JP5595554B1 - ニッケル、コバルト及び/又はスカンジウムを含有する酸性溶液から不純物を分離する方法 - Google Patents

ニッケル、コバルト及び/又はスカンジウムを含有する酸性溶液から不純物を分離する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マンガン、鉄、亜鉛、アルミ等の不純物を含有する酸性溶液からニッケル、コバルト及び/又はスカンジウムと不純物とに効率よく分離できる方法を提供する。
【解決手段】本発明の有価金属抽出剤は下記一般式で表される。式中、R及びRは、それぞれ同一又は別異のアルキル基を示し、Rは水素原子又はアルキル基を示し、Rは水素原子、又はアミノ酸としてα炭素に結合される、アミノ基以外の任意の基を示す。下記一般式は、グリシン単位、ヒスチジン単位、リジン単位、アスパラギン酸単位又はノルマル−メチルグリシン単位を有することが好ましい。

Description

本発明は、ニッケルやコバルトやスカンジウム等の有価成分を含むニッケル酸化鉱の酸浸出液から不純物を除去し、有価成分と不純物とを分離する方法に関する。
ニッケルやコバルトは、有価金属として知られ、産業で様々な用途として用いられている。特に最近では、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等二次電池の正極材等で多量に用いられている。
ニッケルやコバルトは、これらを含有する鉱石を炉に装入して高温で熔解する乾式プロセスを用い、得たマット等の中間原料を精製して得ることができる。しかしながら近年では、高品位な鉱石は枯渇しつつあり、ラテライト鉱等従来余り利用されていなかった低品位酸化鉱石を硫酸溶液とともに耐圧容器に入れて高温高圧の状態とし、ニッケルやコバルトを浸出した浸出液からニッケルやコバルトあるいはこれらを含有する中間原料を回収するHPAL法とよばれる湿式プロセスが実用化されてきた。このHPAL法は、乾式法では採算面で処理できなかったニッケル品位が1〜2%以下の低品位なニッケル酸化鉱石でも効率よく処理できる特徴がある。
上記の鉱石には、ニッケルやコバルト、スカンジウム等回収対象とする有価物(有価成分)の他にもマンガン、アルミ、亜鉛、鉄、クロム、マグネシウム、銅、鉛、ナトリウム、ランタン、ネオジム、モリブデン、バナジウム、スズ、タングステン、サマリウム、レニウム、タリウム、セリウム、チタン、ルテチウム等様々な不純物が存在する。これらの不純物は、上記の乾式プロセスにおいて、スラグとして比較的容易に分離することができるが、湿式法ではニッケルやコバルト、スカンジウム等の有価成分とともに浸出液に含有される場合が多い。このため、ニッケル酸化鉱からニッケル、コバルト、スカンジウムを得る際は、不純物の分離に関する検討が必要となる。
また、ニッケルやコバルトは上記の使用済み二次電池や廃電子基板等からリサイクルして回収する方法もある。二次電池を構成する正極材には、ニッケルやコバルトの他にマンガンも使用されている。さらに容器や基材にはアルミニウムや鉄等が使われる等リサイクルであっても不純物と有価物の分離が課題であった。
例えば、ニッケルを最終的に回収する形態として、電解採取によってメタルを得る方法が一般的であるが、マンガンがニッケルと共に存在すると、電解採取に用いる陽極の表面にマンガン酸化物が析出し、陽極の劣化が促進されることが知られている。また、着色した微細なマンガン酸化物が電解液中に浮遊し、電解採取で使用する濾布を目詰まらせたり、マンガン酸化物によるニッケルメタルの汚染を生じる等、品質や安定した操業を妨げる結果となる。このため、マンガンの除去は重要な課題となる。
マンガンを除去する手法として、沈澱法が広く知られている(特許文献1参照)。沈澱法は、ニッケル及び/又はコバルトとマンガンとを含む溶液のpHを調整し、硫化剤を添加してニッケルやコバルトの硫化澱物を得る方法や酸化剤を添加することでマンガンの酸化物澱物を得る手法である。
さらにニッケル酸化鉱には有価なスカンジウムも微量含有されていることが知られているが、スカンジウムの回収は容易でなかった。スカンジウムを回収するには、例えば特許文献2のように、ニッケル酸化鉱を酸で浸出しニッケル等を回収した後の溶液を中和して澱物として回収したり、あるいは特許文献3のように、溶液を溶媒抽出して他の不純物から分離し、濃縮する方法が知られている。
特開2000−234130号公報 特開平09−143589号公報 特開平09−291320号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、少なからず共沈が発生する等の問題があり、ニッケルとコバルトとマンガンとをそれぞれ完全に分離することは難しかった。さらに、マンガン以外の亜鉛等の不純物がニッケルやコバルトとともに硫化澱物中に共存する場合、硫化物としての純度が低下し、例えば電池の材料として用いることが困難となって、再精製に要するコストを上昇させる課題もあった。
また、溶媒抽出法を用いてニッケルやコバルトを回収しようとする場合、分離性のよさから酸性抽出剤が広く用いられている。しかし、前述したように、最近ではリチウムイオン電池の正極剤に多くのマンガンが使用されていることから、電池の溶解液は高濃度のマンガンが存在し、このような系からニッケルやコバルトを選択的かつ効果的に抽出する効果的な抽出剤は無い状況であった。
そして、特許文献2及び3に記載の方法による場合、希薄な溶液から回収するために、中和に要する中和剤や、樹脂や溶媒抽出に付す前にpHを調整するための薬剤コスト等を無視できず、また他の元素との分離はそれほどシャープでない等、スカンジウムを効率的に回収できるとはいえない。
そのほか、亜鉛やアルミニウム、鉄、クロム等様々な不純物を分離できる有効な方法は見られなかった。このように、ニッケル酸化鉱やリサイクルによってニッケルやコバルトさらにはスカンジウムを回収しようとする際に、工業的に利用できる効率的な方法はなかなか見られなかった。
本発明は、マンガン、鉄、亜鉛、アルミ等の不純物を含有する酸性溶液からニッケル、コバルト、スカンジウム等の有価成分と不純物とに効率よく分離できる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(I)で表されるアミド誘導体からなる有価金属抽出剤を提供することで上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)本発明は、ニッケル、コバルト、スカンジウムの中から選ばれる少なくとも1種以上の有価成分と、マンガン、亜鉛、鉄、アルミニウム、カルシウム、クロム、マグネシウム、銅、鉛、ナトリウム、ランタン、ネオジム、モリブデン、バナジウム、スズ、タングステン、サマリウム、レニウム、タリウム、セリウム、チタン、ルテチウムの中から選択される1種類以上の不純物とを含有する酸性溶液を、下記一般式(I)で表されるアミド誘導体からなる有価金属抽出剤による溶媒抽出に付し、前記酸性溶液から前記有価成分と前記不純物とを分離する方法である。
Figure 0005595554
(式中、R及びRは、それぞれ同一又は別異のアルキル基を示す。アルキル基は直鎖でも分鎖でも良い。Rは水素原子又はアルキル基を示す。Rは水素原子、又はアミノ酸としてα炭素に結合される、アミノ基以外の任意の基を示す。)
(2)また、本発明は、前記アミド誘導体がグリシンアミド誘導体、ヒスチジンアミド誘導体、リジンアミド誘導体、アスパラギン酸アミド誘導体及びノルマル−メチルグリシン誘導体のいずれか1以上である、(1)に記載の方法である。
(3)また、本発明は、前記酸性溶液がニッケルと亜鉛とを含有し、前記酸性溶液のpHを2.0以上4.3以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、(1)又は(2)に記載の方法である。
(4)また、本発明は、前記酸性溶液がニッケルと鉄とを含有し、前記鉄が3価である場合は前記酸性溶液のpHを1.0以上3.2以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付し、前記鉄が2価である場合は前記酸性溶液のpHを2.0以上4.5以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、(1)又は(2)に記載の方法である。
(5)また、本発明は、前記酸性溶液がコバルトと鉄とを含有し、前記鉄が3価である場合は前記酸性溶液のpHを1.0以上4.0以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付し、前記鉄が2価である場合は前記酸性溶液のpHを2.0以上4.5以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、(1)又は(2)に記載の方法である。
(6)また、本発明は、前記酸性溶液がニッケルとアルミニウムとを含有し、前記酸性溶液のpHを2.0以上4.5以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、(1)又は(2)に記載の方法である。
(7)また、本発明は、前記酸性溶液がニッケル及び/又はコバルトとカルシウムとを含有し、前記酸性溶液のpHを2.0以上4.0以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、(1)又は(2)に記載の方法である。
(8)また、本発明は、前記酸性溶液がコバルトとクロムとを含有し、前記酸性溶液のpHを2.8以上3.5以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、(1)又は(2)に記載の方法である。
(9)また、本発明は、前記酸性溶液がニッケル、コバルト及び/又はスカンジウムとモリブデンとを含有し、前記酸性溶液のpHを0以上2以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、(1)又は(2)に記載の方法である。
(10)また、本発明は、前記酸性溶液がスカンジウムと、二価鉄及び/又はアルミニウムとを含有し、前記酸性溶液のpHを1.2以上4.5以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、(1)又は(2)に記載の方法である。
(11)また、本発明は、前記酸性溶液がスカンジウムとクロムとを含有し、前記酸性溶液のpHを1.2以上3.5以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、(1)又は(2)に記載の方法である。
本発明によれば、多種多様な不純物を含有するニッケル酸化鉱からニッケル、コバルト及び/又はスカンジウムを回収できる。
実施例で合成されたグリシンアミド誘導体のH−NMRスペクトルを示す図である。 実施例で合成されたグリシンアミド誘導体の13C−NMRスペクトルを示す図である。 実施例の抽出剤を用いたときのニッケル、コバルト及び/又はスカンジウムと、マンガン、亜鉛等の不純物とを含む酸性溶液のpHとこれらの抽出率との関係を示す。 実施例の抽出剤を用いたときのニッケル、コバルト及び/又はスカンジウムと、鉛、ルビジウム等の不純物とを含む酸性溶液のpHとこれらの抽出率との関係を示す。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
また、本発明では前述したとおり、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、スカンジウム(Sc)を有価成分として扱い、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、鉛(Pb)、ナトリウム(Na)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、スズ(Sn)、タングステン(W)、サマリウム(Sm)、レニウム(Re)、タリウム(Tl)、セリウム(Ce)、チタン(Ti)、ルテチウム(Lu)を不純物成分として扱ったが、有価物と不純物は経済性や需要から工業的な回収対象となるかどうかで決まるものであって、一律かつ普遍的に区別されものでないことはいうまでもない。
<ニッケル、コバルト及び/又はスカンジウムと不純物とを分離する方法>
本発明の方法は、下記一般式(I)で表されるアミド誘導体からなる有価金属抽出剤による溶媒抽出に付し、ニッケル、コバルト及び/又はスカンジウムと、マンガン、亜鉛、鉄、アルミニウム、カルシウム、クロム又はマグネシウムの中から選択される1種類以上の不純物とを含有する酸性溶液からニッケル、コバルト及び/又はスカンジウムと不純物とを分離する。
Figure 0005595554
式中、R及びRは、それぞれ同一又は別異のアルキル基を示す。アルキル基は直鎖でも分鎖でも良い。Rは水素原子又はアルキル基を示す。Rは水素原子、又はアミノ酸としてα炭素に結合される、アミノ基以外の任意の基を示す。本発明ではアミドの骨格にアルキル基を導入することによって、親油性を高め、抽出剤として用いることができる。
上記アミド誘導体は、グリシンアミド誘導体、ヒスチジンアミド誘導体、リジンアミド誘導体、アスパラギン酸アミド誘導体及びノルマル−メチルグリシン誘導体のいずれか1以上である。アミド誘導体がグリシンアミド誘導体である場合、上記のグリシンアミド誘導体は、次の方法によって合成できる。まず、NHR(R,Rは、上記の置換基R,Rと同じ)で表される構造のアルキルアミンに2−ハロゲン化アセチルハライドを加え、求核置換反応によりアミンの水素原子を2−ハロゲン化アセチルに置換することによって、2−ハロゲン化(N,N−ジ)アルキルアセトアミドを得る。
次に、グリシン又はN−アルキルグリシン誘導体に上記2−ハロゲン化(N,N−ジ)アルキルアセトアミドを加え、求核置換反応によりグリシン又はN−アルキルグリシン誘導体の水素原子の一つを(N,N−ジ)アルキルアセトアミド基に置換する。これら2段階の反応によってグリシンアルキルアミド誘導体を合成できる。
なお、グリシンをヒスチジン、リジン、アスパラギン酸に置き換えれば、ヒスチジンアミド誘導体、リジンアミド誘導体、アスパラギン酸アミド誘導体を合成できるが、リジンやアスパラギン酸誘導体による抽出挙動は、対象とするマンガンやコバルト等の錯安定定数から、グリシン誘導体及びヒスチジンアミド誘導体を用いた結果の範囲内に収まると考えられる。
上記方法によって合成した抽出剤を用いて有価金属イオンを分離するには、目的の有価金属イオンを含む酸性水溶液を調整しながら、この酸性水溶液を、上記抽出剤の有機溶液に加えて混合する。これによって、有機相に目的の有価金属イオンを選択的に抽出、あるいは逆に不純物を抽出することができ、その結果、有価物と不純物とを分離できる。
有価物又は不純物を抽出した後の有機溶媒を分取し、これに上記酸性水溶液よりpHを低く調整した逆抽出始液を加えて撹拌することにより、目的の有価物又は不純物を有機溶媒に抽出して分離し、さらに、有機溶媒から目的の有価物又は不純物を逆抽出することで目的の有価物又は不純物を水溶液中に回収することができる。逆抽出溶液としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸を希釈した水溶液が好適に用いられる。また、有機相と水相の比率を適宜変更することによって、目的の有価物又は不純物を濃縮することもできる。
pHを適宜調整することによって、抽出すべき金属イオンと抽出せずに残すべき金属イオンを選定することができ、この組み合わせによりニッケル酸化鉱石等ニッケルやコバルトを含有する原料からニッケルやコバルト等の有価物を回収できる。
有機溶媒は、抽出剤及び金属抽出種が溶解する溶媒であればどのようなものであってもよく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独でも複数混合しても良く、1−オクタノールのようなアルコール類を混合しても良い。
抽出剤の濃度は、有価金属の種類及び濃度によって適宜設定できる。また、撹拌時間及び抽出温度は、平衡到達時間が有価金属の種類、濃度のほか、加える抽出剤の量によって変化するため、分離対象金属イオン(有価物あるいは不純物)の酸性水溶液、及び抽出剤の有機溶液の条件によって適宜設定すればよい。金属イオンを含む酸性水溶液のpHも、有価金属の種類によって適宜調整できる。
〔有価物(金属イオン)の分離・回収〕
有価物と不純物を含有する酸性水溶液から、有価物を効率的に分離・回収する際、上記のアミノ誘導体であれば、いずれのアミノ誘導体を抽出剤としてもよい。
(Zn)
目的とする有価物としてニッケルイオン、不純物として亜鉛イオンが含有される場合、酸性水溶液のpHを2.0以上4.3以下、好ましくは2.8以上3.2以下の範囲、に調整しながら抽出剤の有機溶液を加える。pHが2.0未満であると、ニッケルイオンを十分に抽出できない可能性がある。またpHが4.3を超えると、抽出剤の種類によっては亜鉛イオンも抽出されしまう可能性がある。なお、亜鉛イオンとコバルトイオンの抽出はほぼ同じ挙動を示すことから、コバルトを亜鉛と分離するのは単一の工程では困難であり、他の方法との組み合わせが必要である。
また、有価物としてスカンジウムイオンを含有する場合、酸性水溶液のpHは1.2以上4.3以下、好ましくは2.0以上3.2以下の範囲、に調整しながら抽出剤の有機溶液を加えることでスカンジウムを効率よく抽出し亜鉛と分離できる。
(Fe)
前記酸性水溶液に有価物としてニッケルイオン、不純物として3価の形態の鉄イオンが含有される場合、pHを1.0以上3.2以下に調整しながら酸性溶液に抽出剤の有機溶液を加えると、3価の鉄イオンを抽出し、抽出されないニッケルイオンと分離できる。
なお、3価鉄イオンとコバルトが含有されている場合は、pHを1.0以上4.0以下、好ましくは2.0以上3.0以下の範囲に調整しながら上記酸性溶液に上記抽出剤を加えることで、3価鉄イオンを抽出し、抽出されないコバルトイオンと分離できる。
また、不純物として2価の形態の鉄イオンが含有される場合、pHを4.5以下、好ましくは3.0以下に調整しながら酸性溶液に抽出剤の有機溶液を加えると、2価の鉄イオンの抽出を抑制しながらニッケルイオンを抽出し、ニッケルと鉄を分離できる。
なお、3価鉄イオンとコバルトが含有されている場合は、pHを1.0以上4.0以下、好ましくは2.0以上3.0以下の範囲に調整しながら上記酸性溶液に上記抽出剤を加えることで、3価鉄イオンを抽出し、抽出されないコバルトイオンと分離できる。
同様に、2価鉄イオンが含有される場合は、pHを1.0以上4.5以下、好ましくは2.0以上3.0以下に維持することで、コバルトイオンを抽出し、抽出されない2価鉄イオンと分離できる。
また、2価鉄イオンとスカンジウムイオンが含有されている場合は、pHを1.2以上4.5以下に維持することで、スカンジウムイオンを2価鉄イオンと分離して抽出できる。
なお、3価鉄イオンとスカンジウムイオンは本発明の抽出剤での抽出挙動は重なり分離できない。
(Al)
また、前記酸性水溶液にアルミニウムイオンとニッケルイオンが含有されている場合、pHを2.0以上4.5以下、好ましくは2.5以上3.5以下、に調整しながら酸性水溶液に抽出剤の有機溶液を加えると、ニッケルイオンを抽出し、アルミニウムイオンから分離できる。なお、コバルトイオンは、アルミニウムイオンと同じ抽出挙動をとるため、分離はできない。
また、前記酸性溶液にアルミニウムイオンとスカンジウムイオンが含有されている場合、pHを1.2以上4.5以下、好ましくは2.0以上3.5以下、に調整しながら酸性水溶液に抽出剤の有機溶液を加えることで、スカンジウムイオンを抽出し、アルミニウムイオンから分離できる。
(Ca)
また、前記酸性水溶液にカルシウムイオンとニッケルイオン、コバルトイオン及び/又はスカンジウムイオンが含有される場合、前記酸性溶液のpHを4.0以下に調整して抽出することで、カルシウムイオンの抽出を抑制し、ニッケルやコバルトを抽出してカルシウムと分離できる。
(Mg)
なお、マグネシウムイオンはpH0.8から7.8の範囲に対して抽出されない。したがって、ニッケルイオン、コバルトイオン、スカンジウムイオンは、pHを2以上、好ましくは3.0以上とすることで、マグネシウムと効果的に分離できる。
(Mo)
また、前記酸性水溶液にモリブデンイオンとスカンジウムイオンが含有される場合、前記酸性溶液のpHを0以上2以下、好ましくは0以上1.2以下の範囲に調整しながら酸性水溶液に抽出剤の有機溶液を加えることで、モリブデンイオンを抽出し、スカンジウムイオンから分離できる。
また、前記酸性水溶液にモリブデンイオンとニッケルイオンが含有される場合、前記酸性溶液のpHを0以上2.2以下、好ましくは0以上2以下の範囲に調整しながら酸性水溶液に抽出剤の有機溶液を加えることで、モリブデンイオンを抽出し、ニッケルイオンから分離できる。
また、前記酸性水溶液にモリブデンイオンとコバルトイオンが含有される場合、前記酸性溶液のpHを0以上3.2以下、好ましくは0以上2.0以下の範囲に調整しながら酸性水溶液に抽出剤の有機溶液を加えることで、モリブデンイオンを抽出し、コバルトイオンから分離できる。
(Cr)
また、前記酸性水溶液にスカンジウムイオンとクロムイオンが含有される場合、前記酸性溶液のpHを1.2以上3.5以下の範囲に調整しながら酸性水溶液に抽出剤の有機溶液を加えることで、スカンジウムイオンを抽出し、クロムイオンから分離できる。
(Na・Lu・La・Ce・Nd)
また、ルテチウムイオン、ランタンイオン、セリウムイオン、ネオジムイオンは概ねpHが3を越える領域で抽出されてくる。また、ナトリウムイオンの場合にはpHが5〜6を超えると抽出されてくる。このため、pHを3以下とすることで、ニッケルイオンやコバルトイオンやスカンジウムイオンのみを選択的に抽出し、これらと効果的に分離できる。
(Ti・V・W・Sn)
また、前記酸性水溶液にチタンイオンやバナジウムイオンやタングステンイオンやスズイオンとコバルトイオンが含有される場合、前記酸性溶液のpHを1以上3以下の範囲に調整しながら酸性水溶液に抽出剤の有機溶液を加えることで、チタンイオンを抽出し、コバルトイオンから分離できる。
一方、前記酸性水溶液に上記のチタン・バナジウム・タングステン・スズの各イオンとニッケルイオンやスカンジウムイオンが含有される場合、本発明の抽出剤では上記の各イオンと抽出挙動がほぼ重なり、効果的に分離することができない。
(Re・Sm)
また、レニウムイオンやサマリウムイオンは本抽出剤では抽出されないので、ニッケルイオン、コバルトイオン、スカンジウムイオンを抽出率の良好なpH領域で抽出してこれらと分離できる。
上記一般式(I)で表されるアミド誘導体からなる抽出剤が従来の抽出剤と異なる抽出挙動をとるメカニズムは正確にはわからないが、本発明の抽出剤の構造上の特徴によって従来なかった効果が得られたと考えられる。また、上述したような本発明の抽出剤の特徴を組み合わせることで複数の種類の不純物を含有する酸性水溶液から、ニッケル、コバルト、スカンジウム等の有価物を抽出し不純物と分離して回収できる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<実施例>
[アミド誘導体の合成]
抽出剤となるアミド誘導体の一例として、上記一般式(I)で表されるグリシンアミド誘導体、すなわち、2つの2−エチルヘキシル基を導入したN−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノカルボニルメチル]グリシン(N−[N,N−Bis(2−ethylhexyl)aminocarbonylmethyl]glycine)(あるいはN,N−ジ(2−エチルヘキシル)アセトアミド−2−グリシン(N,N−di(2−ethylhexyl)acetamide−2−glycine)ともいい、以下「D2EHAG」という。)を合成した。
D2EHAGの合成は、次のようにして行った。まず、下記反応式(II)に示すように、市販のジ(2−エチルヘキシル)アミン23.1g(0.1mol)と、トリエチルアミン10.1g(0.1mol)とを分取し、これにクロロホルムを加えて溶解し、次いで2−クロロアセチルクロリド13.5g(0.12mol)を滴下した後、1mol/lの塩酸で1回洗浄し、その後、イオン交換水で洗浄し、クロロホルム相を分取した。
次に、無水硫酸ナトリウムを適量(約10〜20g)加え、脱水した後、ろ過し、黄色液体29.1gを得た。この黄色液体(反応生成物)の構造を、核磁気共鳴分析装置(NMR)を用いて同定したところ、上記黄色液体は、2−クロロ−N,N−ジ(2−エチルヘキシル)アセトアミド(以下「CDEHAA」という。)の構造であることが確認された。なお、CDEHAAの収率は、原料であるジ(2−エチルヘキシル)アミンに対して90%であった。
Figure 0005595554
次に、下記反応式(III)に示すように、水酸化ナトリウム8.0g(0.2mol)にメタノールを加えて溶解し、さらにグリシン15.01g(0.2mol)を加えた溶液を撹拌しながら、上記CDEHAA12.72g(0.04mol)をゆっくりと滴下し、撹拌した。撹拌を終えた後、反応液中の溶媒を留去し、残留物にクロロホルムを加えて溶解した。この溶液に1mol/lの硫酸を添加して酸性にした後、イオン交換水で洗浄し、クロロホルム相を分取した。
このクロロホルム相に無水硫酸マグネシウム適量を加え脱水し、ろ過した。再び溶媒を減圧除去し、12.5gの黄色糊状体を得た。上記のCDEHAA量を基準とした収率は87%であった。黄色糊状体の構造をNMR及び元素分析により同定したところ、図1及び図2に示すように、D2EHAGの構造を持つことが確認された。上記の工程を経て、実施例の有価金属抽出剤を得た。
Figure 0005595554
[ニッケル、コバルト及び/又はスカンジウムの分離・回収]
実施例の有価金属抽出剤を用いて、ニッケル、コバルト及び/又はスカンジウムの分離・回収を行った。
ニッケル、コバルト、マンガン、2価鉄、3価鉄、亜鉛、アルミ、クロム、カルシウム、マグネシウム、銅、鉛、ナトリウム、ランタン、ネオジム、モリブデン、バナジウム、スズ、タングステン、サマリウム、レニウム、タリウム、セリウム、チタン及びルテチウムをそれぞれ1×10−4mol/l含み、pHを1.1〜7.9に調整した数種類の硫酸酸性溶液を用意し、元液とした。なお、2価鉄は硫酸第1鉄、3価鉄は硫酸第2鉄、それ以外の成分はそれぞれ硫酸塩の市販特級試薬を用いて調製した。
上記の元液と同体積の0.01mol/lの有価金属抽出剤を含むノルマルドデカン溶液を試験管に加えて25℃恒温庫内に入れ、24時間振とうした。このとき、硫酸溶液のpHは、濃度0.1mol/lの硫酸、硫酸アンモニウム及びアンモニアを用いて一定となるように調整した。
振とう後、水相を分取し、誘導プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)を用いてコバルト濃度及びマンガン濃度を測定した。また、有機相について、1mol/lの硫酸を用いて逆抽出した。そして、逆抽出相中の上記元液に含有させた各成分の濃度を、ICP−AESを用いて測定した。これらの測定結果から、それぞれの含有成分の抽出率を、有機相中の物量/(有機相中の物量+水相中の物量)で定義し、求めた。結果を表1、表2、図3及び図4に示す。図3及び図4の横軸は、硫酸酸性溶液のpHであり、縦軸は、ニッケル、コバルト、スカンジウム等各元液含有成分の抽出率(単位:%)である。
Figure 0005595554
Figure 0005595554
実施例の有価金属抽出剤を用いると、酸性溶液のpHが3を超えると亜鉛の抽出率は10%を超え、3.2を超えると20%を超える抽出率となった。これに対して、ニッケルはpH2.0では10%未満の抽出率であったが、pHが2.8では70%を超える抽出率となり、pH3.2では80%を超える抽出率となった。このようにニッケルの抽出率の方が亜鉛の抽出率よりも高かったので、ニッケルを抽出する条件で操業することによって亜鉛と分離できた。なお、コバルトは、亜鉛と抽出率がほぼ重なり、分離することは困難である。
また、鉄の場合は3価の形態と2価の形態では抽出挙動が異なった。3価の鉄イオンを含有する場合、酸性溶液のpHが1.0を超えた領域では、鉄イオンの方が抽出されやすく、pH2.0では90%を超える抽出率となった。このため鉄を抽出してニッケルと分離できた。コバルトについても同様であった。しかし、3価の鉄イオンとスカンジウムイオンは抽出挙動が重なり分離できなかった。
一方、2価の鉄イオンを含有する場合、酸性溶液のpHが3.0を超えるまでは鉄イオンは抽出されず、超えると抽出が進んだ。このため、最大でpH4.5以下、好ましくは2.0以上3.0以下の範囲でニッケルイオンを抽出し、コバルトイオンを抽出する方法で、2価鉄イオンと分離することができた。スカンジウムイオンに対しては、pHを1.2以上4.5以下の範囲でスカンジウムイオンを抽出し2価鉄イオンと分離できた。
アルミニウムイオンを含有する場合、酸性溶液のpHが2.0以上4.5以下の範囲、好ましくは2.5以上3.5以下の範囲ではニッケルイオンを抽出する方法で、ニッケルとアルミニウムとを分離できた。これに対して、コバルトイオンはアルミイオンと抽出挙動がほぼ重なるので、コバルトとアルミを分離することはできなかった。なお、スカンジウムイオンは、pHを1.2以上4.5以下、好ましくは2.0以上3.5以下の範囲で、スカンジウムを抽出し、アルミニウムと分離できた。
マグネシウムイオンは、本発明の抽出剤に対し抽出されることは無いので、ニッケルイオン、コバルトイオン及びスカンジウムイオンを抽出してマグネシウムイオンと分離できた。
カルシウムイオンは、酸性溶液のpHが4.0を超えると抽出率が上昇傾向となる。このため、pH4.0以下の領域で前記酸性溶液と接触することにより、ニッケルイオン、コバルトイオン及びスカンジウムイオンと分離できた。
クロムイオンは、pHが2.0を超えると抽出される。このため、酸性溶液のpHを2.3以上3.8以下の範囲、好ましくは2.8以上3.5以下の範囲、とすることで、コバルトイオンと分離できた。スカンジウムイオンに対しては、pHが1.2から3.5以下の範囲でスカンジウムイオンを抽出し、クロムイオンと分離できた。なお、ニッケルイオンとクロムイオンとは抽出挙動が重なり分離はできなかった。
モリブデンイオンは、pHが0で既に35%以上の抽出率が得られるが、pHが上昇するとさらに抽出率が増す。pHを2以下とすることでスカンジウムイオンと分離でき、pHを2.2以下とすることでニッケルイオンと分離でき、pHを3.2以下とすることでコバルトイオンと分離できた。
ルテチウムイオン、ランタンイオン、セリウムイオンやネオジムイオンは、pHを3以下に維持すると抽出されず、抽出されたニッケルイオン、コバルトイオン及びスカンジウムイオンと分離できた。
タリウムはpH5以下ではマンガンと類似した抽出挙動であり、ニッケルイオンやコバルトイオンやスカンジウムイオンが80%以上抽出されるpHの領域で抽出することによりタリウムと分離できた。
ナトリウムイオンはpHを5〜6以下に維持すると抽出されず、抽出されたニッケルイオン、コバルトイオン及びスカンジウムイオンと分離できた。
チタンイオンやバナジウムイオンやタングステンイオンやスズイオンは、pHを1以上3以下の範囲に調整することで、コバルトイオンを抽出させない状態に維持しつつこれらのイオンを抽出し分離できた。なお、ニッケルイオンやスカンジウムイオンに対しては抽出剤の挙動がほぼ重なり、効果的に分離できなかった。
レニウムイオンやサマリウムイオンは抽出されなかった。このため、ニッケルイオン、コバルトイオン、スカンジウムイオンはどのpH範囲でも選択的に抽出してレニウムイオンやサマリウムイオンと分離できた。
銅イオンは、スカンジウムイオンとほぼ抽出が重なり効果的には分離できなかった。ニッケルイオンに対してはpHが2〜2.6の範囲で銅イオンを選択的に抽出できた。コバルトイオンに対しては、pHが2〜3.5の範囲で銅イオンを選択的に抽出できた。
鉛イオンは、スカンジウムイオンとpHが1.2〜2.8の範囲でスカンジウムイオンを選択的に抽出し分離できた。ニッケルイオンに対してはpHが2.5〜3.5の範囲でニッケルイオンを抽出できた。一方、コバルトイオンに対しては、ほとんど抽出挙動が重なり分離できなかった。

Claims (11)

  1. ニッケル、コバルト、スカンジウムの中から選ばれる少なくとも1種以上の有価成分と、マンガン、亜鉛、鉄、アルミニウム、カルシウム、クロム、マグネシウム、銅、鉛、ナトリウム、ランタン、ネオジム、モリブデン、バナジウム、スズ、タングステン、サマリウム、レニウム、タリウム、セリウム、チタン、ルテチウムの中から選択される1種類以上の不純物とを含有する酸性溶液を、下記一般式(I)で表されるアミド誘導体からなる有価金属抽出剤による溶媒抽出に付し、前記酸性溶液から前記有価成分と前記不純物とを分離する方法。
    Figure 0005595554
    (式中、R及びRは、それぞれ同一又は別異のアルキル基を示す。アルキル基は直鎖でも分鎖でも良い。Rは水素原子又はアルキル基を示す。Rは水素原子、又はアミノ酸としてα炭素に結合される、アミノ基以外の任意の基を示す。)
  2. 前記アミド誘導体がグリシンアミド誘導体、ヒスチジンアミド誘導体、リジンアミド誘導体、アスパラギン酸アミド誘導体及びノルマル−メチルグリシン誘導体のいずれか1以上である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記酸性溶液は、ニッケルと亜鉛とを含有し、
    前記酸性溶液のpHを2.0以上4.3以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記酸性溶液は、ニッケルと鉄とを含有し、
    前記鉄が3価である場合は前記酸性溶液のpHを1.0以上3.2以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付し、
    前記鉄が2価である場合は前記酸性溶液のpHを2.0以上4.5以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記酸性溶液は、コバルトと鉄とを含有し、
    前記鉄が3価である場合は前記酸性溶液のpHを1.0以上4.0以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付し、
    前記鉄が2価である場合は前記酸性溶液のpHを2.0以上4.5以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記酸性溶液は、ニッケルとアルミニウムとを含有し、
    前記酸性溶液のpHを2.0以上4.5以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、請求項1又は2に記載の方法。
  7. 前記酸性溶液は、ニッケル及び/又はコバルトとカルシウムとを含有し、
    前記酸性溶液のpHを2.0以上4.0以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、請求項1又は2に記載の方法。
  8. 前記酸性溶液は、コバルトとクロムとを含有し、
    前記酸性溶液のpHを2.8以上3.5以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、請求項1又は2に記載の方法。
  9. 前記酸性溶液は、ニッケル、コバルト及び/又はスカンジウムとモリブデンとを含有し、
    前記酸性溶液のpHを0以上2以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、請求項1又は2に記載の方法。
  10. 前記酸性溶液は、スカンジウムと、二価鉄及び/又はアルミニウムとを含有し、
    前記酸性溶液のpHを1.2以上4.5以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、請求項1又は2に記載の方法。
  11. 前記酸性溶液は、スカンジウムとクロムとを含有し、
    前記酸性溶液のpHを1.2以上3.5以下の範囲に調整しながら前記酸性溶液を前記溶媒抽出に付す、請求項1又は2に記載の方法。
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