JP3415844B2 - フッ化物含有鉱石からのセリウムの回収 - Google Patents
フッ化物含有鉱石からのセリウムの回収Info
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Description
【発明の詳細な説明】
発明の分野
本発明は、バストネス石のようなフッ化物を含有する
希土類鉱石からのセリウム分の回収に関する。
希土類鉱石からのセリウム分の回収に関する。
緒 言
合衆国における主な希土類源鉱物はバストネス石、ラ
ンタノイドのフッ化炭酸塩混合物である。バストネス石
の精練は、粉砕、浮選、ばい焼、および浸出の各工程を
含み、これにより鉱石中に含有されている種々の希土類
成分の段階的な分離および濃縮が成し遂げられる。精製
されたセリウムを高収率で回収することが極めて困難で
あることは、実証されている。現在、セリウムの需要は
増大しつつあり、バストネス石からのセリウムの収率を
向上させる方法が必要とされている。
ンタノイドのフッ化炭酸塩混合物である。バストネス石
の精練は、粉砕、浮選、ばい焼、および浸出の各工程を
含み、これにより鉱石中に含有されている種々の希土類
成分の段階的な分離および濃縮が成し遂げられる。精製
されたセリウムを高収率で回収することが極めて困難で
あることは、実証されている。現在、セリウムの需要は
増大しつつあり、バストネス石からのセリウムの収率を
向上させる方法が必要とされている。
発明の概要
本発明は、鉱石または精鉱のようなフッ化物含有混合
物からのセリウム分の収率を向上させるための方法を提
供するものである。
物からのセリウム分の収率を向上させるための方法を提
供するものである。
本発明の一態様であるセリウム酸化物を可溶化する方
法は、セリウム酸化物を、可溶化セリウムを含有する浸
出物を形成するために、強酸とホウ素およびフッ素から
なる種とを含有する浸出溶液に接触させる工程を有す
る。
法は、セリウム酸化物を、可溶化セリウムを含有する浸
出物を形成するために、強酸とホウ素およびフッ素から
なる種とを含有する浸出溶液に接触させる工程を有す
る。
本発明の他の態様であるセリウム酸化物およびセリウ
ムフッ化物の混合物からセリウム分を回収する方法は、
前記混合物を、可溶化セリウムとフッ化物およびホウ素
化合物の反応生成物とを含有する浸出物を形成するため
に、塩酸と、フッ化物と反応可能なホウ素化合物とを含
有する浸出溶液に接触させる工程を有する。
ムフッ化物の混合物からセリウム分を回収する方法は、
前記混合物を、可溶化セリウムとフッ化物およびホウ素
化合物の反応生成物とを含有する浸出物を形成するため
に、塩酸と、フッ化物と反応可能なホウ素化合物とを含
有する浸出溶液に接触させる工程を有する。
先ず、固体混合物からのセリウム分の可溶化は、該混
合物を塩酸と例えばホウ酸のようなホウ素化合物とを含
有する溶液で処理することにより増進される。この溶液
は、塩酸単独には溶解しないセリウムフッ化物を含む存
在する全てのセリウム分を十分に溶解し得るものである
ことが好ましい。同時に、フッ化物は溶解され、セリウ
ム酸化物の可溶化を促進するフッ化ホウ素酸イオン、BF
4 -に変換されてもよい。セリウム分が減らされた不溶性
の残渣は除去され、セリウム濃縮溶液は、フッ化ホウ素
酸の除去のために以下に述べるようにさらに処理されて
もよい。
合物を塩酸と例えばホウ酸のようなホウ素化合物とを含
有する溶液で処理することにより増進される。この溶液
は、塩酸単独には溶解しないセリウムフッ化物を含む存
在する全てのセリウム分を十分に溶解し得るものである
ことが好ましい。同時に、フッ化物は溶解され、セリウ
ム酸化物の可溶化を促進するフッ化ホウ素酸イオン、BF
4 -に変換されてもよい。セリウム分が減らされた不溶性
の残渣は除去され、セリウム濃縮溶液は、フッ化ホウ素
酸の除去のために以下に述べるようにさらに処理されて
もよい。
次に、フッ化ホウ素酸イオンは、好ましくはセリウム
濃縮溶液から除去される。本発明の一例においては、不
溶性のフッ化ホウ素酸カリウムを沈澱させるために、セ
リウム濃縮溶液に可溶性のカリウムイオン源が加えら
れ、該フッ化ホウ素酸カリウムは除去される。この段階
でのフッ化ホウ素酸の除去は、非セリウム成分の除去の
ためにセリウム濃縮溶液がさらなる処理に用いられる際
に不溶性のフッ化ホウ素酸セリウムとして存在するセリ
ウム分の損失を回避する。その結果、セリウムが濃縮さ
れるとともにフッ化物が減らされた溶液は、従来のセリ
ウム含有溶液を用いた工程と同様のセリウム回収工程で
セリウムの収率を向上させるために利用可能である。
濃縮溶液から除去される。本発明の一例においては、不
溶性のフッ化ホウ素酸カリウムを沈澱させるために、セ
リウム濃縮溶液に可溶性のカリウムイオン源が加えら
れ、該フッ化ホウ素酸カリウムは除去される。この段階
でのフッ化ホウ素酸の除去は、非セリウム成分の除去の
ためにセリウム濃縮溶液がさらなる処理に用いられる際
に不溶性のフッ化ホウ素酸セリウムとして存在するセリ
ウム分の損失を回避する。その結果、セリウムが濃縮さ
れるとともにフッ化物が減らされた溶液は、従来のセリ
ウム含有溶液を用いた工程と同様のセリウム回収工程で
セリウムの収率を向上させるために利用可能である。
本発明の詳細な説明
バストネス鉱石は、通常、希土類酸化物LnOとして算
出される約5乃至8概して約6重量%の希土類を含有し
ている(希土類分6%)。残部は、例えば会合石英、重
晶石、方解石およびストロンチアン鉱のような不純物と
みなされるものを含有する。鉱石は粉砕され、さらに10
0メッシュのスクリーンを通過する大きさまですり潰さ
れる。通常、粒径は約1乃至100ミクロンの範囲にあ
り、好ましくは約5〜25ミクロンの範囲にある。
出される約5乃至8概して約6重量%の希土類を含有し
ている(希土類分6%)。残部は、例えば会合石英、重
晶石、方解石およびストロンチアン鉱のような不純物と
みなされるものを含有する。鉱石は粉砕され、さらに10
0メッシュのスクリーンを通過する大きさまですり潰さ
れる。通常、粒径は約1乃至100ミクロンの範囲にあ
り、好ましくは約5〜25ミクロンの範囲にある。
すり潰された鉱石は、その後、希土類化合物から相当
量の不純物を分離するための浮選工程に付される。一般
に、浮選工程中で、バストネス石は、例えば石英、重晶
石、方解石およびストロチアン鉱のような会合鉱物から
分離される。この工程は、酸化物として算出される希土
類を約60重量%含有する精鉱を生み出す。
量の不純物を分離するための浮選工程に付される。一般
に、浮選工程中で、バストネス石は、例えば石英、重晶
石、方解石およびストロチアン鉱のような会合鉱物から
分離される。この工程は、酸化物として算出される希土
類を約60重量%含有する精鉱を生み出す。
この濃縮物は、その後、アルカリ土類成分のいくらか
を除去するために希塩酸(pH約1.0)による最初の酸浸
出に付される。この処理は、酸化物として算出される希
土類をほぼ70重量%含有する濃縮された精鉱を生み出
す。
を除去するために希塩酸(pH約1.0)による最初の酸浸
出に付される。この処理は、酸化物として算出される希
土類をほぼ70重量%含有する濃縮された精鉱を生み出
す。
この濃縮された精鉱は、その後、通常、空気の存在下
で約400℃乃至約800℃の温度でばい焼される。このばい
焼工程は、フッ化炭酸塩鉱物をフッ化物と酸化物との混
合物に変えるとともに含有されているセリウムを四価の
状態に酸化させる。このばい焼工程はまた、残存するア
ルカリ土類成分をそれらの相当する酸化物に酸化させ
る。代表的なばい焼鉱石は、酸化物、炭酸塩および/ま
たは例えば精鉱中の酸化物として算出した場合にそれぞ
れ0.5重量%、7.0重量%、5.0重量%および1.0重量%の
ストロンチウム、カルシウム、バリウムおよびマグネシ
ウムのフッ化物を含有し得るものである。
で約400℃乃至約800℃の温度でばい焼される。このばい
焼工程は、フッ化炭酸塩鉱物をフッ化物と酸化物との混
合物に変えるとともに含有されているセリウムを四価の
状態に酸化させる。このばい焼工程はまた、残存するア
ルカリ土類成分をそれらの相当する酸化物に酸化させ
る。代表的なばい焼鉱石は、酸化物、炭酸塩および/ま
たは例えば精鉱中の酸化物として算出した場合にそれぞ
れ0.5重量%、7.0重量%、5.0重量%および1.0重量%の
ストロンチウム、カルシウム、バリウムおよびマグネシ
ウムのフッ化物を含有し得るものである。
このばい焼された鉱石は、その後、より濃厚な酸溶液
を用いた2回目の酸浸出に付される。通常、この2回目
の浸出は、ほぼ0.1乃至0.5N、好ましくは0.2Nの塩酸を
用いる。この浸出の目的は、残存するアルカリ土類成分
を除去することおよび他の希土類酸化物からセリウムを
分離することである。セリウムの相当の部分は、不溶性
の残渣(“セリウム濃縮物”)として回収される一方、
可溶化された希土類は除去され、回収のための分離溶媒
抽出施設に送られる。
を用いた2回目の酸浸出に付される。通常、この2回目
の浸出は、ほぼ0.1乃至0.5N、好ましくは0.2Nの塩酸を
用いる。この浸出の目的は、残存するアルカリ土類成分
を除去することおよび他の希土類酸化物からセリウムを
分離することである。セリウムの相当の部分は、不溶性
の残渣(“セリウム濃縮物”)として回収される一方、
可溶化された希土類は除去され、回収のための分離溶媒
抽出施設に送られる。
この2回目の酸浸出により得られた固体セリウム濃縮
物は、通常、鉄化合物、トリウム化合物、アルカリ土類
化合物、鉛化合物およびカルシウム化合物のような他の
成分とともにセリウム酸化物およびセリウムフッ化物
(たとえば、フッ化第一セリウム、フッ化第二セリウ
ム、フッ化セリウム含水物)を含むセリウム化合物の混
合物を含有する。
物は、通常、鉄化合物、トリウム化合物、アルカリ土類
化合物、鉛化合物およびカルシウム化合物のような他の
成分とともにセリウム酸化物およびセリウムフッ化物
(たとえば、フッ化第一セリウム、フッ化第二セリウ
ム、フッ化セリウム含水物)を含むセリウム化合物の混
合物を含有する。
従来の方法では、固体セリウム濃縮物は、その後の処
理のためにセリウム分を可溶化させるべく、より一層濃
厚な塩酸溶液(たとえば、HCl約50重量%)を用いた3
回目の酸浸出により処理される。この段階で可溶化され
ていないセリウム分は、通常、失われる。塩酸溶液中で
セリウム酸化物は溶解するが、セリウムフッ化物は不溶
性である。このように、従来の方法では、フッ化物とし
て存在するセリウム分は通常は失われる。
理のためにセリウム分を可溶化させるべく、より一層濃
厚な塩酸溶液(たとえば、HCl約50重量%)を用いた3
回目の酸浸出により処理される。この段階で可溶化され
ていないセリウム分は、通常、失われる。塩酸溶液中で
セリウム酸化物は溶解するが、セリウムフッ化物は不溶
性である。このように、従来の方法では、フッ化物とし
て存在するセリウム分は通常は失われる。
しかしながら、本発明によれば、固体すなわちフッ化
物含有混合物からのセリウム分の可溶化は、この混合物
を、ホウ酸のような適当なホウ素化合物が添加された強
酸、すなわち水溶液中で著しくイオン化された酸の濃縮
溶液で処理することにより増進される。適当なホウ素化
合物は、セリウムフッ化物として存在しているものを含
有する混合物中のフッ化物と反応可能なものであってフ
ッ化ホウ素酸、たとえばフッ化ホウ素酸塩としての沈澱
により溶液から順々に除去され得るフッ素とホウ素との
可溶性の錯体を形成するものである。本発明を実施する
場合に使用され得る強酸は、例えば塩酸、硝酸、硫酸お
よびそれらの混合物を含み、塩酸は特に好ましい。本発
明に従ってホウ素化合物を使用することは、二つの重要
な利点を有している。第一は、セリウムフッ化物が溶解
されることにより固体混合物からのセリウムの収率が増
大されることである。第二は、フッ化ホウ素酸イオンが
セリウム酸化物の溶解を促進することによりセリウム分
がより速やかに、またより効率よく溶液となることであ
る。このことは酸浸出工程の遂行に要する時間を短縮
し、この方法の生産性を増大させる。
物含有混合物からのセリウム分の可溶化は、この混合物
を、ホウ酸のような適当なホウ素化合物が添加された強
酸、すなわち水溶液中で著しくイオン化された酸の濃縮
溶液で処理することにより増進される。適当なホウ素化
合物は、セリウムフッ化物として存在しているものを含
有する混合物中のフッ化物と反応可能なものであってフ
ッ化ホウ素酸、たとえばフッ化ホウ素酸塩としての沈澱
により溶液から順々に除去され得るフッ素とホウ素との
可溶性の錯体を形成するものである。本発明を実施する
場合に使用され得る強酸は、例えば塩酸、硝酸、硫酸お
よびそれらの混合物を含み、塩酸は特に好ましい。本発
明に従ってホウ素化合物を使用することは、二つの重要
な利点を有している。第一は、セリウムフッ化物が溶解
されることにより固体混合物からのセリウムの収率が増
大されることである。第二は、フッ化ホウ素酸イオンが
セリウム酸化物の溶解を促進することによりセリウム分
がより速やかに、またより効率よく溶液となることであ
る。このことは酸浸出工程の遂行に要する時間を短縮
し、この方法の生産性を増大させる。
セリウム酸化物は純粋な濃塩酸には、本来、溶解しな
いが、塩酸中のわずかな濃度の可溶性フッ化物イオンは
セリウム酸化物の溶解をきわめて効果的に促進すること
が以前より認められている。ホウ酸のようなホウ素化合
物と、セリウム鉱石濃縮物におけるフッ化物成分のよう
なフッ化物との反応生成物が、塩酸溶液中のセリウム酸
化物の溶解にとってフッ化物単体と同等以上の効果的な
触媒であることが、今や本発明の実施において見出され
た。触媒種は、ホウ素とフッ素との錯体、特にフッ化ホ
ウ素酸であり、その中でも特にフッ化ホウ素酸イオン、
BF4 -であると信じられている。また、フッ化ホウ素酸イ
オンは、酸溶液中でフッ化ホウ素酸イオンの加水分解に
よって生じ得るその他のフッ化ホウ素酸の種であるBF3O
H-と平衡状態にあり、そのような種もまた酸化セリウム
の溶解において触媒活性を有しているものと信じられて
いる。溶液中には、フッ化ホウ素酸を含有する大きな錯
体あるいはフッ化ホウ素酸と平衡状態で存在する種のよ
うなホウ素とフッ素とからなる他の種も恐らくは存在し
ているであろう。ここで用いているように、“フッ化ホ
ウ素酸”なる語は、フッ化ホウ素酸と、ホウ素およびフ
ッ素を含有する溶液中でフッ化ホウ素酸を含有する種あ
るいはフッ化ホウ素酸と平衡状態にある種とを意味す
る。セリウム酸化物の可溶化のためには、セリウム酸化
物1モル当たり少なくとも0.01モル程度、好ましくは少
なくとも0.05モル程度、さらに好ましくは少なくとも0.
1モル程度の割合で存在させることができる。より大き
な割合で用いられてもよい。
いが、塩酸中のわずかな濃度の可溶性フッ化物イオンは
セリウム酸化物の溶解をきわめて効果的に促進すること
が以前より認められている。ホウ酸のようなホウ素化合
物と、セリウム鉱石濃縮物におけるフッ化物成分のよう
なフッ化物との反応生成物が、塩酸溶液中のセリウム酸
化物の溶解にとってフッ化物単体と同等以上の効果的な
触媒であることが、今や本発明の実施において見出され
た。触媒種は、ホウ素とフッ素との錯体、特にフッ化ホ
ウ素酸であり、その中でも特にフッ化ホウ素酸イオン、
BF4 -であると信じられている。また、フッ化ホウ素酸イ
オンは、酸溶液中でフッ化ホウ素酸イオンの加水分解に
よって生じ得るその他のフッ化ホウ素酸の種であるBF3O
H-と平衡状態にあり、そのような種もまた酸化セリウム
の溶解において触媒活性を有しているものと信じられて
いる。溶液中には、フッ化ホウ素酸を含有する大きな錯
体あるいはフッ化ホウ素酸と平衡状態で存在する種のよ
うなホウ素とフッ素とからなる他の種も恐らくは存在し
ているであろう。ここで用いているように、“フッ化ホ
ウ素酸”なる語は、フッ化ホウ素酸と、ホウ素およびフ
ッ素を含有する溶液中でフッ化ホウ素酸を含有する種あ
るいはフッ化ホウ素酸と平衡状態にある種とを意味す
る。セリウム酸化物の可溶化のためには、セリウム酸化
物1モル当たり少なくとも0.01モル程度、好ましくは少
なくとも0.05モル程度、さらに好ましくは少なくとも0.
1モル程度の割合で存在させることができる。より大き
な割合で用いられてもよい。
セリウム鉱石濃縮物中でセリウム酸化物との混和物の
状態で存在しているセリウムフッ化物のようなセリウム
フッ化物の可溶化のためには、セリウム濃縮物中に存在
しているフッ化物4モル当たり少なくとも0.1モル程度
のホウ素、好ましくはフッ素4モル当たり少なくとも0.
5モル程度のホウ素を供給するに足る十分なホウ素化合
物が用いられる。より好ましくは、存在しているフッ素
4モル毎に少なくとも1モル程度のホウ素を供給するに
足る十分なホウ素化合物が含められる。現時点で最も好
ましい実施例においては、フッ素4モル毎に少なくとも
2モル程度のホウ素が供給される。フッ素に対するホウ
素の割合は、フッ素(F)4モル当たりホウ素(B)が
最大限8モル程度であり、好ましくはフッ素(F)4モ
ル当たりホウ素(B)が4モルを超えない程度が効果的
に用いられる。フッ素に対するホウ素の割合はより低く
てもよいし、より高くてもよい。しかし、より高い割合
とすることにより得られる利益はわずかであり、より低
い割合ではセリウム濃縮物中のセリウムフッ化物の溶解
を少なくすることから結果的にセリウムの収率が低減す
る。本発明によれば、固体混合物中の全セリウムフッ化
物の相当な割合、具体的には、少なくとも10重量%程
度、好ましくは少なくとも25重量%程度、さらに好まし
くは少なくとも50重量%程度が可溶化される。これらの
フッ化物成分は、BF4 -および恐らくはBF3OH-のような可
溶性の種に変換され、同時にセリウム成分が可溶化され
る。
状態で存在しているセリウムフッ化物のようなセリウム
フッ化物の可溶化のためには、セリウム濃縮物中に存在
しているフッ化物4モル当たり少なくとも0.1モル程度
のホウ素、好ましくはフッ素4モル当たり少なくとも0.
5モル程度のホウ素を供給するに足る十分なホウ素化合
物が用いられる。より好ましくは、存在しているフッ素
4モル毎に少なくとも1モル程度のホウ素を供給するに
足る十分なホウ素化合物が含められる。現時点で最も好
ましい実施例においては、フッ素4モル毎に少なくとも
2モル程度のホウ素が供給される。フッ素に対するホウ
素の割合は、フッ素(F)4モル当たりホウ素(B)が
最大限8モル程度であり、好ましくはフッ素(F)4モ
ル当たりホウ素(B)が4モルを超えない程度が効果的
に用いられる。フッ素に対するホウ素の割合はより低く
てもよいし、より高くてもよい。しかし、より高い割合
とすることにより得られる利益はわずかであり、より低
い割合ではセリウム濃縮物中のセリウムフッ化物の溶解
を少なくすることから結果的にセリウムの収率が低減す
る。本発明によれば、固体混合物中の全セリウムフッ化
物の相当な割合、具体的には、少なくとも10重量%程
度、好ましくは少なくとも25重量%程度、さらに好まし
くは少なくとも50重量%程度が可溶化される。これらの
フッ化物成分は、BF4 -および恐らくはBF3OH-のような可
溶性の種に変換され、同時にセリウム成分が可溶化され
る。
本発明を実施するに際しては、フッ化ホウ素酸イオン
を生じさせるために酸中のフッ化物と反応するいずれの
ホウ素化合物をも用いることができる。好適なホウ素化
合物の具体例は、ホウ酸および浸出溶液中で溶解し得る
ホウ酸塩を含み、好ましくはホウ酸カリウムおよびホウ
酸ナトリウム(ホウ砂)のようなアルカリ金属ホウ酸塩
を含む。本発明の方法において使用される強酸性溶液に
おいて、浸出溶液に加えられたホウ酸塩は溶液中にホウ
酸を生じさせるために反応する。ホウ酸塩が用いられた
場合、該ホウ酸塩と反応させるために補助的な無機酸が
必要とされる。このように、ホウ酸はそれ自体が本発明
の方法で使用するのに最も好適なホウ素化合物である。
を生じさせるために酸中のフッ化物と反応するいずれの
ホウ素化合物をも用いることができる。好適なホウ素化
合物の具体例は、ホウ酸および浸出溶液中で溶解し得る
ホウ酸塩を含み、好ましくはホウ酸カリウムおよびホウ
酸ナトリウム(ホウ砂)のようなアルカリ金属ホウ酸塩
を含む。本発明の方法において使用される強酸性溶液に
おいて、浸出溶液に加えられたホウ酸塩は溶液中にホウ
酸を生じさせるために反応する。ホウ酸塩が用いられた
場合、該ホウ酸塩と反応させるために補助的な無機酸が
必要とされる。このように、ホウ酸はそれ自体が本発明
の方法で使用するのに最も好適なホウ素化合物である。
本発明によれば、浸出工程において、セリウム酸化物
およびフッ化物を含有する固体混合物は、ホウ酸のよう
なホウ素化合物の存在下で塩酸の濃厚水溶液により処理
される。このフッ化物は、一般に、金属、通常はランタ
ノイド金属のフッ化塩あるいはそれらの混合物である。
好ましくは、このフッ化物は1種もしくはそれ以上のセ
リウムフッ化物を含有する。本発明の方法は、セリウム
酸化物および1種もしくはそれ以上のセリウムフッ化物
双方の混合物の可溶化に特に効果的である。このよう
に、セリウム酸化物およびセリウムフッ化物双方の相当
な割合を含有する混合物は、本発明における処理に好適
である。一般に、フッ化物として存在しているセリウム
原子に対する酸化物として存在しているセリウム原子の
比率は、1:9以上9:1以下である。好ましくは、この比率
は1:5程度乃至5:1程度であり、さらに好ましくは1:2程
度乃至2:1程度である。たとえば、ばい焼されたバスト
ネス石から得られた濃縮セリウム中において、前記の比
率は1:1程度になり得る。すなわち、セリウムの半分程
度は酸化物の形態で存在し得るととともに半分程度はフ
ッ化物の形態で存在し得る。
およびフッ化物を含有する固体混合物は、ホウ酸のよう
なホウ素化合物の存在下で塩酸の濃厚水溶液により処理
される。このフッ化物は、一般に、金属、通常はランタ
ノイド金属のフッ化塩あるいはそれらの混合物である。
好ましくは、このフッ化物は1種もしくはそれ以上のセ
リウムフッ化物を含有する。本発明の方法は、セリウム
酸化物および1種もしくはそれ以上のセリウムフッ化物
双方の混合物の可溶化に特に効果的である。このよう
に、セリウム酸化物およびセリウムフッ化物双方の相当
な割合を含有する混合物は、本発明における処理に好適
である。一般に、フッ化物として存在しているセリウム
原子に対する酸化物として存在しているセリウム原子の
比率は、1:9以上9:1以下である。好ましくは、この比率
は1:5程度乃至5:1程度であり、さらに好ましくは1:2程
度乃至2:1程度である。たとえば、ばい焼されたバスト
ネス石から得られた濃縮セリウム中において、前記の比
率は1:1程度になり得る。すなわち、セリウムの半分程
度は酸化物の形態で存在し得るととともに半分程度はフ
ッ化物の形態で存在し得る。
固体混合物は、通常、最終的に分割され、好ましくは
10ミクロン以下の粒径を有するようにされる。大きな粒
子ほど溶解に時間を要する。通常、最終的に分割された
固体は、ホウ酸により水中でスラリー化される。酸浸出
溶液中のHClに要求される濃度を有するように十分に濃
縮された塩酸は、その後、かき混ぜながら一定時間、た
とえば2〜3時間かけてゆっくりと加えられる。当初、
酸浸出溶液は、通常、少なくとも50重量%、好ましくは
少なくとも60重量%、さらに好ましくは少なくとも70重
量%、そして一般的には、90重量%以下、好ましくは80
重量%以下のHClを含有している。浸出は、雰囲気温
度、例えば約20℃から液体/固体混合物の沸点、例えば
常圧で約100℃までのいずれの温度でも行うことができ
る。浸出が昇圧下で行われるのであれば、より高い温度
が採用可能である。しかしながら、常圧下では中くらい
の温度、たとえば約40℃から約90℃の間の温度、好まし
くは約50℃から約80℃の間の温度が好適である。約60℃
から約70℃の範囲内の温度、たとえば約65℃の温度が最
も好ましい。浸出操作は、通常、約3時間乃至約12時
間、好ましくは約5時間乃至約9時間、撹拌しながら行
われる。この浸出工程の終わりには、セリウム化合物の
再沈澱を防止するために浸出物中に十分な塩酸を依然と
して存在させるべきであり、好ましくはこの浸出物中の
塩酸濃度は少なくとも約4Nである。
10ミクロン以下の粒径を有するようにされる。大きな粒
子ほど溶解に時間を要する。通常、最終的に分割された
固体は、ホウ酸により水中でスラリー化される。酸浸出
溶液中のHClに要求される濃度を有するように十分に濃
縮された塩酸は、その後、かき混ぜながら一定時間、た
とえば2〜3時間かけてゆっくりと加えられる。当初、
酸浸出溶液は、通常、少なくとも50重量%、好ましくは
少なくとも60重量%、さらに好ましくは少なくとも70重
量%、そして一般的には、90重量%以下、好ましくは80
重量%以下のHClを含有している。浸出は、雰囲気温
度、例えば約20℃から液体/固体混合物の沸点、例えば
常圧で約100℃までのいずれの温度でも行うことができ
る。浸出が昇圧下で行われるのであれば、より高い温度
が採用可能である。しかしながら、常圧下では中くらい
の温度、たとえば約40℃から約90℃の間の温度、好まし
くは約50℃から約80℃の間の温度が好適である。約60℃
から約70℃の範囲内の温度、たとえば約65℃の温度が最
も好ましい。浸出操作は、通常、約3時間乃至約12時
間、好ましくは約5時間乃至約9時間、撹拌しながら行
われる。この浸出工程の終わりには、セリウム化合物の
再沈澱を防止するために浸出物中に十分な塩酸を依然と
して存在させるべきであり、好ましくはこの浸出物中の
塩酸濃度は少なくとも約4Nである。
セリウム分が可溶化されれば、不溶性の残渣が除去さ
れ、セリウム含有溶液について、その後、精製およびセ
リウム分の濃縮の各処理がなされる。
れ、セリウム含有溶液について、その後、精製およびセ
リウム分の濃縮の各処理がなされる。
そのような濃塩酸浸出から生じるセリウム含有溶液の
処理における次の工程は、通常、鉄のようなある種の不
純物を沈澱させることを目的として溶液のpHを十分に上
げるために塩基を加えることを含んでいる。しかしなが
ら、溶液中にフッ化ホウ素酸イオンが存在すると、phが
上昇したときに不純物とともにフッ化ホウ素酸セリウム
が共沈し得ること、およびそのようにして沈澱物中のセ
リウム分が失われ得ることが見出だされた。
処理における次の工程は、通常、鉄のようなある種の不
純物を沈澱させることを目的として溶液のpHを十分に上
げるために塩基を加えることを含んでいる。しかしなが
ら、溶液中にフッ化ホウ素酸イオンが存在すると、phが
上昇したときに不純物とともにフッ化ホウ素酸セリウム
が共沈し得ること、およびそのようにして沈澱物中のセ
リウム分が失われ得ることが見出だされた。
それゆえ、本発明の他の態様では、溶解したセリウム
イオンとフッ化ホウ素酸イオンとを含有する溶液は、セ
リウムが溶液状態であるうちにその溶液からフッ化ホウ
素酸を除去するように処理される。その後、フッ化ホウ
素酸セリウムとしてセリウム分が共沈することなく不純
物を沈澱させるために溶液のpHが上げられ得る。好まし
くは、その溶液は、溶液のpHが上げられる前に沈澱し、
その溶液から分離される不溶性の化合物を形成するため
にフッ化ホウ素酸イオンと反応する物質により処理され
る。
イオンとフッ化ホウ素酸イオンとを含有する溶液は、セ
リウムが溶液状態であるうちにその溶液からフッ化ホウ
素酸を除去するように処理される。その後、フッ化ホウ
素酸セリウムとしてセリウム分が共沈することなく不純
物を沈澱させるために溶液のpHが上げられ得る。好まし
くは、その溶液は、溶液のpHが上げられる前に沈澱し、
その溶液から分離される不溶性の化合物を形成するため
にフッ化ホウ素酸イオンと反応する物質により処理され
る。
本発明において、セリウム含有溶液からのフッ化ホウ
素酸の除去に使用される好適な化合物は、制限なく、酸
に可溶性のカリウム化合物、好ましくは、ハロゲン化
物、硝酸塩、硫酸塩などのような強い無機酸のカリウム
塩を含むものである。塩化カリウムは、その溶液中に未
だ存在していないアニオンをもたらさないことから好適
である。その溶液中でフッ化ホウ素酸カリウムの溶解性
は低く、したがって沈澱して溶液からフッ化ホウ素酸イ
オンを除去する。存在しているフッ化ホウ素酸イオンの
相当な割合、具体的には、少なくとも約25重量%、好ま
しくは少なくとも約40重量%、より好ましくは少なくと
も約60重量%のフッ化ホウ素酸イオンと結合し、溶液か
ら析出させるために十分なカリウムが加えられる。好ま
しくは溶液中に存在しているホウ素イオン1モル当たり
少なくとも約0.5モルのカリウムイオン、さらに好まし
くは少なくとも約1モルのカリウムイオンを供給するに
足る十分なカリウム化合物が加えられる。
素酸の除去に使用される好適な化合物は、制限なく、酸
に可溶性のカリウム化合物、好ましくは、ハロゲン化
物、硝酸塩、硫酸塩などのような強い無機酸のカリウム
塩を含むものである。塩化カリウムは、その溶液中に未
だ存在していないアニオンをもたらさないことから好適
である。その溶液中でフッ化ホウ素酸カリウムの溶解性
は低く、したがって沈澱して溶液からフッ化ホウ素酸イ
オンを除去する。存在しているフッ化ホウ素酸イオンの
相当な割合、具体的には、少なくとも約25重量%、好ま
しくは少なくとも約40重量%、より好ましくは少なくと
も約60重量%のフッ化ホウ素酸イオンと結合し、溶液か
ら析出させるために十分なカリウムが加えられる。好ま
しくは溶液中に存在しているホウ素イオン1モル当たり
少なくとも約0.5モルのカリウムイオン、さらに好まし
くは少なくとも約1モルのカリウムイオンを供給するに
足る十分なカリウム化合物が加えられる。
カリウム化合物は浸出工程のいずれの段階、すなわち
最初の段階、浸出中および最後の段階のいずれで加えて
もよい。好ましくは、溶液中にフッ化ホウ素酸イオンが
形成されており、このフッ化ホウ素酸イオンがカリウム
イオンと反応してフッ化ホウ素酸カリウムの溶解限度に
達した時点で沈澱するようにカリウム化合物は最初の段
階で加えられる。このように、溶液中のフッ化ホウ素酸
イオンの濃縮はフッ化ホウ素酸セリウムの溶解限度より
も低く保たれた状態で行われ、これによりフッ化ホウ素
酸セリウムの沈澱が回避される。
最初の段階、浸出中および最後の段階のいずれで加えて
もよい。好ましくは、溶液中にフッ化ホウ素酸イオンが
形成されており、このフッ化ホウ素酸イオンがカリウム
イオンと反応してフッ化ホウ素酸カリウムの溶解限度に
達した時点で沈澱するようにカリウム化合物は最初の段
階で加えられる。このように、溶液中のフッ化ホウ素酸
イオンの濃縮はフッ化ホウ素酸セリウムの溶解限度より
も低く保たれた状態で行われ、これによりフッ化ホウ素
酸セリウムの沈澱が回避される。
希薄溶液から固体金属分を回収することの困難さを回
避するために浸出物中の可溶化セリウムの濃度はできる
だけ高くすることが望まれる。濃度が高いほど、その後
の処理および最終的な固体セリウム化合物の回収が容易
になる。バストネス石に由来するセリウム濃縮物の浸出
処理により得られるものであってフッ化ホウ素酸イオン
を相当な濃度で含有する塩酸浸出物中では、フッ化ホウ
素酸セリウムの不要な沈澱を回避するためにセリウムイ
オン濃度は相対的に低く、具体的にはセリウム換算で1
リットル当たり約60g以下に保たれなければならない。
避するために浸出物中の可溶化セリウムの濃度はできる
だけ高くすることが望まれる。濃度が高いほど、その後
の処理および最終的な固体セリウム化合物の回収が容易
になる。バストネス石に由来するセリウム濃縮物の浸出
処理により得られるものであってフッ化ホウ素酸イオン
を相当な濃度で含有する塩酸浸出物中では、フッ化ホウ
素酸セリウムの不要な沈澱を回避するためにセリウムイ
オン濃度は相対的に低く、具体的にはセリウム換算で1
リットル当たり約60g以下に保たれなければならない。
本発明の一例によれば、浸出工程中、好ましくは最初
の段階で浸出溶液にカリウムを加えることにより、溶液
中のフッ化ホウ素酸イオン濃度をフッ化ホウ素酸セリウ
ムの溶解限度よりも十分に低く保ち、また、フッ化ホウ
素酸セリウムとしてセリウムを損失すること無く浸出物
中の可溶化セリウム濃度をより高くし得ることが見出さ
れた。したがって、浸出物中のセリウム濃度は、セリウ
ム換算で、1リットル当たり少なくとも約90グラム、好
ましくは少なくとも約120g/l、さらに好ましくは少なく
とも約150g/lとされ得る。
の段階で浸出溶液にカリウムを加えることにより、溶液
中のフッ化ホウ素酸イオン濃度をフッ化ホウ素酸セリウ
ムの溶解限度よりも十分に低く保ち、また、フッ化ホウ
素酸セリウムとしてセリウムを損失すること無く浸出物
中の可溶化セリウム濃度をより高くし得ることが見出さ
れた。したがって、浸出物中のセリウム濃度は、セリウ
ム換算で、1リットル当たり少なくとも約90グラム、好
ましくは少なくとも約120g/l、さらに好ましくは少なく
とも約150g/lとされ得る。
フッ化ホウ素酸カリウムは、たとえば濾過により、セ
リウムが濃縮されているとともにフッ化物が減損されて
いる溶液を残した状態で除去される。本発明では、この
ような溶液がいったん調製され、フッ化ホウ素酸セリウ
ムとしてのセリウムのごくわずかな損失の下にまたは損
失することなく所望の形態でセリウム分を回収するため
にその後の処理に付される。
リウムが濃縮されているとともにフッ化物が減損されて
いる溶液を残した状態で除去される。本発明では、この
ような溶液がいったん調製され、フッ化ホウ素酸セリウ
ムとしてのセリウムのごくわずかな損失の下にまたは損
失することなく所望の形態でセリウム分を回収するため
にその後の処理に付される。
たとえば、この溶液は、従来のバストネス石の塩酸浸
出により得られたセリウム含有溶液の処理のために使用
されるのと同様にして固体炭酸セリウムの回収のために
処理され得る。この工程の一つにおいて、溶液のpHは、
鉄化合物を沈澱させるのに十分な程度、具体的には約2.
6にまで、水酸化ナトリウムのような塩基によって上昇
させられる。この溶液は濾過され、硫化鉛として鉛を沈
澱させるために硫化水素ナトリウムのような可溶性の硫
化物が加えられた後、再度、濾過される。この溶液は、
たとえばpH1.0程度にまで再び酸性化され、可溶性の炭
酸塩、好ましくは炭酸ナトリウム溶液のようなアルカリ
金属炭酸塩がゆっくりと加えられる。可溶性の炭酸塩が
加えられると、炭酸セリウムが沈澱し、たとえば連続的
なベルトフィルター上での濾過により除去される。炭酸
塩の添加は、好ましくない化合物が多少とも沈澱し始め
る前、たとえば溶液のpHが約4.9を超える前に終了され
る。炭酸セリウムはフィルターから回収され、乾燥され
る。このようにして、たとえば、少なくとも純度約90
%、好ましくは少なくとも純度約95%の高純度の炭酸セ
リウムが精製され得る。
出により得られたセリウム含有溶液の処理のために使用
されるのと同様にして固体炭酸セリウムの回収のために
処理され得る。この工程の一つにおいて、溶液のpHは、
鉄化合物を沈澱させるのに十分な程度、具体的には約2.
6にまで、水酸化ナトリウムのような塩基によって上昇
させられる。この溶液は濾過され、硫化鉛として鉛を沈
澱させるために硫化水素ナトリウムのような可溶性の硫
化物が加えられた後、再度、濾過される。この溶液は、
たとえばpH1.0程度にまで再び酸性化され、可溶性の炭
酸塩、好ましくは炭酸ナトリウム溶液のようなアルカリ
金属炭酸塩がゆっくりと加えられる。可溶性の炭酸塩が
加えられると、炭酸セリウムが沈澱し、たとえば連続的
なベルトフィルター上での濾過により除去される。炭酸
塩の添加は、好ましくない化合物が多少とも沈澱し始め
る前、たとえば溶液のpHが約4.9を超える前に終了され
る。炭酸セリウムはフィルターから回収され、乾燥され
る。このようにして、たとえば、少なくとも純度約90
%、好ましくは少なくとも純度約95%の高純度の炭酸セ
リウムが精製され得る。
本発明の他の例では、バストネス石中の少なくとも一
種のセリウム成分およびバストネス石中の少なくとも一
種のフッ化物成分を含有する原料が、濃塩酸、適当なホ
ウ素化合物、そして好ましくはカリウムイオン源を含有
する浸出溶液に接触され得る。適当な原料は、ばい焼さ
れた若しくはばい焼されていない(未加工の)バストネ
ス石、およびそれまでの処理操作によって得られるもの
であってセリウム成分およびフッ化物成分を含有する残
渣を含んでいる。セリウム成分は、たとえば、セリウム
酸化物(ばい焼されたバストネス石に由来)または炭酸
セリウム(未加工のバストネス石に由来)にされ得る。
フッ化物成分は、好ましくは少なくとも一種のセリウム
フッ化物成分を含有する。鉄および鉛のような不純物だ
けではなく、可溶化されたセリウム、フッ化ホウ素酸塩
の種、たとえばフッ化ホウ素酸、アルカリ土類金属、お
よび他のランタノイドを含有する浸出物が形成される。
本発明によれば、セリウム炭酸塩およびセリウムフッ化
物の双方が可溶化され、これによりバストネス石原料か
ら得られるセリウム分の可溶性が高められる。この浸出
物は、その後、セリウム分の分離および回収処理に付さ
れることができる。たとえば、鉄は浸出物のpH値を高め
ることにより沈澱されることができ、鉛は硫化鉛として
の沈澱により除去されることができる。その後、ランタ
ノイド炭酸塩を沈澱させるために濾液に炭酸塩が加えら
れ、これにより溶液中にはアルカリ土類金属炭酸塩が残
る。その後、ランタノイド炭酸塩は、ランタノイド酸化
物を生成するために酸素の存在下でばい焼され、生成し
たランタノイド酸化物は、非セリウム酸化物を溶解させ
るために希塩酸濾過液と接触され、これにより目的のセ
リウム酸化物が残る。セリウム酸化物は濾過により回収
される。
種のセリウム成分およびバストネス石中の少なくとも一
種のフッ化物成分を含有する原料が、濃塩酸、適当なホ
ウ素化合物、そして好ましくはカリウムイオン源を含有
する浸出溶液に接触され得る。適当な原料は、ばい焼さ
れた若しくはばい焼されていない(未加工の)バストネ
ス石、およびそれまでの処理操作によって得られるもの
であってセリウム成分およびフッ化物成分を含有する残
渣を含んでいる。セリウム成分は、たとえば、セリウム
酸化物(ばい焼されたバストネス石に由来)または炭酸
セリウム(未加工のバストネス石に由来)にされ得る。
フッ化物成分は、好ましくは少なくとも一種のセリウム
フッ化物成分を含有する。鉄および鉛のような不純物だ
けではなく、可溶化されたセリウム、フッ化ホウ素酸塩
の種、たとえばフッ化ホウ素酸、アルカリ土類金属、お
よび他のランタノイドを含有する浸出物が形成される。
本発明によれば、セリウム炭酸塩およびセリウムフッ化
物の双方が可溶化され、これによりバストネス石原料か
ら得られるセリウム分の可溶性が高められる。この浸出
物は、その後、セリウム分の分離および回収処理に付さ
れることができる。たとえば、鉄は浸出物のpH値を高め
ることにより沈澱されることができ、鉛は硫化鉛として
の沈澱により除去されることができる。その後、ランタ
ノイド炭酸塩を沈澱させるために濾液に炭酸塩が加えら
れ、これにより溶液中にはアルカリ土類金属炭酸塩が残
る。その後、ランタノイド炭酸塩は、ランタノイド酸化
物を生成するために酸素の存在下でばい焼され、生成し
たランタノイド酸化物は、非セリウム酸化物を溶解させ
るために希塩酸濾過液と接触され、これにより目的のセ
リウム酸化物が残る。セリウム酸化物は濾過により回収
される。
以下の実施例は、本発明に特有の例を説明するための
ものである。これらの実施例は本発明を何等限定するも
のではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲により定
められる。
ものである。これらの実施例は本発明を何等限定するも
のではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲により定
められる。
実施例1
これらの実験では、セリウム濃縮物約80gが水55ml中
にスラリー化された。ホウ酸約5gが加えられ、温度は65
℃に設定され、濃度37%の塩酸約85mlが2時間かけて撹
拌しながら滴加された。ホウ酸を用いない対照反応が準
備され、この対照反応では、セリウム減少剤として濃度
35%の過酸化水素約18mlが前記と同様にして2時間かけ
て添加された。各混合物はさらに1時間撹拌された後、
濾過された。各浸出物の量は、それぞれ85体積%、55体
積%の濃塩酸水溶液により250mlに調整された。塩化カ
リウム約2gを含有する水8mlがホウ酸浸出物80mlに加え
られ、フッ化ホウ素酸カリウムの沈澱が濾過により除去
された。対照浸出物の一部、すなわち塩化カリウムが加
えられていないホウ酸浸出物および塩化カリウムで処理
されたホウ酸浸出物は、いずれも50重量%の水酸化ナト
リム溶液によりpH2.6に調整され、各溶液のセリウム含
量が測定された。結果を表1に示す。
にスラリー化された。ホウ酸約5gが加えられ、温度は65
℃に設定され、濃度37%の塩酸約85mlが2時間かけて撹
拌しながら滴加された。ホウ酸を用いない対照反応が準
備され、この対照反応では、セリウム減少剤として濃度
35%の過酸化水素約18mlが前記と同様にして2時間かけ
て添加された。各混合物はさらに1時間撹拌された後、
濾過された。各浸出物の量は、それぞれ85体積%、55体
積%の濃塩酸水溶液により250mlに調整された。塩化カ
リウム約2gを含有する水8mlがホウ酸浸出物80mlに加え
られ、フッ化ホウ素酸カリウムの沈澱が濾過により除去
された。対照浸出物の一部、すなわち塩化カリウムが加
えられていないホウ酸浸出物および塩化カリウムで処理
されたホウ酸浸出物は、いずれも50重量%の水酸化ナト
リム溶液によりpH2.6に調整され、各溶液のセリウム含
量が測定された。結果を表1に示す。
表1 溶 液 セリウム収率(%)
対 照
pH調整前 57
pH調整後 55
ホウ酸濾液(KCl未添加)
pH調整前 64
pH調整後 55
ホウ酸濾液(KCl処理後)
pH調整前 63
pH調整後 61
これらの実験は、ホウ酸の使用によるセリウムの可溶
性における相対的な向上を示している。ホウ酸濾液(KC
l未添加)の結果は、セリウムの可溶性の向上、およびp
H値が高められる前に溶液からフッ化ホウ素酸イオンが
除去されていないと、ホウ酸浸出物のpH調整の結果とし
てセリウムの損失が起こり得ることを示している。ホウ
酸濾液(KCl処理後)の結果は、セリウムの可溶性の向
上および溶液についてフッ化ホウ素酸イオンの除去処理
がなされた場合のpH調整後におけるセリウム分の優れた
保有性の双方を示している。
性における相対的な向上を示している。ホウ酸濾液(KC
l未添加)の結果は、セリウムの可溶性の向上、およびp
H値が高められる前に溶液からフッ化ホウ素酸イオンが
除去されていないと、ホウ酸浸出物のpH調整の結果とし
てセリウムの損失が起こり得ることを示している。ホウ
酸濾液(KCl処理後)の結果は、セリウムの可溶性の向
上および溶液についてフッ化ホウ素酸イオンの除去処理
がなされた場合のpH調整後におけるセリウム分の優れた
保有性の双方を示している。
実施例2
セリウム濃縮物24.5gとホウ酸4.6gを含有する水99ml
とのスラリーが70℃まで加熱され、その後、2時間かけ
て濃塩酸105mlが加えられた。この混合物は、温度70℃
にてさらに2.5時間かけて反応することが許され、残存
する固体は濾過により除去された。その後、塩化カリウ
ム5.6gが水に溶解されて加えられ、その結果生じたフッ
化ホウ素酸カリウムの沈澱は濾過により除去され、濾液
のpHは、鉄を除去するために水酸化ナトリウムにより2.
6に調整された。
とのスラリーが70℃まで加熱され、その後、2時間かけ
て濃塩酸105mlが加えられた。この混合物は、温度70℃
にてさらに2.5時間かけて反応することが許され、残存
する固体は濾過により除去された。その後、塩化カリウ
ム5.6gが水に溶解されて加えられ、その結果生じたフッ
化ホウ素酸カリウムの沈澱は濾過により除去され、濾液
のpHは、鉄を除去するために水酸化ナトリウムにより2.
6に調整された。
浸出溶液は、セリウム濃縮原料中に存在する全セリウ
ムの約91%を含有していることがわかった。この原料
は、塩酸溶液に不溶性のモナズ石(セリウムリン酸塩)
を少量含有していることから、塩酸浸出溶液系における
そのような原料からのセリウムの最少理論収率は94%〜
97%程度である。したがって、本発明の実施により達成
された可溶化セリウムの収率91%は、理論収率にきわめ
て近いものである。
ムの約91%を含有していることがわかった。この原料
は、塩酸溶液に不溶性のモナズ石(セリウムリン酸塩)
を少量含有していることから、塩酸浸出溶液系における
そのような原料からのセリウムの最少理論収率は94%〜
97%程度である。したがって、本発明の実施により達成
された可溶化セリウムの収率91%は、理論収率にきわめ
て近いものである。
炭酸セリウムを生じるためのさらなる処理は、固体原
料中のセリウム成分の合計に基づいて約82%のセリウム
の総収率をもたらす。対照してみると、説明したような
セリウム濃縮物の可溶化は、本発明に従ってホウ酸およ
び塩化カリウムを使用しない場合には、通常、35〜50%
程度、時折せいぜい65%の総収率をもたらす。このよう
に、本発明の方法を実施することによるセリウムの総収
率は、大幅に増大している。
料中のセリウム成分の合計に基づいて約82%のセリウム
の総収率をもたらす。対照してみると、説明したような
セリウム濃縮物の可溶化は、本発明に従ってホウ酸およ
び塩化カリウムを使用しない場合には、通常、35〜50%
程度、時折せいぜい65%の総収率をもたらす。このよう
に、本発明の方法を実施することによるセリウムの総収
率は、大幅に増大している。
実施例3
セリウム濃縮物58gと、ホウ酸10.95gと、塩化カリウ
ム13.2gを含有する水45mlのスラリーが65℃まで加熱さ
れ、濃塩酸155mlが撹拌しながら2時間かけて加えられ
た。この反応混合物は、65℃にてさらに7時間かけて反
応させられた。セリウム濃縮物からの未反応残渣および
フッ化ホウ素酸沈澱物を含む固体は、濾過により除去さ
れた。濾液のpH値は、鉄を除去するために水酸化ナトリ
ウムにより2.6に調整された。pH調整前の可溶化セリウ
ムの収率は92%であり、pH調整後の収率は85%であっ
た。したがって、この実施例は、本発明の最も好ましい
態様に該当する。
ム13.2gを含有する水45mlのスラリーが65℃まで加熱さ
れ、濃塩酸155mlが撹拌しながら2時間かけて加えられ
た。この反応混合物は、65℃にてさらに7時間かけて反
応させられた。セリウム濃縮物からの未反応残渣および
フッ化ホウ素酸沈澱物を含む固体は、濾過により除去さ
れた。濾液のpH値は、鉄を除去するために水酸化ナトリ
ウムにより2.6に調整された。pH調整前の可溶化セリウ
ムの収率は92%であり、pH調整後の収率は85%であっ
た。したがって、この実施例は、本発明の最も好ましい
態様に該当する。
ここでは、本発明の特定の例を説明しているが、多く
の自明な改変をなし得ることから、本発明はこれらに限
定されないことは明らかである。本発明は添付の請求の
範囲に属するいかなる改変をも含むことが意図されてい
る。
の自明な改変をなし得ることから、本発明はこれらに限
定されないことは明らかである。本発明は添付の請求の
範囲に属するいかなる改変をも含むことが意図されてい
る。
Claims (13)
- 【請求項1】セリウム酸化物とフッ化物とを含有する固
体混合物からセリウムを回収する方法であって、強酸お
よび前記フッ化物と反応可能なホウ素化合物を含有する
浸出溶液と前記混合物とを接触させることを有する方
法。 - 【請求項2】前記ホウ素化合物とフッ化物とが、フッ化
ホウ酸塩の種を形成するために反応する請求項1記載の
方法。 - 【請求項3】前記ホウ素化合物と前記フッ化物とが、四
フッ化ホウ素酸塩のイオン類を形成するために反応する
請求項1または請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】前記浸出溶液が、前記接触工程の間にカリ
ウムと前記フッ化ホウ酸塩の種を有する沈殿物を形成す
るために十分な量のカリウムイオン類を含むことを特徴
とする請求項2に記載の方法。 - 【請求項5】前記沈殿物が、四フッ化ホウ酸カリウムを
含む請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】前記混合物が、酸化セリウムおよびフッ化
セリウムを含有し、前記方法が、前記フッ化物と前記ホ
ウ素化合物との反応産物と可溶化セリウムとを含む浸出
物を形成するために、前記フッ化物と反応することがで
きるホウ素化合物および塩酸を含む浸出溶液と、前記酸
化セリウムおよびフッ化セリウムの混合物とを接触させ
ることを含む請求項1記載の方法。 - 【請求項7】前記浸出物から前記反応産物を除去するこ
とをさらに含む請求項6記載の方法。 - 【請求項8】カリウムおよび前記反応産物を有する沈殿
物を形成するのに十分な量のカリウムイオン源を、前記
浸出物に添加すること、および前記浸出物から前記沈殿
物を除去することをさらに含む請求項6記載の方法。 - 【請求項9】前記沈殿物が、四フッ化ホウ酸カリウムを
含む請求項8記載の方法。 - 【請求項10】前記固体混合物が、バストネス石から得
られる請求項1から請求項9までのいずれか1つの請求
項に記載の方法。 - 【請求項11】細かく分割されたバストネス石を酸素の
存在下でばい焼すること、および、ばい焼されたバスト
ネス石を、アルカリ土類成分を溶解するのに十分な希塩
酸溶液に接触させること を含む方法により、バストネス石から前記固体混合物が
得られる請求項10記載の方法。 - 【請求項12】前記混合物が、40℃から90℃の間の温度
で前記浸出溶液と接触される請求項1から請求項11まで
のいずれか1つの請求項に記載の方法。 - 【請求項13】前記ホウ素化合物が、ホウ酸およびその
塩類からなる群から選択される請求項1から請求項12ま
でのいずれか1つの請求項に記載の方法。
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