JP3344194B2 - 酸化鉱石からの高純度レアーアースメタル酸化物の製造方法 - Google Patents

酸化鉱石からの高純度レアーアースメタル酸化物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Niを0.05〜
4.0重量%程度含有するニッケル含有酸化鉱石中の微
量に含有するレアアースメタル、特にスカンジュウム
(Sc)を酸化スカンジュウムとして高純度で製造する
方法に関するものであり、ニッケル含有酸化鉱石を酸化
性雰囲気の高温、高圧のもとで、ニッケルとスカンジュ
ウムを選択的に酸浸出した液から、まずニッケルを硫化
物として選択的に沈殿回収し、その後液からキレート樹
脂によりスカンジュウムを選択的に抽出し、沈殿剤によ
りスカンジュウム化合物の沈殿物とした後、高純度酸化
スカンジュウムを製造する方法に関するものである。
【0002】本発明は、特に鉄やアルミニュウムを多く
含むニッケル含有酸化鉱石、例えばニッケル含有ラテラ
イトからの高純度酸化スカンジュウムの製造に有用であ
り、本発明によれば、スカンジュウムを、たとえば0.
0025〜0.006重量%程度の微量に含有するニッ
ケル含有酸化鉱石から95%以上の高純度の酸化スカン
ジュウムが効率良く製造できる。
【0003】
【従来の技術】スカンジュウムの用途は、高演色ランプ
として体育館やホテルなどに使用されているメタルハラ
イドランプの封入物、固体レーザー発振源としてのレー
ザー用単結晶への添加剤、ディスプレイ用ブラウン管の
長残光オレンジ色蛍光体などに使用されている。
【0004】近年、スカンジュウムの新用途として、レ
アアース化合物を酸の一種のルイス酸として活用したル
イス酸触媒としてスカンジュウムが非常に有望で、次世
代をになう新触媒として今後おおいに発展が期待されて
いる。
【0005】スカンジュウムは地殻中に、5〜10pp
m程度含まれているが、スカンジュウム単独で工業的に
利用できる鉱石はほとんど無いに等しく、濃縮性に非常
に乏しいのが現状である。
【0006】従来のスカンジュウム回収技術としては、
スカンジュウムを微量含有する物質を酸により浸出する
が、この際大気圧のもとで浸出した後、溶媒抽出、キレ
ート及びイオン交換法等によりスカンジュウムが分離回
収されている。
【0007】この方法によれば、スカンジュウムの浸出
率を90%以上とするには、6M以上の硫酸により温度
90〜100℃で60時間以上の浸出が必要であり、ス
カンジュウム以外に多量に含有されている鉄やアルミニ
ュウムも同時に80%以上が浸出され、浸出液中の鉄や
アルミニュウム濃度はスカンジュウムに対し数百倍にも
なる為、酸消費量が非常に多くなるばかりか以後の液処
理も複雑となり、経済性の面のみならず操業上の面から
も問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ニッケルと
微量のスカンジュウム以外に鉄やアルミニュウムを多量
に含有するラテライトなどの酸化鉱石中の鉄やアルミニ
ュウムの浸出を制御し、ニッケルとスカンジュウムを優
先的に酸浸出することにより酸消費量を大幅に低減し、
ニッケルは硫化物として選択的に沈殿回収した後、この
後液からキレート抽出における目詰まりや通気性不良な
く、経済的に効率良く高純度の酸化スカンジュウムを製
造する方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者はニッケル含有
酸化鉱石中に微量ではあるが、クラーク数よりは5〜1
0倍のスカンジュウムが存在していることを発見し、こ
れらからスカンジュウムを効率良く経済的に高純度の酸
化スカンジュウムを製造する為に種々研究を重ねた結
果、酸化性雰囲気の高温、高圧下で酸浸出を行うと鉄と
アルミニュウムの浸出が制御される一方、ニッケルとス
カンジュウムのほぼ全量が選択的に効率良く浸出される
ことを見出した。
【0010】さらに、ニッケルは硫化剤の作用により容
易に硫化物として沈殿回収できるが、スカンジュウムは
硫化物として沈殿せず全量液に残ることを見出した。
【0011】さらに、この硫化後液は鉄やアルミニュウ
ムをわずかしか含有していない為、この液を使用した以
後のキレート抽出における一連のスカンジュウムの高純
度化において、目詰まりや通気性不良なくスカンジュウ
ムが優先的に効率良く抽出分離されることから、容易に
高純度酸化スカンジュウムが製造されることを見いだし
本発明に至った。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を工程ごとに詳細に説
明する。
【0013】本発明におけるスカンジュウムを微量含有
するニッケル含有酸化鉱石は、代表的にはスカンジュウ
ムが0.0025〜0.006%、ニッケルが0.05
〜4.0%以外に、鉄が15%〜50%、アルミニュウ
ムが2〜5%含まれている。例えばラテライトなどが上
げられる。
【0014】これらの物質からニッケルとスカンジュウ
ムを効率よく浸出するには、酸浸出時において鉄、アル
ミニュウムの浸出を出来るだけ制御しニッケルとスカン
ジュウムを選択的に浸出する必要がある。
【0015】鉄、アルミニュウムの浸出を制御するに
は、オートクレーブを使用し酸化性雰囲気の高温、高圧
下で酸浸出することによりなし得る。
【0016】酸浸出時の温度は150℃以上、圧力は5
kg/cm2以上が必要であり、特に220℃〜260
℃、24〜48kg/cm2の範囲が好ましい。これに
より、鉄、アルミニウムの浸出が抑制される。
【0017】酸化性雰囲気とするには、含有するFe2
3、Al23等の酸化物の作用によってもなし得る
が、オートクレーブ内に酸素あるいは空気を吹き込むこ
とで容易になし得る。
【0018】高温、高圧を維持する為には、たとえば、
オートクレーブ内に水蒸気を吹き込むことにより容易に
達成される。
【0019】また、浸出反応を促進する為には、この水
蒸気による蒸気撹拌の他にインペラーによる撹拌を併用
してもよく、1時間以内で浸出反応を終了することが可
能である。
【0020】使用される酸は硫酸、塩酸あるいは硝酸の
いずれも使用可能であるが、オートクレーブ材質を腐食
させることが少ない硫酸が最も好ましい。酸の使用量は
高温、高圧下のもとで酸浸出した後の浸出液のPHが常
温において1前後となるように調整するが、特に0.5
〜2.0のPH範囲が好ましい。
【0021】PHが0.5未満となると酸の使用量が増
加するほかに、スカンジュウム以外の鉄やアルミニュウ
ムの浸出率が増加し、一方PHが2.0超となるとスカ
ンジュウムの浸出率が低下し、収率が悪くなる。
【0022】以上の条件のもとで酸浸出することによ
り、スカンジュウムの95%以上が硫酸化物、塩化物、
硝酸化物として浸出され、鉄、アルミニュウムの浸出は
それぞれ5%以下及び10%以下に制御される。
【0023】本発明により得られた浸出液は、ニッケル
と微量のスカンジュウムの他に鉄及びアルミニュウムが
含まれている。
【0024】この浸出液をまず炭酸ナトリウム、炭酸カ
ルシュウム、炭酸アンモニュウム、水酸化ナトリュウ
ム、水酸化カルシュウム、アンモニア水、炭酸マグネシ
ュウム、水酸化マグネシュウム、酸化カルシュウム、酸
化マグネシュウム等のアルカリを使用して、PHを2〜
4の範囲、好ましくは、3〜4の範囲に調整する。
【0025】このPHの範囲に調整することにより、鉄
のほぼ全量とアルミニュウムの80%程度が水酸化物、
炭酸化物として沈殿除去される。鉄のほぼ全量が除去さ
れる理由は、高温、高圧の酸化性雰囲気での酸浸出によ
り浸出された鉄は、ほぼ全量が3価の鉄として存在する
ことによる。
【0026】また、PHを2〜4の範囲に調整すること
により、次工程でのニッケル硫化物としての沈殿回収を
効率良くおこなえる。
【0027】次に、この液に、水硫化ナトリュウム、硫
化ナトリュウム、硫化アンモニュウム、硫化水素等の硫
化剤を加え、この作用によりニッケルを硫化物として選
択的に沈殿回収する。
【0028】この時点でニッケルのほぼ98%以上が硫
化物として沈殿するが、スカンジュウムはそのまま硫化
後液中に残る。
【0029】抽出工程では、この硫化後液をキレート樹
脂と接触させることにより、スカンジュウムのほぼ全量
が吸着されるが、鉄、アルミニウム、ニッケルは3〜1
0%程度の吸着率に制御され、その他Mn、Mg、Ca
等の元素は吸着されず、全量液中に残る。
【0030】洗浄工程では、このスカンジュウム吸着キ
レート樹脂中に残存している硫化後液を全量除去する為
に、PHが0.5〜7.0の希酸により洗浄する。この
範囲のPHで実施することにより、スカンジュウムをキ
レート樹脂に吸着させたままで樹脂の洗浄が可能とな
る。
【0031】逆抽出工程では、1N以上、好ましくは3
N以上の強酸と接触させることにより、スカンジュウム
吸着キレート樹脂からスカンジュウムが溶離される。こ
のとき、スカンジュウムと共に一部吸着された鉄、アル
ミニウム、ニッケルも溶離される。
【0032】キレート樹脂による抽出から洗浄、さらに
逆抽出の一連の方法は、カラム中に充填したキレート樹
脂中に、硫化後液と希酸液と強酸液とを連続的に供給す
ることにより容易になされる。
【0033】さらに、強酸液によりスカンジュウムがキ
レート樹脂から溶離されるが、このとき強酸液の供給量
によりスカンジュウムの溶離量が経時的に変化すること
から、スカンジュウムの高濃度液だけを分取することに
より、硫化後液中のスカンジュウム濃度に比較して10
〜100倍もの濃縮倍率が可能となり、一方Fe、A
l、Ni等の不純物もスカンジュウムとほぼ同じ経時変
化を示すが、吸着率自体が低い為、調整液中のこれらの
濃度に比べて低濃度となる。
【0034】この逆抽出工程で得られたスカンジュウム
含有液を用いて、再度工程2のNi回収工程から逆抽出
工程までを繰り返し行うことにより、鉄、アルミニウ
ム、ニッケル等の不純物の少ない高濃度スカンジュウム
液が得られる。
【0035】沈殿工程では、液PHを0.5〜7.0の
範囲に調整後、しゅう酸、しゅう酸アンモニュウム、炭
酸ナトリュウム、炭酸アンモニュウム、水酸化ナトリュ
ウム、アンモニア水等の沈殿剤により高純度なスカンジ
ュウム化合物の沈殿物が得られる。
【0036】このとき、しゅう酸又はしゅう酸塩による
場合の液PHは、好ましくは1〜3の範囲に調整するこ
とにより、スカンジュウムのほぼ全量を高純度しゅう酸
スカンジュウムとして回収できる。
【0037】一方、しゅう酸又はしゅう酸塩以外の炭酸
ナトリュウム、アンモニア水等のアルカリによる場合の
液PHは、好ましくは5〜6の範囲に調整することによ
り、スカンジュウムのほぼ全量を高純度炭酸スカンジュ
ウムあるいは高純度水酸化スカンジュウムとして回収出
来る。
【0038】焼成工程では、しゅう酸スカンジュウム、
炭酸スカンジュウムあるいは水酸化スカンジュウムを4
50℃から1000℃で焼成することにより、酸化スカ
ンジュウムを製造することが出来る。
【0039】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。
【0040】
【実施例1】ニッケル酸化鉱石(Ni;1.8%、F
e;32.5%、Al;2.1%、Sc;0.003
%)を水により25%スラリーとし、98%硫酸を鉱石
1kgに対し255g加え、オートクレーブにより温度
240℃、圧力35kg/cm2で1時間浸出した後、
オートクレーブの圧力を大気圧まで下げた。
【0041】浸出後の常温での液PHは1.0であり、
Ni;6.8g/l、Fe;1.8g/l、Al;0.
3g/l、Sc;0.010g/l濃度の浸出液が得ら
れた。
【0042】この時のNiの浸出率は95%、Scは9
6%であり、Fe、Alはわずか1.5%と4%であっ
た。
【0043】この浸出液を水酸化カルシュウムによりP
Hを3.5とし、FeとAlを水酸化物として沈殿除去
した後、水硫化ナトリュウムによりNiをNiSとする
に必要な理論当量に対し1.1当量加えNiを硫化物と
して沈殿回収した。
【0044】この時FeとAlの沈殿除去率は98%と
80%であり、Niの硫化率は98%であった。又Sc
の93%が液中に残った。
【0045】この硫化後液濃度は、Ni;0.12g/
l、Fe;0.12g/l、Al;0.06g/l、S
c;0.009g/lであった。
【0046】この硫化後液を、末端H型キレート樹脂を
充填した円筒形カラムに、樹脂容量に対して20倍の液
量を通水したところ、通水良好で、Scの96%が樹脂
中に吸着し、Fe、Alはわずか8%、6%、Niは5
%であった。
【0047】引き続き、PH2.0とした希硫酸液を硫
化後液量に対し1/10倍量通水洗浄した後、5N硫酸
を硫化後液量に対し1/8倍量通水しScを樹脂から溶
離した。
【0048】この5N硫酸による溶離液のSc濃度の経
時変化を図1に示す。
【0049】5N硫酸溶離液の高濃度領域、すなわち5
N硫酸溶離液量/硫化後液量で1/25から3/50領
域を分取したところ、1/50倍量の液量でSc;0.
4g/l、Ni;0.26g/l、Fe;0.42g/
l、Al;0.16g/l濃度のSc含有溶液が得られ
た。
【0050】このSc含有溶液を再度、水酸化カルシュ
ウムによりPH2.5とした後、水硫化ナトリュウムに
よりNiを硫化物として除去した後、同様にキレート樹
脂による吸着、洗浄、溶離を行った。
【0051】これにより、Sc;4.55g/l、N
i;0.05g/l,Fe;0.1g/l、Al;0.
03g/lのSc高濃度な高純度液が得られた。
【0052】この液をアンモニア水によりPH1.5と
した後、Sc量に対し1.1当量のしゅう酸使用によ
り、98%の沈殿回収率でしゅう酸スカンジュウムが得
られた。
【0053】このしゅう酸スカンジュウムを800℃で
2時間焼成したところ、99.9%の高純度酸化スカン
ジュウムが得られた。
【0054】
【実施例2】ニッケル含有ラテライト鉱石(Ni;1.
0%、Fe;47.4%、Al;3.0%、Sc;0.
005%)を水により30%スラリーとし、98%硫酸
を鉱石1kgに対し135g加え、オートクレーブによ
り温度240℃、圧力35kg/cm2で1時間浸出し
た後、オートクレーブの圧力を大気圧まで下げた。
【0055】浸出後の常温での液PHは1.2であり、
Ni;4.7g/l、Fe;2.8g/l、Al;0.
4g/l、Sc;0.024g/l濃度の浸出液が得ら
れた。
【0056】この時のNiの浸出率は94%、Scは9
6%であり、Fe、Alはわずか1.2%と2.8%で
あった。
【0057】この浸出液を炭酸カルシュウムによりPH
を3.8とし、FeとAlを水酸化物として沈殿除去し
た後、水硫化ナトリュウムによりNiをNiSとするに
必要な理論当量に対し1.1当量加えNiを硫化物とし
て沈殿回収した。
【0058】この時FeとAlの沈殿除去率は95%と
86%であり、Niの硫化率は共に98%であった。又
Scの92%が液中に残った。
【0059】この酸化後液濃度は、Ni;0.08g/
l、Fe;0.13g/l、Al;0.05g/l、S
c;0.020g/lであった。
【0060】この硫化後液を、末端H型キレート樹脂を
充填した円筒形カラムに、樹脂容量に対して10倍の液
量を通水したところ、通水良好でScの98%が樹脂中
に吸着し、Fe、Alはわずか9%、7%、Niは4%
であった。
【0061】引き続き、PH2.0とした希硫酸液を硫
化後液量に対し1/6倍量通水洗浄した後、5N硫酸を
硫化後液量に対し1/4倍量通水しScを樹脂から溶離
した。
【0062】この5N硫酸による溶離液のSc高濃度液
領域を硫化後液量に対し1/20倍量分だけ分取したと
ころ、Sc;0.35g/l、Ni;0.06g/l、
Fe;0.21g/l、Al;0.06g/l濃度のS
c含有溶液が得られた。
【0063】このSc含有溶液を再度、炭酸カルシュウ
ムによりPH2.5とした後、水硫化ナトリュウムによ
りNiを硫化物として除去した後、同様にキレート樹脂
による吸着、洗浄、溶離を行った。
【0064】これにより、Sc;3.86g/l、N
i;0.01g/l,Fe;0.10g/l、Al;
0.03g/lのSc高濃度な高純度液が得られた。
【0065】この液をアンモニア水によりPH5.5と
しSc量の全量を水酸化物として沈殿回収した。
【0066】この水酸化スカンジュウムを700℃で3
時間焼成したところ、97%の高純度酸化スカンジュウ
ムが得られた。
【0067】
【比較例】実施例1で使用した成分のニッケル酸化鉱石
を水により15%スラリー濃度とし、98%硫酸をニッ
ケル酸化鉱石1kgに対し1300g加え、95℃の
度で60時間浸出したところ、浸出後の液PHは、0.
4であり、浸出液濃度は、Ni;2.7g/l、Fe;
42.5g/l、Al;2.2g/l、Sc;0.00
4g/lであった。
【0068】このときのSc、Ni、Fe、Alの浸出
率はそれぞれ82%、85%、75%、60%であっ
た。
【0069】この後、水酸化カルシュウムによりPHを
3.5とし、FeとAlを水酸化物として沈殿除去した
が、沈殿物がコロイド状となり、フィルタープレスによ
る固液分離においてわずか3分の通水でろ過が不能とな
った。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、多量に鉄やアルミニュ
ウムを含んでいるニッケル、スカンジュウム含有物質か
ら鉄やアルミニュウムをほとんど浸出することなく、ニ
ッケルとスカンジュウムのほぼ全量を優先的に浸出する
ことが出来る為、酸の消費量が大幅に低減され経済的効
果が非常に大きい。
【0071】さらに、ニッケルは硫化剤の使用により硫
化物として回収されるが、スカンジュウムはそのまま液
に残る為、鉄、アルミニュウム及びニッケル濃度の少な
いスカンジュウム含有溶液が得られ、この溶液を使用し
た以後のキレート抽出における一連のスカンジュウムの
高純度化において、目詰まりや通気性不良なく、スカン
ジュウムを優先的に効率良く抽出分離出来ることから、
95%以上の高純度酸化スカンジュウムが容易にしかも
効率的に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】5N硫酸による溶離液のSc濃度の経時変化を
示す説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 薬師寺 弘昌 青森県八戸市大字河原木字遠山新田(番 地なし) 大平洋金属株式会社 八戸製 造所内 (56)参考文献 特開 平9−143588(JP,A) 特開 平1−133920(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01F 17/00 C22B 59/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケル含有酸化鉱石から95%以上の
    高純度酸化スカンジュウムを製造するにあたり、 工程1−ニッケル含有酸化鉱石を酸化性雰囲気の150
    ℃以上の高温、5kg/cm 以上の高圧のもとで、酸
    性水溶液中にニッケルとスカンジュウムを選択的に浸出
    し、ニッケル、スカンジュウム含有溶液を得る浸出工程
    と、 工程2−工程1で得られたニッケル、スカンジュウム含
    有溶液をPHを2〜4の範囲に調整後、水硫化ナトリュ
    ウム、硫化ナトリュウム、硫化アンモニュウム、及び硫
    化水素からなる群から選択された1種又は2種以上の硫
    剤の使用によりニッケルを硫化物として選択的に沈殿
    回収するNi回収工程と、 工程3−工程2で得られたNi回収後液を、キレート樹
    脂と接触させ、スカンジュウム含有物を吸着したキレー
    ト樹脂を形成する抽出工程と、 工程4−工程3で得られたスカンジュウム吸着キレート
    樹脂を希酸で洗浄する洗浄工程と、 工程5−工程4で得られたスカンジュウム吸着キレート
    樹脂を強酸と接触させ、キレート樹脂からスカンジュウ
    ム含有物を溶離し、スカンジュウム含有溶液を得る逆抽
    出工程と、 工程6−工程5で得られたスカンジュウム含有溶液をP
    を0.5〜7.0の範囲に調整後、沈殿剤によりスカ
    ンジュウム化合物の沈殿物を得る沈殿工程と、 工程7−工程6で得られたスカンジュウム化合物の沈殿
    物を焼成する工程と、からなるニッケル含有酸化鉱石か
    らの高純度酸化スカンジュウムの製造法。
  2. 【請求項2】 工程1の工程を行った後、工程2から工
    程5の操作を1回又は2回以上順次繰り返し行って得ら
    れたスカンジュウム含有溶液を次の工程6に供すること
    を特徴とする請求項1記載の製造法。
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