JPH06329414A - 希土類フッ化物の製造方法 - Google Patents

希土類フッ化物の製造方法

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JPH06329414A
JPH06329414A JP5145678A JP14567893A JPH06329414A JP H06329414 A JPH06329414 A JP H06329414A JP 5145678 A JP5145678 A JP 5145678A JP 14567893 A JP14567893 A JP 14567893A JP H06329414 A JPH06329414 A JP H06329414A
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rare earth
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fluoride
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hydrofluoric acid
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JP5145678A
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Eiji Nakamura
英次 中村
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01FCOMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
    • C01F17/00Compounds of rare earth metals
    • C01F17/20Compounds containing only rare earth metals as the metal element
    • C01F17/253Halides
    • C01F17/265Fluorides

Abstract

(57)【要約】 【目的】 操作の安全性と製造コスト面における有利性
とを確保しつつ、回収歩留りが効果的に向上され得る希
土類フッ化物の製造方法を提供すること。 【構成】 希土類原料として、水に難溶性の希土類のシ
ュウ酸塩、炭酸塩、水酸化物のうちの少なくとも何れか
1種のものを準備し、次いでそれにフッ化水素酸を加
え、それら希土類原料とフッ化水素酸とを直接に反応せ
しめることにより、沈殿物を得、その後この沈殿物を分
離し、焙焼するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、希土類フッ化物の製造方法に係
り、特に溶融塩電解による希土類金属及び合金の製造用
原料や電解浴成分(溶媒)、或いは金属熱還元による希
土類金属及び合金の製造用原料として用いるに好適な希
土類フッ化物を、高い回収率をもって製造し得る方法に
関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、希土類フッ化物の製造方法とし
ては、(1)希土類酸化物と無水フッ化水素気流とを高
温状態下(例えば750℃)で反応させる乾式法や、
(2)希土類酸化物と酸性フッ化アンモニウムとを混合
し、比較的低温(例えば300℃)にて反応させる方
法、或いは(3)塩化物等の希土類化合物の水溶液にフ
ッ化水素酸を添加し、それらを反応せしめて、沈殿物を
得、その後かくして得られる沈殿物を洗浄した後、濾過
し、更に乾燥し、焙焼する湿式法等が、知られている。
【0003】ところで、これらの手法のうち、先ず、
(1)の手法は、高温の状態下において無水フッ化水素
ガスを取り扱わなければならないところから、操作の安
全性に問題があるばかりでなく、装置材料等の選択にお
いて種々の制限があり、技術的に困難な点が多い。ま
た、(2)の手法にあっては、原料として使用される酸
性フッ化アンモニウムが高価であるため、コスト高とな
ってしてしまうことが避けられず、更には固体反応であ
るが故に、反応が完結し難く、未反応物が残留してしま
ったり、反応中に発生するガスにより、原料粉が飛散し
たりする問題を有していた。尤も、この(2)の手法に
ついては、特開平4−182314号公報等において、
未反応物の残留や原料粉の飛散等の問題を解決する手段
が提案されてはいるが、使用される原料に起因するコス
トの高騰の問題については、未解決のままであった。
【0004】これに対して、(3)の手法にあっては、
原料として、無水フッ化水素ガスや酸性フッ化アンモニ
ウム等が、何等使用されるものでないところから、安全
に且つ比較的低コストに、希土類フッ化物が製造され得
るのである。
【0005】しかしながら、かかる手法にあっては、最
終的に得られる希土類フッ化物の粒子が極めて細かくな
ってしまい(数μm 以下)、かかる希土類フッ化物が、
希土類化合物の水溶液中において、ゲル状の沈殿物とし
て析出することとなるため、そのような沈殿物をろ過等
により回収することが困難で、それ故に他の手法に比し
て、回収率が劣悪なものとなっていた。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かくの如き事情
に鑑みて為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、操作の安全性と製造コスト面における有利性と
を確保しつつ、回収歩留りが効果的に向上され得る希土
類フッ化物の製造方法を提供することにある。
【0007】
【解決手段】そして、上記した課題を解決するために、
本発明者らが、鋭意研究を重ねた結果、水に難溶性であ
る希土類のシュウ酸塩や炭酸塩、若しくは水酸化物と、
フッ化水素酸とを直接に反応させることによって、何れ
も、数μm 〜数mmの大きな希土類フッ化物の粒子が得ら
れることを見出したのである。
【0008】すなわち、本発明は、かかる知見に基づい
て完成されたものであって、その特徴とするところは、
希土類原料として、水に難溶性の希土類のシュウ酸塩、
炭酸塩、水酸化物のうちの少なくとも何れか1種のもの
を準備し、次いでそれにフッ化水素酸を加えて、それら
希土類原料とフッ化水素酸とを直接に反応せしめること
により、沈殿物を得、その後この沈殿物を分離し、焙焼
するようにした希土類フッ化物の製造方法にある。
【0009】
【具体的構成】ところで、このような本発明にあって
は、先ず、希土類フッ化物を製造するための原料たる希
土類化合物として、水に難溶性の希土類のシュウ酸塩、
炭酸塩及び水酸化物のうちの何れかのものが準備される
こととなるが、それらは、製品として入手出来るもので
あっても、また希土類の塩化物や硝酸塩等を出発原料と
して用いて製造されるものであっても、更には希土類の
酸化物を出発原料として用い、塩化物や硝酸塩等を経由
して製造されるものであっても、何れのものでも良い。
【0010】すなわち、出発原料に希土類の塩化物や硝
酸塩等を用い、それら希土類化合物の水溶液中に、所定
量のシュウ酸溶液や炭酸アンモニウム、或いは水酸化ナ
トリウム等を攪拌しながら添加することにより、沈殿物
として得られる希土類のシュウ酸塩、炭酸塩、水酸化物
が、希土類フッ化物を製造するための原料として、何れ
も採用され得るのである。
【0011】例えば、下記反応式(1): 2RECl3+3H224→RE2(C243(s)+6HCl・・・(1) 〔但し、式中、REは、希土類元素を示す。以下同
じ。〕にて表される化学反応により得られる希土類のシ
ュウ酸塩が、本発明において使用されるのである。
【0012】また、希土類の酸化物を出発原料として用
い、先ず、これを所定量の水に投入し、これに塩酸や硝
酸等を所定量、添加して、該希土類酸化物を完全に溶解
せしめることにより、希土類の塩化物や硝酸塩等の水溶
液を製造し、次いで、この得られた希土類の塩化物や硝
酸塩等の水溶液に対して、上記と同様な操作を施すこと
によって、それらの溶液中に沈殿物として得られるもの
も、本発明において、同様に採用され得るのである。
【0013】そして、上述の如くして得られる希土類の
シュウ酸塩、炭酸塩、水酸化物の沈殿物を、実際に、目
的とする希土類フッ化物を製造するための原料として供
するに際しては、一般に、それらの沈殿物が、ろ過洗浄
や遠心分離等で回収されて、或いはデカンテーション法
等により洗浄され、その後、上澄み液が除去されて、そ
れぞれ、用いられることとなる。
【0014】なお、そのような希土類のシュウ酸塩、炭
酸塩、水酸化物の沈殿物を、希土類の塩化物や硝酸塩等
を出発原料として用いて製造する場合にあっても、また
希土類の酸化物を出発原料として使用して製造する場合
にあっても、何れも、それらの沈殿物を得るための原料
として、希土類の塩化物や硝酸塩等の水溶液中に添加せ
しめられるものが、前記したシュウ酸溶液や炭酸アンモ
ニウム、或いは水酸化ナトリウム等に何等限定されるも
のではないが、そのような原料としては、添加されるこ
とにより、その後の作業において、例えば中和操作や特
定な反応生成物の除去操作等の余分な操作が付加される
ようなものでないことが、望ましい。
【0015】次に、本発明にあっては、上述の如くして
準備された水に難溶性の希土類のシュウ酸塩、炭酸塩、
水酸化物の少なくとも何れかのものに対して、フッ化水
素酸が加えられ、攪拌下において、それらが直接に反応
せしめられる。なお、それらの希土類化合物とフッ化水
素酸との反応における条件、即ちフッ化水素酸の濃度や
反応温度、更には反応時の攪拌条件等は、先に詳述し
た、塩化物等の希土類化合物の水溶液にフッ化水素酸を
直接に添加せしめる、従来の湿式法における如きものと
同様な条件にて行なわれることとなる。
【0016】これにより、希土類のシュウ酸塩を原料と
して用いる場合にあっては、下記反応式(2): RE2(C243(s)+6HF→2REF3(s)+3H224 ・・・(2) にて表される化学反応が進行せしめられる。また、希土
類の炭酸塩を原料として用いる場合においては、下記反
応式(3): RE2(CO33(s)+6HF→2REF3(s)+3H2CO3 ・・・(3) にて表される化学反応が進行せしめられる。更に、希土
類の水酸化物を原料として使用する場合にあっては、下
記反応式(4): RE(OH)3(s)+3HF→REF3(s)+3H2O・・・(4) にて表される化学反応が進行せしめられる。
【0017】すなわち、何れの場合にあっても、各原料
とフッ化水素酸とが直接に反応せしめられて、希土類フ
ッ化物が、沈殿物として得られることとなる。しかも、
これらの場合にあっては、得られる沈殿物が、塩化物等
の希土類化合物とフッ化水素酸とが水溶液中にて反応せ
しめられる従来の湿式法により得られるものよりも、遙
かに大きな粒子をもって生成され、それ故にゲル状を呈
するようなことも全くないのである。
【0018】引き続いて、本発明においては、かくして
得られた沈殿物が、従来と同様に、デカンテーション法
等により適数回水洗され、その後、ろ過されて、それぞ
れ、液中から分離される。そして、上述の如く、かかる
沈殿物が、大きな粒子径を有し、従来の湿式法により得
られるものの如きゲル状を何等呈するものでないところ
から、かくの如くして、沈殿物を分離する場合にあって
は、ろ過の作業が非常に良好に且つ容易に行なわれ得、
従って、該沈殿物が、ろ紙を通過してしまうようなこと
も殆どなく、かかるろ過作業により極めて効率的に回収
され得るのである。また、従来から公知のろ過法や遠心
分離法等を採用して、そのような沈殿物を液中から分離
する場合にあっても、該沈殿物の粒子が大きいことか
ら、その回収作業が極めて効率的に行なわれ得ることと
なる。
【0019】そして、本発明にあっては、かくの如くし
て液中から分離、回収された沈殿物が、乾燥され、その
後、焙焼せしめられて、目的とする希土類フッ化物が得
られるのである。なお、かかる乾燥、焙焼操作の実施に
際しては、装置や条件等が特に限定されるものではな
く、従来と同様な装置や条件、更には手法等が何れも採
用され得る。
【0020】このように、本発明手法によれば、大きな
粒子径を有する希土類フッ化物を極めて容易に生成する
ことが出来、得られる希土類フッ化物のろ過等による回
収作業の効率化が有効に図られ得るところから、該希土
類フッ化物の回収歩留りが、従来の湿式法に比して、効
果的に向上せしめられ得るのであり、また無水フッ化水
素気流や酸性アンモニウム等が全く使用されないため、
作業の安全性や低コスト化も有利に確保されているので
ある。
【0021】因みに、本発明者らの実験結果によれば、
本発明手法に従って、La,Ce,Pr,Nd,Sm,
Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,L
u,Yの15種類の希土類元素のフッ化物をそれぞれ製
造したところ、何れも、上記の如き優れた特性を有する
フッ化物が得られ、更に、それらのフッ化物を電解原料
として用いることにより、良好な溶融塩電解が実施され
得ると共に、各種の希土類金属や希土類合金が製造され
得ることが確認されている。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
【0023】実施例 1 先ず、酸化ネオジム(Nd2 3 )を100g秤量し、
これを所定の反応容器中に水500mlと共に投入し
た。そして、かかる容器中に濃度36%の塩酸を230
ml加えた後、80℃で1時間、加熱した。かくして、
酸化ネオジムを完全に溶解せしめて、塩化ネオジム水溶
液を作製した。
【0024】次いで、この得られた塩化ネオジム水溶液
に対して、所定量の飽和シュウ酸溶液(シュウ酸二水和
物197gを水に溶解させたもの)を攪拌しながら加
え、これによりシュウ酸ネオジムの沈殿物を得た。その
後、かくして得られたシュウ酸ネオジムの沈殿物をデカ
ンテーション法により3回水洗した後、上澄み液を除去
した。
【0025】引き続いて、かかるシュウ酸ネオジムに濃
度46%のフッ化水素酸107mlを加えた後、攪拌
し、それらシュウ酸ネオジムとフッ化水素酸とを直接に
反応せしめて、沈殿物を生ぜしめた。その後、この得ら
れた沈殿物をデカンテーション法により水洗した後、ろ
過して、液中から分離した。そして、この分離した沈殿
物を200℃で24時間、所定の乾燥器にて乾燥し、そ
の後、500℃で24時間、真空脱水乾燥を行なった。
かくして、目的とする無水フッ化ネオジム(NdF3
を作製した。
【0026】そして、目的とするNdF3 として得た沈
殿物のX線回折を行なった。その結果を示す図1と後述
する比較例1により得られるNdF3 のX線回折図を示
す図4とを比較した場合、図1にはNdF3 のピーク以
外のピークは認められなかった。これにより、かかる沈
殿物中には未反応物質としてのシュウ酸ネオジムが残存
せず、反応が略完了していることが確認された。また、
出発原料として用いたNd2 3 の量から化学量論的に
計算されるNdF3 の生成量を100として、上述の如
くして得られたNdF3 の生成量の割合を算出したとこ
ろ、その値が99となった。これにより、本実施例によ
るNdF3 の回収率が99%に達していることが判明し
た。
【0027】実施例 2 先ず、実施例1と同様にして、塩化ネオジム水溶液を作
製した。次いで、これに、炭酸アンモニウム170gを
攪拌しながら加えて、炭酸ネオジムの沈殿物を析出せし
めた。その後、かくして得られた沈殿物をデカンテーシ
ョン法により3回水洗した後、上澄み液を除去した。そ
して、引き続き、この炭酸ネオジムの沈殿物を用い、実
施例1と同様にして、無水フッ化ネオジム(NdF3
を作製した。
【0028】そして、実施例1と同様に、かくして得ら
れたNdF3 としての沈殿物についてX線回折を行なっ
た。そのX線回折図を示す図2から明らかなように、そ
こには、NdF3 のピーク以外のピークは認められず、
反応が略完了していることが確認された。また、実施例
1と同様にして、本実施例におけるNdF3 の回収率を
算出したところ、98%に達していることが判明した。
【0029】実施例 3 先ず、塩化ネオジム水溶液を準備し、これに濃度10%
のアンモニア水を加えて、pH調整を行ない、水酸化ネ
オジムを沈殿せしめた。次いで、この上澄み液を除去し
た後、かくして得られた水酸化ネオジムの沈殿物を用い
て、実施例1と同様にして、無水フッ化ネオジム(Nd
3 )を作製した。
【0030】そして、この得られたNdF3 としての沈
殿物についてもX線回折を行なった結果、図3から明ら
かなように、実施例1乃至2と同様に、そこにはNdF
3 のピーク以外のピークは認められず、反応が略完了し
ていることが確認された。また、かかるNdF3 の回収
率も96%に達していることが判明した。
【0031】実施例 4 先ず、酸化テルビウム(Tb4 7 )を5kg秤量し、
これを所定の反応容器中に濃度36%の塩酸1.6lと
共に投入した。そして、該反応容器中にて、これらを8
0℃で2時間、加熱し、酸化テルビウムを完全に溶解せ
しめて、塩化テルビウム水溶液を作製した。
【0032】次いで、かくして得られた塩化テルビウム
水溶液中に、シュウ酸二水和物1.1kgを水に溶解し
て得た所定量のシュウ酸溶液を攪拌しながら加え、これ
によりシュウ酸テルビウムの沈殿物を得た。その後、こ
の上澄み液を除去した。
【0033】引き続いて、かかるシュウ酸テルビウム
に、濃度46%のフッ化水素酸を0.7l加えた後、攪
拌して、それらシュウ酸テルビウムとフッ化水素酸とを
直接に反応せしめて、沈殿物を生ぜしめた。その後、こ
の得られた沈殿物をデカンテーション法により水洗した
後、ろ過して、液中から分離せしめ、更にこの分離した
沈殿物を実施例1と同様にして、乾燥、焙焼し、目的と
する無水フッ化テルビウム(TbF3 )を作製した。
【0034】そして、かくして得られたTbF3 とLi
F及びBaF2 とを用い、これらをフッ化物溶媒浴とし
て、消耗カソードを用いた溶融塩電解を行なったとこ
ろ、何等の支障もなく、Tb−Fe合金を製造すること
が出来た。
【0035】また、それとは別に、上述の如くして得ら
れたTbF3 を金属熱還元法(Ca還元法)による金属
Tbの製造用原料として用い、1400℃の温度にて還
元試験を行なったところ、金属Tbが、95〜96%の
収率をもって、良好に製造され得た。
【0036】比較例 1 先ず、実施例1と同様にして、塩化ネオジム水溶液を作
製した。次いで、これに、室温にて、濃度46%のフッ
化水素酸107mlを加え、無攪拌下に放置して、沈殿
物を生ぜしめた。その後、pHが5〜6となるまで、こ
の得られた沈殿物をデカンテーション法により繰り返し
水洗した後、ろ過して、液中から分離した。そして、こ
の分離した沈殿物を実施例1と同様にして、乾燥、焙焼
し、目的とする無水フッ化ネオジム(NdF3 )を作製
した。
【0037】本比較例にあっては、NdF3 たる沈殿物
をデカンテーション法により水洗した際に、該沈殿物の
pHの値が高くなるに従って、上澄み液の白濁の程度が
増す現象が認められた。また、上記実施例1乃至3と同
様な方式にて、NdF3 の回収率を算出したところ、そ
れら実施例1乃至3に比して著しく低い86.4%の値
を示した。これらのことからも、従来の方式にあって
は、製造されるNdF3の粒子が非常に細かく、ろ過に
よるNdF3 の回収が有効に為され得なないことが確認
される。なお、本手法により得られたNdF3 のX線回
折図を図4に示した。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
手法によれば、従来の湿式法により得られるものよりも
遙かに大きな粒子径を有する希土類フッ化物が、極めて
容易に生成され得るのであり、それによって該希土類フ
ッ化物の製造時における回収歩留りが、従来の方式に比
して、効果的に高められ得るのである。しかも、本発明
手法においては、高価な酸性フッ化アンモニウムが用い
られるものではなく、更には安全性に欠ける無水フッ化
水素気流の高温使用が何等行なわれるものでもないとこ
ろから、製造コスト面における有利性や作業における安
全性が有効に確保されているのである。
【0039】また、本発明手法において、希土類フッ化
物の製造原料として、希土類のシュウ酸塩を使用する場
合にあっては、フッ化水素酸の添加時にシュウ酸が遊離
してくるため、これを回収して、再利用することが可能
となる。
【0040】さらに、鉄やニッケルやコバルト等の遷移
金属のシュウ酸塩の殆どが水溶性を有するものであるこ
とから、本発明手法において、特に、希土類のシュウ酸
塩を希土類フッ化物の製造原料として使用する場合にあ
っては、かかる原料等に由来する不純物としての遷移金
属のシュウ酸塩が、操作中に水に溶解して、除去される
こととなり、以て最終的に得られる希土類フッ化物の高
純化が効果的に図られ得るといった利点をも、有してい
るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において、原料としてシュウ酸ネオジ
ムを用いて製造された無水フッ化ネオジムたる沈殿物の
X線回折図である。
【図2】実施例2において、原料として炭酸ネオジムを
用いて製造された無水フッ化ネオジムたる沈殿物のX線
回折図である。
【図3】実施例3において、原料として水酸化ネオジム
を用いて製造された無水フッ化ネオジムたる沈殿物のX
線回折図である。
【図4】比較例1において製造された無水フッ化ネオジ
ムのX線回折図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類原料として、水に難溶性の希土類
    のシュウ酸塩、炭酸塩、水酸化物のうちの少なくとも何
    れか1種のものを準備し、次いでそれにフッ化水素酸を
    加えて、それら希土類原料とフッ化水素酸とを直接に反
    応せしめることにより、沈殿物を得、その後この沈殿物
    を分離し、焙焼することを特徴とする希土類フッ化物の
    製造方法。
JP5145678A 1993-05-24 1993-05-24 希土類フッ化物の製造方法 Pending JPH06329414A (ja)

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