鉱石の湿式製錬処理工程S1の各工程を経て得られる硫化後液を、スカンジウム回収処理の対象となる、スカンジウムとその他の不純物とを含有する酸性溶液として用いることができる。
<2−2.スカンジウム(Sc)溶離工程>
上述したように、ニッケル酸化鉱石を硫酸により浸出して得られた、スカンジウムを含有する酸性溶液である硫化後液を、スカンジウム回収処理の対象溶液として適用することができる。ところが、スカンジウムを含有する酸性溶液である硫化後液には、スカンジウムの他に、例えば上述した硫化工程S13における硫化処理で硫化されずに溶液中に残留したアルミニウムやクロム、その他の多種多様な不純物が含まれている。このことから、この酸性溶液を溶媒抽出に付すにあたり、スカンジウム溶離工程S2として、予め、酸性溶液中に含まれる不純物を除去してスカンジウム(Sc)を濃縮し、スカンジウム溶離液(スカンジウム含有溶液)を生成させることが好ましい。
スカンジウム溶離工程S2では、例えばキレート樹脂を使用したイオン交換処理による方法で、酸性溶液中に含まれるアルミニウム等の不純物を分離して除去し、スカンジウムを濃縮させたスカンジウム含有溶液を得るようにすることができる。
図2は、酸性溶液中に含まれる不純物を除去してスカンジウムを濃縮し溶離させる方法として、キレート樹脂を使用したイオン交換反応により行う方法(イオン交換工程)の一例を示すフロー図である。この工程では、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬処理工程S1における硫化工程S13にて得られた硫化後液をキレート樹脂に接触させて硫化後液中のスカンジウムをキレート樹脂に吸着させ、スカンジウム(Sc)溶離液を得る。なお、スカンジウム溶離工程S2の一例としてのイオン交換工程を「イオン交換工程S2」とする。
具体的に、イオン交換工程S2としては、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる吸着工程S21と、スカンジウムを吸着したキレート樹脂に0.1N以下の硫酸を接触させてキレート樹脂に吸着したアルミニウムを除去するアルミニウム除去工程S22と、キレート樹脂に0.3N以上3N以下の硫酸を接触させてスカンジウム溶離液を得るスカンジウム溶離工程S23と、スカンジウム溶離工程S23を経たキレート樹脂に3N以上の硫酸を接触させ、吸着工程S21でキレート樹脂に吸着したクロムを除去するクロム除去工程S24とを有するものを例示できる。以下、各工程について概略を説明するが、イオン交換工程S2としてこれに限定されない。
[吸着工程]
吸着工程S21では、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる。キレート樹脂の種類は特に限定されず、例えばイミノジ酢酸を官能基とする樹脂を用いることができる。
[アルミニウム除去工程]
アルミニウム除去工程S22では、吸着工程S21でスカンジウムを吸着したキレート樹脂に0.1N以下の硫酸を接触させ、キレート樹脂に吸着したアルミニウムを除去する。なお、アルミニウムを除去する際、pHを1以上2.5以下の範囲に維持することが好ましく、1.5以上2.0以下の範囲に維持することがより好ましい。
[スカンジウム溶離工程]
スカンジウム溶離工程S23では、アルミニウム除去工程S22を経たキレート樹脂に0.3N以上3N未満の硫酸を接触させ、スカンジウム溶離液を得る。スカンジウム溶離液を得るに際しては、溶離液に用いる硫酸の規定度を0.3N以上3N未満の範囲に維持することが好ましく、0.5N以上2N未満の範囲に維持することがより好ましい。
[クロム除去工程]
クロム除去工程S24では、スカンジウム溶離工程S23を経たキレート樹脂に3N以上の硫酸を接触させ、吸着工程S21でキレート樹脂に吸着したクロムを除去する。クロムを除去するに際して、溶離液に用いる硫酸の規定度が3Nを下回ると、クロムが適切にキレート樹脂から除去されないため、好ましくない。
<2−3.中和工程>
上述したように、スカンジウム溶離工程S2では、キレート樹脂の選択性によってスカンジウムと不純物との分離が行われ、不純物と分離したスカンジウムがスカンジウム溶離液として回収される。しかしながら、使用するキレート樹脂の特性上、すべての不純物を完全にスカンジウムと分離できるわけではない。
そこで、スカンジウム溶離工程S2で回収したスカンジウム溶離液を、後述する溶媒抽出工程S4での抽出始液として用いて溶媒抽出に付すことで、スカンジウムと不純物との分離をさらに進めることができる。
しかしながら、溶媒抽出工程S4では、一般的に、溶媒抽出に供する抽出始液中の目的成分の濃度が高い方が目的外の不純物との分離性能が向上する。また、処理するスカンジウムの物量が同じであるならば、スカンジウムを高濃度に含有する抽出始液であるほど、溶媒抽出に供する液量が少なくて済むため、結果として使用する抽出剤の物量も少なくて済む。また、溶媒抽出処理に必要な設備がよりコンパクトで済むといったような操業効率が向上する等の様々なメリットもある。
このことから、本実施の形態では、スカンジウム溶離液中のスカンジウム濃度を上昇させるために、すなわちスカンジウムを濃縮させるために、スカンジウム溶離工程S2(スカンジウム溶離工程S23)においてキレート樹脂から溶離させたスカンジウム溶離液に対して中和剤を添加してpHを調整し、水酸化スカンジウムの沈殿物を形成させ、得られた水酸化スカンジウムの沈殿物に酸を添加して再度溶解することによって、高いスカンジウム濃度をもった溶液(抽出始液)を得るようにする。このように、溶媒抽出工程S4に先立って、スカンジウム溶離液に対し中和処理を施してスカンジウムを濃縮させることで、溶媒抽出の処理効率を向上させることができる。
また、このような中和処理を施すことによって、スカンジウム溶離液から一旦スカンジウムを含有する沈殿物を形成させて固液分離することで、沈殿物とならなかった不純物を分離する効果も期待できる。
具体的に、この中和工程S3は、図2に示すように、スカンジウム溶離液に対して中和剤を添加して所定のpH範囲に調整し、中和残物と中和濾液とを得る2段階で構成された中和工程S31と、得られた中和澱物に対して酸を添加することによって溶解し、高濃度のスカンジウムを含有する再溶解液を得る水酸化物溶解工程S32とを有する。
[中和工程]
中和工程S31では、スカンジウム溶離液に対して中和剤を添加してその溶液のpHを所定の範囲に調整し、スカンジウム溶離液中に含まれるスカンジウムを水酸化スカンジウムの沈殿物とする。中和工程S31では、このように、水酸化スカンジウムから構成される中和澱物と中和濾液とを生成させる。
中和剤としては、特に限定されず、例えば水酸化ナトリウム等を用いることができる。
ここで、本実施の形態においては、この中和工程S31での中和処理として、中和剤を用いた中和によるpH調整を2段階で行うことを特徴としている。これにより、より一層効率よく不純物を分離して、スカンジウムを濃縮することができる。図3に、中和工程S31における2段階の中和処理の流れを説明するための図を示す。図3の工程図に示すように、中和工程S31では、1段目の中和を行う第1の中和工程と、2段目の中和を行う第2の中和工程と有する。
(第1の中和工程)
具体的に、2段階のpH調整による中和処理では、第1の中和工程として、スカンジウム溶離液に対して水酸化ナトリウム等の中和剤を添加し、溶液のpHが所定の範囲となるように調整する1段目の中和を行う。この1段目の中和によって、スカンジウムより塩基性が低い成分である鉄、クロム等の不純物の大部分が水酸化物の形態の沈殿物となり、濾過により1次中和澱物と1次中和濾液とが分離される。なお、スカンジウムは、1次中和濾液中に濃縮される。
第1の中和工程における中和処理では、中和剤の添加により、溶液のpHが、好ましくは3.5〜4.5の範囲となるように調整する。また、より好ましくは、溶液のpHが4.0程度となるように調整する。溶液のpHをこの範囲となるように中和剤を添加して中和することで、スカンジウムをより効率的に1次中和濾液中に濃縮することができる。
(第2の中和工程)
次に、第2の中和工程として、1段目の中和により得られた1次中和濾液に対して、さらに水酸化ナトリウム等の中和剤を添加し、溶液のpHが所定の範囲となるように調整する2段目の中和を行う。この2段目の中和によって、水酸化スカンジウムを2次中和澱物として得るとともに、スカンジウムより塩基性が高い成分であるニッケルは沈殿とならないために2次中和濾液に残留するようになり、固液分離することで、2次中和澱物、すなわち不純物を分離したスカンジウムの水酸化物を得ることができる。
第2の中和工程における中和処理では、中和剤の添加により、1次中和濾液のpHが、好ましくは5.5〜6.5の範囲となるように調整する。また、より好ましくは、1次中和濾液のpHが6.0程度となるように調整する。溶液のpHをこの範囲となるように中和剤を添加して中和することで、水酸化スカンジウムの沈殿物をより効率的に生成させることができる。
中和処理において中和剤として用いる水酸化ナトリウム等の濃度は、適宜決めればよいが、例えば4Nを超えるような高濃度の中和剤を添加すると、反応槽内でpHが局部的に上昇して、部分的にpHが4.5を超える状態が生じ得る。このような場合、スカンジウムと不純物とが共沈してしまう等の弊害が生じ、高純度なスカンジウムが得られない可能性がある。このため、中和剤としては、4N以下に希釈された溶液とすることが好ましく、これにより反応槽内の中和反応ができるだけ均一に生じるようにするとよい。
一方、例えば水酸化ナトリウム溶液等の中和剤の濃度が低すぎると、添加に要する溶液の液量がその分だけ増加するため、取り扱う液量が増加し、その結果として設備規模が大きくなりコスト増加の原因となるなど好ましくない。このため、中和剤としては、1N以上の濃度のものを用いることが好ましい。
なお、上述した1次中和澱物や2次中和澱物のように、水酸化ナトリウム等のアルカリの中和剤を添加することで得られた沈殿物は、その濾過性が極めて悪いのが普通である。このため、中和に際しては、種晶を添加してろ過性を改善してもよい。種晶は、中和処理前の溶液に対し約1g/l以上となる量で添加することが好ましい。
[水酸化物溶解工程]
水酸化物溶解工程S32では、上述した中和工程S31における2段階の中和処理を経て回収された水酸化スカンジウムを主成分とする中和澱物(2次中和澱物)に対して、酸を添加することによって溶解し、再溶解液となる水酸化物溶解液を得る。本実施の形態においては、このようにして得られた再溶解液を、後述する溶媒抽出工程S4における溶媒抽出処理の抽出始液として用いる。
中和澱物を溶解させるための酸としては、特に限定されないが、硫酸を用いるのが好ましい。なお、硫酸を用いた場合、その再溶解液は硫酸スカンジウム溶液となる。
例えば硫酸を用いる場合、その濃度としては特に限定されないが、工業的な反応速度を考慮すれば2N以上の濃度の硫酸溶液を用いて溶解することが好ましい。
なお、硫酸等による溶解時のスラリー濃度を調整することで、任意のスカンジウム濃度の抽出始液を得ることができる。例えば、2Nの硫酸を添加して溶解する場合には、溶解液のpHが好ましくは0.8〜1.5の範囲、より好ましくは1.0程度となるように維持し、このpHを維持するように溶解することによって、水酸化スカンジウムの溶解を効率的に行うことができ、未溶解によるスカンジウム回収のロスを抑制することができる。なお、上述したpH範囲に関して、pHが1.5を超えて高いと、水酸化スカンジウムの溶解が効率的に進まない可能性がある。一方で、pHが0.8未満のように低いと、酸性の強い溶液が得られ、スカンジウムを回収した後の溶液を中和して処分する排水処理において添加する中和剤の量が多くなり、コストや手間がかさんでしまい好ましくない。
<2−4.溶媒抽出工程>
次に、溶媒抽出工程S4では、スカンジウム溶離液に対して中和処理を施す中和工程S3を経て得られた再溶解液(水酸化物溶解液)を抽出始液とし、それを抽出剤に接触させてスカンジウムを含有する抽残液を得る。なお、溶媒抽出に供する再溶解液は、上述したようにスカンジウムとその他の不純物元素を含有する酸性溶液であり、これらを「スカンジウム含有溶液」と称する。
溶媒抽出工程S4における態様としては、特に限定されないが、例えば図1及び図2に示すように、スカンジウム含有溶液と有機溶媒である抽出剤とを混合して、不純物と僅かなスカンジウムを抽出した抽出後有機溶媒と、スカンジウムを残した抽残液とに分離する抽出工程S41と、抽出後有機溶媒に硫酸溶液を混合して抽出後有機溶媒に抽出された僅かなスカンジウムを水相に分離させて洗浄後液を得るスクラビング工程S42と、洗浄後有機溶媒に逆抽出剤を添加して洗浄後有機溶媒から不純物を逆抽出する逆抽出工程S43とを有する溶媒抽出処理を行うことが好ましい。
(1)抽出工程
抽出工程S41では、スカンジウム含有溶液と、抽出剤を含む有機溶媒とを混合して、有機溶媒中に不純物を選択的に抽出し、不純物を含有する有機溶媒と抽残液とを得る。本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法では、この抽出工程S41において、好ましくはアミン系抽出剤を用いた溶媒抽出処理を行う。このようにアミン系抽出剤を用いて溶媒抽出処理を行うことにより、より効率的に且つ効果的に不純物を抽出してスカンジウムと分離することができる。
ここで、アミン系抽出剤は、スカンジウムとの選択性が低く、また抽出時に中和剤が不要である等の特徴を有するものであり、例えば、1級アミンであるPrimeneJM−T、2級アミンであるLA−1、3級アミンであるTNOA(Tri−n−octylamine)、TIOA(Tri−i−octylamine)等の商品名で知られるアミン系抽出剤を用いることができる。
抽出時においては、そのアミン系抽出剤を、例えば炭化水素系の有機溶媒等で希釈して使用することが好ましい。有機溶媒中のアミン系抽出剤の濃度としては、特に限定されないが、抽出時及び後述する逆抽出時における相分離性等を考慮すると、1体積%以上10体積%以下程度であることが好ましく、特に5体積%程度であることがより好ましい。
また、抽出時における、有機溶媒とスカンジウム含有溶液との体積割合としては、特に限定されないが、スカンジウム含有溶液中のメタルモル量に対して有機溶媒モル量を0.01倍以上0.1倍以下程度にすることが好ましい。
(2)スクラビング(洗浄)工程
上述した抽出工程S41においてスカンジウム含有溶液から不純物を抽出させた溶媒中にスカンジウムが僅かに共存する場合には、抽出工程S41にて得られた抽出液を逆抽出する前に、その有機溶媒(有機相)に対してスクラビング(洗浄)処理を施し、スカンジウムを水相に分離して抽出剤中から回収する(スクラビング工程S42)。
このようにスクラビング工程S42を設けて有機溶媒を洗浄し、抽出剤により抽出された僅かなスカンジウムを分離させることで、洗浄液中にスカンジウムを分離させることができ、スカンジウムの回収率をより一層に高めることができる。
スクラビングに用いる溶液(洗浄溶液)としては、硫酸溶液や塩酸溶液等を使用することができる。また、水に可溶性の塩化物や硫酸塩を添加したものを使用することもできる。具体的に、洗浄溶液として硫酸溶液を用いる場合には、1.0mol/L以上3.0mol/L以下の濃度範囲のものを使用することが好ましい。
洗浄段数(回数)としては、不純物元素の種類、濃度にも依存することから使用したアミン系抽出剤や抽出条件等によって適宜変更することができる。例えば、有機相(O)と水相(A)の相比O/A=1とした場合、3〜5段程度の洗浄段数とすることで、有機溶媒中に抽出されたスカンジウムを分析装置の検出下限未満まで分離することができる。
(3)逆抽出工程
逆抽出工程S43では、抽出工程S41にて不純物を抽出した有機溶媒から、不純物を逆抽出する。具体的に、逆抽出工程S43では、抽出剤を含む有機溶媒に逆抽出溶液(逆抽出始液)を添加して混合することによって、抽出工程S41における抽出処理とは逆の反応を生じさせて不純物を逆抽出し、不純物を含む逆抽出後液を得る。
上述したように、抽出工程S41での抽出処理においては、好ましくはアミン系抽出剤を抽出剤として用いて不純物を選択的に抽出するようにしている。このことから、その不純物をアミン系抽出剤を含む有機溶媒から効果的に分離させてその抽出剤を再生させる観点を考慮すると、逆抽出溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩を含有する溶液を用いることが好ましい。
逆抽出溶液である炭酸塩を含有する溶液の濃度としては、過剰な使用を抑制する観点から、例えば0.5mol/L以上2mol/L以下程度とすることが好ましい。
なお、上述したスクラビング工程S42において抽出剤を含む有機溶媒に対してスクラビング処理を施した場合には、同様に、スクラビング後の抽出剤に対して逆抽出溶液を添加して混合することによって逆抽出処理を行うことができる。
このようにして抽出後の抽出剤又はスクラビング後の抽出剤に炭酸ナトリウム等の炭酸塩溶液を添加して逆抽出処理を行って不純物を分離させた後の抽出剤は、再び、抽出工程S41において抽出剤として繰り返して使用することができる。
<2−5.スカンジウム回収工程>
次に、スカンジウム回収工程S5では、溶媒抽出工程S4における抽出工程S41にて得られた抽残液、及び、スクラビング工程S42にてスクラビングを行った場合にはそのスクラビング後の洗浄液から、スカンジウムを回収する。
[結晶化工程]
結晶化工程S51は、抽残液等に含まれるスカンジウムをスカンジウム塩の沈殿物に結晶化させて回収する工程である。
スカンジウムを結晶化させて回収する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができるが、例えば、アルカリを加えて中和処理を施し水酸化スカンジウムの沈殿物を生成させて回収する方法がある。また、シュウ酸溶液によってシュウ酸塩の沈澱物を生成させて回収する方法(シュウ酸塩化処理)を用いることもできる。これらの方法によれば、より効果的に不純物を分離してスカンジウムの結晶を得ることができ、好ましい。
なお、上述した方法により得られた水酸化スカンジウムやシュウ酸スカンジウム等の結晶については、固液分離した後に洗浄し、後述する焙焼工程S52での処理を施すことによって、高純度な酸化スカンジウムとすることができる。
[焙焼工程]
焙焼工程S52は、結晶化工程S51で得られた水酸化スカンジウムやシュウ酸スカンジウム等の沈殿物を水で洗浄し、乾燥させた後に、焙焼する工程である。この焙焼処理を経ることで、スカンジウムを極めて高純度な酸化スカンジウムとして回収することができる。
焙焼処理の条件としては、特に限定されないが、例えば管状炉に入れて約900℃で2時間程度加熱すればよい。なお、工業的には、ロータリーキルン等の連続炉を用いることによって、乾燥と焙焼とを同じ装置で行うことができるため好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
≪中和処理におけるpHと沈殿挙動の検討≫
ニッケル酸化鉱石を特許文献1に記載の方法等の公知の方法に基づき、硫酸を用いて加圧酸浸出し、得られた浸出液のpHを調整して不純物を除去した後、硫化剤を添加してニッケルを分離して硫化後液を用意した。下記表1に、得られた硫化後液中のスカンジウム、アルミ、鉄の濃度を示す。
なお、この組成の溶液に中和剤を添加して沈殿を生成させ、スカンジウムやその他の不純物成分を含む水酸化物を得た場合であっても、スカンジウム水酸化物としての品位は0.1重量%程度しか得られなかった。
Figure 2017133050
次に、表1の硫化後液に対して、キレート樹脂を用いた公知の方法によるイオン交換処理を施し、下記表2に示す組成のスカンジウム溶離液を得た。
Figure 2017133050
次に、得られたスカンジウム溶離液(表2の組成)を分取して容器に入れ、撹拌しながら濃度4Nの水酸化ナトリウム溶液を添加して、溶液のpHが1になるように調整した。
続いて、撹拌を止めて静置し、液量を測定して沈澱物(1次中和澱物)が沈降した後の上澄み液(1次中和濾液)を採取し、その後、撹拌を再開して再び濃度4Nの水酸化ナトリウム溶液を添加して、溶液のpHが2になるように調整した。そして、撹拌を止め静置し、液量を測定して上澄み液(2次中和濾液)を採取し、再び撹拌することを繰り返して、溶液のpHが1〜6となる範囲での各スカンジウム溶離液のサンプルを用意した。
用意した各サンプルについて、ICPを用いてスカンジウム、鉄、アルミニウム、ニッケル等の成分を分析した。なお、それぞれの成分の分析値と各サンプリングの液量から算出される物量が、各pHにおいて溶液中に存在する成分の物量となる。この溶液中に存在する成分の物量と、上記表2に示したスカンジウム溶離液の分析値と初期液量から算出される初期物量との差が、pH調整(中和)によって生成した沈殿量に相当する。この沈殿量を上述した初期物量で除した割合を、沈殿率(%)として定義した。
図4に、各pHと表2に示す成分の沈殿率を示す。図4のグラフ図に示すように、鉄はpHが3以上の領域で沈殿率が増加し、4.5〜5以上ではほぼ完全に沈殿することが分かる。また、アルミニウムはpHが4.5を超えると沈殿率が増加することが分かる。一方、スカンジウムもpHが4.5を超えると沈殿率が増加するが、アルミニウムよりもその増加は緩やかであることが分かる。なお、ニッケルはpHが6を超え始めると沈殿し始める。
≪実施例:2段階の中和処理≫
[実施例1]
(1段目の中和)
図4に示した結果に従い、上記表2に組成を示すスカンジウム溶離液を容器に入れ、撹拌しながら濃度4Nの水酸化ナトリウム溶液を添加して、溶液のpHが4になるように調整する1段目の中和処理を行った。
この1段目の中和処理後、濾紙とヌッチェを用いて固液分離を行った結果、1次中和澱物と1次中和濾液とを得た。
ICPを用いて分析することにより、表2に組成を示すスカンジウム溶離液に含まれていた物量のうち、沈殿が生成した物量の割合(分配)を沈殿率(%)として評価した。下記表3に、1段目の中和処理による沈殿率を示す。
Figure 2017133050
表3に示すように、溶液のpHが4になるまで中和剤を添加して中和することにより、溶液中の不純物である鉄やクロムを中和澱物として効果的に沈殿させることができ、1次中和濾液に分配されるスカンジウムと分離することができた。
(2段目の中和)
次に、得られた1次中和濾液を容器に入れ、これに濃度4Nの水酸化ナトリウムを添加し、溶液のpHが6になるように調整する2段目の中和処理を行った。
この2段目の中和処理後、1段目の中和処理と同様にして固液分離を行った結果、2次中和澱物と2次中和濾液とを得た。
ICPを用いて分析することにより、1次中和濾液に含まれていた物量のうちの沈殿が生成した物量の割合(分配)を沈殿率(%)として分析した。下記表4に、2段目の中和処理による沈殿率を示す。
Figure 2017133050
表4に示すように、1段目の中和において大部分が沈殿せずに濾液中に残ったスカンジウムは、2段目の中和によって90%近くが2次中和澱物に分配した。一方で、スカンジウムよりも塩基性の高いニッケルは、1段目、2段目両方の中和によっても沈殿せずに2次中和濾液に残留し、スカンジウムと効果的に分離することができた。
なお、表4に示す結果からすると、スカンジウム溶離液の成分(表2に組成)の中で、鉄やクロムは、2段目の中和でも大部分が沈殿するように見える。しかしながら、これらの成分は、1段目の中和によって既に大部分が1次中和澱物に分配されスカンジウムと分離されており、2次中和澱物に分配される物量自体は抑えられている。
以上の結果から、このような2段階の中和処理を施すことによって、スカンジウム溶離液に含まれていた成分の中で、スカンジウムを固形化して回収した2次中和澱物中に分配された割合(沈殿率)は、下記表5に示すように、スカンジウム以外にはアルミニウムが目立つ程度となり、そのほかの鉄やクロム、ニッケル等は効果的に分離されることが分かった。
Figure 2017133050
≪スカンジウムの回収≫
(水酸化物溶解処理)
次に、得られた2次中和澱物に濃度2Nの硫酸溶液を添加し、pHを1前後に維持しながら溶解し、下記表6に示す再溶解液(水酸化物溶解液)を得た。
Figure 2017133050
(溶媒抽出処理)
次に、表6に示す組成の再溶解液100リットルを抽出始液とし、これに、アミン系抽出剤(ダウケミカル社製,PrimeneJM−T)を溶剤(シェルケミカルズジャパン社製,シェルゾールA150)を用いて5体積%に調整した有機溶媒50リットルを混合させ、室温で60分間撹拌して溶媒抽出処理を施した。この溶媒抽出処理により、スカンジウムを含む抽残液を得た。なお、抽出時には、クラッドが形成されることはなく、静置後の相分離も迅速に進行した。
抽出により得られた抽出有機相に含まれる各元素の組成を分析した。下記表7に、抽出有機相に含まれる各種元素の物量を、抽出前元液(抽出始液)に含有されていた各元素の物量で割った値の百分率を算出し、それを抽出率(%)として結果を示す。
Figure 2017133050
表7に示す抽出率の結果から分かるように、溶媒抽出処理を通じて、抽出前元液に含まれていたスカンジウムの多くが抽残液に分配された。なお、表7には記載していないが、その他の不純物は有機溶媒に移行し、スカンジウムと効果的に分離することができた。
続いて、抽出処理後に得られた、僅かにスカンジウムを含む50リットルの有機溶媒(抽出有機相)に、濃度1mol/Lの硫酸溶液を、相比(O/A)が1の比率となるように50リットル混合し、60分間撹拌して洗浄した。その後、静置して水相を分離し、有機相は再び濃度1mol/Lの新たな硫酸溶液50リットルと混合して洗浄し、同様に水相を分離した。このような洗浄操作を、合計5回繰り返した。
このように抽出有機相を5回洗浄することにより、抽出有機相に含まれていたスカンジウムを水相に分離し、回収することができた。一方で、抽出有機相に含まれる不純物については、1mg/Lの低いレベルの溶出に留まり、有機溶媒に抽出されたスカンジウムのみを効果的に水相に分離させることができ、不純物のみを除去できた。
続いて、洗浄後の抽出有機相に、濃度1mol/Lの炭酸ナトリウムを、相比O/A=1/1の比率となるように混合して60分間撹拌して逆抽出処理を施し、不純物を水相に逆抽出した。
この逆抽出操作によって得られた逆抽出後液に含まれる各種元素の組成を分析した。下記表8に、逆抽出後液に含まれる各種元素の物量を、抽出処理にて有機相に抽出された各種元素の物量で割った値の百分率を算出し、それを回収率(%)として結果を示す。
Figure 2017133050
表8に示す回収率の結果から分かるように、上述した溶媒抽出処理を行うことによって、大部分の鉄やアルミを分離してスカンジウムを回収することができた。
(シュウ酸塩化処理)
次に、得られた抽残液に対して、その抽残液に含まれるスカンジウム量に対して計算量で2倍となるシュウ酸・2水和物(三菱ガス化学株式会社製)の結晶を溶解し、60分撹拌混合してシュウ酸スカンジウムの白色結晶性沈殿を生成させた。
(焙焼処理)
次に、得られたシュウ酸スカンジウムの沈殿を吸引濾過し、純水を用いて洗浄し、105℃で8時間乾燥させた。続いて、乾燥させたシュウ酸スカンジウムを管状炉に入れて850℃〜900℃に維持して焙焼(焼成)させ、酸化スカンジウムを得た。
焙焼により得られた酸化スカンジウムを発光分光分析法によって分析した。下記表9に、焙焼後の物量をシュウ酸塩化処理前の含有物量で割った除去率(%)を示す。
Figure 2017133050
表9に示す除去率の結果から分かるように、スカンジウム以外のアルミニウムや鉄、さらに表には示していないが、その他の不純物をほぼ完全に除去でき、酸化スカンジウム(Sc)としての純度が99.9重量%を上回る極めて高純度な酸化スカンジウムを得ることができた。
≪比較例≫
[比較例1]
実施例1にて使用した上記表1に示す同組成の硫化後液に対して、実施例1と同じ手法でイオン交換処理を行い、表2と同じ組成のスカンジウム溶離液を得た。
(1段のみの中和)
図4に示した結果をもとに、スカンジウム溶離液に対して濃度4Nの水酸化ナトリウム溶液を添加して、溶液のpHが5〜6の範囲内となるように中和し沈殿物を生成させた。その後、固液分離してスカンジウム水酸化物の沈殿を得た。
次に、得られたスカンジウム水酸化物に濃度2Nの硫酸を添加して、pHを1前後に維持しながら溶解し、下記表10に示す組成の再溶解液を得た。
Figure 2017133050
従来の方法で得られた再溶解液(表10に組成)と、実施例1で得られた再溶解液、すなわち2段階の中和処理を経て得られた再溶解液(表6に組成)とを比較すると、スカンジウム濃度としては同じであったが、アルミニウム濃度、鉄濃度において大きな差が出た。すなわち、実施例1にて行ったように、2段階の中和処理を施すことにより、不純物であるアルミニウム、鉄を効果的に分離することができることが確認された。

Claims (5)

  1. スカンジウムを含有する溶液をイオン交換樹脂に通液し、該イオン交換樹脂から溶離した溶離液に中和剤を添加して中和処理を施し、固液分離により1次中和澱物と1次中和濾液とを得る第1の中和工程と、
    前記1次中和濾液にさらに中和剤を添加して中和処理を施し、固液分離により2次中和澱物と2次中和濾液とを得る第2の中和工程と、
    前記2次中和澱物に酸を添加して水酸化物溶解液を得る水酸化物溶解工程と、
    前記水酸化物溶解液を溶媒抽出に付す溶媒抽出工程と、
    前記溶媒抽出工程にて分離された抽残液から酸化スカンジウムを回収するスカンジウム回収工程と
    有するスカンジウムの回収方法。
  2. 前記第1の中和工程では、前記溶離液のpHを3.5〜4.5の範囲に調整する
    請求項1に記載のスカンジウムの回収方法。
  3. 前記第2の中和工程では、前記1次中和濾液のpHを5.5〜6.5の範囲に調整する
    請求項1又は2に記載のスカンジウムの回収方法。
  4. 前記水酸化物溶解工程では、前記酸として硫酸を用い、得られる水酸化物溶解液のpHが0.8〜1.5の範囲に維持されるように前記2次中和澱物を溶解する
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスカンジウムの回収方法。
  5. 前記イオン交換樹脂に供される前記スカンジウムを含有する溶液は、
    前記ニッケル酸化鉱石を高温高圧下で硫酸により浸出して浸出液を得る浸出工程と、
    前記浸出液に中和剤を添加して不純物を含む中和澱物と中和後液とを得る中和工程と、
    前記中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る硫化工程と
    を有するニッケル酸化鉱石の湿式製錬処理により得られる前記硫化後液である
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスカンジウムの回収方法。
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