JPH05271149A - 新規カリックスアレーン誘導体、該誘導体を有効成分とする希土類金属の抽出剤、および希土類金属の分離精製方法 - Google Patents

新規カリックスアレーン誘導体、該誘導体を有効成分とする希土類金属の抽出剤、および希土類金属の分離精製方法

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JPH05271149A
JPH05271149A JP4101680A JP10168092A JPH05271149A JP H05271149 A JPH05271149 A JP H05271149A JP 4101680 A JP4101680 A JP 4101680A JP 10168092 A JP10168092 A JP 10168092A JP H05271149 A JPH05271149 A JP H05271149A
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rare earth
extractant
cooh
oct
earth element
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JP4101680A
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English (en)
Inventor
Fumiyuki Nakashio
文行 中塩
Masahiro Goto
雅宏 後藤
Keisuke Owatari
啓介 大渡
Takehisa Yamamoto
雄久 山本
Seiji Shinkai
征治 新海
Takeshi Nagasaki
健 長崎
Hikotada Tsuboi
彦忠 坪井
Shigemitsu Nagao
繁光 長尾
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Mitsui Cyanamid Ltd
Original Assignee
Mitsui Cyanamid Ltd
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Publication date
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は炭素数6〜18のアルキル基を表わし、
2 は−CH2 COOH、−CH(CH3 )COOHま
たは−C(CH3 2 COOHより選ばれる基を表わ
し、nは4〜8の整数を表わす。)で示されるカリクッ
スアレーン誘導体、その誘導体を有効成分とする希土類
金属の抽出剤、およびその誘導体を使用する分離精製方
法。 【効果】 従来の金属抽出剤に比較して、希土類金属間
の抽出選択性が著しく向上し、効率的に希土類金属を分
離精製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なカリックスアレ
ーン誘導体およびその用途に関する。さらに詳しくいえ
ば、従来の希土類金属の抽出剤に比較して、希土類金属
間の抽出選択性が著しく向上した新規なカリックスアレ
ーン誘導体、該誘導体を有効成分とする希土類金属の抽
出剤、および希土類金属の分離精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】希土類金属、すなわち、
スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)およびラン
タン系列元素(ランタン(La)、セリウム(Ce)、
プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウ
ム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(E
u)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジ
スプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウ
ム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Y
b)、ルテチウム(Lu))は、その特異な性質によ
り、発光材料、磁性材料等の先端技術の分野において様
々に利用されているが、いずれの用途においても非常に
高純度なものが要求されている。
【0003】希土類金属は、モナズ石、バストネサイ
ト、ゼノタイム等の鉱石中に複数の種類が少量ずつ同時
に含まれている。この少量ずつ同時に含まれている希土
類金属間の化学的、物理的性質は非常に似通っており、
通常の金属の精製処理操作、例えば再結晶、電解、イオ
ン交換等での分離精製法でこれらを分離しても、何種類
かの希土類金属の混合物として得られ、純度は低いもの
となる。純度の低いこれらの金属をさらに高純度なもの
に精製する方法として、溶媒抽出法は欠くべからざるも
のであり、これに使用する抽出剤の性能が、その精製効
率を大きく左右する。
【0004】従来の希土類金属の溶媒抽出法は、非水溶
性の抽出剤を非水溶性の溶媒に溶解して調製した油相を
用いて、水溶液中に存在する希土類金属を抽出分離する
ものである。
【0005】非水溶性の抽出剤としては、具体的にはN
−8−キノリンスルホンアミド、E−2−ヒドロキシ−
5−ノニルベンゾフェノンオキシム、トリ−n−オクチ
ルホスフィンオキシド、ビス(2,4,4−トリメチル
ペンチル)ホスフィン酸、ビス(2,4,4−トリメチ
ルペンチル)ホスフィノジチオエート、トリイソブチル
ホスフィンスルフィド、ビス(2,4,4−トリメチル
ペンチル)n−オクチルホスフィンオキシド、2−エチ
ルヘキシルホスホン酸−モノ−2−エチルヘキシルエス
テル、ジ−(2−エチルヘキシル)−リン酸、トリブチ
ルホスフェイト、トリカプチルメチルアンモニウム塩、
2,2,2−トリアルキル酢酸等が用いられ、
【0006】CYANEX272〔ビス(2,4,4−
トリメチルペンチル)ホスフィン酸〕、CYANEX9
21〔トリ−n−オクチルホスフィンオキシド〕、CY
ANEX301〔ビス(2,4,4−トリメチルペンチ
ル)ホスフィノジチオエート〕、CYANEX471X
〔トリイソブチルホスフィンスルフィド〕、CYANE
X925〔ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)n
−オクチルホスフィンオキシド〕(以上、三井サイアナ
ミッド株式会社製)、LIX65N〔E−2−ヒドロキ
シ−5−ノニルベンゾフェノンオキシム〕(Henkel社
製)、Aliquart336〔トリアルキルメチルア
ンモニウム塩〕(General Mill社製)、Kelex10
0〔8−ヒドロキシ−7−(1−ノニル−2−プロペニ
ル)−キノリン〕(Ashland 社製)、PC−88A〔2
−エチルヘキシルホスホン酸−モノ−2−エチルヘキシ
ルエステル〕(大八化学株式会社社製)、バーサティッ
ク・アシド10〔2−ジアルキルプロピオン酸〕(シェ
ル化学社製)、D2EHPA〔ジ−(2−エチルヘキシ
ル)−リン酸〕(大八化学株式会社製)等の商品名で市
販されている。
【0007】非水溶性の溶媒としては脂肪族炭化水素、
芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素が用いられる。具
体例としては、鉱油、パラフィンオイル、灯油、軽油、
ナフサ、パークロルエチレン、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等が挙げ
られる。この抽出方法では水溶液中の希土類金属イオン
と油相中の抽出剤とが油水界面において錯形成し、希土
類金属イオンが油相に取り込まれる現象を利用したもの
である。すなわち、希土類金属の種類によって抽出剤と
の錯形成能力に差があるので、その差により各希土類金
属の分離精製が可能となるものである。
【0008】しかしながら、例えばイットリウム、エル
ビウム、ホルミウム等の重希土類元素は従来の抽出剤で
は各希土類金属間の抽出平衡定数の差が小さく、分離は
そのわずかな差を利用して多段の抽出工程を要して行な
われているのが現状である。これらの金属を分離するた
めに使用されている抽出剤の中で、現在最もよく用いら
れているものは、PC−88A(2−エチルヘキシルホ
スホン酸−モノ−2−エチルヘキシルエステル)、D2
EHPA(ジ−(2−エチルヘキシル)−リン酸)等で
あるが、これらの抽出剤を用いてもエルビウム/イット
リウムの分離係数β(エルビウムの抽出平衡定数をイッ
トリウムの抽出平衡定数で割った値;この値が大きいほ
ど分離は容易)は、1.3 程度であり、満足のいくもので
はなかった。これら金属間の分離係数がさらに1程度上
昇すると、分離効率はきわめて良くなり、その経済的効
果は極めて大きいものとなる。
【0009】上記のように、抽出剤による希土類金属間
の抽出平衡定数の差を利用する分離法は、抽出剤による
抽出平衡を応用したものである。一方、抽出剤の能力に
よる抽出平衡のみに頼らず、水相または油相に添加剤を
加え、抽出剤と希土類金属イオンとの錯形成速度を2次
的に変化させることによって、油相に抽出されてくる希
土類金属イオンの抽出速度を変化させ、その速度差を利
用して分離するという試みもある(特開昭52-150717 号
公報,特願平2-160793号,特願平2-160794号)。しかし
ながら、この速度差分離法は、添加剤そのものが高価で
あり、また特に水溶性のものは高価である上に回収が困
難であり、分離効率、経済性の点から実用的な抽出剤と
はなり得ていない。
【0010】上述のように希土類金属は現在先端の様々
な分野で用いられているが、非常に高純度なものが要求
されており、その精製法として現在採用されている溶媒
抽出法、すなわち抽出剤と希土類金属との錯形成能に支
配される抽出平衡定数の差を利用する方法は、精製効率
が必ずしも満足なものでないのが現状である。従って、
本発明の課題は、従来の金属抽出剤に比較して、希土類
金属間の分離効率に優れ、また経済性の点から一層実用
的な抽出剤、および精製分離方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】シクロデキストリン、ク
ラウンエーテル、カリックスアレーンなどは特異な分子
内閉環大環状化合物であり、その特異な性質により包接
化合物を形成することが知られている。すなわち、分子
の形成する環状構造の空間に、例えばカリウム、セシウ
ムあるいはその他の金属を取り込むという特異な能力を
有している。中でもカリックスアレーンは「第三の包接
化合物」(新海ら,現代化学,1986年5月号,14ペー
ジ)として近年注目を集めており、下記に示される基本
構造式(II)を有し、フェノール性化合物とホルムアルデ
ヒドを主原料にして製造されるものである。
【0012】
【化2】
【0013】(式中、nは4以上の整数を表わし、Rは
水素原子またはアルキル基を表わす。) 特に下記式(III)
【0014】
【化3】
【0015】で示されるカリックスアレーンは海水中の
ウラニルイオン(UO2 2+)を取り込んで包接化合物を
形成し、その回収に効果を発揮する化合物として有名で
ある。すなわち、ウラニルイオンの錯体であるUO
2 (CO3 3 4-は他の金属イオンとは異なる平面六配
位構造をとることが知られており、カリックスアレーン
によって形成される環内空間の大きさがウラニルイオン
の大きさに丁度フィットするよう合成的に調製され、か
つカリックスアレーン上の配位官能基であるカルボキシ
ル基が必然的に平面に配置されるため、ウラニルイオン
とカリックスアレーンとが選択的に錯形成することによ
り、ウラニルイオンの回収が可能となる。
【0016】本発明者らは、カリックスアレーン誘導体
が金属イオンと錯形成可能であること、および特異な分
子内環状構造を有することを考慮し、希土類金属に対
し、カリックスアレーン誘導体が従来の抽出剤よりもよ
り選択性の高い抽出剤となり得るのではないかと考え、
数多くのカリックスアレーン誘導体を合成しそれらの性
能評価を行なった。その結果、本発明の新規なカリック
スアレーン誘導体が、従来の抽出剤に比べて著しく選択
性が向上することを確認し、本発明を完成するに至っ
た。
【0017】すなわち、本発明は 1)一般式(I)
【化1】(式中、R1 は炭素数6〜18のアルキル基を
表わし、R2 は−CH2 COOH、−CH(CH3 )C
OOHおよび−C(CH3 2 COOHより選ばれる基
を表わし、nは4〜8の整数を表わす。)で示されるカ
リックスアレーン誘導体、
【0018】2)前記1に記載の一般式(I) で示される
カリックスアレーン誘導体を有効成分とする希土類金属
の抽出剤、および
【0019】3)希土類元素の化合物を含む水溶液と、
前記1に記載のカリックスアレーン誘導体を含む非水溶
性有機溶媒溶液とを接触させ、希土類元素イオンを選択
的に有機溶媒相へ溶解させ分離することを特徴とする希
土類金属の分離精製方法を提供したものである。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。 [カリックスアレーン誘導体]本発明のカリックスアレ
ーン誘導体を表わす一般式(I) において、nは4〜8の
整数である。nが4未満でも、また8を越えても希土類
元素の分離精製能を示さず、希土類元素の抽出剤として
使用できない。本発明の新規なカリックスアレーン誘導
体は非水溶性の有機溶媒に溶解して抽出剤として繰り返
し使用されるものであり、非水溶性(親油性)の点か
ら、一般式(I) においてR1 が表わすアルキル基は炭素
数6以上、好ましくは8以上が好ましく、また原料の入
手の容易さから炭素数18までのものが好ましい。前記
アルキル基は直鎖状、分岐状いずれでもよい。一般式
(I) において、R2 は希土類金属イオンと錯形成をする
必要から配位官能基であるカルボキシル基を有するもの
であり、かつカリックスアレーン環内で末端のカルボキ
シル基を希土類金属との錯形成に関与させるためには、
炭素数2〜4の下記(IV)、(V) 、(VI)式のものに限定さ
れる。
【0021】
【化5】
【0022】炭素数が4を越えるものでは希土類金属の
選択性が悪く、本発明希土類金属の抽出剤の目的には使
用できない。
【0023】[カリックスアレーン誘導体の製造方法]
本発明の抽出剤に用いられるカリックスアレーン誘導体
の製造方法について説明する。例えば、一般式(I) にお
いてn=4の化合物は以下の反応工程式に従って製造す
ることができる。
【0024】
【化6】
【0025】また、一般式(I) においてn=6の化合物
は以下の反応工程式に従って製造することができる。
【0026】
【化7】
【0027】すなわち、本発明化合物は (1) 4−アルキル置換フェノールとホルムアルデヒドあ
るいはパラホルムアルデヒドをアルカリ水溶液(水酸化
カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等)中で縮合
し、 (2) 得られたカリックスアレーン環を有する化合物とブ
ロモ酢酸エチルとを塩基(水素化ナトリウム、炭酸カル
シウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)存在下に反応
させ、次いで (3) 加水分解することにより得られる。
【0028】[抽出剤]本発明の抽出剤は、前記一般式
(I) で示されるカリックスアレーン誘導体を有効成分と
するものである。すなわち、本発明の抽出剤は、前記一
般式(I) で示されるカリックスアレーン誘導体のみから
なる抽出剤のほか、前記一般式(I) で示されるカリック
スアレーン誘導体を少なくとも60%以上含む組成物と
しての抽出剤をも対象とするものである。すなわち、前
記一般式(I) で示されるカリックスアレーン誘導体は製
造時にn=4〜8の混合物になることがあり、また製造
工程上から他の不純物も含まれてくる。精製は反応後再
結晶等の操作にて行なわれるが、その際本発明抽出剤が
60%以上含まれているものであれば、希土類金属の分
離選択性に関して問題ない。また、必要に応じて本発明
の抽出剤の他に、従来使用されている他の抽出剤を併用
することも可能である。
【0029】[分離精製方法]つぎに、前記本発明の抽
出剤あるいは抽出剤組成物を使用する本発明の希土類金
属の分離精製方法について説明する。本発明の抽出剤あ
るいは抽出剤組成物を非水溶性の有機溶媒に0.1mol/m
3 以上の濃度で溶解した後、希土類金属イオンを含む水
溶液と接触させると、従来の抽出剤と同様に、非水溶性
有機溶媒相に存在する抽出剤のカリックスアレーン誘導
体は水相中の希土類金属イオンと、界面で錯形成し、そ
の結果希土類金属イオンが有機相に抽出されることにな
る。この時、錯成形して抽出される平衡定数(抽出平衡
定数)が希土類金属間で異なる。そのため、特定の希土
類金属が有機相に抽出され、または逆に水相に残存する
ことになるが、後述するように、本発明の抽出剤は従来
の抽出剤より希土類金属間の抽出平衡定数の差が格段に
大きいため、分離効率は従来の抽出剤を用いた時よりも
著しく高いという特徴を有している。
【0030】また、本発明の方法で用いる抽出剤は、非
水溶性の有機溶媒に溶解して用いるが、水溶性は殆どな
いため、抽出時、並びに塩酸等による逆抽出を行なった
後は、そのまま直ちに抽出工程にリサイクル可能であ
り、従って経済的な効果も非常に高い。本発明の分離精
製方法で用いる非水溶性の有機溶媒としては、石油、ケ
ロシン等の鉱油、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等炭化
水素、トルエン、キシレン等芳香族炭化水素、四塩化炭
素、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等ハロ
ゲン化溶媒等が挙げられる。非水溶性の有機溶媒に対す
る、抽出剤の濃度の上限は各溶媒に対する溶解度によっ
て制限されるが、一般に0.1 〜50mol/m3 であ
る。
【0031】本発明の抽出剤は非水溶性の溶媒に溶解
し、従来の抽出操作で用いられているあらゆる装置、例
えば、ミキサーセトラー、W/Oエマルション法等で採
用されれいる装置の使用が可能である。さらに、本発明
の方法では、従来の抽出剤に比べて分離係数が高くなる
ので、より小型の装置で実施可能となる。
【0032】本発明の方法では、有機相に抽出された希
土類金属イオンは、もう一度塩酸、硝酸、または硫酸水
溶液等と接触させることにより、有機相より水相に容易
に逆抽出される。ただしW/Oエマルションを利用した
抽出を行う場合は、内水相に予め硫酸、硝酸、塩酸水溶
液等を用いれば、抽出、逆抽出を同時に進行させること
が出来る。またW/Oエマルションの特徴である界面面
積の増加による処理速度の増加により、なお一層の効率
化が可能となる。
【0033】
【実施例】以下、製造例、参考例、実施例および比較例
により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記
の例により限定されるものではない。なお、以下の説明
においては、本発明の抽出剤として用いられるカリック
スアレーン誘導体はR1 [n]R2 と表記する。例え
ば、一般式(I) において、n=4、R1 =t−オクチル
基、R2 =−CH2 COOHのものはt−Oct[4]
CH2 COOH、またn=6、R1 =t−オクチル基、
2 =−CH2 COOHのものはt−Oct[6]CH
2 COOHと表記する。またR1 が炭素数18の場合は
18[6]CH2 COOH、R2 が−C(CH3 2
OOHの場合はC18[6]C(CH3 2 COOHと表
記する。また、TLCによる測定では、TLCアルミニ
ウム・シーツ・シリカゲル( TLC Aluminum sheets sil
icagel)60 WF254(メルク社製)を用い、展開溶媒とし
てクロロホルムを使用した。
【0034】製造例1 (1)t−Oct[6]Hの合成 p−t−オクチルフェノール 60.5 g(293mmo
l)と95%パラホルムアルデヒド 20.1 g(669m
mol)を1000ml三口フラスコに入れ、この中にp−
キシレン400mlと5N水酸化カリウム水溶液を43
mlを加えた。窒素置換の後に、窒素気流下撹拌しなが
らマントルヒータで加熱(100℃)し、先に加えた水
酸化カリウム水溶液と同体積の水を留出させた後、さら
に強く加熱し系内温度を138℃に保って約3時間反応
させた。反応液を放冷した後ヘキサンを加えて放置し、
沈殿を生じさせた。この沈殿物をろ別し、クロロホルム
に溶解した後1N塩酸で洗浄した。クロロホルム層は無
水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ別し、ろ液を減圧留
去後、ヘキサンで再結晶し、白色粉末状の標題化合物(1
6.85g) を得た。 質量分析:1308(M+ :C90132 6 )。
【0035】(2)t−Oct[6]CH2 COOEt
(Etはエチル基)の合成 前記(1)で得られたt−Oct[6]H 10.00g(7.
63mmol)に特級N,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)500mlを加え、メカニカルスターラーで撹拌
しながら室温で減圧脱気して反応系内を窒素置換した。
これに炭酸セシウム 50.00g(153mmol)を加
え、室温で1時間撹拌した後、ブロモ酢酸エチル20g
(120mmol)を1時間かけて滴下した。次いで、
50℃で40時間撹拌した後放冷し、TLC(Rf:0.
79)により原料が無くなっていることを確認した。DM
F層を分取し、DMFを減圧留去後、残留物をエタノー
ル−水で再結晶し無色結晶状の標題化合物(11.64 g)
を得た。 元素分析:C114 186 18として(%) 測定値:C75.00 ,H9.29; 理論値:C74.98 ,H9.27。
【0036】(3)t−Oct[6]CH2 COOHの
合成 前記(2)で得られたt−Oct[6]CH2 COOE
t 6.00 g(328mmol)をテトラヒドロフラン
(THF)300mlに溶解し、15%水酸化テトラメ
チルアンモニウム水溶液300g(3.29mmol)を加
えて22時間還流した。放冷後TLCにより原料が無く
なっていることを確認した後、濃塩酸約80mlを加
え、pHを約3に調整して24時間撹拌した。反応終了
後、THF層を分取し、溶媒を減圧留去した後、残留物
をエタノールによって再結晶し、無色結晶の標題化合物
(3.93g)を得た。 元素分析:C102 144 19として(%) 測定値:C73.32 ,H8.85; 理論値:C73.88 ,H8.75; IR(KBr錠剤):3440cm-1(−OH),1744cm
-1(−COOH)。
【0037】製造例2 (1)t−Oct[4]Hの合成 窒素気流下、p−t−オクチルフェノール 60.0 g(9
5%、276mmol)、ホルムアルデヒド水溶液 27.
5 ml(37%、366mmol)および3.5N水酸化
ナトリウム水溶液5mlを反応器に入れ、撹拌しながら
4時間還流した。加熱を止めてすばやく乳鉢にあけ、上
澄みの液体をフラスコに移し、残存する高粘度流動体を
冷蔵庫にて冷却し完全に固化させた。この固体をもう一
度細かく砕き、先の上澄みとジフェニルエーテルと共に
三口フラスコに加え、窒素気流下、600rpm で撹拌し
ながら加熱を開始した。150℃まで温度を上げ、30
〜40mlの水を留去した後、250℃まで温度を上げ
てさらに4時間反応を行なった。反応後放冷し、酢酸8
mlを加えて一晩室温にて撹拌後、ろ過を行った。ろ過
残留物はトルエンによるソックスレー抽出を行い、トル
エン留去後単黄色結晶を得た。ろ液はジフェニルエーテ
ルを留去後、残留物はソックスレー抽出し同様に結晶を
得た。ここで得られた結晶と先の結晶を併せて再びソッ
クスレー抽出を行い、トルエンを留去して無色結晶の標
題化合物(15.04g) を得た。 質量分析:872(M+ ); 元素分析:C60984 として(%) 測定値:C82.52 ,H10.16 ; 論理値:C82.72 ,H10.06 ; IR(KBr錠剤):3150cm-1(−OH)。
【0038】(2)t−Oct[4]CH2 COOEt
の合成 前記(1)で得られたt−Oct[4]H 1.01 g(1.
05mmol)、乾燥アセトン、炭酸カリウム2.88g(2
0.84 mmol)およびブロモ酢酸エチル2.62g(15.69
mmol)を反応器に入れ、窒素気流下、20時間還
流した。TLCにて原料が無くなっていることを確認し
た後ろ過し、ろ液の溶媒を留去した。残留物を酢酸エチ
ル150mlに溶解した後、1N塩酸 150mlで2回、
飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、濃縮した。残留物をエタノールにて再結晶し、無色
結晶の標題化合物( 0.91g) を得た。
【0039】(3)t−Oct[4]CH2 COOHの
合成 前記(2)で得られたt−Oct[4]CH2 COOE
t 7.00 g(5.8 mmol)をTHF300mlに溶解
し、15%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液 25
0.01 g(411.3 mmol)を加えて、22時間還流し
た。TLCにより反応が終了したことを確認し、濃塩酸
50mlを加えてpHを2〜3に調整し、一晩撹拌し
た。ろ別後濃縮し、酢酸エチルに溶解し繰り返し水洗を
行なってpH5〜6になるまで洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥後濃縮した。残留物にメタノールを加
え、室温で一晩撹拌後、結晶をろ別し、無色結晶の標題
化合物(5.92 g) を得た。
【0040】1H−NMR(溶媒:重アセトン,内部標
準:テトラメチルシラン,250MHz):δ0.57(s,9
H,3×CH3 ,t−オクチルのターミナルメチル),
1.24(s,6H,2×CH3 ,t−オクチルのα位メチ
ル),1.58(s,2H,−CH2 −,t−オクチルのβ
位メチレン),3.35(d,1H,exo H),4.74(s,
2H,−O−CH2 −),4.81(d,1H,endo
H),7.11(s,2H,aromatic H);
【0041】13C−NMR(溶媒:重THF/重ジメチ
ルスルホキシド,内部標準:テトラメチルシラン,250M
Hz,C−H COSYにより同定):δ31.3, 31.6, 3
1.7, 57.8(t−オクチル),31.9(Phenyl−CH2 −P
henyl),72.7(O−CH2 −),127.0, 134.2, 145.
5, 153.4(aromatic C),170.8 (−COOH),
元素分析:C689612として(%) 測定値:C73.88 ,H8.75; 理論値:C73.65 ,H8.62。
【0042】製造例3 (1)t−Oct[8]Hの合成 p−t−オクチルフェノール50.4g(227mmol)
と95%パラホルムアルデヒド18.3g(580mmo
l)を1000ml三口フラスコに入れ、この中にp−キシ
レン400mlと10N水酸化カリウム水溶液を60m
l加えた。窒素置換した後に、窒素気流下撹拌しながら
マルトルヒーターで96℃以上に加熱し、加えた水酸化
カリウム水溶液と同体積の水を還流脱水した後、さらに
強く加熱し系内温度を138℃に保って約3時間反応さ
せた。反応液を放冷した後ヘキサンを加えて放置し、沈
殿を生じさせた。この沈殿物をろ別後、クロロホルムに
溶解し1N塩酸で洗浄した。クロロホルム層は、無水硫
酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ別し、ろ液を減圧留
去した。残留物をヘキサンで再結晶し、白色粉末の標題
化合物 (20.9g) を得た。 質量分析: 1744 (M+ :C120 176 9 )。
【0043】(2)t−Oct[8]CH2 COOEt
の合成 前記(1)で得られたt−Oct[8]H 10.00g(5.
7 mmol)に特級DMF200mlを加え、メカニカ
ルスターラーで撹拌しながら室温で減圧脱気して反応系
内を窒素置換した。これに炭酸カリウム50.00 g(36
2mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、
ブロモ酢酸エチル 12.7 g(91mmol)を1時間か
けて滴下し、60℃で48時間撹拌の後に室温まで放冷
した。DMF層をろ別し、DMFを減圧留去後、残留物
をエタノール−水で再結晶し無色結晶の標題化合物(8.5
g) を得た。
【0044】(3)t−Oct[8]CH2 COOHの
合成 前記(2)で得られたt−Oct[8]CH2 COOE
t 4.00 g(1.6 mmol)をTHF300mlに溶解
し、15%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液20
0g(330mmol)を加えて28時間還流を行なっ
た。放冷後TLCにより原料が無くなっていることを確
認した後、濃塩酸約50mlを加え、pHを約3に調整
して24時間撹拌した。反応終了後THF層を分取し、
溶媒を減圧留去後、残留物をエタノールによって再結晶
し、無色結晶の標題化合物( 2.64g) を得た。
【0045】製造例4 (1)t−Oct[6]C(CH2 2 COOEt 製造例2(1)にて合成したt−Oct[6]H6.0 g
(4.6 mmol)、無水DMF50mlおよび炭酸セシ
ウム13g(40mmol)を加え、窒素気流下氷浴に
て冷却しながら撹拌した。この溶液にエチル−2−ブロ
モ−2−メチルプロビオネートを8g(41mmol)
を静かに加え、室温で3時間撹拌し、次いで、70℃に
昇温し8時間加熱した。反応後析出物をろ別し、ろ液を
減圧濃縮した後、残留物をクロロホルム−エタノールに
て再結晶した。再結晶操作を2度繰り返し、無色結晶の
標題化合物(4.7g) を得た。
【0046】(2)t−Oct[6]C(CH3 2
OOHの合成 前記(1)で得られたt−Oct[6]C(CH3 2
COOEt 3.0g(1.6 mmol)をTHF100ml
に溶解し、15%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶
液60g(99mmol)を加えて22時間還流を行な
った。放冷後TLCにより原料が無くなっていることを
確認した後、濃塩酸約40mlを加え、pHを約3に調
整して24時間撹拌した。不溶物を除いた後、THFを
減圧留去し、残留物をエタノールによって再結晶し、無
色結晶の標題化合物( 2.13g) を得た。
【0047】製造例5 (1)t−Oct[6]CH(CH3 )COOEt 製造例2(1)にて合成したt−Oct[6]H 7.3g
(5.6 mmol)、無水DMF50mlおよび炭酸セシ
ウム14g(43mmol)を反応器に入れ、窒素気流
下氷浴にて冷却しながら撹拌を行なった。次いでエチル
−2−ブロモプロビオネート9.1 g(50.4mmol)を
静かに加え、室温で4時間撹拌した後に、60℃に昇温
し12時間加熱した。次いで、反応後析出物をろ別し、
減圧下にて濃縮後、残留物をエタノールから再結晶し
た。この再結晶操作を2度繰り返し、無色結晶の標題化
合物(6.1g) を得た。
【0048】(2)t−Oct[6]CH(CH3 )C
OOHの合成 前記(1)で得られたt−Oct[6]CH(CH3
COOEt3.8 g(2.0 mmol)をTHF200ml
に溶解し、15%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶
液100g(165mmol)を加えて窒素気流下22
時間還流を行なった。TLCにより原料が無くなってい
ることを確認した後、濃塩酸約40mlを加え、pHを
約3に調整して24時間撹拌した。不溶物を除いた後、
溶媒を減圧留去した。残留物をエタノールによって再結
晶し、無色結晶の標題化合物( 2.68g) を得た。
【0049】製造例6 (1)C18[4]Hの合成 窒素気流下、p−オクタデシルフェノール 90.0 g(2
60mmol)、ホルムアルデヒド水溶液 27.5 ml
(37%、366mmol)、4N水酸化ナトリウム水
溶液5mlを反応器に入れ、撹拌しながら6時間還流し
た。加熱を止めて、すばやく乳鉢にあけ、上澄みの液体
をフラスコに移し、残存する高粘度流動体は冷蔵庫にて
冷却し完全に固化させた。この固体はもう一度細かく砕
き、先の上澄みとジフェニルエーテルと共に三口フラス
コに加え、窒素気流下、600rpmで撹拌しながら加熱
を開始した。150℃まで温度を上げ、30〜40ml
の水を留去した後、250℃まで温度を上げて完全に脱
水して、5時間反応を行なった。放冷して、酢酸8ml
を加えて室温にて一晩撹拌後、ろ過を行なった。ろ過残
留物はトルエンによるソックスレー抽出を行い、抽出液
のトルエンを留去して単黄色結晶を得た。ろ液はジフェ
ニルエーテルを留去後、その残留物を同様にソックスレ
ー抽出にかけ、同様に結晶を得た。ここで得られた結晶
と先の結晶を併せて再びソックスレー抽出を行い、トル
エンを留去して無色結晶状物の標題化合物(11.8 g) を
得た。
【0050】(2)C18[4]CH2 COOEtの合成 C18[4]H 3.03 g(2.1 mmol)を反応器にと
り、乾燥アセトン、炭酸カリウム 2.88 g(20.84 mm
ol)およびブロモ酢酸エチル 2.62 g(15.69mmo
l)を加え、窒素気流下、24時間還流した。反応終了
後、溶媒を留去し、残留物を酢酸エチル150ml用い
て溶解後、1N塩酸100mlで2回、飽和食塩水で1
回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。
残留物をエタノールにて再結晶し、白色結晶の標題化合
物を2.1 g得た。
【0051】(3)C18[4]CH2 COOHの合成 窒素気流下、C18[4]CH2 COOEt2.0 g(1.1
mmol)をTHF100mlに溶解し、15%水酸化
テトラメチルアンモニウム水溶液100g(164mm
ol)を加えて、22時間還流した。TLCにより反応
が終了したことを確認し、濃塩酸20mlを加えてpH
を2〜3に調整し、一晩撹拌した。ろ別後ろ液を濃縮
し、酢酸エチルに溶解し繰り返し水洗をおこなってpH
5〜6になるまで洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾
燥後濃縮した。残留物にメタノールを加え、室温で一晩
撹拌後、ろ別し、無色粉末の標題化合物(1.32 g) を得
た。
【0052】参考例:t−Oct[6]CH2 COOH
およびt−Oct[4]CH2 COOHの溶解度と分子
量の測定 以下の実施例においては、非水溶性溶媒としてトルエン
を用いているが、それらの実験に先立ち、各抽出剤の溶
解度の測定、および蒸気圧浸透圧分子量測定装置(コロ
ナ117型)を用いて分子量を測定した。その結果を第
1表および第2表に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】分子量測定結果から、トルエンに溶解した
t−Oct[4]CH2 COOHは2量体で存在し、t
−Oct[6]CH2 COOHは単量体で存在している
ことが確認された。従って、以下に述べる実施例におけ
る抽出剤濃度はt−Oct[4]CH2 COOHは2量
体として、またt−Oct[6]CH2 COOHは単量
体として算出している。
【0056】実施例1:t−Oct[4]CH2 COO
Hによる希土類金属の分配比に及ぼす水相pHおよび抽
出剤濃度の影響 (1)分配比と水相pHとの相関関係 希土類金属を含む水相として、Nd、Eu、Yをそれぞ
れ0.05mmol/m3の濃度で100mol/m3 の硝
酸ナトリウム水溶液に溶解したものと、Nd、Eu、Y
をそれぞれ0.05mol/m3 の濃度で100mol/m
3 の硝酸水溶液に溶解したものとを用意し、各々を任意
の割合にて混合する事により、各希土類金属の濃度が0.
05mol/m3 で、1.7 〜2.3 の間の任意のpH値を有
する各水溶液を調製した。抽出剤を含む有機相として、
t−Oct[4]CH2 COOH(2量体として)を5
mol/m3 の濃度でトルエンに溶解したものを用い
た。
【0057】希土類金属の分配比の測定は、水相、有機
相両相5cm3 ずつを混合し、それを30℃で7時間振盪
した後、各相中の希土類金属濃度を、水相はそのまま
で、有機相は1000mol/m3 の塩酸水溶液にて逆抽出
(24時間振盪)後、プラズマ発光分析装置にて分析し
た。
【0058】本実験は硝酸系で行ったため、分配比の計
算においては次のような処理を行なった。すなわち希土
類金属は水相中の硝酸アニオンと錯イオンを形成するこ
とが知られており、本抽出剤によって抽出される際の硝
酸イオンの影響を除外するため、硝酸イオンフリーのア
コ錯体のアコ錯体濃度を次の様にして算出し、グラフの
縦軸の分配比を補正した。すなわち、希土類金属の完全
アコ錯体濃度は以下のようにして求めた。希土類金属イ
オンと硝酸イオンとの平衡反応式は下記式で示される。
【0059】
【化8】
【0060】(式中、Ln3+は希土類金属完全アコ錯体
イオンを表わす。)上記平衡反応式においてその平衡定
数K1 は K1 =[LnNO3 2+]/([Ln3+][NO3 - ]) で表わされる。
【0061】従って、水相中の希土類金属イオンのトー
タル濃度[Ln3+T は以下のように表わすことができ
る。 [Ln3+T =[Ln3+]+[LnNO3 2+] =[Ln3+]+K1 [Ln3+][NO3 - ] =[Ln3+](1+K1 [NO3 - ])
【0062】[Ln3+T および[No3 - ]は一定で
あり、またK1 は定数であるので、希土類金属完全アコ
錯体の濃度[Ln3+]は下記式にて求められる。 [Ln3+]=[Ln3+T /(1+K1 [NO3 - ]) 上記の式によって求められた希土類金属完全アコ錯体イ
オン濃度を基準にして、本発明の抽出剤による分配比を
求め、平衡pHと分配比との関係を調べた。結果を図1
に示す。その結果、pH2程度までは傾きが3であり、
分配比は3次のpH依存性を示すことが明らかとなっ
た。
【0063】(2)分配比と抽出剤濃度との相関関係 水相として、Pr、Sm、Yをそれぞれ0.05mol/m
3 の濃度で100mol/m3 の硝酸ナトリウム水溶液
に溶解したものと、Pr、Sm、Yをそれぞれ0.05mo
l/m3 の濃度で100mol/m3 の硝酸水溶液に溶
解したものを用意し、各々を任意の割合にて混合するこ
とにより、各希土類金属の濃度が0.05mol/m3 で、
pH2.0 の各水溶液を調製した。有機相としては、t−
Oct[4]CH2 COOH(2量体として)の濃度を
0.8 〜5mol/m3 の範囲で変えた溶液を用いた。
【0064】実験操作およびデータ処理は、前記(1)
と同様に行ない、抽出剤濃度と分配比との関係を調べ
た。結果を図2に示す。図2から分配比は抽出剤濃度に
対して1.5 次の依存性を示すことが分かる。
【0065】希土類金属の分配比は実施例1(1)か
ら、pH(すなわち[H+ ])に対して3次の相関があ
り、また実施例1(2)からt−Oct[4]CH2
OOHの2量体の濃度に対して1.5 次の相関があること
から、t−Oct[4]CH2COOHによる希土類金
属の抽出反応は次式によって示される。
【0066】
【化9】
【0067】(式中、H4 4 はt−Oct[4]CH
2 COOHを表わし、他の記号は前記と同じ意味を表わ
す。)よって、t−Oct[4]CH2 COOHを用い
る際の抽出平衡定数Kexは次式で示される。 Kex=[Ln(H3 4 3 ][H+ 3 /[Ln3+
[(H4 4 2 1.5
【0068】ただし、分配比Dは D=[Ln(H3 4 3 ]/[Ln3+] であるので、抽出平衡定数Kexは次式 Kex=D・[H+ ]/[(H4 4 2 ] (a) または logKex=logD−3pH−2log[H4 4 ] (a') で示される。
【0069】実施例2:t−Oct[6]CH2 COO
Hによる希土類金属の分配比に及ぼす水相pHおよび抽
出剤濃度の影響 (1)分配比と水相pHとの相関関係 水相として、Nd、Sm、Erをそれぞれ0.05mol/
3 の濃度で100mol/m3 の硝酸ナトリウム水溶
液に溶解したものと、Nd、Sm、Erをそれぞれ0.05
mol/m3 の濃度で100mol/m3 の硝酸水溶液
に溶解したものを用意し、各々を任意の割合にて混合す
る事により、各希土類金属の濃度が0.05mol/m
3 で、2.3 〜2.8 の間の任意のpH値を有する各水溶液
を調製した。有機相として、t−Oct[6]CH2
OOHを5mol/m3 の濃度でトルエンに溶解したも
のを用いた。
【0070】希土類金属の分配比の測定は、実施例1
(1)と同様にして行なった。結果を図3に示す。図3
から、t−Oct[6]CH2 COOHはpHに対して
3次の依存性を示すことが分かる。
【0071】(2)分配比と抽出剤濃度との相関関係 水相として、Pr、Gd、Erをそれぞれ0.05mol/
3 の濃度で100mol/m3 の硝酸ナトリウム水溶
液に溶解したものと、Pr、Gd、Erをそれぞれ0.05
mol/m3 の濃度で100mol/m3 の硝酸水溶液
に溶解したものを用意し、各々を任意の割合にて混合す
ることにより、各希土類金属の濃度が0.05mol/m3
で、pH2.5 の各水溶液を調製した。有機相として、t
−Oct[6]CH2 COOHを0.8 〜10mol/m
3 の濃度で溶解したものを用いた。
【0072】実験操作およびデータ処理は実施例1
(2)と同様に行なった。結果を図4に示す。図4から
分配比は抽出剤濃度に対して2次の依存性を示すことが
分かる。上記実施例2(1)および(2)から、t−O
ct[6]CH2 COOHによる希土類金属の抽出反応
式は次式で示される。
【0073】
【化10】
【0074】(式中、H6 6 はt−Oct[6]CH
2 COOHを表わし、他の記号は前記と同じ意味を表わ
す。)その結果、抽出平衡定数Kexは Kex=D・[H+ 3 /[H6 6 2 (b) または logKex=logD−3pH−2log[H6 6 ] (b') で示される。
【0075】実施例3:抽出平衡定数の測定 抽出剤としてt−Oct[4]CH2 COOHおよびt
−Oct[6]CH2COOHを用い、希土類金属の抽
出平衡定数を求める実験を行なった。 (1)t−Oct[4]CH2 COOH 水相として、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、H
o、Er、Yをそれぞれ0.05mol/m3 の濃度で、1
00mol/m3 の硝酸水溶液、および100mol/
3 の硝酸ナトリウム水溶液に溶解し、それらを適宜混
合することにより各希土類金属の濃度が0.05mol/m
3 で、任意のpHを有する水溶液を調製した。有機相と
しては、t−Oct[4]CH2 COOH(2量体とし
て)を5mol/m3 の濃度で溶解したものを用いた。
各金属の抽出実験を実施例1と同様に行ない、各pHに
おける分配係数を求め、抽出剤t−Oct[4]CH2
COOHによる各希土類金属の抽出平衡定数Kexを前記
の式(a) または式(a')により求めた。その結果を第3表
に示す。
【0076】(2)t−Oct[6]CH2 COOH 水相として、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Ho、E
r、Yをそれぞれ0.05mol/m3 の濃度で、100m
ol/m3 の硝酸水溶液、100mol/m3の硝酸ナ
トリウム水溶液に溶解し、それらを適宜混合することに
より各希土類金属の濃度が0.05mol/m3 で、任意の
pHを有する水溶液を調製した。有機相としては、t−
Oct[6]CH2 COOHを5mol/m3 の濃度で
溶解したものを用いた。各金属の抽出実験を実施例2と
同様に行ない、各pHにおける分配係数を求め、抽出剤
t−Oct[6]CH2 COOHによる各希土類金属の
抽出平衡定数Kexを前記式(b) または式(b')により求め
た。その結果を第3表に示す。
【0077】
【表3】
【0078】実施例4:半値pHの測定 実施例3(1)および(2)にて求めた抽出平衡定数
は、水相中の硝酸イオンとの錯形成を考慮に入れてお
り、各平衡定数は硝酸系での抽出され易さの目安とはし
にくい。そこで抽出され易さの目安とすべく、水相中の
希土類金属の半分が抽出される(抽出率50%)pH値
(半値pH)を求めた。抽出率E(%)は下記式に従い
求めた。 E(%)=(C0 −Ce )・100/C0 (式中、C0 は水相中希土類金属の初濃度を表わし、C
e は抽出操作後の水相中の希土類金属濃度を表わす。)
【0079】(1)t−Oct[4]CH2 COOH 実施例3(1)で用いた水相および有機相を用い、それ
ぞれの金属に対し、抽出率が50%となるpHを求めた
結果を図5に示す。この場合の抽出率は硝酸アニオンに
よる補正を行なっていない数値であり、E=50%のp
Hが半値pHである。この数値は小さければ小さいほど
抽出され易いことを示しており、t−Oct[4]CH
2 COOHではHoが抽出され易く、Hoを極大点とし
た放物線を描いていることが明らかになった。この事実
から、抽出に対して、t−Oct[4]CH2 COOH
の形成する分子内空間の面積が大きく寄与しているもの
と考えられる。
【0080】(2)t−Oct[6]CH2 COOH 実施例3(2)で用いた水相および有機相を用い、それ
ぞれの金属に対し、抽出率が50%となるpHを求めた
結果を図5に示す。
【0081】その結果、t−Oct[4]CH2 COO
Hの場合と同様の放物状で、Smに極大を有する曲線が
得られた。このことはt−Oct[4]CH2 COOH
と同じく、t−Oct[6]CH2 COOHの分子内空
間の面積が抽出に寄与しているものと考えられる。
【0082】以上のように、本発明の抽出剤を希土類金
属の抽出に用いた場合の分配比に及ぼすpH及び抽出剤
濃度の影響をみた実験結果から、t−Oct[4]CH
2 COOHではpH依存性が3次、抽出剤濃度依存性が
1.5 次(t−Oct[4]CH2 COOHの濃度は2量
体の濃度である。)となる。またt−Oct[6]CH
2 COOHではpH依存性は3次、抽出剤濃度依存性は
2次である。
【0083】また実施例4(1)、(2)に示した半値
pH(値が小さいほど抽出され易い)をみると、t−O
ct[4]CH2 COOHで最も抽出されやすいのはイ
オン半径の小さいHoであり、またt−Oct[6]C
2 COOHで最も抽出され易いのはイオン半径の大き
いSmであり、両抽出剤とも極大値を有する放物線を描
く。抽出の際に希土類金属が如可なる配位数を取ってい
るかは明らかではないが、これらの結果を見ると、本発
明の抽出剤で錯形成し有機相に抽出される場合に、抽出
剤の環の大きさと希土類金属のイオン半径が抽出平衡定
数に大きく影響していることは明らかであり、その結果
希土類金属との錯形成能のみを利用する従来の抽出剤に
比較して著しい効果を示しているものと考えられる。
【0084】実施例5,比較例1および2:t−Oct
[4]CH2 COOH、PC−88AおよびD2EHP
Aの抽出率 水相として100mol/m3 の硝酸水溶液と、100
mol/m3 の硝酸ナトリウム水溶液にそれぞれHoを
0.05mol/m3 の濃度に溶解し、両水溶液を混合する
ことによりpH2.0 の水溶液を調製した。有機相とし
て、t−Oct[4]CH2 COOH(実施例5)、P
C−88A(比較例1)およびD2EHPA(比較例
2)を各々1重量%の濃度でトルエンに溶解したものを
用いた。水相、有機相両相を5cm3 ずつ混合し、30℃
で7時間振盪した後、水相中の希土類金属濃度を、プラ
ズマ発光分析装置にて分析して抽出率を求めた。その結
果、抽出率はt−Oct[4]CH2 COOH(実施例
5)で81%、PC−88A(比較例1)で31%、D
2EHPA(比較例2)で75%となり、本発明の抽出
剤は抽出効率も優れていることが分かる。
【0085】比較例3:PC−88AおよびD2EHP
Aの抽出平衡定数 従来から希土類金属の抽出に最も効率的な抽出剤として
知られているPC−88A、D2EHPAのHo、Y、
Erの抽出平衡定数を測定した。両抽出剤の平衡反応式
は次の様に表されることが知られている。
【0086】
【化11】
【0087】従って、抽出平衡定数Kexは次式 Kex=[LnR3 (HR)3 ][H+ 3 /[Ln3+][(HR)2 3 で示される。また、分配比Dは次式 D=[LnR3 (HR)3 ]/[Ln3+] で示されるので、抽出平衡定数Kexは Kex=D・[H+ 3 /[(HR)2 3 または logKex=logD−3pH−3log[(HR)2 ] で示される。上記の式中、HRはPC−88Aあるいは
D2EHPAを表わす。
【0088】測定においては、水相として、Ho、E
r、Yをそれぞれ0.05mol/m3 の濃度で100mo
l/m3 の硝酸水溶液、100mol/m3 の硝酸ナト
リウム水溶液に溶解し、それらを混合することにより各
希土類金属の濃度が0.05mol/m3 で、任意のpH値
を有する水溶液を調製した。また有機相として、PC−
88AおよびD2EHPAを5mol/m3 の濃度でト
ルエンに溶解したものを用いた。希土類金属の分配比の
測定は、実施例1(1)と同様の操作で行ない、データ
処理では実施例1(1)と同様に硝酸アニオンの影響を
考慮した。その結果を第4表に示す。
【0089】
【表4】
【0090】比較例4:各抽出剤における分離係数の比
較 抽出平衡反応式が異なるため本発明の抽出平衡定数とP
C−88AおよびD2EHPAとの抽出平衡定数を直接
比較できないので、希土類金属の中でも分離の困難なE
r/YおよびHo/Y間の分離係数βを求めて比較し
た。すなわち、例えばEr/Yの分離係数βは以下のよ
うに示される。 βEr/Y=Erの抽出平衡定数/Yの抽出平衡定数 このβの値は大きいほど2金属間の分離が容易となる。
結果を第5表に示す。
【0091】
【表5】
【0092】第5表より明らかなように、本発明の抽出
剤はPC−88AおよびD2EHPAに比較してβが1
以上高いことが分かる。
【0093】すなわち、本発明の抽出剤では、優秀な抽
出剤として従来から知られているPC−88A、D2E
HPAに比較して、各希土類金属間の抽出選択性が大き
く向上している。例えば、分離が難しいと言われている
ErとYとの分離についてみると、Er/Yの分離係数
βがD2EHPAで1.3 、PC−88Aで1.3 であるも
のが、本発明抽出剤のt−Oct[4]CH2 COOH
を用いると分離係数が2.5 まで高くなり、ErとYの分
離が従来に比較して著しく容易になる。また、Ho/Y
の分離係数の値2.9 も、今までの抽出剤では得られない
高い値である。
【0094】
【発明の効果】本発明は、希土類金属の抽出剤として有
用な新規カリックスアレーン誘導体、その誘導体を有効
成分とする抽出剤、およびその抽出剤を使用する希土類
金属の抽出分離法を提供したものである。本発明の抽出
剤は、従来の抽出剤のように錯形成能力にのみに支配さ
れる抽出平衡定数の差で希土類金属の分離に寄与するだ
けではなく、希土類金属のイオン半径に対応した抽出に
寄与する分子構造を有する抽出剤であり、画期的なもの
である。従来の抽出剤では非常に困難、または非常に効
率が低いといわれている希土類金属の分離に、抽出剤の
みで分離効率を大きく向上させた点に大きな特徴を有
し、希土類金属の分離精製に大きく貢献するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】t−Oct[4]CH2 COOHの分配比のp
H依存性を示すグラフである。
【図2】t−Oct[4]CH2 COOHの分配比の抽
出剤濃度依存性を示すグラフである。
【図3】t−Oct[6]CH2 COOHの分配比のp
H依存性を示すグラフである。
【図4】t−Oct[6]CH2 COOHの分配比の抽
出剤濃度依存性を示すグラフである。
【図5】希土類金属の半値pHを示すグラフである。
【化4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 雄久 福岡県福岡市東区箱崎6−10−1 九州大 学工学部応用物質化学科内 (72)発明者 新海 征治 福岡県福岡市東区箱崎6−10−1 九州大 学工学部応用物質化学科内 (72)発明者 長崎 健 福岡県福岡市東区箱崎6−10−1 九州大 学工学部応用物質化学科内 (72)発明者 坪井 彦忠 千葉県茂原市東郷1900番地 三井サイアナ ミッド株式会社内 (72)発明者 長尾 繁光 千葉県茂原市東郷1900番地 三井サイアナ ミッド株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は炭素数6〜18のアルキル基を表わし、
    2 は−CH2 COOH、−CH(CH3 )COOHお
    よび−C(CH3 2 COOHより選ばれる基を表わ
    し、nは4〜8の整数を表わす。)で示されるカリック
    スアレーン誘導体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の一般式(I) で示される
    カリックスアレーン誘導体を有効成分とする希土類金属
    の抽出剤。
  3. 【請求項3】 希土類元素の化合物を含む水溶液と、請
    求項1に記載のカリックスアレーン誘導体を含む非水溶
    性有機溶媒溶液とを接触させ、希土類元素イオンを選択
    的に有機溶媒相へ溶解させ分離することを特徴とする希
    土類金属の分離精製方法。
JP4101680A 1992-03-27 1992-03-27 新規カリックスアレーン誘導体、該誘導体を有効成分とする希土類金属の抽出剤、および希土類金属の分離精製方法 Pending JPH05271149A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5789496A (en) * 1994-11-04 1998-08-04 Ibc Advanced Technologies, Inc. Process for separating cesium from industrial streams containing other alkali metals using poly(hydroxyarylene) polymeric resins
JP2016521844A (ja) * 2013-05-20 2016-07-25 ユニヴェルシテ デクス−マルセイユUniversite D’Aix−Marseille 化学元素を検出、捕捉及び/又は放出するための方法

Cited By (3)

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CN1082383C (zh) * 1994-11-04 2002-04-10 Ibc高技术有限公司 使用聚(羟基亚芳基)聚合树脂从含有铯和其他碱金属的工业液流中分离铯的方法
JP2016521844A (ja) * 2013-05-20 2016-07-25 ユニヴェルシテ デクス−マルセイユUniversite D’Aix−Marseille 化学元素を検出、捕捉及び/又は放出するための方法

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