JP6090394B2 - 酸化スカンジウムの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、酸化スカンジウムの製造方法に関し、より詳しくは、不純物として硫黄成分を含有するシュウ酸スカンジウムから、硫黄の含有を抑制した酸化スカンジウムを製造することができる酸化スカンジウムの製造方法に関する。
スカンジウムは、高強度合金の添加剤や燃料電池の電極材料として極めて有用である。しかしながら、生産量が少なく、高価であるため、広く用いられるには至っていない。
ところで、ラテライト鉱やリモナイト鉱等のニッケル酸化鉱には、微量のスカンジウムが含まれている。しかしながら、ニッケル酸化鉱はニッケル含有品位が低いため、長らくニッケル酸化鉱をニッケル原料として工業的に利用されてこなかった。そのため、ニッケル酸化鉱からスカンジウムを工業的に回収することもほとんど研究されていなかった。
しかしながら、近年、ニッケル酸化鉱を硫酸と共に加圧容器に装入し、240℃〜260℃程度の高温に加熱してニッケルを含有する浸出液と浸出残渣とに固液分離するHPALプロセスが実用化されている。このHPALプロセスでは、得られた浸出液に対して中和剤を添加することで不純物が分離され、次いで硫化剤を添加することでニッケルをニッケル硫化物として回収することができる。そして、得られたニッケル硫化物を既存のニッケル製錬工程で処理することで電気ニッケルやニッケル塩化合物を得ることができる。
上述したようなHPALプロセスを用いる場合、ニッケル酸化鉱に含まれるスカンジウムは、ニッケルと共に浸出液に含まれることになる(特許文献1参照)。そして、HPALプロセスで得られた浸出液に対して中和剤を添加して不純物を分離し、次いで硫化剤を添加すると、ニッケルはニッケル硫化物として回収される一方で、スカンジウムは硫化剤添加後の酸性溶液(硫化後液)に含まれるようになるため、HPALプロセスを使用することによってニッケルとスカンジウムとを効果的に分離することができる。
上述した酸性溶液からスカンジウムを回収する方法としては、キレート樹脂にスカンジウムを吸着させて不純物と分離し、濃縮することによって回収する方法が提案されている(特許文献2参照)。
一方で、ニッケル酸化鉱の湿式製錬処理により得られた酸性溶液から溶媒抽出処理によってスカンジウムを回収する方法も提案されている(特許文献3参照)。この特許文献3に記載の方法では、先ず、スカンジウムの他に、少なくとも鉄、アルミニウム、カルシウム、イットリウム、マンガン、クロム、マグネシウムの1種以上を含有する水相の含スカンジウム溶液に、2−エチルヘキシルスルホン酸−モノ−2−エチルヘキシルをケロシンで希釈した有機溶媒を加えて、スカンジウム成分を有機溶媒中に抽出する。次いで、有機溶媒中にスカンジウムと共に抽出されたイットリウム、鉄、マンガン、クロム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムを分離するために、塩酸水溶液を加えてスクラビングを行うことによってそれらを除去した後、有機溶媒中にNaOH水溶液を加えて、有機溶媒中に残存するスカンジウムをSc(OH)3を含むスラリーとし、これを濾過して得られたSc(OH)3を塩酸で溶解して、塩化スカンジウム水溶液を得る。そして、得られた塩化スカンジウム水溶液にシュウ酸を加えてシュウ酸スカンジウム沈殿とし、その沈殿を濾過して、鉄、マンガン、クロム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムを濾液中に分離した後、大気雰囲気中で仮焼し、シュウ酸スカンジウムを加熱酸化することにより酸化スカンジウムを得るというものである。
しかしながら、このような溶媒抽出を用いた精製プロセスを、硫化後液からスカンジウムを回収することに適用した場合、工業的な経済性の点で不利となる。その理由は、ニッケル酸化鉱石中に含有されるスカンジウムはごく微量であり、ニッケルを抽出するのに必要な硫酸添加量から決定されるスラリー濃度では、スラリー中のスカンジウム濃度は数〜数十mg/l程度に留まる一方で、取り扱う液量は膨大なものになるからである。
即ち、このような酸性溶液に対して溶媒抽出をそのまま適用すると、抽出対象とする溶液すなわち水相への抽出剤の溶出に伴うロスが無視できず、補充のためのコストや排水のCOD等有機成分の除去に要する手間とコストがかかる。また、膨大な液量を扱うことによる装置規模の拡大等設備投資もかさむものとなる。さらに、ニッケル酸化鉱の中には、例えば、鉄、カルシウム、アルミニウム等を多く含むものが存在するが、このような金属は、溶媒抽出に用いる抽出剤とクラッドを形成しやすいため、操業の安定性に悪影響を及ぼすおそれがある。
そこで、上述のイオン交換と溶媒抽出の長所を組み合わせ、不純物を分離する方法がある(特許文献4参照)。この方法は、具体的には、硫化後液に含まれるスカンジウムをキレート樹脂に吸着させ得られた溶離液を、溶媒抽出する方法である。このような方法を用いることで、ニッケル酸化鉱から高品位のスカンジウムを効率よく回収できる。しかしながら、酸化スカンジウム中の硫黄品位が数十ppmから100ppm程度までには低減できないため、更に高品位のスカンジウムを得るには、なお改良の余地がある。
ところで、スカンジウムに含まれる硫黄は、原料であるニッケル酸化鉱石を浸出するために用いる硫酸や、溶液の中和に用いる消石灰等に含まれる硫酸根に由来すると考えられる。つまり、シュウ酸スカンジウムに残留した石膏(CaSO4・2H2O)が、酸化スカンジウムに焙焼された際に分離されず、この結果、酸化スカンジウム中の硫黄品位が増加する。石膏は安定した形態であり、しかも酸化スカンジウム結晶内部に生成した場合は、外面から洗浄することだけで完全に除去するのは困難である。
スカンジウムの用途によっては、硫黄の存在はそれほど問題とはならないとされるが、例えば燃料電池の電解質等の用途に際しては、硫黄を厳しく抑制するスペックもあり、このような満足する性能を得ることはできなかった。
このように、従来の方法を用いては、不純物特に硫黄の品位の低い高純度の酸化スカンジウムを得ることは容易でなかった。
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、含硫黄化合物を不純物として含有するシュウ酸スカンジウムから酸化スカンジウムを得るにあたり、硫黄成分の含有を抑制した酸化スカンジウムを製造することができる酸化スカンジウムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、含硫黄化合物を不純物として含むシュウ酸スカンジウムに対して、炭素源が存在する雰囲気下で加熱処理を施すことによって、シュウ酸スカンジウムに含まれる含硫黄化合物が除去されて、硫黄の含有を抑制した酸化スカンジウムを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明では以下のようなものを提供する。
(1)本発明は、含硫黄化合物を不純物として含有するシュウ酸スカンジウムを、酸素含有雰囲気中、炭素源を共存させた状態で加熱する、酸化スカンジウムの製造方法である。
(2)また、本発明は、前記加熱に際しての酸素の存在量は、前記炭素源に含まれる全ての炭素原子を二酸化炭素に酸化するために必要な量未満である、(1)に記載の酸化スカンジウムの製造方法である。
(3)また、本発明は、前記シュウ酸スカンジウムは、スカンジウムを含有する硫酸酸性溶液にシュウ酸を添加することで得られた沈殿物である、(1)又は(2)に記載の酸化スカンジウムの製造方法である。
(4)また、本発明は、前記硫酸酸性溶液は、ニッケル酸化鉱石を硫酸で浸出して得られた浸出液に中和剤を添加して得られた溶液である、(3)に記載の酸化スカンジウムの製造方法である。
本発明によれば、含硫黄化合物を不純物として含むシュウ酸スカンジウムを、炭素源が存在する雰囲気下で加熱することにより、得られる酸化スカンジウム中への硫黄の含有を抑制することができ、より一層に高純度な酸化スカンジウムを製造することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
≪1.酸化スカンジウムの製造方法≫
本実施の形態に係る酸化スカンジウムの製造方法は、含硫黄化合物を不純物として含有するシュウ酸スカンジウムを加熱(焙焼)することによって酸化スカンジウムとするものであり、その加熱を、酸素含有雰囲気中、炭素源が存在する状態で行うことを特徴としている。
本実施の形態に係る酸化スカンジウムの製造方法は、含硫黄化合物を不純物として含有するシュウ酸スカンジウムを加熱(焙焼)することによって酸化スカンジウムとするものであり、その加熱を、酸素含有雰囲気中、炭素源が存在する状態で行うことを特徴としている。
上述のように、含硫黄化合物を不純物として含有するシュウ酸スカンジウムを、炭素源が共存する状態で加熱することで、以下(1)〜(3)式に表される反応が生じる。なお、ここでは、シュウ酸スカンジウムに含まれる不純物としての含硫黄化合物が硫酸カルシウムであり、炭素源が炭素である場合を一例として示す。
Sc2(C2O4)3・2H2O
→Sc2O3+3CO2+3CO+2H2O …(1)
2C+3/2O2→CO+CO2 …(2)
CaSO4+CO→CaO+SO2+CO2 …(3)
Sc2(C2O4)3・2H2O
→Sc2O3+3CO2+3CO+2H2O …(1)
2C+3/2O2→CO+CO2 …(2)
CaSO4+CO→CaO+SO2+CO2 …(3)
具体的には、上記(1)式に示すように、シュウ酸スカンジウムを加熱することにより、酸化スカンジウムと一酸化炭素と二酸化炭素とに分解される。一方、上記(2)式に示すように、シュウ酸スカンジウムと共存させた炭素が、一酸化炭素と二酸化炭素に酸化される。特に、高温での加熱(焙焼)においては、COの生成がCO2の生成に比べ支配的となる「ブードア平衡」状態になると考えられる。次いで、上記(3)式に示すように、(1)式及び(2)式に示す反応によって生成した一酸化炭素が、シュウ酸スカンジウム中に不純物として含有した硫酸カルシウムと反応し、酸化カルシウムと二酸化硫黄とが生成する。このような反応により、シュウ酸スカンジウム中の除去すべき硫黄元素が、加熱条件下で気体である二酸化硫黄となって除去される。
一方、従来の酸化スカンジウムの製造方法においては、シュウ酸スカンジウムに対して、炭素源を添加せずに、酸素が存在する雰囲気下で焙焼処理を施してきた。具体的に、従来の方法においては、以下(4)式に示される反応が生じていたと考えられる。
Sc2(C2O4)3・2H2O+3/2O2
→Sc2O3+6CO2+2H2O…(4)
Sc2(C2O4)3・2H2O+3/2O2
→Sc2O3+6CO2+2H2O…(4)
このように、従来の焙焼処理においては、一酸化炭素が生じないため、系中に硫酸カルシウム等の含硫黄化合物が不純物として存在していても、この硫酸カルシウムが焙焼の反応に関与することはなく、生成した酸化スカンジウム中に不純物としてそのまま硫黄が残留することになっていた。
これに対して、本実施の形態に係る製造方法では、上記(1)式に示される反応によってシュウ酸スカンジウムが分解し生成する一酸化炭素のみならず、上記(2)式に示される反応によって炭素が酸化して生成する一酸化炭素によって、上記(3)式に示される反応が十分に進行するような量の一酸化炭素を供給される。そして、その結果、それら一酸化炭素によって、シュウ酸スカンジウム中に含まれる硫黄成分を除去することができるようになる。このことにより、上述した(3)式に表される反応を経て生じる酸化スカンジウムに硫黄が残留することを抑制し、硫黄の含有を抑制した酸化スカンジウムを製造することができる。
<炭素源>
炭素源としては、炭素を含有し、燃焼により一酸化炭素を生成するものであれば特に制限されない。具体的に、炭素源としては、カーボン、竹、石炭、コークス、砂糖等を用いることができる。
炭素源としては、炭素を含有し、燃焼により一酸化炭素を生成するものであれば特に制限されない。具体的に、炭素源としては、カーボン、竹、石炭、コークス、砂糖等を用いることができる。
また、炭素源としては、炭素以外の不純物元素の含有量が少ないものが好ましく、その中でも、炭素品位が高く廃坩堝を再利用できる等の利点を有することから、高純度カーボンを用いることが好ましい。
<加熱処理>
加熱処理は、特に限定されないが、例えば、管状炉又は雰囲気炉等の各種加熱炉を用いて行うことができる。
加熱処理は、特に限定されないが、例えば、管状炉又は雰囲気炉等の各種加熱炉を用いて行うことができる。
加熱処理の雰囲気としては、酸素が存在する雰囲気であれば、特に制限されない。経済性の観点からすると、加熱炉内に酸素含有ガスであるエアー(空気)を吹き込んで空気雰囲気とすることが好ましい。
加熱処理に際しての雰囲気中の酸素量としては、特に制限されるものではないが、炭素の過剰な酸化を抑制し、「ブードア平衡」状態を維持して、(3)式に表される反応に関与する一酸化炭素を優先的に生成させる観点から、炭素源に含まれる全ての炭素原子を二酸化炭素に酸化するために必要な量未満となるように調整することが好ましい。
なお、上述のような酸素量の調整において、炭素源の使用量に対し酸化スカンジウムの使用量が十分に多い場合や、多くの酸素原子を含む炭素源を用いる場合等には、酸化スカンジウムに含まれる酸素原子及び炭素原子や、炭素源に含まれる酸素原子等、系全体に含まれる酸素原子と炭素原子の量を考慮し、酸素量を調整してもよい。
上述のような酸素含有ガス雰囲気下で加熱処理を行う場合、その酸素含有ガスを、加熱炉内で流動させても、流動させなくてもよい。例えば、酸素含有ガスを加熱炉内で流動させる場合、酸素含有ガスの流量としては、特に限定されないが、0.5L/min以上であることが好ましく、0.8L/min以上であることがより好ましく、1L/min以上であることがさらに好ましい。このような流量で酸素含有ガスを流すことにより、効率的に(2)式に表される反応を進行させることができる。一方、酸素含有ガスの流量は、2L/min以下であることが好ましく、1.5L/min以下であることがより好ましい。酸素含有ガスの流量が多すぎると、それに見合った効果が得られないだけでなく、流した酸素含有ガスの消費量の増加に伴ってコストが増加する。
加熱温度としては、特に限定されないが、上記(1)式に表されるシュウ酸スカンジウムの分解反応を促進し、上記(2)式に表される反応に必要な一酸化炭素を短時間で生成させるために、900℃以上が好ましく、1000℃以上がより好ましく、1100℃以上がさらに好ましい。一方で、加熱温度の上限値としては、1300℃以下が好ましく、1200℃以下がより好ましい。加熱温度が高すぎると、昇温のためのコストが増加し、効率的な処理を行うことができなくなる。なお、本明細書において、「加熱温度」とは最終的な保持温度をいう。
加熱時間(保持時間)としては、特に限定されず処理量等に応じて適宜調整すればよいが、上記(2)式に表される反応を十分に進行させて硫黄成分を除去するために、0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましい。一方で、加熱時間の上限値としては、加熱時間の増加に伴うコストの増加を防ぐために、6時間以下が好ましく、3時間以下がより好ましい。なお、本明細書において、「加熱時間」とは、上述の加熱温度の保持時間をいう。
なお、加熱処理での昇温時間、昇温速度については、特に限定されるものではなく、装置や設備等に応じて適宜設定することができる。
≪2.シュウ酸スカンジウムの製造方法≫
次に、本実施の形態の酸化スカンジウムの製造方法の原料となるシュウ酸スカンジウムの製造方法の一例について説明する。図1は、原料となるシュウ酸スカンジウム、すなわち、含硫黄化合物を不純物として含むシュウ酸スカンジウムの製造方法の一例を説明するためのフロー図である。
次に、本実施の形態の酸化スカンジウムの製造方法の原料となるシュウ酸スカンジウムの製造方法の一例について説明する。図1は、原料となるシュウ酸スカンジウム、すなわち、含硫黄化合物を不純物として含むシュウ酸スカンジウムの製造方法の一例を説明するためのフロー図である。
図2に一例を示すように、シュウ酸スカンジウムは、例えば、ニッケル、スカンジウム等の有価金属のほかに、アルミニウム、クロム等の成分を含有するニッケル酸化鉱の湿式製錬により得られた硫酸酸性溶液を用い、不純物を除去してスカンジウムを濃縮した溶液に対してシュウ酸を添加することによって得ることができる。
なお、原料となるシュウ酸スカンジウムに含まれる含硫黄化合物は、例えば、硫酸カルシウム、又はこれらを主成分とする混合物を挙げることができる。図2に示すシュウ酸スカンジウムの製造においては、例えば石膏は、ニッケル酸化鉱に含まれ得る。また、硫酸カルシウムとしては、例えば、ニッケル酸化鉱の湿式製錬プロセスにおける中和工程S2や濃縮工程S5で添加される炭酸カルシウムや消石灰等から供給されるカルシウムイオンが、湿式製錬プロセスで得られた硫酸酸性溶液中の硫酸イオンと反応することで生成される。このように、含硫黄化合物が、シュウ酸スカンジウムの製造過程で生成し、得られたシュウ酸スカンジウムに所定の割合で含まれるようになる。
具体的に、原料となるシュウ酸スカンジウムの製造方法としては、スカンジウムを含有するニッケル酸化鉱を高温高圧下で硫酸により浸出して浸出液と浸出残渣とを得る浸出工程S1と、浸出液に中和剤を添加して中和澱物と中和後液とを得る中和工程S2と、中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る硫化工程S3と、硫化後液をキレート樹脂に接触させることでスカンジウムをキレート樹脂に吸着させ、スカンジウム溶離液を得るイオン交換工程S4と、溶離液からスカンジウムを濃縮させるスカンジウム濃縮工程S5と、濃縮液から不純物元素を抽出分離し抽出分離液を得る溶媒抽出工程S6と、抽出分離液にシュウ酸を加えてシュウ酸スカンジウム沈殿を生成させるスカンジウム沈殿工程S7とを有するものとすることができる。
なお、イオン交換工程S4、濃縮工程S5、溶媒抽出工程S6は、後述するとおり、スカンジウムを濃縮し、より一層に高純度の濃縮液を得ることを目的とするものであり、これらの工程を含まない態様で実施することもできる。例えば、硫化工程S3で得られた硫化後液を、直接、スカンジウム沈殿工程S7に供することもできる。
以下、図2に示すフロー図を参考にして、シュウ酸スカンジウムの製造方法各工程についてより詳細に説明する。
<浸出工程>
浸出工程S1では、スカンジウムを含有するニッケル酸化鉱を硫酸と共に高温加圧容器(オートクレーブ)等に装入し、240℃〜260℃の高温で且つ高圧の環境下において、撹拌しながら硫酸によってニッケル酸化鉱に対する浸出処理を施し、浸出液と浸出残渣とを含む浸出スラリーを生成する。なお、浸出工程S1における処理は、従来知られているHPALプロセスに従って行えばよく、例えば特許文献1に記載されている。
浸出工程S1では、スカンジウムを含有するニッケル酸化鉱を硫酸と共に高温加圧容器(オートクレーブ)等に装入し、240℃〜260℃の高温で且つ高圧の環境下において、撹拌しながら硫酸によってニッケル酸化鉱に対する浸出処理を施し、浸出液と浸出残渣とを含む浸出スラリーを生成する。なお、浸出工程S1における処理は、従来知られているHPALプロセスに従って行えばよく、例えば特許文献1に記載されている。
ここで、ニッケル酸化鉱としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱が挙げられる。ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8〜2.5重量%であり、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。これらのニッケル酸化鉱には、ニッケルやコバルト、スカンジウム等の有価金属のほかに、アルミニウム、クロム、鉄等の成分が多く含まれている。
なお、ニッケル酸化鉱には、石膏やカルシウムイオンを含む他の鉱物も微量含有されており、浸出処理によってそれら石膏やカルシウムイオンが浸出液に含まれることがある。
この浸出工程S1では、得られた浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを洗浄しながら、ニッケルやコバルト、スカンジウム等を含む浸出液と、ヘマタイトである浸出残渣とに固液分離する。この固液分離処理では、例えば、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、凝集剤供給設備等から供給される凝集剤を用いて、シックナー等の固液分離設備により固液分離処理を施す。具体的には、先ず、浸出スラリーが洗浄液により希釈され、次に、スラリー中の浸出残渣がシックナーの沈降物として濃縮される。なお、この固液分離処理では、シックナー等の固液分離槽を多段に連結させて用い、浸出スラリーを多段洗浄しながら固液分離することが好ましい。
<中和工程>
中和工程S2では、上述した浸出工程S1により得られた浸出液に中和剤を添加してpHを調整し、不純物元素を含む中和澱物と中和後液とを得る。この中和工程S2における中和処理により、スカンジウムやニッケル等の有価金属は中和後液に含まれるようになり、鉄、アルミニウムをはじめとした不純物の大部分が中和澱物となる。
中和工程S2では、上述した浸出工程S1により得られた浸出液に中和剤を添加してpHを調整し、不純物元素を含む中和澱物と中和後液とを得る。この中和工程S2における中和処理により、スカンジウムやニッケル等の有価金属は中和後液に含まれるようになり、鉄、アルミニウムをはじめとした不純物の大部分が中和澱物となる。
中和剤としては、従来公知のもの使用することができ、例えば、炭酸カルシウム、消石灰等が挙げられる。
ここで、炭酸カルシウムや消石灰等のアルカリにより供給されたカルシウムイオンは、硫酸酸性溶液中の硫酸イオンと反応することにより、硫酸カルシウムとなり、後工程を経て得られるシュウ酸スカンジウムに不純物として混入することがある。
中和工程S2における中和処理では、分離された浸出液の酸化を抑制しながら、pHを1〜4の範囲に調整することが好ましく、1.5〜2.5の範囲に調整することがより好ましい。pHが1未満であると、中和が不十分となり、中和澱物と中和後液とに分離できない可能性がある。一方で、pHが4を超えると、アルミニウムをはじめとした不純物のみならず、スカンジウムやニッケル等の有価金属も中和澱物に含まれる可能性がある。
<硫化工程>
硫化工程S3では、中和工程S2により得られた中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る。この硫化工程S3における硫化処理により、ニッケル、コバルト、亜鉛等は硫化物となり、スカンジウム等は硫化後液に含まれることになる。
硫化工程S3では、中和工程S2により得られた中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る。この硫化工程S3における硫化処理により、ニッケル、コバルト、亜鉛等は硫化物となり、スカンジウム等は硫化後液に含まれることになる。
具体的に、この硫化工程S3では、得られた中和後液に対して、硫化水素ガス、硫化ナトリウム、水素化硫化ナトリウム等の硫化剤を添加し、不純物成分の少ないニッケル及びコバルトを含む硫化物(ニッケル・コバルト混合硫化物)と、ニッケル濃度を低い水準で安定させ、スカンジウム等を含有させた硫化後液とを生成させる。
硫化工程S3における硫化処理では、ニッケル・コバルト混合硫化物のスラリーをシックナー等の沈降分離装置を用いて沈降分離処理し、ニッケル・コバルト混合硫化物をシックナーの底部より分離回収する一方で、水溶液成分である硫化後液をオーバーフローさせて回収する。
<イオン交換工程>
イオン交換工程S4では、上述したニッケル酸化鉱の湿式製錬処理により得られた硫化後液をキレート樹脂に接触させることによって、その硫化後液中に含まれるスカンジウムをキレート樹脂に吸着させ、不純物成分を除去したスカンジウム溶離液を得る。
イオン交換工程S4では、上述したニッケル酸化鉱の湿式製錬処理により得られた硫化後液をキレート樹脂に接触させることによって、その硫化後液中に含まれるスカンジウムをキレート樹脂に吸着させ、不純物成分を除去したスカンジウム溶離液を得る。
イオン交換工程S4の態様としては、特に限定されないが、例えば図2に一例を示すように、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる吸着工程S41と、スカンジウムを吸着したキレート樹脂に0.1N以下の硫酸溶液を接触させ、吸着工程S41でキレート樹脂に吸着したアルミニウムを除去するアルミニウム除去工程S42と、アルミニウム除去工程S42を経たキレート樹脂に0.3N以上3N以下の硫酸溶液を接触させてスカンジウム溶離液を得るスカンジウム溶離工程S43と、スカンジウム溶離工程S43を経たキレート樹脂に3N以上の硫酸溶液を接触させて、吸着工程S41でキレート樹脂に吸着したクロムを除去するクロム除去工程S44とを含むものであることが好ましい。
[吸着工程]
吸着工程S41では、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる。キレート樹脂としては、特に限定されないが、例えばイミノジ酢酸を官能基とする樹脂を用いることが好ましい。
吸着工程S41では、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる。キレート樹脂としては、特に限定されないが、例えばイミノジ酢酸を官能基とする樹脂を用いることが好ましい。
[アルミニウム除去工程]
アルミニウム除去工程S42では、吸着工程S41でスカンジウムを吸着したキレート樹脂に0.1N以下の硫酸溶液を接触させ、吸着工程S41でキレート樹脂に吸着したアルミニウムを除去する。アルミニウムを除去するに際しては、硫酸溶液のpHを1以上2.5以下の範囲に維持することが好ましく、1.5以上2.0以下の範囲に維持することがより好ましい。
アルミニウム除去工程S42では、吸着工程S41でスカンジウムを吸着したキレート樹脂に0.1N以下の硫酸溶液を接触させ、吸着工程S41でキレート樹脂に吸着したアルミニウムを除去する。アルミニウムを除去するに際しては、硫酸溶液のpHを1以上2.5以下の範囲に維持することが好ましく、1.5以上2.0以下の範囲に維持することがより好ましい。
[スカンジウム溶離工程]
スカンジウム溶離工程S43では、アルミニウム除去工程S42を経たキレート樹脂に0.3N以上3N未満の硫酸溶液を接触させ、スカンジウム溶離液を得る。スカンジウム溶離液を得るに際しては、溶離液として用いる硫酸溶液の規定度を0.3N以上3N未満の範囲に維持することが好ましく、0.5N以上2N未満の範囲の規定度に維持することがより好ましい。
スカンジウム溶離工程S43では、アルミニウム除去工程S42を経たキレート樹脂に0.3N以上3N未満の硫酸溶液を接触させ、スカンジウム溶離液を得る。スカンジウム溶離液を得るに際しては、溶離液として用いる硫酸溶液の規定度を0.3N以上3N未満の範囲に維持することが好ましく、0.5N以上2N未満の範囲の規定度に維持することがより好ましい。
[クロム除去工程]
クロム除去工程S44では、スカンジウム溶離工程S43を経たキレート樹脂に3N以上の硫酸溶液を接触させ、吸着工程S41でキレート樹脂に吸着したクロムを除去する。
クロム除去工程S44では、スカンジウム溶離工程S43を経たキレート樹脂に3N以上の硫酸溶液を接触させ、吸着工程S41でキレート樹脂に吸着したクロムを除去する。
[鉄除去工程]
また、図示していないが、ニッケル酸化鉱から得られた浸出液中には不純物として鉄が含まれている場合がある。この場合、アルミニウム除去工程S42に先立ち、吸着工程S41でスカンジウムを吸着したキレート樹脂に、アルミニウム除去工程S42で使用する硫酸溶液の規定度よりも小さい規定度の硫酸溶液を接触させ、吸着工程S41でキレート樹脂に吸着した鉄を除去することが好ましい。キレート樹脂に吸着した鉄を除去するに際しては、硫酸溶液のpHを1以上3以下の範囲に維持することが好ましい。
また、図示していないが、ニッケル酸化鉱から得られた浸出液中には不純物として鉄が含まれている場合がある。この場合、アルミニウム除去工程S42に先立ち、吸着工程S41でスカンジウムを吸着したキレート樹脂に、アルミニウム除去工程S42で使用する硫酸溶液の規定度よりも小さい規定度の硫酸溶液を接触させ、吸着工程S41でキレート樹脂に吸着した鉄を除去することが好ましい。キレート樹脂に吸着した鉄を除去するに際しては、硫酸溶液のpHを1以上3以下の範囲に維持することが好ましい。
このようなイオン交換処理により、アルミニウムやクロム等の種々の不純物元素が除去されてスカンジウムが濃縮されたスカンジウム溶離液を得ることができる。なお、得られたスカンジウム溶離液に対して、再びスカンジウム溶離工程S43における処理、すなわち、アルミニウム除去工程S42を経たキレート樹脂に対して、得られたスカンジウム溶離液を接触させる処理を繰り返し行うことで、スカンジウム溶離液の濃度を高めることができる。また、クロム等を除去した後のキレート樹脂は、再び吸着工程S41にて再利用することができる。
<濃縮工程>
次に、上述したイオン交換工程S4に続いて、濃縮工程S5を設けて、スカンジウム溶離液に含まれるスカンジウムを濃縮させることができる。濃縮処理としては、例えば、スカンジウム溶離液に含まれるスカンジウムの沈殿物を生じさせて不純物と分離し、さらにこの沈殿物を硫酸溶液等で溶解し、次工程の溶媒抽出に供する濃縮液を生成させる処理を行うことができる。より具体的に、この濃縮工程S5におけるスカンジウムの濃縮方法、つまりスカンジウムの沈殿物を生成させて不純物と分離させる方法としては、例えば、水酸化中和の方法を用いることができる。
次に、上述したイオン交換工程S4に続いて、濃縮工程S5を設けて、スカンジウム溶離液に含まれるスカンジウムを濃縮させることができる。濃縮処理としては、例えば、スカンジウム溶離液に含まれるスカンジウムの沈殿物を生じさせて不純物と分離し、さらにこの沈殿物を硫酸溶液等で溶解し、次工程の溶媒抽出に供する濃縮液を生成させる処理を行うことができる。より具体的に、この濃縮工程S5におけるスカンジウムの濃縮方法、つまりスカンジウムの沈殿物を生成させて不純物と分離させる方法としては、例えば、水酸化中和の方法を用いることができる。
[水酸化中和]
スカンジウム溶離液に対する水酸化中和処理では、上述したイオン交換工程S4で得られたスカンジウム溶離液に対して、炭酸カルシウム、消石灰等のアルカリの中和剤を添加することによりpHを8以上9以下程度に調整して中和処理を施し、スカンジウムの水酸化物沈殿と不純物成分を含む中和後液とを生成させる。
スカンジウム溶離液に対する水酸化中和処理では、上述したイオン交換工程S4で得られたスカンジウム溶離液に対して、炭酸カルシウム、消石灰等のアルカリの中和剤を添加することによりpHを8以上9以下程度に調整して中和処理を施し、スカンジウムの水酸化物沈殿と不純物成分を含む中和後液とを生成させる。
ここで、炭酸カルシウムや消石灰等のアルカリにより供給されたカルシウムイオンは、硫酸酸性溶液中の硫酸イオンと反応することにより、硫酸カルシウムとなり、後工程を経て得られるシュウ酸スカンジウムに不純物として混入することがある。
[硫酸による溶解]
次に、水酸化中和処理により得られた水酸化スカンジウムの沈殿物に対して硫酸溶液を添加することによってその沈殿物を溶解し、スカンジウムの硫酸溶解液を生成する。このようにして得られたスカンジウム硫酸溶解液が、次工程の溶媒抽出工程S6における溶媒抽出処理の処理対象(抽出始液)となる。
次に、水酸化中和処理により得られた水酸化スカンジウムの沈殿物に対して硫酸溶液を添加することによってその沈殿物を溶解し、スカンジウムの硫酸溶解液を生成する。このようにして得られたスカンジウム硫酸溶解液が、次工程の溶媒抽出工程S6における溶媒抽出処理の処理対象(抽出始液)となる。
このように、イオン交換工程S4に続いて、濃縮工程S5を設けることにより、スカンジウム溶離液に含まれる不純物を大幅に除去することができ、イオン交換工程S4や次工程の溶媒抽出工程S6に係る工数を軽減できる。
<溶媒抽出工程>
溶媒抽出工程S6は、上述した濃縮工程S5にて得られた濃縮液を抽出始液とし、その抽出始液を抽出剤に接触させ、得られた抽出液に逆抽出剤を加えることでスカンジウムを含む逆抽出物を得る。
溶媒抽出工程S6は、上述した濃縮工程S5にて得られた濃縮液を抽出始液とし、その抽出始液を抽出剤に接触させ、得られた抽出液に逆抽出剤を加えることでスカンジウムを含む逆抽出物を得る。
溶媒抽出工程S6の態様としては、特に限定されないが、例えば図2に一例を示すように、抽出始液と抽出剤を含有する有機溶媒とを混合して抽出後有機溶媒と抽残液とを得る抽出工程S61と、この抽出後有機溶媒に洗浄溶液を混合して抽出剤に抽出されたスカンジウムを分離して回収するスクラビング工程S62と、洗浄後の有機溶媒に逆抽出剤を添加し、その洗浄後有機溶媒から不純物元素を逆抽出し、逆抽出物を得る逆抽出工程S63とを有するものとすることができる。
[抽出工程]
抽出工程S61では、抽出始液である濃縮液と抽出剤とを含む有機溶媒とを混合して、有機溶媒中にスカンジウム以外の不純物元素を抽出し、抽残液にスカンジウムを選択的に残留させる。抽出剤としては、特に限定されずスカンジウムとの選択性の観点から決定すればよく、例えばリンを含む溶媒和抽出剤、具体的にはトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を官能基とするものを用いることができる。なお、抽出時は、炭化水素系の有機溶媒等で希釈して使用することが好ましい。
抽出工程S61では、抽出始液である濃縮液と抽出剤とを含む有機溶媒とを混合して、有機溶媒中にスカンジウム以外の不純物元素を抽出し、抽残液にスカンジウムを選択的に残留させる。抽出剤としては、特に限定されずスカンジウムとの選択性の観点から決定すればよく、例えばリンを含む溶媒和抽出剤、具体的にはトリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)を官能基とするものを用いることができる。なお、抽出時は、炭化水素系の有機溶媒等で希釈して使用することが好ましい。
なお、抽出工程61において使用する抽出剤の種類等によっては、抽出剤を含む有機溶媒中にスカンジウムを選択的に抽出することでもできる。この場合、抽残液の代わりに、後述の逆抽出溶液をスカンジウム沈殿工程S7に供することができる。
[スクラビング(洗浄)工程]
必須の態様ではないが、上述した抽出工程S61において、不純物を抽出した有機溶媒中にスカンジウムが僅かに共存する場合には、抽出液を逆抽出する前に、有機溶媒(有機相)にスクラビング(洗浄)処理を施し、スカンジウムを水相に分離して抽出剤から除去することが好ましい(スクラビング工程S62)。
必須の態様ではないが、上述した抽出工程S61において、不純物を抽出した有機溶媒中にスカンジウムが僅かに共存する場合には、抽出液を逆抽出する前に、有機溶媒(有機相)にスクラビング(洗浄)処理を施し、スカンジウムを水相に分離して抽出剤から除去することが好ましい(スクラビング工程S62)。
スクラビングに用いる溶液(洗浄溶液)には、塩酸溶液や硫酸溶液を使用することができる。塩酸溶液を用いる場合は2.0mol/L以上9.0mol/L以下の濃度範囲が好ましく、硫酸溶液を用いる場合は3.5mol/L以上9.0mol/L以下の濃度範囲が好ましい。
[逆抽出工程]
逆抽出工程S63では、不純物元素を抽出した有機溶媒から不純物元素を逆抽出する。この逆抽出工程S63では、有機溶媒に、水又は低濃度の酸溶液を逆抽出溶液(逆抽出始液)として用いて混合することで抽出時における反応とは逆の反応を進行させ、不純物元素を含む抽出分離液を得る。
逆抽出工程S63では、不純物元素を抽出した有機溶媒から不純物元素を逆抽出する。この逆抽出工程S63では、有機溶媒に、水又は低濃度の酸溶液を逆抽出溶液(逆抽出始液)として用いて混合することで抽出時における反応とは逆の反応を進行させ、不純物元素を含む抽出分離液を得る。
逆抽出始液としては、水であってもよいが、有機相との相分離が不良となる可能性がある。そのため、逆抽出始液として低濃度の酸溶液を用いることが好ましい。酸溶液としては、3.5mol/L未満程度の濃度の硫酸溶液を用いることができる。
なお、図示しないが、溶媒抽出工程S6の代わりに、硫酸複塩沈殿工程に供することもできる。硫酸複塩沈殿工程は、スカンジウム含有酸性溶液に硫酸ナトリウムの結晶を添加し、硫酸複塩の沈殿物を生成させる沈殿工程と、硫酸複塩沈殿を溶解して得られた溶解液を水酸化ナトリウム等によって中和する中和工程と、中和により得られた水酸化スカンジウムを再溶解し、溶解液を得る再溶解工程とを有する。このような硫酸複塩沈殿の生成処理によって、不純物を除去してもよい。
<スカンジウム沈殿工程>
次に、スカンジウム沈殿工程S7において、溶媒抽出工程S6により得られたスカンジウムを含有する抽残液からシュウ酸スカンジウムの沈殿物を生成させる。
次に、スカンジウム沈殿工程S7において、溶媒抽出工程S6により得られたスカンジウムを含有する抽残液からシュウ酸スカンジウムの沈殿物を生成させる。
スカンジウム沈殿工程S7における処理の態様としては、シュウ酸スカンジウムの沈殿物を生じさせることができれば特に限定されないが、例えば図2に一例を示すように、溶媒抽出工程S6で得られた抽出分離液をシュウ酸化始液として、そのシュウ酸化始液中にシュウ酸を加えることによって、シュウ酸スカンジウムの白色結晶の固体を析出、沈殿させる処理とすることができる。
シュウ酸の添加量としては、特に限定されないが、シュウ酸化始液中のスカンジウムをシュウ酸塩として析出させるのに必要な当量の1.05倍以上2.0倍以下の量とすることが好ましい。その添加量が析出に必要な当量の1.05倍未満であると、スカンジウムを全量回収できなくなる可能性がある。一方で、添加量が析出に必要な当量の2.0倍を超えると、シュウ酸スカンジウムの溶解度が増加することでスカンジウムが再溶解して回収率が低下したり、過剰なシュウ酸を分解するために次亜塩素ソーダのような酸化剤を使用する量が増加してしまう。
シュウ酸化の反応時におけるシュウ酸化始液のpHとしては、特に限定されないが、0以上2以下程度であることが好ましく、1前後であればさらに好ましい。pHが0未満のように低すぎると、シュウ酸スカンジウムの溶解度が増加し、スカンジウム回収率が低下する可能性がある。一方で、pHが2を超えると、抽出分離液中に含まれる不純物も沈殿を形成してしまい、スカンジウム純度が低下する原因となる。
以上のような各工程を経ることによって、酸化スカンジウムの製造原料となるシュウ酸スカンジウムを製造することができる。
ここで、このようにして得られた酸化スカンジウムには、その製造過程において硫酸カルシウム等の含硫黄化合物が、不純物として含まれるようになる。この点において、本実施の形態に係る酸化スカンジウムの製造方法によれば、原料とするシュウ酸スカンジウムに対して、炭素源化合物を添加して、同時に加熱処理を施して酸化スカンジウムを製造するようにしているため、シュウ酸スカンジウムに含まれるようになった硫黄成分を効果的に除去することができる。これにより、硫黄の含有を抑制した、高純度な酸化スカンジウムを効率的に製造することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して、本発明についてより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
[実施例1]
(原料シュウ酸スカンジウムの調製)
先ず、酸化スカンジウムの製造原料となるシュウ酸スカンジウムを調製した。
(原料シュウ酸スカンジウムの調製)
先ず、酸化スカンジウムの製造原料となるシュウ酸スカンジウムを調製した。
具体的には、ニッケル酸化鉱を原料として公知のHPALプロセスに供し、ニッケルやスカンジウムを浸出させた浸出液を得た後、得られた浸出液に消石灰を添加して中和処理を施し不純物を分離した。次いで、不純物を分離した浸出液に硫化剤を添加し、硫化処理を施し、大部分の不純物及びニッケルを硫化物として分離した。
次に、硫化処理後の溶液(硫化後液)中のスカンジウムイオンを、キレート樹脂に吸着させる公知のイオン交換処理を施し、スカンジウム溶離液を得た。
次に、得られたスカンジウム溶離液に対して、アミン系抽出剤を用いて、公知の溶媒抽出処理を施した。このようなイオン交換処理と溶媒抽出処理とを組み合わせた方法により、溶液中のスカンジウムを濃縮させ、抽出分離液と抽残液を分離した。その後、抽残液にシュウ酸を添加してシュウ酸スカンジウムの結晶を得た。
シュウ酸化処理の後、得られたシュウ酸スカンジウム結晶の沈殿物を濾過して濾液と分離した。分離した沈澱物に対して純水で3回のレパルプ洗浄を行い、真空乾燥器を用いて105℃で一昼夜かけて乾燥させた。ここで、得られたシュウ酸スカンジウム結晶の硫黄品位は、50ppmであった。
(酸化スカンジウムの製造)
次に、シュウ酸スカンジウムの沈殿物を原料として酸化スカンジウムを製造した。
次に、シュウ酸スカンジウムの沈殿物を原料として酸化スカンジウムを製造した。
具体的には、得られたシュウ酸スカンジウムの沈殿物20gと、高純度カーボン200g(C:16.7mol)とを、それぞれ別々の石英ボートに入れ、石英管をセットした同一の管状炉内に設置した。その後、石英管内に流量0.1L/minでエアー(空気)を流して、3時間かけて内部温度を1100℃まで昇温させた。内部温度が1100℃に到達した後、エアー(空気)を流し続けながら2時間保持することによって加熱処理を施した。なお、このとき石英管内に存在させた酸素量は、炭素源であるカーボンのすべてを二酸化炭素に酸化するのに必要な当量の0.016当量であった。
その後、室温まで冷却し、冷却後に石英ボートに残った酸化スカンジウム結晶を回収し、不純物としての硫黄成分の含有量を分析した。
下記表1に、実施例1における、加熱処理前後におけるシュウ酸化合物及び高純度カーボンの質量、それらの質量減、加熱処理後に得られた酸化スカンジウム中の硫黄含有量及びその硫黄含有量を硫酸根(SO4)基準に換算した値を示す。
表1の結果から分かるように、実施例においては、酸化スカンジウム中の硫黄の含有量を検出限界値未満にまで低減することができた。
[比較例1]
比較例1では、シュウ酸スカンジウムの加熱時において、高純度カーボンを管状炉内に設置しなかったこと以外は、実施例1と同様にして加熱処理を施し、酸化スカンジウムを製造した。
[比較例1]
比較例1では、シュウ酸スカンジウムの加熱時において、高純度カーボンを管状炉内に設置しなかったこと以外は、実施例1と同様にして加熱処理を施し、酸化スカンジウムを製造した。
下記表2に、実施例1及び比較例1のそれぞれの、加熱処理前のシュウ酸スカンジウム中の硫黄含有量と、加熱処理後に得られた酸化スカンジウム中の硫黄含有量を示す。
表2の結果から分かるように、比較例1においては、酸化スカンジウム中に硫黄が40ppm残留し、硫黄を十分に除去できなかった。
以上のとおり、加熱処理を施すに際し、炭素源を共存させた状態で行うことにより、シュウ酸スカンジウムに含まれていた硫黄成分を効果的に除去することができ、硫黄品位を低減させた、より高純度な酸化スカンジウムを得ることができることが分かった。
Claims (3)
- 含硫黄化合物を不純物として含有するシュウ酸スカンジウムを、酸素含有雰囲気中、炭素源を共存させた状態で加熱し、
加熱に際しての前記酸素含有雰囲気中の酸素の存在量は、前記炭素源に含まれる全ての炭素原子を二酸化炭素に酸化するために必要な量未満であり、
加熱温度は900℃以上である
酸化スカンジウムの製造方法。 - 前記シュウ酸スカンジウムは、スカンジウムを含有する硫酸酸性溶液にシュウ酸を添加することで得られた沈殿物である
請求項1に記載の酸化スカンジウムの製造方法。 - 前記硫酸酸性溶液は、ニッケル酸化鉱石を硫酸で浸出して得られた浸出液に中和剤を添加して得られた溶液である
請求項2に記載の酸化スカンジウムの製造方法。
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