JP2001146424A - 酸化ニオブ及び/又は酸化タンタルの製造方法 - Google Patents
酸化ニオブ及び/又は酸化タンタルの製造方法Info
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Abstract
化ニオブ及び/又は酸化タンタルの製造法を得る。 【解決手段】溶解工程、抽出工程、晶析濾過工程、焼成
工程からなる酸化ニオブ及び/又は酸化タンタルの製造
プロセスにおいて、該晶析濾過工程濾液を溶解工程へ戻
し、ニオブ及び/又はタンタルを該晶析濾過工程濾液と
硫酸を用いて溶解する。
Description
タンタルの精製プロセスに関する。
分野や光学分野等で広く用いられている。これらの分野
では、高純度品が必要とされ、なかでもニオブ酸リチウ
ムやタンタル酸リチウム単結晶製造のための原料用途で
は、不純物金属含有量の低い酸化ニオブや酸化タンタル
が求められてきた。
タルを精製する方法として、例えば溶媒抽出法、イオン
交換樹脂法等の方法が提案されてきた。例えば米国特許
第2,962,327号明細書では、ニオブ及びタンタルを含む
鉱石を微粉砕して、これをフッ酸と鉱酸、例えば硫酸と
の混酸で処理し、ニオブ及びタンタルを鉄、マンガン、
カルシウム、希土類元素その他の金属不純物と共に溶解
し、この溶解液を低級脂肪族のケトン、エステル、又は
エーテルなどの有機溶媒、特にメチルイソブチルケトン
等と接触させ、ニオブ及びタンタルを有機溶媒相に抽出
分離する方法が記載されており、また特開昭58-176128
号公報においては前記溶解液をF型陰イオン交換樹脂層
を流通させ、ニオブ及びタンタルを一旦陰イオン交換樹
脂に吸着し、他の不純物と分離した後、フッ化水素酸及
び塩化アンモニウム水溶液で溶離回収する方法などが提
案されている。
料のニオブやタンタルがフッ酸以外の鉱酸に溶解しない
ため、高価なフッ酸が多量必要となり、コスト上昇の原
因となっていた。また、多量のフッ酸の消費に加え、フ
ッ素分は最終的には廃棄されることになるため、フッ化
アンモニウム等のフッ素イオンを含有する廃水も多量発
生する。フッ素イオン含有廃水はそのままでは放流でき
ないため、通常フッ化カルシウム等の不溶性塩としてフ
ッ素イオンを廃棄するが、その沈殿の処理が困難であ
り、環境汚染防止の観点からもフッ酸使用量の削減が求
められていた。
ロセスにおいて、フッ酸等の鉱酸やアンモニア等のアル
カリを再循環使用する方法も提案されている。例えば特
開昭62-158118号公報では、特殊な内張りを施した焼成
炉でフッ化物となっているニオブを焼成し、排出される
フッ酸を回収利用する方法が提案されている。
ための非常に複雑なプロセスや操作、また酸化ニオブを
プラズマ溶射した特殊な焼成容器を必要とするうえ、ア
ンモニアを用いてタンタルを水酸化タンタルとして晶析
および濾過する工程と、水酸化タンタルを焼成する工程
とにおいて、廃棄物としてフッ化アンモニウムが発生
し、フッ素イオンがプロセス外に排出されるため、フッ
酸の補給が必要となる問題点があった。
フッ素イオンをプロセス外に排出しない、より簡便で且
つ低コストの酸化ニオブ及び/又は酸化タンタルの製造
方法について種々検討を行い、本発明を完成した。
び/又はタンタルを溶解して、その水溶液を得るための
溶解工程と、水溶液中にイオンとして存在するニオブ及
び/又はタンタルを有機溶媒に抽出した後に水相に再抽
出する抽出工程と、該再抽出水中においてイオン状態に
あるニオブ及び/又はタンタルとアルカリを混合するこ
とにより水酸化ニオブ及び/又は水酸化タンタルの結晶
を得た後、これを濾過して、水酸化ニオブ及び/又は水
酸化タンタルと含フッ化アルカリ濾液とに分離する晶析
濾過工程と、該水酸化ニオブ及び/又は水酸化タンタル
を焼成し酸化ニオブ及び/又は酸化タンタルとする焼成
工程とからなる酸化ニオブ及び/又は酸化タンタルの製
造方法において、フッ化アルカリ塩を含む該晶析濾過工
程濾液を溶解工程に戻し、該晶析濾過工程濾液と硫酸に
より原料ニオブ及び/又はタンタルを溶解させることを
特徴とする酸化ニオブ及び/又はタンタルの製造方法で
ある。
及び/又はタンタルの原料は、ニオブ及び/又はタンタ
ルを含有する工業製品、鉱物等である。例えば、純度98
%程度の市販の工業用酸化ニオブや工業用酸化タンタ
ル、金属ニオブ、金属タンタル、フェロニオブ、フェロ
タンタル、コロンバイト、ニオカライト、タンタライ
ト、ストルベライト、錫スラグ等が好適に用いられる。
入手が容易な点から、純度98%程度の工業用酸化ニオブ
や工業用酸化タンタル、金属ニオブ、金属タンタル、フ
ェロニオブ、フェロタンタル等の工業製品等がより好ま
しい。
した元素であり、しばしば原料中に混在している。この
ためニオブ及びタンタルは、他の多くの金属不純物、例
えば鉄、チタン、アルミニウム、ニッケル、ケイ素等の
化合物から分離することが工業的に行われており、また
必要に応じて、更にニオブとタンタルを分離することも
行われている。従って本発明にあっては、酸化ニオブ及
び酸化タンタルのうち、少なくとも一方を製造する新規
なプロセスを提供する。
り、まず溶解工程でニオブ及び/又はタンタルを含有す
る原料を溶解して、ニオブ及び/又はタンタルのイオン
を含む水溶液を得る。このとき不溶性の残査が残る場合
には濾過により除去し、水溶液を次の抽出工程に送り、
まず有機溶媒によりニオブ及び/又はタンタルのフッ化
物を抽出し、不純物である金属硫酸塩を分離除去する。
更にこれを水で再抽出して純度を高め、次の晶析濾過工
程において該水溶液にアルカリを加えて、ニオブ及び/
又はタンタルのフッ化物を水酸化物の沈殿とすると共に
水中にフッ化アルカリを生成させる。この場合過剰のア
ルカリは必要により中和し、溶解工程に戻し、前記原料
溶解に供する。なお、水による再抽出により、系内の水
分が過剰となる場合には、溶解工程に戻す前に適宜濃縮
することも行い得る。また前記晶析濾過工程において得
られた水酸化ニオブ及び/又は水酸化タンタルは、焼成
工程において高純度の酸化物として回収する。かくし
て、本発明のプロセスにおいては、系外に実質的にフッ
素成分を排出することはない。以下に各工程について、
さらに詳細に説明する。
タンタルを、フッ化アルカリ塩を含む晶析濾過工程濾液
と硫酸とを用いて溶解し、ニオブ及び/又はタンタルを
イオンとして含む水溶液を得る。
程で用いるアルカリによって異なり、例えばフッ化アン
モニウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等であ
る。また、フッ化アンモニウムを含む晶析濾過工程濾液
を加熱濃縮した場合に生成する酸性フッ化アンモニウム
(NH4F・HF)も好適である。一般的に晶析時には金属を含
まないアルカリ、即ちアンモニア及び/又は炭酸アンモ
ニウム、重炭酸アンモニウム等を用いるため、フッ化ア
ンモニウムあるいは酸性フッ化アンモニウムがより好適
である。
又はタンタルを溶解するに十分なフッ素イオンを含む量
であればよく、一般に水溶液中のフッ素の総量がニオブ
及び/又はタンタルに対し5〜15モル倍量、より好まし
くは7〜10モル倍量となるようにすればよい。本発明で
はほぼ定量的にフッ素イオンが循環するため、晶析濾過
工程濾液をそのまま、あるいは液量を調整するために濃
縮して溶解工程に用いることが好適である。何らかの原
因により、抽出工程でのニオブ及び/又はタンタルの回
収率が低くなり、該ニオブ及び/又はタンタルに同伴し
てフッ素イオンが工程外に損失する等の原因により、フ
ッ素イオンの総量が原料ニオブ及び/又はタンタルの溶
解に支障がでるまで減少した場合、必要に応じてフッ素
イオンを補給してもよい。フッ素イオンを補給する場合
は、フッ酸あるいはフッ化アンモニウム、酸性フッ化ア
ンモニウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等のフ
ッ化アルカリ塩を用いることが好適である。
塩と反応してフッ酸を系内で発生させニオブ及び/又は
タンタルを溶解させるために加えるが、必要に応じて続
く抽出工程でのニオブ及び/又はタンタルの抽出率を向
上させるために溶解に必要な硫酸量に対し過剰量の硫酸
を加えても良い。
る、フッ化アルカリ塩と硫酸の反応は、例えばフッ化ア
ルカリ塩としてフッ化アンモニウムを用いる場合、第1
式で示される平衡反応である。
は酸化タンタルの場合、第2式で示されるようにニオブ
及び/又はタンタルに消費される。なお、以下式中のM
はニオブ及び/又はタンタルを示している。
ような金属の場合は、硫酸は金属の酸化反応によっても
消費され、第4式で示される反応が起こる。
に対し3.5モル倍量以上必要である。また例えばフェロ
ニオブ及び/又はフェロタンタルのような合金を用いる
場合、鉄等の合金に多量含まれるニオブ及び/又はタン
タル以外の不純物金属が硫酸を消費するので、その消費
分の硫酸を加えることが好適である。
に硫酸を加える場合、溶解のために消費される硫酸量に
加え、水溶液中での遊離の硫酸濃度が0.1〜5mol/Lさら
に好ましくは1〜4mol/Lとなるように硫酸を加えてもよ
い。
又はタンタルの抽出率が高く、他の金属不純物との分離
性が良好なことから、通常ニオブ及び/又はタンタル濃
度が元素換算で7〜200g/Lさらには14〜150g/Lとなるよ
うに溶解工程で濃度調整を行うことが好適である。
量はニオブ及び/又はタンタル元素に対し3.5〜65モル
倍量、さらには4〜30モル倍量が好ましい。
ためには、原料ニオブ及び/又はタンタルと、晶析濾過
工程濾液と硫酸を任意の方法で混合すれば良い。操作、
装置の簡便性、発熱の制御を考慮すると、攪拌槽に粉末
あるいは50mm以下に破砕された金属塊、より好ましくは
粉末あるいは20mm以下に破砕された原料ニオブ及び/又
はタンタルと晶析濾過工程濾液とを入れ、攪拌しながら
徐々に硫酸を供給する方法が好適である。溶解時間は、
原料ニオブ及び/又はタンタルを全量あるいは大部分を
溶解するために十分な時間を取れば良く、通常室温にお
いて1〜30時間、より好ましくは2〜20時間混合すること
が好ましい。混合した直後では発熱が生じるため、安全
のために冷却が必要となる場合もあるが、必要に応じて
溶解を促進するために加熱を行っても良い。
を抽出し精製する公知の方法が何ら制限無く用いること
ができる。例えば、別冊化学工業31-1新増補抽出、164
〜175ページ(化学工業社発行、昭和62年)に記載の方
法等が用いられる。
媒は、ケトン類、エステル類、エーテル類、有機リン化
合物類、アミン類等である。必要に応じて、粘度及び密
度を調整するために炭化水素系有機溶媒と希釈混合して
用いても良い。好適に用いられる有機溶媒を例示する
と、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル
等のカルボン酸アルキルエステル類、ブチルエーテル、
イソプロピルエーテル等のエーテル類、リン酸トリブチ
ル、リン酸トリオクチル等のリン酸エステル類、トリオ
クチルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド類、
トリオクチルアミン等のアミン類等が挙げられる。希釈
混合に用いる炭化水素系有機溶媒としては、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン、ケロシン等の芳香族又は脂
肪族炭化水素が挙げられる。特にメチルイソブチルケト
ンのような炭素数3〜10のケトン類や、リン酸トリブチ
ルやトリオクチルホスフィンオキシドのようなリン酸エ
ステルやホスフィンオキシド等の有機リン化合物類は、
ニオブ及び/又はタンタルの抽出率が大きく、ニオブ及
び/又はタンタルと他の金属との分離性が良好である。
更にこれらの有機溶媒を用いる利点は、純水あるいはフ
ッ化アンモニウム等のフッ素イオンを含有する水溶液で
容易にニオブ及び/又はタンタルを有機溶媒から再抽出
(回収)できるため好ましい。また、リン酸エステルや
ホスフィンオキシド等の有機リン化合物類は水相への溶
解度が小さいため、有機溶媒の損失が少なく排水処理が
容易になる点で特に好ましい。
タルを有機溶媒に抽出する方法としては、水溶液と有機
溶媒を混合した後に両者を分離する公知の方法を何ら制
限無く用いることができる。工業的に実施するために
は、水溶液と有機溶媒を向流で連続的に接触させ、多段
階の抽出を行う方法が効率の点で好ましい。パルスカラ
ム、カールカラム、ロータリーディスクカラム、ミキサ
ーセトラー等の装置を用いることが好適である。
及び又はタンタルを効率よく抽出できる量であれば特に
制限無く用いることができる。一般的には、ニオブ及び
/又はタンタルを含む水溶液に対し0.1〜10重量部の範
囲の中で選択するのが好適である。抽出率の点では有機
溶媒量が大きいことが好ましいが、多量の有機溶媒を用
いることはコストの点で不利であるため0.5〜5重量部の
範囲で選択するのがさらに好ましい。
を抽出した有機溶媒に微量含まれる鉄、チタン等の金属
不純物を除去するために、酸性水溶液を用いて有機溶媒
の洗浄操作を行っても良い。この場合フッ酸単独或いは
フッ酸と硫酸、塩酸などの鉱酸の混合物を、0.1〜5mol/
L含む水溶液を用いての洗浄が好適である。
/又はタンタルを抽出した後、水相へと再抽出する。再
抽出によりニオブを水相へ再抽出する場合は純水を用い
ることが好適である。またタンタルを水相へ再抽出する
場合は0.1〜10mol/L、さらに好ましくは1〜5mol/Lのフ
ッ化アンモニウム水溶液を用いることが好適である。晶
析濾過工程濾液に含まれるフッ化アルカリがフッ化アン
モニウムである場合、晶析濾過工程濾液を用いてタンタ
ルを再抽出することが好適である。純水あるいはフッ化
アンモニウム水溶液の液量は、有機溶媒に対し0.1〜10
重量部、さらには0.5〜5重量部とすることが好ましい。
塩、及びニオブ及び/又はタンタルに含まれていた鉄等
の金属物は、抽出工程で有機溶媒に抽出されず、工程廃
液として排出される。
工程で再抽出され晶析濾過工程で結晶化される。このと
き、フッ素イオンはニオブ及び/又はタンタルに結合し
ているため、共に晶析濾過工程へと移動してくる。
てもイオンの形態は変わらず、H2TaF7として晶析工程に
移動する。ニオブの場合は、抽出工程での純水による再
抽出時に第5式に示す平衡により、H2NbOF5が生成し水
相へと再抽出されるが、驚くべきことに平衡で生ずるHF
分も共に再抽出され、溶解工程で第3、4式で示す反応
で消費されたフッ素イオンがほぼ全量再抽出水相に存在
する。
て消費されたフッ素イオンは、晶析濾過工程までほとん
ど減少することなく移動する。そして晶析濾過工程で
は、例えば第6、7式で示すアンモニアの場合のよう
に、アルカリを加えることでフッ素とニオブ及び/又は
タンタルとの結合が解離し、フッ化アルカリ塩が再生さ
れる。ニオブ及び/又はタンタルはそれぞれ水酸化ニオ
ブ及び/又は水酸化タンタルとして結晶となり、再生さ
れたフッ化アルカリ塩は水溶液として溶解しているの
で、濾過分離した後、フッ化アルカリ塩を含む濾液を溶
解工程へと戻しニオブ及び/又はタンタルの溶解に再使
用される。
及び/又はタンタルを晶析する方法は、公知の方法を何
ら制限無く用いることができる。アンモニア、アンモニ
ア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ
を添加する方法、炭酸アンモニウムや重炭酸アンモニウ
ムを加え70〜100℃に加熱する等の晶析方法を用いるこ
とができる。金属を混入させないことがより望ましいた
め、アンモニア、アンモニア水を加える方法、あるいは
炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウムを加え加熱する
方法がより好ましい。
濾過分離は、加圧濾過、フィルタープレス、遠心濾過器
等の公知の方法により行うことができる。
しても良く、必要に応じて過剰のアンモニア分の硫酸に
よる中和や、加熱等の方法により水分を蒸発させ濃縮し
ても良い。
又は水酸化タンタルは、電気炉等の加熱器で焼成する
と、酸化ニオブ及び/又は酸化タンタルが得られる。空
気中あるいは水分を飽和させた空気中にて500〜1000℃
の温度で数時間加熱することで好適に得られる。
化タンタルを製造すると、フッ酸が製造工程外に損失し
ないため、フッ酸の使用量及びフッ素を含有する廃棄物
の量をを従来の十分の一以下に削減することが可能とな
る。また、硫酸及び硫酸アンモニウムを主成分とする廃
水が抽出工程で発生するが、必要に応じて水酸化カルシ
ウムによる中和やアンモニアの回収を行い、セメント等
の原料として再利用可能であり、環境負荷の小さい製造
プロセスとすることができる。
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)製容器
に、表1に示す金属不純物を含有する酸化ニオブ50.7g
とフッ化アンモニウム99gおよび純水100mLを入れた。容
器を攪拌しながら70%-硫酸400gを約1時間で供給した
後、室温で一晩攪拌した。少量の不溶分を濾過により除
いた後、全容が500mLとなるように純水で希釈し、ニオ
ブ元素換算で71g/Lのニオブ水溶液を調製した。
溶液500mLとリン酸トリブチル(TBP)300mLを入れ、30
分間激しく攪拌した後に静置し水溶液に含まれるニオブ
をTBPに抽出した。下層の水溶液層と上層のTBP層を分液
した後、水溶液層を攪拌槽に戻し、新たにTBP300mLを入
れ同様に激しく攪拌した後に2層を分離した。上記抽出
操作をもう一度繰り返し、ニオブが抽出されたTBP900mL
を得た。
lのフッ酸と0.54molの硫酸を含む180mLの混酸水溶液で
洗浄した後、純水900mLを入れ激しく攪拌することでニ
オブを水層へと再抽出した。攪拌槽底部よりニオブが再
抽出された水層を抜き出し、再度純水900mLを攪拌槽に
入れTBPに残存するニオブ分を再度水層へ再抽出し、再
抽出水1800mLを得た。
を加え、ニオブを水酸化ニオブとして晶析後、濾過分離
を行い、晶析濾過工程濾液を得た。
℃で焼成し酸化ニオブ48.7gを得た。得られた酸化ニオ
ブを誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)で分析した
ところ酸化ニオブに含まれる不純物量は表1の結果であ
った。
まれるフッ素イオン量を測定したところ、溶液中に48.9
gのフッ素イオンが含まれており、溶解工程で用いたフ
ッ素分が96.3%の回収率で含まれていることが分かっ
た。
積が150mLになるまで加熱濃縮を行った。濃縮した晶析
濾過工程濾液を、容量1Lの溶解槽に入れ、酸化ニオブ4
8.0gを加え、攪拌しながら70%-硫酸400gを滴下し、1回
目の溶解操作と同様にしてニオブ水溶液500mLを調製し
た。
浄、再抽出、晶析濾過、及び焼成を行い、表1に示す不
純物を含有する酸化ニオブ45.8gを得た。また、2回目
の晶析濾過工程濾液に含まれるフッ素イオンは47.0gで
あった。酸化ニオブの高純度化及びフッ素のリサイクル
ができることが分かった。
を用い、溶解に使用した70%-硫酸量を445gとした他は実
施例1と同様にして、フェロニオブの溶解、抽出、混酸
による洗浄、再抽出、晶析濾過及び焼成を行ない、表2
に示す純度の酸化ニオブ47.8gを得た。晶析濾過濾液に
は48.8gのフッ素イオンが含まれており、溶解に用いた
フッ化アンモニウムのフッ素イオンは、フェロニオブに
多量含まれる鉄による消費はおこらず、ほとんどが晶析
濾過工程濾液中に含まれていた。
施例1と同様に中和、濃縮した後、容量1Lの攪拌容器に
入れた。フェロニオブ53.3gと50%-フッ酸4.0gを加えた
後、硫酸445gを滴下しフェロニオブを溶解した。
に抽出、混酸による洗浄、再抽出、晶析濾過、焼成を行
い、表2に示す純度の酸化ニオブ48.3gと、フッ素イオ
ンを49.0g含む晶析濾過工程濾液を得た。
53.3gを50%-フッ酸と硫酸で溶解する場合、50%-フッ酸
は107g必要となるが、晶析濾過工程濾液を再利用するこ
とにより、わずか4gの50%-フッ酸の追加でフェロニオブ
の溶解を行い、純度の高い酸化ニオブを製造できた。
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)製容器
に、表3に示す金属不純物を含有する金属タンタル40.0
g粉末とフッ化アンモニウム57.5gおよび純水100mlを入
れた。容器を攪拌しながら70%-硫酸315gを約3時間で供
給した後、室温で一晩攪拌した。少量の不溶分を濾過に
より除いた後、全容が500mLとなるように純水で希釈
し、タンタル元素換算で80g/Lのタンタル水溶液を調製
した。
水溶液500mLとリン酸トリブチル(TBP)250mLを入れ、3
0分間激しく攪拌した後に静置し水溶液に含まれるタン
タルをTBPに抽出した。水溶液層とTBP層を分液した後、
水溶液層を攪拌槽に戻し、新たにTBP250mLを入れ同様に
激しく攪拌した後に2層を分離することで、タンタルが
抽出されたTBP500mLを得た。
lのフッ酸と0.54molの硫酸を含む180mLの混酸水溶液で
洗浄した後、濃度0.074g/mL(2mol/L)のフッ化アンモニ
ウム水溶液250mLを入れ激しく攪拌することでタンタル
を水層へと再抽出した。タンタルが再抽出された水層を
抜き出し、再度0.074g/mL-フッ化アンモニウム水溶液25
0mLを攪拌槽に入れTBPに残存するタンタル分を再度水層
へ再抽出した。この操作をもう一度繰り返し、再抽出水
750mLを得た。
加え、タンタルを水酸化タンタルとして晶析後、濾過分
離を行い、晶析濾過工程濾液を得た。
0℃で焼成し酸化タンタル44.9gを得た。得られた酸化タ
ンタルをICP-MSで分析したところ酸化タンタルに含まれ
る不純物量は表3の結果であった。
酸により中和した後、純水により全量を1000mLとし、水
溶液中に含まれるフッ化アンモニウム量を測定したとこ
ろ、溶液中に107gのフッ化アンモニウムが含まれてお
り、溶解工程と再抽出に用いたフッ化アンモニウム量の
96.1%が含まれていることが分かった。
液を、溶解工程戻し分540mLと抽出工程戻し分460mLに分
けた。抽出工程戻し分については、フッ化アンモニウム
4.4gを加えた後、純水により全量を750mLとして抽出工
程での再抽出用フッ化アンモニウム水溶液とした。
加熱濃縮を行った後、容量1Lの溶解槽に入れ、金属タン
タル粉末40.0gを加え、攪拌しながら70%-硫酸315gを滴
下し、1回目の溶解操作と同様にしてニオブ水溶液500mL
を調製した。
浄、再抽出用フッ化アンモニウム水溶液での再抽出、晶
析濾過、及び焼成を行い、表3に示す不純物を含有する
酸化タンタル45.0gを得た。また、2回目の晶析濾過工
程濾液に含まれるフッ化アンモニウム量は108gであっ
た。
ムである。
Claims (1)
- 【請求項1】原料ニオブ及び/又はタンタルを溶解し
て、その水溶液を得るための溶解工程と、水溶液中にイ
オンとして存在するニオブ及び/又はタンタルを有機溶
媒に抽出した後に水相に再抽出する抽出工程と、該再抽
出水中においてイオン状態にあるニオブ及び/又はタン
タルとアルカリを混合することにより水酸化ニオブ及び
/又は水酸化タンタルの結晶を得た後、これを濾過し
て、水酸化ニオブ及び/又は水酸化タンタルと含フッ化
アルカリ濾液とに分離する晶析濾過工程と、該水酸化ニ
オブ及び/又は水酸化タンタルを焼成し酸化ニオブ及び
/又は酸化タンタルとする焼成工程とからなる酸化ニオ
ブ及び/又は酸化タンタルの製造方法において、フッ化
アルカリ塩を含む該晶析濾過工程濾液を溶解工程に戻
し、該晶析濾過工程濾液と硫酸により原料ニオブ及び/
又はタンタルを溶解させることを特徴とする酸化ニオブ
及び/又はタンタルの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32629399A JP2001146424A (ja) | 1999-11-17 | 1999-11-17 | 酸化ニオブ及び/又は酸化タンタルの製造方法 |
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---|---|---|---|
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Publications (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN105129851A (zh) * | 2015-08-20 | 2015-12-09 | 宁夏东方钽业股份有限公司 | 一种高纯氧化铌的制备方法 |
CN113526553A (zh) * | 2021-08-30 | 2021-10-22 | 南京弘顺和生物科技有限公司 | 一种超细氢氧化铌制备方法及其生产设备 |
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1999
- 1999-11-17 JP JP32629399A patent/JP2001146424A/ja active Pending
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