JP3387302B2 - 高純度レアーアースメタル酸化物の製造方法 - Google Patents

高純度レアーアースメタル酸化物の製造方法

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JP3387302B2
JP3387302B2 JP03120196A JP3120196A JP3387302B2 JP 3387302 B2 JP3387302 B2 JP 3387302B2 JP 03120196 A JP03120196 A JP 03120196A JP 3120196 A JP3120196 A JP 3120196A JP 3387302 B2 JP3387302 B2 JP 3387302B2
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レアーアースメタ
ル、特にスカンジュウム(Sc)を水酸化物および炭酸
化物として含有するスカンジュウム化合物の濃縮物から
の高純度酸化スカンジュウムを製造する方法に関するも
のである。ここでスカンジュウム化合物として含有され
る濃縮物とは、例えば、スカンジュウムを微量含有する
酸化物あるいは、ニッケル含有ラテライト又はニッケル
酸化鉱石やタングステン精鉱のタングステン残渣を酸化
性雰囲気の高温、高圧のもとで、スカンジュウムを選択
的に酸浸出した液から、沈殿剤によりスカンジュウム水
酸化物および炭酸化物として沈殿回収して得られた濃縮
物等が挙げられる。
【0002】本発明によれば、使用するスカンジュウム
化合物として含有される濃縮物は水酸化物および炭酸化
物である為、酸化物と比較して容易に酸で溶解でき、こ
のスカンジュウム含有溶液から95%以上の高純度の酸
化スカンジュウムが効率良く製造できる。
【0003】
【従来の技術】スカンジュウムの用途は、高演色ランプ
として体育館やホテルなどに使用されているメタルハラ
イドランプの封入物、固体レーザー発振源としてのレー
ザー用単結晶への添加剤、ディスプレイ用ブラウン管の
長残光オレンジ色蛍光体に使用されている。
【0004】近年、スカンジュウムの新用途として、レ
アーアース化合物を酸の一種のルイス酸として活用した
ルイス酸触媒としてスカンジュウムが非常に有望で、次
世代をになう新触媒として今後おおいに発展が期待され
ている。
【0005】スカンジュウムは地殻中に5〜10ppm
程度含まれているが、スカンジュウム単独で工業的に利
用できる鉱石はほとんど無いに等しく、濃縮性に非常に
乏しいのが現状である。
【0006】スカンジュウムを微量含有する物質として
は、タングステン、錫、ウラン製錬の残渣及びフェロニ
ッケル精錬スラグ、石炭の灰分、赤泥等があるが、これ
らのものはいずれも酸化物の形態である。
【0007】従来のスカンジュウム回収技術としては、
スカンジュウムが微量含有されるこれらの酸化物質を酸
により浸出するが、この際大気圧のもとで浸出した後、
溶媒抽出、キレート及びイオン交換等によりスカンジュ
ウムが分離回収されている。
【0008】この方法によれば、スカンジュウムの浸出
率を90%以上とするには、6M以上の硫酸により温度
90〜100℃で60時間以上の浸出が必要であり、ス
カンジュウム以外に多量に含有されている鉄やアルミニ
ュウムも同時に80%以上が浸出され、浸出液中の鉄や
アルミニュウム濃度はスカンジュウムに対し数百倍にも
なる為、酸消費量が非常に多くなる。
【0009】またこの方法によれば、シリコンも15%
程度浸出され、スカンジュウムに対して数十倍もの濃度
となる為、これがゲル状となりろ過を困難とする。
【0010】この浸出液から高純度酸化スカンジュウム
を製造する為の溶媒抽出法においてはクラッド(もやも
やとしたゲル状の第3相)の発生をもたらし、またキレ
ート抽出及びイオン交換法においては目詰まりや通気性
不良をもたらし、以後の液処理も困難となり、経済性の
面のみならず操業上の面からも問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、レアーアー
スメタル、特にスカンジュウムを水酸化物および炭酸化
物として含有するスカンジュウム化合物の濃縮物を使用
することにより、酸による溶解において特別な溶解条件
を必要とせず、短時間にしかも経済的にスカンジュウム
含有溶液を得ると同時に、この溶解液と溶解残渣物との
ろ過不良もなく、しかもキレート抽出における目詰まり
や通気性不良もなく、経済的に効率良く高純度の酸化ス
カンジュウムが製造できる方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1)スカンジュウムを水酸化物あるいは炭酸化物の化
合物として含有される濃縮物から95%以上の高純度酸
化スカンジュウムを製造するにあたり、工程1−スカン
ジュウムが水酸化物あるいは炭酸化物として含有される
濃縮物を酸性水溶液中に溶解し、スカンジュウム含有溶
液を得る溶解工程と、工程2−工程1で得られたスカン
ジュウム含有溶液をPHを1〜4の範囲に調整後、還元
剤の使用により酸化還元電位が200mv以下の還元液
とする液調整工程と、工程3−工程2で得られた調整液
を、キレート樹脂と接触させ、スカンジュウムを吸着し
たキレート樹脂を形成する抽出工程と、工程4−工程3
で得られたスカンジュウム吸着キレート樹脂を希酸で洗
浄する洗浄工程と、工程5−工程4で得られたスカンジ
ュウム吸着キレート樹脂を強酸でキレート樹脂からスカ
ンジュウムを溶離し、スカンジュウム含有溶液を得る逆
抽出工程と、工程6−工程5で得られたスカンジュウム
含有溶液をPHを0.5〜7.0の範囲に調整後、沈殿
剤によりスカンジュウム沈殿物を得る沈殿工程と、工程
7−工程6で得られたスカンジュウム化合物の沈殿物を
焼成する工程からなる、高純度酸化スカンジュウムの製
造法。 (2)工程1の工程を行った後、工程2から工程5の操
作を1回又は2回以上順次繰り返し行って得られたスカ
ンジュウム含有溶液を次の工程6に供することを特徴と
する(1)記載の製造法、である。
【0013】以下本発明を工程ごとに詳細に説明する。
【0014】本発明におけるスカンジュウム化合物の濃
縮物とは、スカンジュウムを水酸化物および炭酸化物の
形態として、スカンジュウムが0.1〜20重量%含有
するものを云い、これらに該当するものとしては例え
ば、スカンジュウムを微量含有する酸化物、ニッケル含
有ラテライト、ニッケル酸化鉱石などを酸化性雰囲気の
高温、高圧のもとで、スカンジュウムを選択的に酸浸出
した液から、沈殿剤によりスカンジュウム水酸化物およ
び炭酸化物として沈殿回収して得られた濃縮物などが挙
げられる。
【0015】酸化性雰囲気の高温、高圧下で選択的に酸
浸出する方法としては、特願平7―326281、7―
326282に開示したように、たとえばオートクレー
ブを使用し、酸浸出時の温度は150℃以上、圧力は5
kg/cm2以上が必要であり、特に220℃〜260
℃、24〜48kg/cm2の範囲が好ましい。
【0016】酸化性雰囲気とするには、これら物質みず
からのFe23、Al23等の酸化物の作用によりなし
えるが、オートクレーブ内に酸素あるいは空気を吹き込
むことで容易になしえる。
【0017】高温、高圧を維持する為にはオートクレー
ブ内に水蒸気を吹き込むことにより達成される。また、
浸出反応を促進する為には、この蒸気による蒸気撹拌の
他にインペラーによる撹拌により、1時間以内で浸出反
応を終了することが可能である。
【0018】使用される酸は硫酸、塩酸あるいは硝酸の
いずれも可能であるが、オートクレーブ材質の腐食性の
点から硫酸が最も好ましい。酸の使用量は高温、高圧下
のもとで酸浸出した後の浸出液のPHが常温において1
前後となるように調整する。
【0019】以上の条件のもとで酸浸出することによ
り、ニッケルとスカンジュウムの95%以上が浸出さ
れ、鉄及びアルミニュウムの浸出はそれぞれ5%以下及
び10%以下に制御される。
【0020】沈殿剤としては、炭酸ナトリュウム、炭酸
カルシュウム、炭酸アンモニュウム、水酸化ナトリュウ
ム、水酸化カルシュウム、アンモニア水、炭酸マグネシ
ュウム、水酸化マグネシュウム、酸化カルシュウム、酸
化マグネシュウム等を使用して、PHを4超〜6の範
囲、好ましくは、5〜6の範囲に調整すればスカンジュ
ウムは水酸化物又は炭酸化物として沈殿し、濃縮物が得
られる。
【0021】しかしながら、前記の工程で得られるこれ
らスカンジュウム濃縮物の成分は通常、スカンジュウム
が0.1〜20%の他、鉄が1〜20%、アルミニュウ
ムが1〜30%、マンガンが0.5〜20%、シリコン
が0.5〜10%、ニッケルが0.1〜1%、カルシュ
ウムが0.1〜30%、マグネシウムが0.1〜1%、
程度含まれていることがある。
【0022】更にスカンジュウムを高純度化するための
溶解工程において、これらのスカンジュウム濃縮物から
スカンジュウムを酸により溶解する条件は、特別な溶解
条件の必要は無く、常温、常圧で充分であるが、60℃
程度で行うと、さらに効率良い溶解が可能である。
【0023】使用する酸は、酸の種類により、硫酸化物
溶液、塩化物溶液、硝酸化物溶液などとしてスカンジュ
ウム化合物を容易に短時間で溶解出来、溶解時間は1時
間程度で充分である。
【0024】溶解に必要な酸の使用量は、溶解液のPH
が1.5前後となるように調整するが、特に0.5〜
3.0のPH範囲が好ましい。
【0025】PHが0.5未満となると酸の使用量が増
加するほかに、シリコンの溶解度も増加することによ
り、シリコンのゲル化によりろ過不良をもたらし、一方
PHが3.0超となるとスカンジュウムの溶解が不十分
となり、収率が悪くなる。
【0026】以上の条件のもとでの酸溶解において、ス
カンジュウムの90%以上が容易に溶解され、溶解液と
残渣との、ろ過不良もなく、固液分離が容易である。
【0027】液調整工程では、本発明により得られたス
カンジュウム化合物を含有する酸溶解液を、必要に応じ
て炭酸ナトリュウム、炭酸カルシュウム、炭酸アンモニ
ュウム、水酸化ナトリュウム、水酸化カルシュウム、ア
ンモニア水、炭酸マグネシュウム、水酸化マグネシュウ
ム、酸化カルシュウム、酸化マグネシュウム等のアルカ
リなどを使用して、PHを1〜4の範囲、好ましくは、
1.5〜2.5の範囲に調整するが、溶解工程におい
て、あらかじめこのPH範囲で溶解すればPH調整の必
要はなくなる。
【0028】次に、ヒドラジン、水硫化ナトリュウム、
硫化ナトリュウム、硫化アンモニュウム、硫化水素ガ
ス、亜硫酸ガス等の還元剤の使用により酸化還元電位が
200mv以下とすることにより、溶液中の鉄を2価と
することが出来る。これは後のキレート樹脂処理する工
程で鉄の吸着を起こさせないようにするためである。
【0029】抽出工程では、このように調整された液を
キレート樹脂と接触させることにより、スカンジュウム
化合物のほぼ全量が吸着されるが、鉄、アルミニュウ
ム、ニッケルは3〜10%程度の吸着率に制御され、シ
リコンはまったく吸着されず全量液中に残る。その他マ
ンガン、マグネシュウム、カルシュウム等の元素もシリ
コンと同様に吸着されず、全量液中に残る。
【0030】洗浄工程では、このスカンジュウム吸着キ
レート樹脂中に残存している調整液を全量除去する為
に、PHが0.5〜7.0の希酸により洗浄する。この
範囲のPHで実施することにより、スカンジュウムをキ
レート樹脂に吸着させたままで樹脂の洗浄が可能とな
る。
【0031】逆抽出工程では、1N以上、好ましくは3
〜10Nの強酸と接触させることにより、スカンジュウ
ム吸着キレート樹脂からスカンジュウム化合物の全量が
溶離される。この時、スカンジュウムと供に一部吸着さ
れた鉄、アルミニュウム、ニッケルも全量溶離される。
【0032】キレート樹脂による抽出から洗浄さらに逆
抽出の一連の方法は、カラム中に充填したキレート樹脂
中に、調整液と希酸液と強酸液とを連続的に供給するこ
とにより容易になされる。
【0033】さらに強酸液によりスカンジュウムがキレ
ート樹脂から溶離されるが、この時、強酸液の供給量に
よりスカンジュウムの溶離量が経時的に変化することか
ら、スカンジュウムの高濃度液だけを分取することによ
り、調整液中のスカンジュウム濃度よりも高濃度なスカ
ンジュウム含有液となり、一方鉄、アルミニュウム、ニ
ッケル等の不純物もスカンジュウムとほぼ同じ経時変化
を示すが、吸着率自体が低い為、調整液中のこれらの濃
度に比べて低濃度となる。
【0034】従って、この逆抽出工程で得られたスカン
ジュウム含有液を、再度、液調整工程から逆抽出工程ま
でを繰り返し行うことにより、鉄、アルミニュウム、ニ
ッケル等の不純物が少ない高濃度スカンジュウム液が得
られる。
【0035】沈殿工程では、液PHを0.5〜7.0の
範囲に調整後、しゅう酸、しゅう酸アンモニュウム、炭
酸ナトリュウム、炭酸アンモニュウム、水酸化ナトリュ
ウム、アンモニア水等の沈殿剤により高純度なスカンジ
ュウム化合物の沈殿物が得られる。
【0036】このとき、しゅう酸(塩)による場合の液
PHは、好ましくは1〜3の範囲に調整することによ
り、スカンジュウムのほぼ全量を高純度しゅう酸スカン
ジュウムとして回収できる。
【0037】一方、しゅう酸(塩)以外の炭酸ナトリュ
ウム、アンモニア水等のアルカリによる場合の液PH
は、好ましくは5〜6の範囲に調整することにより、ス
カンジュウムのほぼ全量を高純度炭酸スカンジュウムあ
るいは高純度水酸化スカンジュウムとして回収出来る。
【0038】焼成工程では、高純度しゅう酸スカンジュ
ウム、高純度炭酸スカンジュウムあるいは高純度水酸化
スカンジュウムを450℃〜1000℃で焼成すること
により、高純度酸化スカンジュウムを製造することが出
来る。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
する。
【0040】
【実施例1】ニッケル含有ラテライト鉱石を酸化性雰囲
気の高温、高圧のもとで、スカンジュウムを選択的に酸
浸出した液から、沈殿剤によりスカンジュウムを炭酸化
物として沈殿回収して得られたスカンジュウム濃縮物
(Sc;4.9%、Fe;3.9%、Al;22.3
%、Ni;0.3%、Si;0.9%)を水により10
%スラリーとし、温度30℃でPHが1.8となるよう
に35%塩酸を加え1時間かけて溶解した。塩酸使用量
は濃縮物中のSc 1kgに対し57kgであった。
【0041】この時の溶解液濃度は、Sc;3.4g/
l、Fe;2.5g/l、Al;15.2g/l、N
i;0.2g/l、Si;0.04g/lであり、溶解
率はSc;96%、Fe;82%、Al;86%、N
i;98%、Si:6%であった。
【0042】この溶解液と残渣をフィルタープレスによ
り固液分離したところ、ろ過性良好で、1.4m3/m2
・Hrの液処理が可能であった。
【0043】この溶解液をヒドラジンを添加し酸化還元
電位を50mvとし、溶解液中のFe3+をキレート樹脂
が鉄の吸着を起さないようにするために全量Fe2+に調
整した。
【0044】この調整液を、末端H型キレート樹脂を充
填した円筒形カラムに、樹脂容量に対し5倍の液量を通
水したところ、通水良好でScの94%が樹脂中に吸着
し、Fe、Al、Niはわずか6%、4%、6%であ
り、Siはまったく吸着されなかった。
【0045】引き続き、PH2.0とした希塩酸液を調
整液量に対し1/3倍量通水洗浄した後5N塩酸を調整
液量に対し4/5倍量通水しScを樹脂から溶離した。
【0046】この5N塩酸による溶離液のSc高濃度液
領域を調整液量に対し1/3倍量分だけ分取したとこ
ろ、Sc;8.8g/l、Fe;0.4g/l,Al;
1.6g/l、Ni;0.03g/lの高濃度なSc含
有液が得られた。
【0047】この液をアンモニア水によりPH1.2と
した後、Sc量に対し1.1当量のしゅう酸アンモニュ
ウムの使用により、98%の沈殿回収率でしゅう酸スカ
ンジュウムが得られた。
【0048】このしゅう酸スカンジュウムを800℃で
2時間焼成したところ、99.9%の高純度酸化スカン
ジュウムが得られた。
【0049】
【実施例2】タングステン精鉱のタングステン浸出残渣
を酸化性雰囲気の高温、高圧のもとで、スカンジュウム
を選択的に酸浸出した液から、沈殿剤によりスカンジュ
ウムを炭酸化物として沈殿回収して得られたスカンジュ
ウム濃縮物(Sc;9.0%、Fe;5.6%、Al;
13.9%、Si;4.0%、Mn;12.2%)を水
により10%スラリーとして、温度60℃でPHが1.
5となるように98%硫酸を加え1時間かけて溶解し
た。塩酸使用量は濃縮物中のSc 1kgに対し15k
gであった。
【0050】この時の溶解液濃度は、Sc;8.7g/
l、Fe;4.9g/l、Al;12.6g/l、S
i;0.16g/l、Mn;12.3g/lであり、溶
解率はSc;94%、Fe;85%、Al;88%、S
i;4%、Mn:98%であった。
【0051】この溶解液と残渣をフィルタープレスによ
り固液分離したところ、ろ過性良好で、1.2m3/m2
・Hrの液処理が可能であった。
【0052】この溶解液を水硫化ナトリュウムにより酸
化還元電位を50mvとし、溶解液中のFe3+を全量F
2+に調整した。
【0053】この調整液を、末端H型キレート樹脂を充
填した円筒形カラムに、樹脂容量に対し5倍の液量を通
水したところ、通水良好でScの92%が樹脂中に吸着
し、Fe、Alはわずか6%、4%であり、Si、Mn
はまったく吸着されなかった。
【0054】引き続き、PH2.0とした希硫酸液を調
整液量に対し1/3倍量通水洗浄した後5N硫酸を調整
液量に対し4/5倍量通水しScを樹脂から溶離した。
【0055】この5N硫酸による溶離液のSc高濃度液
領域を調整液量に対し1/3倍量分だけ分取したとこ
ろ、Sc;22.1g/l、Fe;0.8g/l、A
l;1.4g/lの高濃度なSc含有液が得られた。
【0056】この液をアンモニア水によりPH1.2と
した後、Sc量に対し1.1当量のしゅう酸アンモニュ
ウムの使用により、99%の沈殿回収率でしゅう酸スカ
ンジュウムが得られた。
【0057】このしゅう酸スカンジュウムを800℃で
2時間焼成したところ、99.9%の高純度酸化スカン
ジュウムが得られた。
【0058】
【比較例】タングステン精鉱をアルカリ処理しタングス
テンを浸出した後の浸出残渣(Fe;42%、Mn;7
%、Al;2.5%、Si;3.3%、Sc;0.01
5%)を水により15%スラリー濃度とし、98%硫酸
をタングステン浸出残渣物に対し1200g、すなわち
タングステン浸出残渣物中のSc 1kgに対し800
0kg加え、95℃の温度で80時間浸出したところ、
浸出後の液PHは0.5であり、浸出液濃度はFe;5
4.3g/l、Al;3.2g/l、Mn;9.5g/
l、Si;0.8g/l、Sc;0.022g/lであ
った。
【0059】この時のSc、Fe、Mn、Al、Siの
浸出率はそれぞれ、91%、82%、85%、80%、
15%であった。
【0060】この浸出液と残渣をフィルタープレスによ
り固液分離したところ、スラリーがゲル化したために目
詰りを起して、わずか5分の通水でろ過が不能となっ
た。
【0061】この時の液処理はわずか10 l/m3、残
渣処理量は0.2kg/m3であり、ろ過後の含水率は
76%であった。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、酸によるスカンジュウ
ム溶解において、特別な溶解条件を必要とせず、短時間
にしかも経済的にスカンジュウム含有液を得ると同時
に、この溶解液と溶解残渣物とのろ過不良なく固液分離
出来る。
【0063】さらに、この溶液を使用した以後のキレー
ト抽出における一連のスカンジュウムの高純度化におい
て、目詰まりや通気性不良なく、スカンジュウムを優先
的に効率良く抽出分離出来ることから、高純度酸化スカ
ンジュウムが容易にしかも効率的に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 薬師寺 弘昌 青森県八戸市大字河原木字遠山新田(番 地なし) 大平洋金属株式会社 八戸製 造所内 (56)参考文献 特開 平9−194211(JP,A) 特開 平9−176756(JP,A) 特開 平9−143589(JP,A) 特開 平9−143588(JP,A) 特開 平1−133920(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01F 17/00 C22B 59/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スカンジュウムを水酸化物あるいは炭酸
    化物の化合物として含有される濃縮物から95%以上の
    高純度酸化スカンジュウムを製造するにあたり、 工程1−スカンジュウムが水酸化物あるいは炭酸化物と
    して含有される濃縮物を酸性水溶液中に溶解し、スカン
    ジュウム含有溶液を得る溶解工程と、 工程2−工程1で得られたスカンジュウム含有溶液をP
    を1〜4の範囲に調整後、還元剤の使用により酸化還
    元電位が200mv以下の還元液とする液調整工程と、 工程3−工程2で得られた調整液を、キレート樹脂と接
    触させ、スカンジュウムを吸着したキレート樹脂を形成
    する抽出工程と、 工程4−工程3で得られたスカンジュウム吸着キレート
    樹脂を希酸で洗浄する洗浄工程と、 工程5−工程4で得られたスカンジュウム吸着キレート
    樹脂を強酸でキレート樹脂からスカンジュウムを溶離
    し、スカンジュウム含有溶液を得る逆抽出工程と、 工程6−工程5で得られたスカンジュウム含有溶液をP
    を0.5〜7.0の範囲に調整後、沈殿剤によりスカ
    ンジュウム沈殿物を得る沈殿工程と、 工程7−工程6で得られたスカンジュウム化合物の沈殿
    物を焼成する工程からなる、高純度酸化スカンジュウム
    の製造法。
  2. 【請求項2】 工程1の工程を行った後、工程2から工
    程5の操作を1回又は2回以上順次繰り返し行って得ら
    れたスカンジュウム含有溶液を次の工程6に供すること
    を特徴とする請求項1記載の製造法。
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