JP6623803B2 - スカンジウム回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スカンジウム回収方法に関し、より詳しくは、ニッケル酸化鉱に含まれるスカンジウムを、特定のアミド誘導体を含むスカンジウム抽出剤による溶媒抽出を用いて簡便に且つ効率よく回収する方法に関する。
スカンジウムは、高強度合金の添加剤や燃料電池の電極材料として極めて有用である。しかしながら、生産量が少なく、高価であるため、広く用いられるには至っていない。
ところで、ラテライト鉱やリモナイト鉱等のニッケル酸化鉱には、微量のスカンジウムが含まれている。しかしながら、ニッケル酸化鉱は、ニッケル含有品位が低いため、長らくニッケル酸化鉱をニッケル原料として工業的に利用されてこなかった。そのため、ニッケル酸化鉱からスカンジウムを工業的に回収することもほとんど研究されていなかった。
しかしながら、近年、ニッケル酸化鉱を硫酸と共に加圧容器に装入し、240℃〜260℃程度の高温に加熱してニッケルを含有する浸出液と浸出残渣とに固液分離するHPAL(High Pressure Acid Leach)プロセスが実用化されている。このHPALプロセスでは、得られた浸出液に中和剤を添加することで不純物が分離され、次いで、不純物が分離された浸出液に硫化剤を添加することによりニッケルをニッケル硫化物として回収する。そして、このニッケル硫化物を既存のニッケル製錬工程で処理することによって、電気ニッケルやニッケル塩化合物を得ることができる。
上述のようなHPALプロセスを用いる場合、ニッケル酸化鉱に含まれるスカンジウムは、ニッケルと共に浸出液に含まれることになる(特許文献1参照)。そして、HPALプロセスで得られた浸出液に対して中和剤を添加して不純物を分離し、次いで硫化剤を添加すると、ニッケルはニッケル硫化物として回収される一方で、スカンジウムは硫化剤添加後の酸性溶液中に含まれるようになるため、HPALプロセスを使用することによって、ニッケルとスカンジウムとを効果的に分離することができる。
また、スカンジウムの分離を、キレート樹脂を用いて行う方法もある(特許文献2参照)。具体的に、この特許文献2に示される方法は、先ず、ニッケル含有酸化鉱石を酸化性雰囲気の高温高圧のもとで酸性水溶液中にニッケルとスカンジウムとを選択的に浸出させて酸性溶液を得て、次いでその酸性溶液のpHを2〜4の範囲に調整した後、硫化剤の使用によってニッケルを硫化物として選択的に沈殿回収する。次に、得られたニッケル回収後の溶液をキレート樹脂と接触させてスカンジウムを吸着させ、キレート樹脂を希酸で洗浄した後、洗浄後のキレート樹脂を強酸と接触させてキレート樹脂からスカンジウムを溶離するというものである。
また、上述した酸性溶液からスカンジウムを回収する方法として、溶媒抽出を用いてスカンジウムを回収する方法も提案されている(特許文献3及び4参照)。具体的に、この特許文献3に記載の方法では、先ず、スカンジウムの他に、少なくとも鉄、アルミニウム、カルシウム、イットリウム、マンガン、クロム、マグネシウムの1種以上を含有する水相の含スカンジウム溶液に、2−エチルヘキシルスルホン酸−モノ−2−エチルヘキシルをケロシンで希釈した有機溶媒を加えて、スカンジウム成分を有機溶媒中に抽出する。次いで、有機溶媒中にスカンジウムと共に抽出されたイットリウム、鉄、マンガン、クロム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムを分離するために、塩酸水溶液を加えてスクラビングを行うことによってそれらを除去した後、有機溶媒中にNaOH水溶液を加えて、有機溶媒中に残存するスカンジウムをSc(OH)を含むスラリーとし、これを濾過して得られたSc(OH)を塩酸で溶解して、塩化スカンジウム水溶液を得る。そして、得られた塩化スカンジウム水溶液にシュウ酸を加えてシュウ酸スカンジウム沈殿とし、その沈殿を濾過して、鉄、マンガン、クロム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムを濾液中に分離した後、仮焼することにより高純度な酸化スカンジウムを得るというものである。
また、特許文献4には、スカンジウム含有供給液をバッチ処理によって一定の割合で抽出剤に接触させることにより、スカンジウム含有供給液からスカンジウムを選択的に分離回収する方法が記載されている。
これらの方法で回収されるスカンジウムの品位は、酸化スカンジウムに換算して95%〜98%程度の純度が得られることが知られている。ところが、合金への添加等の用途に対しては十分な品位であるものの、近年需要が高まっている燃料電池の電解質等の用途に対しては、特性を発揮するためには、さらに高純度な、例えば99.9%程度の品位が必要とされる。
特開平3−173725号公報 特開平9−194211号公報 特開平9−291320号公報 国際公開第2014/110216号
しかしながら、上述したニッケル酸化鉱の中には、鉄やアルミニウムの他に、マンガンやマグネシウム等、その他のさまざまな不純物元素が含有されている。この場合、特許文献2や特許文献3で開示されるキレート樹脂や有機溶媒では、いくつかの不純物元素はスカンジウムと類似の挙動を示し、スカンジウムと有効に分離回収することが困難となる。また、ニッケル酸化鉱の浸出液に含有される鉄、アルミ等の不純物は、スカンジウムよりもはるかに高濃度であり、これらの多量の不純物の影響もあって、ニッケル酸化鉱から高純度なスカンジウムを工業的に回収するのに適した方法は見出されていない。
本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、ニッケル酸化鉱から高純度のスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収することができるスカンジウムの回収方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、スカンジウムを含有する酸性溶液を、特定のアミド誘導体を含むスカンジウム抽出剤を用いたスカンジウムの溶媒抽出に付することで、ニッケル酸化鉱から高純度のスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収することができることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、スカンジウムを含有する溶液をイオン交換樹脂に通液し、前記スカンジウムを前記イオン交換樹脂に吸着させる吸着工程と、前記イオン交換樹脂に硫酸溶液を通液し、前記イオン交換樹脂から前記スカンジウムを溶離し、溶離後液を得る溶離工程と、前記溶離工程の後、前記スカンジウムを含有する溶液を、アミド誘導体を含むスカンジウム抽出剤を用いた溶媒抽出に付し、不純物を含有する水相とスカンジウムを含有する有機相とに分離するスカンジウム抽出工程とを含む、スカンジウム回収方法である。
(2)また、本発明の第2の発明は、上記第1の発明において、前記溶離工程の後、前記溶離後液を濃縮する濃縮工程をさらに含み、前記不純物抽出工程は、前記濃縮工程の後に行われる、スカンジウム回収方法である。
(3)また、本発明の第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、前記溶離後液は、不純物として三価鉄を含み、前記溶離工程の後、前記スカンジウムを含有する水相に含まれる前記三価鉄を二価鉄に還元する還元工程をさらに含み、前記スカンジウム抽出工程は、前記還元工程の後に行われる、スカンジウム回収方法である。
(4)また、本発明の第4の発明は、上記第1から第3のいずれかの発明において、前記スカンジウムを含有する有機相を逆抽出に付し、スカンジウム逆抽出液を得るスカンジウム逆抽出工程と、前記スカンジウム逆抽出工程の後、前記スカンジウムを含有する溶液にシュウ酸を加えてシュウ酸スカンジウムを析出させる析出工程と、前記シュウ酸スカンジウムを酸化して酸化スカンジウムを得る酸化工程とをさらに含み、前記スカンジウムを含有する溶液にシュウ酸を加えたときの溶液のpHが0以上1.0以下である、スカンジウム回収方法である。
(5)また、本発明の第5の発明は、上記第1から第4のいずれかの発明において、前記アミド誘導体が下記一般式(I)で表される、スカンジウム回収方法である。
Figure 0006623803
(式(I)において、R及びRは、それぞれ同一又は別異のアルキル基を示す。アルキル基は直鎖でも分鎖でも良い。Rは水素原子又はアルキル基を示す。Rは水素原子、又はアミノ酸としてα炭素に結合される、アミノ基以外の任意の基を示す。)
(6)また、本発明の第6の発明は、上記第1から第5のいずれかの発明において、前記吸着工程において前記イオン交換樹脂に通液される溶液は、ニッケル酸化鉱を高温高圧下で硫酸を用いて浸出した酸溶液である、スカンジウム回収方法である。
本発明によれば、ニッケル酸化鉱から高純度のスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収することができる。
本発明の実施形態に係るスカンジウム回収方法を説明するためのフロー図である。 スカンジウム、二価鉄及び三価鉄を含有する酸性溶液を、アミド誘導体D2EHAGを含有する有機溶媒による溶媒抽出処理に付したときのpHと抽出率との関係を示すグラフ図である。 アミド誘導体D2EHAGを含有する有機溶媒を用いたスカンジウム抽出工程S33における抽出始液のpHとSc、Fe(II)及びAlの抽出率との関係を示すグラフ図である。 スカンジウム逆抽出工程S34における逆抽出液(硫酸)の濃度と、逆抽出後液に含まれるスカンジウムの割合との関係を示すグラフ図である。
以下、本発明に係るスカンジウムの回収方法の具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
≪1.スカンジウムの回収方法≫
図1は、本実施形態に係るスカンジウムの回収方法の一例を示すフロー図である。このスカンジウムの回収方法は、ニッケル酸化鉱を硫酸等の酸により浸出して得られた、スカンジウム及び不純物を含有する酸性溶液から、スカンジウムと不純物とを分離して、高純度のスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収するものである。
このスカンジウムの回収方法では、スカンジウム及び不純物を含有する酸性溶液(被処理溶液)を、アミド誘導体を含むスカンジウム抽出剤を用いた溶媒抽出に付すことにより、スカンジウムをスカンジウム抽出剤(有機相)に抽出し、酸性溶液(水相)に残る不純物と分離する。スカンジウム抽出剤(有機相)に抽出されるスカンジウムは、逆抽出に付し、スカンジウムを含有する酸性溶液(水相)と有機相とに分離した後、水相にシュウ酸を加え、シュウ酸スカンジウムとして析出させることによって回収される。
このように、本実施形態に係るスカンジウム回収方法では、溶媒抽出によりスカンジウムを分離して回収するにあたって、アミド誘導体を含むスカンジウム抽出剤を用いた溶媒抽出に付することを特徴としている。このような方法によれば、不純物をより効果的に分離することができ、ニッケル酸化鉱のような多くの不純物を含有する原料からであっても、安定した操業を行うことができ、高純度のスカンジウムを効率よく回収することができる。
例えば、本実施形態に係るスカンジウムの回収方法は、図1のフロー図に示すように、ニッケル酸化鉱を硫酸等の酸により浸出することにより、スカンジウム及び不純物を含有する酸性溶液を得るニッケル酸化鉱の湿式製錬処理工程S1と、その酸性溶液から不純物を除去してスカンジウムを濃縮させたスカンジウム溶離液を得るスカンジウム溶離工程S2と、スカンジウム溶離液を、アミド誘導体を含むスカンジウム抽出剤を用いた溶媒抽出に付し、スカンジウムをスカンジウム抽出剤(有機相)に抽出し、酸性溶液(水相)に残る他の不純物と分離するスカンジウム抽出工程S3と、スカンジウム抽出剤(有機相)を逆抽出に付し、スカンジウムを含有する逆抽出液(水相)からスカンジウムを回収するスカンジウム回収工程S4とを含む。
≪2.スカンジウムの回収方法の各工程について≫
<2−1.ニッケル酸化鉱の湿式製錬処理工程>
スカンジウム回収の処理対象となるスカンジウムを含有する酸性溶液としては、ニッケル酸化鉱を硫酸により処理して得られる酸性溶液を用いることができる。
具体的に、溶媒抽出に付される酸性溶液としては、ニッケル酸化鉱を高温高圧下で硫酸等の酸により浸出して浸出液を得る浸出工程S11と、浸出液に中和剤を添加して不純物を含む中和澱物と中和後液とを得る中和工程S12と、中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る硫化工程S13とを有するニッケル酸化鉱の湿式製錬処理工程S1により得られる硫化後液を用いることができる。以下では、ニッケル酸化鉱の湿式製錬処理工程S1の流れを説明する。
[浸出工程S11]
浸出工程S11は、例えば高温加圧容器(オートクレーブ)等を用いて、ニッケル酸化鉱のスラリーに硫酸を添加して240℃〜260℃の温度下で撹拌処理を施し、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを形成する工程である。なお、浸出工程S11における処理は、従来知られているHPALプロセスに従って行えばよく、例えば特許文献1に記載されている。
ここで、ニッケル酸化鉱としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱が挙げられる。ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8〜2.5重量%であり、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、これらのニッケル酸化鉱には、スカンジウムが含まれている。
この浸出工程S11では、得られた浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを洗浄しながら、ニッケルやコバルト、スカンジウム等を含む浸出液と、ヘマタイトである浸出残渣とに固液分離する。この固液分離処理では、例えば、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、凝集剤供給設備等から供給される凝集剤を用いて、シックナー等の固液分離設備により固液分離処理を施す。具体的には、先ず、浸出スラリーが洗浄液により希釈され、次に、スラリー中の浸出残渣がシックナーの沈降物として濃縮される。なお、この固液分離処理では、シックナー等の固液分離槽を多段に連結させて用い、浸出スラリーを多段洗浄しながら固液分離することが好ましい。
[中和工程S12]
中和工程S12は、上述した浸出工程S11により得られた浸出液に中和剤を添加してpHを調整し、不純物元素を含む中和澱物と中和後液とを得る工程である。この中和工程S12における中和処理により、ニッケルやコバルト、スカンジウム等の有価金属は中和後液に含まれるようになり、鉄、アルミニウムをはじめとした不純物の大部分が中和澱物となる。
中和剤としては、従来公知のもの使用することができ、例えば、炭酸カルシウム、消石灰、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
中和工程S12における中和処理では、分離された浸出液の酸化を抑制しながら、pHを1以上4以下の範囲に調整することが好ましく、pHを1.5以上2.5以下の範囲に調整することがより好ましい。pHが1未満であると、中和が不十分となり、中和澱物と中和後液とに分離できない可能性がある。一方で、pHが4を超えると、アルミニウムをはじめとした不純物のみならず、スカンジウムやニッケル等の有価金属も中和澱物に含まれる可能性がある。
[硫化工程S13]
硫化工程S13は、上述した中和工程S12により得られた中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る工程である。この硫化工程S13における硫化処理により、ニッケル、コバルト、亜鉛等は硫化物となり、スカンジウム等は硫化後液に含まれることになる。
具体的に、この硫化工程S13では、得られた中和後液に対して、硫化水素ガス、硫化ナトリウム、水素化硫化ナトリウム等の硫化剤を吹きこみ、不純物成分の少ないニッケル及びコバルトを含む硫化物(ニッケル・コバルト混合硫化物)と、ニッケル濃度を低い水準で安定させ、スカンジウム等を含有させた硫化後液とを生成させる。
硫化工程S13における硫化処理では、ニッケル・コバルト混合硫化物のスラリーに対してシックナー等の沈降分離装置を用いた沈降分離処理を施し、ニッケル・コバルト混合硫化物をシックナーの底部より分離回収する。一方で、水溶液成分である硫化後液についてはオーバーフローさせて回収する。
本実施形態に係るスカンジウムの回収方法は、以上のようなニッケル酸化鉱の湿式製錬処理工程S1における各工程を経て得られる硫化後液を、スカンジウム回収処理の対象となる、スカンジウムを含有する酸性溶液として用いることができる。
<2−2.スカンジウム(Sc)溶離工程>
上述したように、ニッケル酸化鉱を硫酸により浸出して得られた、スカンジウムを含有する酸性溶液である硫化後液を、スカンジウム回収処理の対象溶液として適用することができる。ところが、スカンジウムを含有する酸性溶液である硫化後液には、スカンジウムの他に、例えば上述した硫化工程S13における硫化処理で硫化されずに溶液中に残留したアルミニウムやクロム、その他の不純物が含まれている。このことから、この酸性溶液を溶媒抽出に付すにあたり、スカンジウム溶離工程S2として、予め、酸性溶液中に含まれる不純物を除去してスカンジウム(Sc)を濃縮し、スカンジウム溶離液(スカンジウム含有溶液)を生成させることが好ましい。
スカンジウム溶離工程S2では、例えば、イオン交換処理による方法で、酸性溶液中に含まれるアルミニウム等の不純物を分離して除去し、スカンジウムを濃縮させたスカンジウム含有溶液を得るようにすることができる。
なお、以下に、図1のフロー図を参照しながら、酸性溶液中に含まれる不純物を除去してスカンジウムを濃縮し溶離させる方法として、キレート樹脂を使用したイオン交換反応により行う方法を例に挙げて概略を説明するが、この方法に限られるものではない。
イオン交換反応の態様は、特に限定されるものではないが、例えば、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる吸着工程S21と、スカンジウムを吸着したキレート樹脂に0.1N以下の硫酸を接触させてキレート樹脂に吸着したアルミニウムを除去するアルミニウム除去工程S22と、キレート樹脂に0.3N以上3N以下の硫酸を接触させてスカンジウム溶離液を得るスカンジウム溶離工程S23とを有するものを例示できる。また、必須ではないが、キレート樹脂を再利用できるようにするため、スカンジウム溶離工程S23を経たキレート樹脂に3N以上の硫酸を接触させ、吸着工程S21でキレート樹脂に吸着したクロムを除去するクロム除去工程S24をさらに有することが好ましい。以下、各工程について簡単に概略を説明する。
[吸着工程S21]
吸着工程S21では、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる。キレート樹脂の種類は特に限定されず、例えばイミノジ酢酸を官能基とする樹脂を用いることができる。
[アルミニウム除去工程S22]
必須ではないが、吸着工程S21でスカンジウムを吸着したキレート樹脂からスカンジウムを溶離するのに先立ち、吸着工程S21でスカンジウムを吸着したキレート樹脂に0.1N以下の硫酸を接触させ、キレート樹脂に吸着したアルミニウムを除去するアルミニウム除去工程S22を行うことが好ましい。アルミニウム除去工程S22を行うことで、スカンジウムをキレート樹脂に吸着させつつ、アルミニウムをキレート樹脂から除去できる。
アルミニウムを除去する際、pHを1以上2.5以下の範囲に維持することが好ましく、1.5以上2.0以下の範囲に維持することがより好ましい。
[スカンジウム溶離工程S23]
スカンジウム溶離工程S23では、スカンジウムが吸着されたキレート樹脂に0.3N以上3N以下の硫酸を接触させ、スカンジウム溶離液を得る。スカンジウム溶離液を得るに際して、溶離液に用いる硫酸の規定度を0.3N以上3N以下の範囲に維持することが好ましく、0.5N以上2N以下の範囲に維持することがより好ましい。
[クロム除去工程S24]
必須ではないが、キレート樹脂を再利用できるようにするため、スカンジウム溶離工程S23を経たキレート樹脂に3N以上の硫酸を接触させ、吸着工程S21でキレート樹脂に吸着したクロムを除去するクロム除去工程S24を行うことが好ましい。クロム除去工程S24では、スカンジウム溶離工程S23を経たキレート樹脂に3N以上の硫酸を接触させ、吸着工程S21でキレート樹脂に吸着したクロムを除去する。クロムを除去する際に、溶離液に用いる硫酸の規定度が3Nを下回ると、クロムが適切にキレート樹脂から除去されず、キレート樹脂を再利用する際に支障を生じる可能性がある。
<2−3.スカンジウム抽出工程>
次に、スカンジウム抽出工程S3では、スカンジウム溶離工程S23により得られたスカンジウム溶離液を、アミド誘導体を含むスカンジウム抽出剤による溶媒抽出に付すことにより、その抽残液中の不純物を抽出後液(水相)中に残し、スカンジウムを抽出剤(有機相)に分配することで、スカンジウムと不純物とを分離し、さらにスカンジウムを含む抽出液(有機相)と硫酸とを接触させて、スカンジウムを含有する逆抽出液(水相)を得る。
スカンジウム抽出工程S3における態様としては、特に限定されないが、スカンジウム含有溶液と有機溶媒である抽出剤とを混合して、僅かな不純物とスカンジウムを抽出した抽出有機溶媒(有機相)と、不純物を残した抽残液(水相)とに分離するスカンジウム抽出工程S33と、抽出後有機溶媒に硫酸溶液を混合して抽出後有機溶媒に抽出されたスカンジウムを水相に分離させて逆抽出液を得る逆抽出工程S34とを有することが好ましい。
[濃縮工程S31]
必須ではないが、溶離液中スカンジウム濃度が著しく低い場合は、水酸化ナトリウムによる中和、硫酸による溶解を行い、スカンジウムの濃縮を行っても良い。濃縮工程S31を経ることで、スカンジウム含有溶液を減容化することができ、結果として、スカンジウム抽出剤の使用量を抑えることができる。
[還元工程S32]
必須ではないが、スカンジウム含有溶液と、抽出剤を含む有機溶媒とを混合する前に、スカンジウム溶離液に不純物として含まれる三価鉄を二価鉄に還元する還元処理S32を行うことが好ましい。この還元処理S32を行うことで、後のスカンジウム抽出工程S33において、不純物である鉄の抽残液(水相)への選択率が高まり、結果として、回収されるスカンジウムの品位(純度)を高めることができる。
還元工程S32の態様は、特に限定されない。例えば、スカンジウム溶離液に硫化水素ガスを吹き込むことが挙げられる。
[スカンジウム抽出工程S33]
スカンジウム抽出工程S33では、スカンジウム含有溶液と、抽出剤を含む有機溶媒とを混合して、有機溶媒中にスカンジウムを選択的に抽出し、スカンジウムを含む有機溶媒(有機相)と、不純物を含有する抽残液(水相)とを得る。本実施形態に係るスカンジウムの回収方法では、このスカンジウム抽出工程S33において、アミド誘導体を含むスカンジウム抽出剤を用いた溶媒抽出を行うことを特徴としている。アミド誘導体を含むスカンジウム抽出剤を用いて溶媒抽出処理を行うことにより、スカンジウム含有溶液に含まれる種々の金属(アルミニウム、鉄等)を、不純物として分離することができる。
(アミド誘導体)
スカンジウム抽出剤を構成するアミド誘導体は、スカンジウムとの選択性が高いという特徴を有する。このようなアミド誘導体として、下記一般式(I)で表される物が挙げられる。アミドの骨格にアルキル基を導入することによって、親油性を高め、抽出剤として用いることができる。
Figure 0006623803
式中、置換基R及びRは、それぞれ同一又は別異のアルキル基を示す。アルキル基は直鎖でも分鎖でも良いが、有機溶媒への溶解性を高められるため、アルキル基は、分鎖であることが好ましい。アミドの骨格にアルキル基を導入することによって、親油性を高め、抽出剤として用いることができる。
また、R及びRにおいて、アルキル基の炭素数は特に限定されるものでないが、5以上11以下であることが好ましい。炭素数が4以下であると、アミド誘導体の水溶性が高まり、アミド誘導体が水相に含まれる可能性がある。炭素数が12以上であると、界面活性能が高まり、エマルションを形成し易くなる。また、炭素数が12以上であると、酸性溶液を含む水相、有機溶媒を含む有機相とは別に、第3のアミド誘導体層を形成し得る。
は水素原子又はアルキル基を示す。Rは水素原子、又はアミノ酸としてα炭素に結合される、アミノ基以外の任意の基を示す。
アミド誘導体は、スカンジウムを選択的に抽出できるものであれば特に限定されるものでないが、簡便に製造できる点で、グリシンアミド誘導体であることが好ましい。アミド誘導体がグリシンアミド誘導体である場合、上記のグリシンアミド誘導体は、次の方法によって合成できる。
まず、NHR(R,Rは、上記の置換基R,Rと同じ)で表される構造のアルキルアミンに2−ハロゲン化アセチルハライドを加え、求核置換反応によりアミンの水素原子を2−ハロゲン化アセチルに置換することによって、2−ハロゲン化(N,N−ジ)アルキルアセトアミドを得る。
次に、グリシン又はN−アルキルグリシン誘導体に上記2−ハロゲン化(N,N−ジ)アルキルアセトアミドを加え、求核置換反応によりグリシン又はN−アルキルグリシン誘導体の水素原子の一つを(N,N−ジ)アルキルアセトアミド基に置換する。これら2段階の反応によってグリシンアルキルアミド誘導体を合成できる。
また、グリシンをヒスチジン、リジン、アスパラギン酸に置き換えれば、ヒスチジンアミド誘導体、リジンアミド誘導体、アスパラギン酸アミド誘導体を合成できる。グリシンアルキルアミド誘導体、ヒスチジンアミド誘導体、リジンアミド誘導体、アスパラギン酸アミド誘導体による抽出挙動は、対象とするマンガンやコバルト等の錯安定定数から、グリシン誘導体を用いた結果の範囲内に収まると考えられる。
上記一般式(I)で表される化合物がヒスチジンアミド誘導体である場合、ヒスチジンアミド誘導体は下記一般式(II)で表される。
Figure 0006623803
上記一般式(I)で表される化合物がリジンアミド誘導体である場合、リジンアミド誘導体は下記一般式(III)で表される。
Figure 0006623803
上記一般式(I)で表される化合物がアスパラギン酸アミド誘導体である場合、アスパラギン酸アミド誘導体は下記一般式(IV)で表される。
Figure 0006623803
式(II)〜(IV)において、置換基R及びRは、式(I)で説明したものと同じである。
なお、アミド誘導体は、ノルマル−メチルグリシン誘導体であってもよい。
(スカンジウムの抽出)
上記アミド誘導体を用いてスカンジウムイオンを抽出するには、目的のスカンジウムイオンを含む酸性水溶液を調整しながら、この酸性水溶液を、上記アミド誘導体を含む有機溶液に加えて混合する。これによって、有機相に目的のスカンジウムイオンを選択的に抽出することができる。
抽出時においては、アミド誘導体を含むスカンジウム抽出剤を、例えば炭化水素系の有機溶媒等で希釈して使用することが好ましい。有機溶媒は、上記アミド誘導体及び金属抽出種が溶解する溶媒であればどのようなものであってもよく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン等の塩素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独でも複数混合しても良く、1−オクタノールのようなアルコール類を混合しても良い。
アミド誘導体の濃度は、スカンジウムの濃度によって適宜設定できるが、抽出時及び後述する逆抽出時における相分離性等を考慮すると、有機溶媒100体積%に対し、10体積%以上30体積%以下程度であることが好ましく、特に20体積%程度であることがより好ましい。
スカンジウム及び不純物(主に二価鉄、アルミニウム)を含有する酸性水溶液から、スカンジウムを効率的に回収するためには、スカンジウムを含む酸性水溶液のpHを2.5以下に調整しながら抽出剤の有機溶液を加えることが好ましく、pHを1.5以下に調整しながら抽出剤の有機溶液を加えることがより好ましい。pHが大きすぎると、スカンジウムだけでなく、不純物も有機相に抽出される可能性がある。
pHの下限は特に限定されないが、pHを1以上に調整しながら抽出剤の有機溶液を加えることがより好ましい。pHが小さすぎると、スカンジウムを十分に抽出できず、スカンジウムが水相に残る可能性がある。
撹拌時間及び抽出温度は、スカンジウムイオンの酸性水溶液、及び抽出剤の有機溶液の条件によって適宜設定すればよい。
[スカンジウム逆抽出工程S34]
スカンジウム逆抽出工程S34では、スカンジウム抽出工程S33にてスカンジウムを抽出した有機溶媒から、スカンジウムを逆抽出する。具体的に、スカンジウム逆抽出工程S34では、アミド誘導体を含む有機溶媒に逆抽出溶液(逆抽出始液)を添加して混合することによって、スカンジウム抽出工程S33における抽出処理とは逆の反応を生じさせてスカンジウムを逆抽出し、スカンジウムを含む逆抽出後液(水相)を得る。
逆抽出に用いる溶液としては、硫酸溶液や水等を使用することができる。また、水に可溶性の硫酸塩を添加したものを使用することもできる。具体的に、逆抽出溶液として硫酸溶液を用いる場合には、1.0mol/L以上2.0mol/L以下の濃度範囲のものを使用することが好ましい。
逆抽段数(回数)としては、不純物元素の種類、濃度にも依存することから使用したアミド誘導体からなるスカンジウム抽出剤や抽出条件等によって適宜変更することができる。例えば、有機相(O)と水相(A)の相比O/A=1とした場合、3〜5段程度の逆抽段数とすることで、有機溶媒中に抽出されたスカンジウムを分析装置の検出下限未満まで回収することができる。
このようにして抽出後の抽出剤に、硫酸溶液を添加して逆抽出処理を行い、スカンジウムを回収した後の抽出剤(有機相)は、再び、スカンジウム抽出工程S33において抽出剤として繰り返して使用することができる。
<2−4.スカンジウム回収工程>
次に、スカンジウム回収工程S4では、スカンジウム抽出工程S3で得られた逆抽出液からスカンジウムを回収する。
スカンジウム回収工程S4におけるスカンジウム回収方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。公知の方法として、逆抽出後液(水相)にアルカリを加えて中和し、水酸化スカンジウムの澱物として回収する方法や、逆抽出後液(水相)にシュウ酸を加えてシュウ酸スカンジウムの澱物として回収する方法等が挙げられる。中でも、より一層効果的に不純物を分離できる点で、逆抽出後液(水相)にシュウ酸を加えることが好ましい。
逆抽出後液(水相)にシュウ酸を加える方法では、まず、必要に応じて、逆抽出後液(水相)に含まれるスカンジウムを濃縮する。続いて、水相にシュウ酸を加えることでシュウ酸スカンジウムの沈殿物を生成させ、その後、シュウ酸スカンジウムを乾燥し、焙焼することによって酸化スカンジウムとして回収する。
[濃縮工程S41]
スカンジウム抽出工程S3で得られた逆抽出液中のスカンジウム濃度が低い場合、逆抽出後液(水相)に対し、水酸化ナトリウムによる中和、硫酸による溶解を行い、スカンジウムの濃縮を行うことが好ましい。
水酸化ナトリウムのほか、中和剤として、炭酸カルシウム、消石灰等も知られている。しかしながら、逆抽出後液(水相)は、硫酸溶液であり、中和剤がCaを含んでいると、中和剤の添加によって石膏が生成されるため、好ましくない。
中和剤を加えたときのpHは、6.0以上であることが好ましい。pHが低すぎると、中和が不十分であり、Scを十分に回収できない可能性がある。
中和剤を加えたときのpHの上限は、特に限定されないが、中和剤の使用量を抑えるという観点から、中和剤を加えたときのpHは、7.0以下であることが好ましい。
[シュウ酸スカンジウム析出工程S42]
シュウ酸スカンジウム析出工程S42は、逆抽出後液(水相)あるいは濃縮工程S41後の濃縮液に対して所定量のシュウ酸を加え、シュウ酸スカンジウムの固体として析出、沈殿させて液相から分離する工程である。
シュウ酸を加えたときのpHは、0以上1.0以下であることが好ましく、0.5以上1.0以下であることがより好ましく、0.7以上1.0以下であることがさらに好ましい。pHが低すぎると、シュウ酸スカンジウムの溶解度が高くなり、スカンジウム回収率が低下し得る。pHが高すぎると、シュウ酸スカンジウムだけでなく、逆抽出後液(水相)あるいは濃縮工程S41後の濃縮液に含まれる不純物のシュウ酸塩も沈殿し、沈殿物のスカンジウム純度が下がり得る。
湿式製錬処理工程S1及びスカンジウム溶離工程S2を経て得られたスカンジウム溶離液に対し、スカンジウム抽出工程S3を行うことなく直接スカンジウム回収工程S4を行う場合、シュウ酸を加えたときのpHを0の近傍にしないと、スカンジウム溶離液に含まれる不純物のシュウ酸塩も沈殿し、沈殿物のスカンジウム純度が下がり得る。そのため、高品位のスカンジウムを得るには、収率を犠牲にしてでも、pHを0の近傍にせざるを得ない。
本実施形態に記載の発明は、シュウ酸スカンジウム析出工程S42に供する元液が精製されているため、シュウ酸を加えたときのpHを1の近傍にしても、高品位のスカンジウムを回収できる。よって、本実施形態に記載の発明は、品位と収率を両立できるという顕著な効果を奏する。
シュウ酸の添加量としては、特に限定されないが、抽残液等に含まれるスカンジウムをシュウ酸塩として析出させるのに必要な当量の1.05倍以上3.0倍以下の量にすることが好ましく、1.5倍以上2.5倍以下の量にすることがより好ましく、1.7倍以上2.3倍以下の量にすることがさらに好ましい。添加量が少なすぎると、スカンジウムを全量回収できなくなる可能性がある。一方で、添加量が多すぎると、得られるシュウ酸スカンジウムの溶解度が増加することでスカンジウムが再溶解して回収率が低下したり、過剰なシュウ酸を分解するために次亜塩素酸ソーダのような酸化剤の使用量が増加してしまう。
[焙焼工程S43]
焙焼工程S43は、シュウ酸スカンジウム析出工程S43で得られたシュウ酸スカンジウムの沈殿物を水で洗浄し、乾燥させた後に、焙焼する工程である。この焙焼工程S43における焙焼処理を経ることで、スカンジウムを極めて高純度な酸化スカンジウムとして回収することができる。
焙焼処理の条件としては、特に限定されないが、例えば管状炉に入れて約900℃で2時間程度加熱すればよい。なお、工業的には、ロータリーキルン等の連続炉を用いることによって、乾燥と焙焼とを同じ装置で行うことができるため好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<試験例1> スカンジウム回収プロセスの構築
[実施例1]
〔湿式製錬処理工程S1〕
(浸出工程S11)
まず、ニッケル酸化鉱を特許文献1に記載の方法等の公知の方法に基づき、硫酸を用いて加圧酸浸出した。
(中和工程S12)
続いて、得られた浸出液のpHを調整して不純物を除去した。
(硫化工程S13)
その後、不純物除去後の浸出液に硫化剤を添加し、固体であるニッケル硫化物を除去して硫化後液を用意した。この硫化後液をスカンジウム含有溶液(抽出前元液)とする。なお、表1に硫化後液の組成を示す。
Figure 0006623803
なお、湿式製錬処理工程S1を経て得られた硫化後液に、水酸化ナトリウム水溶液をpHが6.8になるまで加え、水酸化澱物を生成させ、水酸化澱物に含まれるスカンジウムの品位(純度)を測定したところ、スカンジウムの品位(純度)は、0.1重量%程度にすぎなかった。
〔スカンジウム溶離工程S2〕
(吸着工程S21)
次に、得られた硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムをキレート樹脂に吸着させた。本実施例では、キレート樹脂として、イミノジ酢酸を官能基とする樹脂を用いた。
(アルミニウム除去工程S22)
次に、スカンジウムが吸着されたキレート樹脂に0.05Nの硫酸を接触させ、キレート樹脂に吸着したアルミニウムを除去した。
(スカンジウム溶離工程S23)
次に、スカンジウムが吸着されたキレート樹脂に0.5Nの硫酸を接触させ、スカンジウム溶離液を得た。
なお、湿式製錬処理工程S1及びスカンジウム溶離工程S2を経て得られたスカンジウム溶離液に、水酸化ナトリウム水溶液をpHが6.8になるまで加え、水酸化澱物を生成させ、水酸化澱物に含まれるスカンジウムの品位(純度)を測定したところ、スカンジウムの品位(純度)は、50重量%程度であった。この品位では、高純度なスカンジウムの提供が求められる場合には不適切である。
〔スカンジウム抽出工程S3〕
(濃縮工程S31)
続いて、スカンジウム溶離液に対し、加熱する等の公知の方法により濃縮処理を施して、抽出前元液を得た。なお、表2に抽出前元液の組成を示す。
Figure 0006623803
(還元工程S32)
抽出前元液に硫化水素ガスを吹き込み、不純物として含有する鉄イオンの価数を3から2に還元した。
(スカンジウム抽出工程S33)
(1)アミド誘導体D2EHAGの合成
アミド誘導体の一例として、上記一般式(I)で表されるグリシンアミド誘導体、すなわち、2つの2−エチルヘキシル基を導入したN−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノカルボニルメチル]グリシン(N−[N,N−Bis(2−ethylhexyl)aminocarbonylmethyl]glycine)(あるいはN,N−ジ(2−エチルヘキシル)アセトアミド−2−グリシン(N,N−di(2−ethylhexyl)acetamide−2−glycine)ともいい、以下「D2EHAG」という。)を合成した。
D2EHAGの合成は、次のようにして行った。まず、下記反応式(V)に示すように、市販のジ(2−エチルヘキシル)アミン23.1g(0.1mol)と、トリエチルアミン10.1g(0.1mol)とを分取し、これにクロロホルムを加えて溶解し、次いで2−クロロアセチルクロリド13.5g(0.12mol)を滴下した後、1mol/lの塩酸で1回洗浄し、その後、イオン交換水で洗浄し、クロロホルム相を分取した。
次に、無水硫酸ナトリウムを適量(約10〜20g)加え、脱水した後、ろ過し、黄色液体29.1gを得た。この黄色液体(反応生成物)の構造を、核磁気共鳴分析装置(NMR)を用いて同定したところ、上記黄色液体は、2−クロロ−N,N−ジ(2−エチルヘキシル)アセトアミド(以下「CDEHAA」という。)の構造であることが確認された。なお、CDEHAAの収率は、原料であるジ(2−エチルヘキシル)アミンに対して90%であった。
Figure 0006623803
次に、下記反応式(VI)に示すように、水酸化ナトリウム8.0g(0.2mol)にメタノールを加えて溶解し、さらにグリシン15.01g(0.2mol)を加えた溶液を撹拌しながら、上記CDEHAA12.72g(0.04mol)をゆっくりと滴下し、撹拌した。撹拌を終えた後、反応液中の溶媒を留去し、残留物にクロロホルムを加えて溶解した。この溶液に1mol/lの硫酸を添加して酸性にした後、イオン交換水で洗浄し、クロロホルム相を分取した。
このクロロホルム相に無水硫酸マグネシウム適量を加え脱水し、ろ過した。再び溶媒を減圧除去し、12.5gの黄色糊状体を得た。上記のCDEHAA量を基準とした収率は87%であった。黄色糊状体の構造をNMR及び元素分析により同定したところ、図1及び図2に示すように、D2EHAGの構造を持つことが確認された。上記の工程を経て、スカンジウム抽出剤としてのアミド誘導体D2EHAGを得た。
Figure 0006623803
(2)還元液に含まれるスカンジウムの溶媒抽出
還元工程S32を行った後の還元液50リットルを抽出始液とし、これに、D2EHAGに溶剤(丸善石油株式会社製,スワゾール1800)を加えてD2EHAGの濃度を20体積%に調整した有機溶媒100リットルを混合させて室温で60分間撹拌して溶媒抽出処理を施し、スカンジウムを含む有機溶媒(有機相)を得た。
この抽出により得られた抽出有機相(有機相)に含まれる各元素の組成を分析した。表3に、抽出有機相に含まれる各種元素の物量を、抽出前元液に含有されていた各元素の物量で割った値の百分率を算出し、それを抽出率(%)として結果を示す。
Figure 0006623803
表3に示す抽出率の結果から分かるように、スカンジウム抽出工程S33を通じて、抽出前元液(水相)に含まれていたスカンジウム(Sc)の多くが有機溶媒(有機相)に分配され、AlやFe等多くの不純物を分離することができた。
〔逆抽出工程S34〕
続いて、抽出有機相に、濃度1mol/Lの硫酸溶液を、相比O/A=1/1の比率となるように混合して60分間撹拌して逆抽出処理S34を施し、スカンジウムを水相(水相)に逆抽出した。
この逆抽出操作を3回繰り返すことによって得られた逆抽出後液に含まれる各種元素の組成を分析した。表4に、逆抽出後液に含まれる各種元素の物量を、スカンジウム抽出工程S33において有機相に抽出された各種元素の物量で割った値の百分率を算出し、それを逆抽出率(%)として結果を示す。
Figure 0006623803
表4に示す回収率の結果から分かるように、上述した溶媒抽出処理を行うことによって、抽出前元液に含まれていた不純物のほぼ100%を分離して、スカンジウム抽出工程S33の後の有機相から回収できる大部分のスカンジウムを回収することができた。
[スカンジウム回収工程S4]
〔濃縮工程S41〕
次に、得られた逆抽出液に、水酸化ナトリウム水溶液をpHが6.8になるまで加え、水酸化澱物を作製し、よく洗浄した後、硫酸で溶解することで、次工程の始液を得た。
〔シュウ酸スカンジウム析出工程S42〕
次に、得られた始液に対して、その始液に含まれるスカンジウム量に対して計算量で2倍となる量のシュウ酸二水和物(三菱ガス化学株式会社製)の結晶を溶解し、60分撹拌混合してシュウ酸スカンジウムの白色結晶性沈殿を生成させた。このときの溶液のpHは、1.0であった。
〔焙焼工程S43〕
次に、得られたシュウ酸スカンジウムの沈殿を吸引濾過し、純水を用いて洗浄し、105℃で8時間乾燥させた。続いて、乾燥させたシュウ酸スカンジウムを管状炉に入れて1100℃に維持して焙焼(焼成)させ、酸化スカンジウムを得た。
濃縮工程S41で得られた始液に含まれる各種元素の組成と、焙焼により得られた酸化スカンジウムに含まれる各種元素の組成とを発光分光分析法によって分析した。表5に、焙焼後の各種成分の物量を、シュウ酸スカンジウム析出工程S42を行う前の(すなわち、濃縮工程S41で得られた始液に含まれる)各種成分の物量で割った除去率(%)を示す。
Figure 0006623803
表5における成分欄の「Others」とは、ニッケルやマグネシウム、クロム、マンガン、カルシウム、コバルト等のニッケル酸化鉱に含有されている元素、またニッケル酸化鉱を処理するに際して添加される中和剤等に由来する元素等の様々な元素の総称であり、これら検出できた成分の分析値の合計で記している。なお、本実施例では、アルミニウムと鉄は、「Others」には含めていない。
表5に示す除去率の結果から分かるように、スカンジウム以外のアルミニウムや鉄、及びその他の不純物をほぼ完全に除去でき、酸化スカンジウム(Sc)としての純度が99.9重量%を上回る極めて高純度な酸化スカンジウムを得ることができた。
[比較例1]
湿式製錬処理工程S1及びスカンジウム溶離工程S2を経て得られたスカンジウム溶離液に、シュウ酸二水和物の添加量が始液に含まれるスカンジウム量に対して計算量で1.2倍となる量であり、シュウ酸添加後の溶液のpHが0であったこと以外は実施例1と同様の手法でスカンジウム回収工程S5を行った。そして、焙焼(焼成)した後の酸化スカンジウムに含まれるスカンジウムの品位(純度)を測定した。
その結果、アルミニウムや鉄を含む不純物成分をほぼ完全に分離でき、焙焼後の酸化スカンジウム(Sc)としての純度は99.9重量%以上を担保出来たものの、溶媒抽出処理とシュウ酸塩化処理とを組み合わせた実施例1の方法よりも実収率が低いものとなった。
なお、比較例1の場合、スカンジウム溶離液には、スカンジウムのほか、鉄やアルミニウムが含まれている。そのため、実収率を優先して、スカンジウム回収工程S4において、シュウ酸二水和物の添加量、及びシュウ酸添加後の溶液のpHを実施例1と同じ条件にすると、シュウ酸スカンジウムの沈殿物に鉄やアルミニウムも含まれてしまう。したがって、実施例1ほど高い品位(純度)を得ることができない。
<試験例2> スカンジウム抽出工程S3の最適化
[試験例2−1]還元工程S32の効果
還元工程S32の効果を検証するため、D2EHAGを用いたときのスカンジウム、二価鉄及び三価鉄の抽出挙動を調べた。
スカンジウム、二価鉄、三価鉄をそれぞれ1×10−4mol/l含み、pHを1.1〜7.9に調整した数種類の硫酸酸性溶液を用意し、元液とした。なお、二価鉄は硫酸第一鉄、三価鉄は硫酸第二鉄を用いて調製した。
0.01mol/lのD2EHAGを含む、上記の元液と同体積のノルマルドデカン溶液を、元液入りの試験管に加えて25℃恒温庫内に入れ、24時間振とうした。このとき、硫酸溶液のpHは、濃度0.1mol/lの硫酸、硫酸アンモニウム及びアンモニアを用いて一定となるように調整した。
振とう後、有機相について、1mol/lの硫酸を用いて逆抽出した。そして、逆抽出相中の上記元液に含有させた各成分の濃度を、誘導プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)を用いて測定した。この測定結果から、それぞれの含有成分の抽出率を、有機相中の物量/(有機相中の物量+水相中の物量)で定義し、求めた。結果を図2に示す。図2の横軸は、硫酸酸性溶液のpHであり、縦軸は、元液に含まれる各種成分の抽出率(単位:%)である。
図2から、二価鉄と三価鉄とでは抽出挙動が異なることが分かる。スカンジウム及び二価鉄を含有する酸性溶液については、pHを1.2以上4.5以下に調整しながらD2EHAGによる溶媒抽出処理を行うことで、スカンジウムを含有する有機相と、二価鉄を含有する水相とに分離できる。
一方、スカンジウム及び三価鉄を含有する酸性溶液については、スカンジウムを有機相に抽出可能な領域では三価鉄も有機相に抽出されるため、スカンジウム及び三価鉄を含有する酸性溶液については、D2EHAGによる溶媒抽出処理を行うことができない。
したがって、元液に含まれる鉄イオンを効率よく除去するため、D2EHAGを用いてスカンジウム抽出処理S33を行うのに先立ち、元液に含まれる三価鉄を二価鉄に還元する還元工程S32を行うことが好ましい。
[試験例2−2]スカンジウム抽出工程S33におけるスカンジウム抽出前元液(抽出始液)の至適pH
実施例1と同様の手法にて湿式製錬処理工程S1、スカンジウム溶離工程S2、不純物抽出工程S3及び還元工程S32を行った。これらの工程を経て、表6に示す組成のスカンジウム抽出前元液を得た。
Figure 0006623803
表6に示す組成のスカンジウム抽出前元液(抽出始液)に対し、D2EHAGを含む有機溶媒を用いたスカンジウム抽出工程S33を行った。実施例1と同様、有機溶剤は、丸善石油株式会社製のスワゾール1800であり、D2EHAGの濃度は20体積%である。有機量(O)と抽出始液(A)の量をO/A=2に設定し、抽出平衡pHを、表7に示す抽出条件のように選定した。
Figure 0006623803
図3は、溶媒抽出後の有機溶媒(有機相)に含まれるSc、Al及びFe(II)の抽出率(%)の結果を示すグラフ図である。なお、抽出率は、抽出有機相に含まれる各種元素の物量を、抽出前元液に含有されていた各元素の物量で割った値の百分率とした。
図3のグラフ図から分かるように、pHが1.0の場合、スカンジウムとその他の不純物とを効率的に分離することができ、その結果、抽出後有機溶媒中にスカンジウムを選択的に抽出することができることが分かった。具体的には、pHが1.0である場合、スカンジウムの抽出率が56%であるのに対し、不純物の抽出率はいずれも3%未満であった。
また、スカンジウム及び不純物(主に二価鉄、アルミニウム)を含有する酸性水溶液から、スカンジウムを効率的に回収するためには、スカンジウムを含む酸性水溶液のpHを2.5以下、より好ましくは1.5以下に調整しながら抽出剤の有機溶液を加えることが好ましいことが確認された。
[試験例2−3]スカンジウム逆抽出工程S34で使用する硫酸の至適濃度
試験例2−2−1で得られた有機相に、硫酸を混合して逆抽出工程S34を施した。表8に、逆抽出に使用した硫酸の濃度条件を示す。
Figure 0006623803
図4は、逆抽出に用いた硫酸の濃度に対するスカンジウムの逆抽出率との関係を示すグラフ図である。ここで、逆抽出率とは、有機溶媒から分離して硫酸に含まれるようになった金属の割合をいう。
図4のグラフ図から、高い収率を得るため、硫酸濃度を1mol/L以上にするのが好ましいことが確認された。
S1 湿式製錬処理工程
S2 スカンジウム溶離工程
S3 スカンジウム抽出工程
S4 スカンジウム回収工程

Claims (5)

  1. スカンジウムを含有する溶液をイオン交換樹脂に通液し、前記スカンジウムを前記イオン交換樹脂に吸着させる吸着工程と、
    前記イオン交換樹脂に硫酸溶液を通液し、前記イオン交換樹脂から前記スカンジウムを溶離し、溶離後液を得る溶離工程と、
    前記溶離工程の後、前記スカンジウムを含有する溶液を、アミド誘導体を含むスカンジウム抽出剤を用いた溶媒抽出に付し、不純物を含有する水相とスカンジウムを含有する有機相とに分離するスカンジウム抽出工程とを含み、
    さらに、
    前記スカンジウムを含有する有機相を逆抽出に付し、スカンジウム逆抽出液を得るスカンジウム逆抽出工程と、
    前記スカンジウム逆抽出工程の後、前記スカンジウムを含有する溶液に前記スカンジウムをシュウ酸スカンジウムとして析出させるのに必要な当量の1.5倍以上3.0倍以下のシュウ酸を加え、溶液のpHを0以上1.0以下としてシュウ酸スカンジウムを析出させる析出工程と、
    前記シュウ酸スカンジウムを酸化して酸化スカンジウムを得る酸化工程と、を含む、
    スカンジウム回収方法。
  2. 前記溶離工程の後、前記溶離後液を濃縮する濃縮工程をさらに含み、
    前記スカンジウム抽出工程は、前記濃縮工程の後に行われる、請求項1に記載のスカンジウム回収方法。
  3. 前記溶離後液は、不純物として三価鉄を含み、
    前記溶離工程の後、前記スカンジウムを含有する水相に含まれる前記三価鉄を二価鉄に還元する還元工程をさらに含み、
    前記スカンジウム抽出工程は、前記還元工程の後に行われる、請求項1又は2に記載のスカンジウム回収方法。
  4. 前記アミド誘導体が下記一般式(I)で表される、請求項1からのいずれかに記載のスカンジウム回収方法。
    Figure 0006623803
    (式(I)において、R1及びR2は、それぞれ同一又は別異のアルキル基を示す。アルキル基は直鎖でも分鎖でも良い。R3は水素原子又はアルキル基を示す。R4は水素原子、又はアミノ酸としてα炭素に結合される、アミノ基以外の任意の基を示す。)
  5. 前記吸着工程において前記イオン交換樹脂に通液される溶液は、ニッケル酸化鉱を高温高圧下で硫酸を用いて浸出した酸溶液である、請求項1からのいずれかに記載のスカンジウム回収方法。
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