JP2714712B2 - 新規なエチレンジアミン―n,n’―二酢酸―n,n’―二酢酸アルキルアミド、ジエチレントリアミン―n,n’,n”―三酢酸―n,n”―二酢酸アルキルアミド、およびそれらの用途 - Google Patents

新規なエチレンジアミン―n,n’―二酢酸―n,n’―二酢酸アルキルアミド、ジエチレントリアミン―n,n’,n”―三酢酸―n,n”―二酢酸アルキルアミド、およびそれらの用途

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彰博 姉川
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規なエチレンジアミン−N,N′−二酢酸
−N,N′−二酢酸アルキルアミド化合物およびエチレン
トリアミン−N,N′,N″−三酢酸−N,N″−二酢酸アルキ
ルアミド化合物、並びにそれらの用途に関する。
さらに詳しく言えば、希土類金属の分離精製等に利用
し得る油溶性錯化剤として有用な、エチレンジアミン−
N,N′−二酢酸−N,N′−二酢酸アルキルアミド化合物お
よびエチレントリアミン−N,N′,N″−三酢酸−N,N″−
二酢酸アルキルアミド化合物、並びにそれらの油溶性錯
化剤としての用途に関する。
[従来の技術およびその課題] 希土類金属とは、スカンジウム(Sc)、イットリウム
(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジ
ム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマ
リウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(G
d)、テレビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホル
ミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イ
ッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)の17元素の総称
である。
希土類金属はその特異な性質により、現在、発光材
料、磁性材料等の先端技術の分野において様々に利用さ
れている。しかしながら、いずれの用途においても非常
に高純度なものが要求されている。
希土類金属はモナズ石、バネストサイト、ゼノタイム
等の鉱石中に複数の種類が少量ずつ同時に含まれてい
る。この少量ずつ同時に含まれている希土類金属間の化
学的性質は非常に似通っており、通常の方法でこれらを
分離しても純度が低く、何種類かの希土類金属の混合物
として得られるものである。純度の低いこれらの金属を
さらに高純度なものに精製する方法として、従来非水溶
性の抽出剤を非水溶性の溶媒に溶解して調整した油相を
用いて、水溶液中に存在する希土類金属を抽出分離する
方法が知られている。ここで、非水溶性の抽出剤として
は、具体的にはN−8−キノリンスルホンアミド、E−
2−ヒドロキシ−5−ノニルベンゾフェノンオキシム、
トリ−n−オクチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,4
−トリメチルペンチル)ホスフィン酸、ビス(2,4,4−
トリメチルペンチル)ホスフィノジチオエート、トリイ
ソブチルホスフィンスルフィド、ビス(2,4,4−トリメ
チルペンチル)n−オクチルホスフィン、2−エチルヘ
キシルホスホン酸−モノ−2−エチルヘキシレート、ト
リブチルホスフェイト、トリカプチルメチルアンモニウ
ム塩、2,2,2−トリアルキル酢酸等が用いられ、CYANEX2
72、921、301、471X、925(以上、三井サイアナミッド
(株))、LIX65N(Henkel社)、Aliquart336(General
Mills社)、Kelex100(Ashland社)、PC−88A(大八化
学(株))、バーサティック・アシド10(シェル化学)
等の商品名で市販されている。非水溶性の溶媒としては
脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素
が用いられる。具体的には鉱油、パラフィンオイル、灯
油、軽油、ナフサ、パークロルエチレン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ン等が挙げられる。
この抽出方法は水溶液中の希土類金属イオンと油相中
の抽出剤が油水界面において錯形成して、希土類金属イ
オンが油相に取り込まれる現象を利用したものである。
すなわち、希土類金属の種類によって抽出剤との錯形成
能力に差があり、それにより各希土類金属の分離精製が
可能となるものである。しかしながら、例えばイットリ
ウムとエルビウム、ホルミウム等の重希土類元素は錯形
成能力に差がないために分離困難であり、上記抽出法は
完全なものではない。
そこで、希土類金属分離の選択性を上げるための提案
がなされている。例えば、上記の溶媒抽出法において、
金属抽出の際に希土類金属イオンを含む水相に、水溶性
の錯化剤を加えることにより、各希土類金属間の分離選
択性が著しく向上することが知られている(特開昭52−
150717号)。ここで、水溶性の錯化剤としては、エチレ
ンジアミン四酢酸塩類、エチレンジアミン−N,N′−二
酢酸塩類、ジエチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−
五酢酸塩類等が用いられている。
これら水溶性錯化剤が、希土類金属の分離精製の選択
性に及ぼす効果としては次のように推測されている。水
相中の希土類金属は水溶性錯化剤と錯形成し、それが油
水界面における油相中の抽出剤と、水相中の希土類金属
との錯形成を阻害する。この阻害の程度が各希土類金属
間で異なり、その結果油相への希土類金属の抽出速度に
差が生じ、分離精製を容易にさせるものと考えられてい
る。しかし、この水相への錯化剤の添加による希土類金
属の分離法も以下に述べるような問題を有している。
すなわち、水溶性錯化剤を水相に添加しての希土類金
属の溶媒抽出を工業的な規模にて実施する際には、使用
した水溶性錯化剤の回収という厄介な問題を解決しなく
てはならない。水溶性錯化剤であるエチレンジアミン四
酢酸塩類、エチレンジアミン−N,N′−二酢酸塩類、ジ
エチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸塩類等
は高価なものであり、工業的な生産において使い捨てに
できる試薬ではない。
一般に水溶性錯化剤のように水溶解性の高い有機化合
物を、水溶液中から効率良く回収することは容易なこと
ではない。水溶液の濃縮、結晶化、またはカラムクロマ
トグラフィーによる分離等のかなりの規模の装置および
労力を必要とし、また回収操作中のpH変化、加熱操作に
よる有機化合物の分解等のため、高い回収率で回収する
ことはほとんど不可能である。この未回収の水溶性錯化
剤および回収操作のコストは当然希土類金属の価格に上
乗せされ、希土類金属は非常に高価なものとなる。
水溶性錯化剤を用いる希土類金属の溶媒抽出は、希土
類金属間の分離選択性を向上させるという長所はあるも
のの、使用した水溶性錯化剤を高回収率で回収すること
ができなければ、工業的に使用することは不可能であ
る。
従って、本発明の課題は、溶媒抽出による希土類金属
の分離精製において、水溶性錯化剤に代わる、抽出選択
性の高い錯代剤であって、安定してかつ容易に、高い回
収率で回収できるものを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上述の如く、水溶性の錯化剤は希土類金属の分離精製
の選択性を著しく向上させるが、その水溶性の為に回収
が困難である点に鑑み、本発明者らは各希土類金属の分
離選択性を高める錯化剤が非水溶性であり、抽出剤と同
様油溶性であれば、抽出剤と一緒に油相中に容易に回収
され、また抽出された希土類金属を再抽出した後には繰
り返し再利用できると考え、さらに水溶性錯化剤の分離
選択性に対する効果からみて、意図する錯化剤もまた分
子構造上、希土類金属との錯形成能を有する必要がある
と考えて、これらの条件を満たす数多くの化合物を合成
し効果の確認を続けた結果、以下の新規化合物が著しく
優れた性能を示すことを見出だし、本発明を完成するに
至った。
すなわち、本発明は、 1)下記一般式(1) (式中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよ
く、各々炭素原子数8〜20の不飽和アルキル基を表わ
す。) で示されるエチレンジアミン−N、N′−二酢酸−N、
N′−二酢酸アルキルアミド、 2)下記一般式(2) (式中、R3およびR4は互いに同一でも異なっていてもよ
く、各々炭素原子数8〜20の飽和または不飽和のアルキ
ル基を表わす。) で示されるジエチレントリアミン−N,N′,N″−三酢酸
−N,N″−二酢酸アルキルアミド、 3)下記一般式(1) (式中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよ
く、各々炭素原子数8〜20の不飽和アルキル基を表わ
す。) で示されるエチレンジアミン−N,N′−二酢酸−N,N′−
二酢酸アルキルアミドからなる新規油溶性錯化剤、 4)下記一般式(2) (式中、R3およびR4は互いに同一でも異なっていてもよ
く、各々炭素原子数8〜20の飽和または不飽和のアルキ
ル基を表わす。) で示されるジエチレントリアミン−N,N′,N″−三酢酸
−N,N″−二酢酸アルキルアミドからなる新規油溶性錯
化剤、 5)下記一般式(1) (式中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよ
く、各々炭素原子数8〜20の不飽和アルキル基を表わ
す。) で示されるエチレンジアミン−N,N′−二酢酸−N,N′−
二酢酸アルキルアミドを含有することを特徴とする油溶
性錯化剤組成物、および 6)下記一般式(2) (式中、R3およびR4は互いに同一でも異なっていてもよ
く、各々炭素原子数8〜20の飽和または不飽和のアルキ
ル基を表わす。) で示されるジエチレントリアミン−N,N′,N″−三酢酸
−N,N″−二酢酸アルキルアミドを含有することを特徴
とする油溶性錯化剤組成物、 に関するものである。
本発明の新規化合物は新規油溶性錯化剤またはその錯
化剤を含有する組成物として、抽出剤と共に水不溶性有
機溶媒に溶解し、水溶液中の希土類金属化合物を分離精
製するために用いられる。
また本発明の新規な油溶性錯化剤は、希土類金属の種
類により錯形成の速度、平衡定数等が異なるため、場合
によっては、いわゆる抽出剤を使用せずに特定の希土類
金属間の分離のために用いることも可能である。
以下に、本発明の内容をさらに詳細に記す。
前記一般式(1)において、R1およびR2が表わす炭素
数8〜20の不飽和アルキル基は直鎖状でも分岐状でもよ
い。具体的な例としては、オクテニル基、ドデセニル
基、パルミトレイル基、オレイル基等が挙げられる。
前記一般式(2)において、R3およびR4が表わす炭素
数8〜20の飽和または不飽和アルキル基は直鎖状でも分
岐状でもよい。具体的な例としては、オクチル基、オク
テニル基、セチル基、ドデセニル基、ステアリル基、オ
レイル基等が挙げられる。
本発明の化合物は、種々の方法にて合成可能であり、
その出発原料、製造経路、中間体の種類などに特に制限
はない。
一般式(1)の代表的な製造方法を以下に反応式で示
す。
(式中、R1、R2は前記と同じ意味を表わす。) 上記反応式(A)および(B)で示される反応それ自
体は公知であるが、簡単に説明する。
エチレンジアミン四酢酸をピリジン、無水酢酸中で加
熱することにより対応する酸無水物(3)を合成する。
得られた酸無水物(3)を、目的に合わせ不飽和アル
キルアミンと反応させることにより、すなわち、R1とR2
とが同一の場合には酸無水物(3)に対してR1NH2また
はR2NH2を2モルを反応させ、またR1とR2が異なる場合
には、まずR1NH2を等モル反応させた後、次いでR2NH2
反応させることにより、目的の2個のアルキルアミド基
(R1NHCO−およびR2NHCO−)を有するエチレンジアミン
−N,N′−二酢酸−N,N′−二酢酸アルキルアミド化合物
(1)が得られる。
また、他の製造方法として、下記反応式(C)に示す
方法がある。
(式中、R1、R2は前記と同じ意味を表わす。) 反応自体は公知であるので簡単に説明すると、エチレ
ンジアミン四酢酸とアルキルアミンR1NH2および/また
はR2NH2を前記反応式(B)と同様に2モル反応させる
か、逐次的に1モルずつ反応させることによって、R1
R2の式(4)の化合物まはR1≠R2の式(4)の化合物を
合成し、続いて塩基にて加水分解することにより(1)
とするものである。
次に、一般式(2)の化合物も一般式(1)の化合物
と同様の方法にて製造することができる。
代表的な2つの製造方法を下記の反応式(D)、
(E)および(F)に示す。
(式中、R3、R4は前記と同じ意味を表わす。) 上記反応式(D)および(E)で示される反応は前述
の反応(A)および(B)と同様に行なわれる。すなわ
ち、ジエチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸
をピリジン、無水酢酸中で加熱することにより対応する
酸無水物(5)を合成する。
得られた酸無水物(5)を、目的に合わせ飽和または
不飽和アルキルアミンと反応させることにより、すなわ
ち、R3とR4とが同一の場合には酸無水物(5)に対して
R3NH2またはR4NH2を2モルを反応させ、またR3とR4が異
なる場合には、まずR3NH2を等モル反応させた後、次い
でR4NH2を反応させることにより、目的の2個のアルキ
ルアミド基(R3NHCO−およびR4NHCO−)を有するジエチ
レントリアミン−N,N′,N″−三酢酸−N,N″−二酢酸ア
ルキルアミド化合物(2)が得られる。
上記反応式(F)に示す反応は、前述の反応(C)と
同様に行なわれる。すなわち、ジエチレントリアミン−
N,N,N′,N″,N″−五酢酸とアルキルアミンR3NH2および
/またはR4NH2を前記反応式(C)と同様に2モル反応
させるか、逐次的に1モルずつ反応させることによっ
て、R3=R4の式(6)の化合物またはR3≠R4の式(6)
の化合物を合成し、続いて塩基にて加水分解することに
より(2)とするものである。
さらに、本発明の一般式(1)または(2)で示され
る化合物を錯化剤として使用す場合には、それらの化合
物は単独で用いられるほか、一般式(1)または(2)
の化合物を少なくとも一種類含有する組成物としても目
的を達し得る。
すなわち、本発明は一般式(1)または(2)で示さ
れる化合物を含有する油溶性錯化剤組成物をも対象とす
るものである。
例えば、本発明の一般式(1)または(2)で示され
る化合物を製造するに際して使用する飽和あるいは不飽
和のアルキルアミンは、純度の低いものあるいは混合ア
ミン類を原料に用いて一般式(1)または(2)の化合
物を含む組成物を得ることができ、この組成物を錯化剤
として使用することができる。
また(B)式および(E)式に従って化合物(1)お
よび(2)を製造する際、使用する飽和あるいは不飽和
のアルキルアミンの量、反応温度によっては種々の副成
物が生成するが錯化剤としては特に性能上の問題になる
ようなことはない。(C)式および(F)式によってそ
れぞれ化合物(1)および(2)を製造する際も塩基の
量、反応温度によっては同様に種々の副成物が生成する
が、錯化剤としては特に問題は生じない。
以上、本発明の新規油溶性錯化剤の製造方法の例を挙
げたが製造方法は本例に限定されるものではない。
本発明の新規油溶性錯化剤およびその組成物は、溶媒
抽出による金属化合物、特に希土類金属化合物の分離精
製にその効果を発揮する。
本発明の新規油溶性錯化剤またはその組成物は水不溶
性有機溶媒に溶解して用いるが、一般式(1)または
(2)で示される化合物の濃度は10-3〜103mol/m3の範
囲にて使用される。
使用される水不溶性有機溶媒としては脂肪族炭化水
素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素が用いられ
る。具体的には、鉱油、パラフィンオイル、灯油、軽
油、ナフサ、パークロルエチレン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘプタン、シクロヘキサン、四塩化炭
素、ジクロロエチレン等が挙げられる。実際の使用に際
してはこれらの水不溶性有機溶媒の中から1種、または
2種以上の混合物が適宜選択される。
また新規油溶性錯化剤またはその組成物と共に、必要
に応じて水不溶性有機溶媒に溶解して用いられる抽出剤
としては、2−エチルヘキシルホスホン酸−モノ−2−
エチルヘキシレート(PC−88A、大八化学(株))、ジ
−(2−エチルヘキシル)リン酸(東京化成(株))、
ビス−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸(C
YANEX272、三井サイアナミッド(株))、トリブチルホ
スフェイト、トリカプリルメチルアンモニウム塩(Aliq
uart 336,General Mills社)、2,2,2−トリアルキル酢
酸(バーサティック・アシッド10、シェル化学)等種々
の抽出剤が、分離精製する希土類金属の種類によって適
宜選択される。選択された1種、または2種以上の混合
による抽出剤を1〜104mol/m3の濃度に溶解して用いら
れるが、これら抽出剤の存在は、新規油溶性錯化剤、そ
の組成物の水不溶性有機溶媒への溶解度を向上させる効
果をもたらすこともある。
上記のように油溶性錯化剤またはその組成物は、必要
に応じて抽出剤と水不溶性有機溶媒に溶解して調整され
た抽出相を、希土類元素よりなる化合物を含む水溶液と
接触させることにより、水溶液中の希土類金属化合物を
分離、精製することができる。
水相は分離精製を目的とする希土類化合物により異な
るが、pH調節剤により通常pH5以下に調整されるが、好
ましくはpH3以下である。pH調節剤としては塩酸、硝
酸、硫酸等が用いられ、必要に応じて種々の緩衝溶液も
使用される。
以上のように調整された抽出剤、油溶性錯化剤を含む
抽出相と、希土類化合物を含む被抽出水相を流動液膜型
抽出装置、例えばミキサーセトラー、中空糸型抽出装置
等により両相を接触させる。その結果水相中の希土類金
属化合物を選択的に水不溶性相に抽出、または水相中に
残存させることにより、希土類金属が分離精製される。
また水不溶性相に抽出された希土類金属は、塩酸、酢
酸、硫酸等を含む水溶液と接触させることにより、容易
に水相側に逆抽出されてくる。この際、使用した油溶性
錯化剤の水相への損失はほとんどない。その結果、逆抽
出後の油溶性錯化剤を含む水不溶性相は何度でも繰り返
しの使用が可能である。
本発明の新規油溶性錯化剤とその組成物は、化学的に
も安定で、水相への損失もほとんどないため、水溶性錯
化剤を用いたときのような水溶性錯化剤の回収操作およ
び装置の必要性をなくし、繰り返しの抽出、逆抽出操作
を可能にするものであり、また希土類金属の分離精製に
要するコストを、大きく低減させるものである。
[作用] 本発明の新規油溶性錯化剤とその組成物は、流動液膜
型抽出装置等による希土類金属の分離精製の際に、その
分離選択性を高めるために抽出剤とともに油相に溶解し
て使用される。これら新規油溶性錯化剤が希土類金属の
分離精製の選択性を上げるという効果をもたらす機構の
詳細は不明であるが、その作用に関しては次のように考
えられる。
新規油溶性錯化剤(1)および(2)は、それらの構
造の中に二本の長い飽和または不飽和のアルキル基を有
しているために、界面活性剤と同様に界面吸着能を有し
ている。それらの界面吸着能が、希土類金属、例えばホ
ルミウム、エルビウム、イットリウムの抽出の際に使用
する、油溶性抽出剤、例えばPC−88A等よりも大きいた
めに、油水界面には優先的に(1)または(2)が吸着
しているものと考えられる。そのために希土類金属と抽
出剤分子との直接的な錯形成を阻害していると考えられ
る。但し、(1)および(2)は弱いながらも希土類金
属との錯化能力を有し、界面において希土類金属と結合
した後、PC−88A分子が入れ替わり希土類金属と結合し
て有機相中へ希土類金属化合物を抽出すると考えられ
る。この際、(1)および(2)はホルミウム、エルビ
ウムに対して、イットリウムよりも強く結合し、素早く
抽出剤と再結合して有機相中に取り込まれるので、イッ
トリウムの抽出速度は、ホルミウム、エルビウムに比較
して低下すると考えられる。その結果、ホルミウム、エ
ルビウムは有機相に抽出され、当然水相のイットリウム
の純度は向上することとなる。
また本発明の一般式(1)および(2)で示される新
規油溶性錯化剤は、上記のように特定の希土類金属と強
い錯形成作用があるため、本錯化剤のみで、抽出剤を共
存させることなく、分離を行える場合もある。
また新規油溶性錯化剤(1)および(2)は水溶性が
ほとんどなく、希土類金属の抽出、再抽出の際にも、水
相に溶出することはない。また化学的に非常に安定なた
めに酸、熱等による分解はほとんどない。つまり、実際
に使用する際には、一度抽出剤と共に油相に溶解して抽
出相を溶解すれば繰り返し何度でも再使用できることに
なる。その結果、水溶性の錯化剤を用いたときのよう
に、大掛かりな水溶性錯化剤の回収装置や、労力を要す
る操作も必要がなくなり、非常に大きなコストの低減を
もたらすことになる。
本発明の新規油溶性錯化剤とその組成物は、希土類金
属の分離精製において、上記の作用により著しく希土類
金属の分離選択性を向上させるとともに、工業的に装置
の小型化、省力化、およびコストの低域を計るものとし
て非常に有意義なものである。
また本発明の新規油溶性錯化剤とその組成物は、希土
類金属の分離精製のみならず、他の金属、例えば重金属
の分離精製に対しても有効である。
さらに本発明の新規油溶性錯化剤とその組成物は、水
不溶性有機溶媒中での金属への配位能力を有し、水溶性
配位子とは異なる特殊な配位子としての能力を有する。
また構造から見て明らかなように、新規油溶性錯化剤、
その組成物、またそれらの塩、およびそれらを含む金属
錯体は、界面活性剤、特殊な触媒としての能力を有す
る。
[実施例] 以下、本発明化合物の製造例、および油溶性錯化剤の
性能を示す実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明
はこれらにより限定されるものではない。
製造例1 エチレンジアミン−N,N′−二酢酸−N,N′−二酢酸ジ
オレイルアミド(1a)の合成 エチレンジアミン四酢酸91g、無水酢酸120g、ピリジ
ン150gを反応器により、65℃で16時間撹拌する。反応
後、20℃まで冷却し、析出している結晶をろ過する。ろ
別後に結晶を無水酢酸、続いてジエチルエーテルにて洗
浄することにより白色となる。洗浄後減圧にて乾燥し、
酸無水物(3)の結晶79gを得る。
IR(Nujol,cm-1): 1800,1760(−CO−O−CO−)。
続いて、酸無水物(3)20g、オレイルアミン45.9gを
反応器にとり、ジオキサン200mlにて懸濁する。オイル
バスにて70℃まで徐々に昇温し、溶解後20分加熱する。
反応後、減圧にて濃縮し、その残渣をエタノールにて結
晶化させ、ろ別、乾燥することにより、下記の物性値を
有する白色結晶状の新規油溶性錯化剤(1a)53gを得
る。
(1)mp 137〜138℃; (2)元素分析 測定値(%) C 69.43 H 11.18 N 7.21 C46H86N4O6としての理論値(%) C 69.86 H 10.96 N 7.08; (3)IR(Nujol,cm-1) 3350,3220(−NH,−COOH) 1670(−CONH−,−COOH); (4)NMR(CDC13,δppm) 0.88(6H,t,J=7,2xCH3−), 1.26(44H,s,22x−CH2−), 1.50(4H,brs,2x−CONHCH2−CH2−), 2.00(8H,m,2x−CH2−CH=CH−CH2−), 3.13(4H,brs,−N−CH2CH2−N−), 3.21(4H,brs,2x−CONH−CH2−), 3.61(4H,brs,2xN−CH2−COOH), 3.67(4H,brs,2xN−CH2−CONH), 5.34(4H,brs,2x−CH=CH−), 7.75(2H,brs,2x−CONH−); (5)溶解性 トルエン、ベンゼン、クロロホルム、ヘプタンに可溶 (共存化合物により溶解度は増大する)、水に不溶 製造例2 一般式(1)において、R1、R2が、各々2−オクテニ
ル基および7−ドデセニル基である各化合物は、製造例
1においてオレイルアミンの代わりに、2−オクテニル
アミンおよび7−ドデセニルアミンを使用することによ
り、製造例1と同様にして合成された。
製造例3 エチレンジアミン−N,N′−二酢酸−N,N′−二酢酸ジ
オレイルアミド(1a)の合成 エチレンジアミン四酢酸50g、オレイルアミン46gを反
応器にとり、水30ml、キシレン5mlを加える。撹拌しな
がら加熱を行ない水、およびキシレンを留出させつつ昇
温させる。そして200℃で2時間反応させた後、室温ま
で冷却すると赤褐色の固体が得られ、これをエタノール
で再結晶することにより精製し、結晶(4)120.9gを得
る。
得られた(4)全量と、エタノール100mlを反応器に
とり、それに5N−NaOH水溶液を加えて30分加熱還流す
る。反応液を冷却した後に水を加えて1.51まで希釈し、
5N−HClにてpH1.5とする。生成した白色沈澱をろ別し、
エタノールにて再結晶することにより、(1a)11.8gを
得る。構造はNMR、元素分析にて確認した。
製造例4 ジエチレントリアミン−N,N′,N″−三酢酸−N,N″−
ジオレイル−二酢酸アミド(2a)の合成 ジエチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸100
g、無水酢酸156g、ピリジン130gを反応器にとり、65℃
で24時間加熱する。加熱後に室温まで冷却し、析出して
いる結晶をろ別する。ろ別した結晶は無水酢酸、ベンゼ
ンにて洗浄し乾燥する。その結果(5)を白色結晶とし
て88gを得る。
酸無水物(5)20g、オレイルアミン32.9g、ジオキサ
ン300mlを反応器にとり、撹拌しながらオイルバスにて
1.5時間還流する。還流後、減圧にてジオキサンを濃縮
し、残渣をエタノールにて結晶化する。そして結晶をろ
別後乾燥することにより、下記の物性値を有する白色結
晶状の新規油溶性錯化剤(2a)24gを得る。
(1)mp 164〜166℃; (2)元素分析 測定値(%) C 67.06 H 10.71 N 7.97 C50H93N5O8としての理論値(%) C 67.30 H 10.51 N 7.85; (3)IR(Nujol,cm-1) 3350(−CONH),1670(−CONH−), 1620(−COOH); (4)溶解性 トルエン、ベンゼン、クロロホルム、ヘプタンに可
溶、水に不溶 製造例5 一般式(2)において、R3、R4がオクチル基、ラウリ
ル基、7−ドデセニル基、ステアリル基を有する各化合
物は、製造例4に示す(2a)の合成法に従いオレイルア
ミンの代わりに、相当するアミンを使用することにより
合成された。
実施例1 本発明の新規油溶性錯化形成化合物の性能の検討は第
1図に示す中空糸膜型抽出装置を用いて行なった。中空
糸1はジャパンゴアテックス社製の膜厚1mm、内径5mm、
長さ30cm(反応部25cm)の多孔質中空糸テフロン膜を用
いた。その中空糸を内径8mmのガラス管2内に固定し、
中空糸の外側に有機相3を、内側に水相4を定量ポンプ
を用いて流せるようになっており、恒温槽5にて30℃に
保ちながら実験を行った。実験に先立ち、脱気したトル
エンまたはヘプタンとイオン交換水を各々中空糸内側と
外側に一時間ほど流し、中空糸を各溶媒になじませた。
試験液の調整 水相は0.1N−硝酸−0.1N−硝酸ナトリウムにてpH2.0
5、2.2、23、2.5、2.8に調整し、ホルミウム、イットリ
ウム、エルビウムの初濃度は各々0.5mol/m3に調整し
た。
抽出相はトルエンを使用し、PC−88A(2−エチルヘ
キシルホスホン酸−モノ−2−エチルヘキシレート)濃
度は50mol/m3とし、そして新規油溶性錯化剤(1a)は1.
0mol/m3に調整した。
実験は各々のpHに調整された希土類金属を含む水溶液
と、(1a)および抽出剤を含む有機相を並流に流して行
なった。サンプリングは溶媒を1.5時間流し、定常状態
になった後、各相より行なった。有機相は6N−硝酸で逆
抽出した後、IPC発光分光法により希土類金属濃度を決
定した。
測定データに基づいて、下記式によって膜透過係数PM
(PMは金属の膜透過のしやすさを示すものである。大き
いほど有機相中への溶解速度が速く、希土類金属間でこ
のPM値の差が大きいほど分離が容易なことを示す。)を
求めた。
PM=QorgCMorg/2πrL PM 膜透過係数 (mol/s・m2) Qorg 有機相流量 (m3/s) r 中空糸内径 (m) L 中空糸長さ (m) CMorg 有機相中の金属濃度 (mol/m3) 各金属の膜透過係数とpHとの関係を第2図に示す。第
2図から明らかなように、新規油溶性錯化剤(1a)を用
いた場合、より低pH側でイットリウムとホルミウム、エ
ルビウムの膜透過係数の差が大きくなっている。この大
きな差は、新規油溶性錯化剤は希土類金属の分離精製に
大きく寄与するものである。また水溶性錯化剤のように
逆抽出の度毎に、回収操作を必要とせず、希土類金属抽
出、逆抽出の際に水相への損失がほとんどないため、回
収操作なしで繰り返し何度でも使用できるので、分離精
製に要するコストは大きく低減されることになる。
実施例2 実施例1にて使用したPC−88A、新規油溶性錯化剤(1
a)を各々50mol/m3、1.0mol/m3を含むトルエン相を繰り
返し使用し、その性能の変化を調べてみた。その結果、
膜透過係数を調べる限り、30回の繰り返し使用において
も、希土類金属の分離選択性の寄与は、低下が見られな
かった。
実施例3 実施例1にて使用しているPC−88Aの代わりに、他の
抽出剤、ビス−2−エチルヘキシルリン酸エステルおよ
びビス−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸
を用いても、実施例1と同様各金属間の膜透過係数に差
が生じることが確認された。
比較例1 希土類金属の抽出分離精製時において、水溶性錯化剤
(ジエチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸ナ
トリウム)添加時および無添加時のpH変化に対する膜透
過係数の変化を調べた。
水相は0.1N−硝酸−0.1N−硝酸ナトリウムにて各々の
pHに調整し、ホルミウム、イットリウム、エルビウムの
初濃度は各々0.5mol/m3に調整した。またジエチレント
リアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸ナトリウムは1.5mo
l/m3になるように添加調整した。有機相はヘプタンを使
用し、抽出剤PC−88Aは50mol/m3になるように添加調整
した。中空糸膜型抽出装置を用いての実験結果を第3図
に示す。
第3図のように水溶性錯化剤添加時にはイットリウム
とホルミウム、エルビウムの膜透過係数に差が見られる
ものの、無添加時においてはほとんど差がない。水溶性
錯化剤の添加効果は図3のように確認されるものの、希
土類金属逆抽出後の水相より水溶性錯化剤を回収するこ
とは容易ではない。実際、抽出実験使用後の、水溶性錯
化剤を含む水溶液(ジエチレントリアミン−N,N,N′,
N″,N″−五酢酸、約0.6%)を20%HClにてpHを5〜1
まで振ってみたが、結晶の析出はなく、回収できなかっ
た。また減圧にて水溶液の濃縮を試みたが次第に着色
し、また10%程度の濃度まで濃縮しても析出せず、回収
できなかった。また濃縮水溶液に、水溶液と同体積のメ
タノール、イソプロピルアルコールを添加しても、ジエ
チレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸は回収で
きなかったことから見ても水溶性錯化剤の回収は著しく
困難なことがわかる。ましてや、実施例2で記した30回
の繰り返し使用など、思いもよらぬことである。本発明
の新規油溶性錯化剤は一切回収操作なく実施例2の通り
繰り返し使用でき、工業上非常に大きな意義を有する。
実施例4 水相は0.1N−硝酸−0.1N−硝酸ナトリウムにてpH2.3
に調整し、ホルミウム、イットリウム、エルビウムの初
濃度CMOは各々0.5mol/m3に調整した。有機相にはトルエ
ンを使用し、抽出剤PC−88Aの濃度CHROは50mol/m3とし
た。そして新規油溶性錯化剤(1a)の濃度CSは0.05〜2m
ol/m3の範囲にて、中空糸膜型抽出装置により性能の検
討を行った。その結果は第4図に示す。イットリウムと
ホルミウム、エルビウムは、(1a)のいずれの濃度にお
いても、分離を行うに十分な膜透過係数の差が見られ
る。ちなみに、(1a)を添加しないCS=0の場合と比較
してみると、本発明の新規油溶性錯化剤の効果は明らか
である。
実施例5 新規油溶性錯化剤(1)において、製造例2にて合成
したR1、R2が2−オクテニル基、7−ドデセニル基を有
するものを、実施例4と同様の条件にて性能評価を行な
った。その結果、(1a)と同様、各錯化剤の濃度が10-2
mol/m3以上においてイットリウムとホルミウム、エルビ
ウムの膜透過係数間に顕著な差が生じ、新規油溶性錯化
剤(1)の効果が確認された。
実施例6 新規油溶性錯化剤(2a)の性能を実施例4と同条件に
て評価した。結果は第5図に示す。(2a)の濃度が10-2
mol/m3以上にて希土類金属間の膜透過係数に差が生じ、
1mol/m3においてはエルビウム、ホルミウム、イットリ
ウム各金属間にかなりの差が見られ、(2a)の効果が確
認された。
実施例7 新規油溶性錯化剤(2)において、製造例5にて合成
したR3、R4がオクチル基、ラウリル基、7−ドデセニル
基、ステアリル基を有するものを、実施例6と同様の条
件にて性能評価を行なった。その結果、(2a)と同様、
各錯化剤の濃度が10-2mol/m3以上において各金属間の膜
透過係数に顕著な差が生じ、新規油溶性錯化剤(2)の
効果が確認された。
実施例8 新規油溶性錯化剤(1a)、(2a)を用いてプラセオジ
ムとネオジム分離に対する効果を調べた。水相は各金属
濃度を0.5mol/m3とし、pHは0.1N−硝酸にて2.85に調整
した。抽出相にはトルエンを用い、抽出剤はPC−88A(5
0mol/m3)、新規油溶性錯化剤(1a)、(2a)は各々1mo
l/m3とした。また比較として新規油溶性錯化剤を加えな
いで抽出剤だけの分離実験も行なった。実験法、および
測定法は実施例1と同様である。
結果は第6図に示してあるが、やはり(1a)、(2a)
を使用したものは、希土類金属の膜透過係数に差が生じ
ており、これら新規油溶性錯化剤の添加効果が確認され
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例で、新規油溶性錯化形成化合物
の性能の検討に使用した中空糸膜型抽出装置の概要図で
ある。 第2図は本発明の実施例1の結果を示すグラフであり、
新規油溶性錯化剤(1a)添加時におけるホルミウム、イ
ットリウム、エルビウムの各金属の膜透過係数とpHとの
関係を示す。 第3図は本発明の比較例1の結果を示すグラフであり、
水溶性錯化剤(ジエチレントリアミン−N,N,N′,N″,
N″−五酢酸ナトリウム)添加時および無添加時におけ
るホルミウム、イットリウム、エルビウムの各金属の膜
透過係数とpHとの関係を示す。 第4図は本発明の実施例4の結果を示すグラフであり、
新規油溶性錯化剤(1a)の添加濃度とホルミウム、イッ
トリウム、エルビウムの各金属の膜透過係数との関係を
示す。 第5図は本発明の実施例6の結果を示すグラフであり、
新規油溶性錯化剤(2a)の添加濃度とホルミウム、イッ
トリウム、エルビウムの各金属の膜透過係数との関係を
示す。 第6図は本発明の実施例8の結果を示すグラフであり、
新規油溶性錯化剤(1a)および(2a)の添加時および無
添加時におけるプラセオジムとネオジムの膜透過係数と
の関係を示す。 図中符号: 1……中空糸;2……ガラス管;3……有機相;4……水相;5
……恒温槽。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 姉川 彰博 福岡県福岡市東区箱崎6―10―1 九州 大学工学部合成化学教室内 (72)発明者 坪井 彦忠 千葉県茂原市東郷1900番地 三井サイア ナミッド株式会社内 (72)発明者 長尾 繁光 千葉県茂原市東郷1900番地 三井サイア ナミッド株式会社内 (56)参考文献 特表 平4−500964(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) (式中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよ
    く、各々炭素原子数8〜20の不飽和アルキル基を表わ
    す。) で示されるエチレンジアミン−N,N′−二酢酸−N,N′−
    二酢酸アルキルアミド。
  2. 【請求項2】下記一般式(2) (式中、R3およびR4は互いに同一でも異なっていてもよ
    く、各々炭素原子数8〜20の飽和または不飽和のアルキ
    ル基を表わす。) で示されるジエチレントリアミン−N,N′,N″−三酢酸
    −N,N″−二酢酸アルキルアミド。
  3. 【請求項3】下記一般式(1) (式中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよ
    く、各々炭素原子数8〜20の不飽和アルキル基を表わ
    す。) で示されるジエチレンジアミン−N,N′−二酢酸−N,N′
    −二酢酸アルキルアミドからなる新規油溶性錯化剤。
  4. 【請求項4】下記一般式(2) (式中、R3およびR4は互いに同一でも異なっていてもよ
    く、各々炭素原子数8〜20の飽和または不飽和のアルキ
    ル基を表わす。) で示されるジエチレントリアミン−N,N′,N″−三酢酸
    −N,N″−二酢酸アルキルアミドからなる新規油溶性錯
    化剤。
  5. 【請求項5】下記一般式(1) (式中、R1およびR2は互いに同一でも異なっていてもよ
    く、各々炭素原子数8〜20の不飽和アルキル基を表わ
    す。) で示されるエチレンジアミン−N,N′−二酢酸−N,N′−
    二酢酸アルキルアミドを含有することを特徴とする油溶
    性錯化剤組成物。
  6. 【請求項6】下記一般式(2) (式中、R3およびR4は互いに同一でも異なっていてもよ
    く、各々炭素原子数8〜20の飽和または不飽和のアルキ
    ル基を表わす。) で示されるジエチレントリアミン−N,N′,N″−三酢酸
    −N,N″−二酢酸アルキルアミドを含有することを特徴
    とする油溶性錯化剤組成物。
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