JP3282488B2 - 高純度スカンジュウム・トリフラートの製造方法 - Google Patents

高純度スカンジュウム・トリフラートの製造方法

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JP3282488B2 JP08711796A JP8711796A JP3282488B2 JP 3282488 B2 JP3282488 B2 JP 3282488B2 JP 08711796 A JP08711796 A JP 08711796A JP 8711796 A JP8711796 A JP 8711796A JP 3282488 B2 JP3282488 B2 JP 3282488B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密有機合成に用
いられるルイス酸触媒として、特に優れた触媒活性を示
す、高純度なスカンジュウム・トリフラートを製造する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】精密有機合成化学分野に用いられるルイ
ス酸として、アルミニュウムやチタンなどの金属化合
物、例えば塩化アルミニュウムや塩化チタン等が触媒と
して使用されている。
【0003】また、ホウ素、スズ、アルミニューム及び
リチュームやナトリウムなどの金属トリフルオロメタン
スルホン酸塩、いわゆる金属トリフラートも触媒として
使用されている。
【0004】しかし、これらのルイス酸触媒を用いる反
応は、ルイス酸が反応基質より優先的に水と反応する
為、分解あるいは不活性化し、少量の水の存在により、
触媒反応の低下あるいは収率の低下をもたらす。
【0005】従って、これらの触媒を使用する際には、
まったく水の無い条件下、すなわち窒素、アルゴン、な
どの不活性ガス雰囲気下で、しかも特別に脱水精製した
有害な有機溶媒を用いて生成反応を行う必要があった。
【0006】このことから、金属トリフラートを製造す
るには、厳密な無水条件下で行う必要があり、また最終
的に、付着水および結晶水の無い、厳密な処理をこうず
る必要があった。
【0007】例えば、代表的な金属トリフラートである
スズトリフラートは、厳密な無水条件下で、あらかじめ
脱水精製した無水塩化第一スズと、同じくあらかじめ脱
水精製したトリフルオロメタンスルホン酸を混合して製
造される(T.Mukaiyama,N.Iwasaw
a,R.W.Stevens,T.Haga,Tetr
ahedron,40,1381(1984))。
【0008】また、ここで得られたスズトリフラート
は、加水分解を防ぐために付着水や結晶水を完全に取り
除くことが必要で、さらにその保存もデシケーター中な
ど、特別な設備が必要とされる。
【0009】一方、スカンジュウムトリフラートはルイ
ス酸触媒として優れた触媒活性を示し、目的とする生成
物の高収率化が可能であり、また有機溶媒中のみならず
水系においても同様に触媒機能を発揮するが、アルミニ
ュウム、鉄、スズおよびニッケル等の金属元素がスカン
ジュウムトリフラート中に存在すると、その触媒機能の
著しい低下をもたらす。
【0010】従って、これら不純物としての金属元素の
存在をできるだけ少なくする必要がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鉄、アルミ
ニュウム、ニッケル、スズ等の不純物を含有する低純度
なスカンジュウム化合物含有水溶液から、ルイス酸触媒
機能としてマイナス要因となるこれらの元素を含まな
い、高純度なスカンジュウムトリフラートを製造するこ
とにより、これまで有機溶媒中でしか行うことが出来な
かった合成反応を有機溶媒中のみならず、水系でも行う
ことができ、しかも目的とする生成物の高収率化を可能
とするルイス酸触媒としての新規な機能を有する、高純
度なスカンジュウムトリフラートの製造方法を提供する
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者の一人は、スカ
ンジュウムトリフラートが精密有機合成において、有機
溶媒中のみならず水系でも安定なルイス酸触媒として非
常に優れた機能を有し、アルドール反応、マイケル反
応、Diels―Alder反応などの優れた触媒とな
ることを発見した。
【0013】そこで、本発明者らは、ルイス酸触媒とし
ての優れた機能を有するスカンジュウムトリフラートの
合成にあたり、ルイス酸触媒機能としてマイナス要因と
なる元素を含む低純度なスカンジュウム化合物含有水溶
液から直接しかも効率良く高純度なスカンジュウムトリ
フラートを製造する方法を発明した。
【0014】本発明における低純度のスカンジュウム化
合物含有水溶液とは、不純物成分を有するスカンジュウ
ム化合物を含有する酸性、中性、又はアルカリ性の水溶
液であれば、特に限定するものではないが、代表的なも
のとしては本発明者らが先に出願した特願平7―326
281及び特願平7―326282に記載した例をあげ
ることができる。
【0015】即ち、特願平7―326281にはスカン
ジュウムの原料としてNi含有酸化鉱石を使用し、又特
願平7―326282では原料としてタングステン、ウ
ラン、錫製錬の残渣やフェロニッケル製錬スラグ、石炭
の灰分、赤泥等を使用する。
【0016】そして、これらの原料中に微量に含まれる
スカンジュウムを濃縮分離回収するために、これらの原
料を酸化性雰囲気の高温、高圧のもとで酸浸出を行い、
ニッケル、コバルトやスカンジュウムを選択的に酸浸出
した液から、ニッケル、コバルトを硫化物として選択的
に沈殿回収し、その後の液から炭酸カルシュウム、炭酸
ナトリュウム、水酸化ナトリュウム等の沈殿剤によりス
カンジュウムの濃縮沈殿物を得ることを記載している。
【0017】本発明は代表的なものとして、このように
して得られたスカンジュウムの濃縮沈殿物を硫酸、塩
酸、硝酸あるいはトリフルオロメタンスルホン酸により
溶解してスカンジュウム化合物含有水溶液として使用す
る。
【0018】しかしながら、このようなスカンジュウム
化合物含有水溶液は、スカンジュウム以外に鉄、アルミ
ニュウム、スズ、ニッケル、マンガン、マグネシュウ
ム、カルシュウム、シリコン等の単体又は化合物の不純
物を含有しているので、スカンジュウム化合物としては
まだ低純度である。
【0019】本発明はこれらの不純物を除去することに
より、高純度のスカンジュウム・トリフラートを製造す
ることを目的とする。
【0020】すなわち、本発明は下記に記載の通り、 (1)工程1―低純度のスカンジュウム化合物含有水溶
液を、PH0.5〜4.0の範囲に調整後、酸化還元電
位200mv以下とし、 工程2―前記スカンジュウム化合物含有調整液をキレー
ト樹脂と接触させ、スカンジュウムを優先的に吸着さ
せ、 工程3―前記スカンジュウム吸着キレート樹脂をPH
0.5〜7.0の希酸で洗浄し、 工程4―前記洗浄後のスカンジュウム吸着キレート樹脂
を1N以上のトリフルオロメタンスルホン酸水溶液と接
触させキレート樹脂からスカンジュウムを溶離し、スカ
ンジュウム・トリフラート水溶液を得ることからなる高
純度スカンジュウム・トリフラートの製造方法、 (2)前記工程4で得られたスカンジュウム・トリフラ
ート水溶液に含まれている余剰水を蒸発除去し、固体状
のスカンジュウム・トリフラートを得ることからなる
(1)記載の高純度スカンジュウム・トリフラートの製
造方法、 (3)前記(2)で得られた固体状のスカンジュウム・
トリフラートを、更に高温、減圧下で乾燥した後、不活
性ガスにより密閉することを特徴とする(1)または
(2)記載の高純度スカンジュウム・トリフラートの製
造法、 (4)工程3で得られたスカンジュウム吸着キレート樹
脂を1N以上の強酸と接触させキレート樹脂からスカン
ジュウムを溶離してスカンジュウム含有酸性水溶液と
し、これを工程1のスカンジュウム化合物含有水溶液の
代わりに用いて、前記工程1から前記工程3までの操作
を1回又は2回以上順次繰り返した後、前記工程4に供
することを特徴とする(1)又は(2)又は(3)に記
載の高純度スカンジュウム・トリフラートの製造方法、
である。
【0021】以下本発明を工程ごとに詳細に説明する。
【0022】スカンジュウム以外に鉄、アルミニュウ
ム、スズ、ニッケル、マンガン、マグネシュウム、カル
シュウム、シリコン等を不純物として含有する低純度の
スカンジュウム化合物含有水溶液を、PH0.5〜4.
0の範囲に、好ましくは、1.0〜2.5に調整する。
【0023】PHが0.5未満では、次工程でのキレー
ト樹脂によるスカンジュウムの吸着率が低下し、4.0
超では、スカンジュウム以外の不純物の吸着率が高くな
る為である。
【0024】その後、ヒドラジン、水硫化ナトリュウ
ム、硫化ナトリュウム、硫化アンモニュウム、硫化水素
ガス、亜硫酸ガス等の還元剤を加え酸化還元電位が20
0mv以下となるように調整し還元液とする。
【0025】酸化還元電位を200mv以下とすること
により、溶液中の鉄を全量2価とすることが出来る。鉄
を2価とすることにより、次工程でのキレート樹脂によ
る鉄の吸着を極力抑えることが出来る。
【0026】酸化還元電位の下限値は−100mvで十
分であり、それ以下としてもその効果にはほとんど影響
をあたえない。
【0027】このように調整された液をキレート樹脂と
接触させることにより、スカンジュウムのほぼ全量が吸
着されるが、鉄、アルミニュウム、ニッケルは3〜10
%程度の吸着率に制御され、スズ、シリコン、マンガ
ン、マグネシュウム、カルシュウムはほとんど吸着され
ず、全量液中に残る。
【0028】次に、このスカンジュウム吸着キレート樹
脂中に残存している調整液を全量除去する為に、PHが
0.5〜7.0の希酸により洗浄する。
【0029】この範囲のPHで実施することにより、ス
カンジュウムをキレート樹脂に吸着させたままで樹脂の
洗浄が可能となる。
【0030】続いて、洗浄後のスカンジュウム吸着キレ
ート樹脂に、1N以上、好ましくは2N〜5Nのトリフ
ルオロメタンスルホン酸水溶液と接触させることによ
り、スカンジュウム吸着キレート樹脂からスカンジュウ
ムの全量が溶離され、スカンジュウムトリフラート水溶
液が得られる。
【0031】1N未満のトリフルオロメタンスルホン酸
液では、樹脂からのスカンジュウムの溶離が不十分とな
り、樹脂中に残る。5N超でも別に問題ないが、トリフ
ルオロメタンスルホン酸は高価な為、経済的に問題があ
る。
【0032】このとき、スカンジュウムと共に一部吸着
された鉄、アルミニュウム、ニッケルも溶離される。
【0033】キレート樹脂によるスカンジュウムの吸着
から洗浄さらに溶離の一連の方法は、カラム中に充填し
たキレート樹脂中に、調整液と洗浄液とトリフルオロメ
タンスルホン酸水溶液とを連続的に供給することにより
容易に行うことができる。
【0034】トリフルオロメタンスルホン酸水溶液によ
りスカンジュウムがキレート樹脂から溶離されるが、こ
のときこの水溶液の供給量によりスカンジュウムの溶離
量が経時的に変化することから、スカンジュウムの高濃
度液だけを分取することにより、調整液中のスカンジュ
ウム濃度に比較して数倍〜数十倍もの濃縮倍率が可能と
なり、一方鉄、アルミニュウム等の不純物が少ない高濃
度なスカンジュウムトリフラート水溶液が得られる。
【0035】さらに、高純度なスカンジュウムトリフラ
ート水溶液を得ようとするならば、スカンジュウムの溶
離工程において、1N以上、好ましくは2N〜5Nの強
酸と接触させて得られたスカンジュウム含有液を、再
度、液調整工程から洗浄工程までを繰り返し行い、トリ
フルオロメタンスルホン酸水溶液によりキレート樹脂か
らスカンジュウムを溶離することにより、高純度スカン
ジュウムトリフラート水溶液が得られる。
【0036】このようにして得られた高純度なスカンジ
ュウムトリフラート水溶液は、相当量の余剰水を含んで
いる為、この余剰水を除去する。
【0037】除去方法としては、水溶液を沸点温度で蒸
発することにより行え得るが、1〜300トール程度の
真空蒸発を行うことにより、60℃程度の低温度で余剰
水の蒸発除去が行われ、スカンジュウムトリフラートの
固形物が容易に得られる。
【0038】スカンジュウムトリフラート固形物は、こ
の時点では、多少の付着水と余剰なトリフルオロメタン
スルホン酸が残存している為、必要に応じて、さらに高
温で真空乾燥により、これらを除去する。
【0039】この時の温度は160℃〜350℃の範囲
で行うのが好ましい。160℃未満では、トリフルオロ
メタンスルホン酸の除去が不十分となり、また350℃
超ではスカンジュウムトリフラートが熱分解し、触媒と
しての機能が低下する。
【0040】真空度は10-1トール程度でおこなうこと
によりなしえる。
【0041】このようにして得られたスカンジュウムト
リフラート固形物は、大気雰囲気で容易に水分を吸着す
る為、有機溶媒中で使用する場合、アルゴンガス、窒素
ガス等の不活性ガスにより密封保存することにより、優
れた触媒活性を損なわず使用することが出来る。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
する。
【0043】
【実施例1】Ni含有酸化鉱石と錫製錬残渣の混合原料
を高温、高圧のもとで硫酸浸出を行ない、Ni、Scを
選択的に酸浸出した液から、Niを硫化物として選択的
に沈殿回収し、その後液から水酸化ナトリウムにより沈
殿生成したスカンジュウム濃縮沈殿物である水酸化スカ
ンジュウム化合物を使用した。
【0044】すなわち、Sc:23.8%、Fe:5.
20%、Al:3.28%、Sn:0.32%、Mn:
0.47%、Ni:0.12%、Mg:1.50%、C
a:0.57%、Si:0.32%の成分を有する水酸
化スカンジュウム化合物20gに水1リットル加え、温
度60℃にて、PHが1.0となるように35%塩酸を
加え1時間かけて溶解後ろ過し、Sc:4.5g/l、
Fe:0.98g/l、Al:0.60g/l、Sn:
0.01g/l、Mn:0.10g/l、Ni:0.0
2g/l、Mg:0.28g/l、Ca:0.10g/
l、Si:0.04g/l濃度の溶解液を得た。この時
の水酸スカンジュウム化合物のSc溶解率は98%であ
った。
【0045】この溶解液に、アンモニア水を加えPH
1.8とした後、ヒドラジンにより酸化還元電位を10
0mvとし、溶解液中のFeを全量Fe2+とした。
【0046】この調整液を、末端H型キレート樹脂を充
填した円筒形カラムに、樹脂容量に対し5倍量の液量を
通水したところ、Scの96%が樹脂中に吸着し、F
e、Al、Niは供にわずか3%が吸着されただけで、
Sn、Mn、Mg、Ca、Siは吸着されなかった。
【0047】引き続き、PH:2.0とした希塩酸液を
調整液量に対し1/3倍量通水洗浄した後、2Nのトリ
フルオロメタンスルホン酸水溶液を調整液量に対し1/
2倍量通水しScを樹脂から溶離した。
【0048】この2Nのトリフルオロメタンスルホン酸
水溶液による溶離液のSc高濃度液領域を調整液量に対
し1/4倍量分だけ分取したところ、Sc:15.9g
/l、Fe:0.026g/l、Al:0.015g/
l、Ni:0.001g/lの高濃度でしかも高純度な
スカンジュウムトリフラート水溶液が得られた。
【0049】この水溶液を、エバポレーターの使用によ
り、温度60℃、真空度100トールにて余剰水の低温
真空蒸発を行ったところ、1時間程度で白色固形物が得
られた。
【0050】さらに、温度200℃、真空度10-1トー
ルにて24時間高温真空乾燥を行い、スカンジュウムト
リフラートの白色粉末を得た後、アルゴンガスにて密封
した。
【0051】スカンジュウムトリフラートとしての純度
98.5%からなる高純度なスカンジュウムトリフラー
トが得られた。
【0052】
【実施例2】錫製錬残渣を高温、高圧のもとで硫酸浸出
を行ない、Scを選択的に酸浸出した液から、炭酸カル
シウムにより沈殿生成したスカンジュウム濃縮沈殿物で
ある炭酸スカンジュウム化合物を使用した。
【0053】すなわち、Sc:8.38%、Fe:1.
12%、Al:0.67%、Sn:0.53%、Mn:
0.32%、Ni:0.15%、Mg:2.36%、C
a:16.23%、Si:0.15%の成分を有する炭
酸スカンジュウム化合物50gに水1リットル加え、温
度60℃にて、PHが1.0となるように98%濃硫酸
を加え1時間かけて溶解後ろ過し、Sc:4.0g/
l、Fe:0.53g/l、Al:0.31g/l、S
n:0.25g/l、Mn:0.16g/l、Ni:
0.07g/l、Mg:1.08g/l、Ca:0.3
5g/l、Si:0.11g/l濃度の溶解液を得た。
この時の炭酸スカンジュウム化合物のSc溶解率は97
%であった。
【0054】この溶解液に、アンモニア水を加えPH
1.8とした後、水硫化ナトリュウムにより酸化還元電
位を50mvとし、溶解液中のFeを全量Fe2+とし
た。
【0055】この調整液を、末端H型キレート樹脂を充
填した円筒形カラムに、樹脂容量に対し5倍量の液量を
通水したところ、Scの94%が樹脂中に吸着し、F
e、Al、Niは供にわずか5%程度が吸着されただけ
で、Sn、Mn、Mg、Ca、Siは吸着されなかっ
た。
【0056】引き続き、PH:2.0とした希塩酸液を
調整液量に対し1/3倍量通水洗浄した後、3Nの硫酸
液を調整液量に対し1/2倍量通水しScを樹脂から溶
離した。
【0057】このSc溶離液のSc高濃度液領域を調整
液量に対し1/2倍量分だけ分取したところ、Sc:
7.4g/l、Fe:0.044g/l、Al:0.0
25g/l、Ni:0.006g/lの高濃度なスカン
ジュウム硫酸溶液が得られた。
【0058】この高濃度スカンジュウム硫酸液をPHと
酸化還元電位調整後、キレート樹脂による吸着、洗浄操
作を実施後、2Nトリフルオロメタンスルホン酸により
Scを溶離し、Sc:13.2g/l、Fe:0.00
2g/l、Al:0.001g/l、Ni:0.001
g/lの高濃度で高純度なスカンジュウムトリフラート
水溶液が得られた。
【0059】この水溶液を、エバポレーターの使用によ
り、温度60℃、真空度100トールにて余剰水の低温
真空蒸発を行ったところ、1時間程度で白色固形物が得
られた。
【0060】さらに、温度200℃、真空度10-1トー
ルにて24時間高温真空乾燥を行い、スカンジュウムト
リフラートの白色粉末を得た後、アルゴンガスにて密封
した。
【0061】スカンジュウムトリフラートとしての純度
99.2%からなる高純度なスカンジュウムトリフラー
トが得られた。
【0062】
【比較例1】実施例1の成分を有する水酸化スカンジュ
ウム化合物をキレート樹脂によるスカンジュウムの吸
着、溶離操作を行なわないで直接トリフルオロメタンス
ルホン酸水溶液で、温度60℃にて溶解し、PH:2.
0のスカンジュウムトリフラート水溶液を得た。
【0063】この時の溶解率は96%であり、液濃度は
Sc:21.0g/l、Fe:4.60g/l、Al:
2.95g/l、Sn:0.28g/l、Mn:0.4
2g/l、Ni:0.11g/l、Mg:1.35g/
l、Ca:0.28g/l、Si:0.21g/lであ
った。この水溶液を、エバポレーターの使用により、温
度60℃、真空度100トールにて余剰水の低温真空蒸
発を行ったところ、1時間程度で灰色の固形物が得られ
た。さらに、温度200℃、真空度10-1トールにて2
4時間高温真空乾燥を行い、スカンジュウムトリフラー
トの灰色の粉末を得た後、アルゴンガスにて密封した。
【0064】このスカンジュウムトリフラートとしての
純度は63.3%であった。
【0065】
【触媒機能比較】以下に実施例1、2で得られた高純度
スカンジュウムトリフラートと比較例で得られたスカン
ジュウムトリフラート及び代表的な金属トリフラートで
ある高純度スズトリフラートの触媒機能比較の一例を示
す。 (アルドール反応)反応物に対し10モル%の触媒の存
在下、水―THF(1:4)中で、ベンズアルデヒドに
シクロヘキサン由来のシリルエノールエーテルを、常温
で5時間反応させて、対応するアルドール体(1)を得
る。
【0066】
【化1】
【0067】
【表1】
【0068】(フリース転移反応)反応物に対し10モ
ル%の触媒の存在下、トルエン中ナフチルアセテートを
100℃で5時間反応させて、対応する付加体(2)を
得る。
【0069】
【化2】
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】本発明の製法で得られたスカンジュウム
・トリフラートは98%以上の高純度であり、有機合成
反応に用いて、生成物を高収率で得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 45/54 C07C 45/54 49/747 49/747 B 49/83 49/83 Z (72)発明者 薬師寺 弘昌 青森県八戸市大字河原木字遠山新田(番 地なし) 大平洋金属株式会社 八戸製 造所内 (72)発明者 小林 修 東京都千代田区猿楽町1―6―6―702 (56)参考文献 特開 平6−135884(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 5/00 - 5/06 B01J 27/12 C07B 61/00 300 C07C 45/45 - 45/48 C07C 45/54 C07C 49/747 C07C 49/83 C07C 309/06 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工程1―低純度のスカンジュウム化合物
    含有水溶液を、PH0.5〜4.0の範囲に調整後、酸
    化還元電位200mv以下とし、 工程2―前記スカンジュウム化合物含有調整液をキレー
    ト樹脂と接触させ、スカンジュウムを優先的に吸着さ
    せ、 工程3―前記スカンジュウム吸着キレート樹脂をPH
    0.5〜7.0の希酸で洗浄し、 工程4―前記洗浄後のスカンジュウム吸着キレート樹脂
    を1N以上のトリフルオロメタンスルホン酸水溶液と接
    触させキレート樹脂からスカンジュウムを溶離し、スカ
    ンジュウム・トリフラート水溶液を得ることからなる高
    純度スカンジュウム・トリフラートの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記工程4で得られたスカンジュウム・
    トリフラート水溶液に含まれている余剰水を蒸発除去
    し、固体状のスカンジュウム・トリフラートを得ること
    からなる請求項1記載の高純度スカンジュウム・トリフ
    ラートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項2で得られた固体状のスカン
    ジュウム・トリフラートを、更に高温、減圧下で乾燥し
    た後、不活性ガスにより密閉することを特徴とする請求
    項1または2記載の高純度スカンジュウム・トリフラー
    トの製造法。
  4. 【請求項4】 工程3で得られたスカンジュウム吸着キ
    レート樹脂を1N以上の強酸と接触させキレート樹脂か
    らスカンジュウムを溶離してスカンジュウム含有酸性水
    溶液とし、これを工程1のスカンジュウム化合物含有水
    溶液の代わりに用いて、前記工程1から前記工程3まで
    の操作を1回又は2回以上順次繰り返した後、前記工程
    4に供することを特徴とする請求項1又は2又は3に記
    載の高純度スカンジュウム・トリフラートの製造方法。
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