JP2876152B2 - 希土類金属の分離精製法 - Google Patents

希土類金属の分離精製法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、希土類金属の分離精製法に関する。更に詳
しく言えば、油溶性の錯化剤であるエチレンジアミン−
N,N′−二酢酸−N,N′−二酢酸アルキルアミドもしくは
アルキルエステルまたはジエチレントリアミン−N,N′,
N″−三酢酸−N,N″−二酢酸アルキルアミドもしくはア
ルキルエステルを用いる希土類金属の分離精製法に関す
る。
[従来の技術およびその課題] 希土類金属とは、スカンジウム(Sc)、イットリウム
(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジ
ム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマ
リウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガトリニウム(G
d)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホル
ミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イ
ッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)の17元素の総称
である。
希土類金属はその特異な性質により、現在、発光材
料、磁性材料等の先端技術の分野において様々に利用さ
れている。しかしながら、いずれの用途においても非常
に高純度なものが要求されている。
これら希土類金属はモナズ石、バネストサイト、ゼノ
タイム等の鉱石中に複数の種類が少量ずつ同時に含まれ
ている。この少量ずつ同時に含まれている希土類金属間
の化学的性質は非常に似通っており、通常の方法でこれ
らを分離しても純度が低く、何種類かの希土類金属の混
合物として得られるものである。純度の低いこれらのも
のをさらに高純度なものに精製する方法として、従来非
水溶性の抽出剤を非水溶性の溶媒に溶解して調整した油
相を用いて、水溶液中に存在する希土類金属を抽出分離
する方法が知られている。
ここで、非水溶性の抽出剤としては具体的にはN−8
−キノリンスルホンアミド、E−2−ヒドロキシ−5−
ノニルベンゾフェノンオキシム、トリn−オクチルホス
フィンオキシド、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)
ホスフィン酸、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホ
スフィノジチオエート、トリイソブチルホスフィンスル
フィド、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)n−オク
チルホスフィン、2−エチルヘキシルホスホン酸−モノ
−2−エチルヘキシレート、トリブチルフォスフェイ
ト、トリカプチルメチルアンモニウム塩、2,2,2−トリ
アルキル酢酸等が用いられ、商品名としてはCYANEX27
2、921、301、471X,925(以上、三井サイアナミット
(株))、LIX65N(Henkel社)、Aliquart336(General
Mills社)、Kelex100(Ashland社)、PC−88A(大八化
学(株))、バーサティック・アシド10(シェル化学)
などが知られている。
非水溶性の溶媒としては脂肪族炭化水素、芳香族炭化
水素、ハロゲン化炭化水素が用いられる。具体的には鉱
油、パラフィンオイル、灯油、軽油、ナフサ、パークロ
ルエチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
この抽出法は水溶液中の希土類金属イオンと油相中の
抽出剤が油水界面において錯形成することにより、希土
類金属イオンが油相に取り込まれることを利用したもの
である。希土類金属の種類によっては抽出剤との錯形成
能力に差があり、それにより各希土類金属の分離精製が
可能となる。しかしながら上記抽出法も完全なものでは
なく、例えばイットリウムとエルビウム、ホルミウム等
の重希土類元素は錯形成能力に差がないために分離困難
である。
そこで、希土類金属分離の選択性を上げるための提案
がなされている。例えば、上記の溶媒抽出法において、
金属抽出の際に希土類金属イオンを含む水相に、水溶性
の錯化剤を加えることにより、各希土類金属間の分離選
択性が著しく向上することが知られている(特開昭52−
150717号)。ここで、水溶性の錯化剤としては、エチレ
ンジアミン四酢酸塩類、エチレンジアミン−N,N′−二
酢酸塩類、ジエチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−
五酢酸塩類等が挙げられる。
これら水溶性錯化剤が希土類金属の分離精製に及ぼす
効果としては次のことが推測されている。水相中の希土
類金属は水溶性錯化剤と錯形成し、それが油水界面にお
ける油相中の抽出剤と、水相中の希土類金属との錯形成
を阻害する。この阻害の程度が各希土類金属間で異な
り、その結果油相への希土類金属の抽出速度に差が生
じ、分離精製を容易にさせるものと考えられる。しか
し、この水相への錯化剤の添加による希土類金属の分離
法も以下に述べるような問題を有している。
すなわち、水溶性錯化剤を水相に添加しての希土類金
属の溶媒抽出を工業的な規模にて実施する際には、使用
した水溶性錯化剤の回収という厄介な問題を解決しなく
てはならない。水溶性錯化剤であるエチレンジアミン四
酢酸塩類、エチレンジアミン−N,N′−二酢酸塩類、ジ
エチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸塩類等
は高価なものであり、工業的に使い捨てにできる試薬で
はない。
一般に水溶性の高い有機化合物を、水溶液中より効率
良く回収することは容易ではない。水溶液の濃縮、結晶
化、またはカラムクロマトグラフィーによる分離等のか
なりの規模の装置および労力を必要とし、また回収操作
中のpH変化、加熱操作による有機化合物の分解等のた
め、高回収率での回収はほとんど不可能である。水溶性
錯化剤の回収も当然のことながら同様である。未回収の
水溶性錯化剤および回収操作のコストは当然希土類金属
の価格に上乗せられ、希土類金属は非常に高価なものと
なる。
水溶性錯化剤を用いる希土類金属の溶媒抽出は、希土
類金属間の分離選択性を向上するという長所はあるもの
の、使用した水溶性錯化剤を高回収率で回収することが
できなければ、工業的に使用することは不可能である。
従って本発明の課題は、溶媒抽出による希土類金属の
分離精製法において、水溶性錯化剤に代わる、抽出選択
性の高い錯化剤であって、安定してかつ容易に、高い回
収率で回収できれものを用いた分離精製法を提供するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] 上述の如く、水溶性の錯化剤は希土類金属の分離精製
の選択性を著しく向上させるが、その水溶性の為に回収
が困難である点に鑑み、本発明者らは各希土類金属の分
離選択性を高める錯化剤が非水溶性であり、抽出剤と同
様油溶性であれば、抽出剤と一緒に油相中に容易に回収
され、また抽出された希土類金属を再抽出した後には繰
り返し再利用できると考え、さらに水溶性錯化剤の分離
選択性に対する効果からみて、意図する錯化剤もまた分
子構造上、希土類金属との錯形成能を有する必要がある
と考えて、これらの条件を満たす数多くの化合物につい
て確認を続けた結果、特定の化合物が著しく優れた性能
を示すことを見出だし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、 希土類元素よりなる化合物を含む水溶液と、下記一般
式(1) (式中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよ
く、各々炭素原子数8〜20の飽和または不飽和のアルキ
ル基を表わし、XはOまたはNHを表わす。) で示されるエチレンジアミン−N,N′−二酢酸−N,N′−
二酢酸アルキルアミドもしくはアルキルエステル化合
物、および下記一般式(2) (式中、R3およびR4は互いに同一でも異なっていてもよ
く、各々炭素数8〜20の飽和または不飽和のアルキル基
を表わし、XはOまたはNHを表わす。) で示されるジエチレントリアミン−N,N′,N″−三酢酸
−N,N″−二酢酸アルキルアミドもしくはアルキルエス
テル化合物の少なくとも1種類を含む水不溶性有機溶媒
とを接触させることを特徴とする希土類金属の分離精製
法である。
以下に、本発明の内容をさらに詳細に記す。
本発明に使用される油溶性錯化剤を表わす一般式
(1)、(2)中のR1、R2、R3、R4は、炭素数8〜20の
飽和、不飽和のアルキル基である。炭素数が8未満のア
ルキル基においても、各希土類金属間の分離選択性を向
上させうるものの、化合物自身の水溶性が増加し、油溶
性錯化剤として繰返しの使用を行う為には油溶性錯化剤
の水相への損失があり不適当である。また炭素数20を越
えるもの有効であるが、原料の入手上問題がある。具体
的な例としてはオクチル基、オクテニル基、セチル基、
ラウリル基、ドデセニル基、パルミトレイル基、ステア
リル基、オレイル基等が挙げられ、直鎖の他分岐状のア
ルキル基をも使用することができる。
本発明に使用される一般式(1)および(2)の油溶
性錯化剤は、種々の方法にて合成可能であり、その出発
原料、製造経路、中間体の種類等に特に制限はない。
R1、R2としてオレイル基を、XとしてNHを有する(1
a)の製造方法の1例を以下に示す。
エチレンジアミンの四酢酸を(A)式のようにピリジ
ン、無水酢酸中で加熱することにより酸無水物(3)を
合成する。
得られた酸無水物(3)を、目的に合わせた飽和また
は不飽和アルキルアミンと反応させることにより、目的
の2個のアルキルアミド基を有する一般式(1)の化合
物が生成する。具体的な例として(3)にオレイルアミ
ンを反応させると(B)式のように反応が進行し、化合
物(1a)が得られる。
次にR3、R4としてオレイル基を、XとしてNHを有する
(2a)の製造方法を示す。
ジエチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸を
ピリジン、無水酢酸にて(C)式のように処理すると無
水物(4)となる。
得られた酸無水物(4)と目的に応じた飽和または不
飽和アルキルアミンを反応させることにより、目的の2
個のアルキルアミド基を有する一般式(2)の化合物と
なる。具体的な例として(4)にオレイルアミンを
(D)式のように反応させると2個のオレイルアミド基
を有する化合物(2a)となる。
上記製造法において(1)または(2)の製造する際
はそれぞれ(3)または(4)を中間原料に用いて目的
に応じてアルキルアミン(R1NH2,R2NH2)を選択すれば
望みの化合物が自由に製造できる。
また一般式(1)、(2)においてXが酸素原子を表
わすものは、各々一般式(3)、(4)の化合物に目的
に応じたアルキル基を有するアルコールを脱水N,N−ジ
メチルホルムアミド中で反応させることにより製造する
ことができる。
また一般式(1)にてXがNHのものは、そのほかの方
法として下記(E)式にR1がオレイル基の例を示す製造
方法で得ることもできる。
つまりエチレンジアミン四酢酸とオレイルアミンを反
応させることにより(5)の化合物を合成し、続いて塩
基にて加水分解することにより(1a)の化合物とするも
のである。また、オレイルアミンの代わりに任意のアル
キルアミン(R1NH2,R2NH2)を用いることにより(1)
の化合物を製造することができる。
同様な方法によってジエチレントリアミン−N,N,N′,
N″,N″−五酢酸を原料に一般式(2)の化合物も製造
することができる。
本発明においては、一般式(1)および(2)で示さ
れる少なくとも1種類の化合物を含有する組成物をも使
用することができる。
従って、純度の低い飽和あるいは不飽和アルキルアミ
ン類を原料に用いて(1)または(2)で示される化合
物を製造しても、(1)または(2)の化合物を含む組
成物を得ることができ、それらも希土類金属の分離精製
の性能上問題は見られない。
また(B)式、(D)式に従ってそれぞれ(1)ある
いは(2)の化合物を製造する際、使用するアルキルア
ミンの量、反応温度によっては種々の副成物を含む組成
物が生成するが、これも特に性能上の問題になるような
ことはない。
(E)式によってそれぞれ(1)、(2)の化合物を
製造する際も塩基の量、反応温度によっては同様に種々
の副成物が生成するが、これも希土類金属の分離精製上
特に問題は生じない。
上記のように合成した油溶性錯化剤またはその組成物
は水不溶性有機溶媒に溶解して用いるが、その濃度は10
-3〜103mol/m3の範囲にて使用される。
使用する水不溶性有機溶媒としては脂肪族炭化水素、
芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素が用いられる。具
体的には、鉱油、パラフィンオイル、灯油、軽油、ナフ
サ、パークロルエチレン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン、四塩化炭素、ジクロロ
エチレン等が挙げられる。実際の使用に際してはこれら
水不溶性有機溶媒の中から1種、または2種以上の混合
物が適宜選択される。
油溶性錯化剤またはその組成物と共に、必要に応じて
水不溶性有機溶媒に溶解して用いる抽出剤としては、2
−エチルヘキシルホスホン酸−モノ−2−エチルヘキシ
レート(PC−88A、大八化学(株))、ジ−(2−エチ
ルヘキシル)リン酸(東京化成(株))、ビス−(2,4,
4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸(CYANEX272、三
井サイアナミッド(株))、トリブチルホスフェイト、
トリカプリルメチルアンモニウム塩(Aliquart336、Gen
eral Mills社)、2,2,2−トリアルキル酢酸(バーサテ
ィック・アシッド10、シェル化学)等、種々の抽出剤
が、分離精製する希土類金属の種類によって適宜選択さ
れる。選択された1種、または2種以上の混合による抽
出剤を1〜104mol/m3の濃度に溶解して用いられる。こ
れら抽出剤の存在は、使用する油溶性錯化剤の水不溶性
有機溶媒への溶解度を向上させることもある。
上記のように油溶性錯化剤またはその組成物を、必要
に応じて抽出剤と水不溶性有機溶媒に溶解して調整され
た抽出相を、希土類元素よりなる化合物を含む水溶液と
接触させることにより、水溶液中の希土類金属化合物を
分離、精製するものである。
水相は分離精製を目的とする希土類金属化合物により
異なるが、pH調節剤により通常のpH5以下に調整される
が、好ましくはpH3以下である。pH調節剤としては塩
酸、硝酸、硫酸等が用いられるが、必要に応じて種々の
緩衝溶液も使用される。
以上のように調整された油溶性錯化剤を含む抽出相
と、希土類金属化合物を含む被抽出水相を流動液膜型抽
出装置、例えばミキサーセトラー、中空糸膜型抽出装置
等により両相を接触させる。その結果水相中の希土類金
属化合物を選択的に水不溶性相に抽出、または水相中に
残存させることにより、希土類金属が分離精製される。
また水不溶性相に抽出された希土類金属は、もう一度塩
酸、硝酸、硫酸等を含む水溶液と接触させることによ
り、容易に水相側に逆抽出されてくる。この間、使用し
た油溶性錯化剤の水相への損失はほとんどない。その結
果、逆抽出後の油溶性錯化剤を含む水不溶性相は何度で
も繰り返しの使用が可能である。
高価な水溶性の錯化剤、たとえばエチレンジアミン四
酢酸塩、ジエチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五
酢酸塩を用いた場合、これら水溶性錯化剤は希土類金属
を含む水相に添加されているので、抽出操作終了後の水
相から回収する必要がある。しかしながら前述のように
希薄水溶液からの水溶性錯化剤の回収は容易なものでは
ない。多大なコストと労力を費やし、また相当の設備も
必要である。
本発明は、使用する油溶性錯化剤が化学的にも安定で
水相への損失もほとんどないために、希土類金属の分離
精製において、水溶性錯化剤を用いたときのような水溶
性錯化剤の回収操作および装置の必要をなくし、繰り返
しの抽出、逆抽出操作を可能にするものであり、希土類
金属の分離精製に要するコストを、大きく低減させるも
のである。
[作用] 本発明に使用される油溶性錯化剤は、流動液膜型抽出
装置等による希土類金属の分離精製の際に、その分離選
択性を高めるために抽出剤とともに油相に溶解して使用
される。これら油溶性錯化剤が希土類金属の分離精製の
選択性を上げる機構の詳細は不明であるが、その作用に
関しては次のように考えられる。
使用される油溶性錯化剤は、それらの製造の中に二本
の長い不飽和または飽和アルキル基を有しているため
に、界面活性剤と同様に界面吸着能を有している。それ
らの界面吸着能が、希土類金属、例えば、ホルミウム、
エルビウム、イットリウムの抽出の際に使用する、油溶
性抽出剤、例えばPC−88A等よりも大きいために、油溶
性錯化剤が優先的に油水界面に吸着しているものと考え
られる。そのために希土類金属と抽出剤分子との直接的
な錯形成を阻害していると考えられる。ただし、油溶性
錯化剤(1)、(2)は弱いながらも希土類金属との錯
化能力を有し、界面において希土類金属と結合した後、
PC−88A分子が入れ替わり希土類金属と結合して有機相
中へ希土類金属化合物を抽出すると考えられる。この際
油溶性錯化剤はホルミウム、エルビウムに対して、イッ
トリウムよりも強く結合し、素早く抽出剤と再結合して
有機相中に取り込まれるので、イットリウムの抽出速度
は、ホルミウム、エルビウムに比較して低下すると考え
られる。その結果、ホルミウム、エルビウムは有機相に
抽出され、当然水相のイットリウムの純度は向上するこ
ととなる。
また使用される油溶性錯化剤は水溶性がほとんどな
く、希土類金属の値、再抽出の際にも水相に溶出するこ
とはない。また化学的に非常に安定なために酸、熱等に
よる分解はほとんどない。つまり、実際に使用する際に
は、一度抽出剤と共に油相に溶解して抽出相を調整すれ
ば繰り返し何度でも使用できることになる。その結果、
水溶性の錯化剤を用いたときのように、大がかりな水溶
性錯化剤の回収装置や、労力を要する操作も必要がなく
なり、非常に大きなコストの低減をもたらすことにな
る。
本発明の分離精製法は、使用する油溶性錯化剤の示す
上記の作用により、希土類金属の分離選択性を向上させ
るとともに、工業的に装置の小型化、省力化、およびコ
ストの低減を計るものとして非常に有意義なものであ
る。
また本発明の分離精製法は、使用する油溶性錯化剤の
作用から明らかなように、希土類金属のみならず、他の
金属、例えば重金属の分離精製にも応用されるものであ
る。
[実施例] 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこ
れらの例により限定されるものではない。
製造例1 油溶性錯化剤(1a)の合成 エチレンジアミン四酢酸91g、無水酢酸130g、ピリジ
ン150gを反応器にとり、65℃で16時間撹拌する。反応後
に20℃まで冷却し、析出している結晶をろ別する。ろ別
後に結晶を無水酢酸、続いてジエチルエーテルにて洗浄
することにより白色となる。洗浄後減圧にて乾燥し、79
gの酸無水物(3)の結晶を得る。
IR(Nujol,cm-1) 1800,1760(−CO−O−CO−)。
続いて、酸無水物(3)20g、オレイルアミン45.9gを
反応器にとり、ジオキサン200mlにて懸濁する。オイル
バスにて70℃まで徐々に昇温し溶解後20分加熱する。反
応後、減圧にて濃縮し、その残渣をエタノールにて結晶
化させ、ろ別、乾燥することにより、白色結晶状の油溶
性錯化剤(1a)53gを得る。
得られた(1a)の化合物について測定した物性値を示
す。
(1)mp 137−138℃; (2)元素分析 測定値(%) C69.43 H11.18 N7.21 C46H86N4O6としての理論値(%) C69.86 H10.96 N7.08; (3)IR(Nujol,cm-1) 3350,3220(−NH−,−COOH)、1670(−CONH−,−COO
H); (4)NMR(CDC13,δppm) 0.88(6H,t,J=7.2xCH3−)、 1.26(44H,s,22x−CH2−)、 1.50(4H,brs,2x−CONHCH2−CH2−)、 2.00(8H,m,2x−CH2−CH=CH−CH2−)、 3.13(4H,brs,−N−CH2CH2−N−)、 3.21(4H,brs,2x−CONH−CH2−)、 3.61(4H,brs,2xN−CH2−COOH)、 3.67(4H,brs,2xN−CH2−CONH)、 5.34(4H,brs,2x−CH=CH−)、 7.75(2H,brs,2x−CONH−); (5)溶解性 トルエン、ベンゼン、クロロホルム、ヘプタンに可
溶、水に不溶。
製造例2 油溶性錯化剤(1)において、XがNHで、R1、R2がオ
クチル基、2−オクテニル基、7−ドデセニル基、セチ
ル基、ステアリル基を有する各化合物は、製造例1に示
す(1a)の合成法に従いオレイルアミンの代わりに、相
当するアミンを使用することにより合成された。
製造例3 油溶性錯化剤(1)において、Xが酸素原子で、R1
R2がオクチル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基
を有するものを合成した。合成中間体としては、製造例
1に記載の(3)の化合物を使用した。(3)の化合物
と、相当するアルコールを2倍モル、そして乾燥N,N−
ジメチルホルムアミド(DMF)を反応器にとり85℃で一
昼夜加熱した。反応後減圧にて濃縮し、残査をエタノー
ルにて結晶化して各々の目的物を得た。
製造例4 油溶性錯化剤(2a)の合成 ジエチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸100
g、無水酢酸156g、ピリジン130gを反応器にとり、65℃
で24時間加熱する。加熱後に室温まで冷却し、析出して
いる結晶をろ別する。ろ別した結晶は無水酢酸、ベンゼ
ンにて洗浄し乾燥する。その結果(4)を白色結晶とし
て88g得る。
IR(Nujol,cm-1) 1820,1770(−CO−O−CO−),1640(−COOH)。
酸無水物(4)20g、オレイルアミン32.9g、ジオキサ
ン300mlを反応器にとり、撹拌しながらオイルバスにて
1.5時間還流する。還流後、減圧にてジオキサンを濃縮
し、残査をエタノールにて結晶化する。そして結晶をろ
別後乾燥することにより、白色結晶状の油溶性錯化剤
(2a)を24g得る。
得られた(2a)の化合物について、測定した物性値を
下記に示す。
(1)mp 164−166℃; (1)元素分析 測定値(%) C67.06 H10.71 N7.97 C50H93N5O8としての理論値(%) C67.30 H10.51 N7.85; (3)IR(Nujol,cm-1) 3350(−CONH−)、1670(−CONH−)、1620(COOH); (4)溶解性 トルエン、ベンゼン、クロロホルム、ヘプタンに可
溶、水不溶。
製造例5 油溶性錯化剤(2)において、XがNH、R3、R4がオク
チル基、ラウリル基、7−ドデセニル基、ステアリル基
を有する各化合物は、製造例2に示す(2a)の合成法に
従いオレイルアミンの代わりに、相当するアミンを使用
することにより合成された。
製造例6 油溶性錯化剤(2)において、Xが酸素原子、R3、R4
がオクチル基、ラウリル基、ステアリル基、オレイル基
を有する各化合物を合成した。合成中間体としては製造
例4の(4)を使用した。(4)をDMFにて加熱溶解
し、相当するアルコールを2倍モル加えて85℃で一昼夜
加熱した。反応後減圧にてDMFを濃縮後、エタノール、
またはDMF−エタノールにて再結晶して各化合物を得
た。
製造例7 油溶性錯化剤(1a)の合成 エチレンジアミン四酢酸50g、オレイルアミン46gを反
応器にとり、水が30ml、キシレン5mlを加える。撹拌し
ながら加熱を行ない水、およびキシレンを留出させつつ
昇温させる。そして200℃で2時間反応させた後、室温
まで冷却すると赤褐色の固体が得られ、それをエタノー
ルで再結晶することにより精製し、結晶(5)120.9gを
得る。
得られた(5)全量と、エタノール100mlを反応器に
とり、それに5N−NaOH水溶液を加えて30分加熱還流す
る。反応液を冷却した後に水を加えて1.5までに希釈
し、5N−HClにてpH1.5とする。生成した白色沈澱をろ別
し、エタノールにて再結晶することにより、(1a)11.8
gを得る。構造はNMR、元素分析にて確認した。
実施例1 本発明に使用される油溶性錯化剤の性能の検討は第1
図に示す中空糸膜型抽出装置を用いて行なった。中空糸
1はジャパンゴアテックス社製の膜厚1mm、内径5mm、長
さ30mm(反応部25cm)の多孔質中空糸テフロン膜を用い
た、その中空糸を内径8mmのガラス管2内に固定し、中
空糸の外側に有機相3を、内側に水相4を定量ポンプを
用いて流せるようになっており、恒温槽5にて30℃に保
ちながら実験を行なった。実験に先立ち、脱気したトル
エンまたはヘプタンとイオン交換水を各々中空糸内側と
外側に一時間ほど流し、中空糸を各溶媒になじませた。
試験液の調整 水相は0.1N−硝酸−0.1N−硝酸ナトリウムにてpH2.0
5、2.2、2.3、2.5、2.8に調整し、ホルミウム、イット
リウム、エルビウムの初濃度はそれぞれ0.5mol/m3に調
整した。
抽出相はトルエンを使用し、PC−88A(2−エチルヘ
キシルホスホン酸−モノ−2−エチルヘキシレート)濃
度は50mol/m3とし、そして油溶性錯化剤(1a)は1.0mol
/m3に調整した。
実験は各々のpHに調整された希土類金属を含む水溶液
と、(1a)および抽出剤を含む有機相を並流に流して行
なった。サンプリングは溶液を1.5時間流し、定常状態
になった後、各相より行なった。有機相は6N−硝酸で逆
抽出した後、ICP発光分光法により希土類金属濃度を決
定した。
測定データに基づいて、下記式によって膜透過係数PM
(PMは金属の膜透過のしやすさを示すものである。大き
いほど有機相中への溶解速度が速く、希土類金属間でこ
のPM値の差が大きいほど分離が容易なことを示す。)を
求めた。
PM=QorgCMorg/2πrL PM 膜透過係数(mol/s・m2) Qorg 有機相流量(m3/s) r 中空糸内径(m) L 中空糸長さ(m) CMorg 有機相中の金属の濃度(mol/m3) 各金属の膜透過係数とpHとの関係を第2図に示す。第
2図から明らかなように、油溶性錯化剤(1a)を用いた
場合、より低いpH側でイットリウムとホルミウム、エル
ビウムの膜透過係数の差が大きくなっている。この大き
な差は、油溶性錯化剤は希土類金属の分離精製に大きく
寄与するものである。また水溶性錯化剤のように逆抽出
の度毎に、回収操作を必要とせず、希土類金属抽出、逆
抽出の際に水相への損失がほとんどないため、回収操作
なしに繰り返し何度でも使用できるので、分離精製に要
するコストは大きく低減されることになる。
実施例2 実施例1にて使用したPC−88A、油溶性錯化剤(1a)
を各々50mol/m3、1.0mol/m3を含むトルエン相を繰り返
し使用し、その性能の変化を調べてみた。その結果、膜
透過係数を調べる限り、30回の繰り返し使用において
も、希土類金属の分離選択性への寄与は、低下が見られ
なかった。
実施例3 実施例1にて使用しているPC−88Aの代わりに、他の
抽出剤、ジ−(2−エチルヘキシル)リン酸エステル、
ビス−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸を
用いても、実施例1と同様、各金属間の膜透過係数に差
が生じることを確認した。
比較例1 希土類金属の抽出分離精製時において、水溶性錯化剤
(ジエチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸ナ
トリウム)添加時および無添加時のpH変化に対する膜透
過係数の変化を調べた。
水相は0.1N−硝酸−0.1N−硝酸ナトリウムにて各々の
pHに調整し、ホルミウム、エルビウム、イットリウムの
初濃度はそれぞれ0.5mol/m3に調整した。またジエチレ
ントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸ナトリウムは
1.5mol/m3になるように添加調整した。有機相はヘプタ
ンを使用し、抽出剤PC−88Aは50mol/m3になるように添
加調整した。中空糸膜型抽出装置を用いての実験結果を
第3図に示す。
第3図のように水溶性錯化剤添加時にはイットリウム
とホルミウム、エルビウムの膜透過係数に差が見られる
ものの、無添加においてはほとんど差がない。水溶性錯
化剤の添加効果は第3図のように確認されるものの、希
土類金属逆抽出後の水相より水溶性錯化剤を回収するこ
とは容易ではない。実際、抽出実験使用後の、水溶性錯
化剤を含む水溶液(ジエチレントリアミン−N,N,N′,
N″,N″−五酢酸、約0.6%)を20%HClにてpHを5〜1
まで振ってみたが、結晶の析出はなく、回収できなかっ
た。また減圧にて水溶液の濃縮を試みたが次第に着色
し、また10%程度の濃度まで濃縮しても析出せず、回収
できなかった。また濃縮水溶液に、水溶液と同体積のメ
タノール、イソプロピルアルコールを添加しても、ジエ
チレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸は回収で
きなかったことから見ても水溶性錯化剤の回収は著しく
困難なことがわかる。ましてや、実施例2で記した30回
の繰り返し使用など、思いもよらぬことである。本発明
に使用される油溶性錯化剤は一切回収操作なく実施例2
の通り繰り返し使用でき、工業上、非常に大きな意義を
有する。
実施例4 水相は0.1N−硝酸−0.1N−硝酸ナトリウムにてpH2.3
に調整し、ホルミウム、イットリウム、エルビウムの初
濃度CMOは各々0.5mol/m3に調整した。有機相にはトルエ
ンを使用し、抽出剤PC−88Aの濃度CHROは50mol/m3とし
た。そして油溶性錯化剤(1a)の濃度CSは0.05〜2mol/m
3の範囲にて、中空糸膜型抽出装置により性能の検討を
行なった。その結果は第4図に示す。イットリウムとホ
ルミウム、エルビウムは、(1a)のいずれの濃度におい
ても、分離を行うに十分な膜透過係数の差が見られる。
ちなみに(1a)を添加しないCS=0の場合と比較してみ
ると、本発明に使用される油溶性錯化剤の効果は明らか
である。
実施例5 油溶性錯化剤(1)において、製造例2にて合成され
たXがNH、R、R1、R2がオクチル基、2−オクテニル
基、7−ドデセニル基、セチル基、ステアリル基を有す
るものを、実施例3と同様の条件にて性能評価を行なっ
た。その結果、(1a)と同様、各錯化剤の濃度が10-2mo
l/m3以上においてイットリウムとホルミウム、エルビウ
ムの膜透過係数間に顕著な差が生じ、油溶性錯化剤
(1)の効果が確認された。
実施例6 油溶性錯化剤(1)において、製造例3にて合成され
たXが酸素原子、R1、R2がオクチル基、セチル基、ステ
アリル基、オレイル基を有するものを、実施例3と同様
の条件にて性能評価を行なった。その結果、各化合物は
10-2mol/m3以上の濃度において、イットリウムとホルミ
ウム、エルビウムの膜透過係数間に顕著な差が生じ、各
化合物の効果が確認された。
実施例7 油溶性錯化剤(2a)の性能を実施例3と同条件にて評
価した。結果は第5図に示す。(2a)の濃度が10-2mol/
m3以上にて希土類金属間の膜透過係数に差が生じ、1mol
/m3においてはエルビウム、ホルミウム、イットリウム
各金属間に明らかな差が見られ、油溶性錯化剤(2a)の
効果は確認された。
実施例8 油溶性錯化剤(2)において、製造例5にて合成され
たXがNH、R3、R4がオクチル基、ラウリル基、7−ドデ
セニル基、ステアリル基を有するものを、実施例5と同
様の条件にて性能評価を行なった。その結果、(2a)と
同様、各錯化剤の濃度が10-2mol/m3以上において各金属
間の膜透過係数に顕著な差が生じ、油溶性錯化剤の効果
が確認された。
実施例9 油溶性錯化剤(2)において、製造例6にて合成され
たXが酸素原子、R3、R4がオクチル基、ラウリル基、ス
テアリル基、オレイル基を有するものを、実施例5と同
様の条件にて性能評価を行なった。その結果、各錯化剤
の濃度が10-2mol/m3以上において各金属間の膜透過係数
に顕著な差が生じ、各油溶性錯化剤の効果が確認され
た。
実施例10 新規油溶性錯化剤(1a)、(2a)を用いてプラセジオ
ム(Pr)とネオジム(Nd)分離に対する効果を調べた。
水相は各金属濃度を0.5mol/m3とし、pHは0.1N−硝酸に
て2.85に調整した。抽出相にはトルエンを用い、抽出剤
はPC−88A(50mol/m3)、油溶性錯化剤(1a)、(2a)
は各々1mol/m3とした。また比較として油溶性錯化剤を
加えないで抽出剤だけの分離実験も行なった。実験法、
および測定法は実施例1と同様である。
結果は第6図に示してあるが、やはり(1a)、(2a)
を使用したものは、希土類金属の膜透過係数に差が生じ
ており、これら油溶性錯化剤の添加効果が確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例で、新規油溶性錯化形成化合物
の性能の検討に使用した中空糸膜型抽出装置の概要図で
ある。 第2図は本発明の実施例1の結果を示すグラフであり、
新規油溶性錯化剤(1a)添加時におけるホルミウム、イ
ットリウム、エルビウムの各金属の膜透過係数とpHとの
関係を示す。 第3図は本発明の比較例1の結果を示すグラフであり、
水溶性錯化剤(ジエチレントリアミン−N,N,N′,N″,
N″−五酢酸ナトリウム)添加時および無添加時におけ
るホルミウム、イットリウム、エルビウムの各金属の膜
透過係数とpHとの関係を示す。 第4図は本発明の実施例4の結果を示すグラフであり、
新規油溶性錯化剤(1a)の添加濃度とホルミウム、イッ
トリウム、エルビウムの各金属の膜透過係数との関係を
示す。 第5図は本発明の実施例6の結果を示すグラフであり、
新規油溶性錯化剤(2a)の添加濃度とホルミウム、イッ
トリウム、エルビウムの各金属の膜透過係数との関係を
示す。 第6図は本発明の実施例8の結果を示すグラフであり、
新規油溶性錯化剤(1a)および(2a)の添加時および無
添加時におけるプラセオジムとネオジムの膜透過係数と
の関係を示す。 図中符号: 1……中空糸;2……ガラス管; 3……有機相;4……水相;5……恒温槽。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 姉川 彰博 福岡県福岡市東区箱崎6―10―1 九州 大学工学部合成化学教室内 (72)発明者 坪井 彦忠 千葉県茂原市東郷1900番地 三井サイア ナミッド株式会社内 (72)発明者 長尾 繁光 千葉県茂原市東郷1900番地 三井サイア ナミッド株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01F 17/00 C22B 59/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】希土類元素よりなる化合物を含む水溶液
    と、下記一般式(1) (式中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよ
    く、各々炭素原子数8〜20の飽和または不飽和のアルキ
    ル基を表わし、XはOまたはNHを表わす。) で示される化合物、および下記一般式(2) (式中、R3およびR4は互いに同一でも異なっていてもよ
    く、各々炭素数8〜20の飽和または不飽和のアルキル基
    を表わし、XはOまたはNHを表わす。) で示される化合物の少なくとも1種類を含む水不溶性有
    機溶媒とを接触させることを特徴とする希土類金属の分
    離精製法。
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