JP6511616B2 - キレート剤 - Google Patents
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Description
すなわち本発明の化合物は、下記式(1)で表されるものであることを特徴とする。
[式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、C4-20のアルキル基若しくはC4-20のアルケニル基、又は、C6-15のアリール基を表す。nは、0〜3の整数を表す。]
本発明のポリアミン化合物(以下、単に「化合物」という場合がある。)は、下記式(1)で表されることを特徴とする。
[式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、C4-20のアルキル基若しくはC4-20アルケニル基、又は、C6-15アリール基を表す。nは、0〜3の整数を表す。]
本発明の製造方法は、下記式(2)
[式(2)中、nは、上記と同義である。]
[式(3)中、R5、R6は、それぞれ独立に、R1と同様の基を表す。]
この様にして得られる本発明の化合物は、大気雰囲気中はもとより溶液中でも変質することがなく、安定に保存できる。このため、油溶性キレート剤として作用することができ、油溶性キレート剤のうち、例えば廃水中からの有価金属の抽出剤として、油脂類の酸化防止剤として、或いは油脂中に金属を導入する際の油脂用金属安定化剤として有効に活用できる。
このようにして抽出操作を行った後、疎水性相(油相)の吸光度変化を測定することにより、金属が抽出されたことを確認できる。
さらに、油脂用酸化防止剤の使用量は、油脂(油脂中の金属も含む)100質量部に対して、0.001質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.005質量部以上であり、10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1質量部以下であり、さらに好ましくは0.1質量部以下である。油脂用酸化防止剤の使用量がこの範囲であると、油脂の性状を損なうことなく、酸化を防止できる。
さらに、油脂用金属安定化剤の使用量は、油脂(油脂中の金属も含む)100質量部に対して、0.001質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.005質量部以上であり、10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは1質量部以下であり、さらに好ましくは0.1質量部以下である。油脂用金属安定化剤の使用量がこの範囲であると、油脂の性状を損なうことなく、酸化を防止できる。
得られた化合物について、1H−NMR測定を行った。装置としてJEOL RESONANCE社製「JNM−ECA400」を用いて測定した。溶媒は重水素化クロロホルムを用い、サンプルの濃度は16.6mg/mLとした。
得られた化合物について、透過法にてFT−IR測定を行った。装置として日本分光社製「FT/IR−410」を用いた。
全自動元素分析装置(エレメンタール社製「Vario EL3」)を用い、純酸素中、1800℃で試料を完全燃焼させ、水素を水、炭素を二酸化炭素へと変換し、水、二酸化炭素、窒素の量を定量することで、試料中の水素、炭素、窒素の含量を測定した。
合成した化合物を、ヘキサン、ベンゼン、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1−オクタノール、ブチルジグリコール、メタノールに溶解し、室温(25℃)、大気圧(1013hPa)下でその溶解度を測定した。下記の基準で溶解度を評価した。
◎:溶解度10質量%以上
〇:溶解度1質量%以上、10質量%未満
△:溶解度0.5質量%以上、1質量%未満
×:溶解度0.5質量%未満
硫酸銅7水和物(CuSO4・7H2O)の9g/L水溶液を調製し、ジ−n−ブチルアミン、及びリン酸を用いてpH2.5に調製して、親水性相とした。また油溶性キレート剤をヘキサン、ベンゼン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、1−オクタノールに50g/Lの濃度となるように溶解し、疎水性相とした。前記親水性相10mLに疎水性相10mLを添加し、10回程度振とうした後、静置した。親水性相が無色透明となり、疎水性相が青色に着色したものをキレート能有り(○)とし、親水性相が青色のままであったものをキレート能無し(×)として評価した。キレート剤が溶解しなかった場合は(−)とした。
エチレンジアミン四酢酸91g、無水酢酸130g、ピリジン150gを反応器にとり、65℃で16時間撹拌した。反応後、20℃まで冷却し、析出した結晶を濾過した。濾過した結晶を無水酢酸、続いてジエチルエーテルにて洗浄することにより、白色結晶を得、さらに、減圧乾燥することにより、エチレンジアミン四酢酸二無水物を得た。
300mlの三つ口フラスコに、ジ(2−エチルヘキシル)アミン18.8g(0.078モル)と溶媒としてのヘキサンを150g加えて撹拌しながら、エチレンジアミン四酢酸二無水物10.0g(0.039モル)を加えた。その後、反応温度69℃で、6時間反応を行なって、本発明の化合物を得た。さらに、100mmHgの減圧下で濃縮して溶媒を蒸発させて、黄色液体を得た。得られた液体の元素分析結果を表1に示す。
実施例1において、溶媒としてのヘキサンを表2に示す通りの溶媒とし、反応温度を表2に示す通りの反応温度、反応時間を表2に示す通りの反応時間としたこと以外は実施例1と同様の操作を行って本発明の化合物を黄色液体として得た。
ジ(2−エチルヘキシル)アミン18.8g(0.078モル)の代わりにジブチルアミン10.1g(0.078モル)を用いること以外は実施例3と同様にして、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸−N,N’−二酢酸ジブチルアミド体を得た。さらに、100mmHgの減圧下で濃縮して溶媒を蒸発させて、淡黄色粉末を得た。また、得られた化合物の溶解度測定結果を表3に、キレート試験結果を表4に示す。
実施例4において、ジ(2−エチルヘキシル)アミン18.8g(0.078モル)の代わりに、2−エチルヘキシルアミン10.1g(0.078モル)を用いたこと以外は実施例4と同様にして、下記式で表される比較例1の化合物(エチレンジアミン−N,N’−二酢酸−N,N’−二酢酸(2−エチルヘキシル)アミド)を合成した。得られた化合物の溶解度測定結果を表3に、キレート試験結果を表4に示す。
エチレンジアミン四酢酸二無水物20g、オレイルアミン45.9gを反応器にとり、ジオキサン200mLにて懸濁した。70℃まで徐々に昇温し、溶解後20分加熱した。反応後、減圧にて濃縮し、その残渣をエタノールにて結晶化させ、濾別、乾燥することにより、下記式で表される化合物を得た。また、得られた化合物の溶解度測定結果を表3に、キレート試験結果を表4に示す。
ジエチレントリアミン五酢酸141g、無水酢酸194g、ピリジン216gを反応器にとり、65℃で16時間撹拌した。反応後、20℃まで冷却し、析出した結晶を濾過した。濾過した結晶をジエチルエーテルにて洗浄することにより、黄褐色結晶を得、さらに、減圧乾燥することにより、ジエチレントリアミン五酢酸二無水物を得た。
次いで300mlの三つ口フラスコに、ジ(2−エチルヘキシル)アミン13.5g(0.056モル)と1,4−ジオキサンを150g加えて撹拌しながら、ジエチレントリアミン五酢酸二無水物10g(0.028モル)を加えた。その後、反応温度101℃で、3時間反応を行なって、ジエチレントリアミン−N,N’,N’’−三酢酸−N,N’−二酢酸ジ(2−エチルヘキシル)アミド体を得た。
実施例6において、溶媒としての1,4−ジオキサンを表5に示す通りの溶媒とし、反応温度を表5に示す通りの反応温度、反応時間を表5に示す通りの反応時間としたこと以外は実施例6と同様の操作を行って本発明の化合物を黄褐色固体として得た。また、得られた化合物の溶解度測定結果を表6に、キレート試験結果を表7に示す。
実施例6において、ジ(2−エチルヘキシル)アミン13.5g(0.056モル)の代わりに、ジブチルアミン7.3g(0.056モル)を用いたこと以外は実施例6と同様にして、実施例9の化合物(ジエチレントリアミン−N,N’,N’’−三酢酸−N,N’−二酢酸ジブチルアミド)を合成した。得られた化合物の溶解度測定結果を表6に、キレート試験結果を表7に示す。
Claims (5)
- 下記式(1)で表されるポリアミン化合物。
[式(1)中、R1〜R4は2−エチルヘキシル基を表す。nは、0〜3の整数を表す。] - 請求項1に記載の化合物を含み、室温(25℃)で且つ大気圧(1013hPa)下で、ヘキサン、ベンゼン、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1−オクタノール、ブチルジグリコールおよびメタノールに対する溶解度が10質量%以上である油溶性キレート剤。
- 請求項1に記載の化合物を含む金属抽出剤。
- 請求項1に記載の化合物を含む油脂用酸化防止剤。
- 請求項1に記載の化合物を含む油脂用金属安定化剤。
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JP2014140641 | 2014-07-08 | ||
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JP2015128003A Active JP6511616B2 (ja) | 2014-07-08 | 2015-06-25 | キレート剤 |
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