JPH10226828A - 含ロジウム澱物からのロジウム精製法 - Google Patents

含ロジウム澱物からのロジウム精製法

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JPH10226828A
JPH10226828A JP9033561A JP3356197A JPH10226828A JP H10226828 A JPH10226828 A JP H10226828A JP 9033561 A JP9033561 A JP 9033561A JP 3356197 A JP3356197 A JP 3356197A JP H10226828 A JPH10226828 A JP H10226828A
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JP
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rhodium
precipitate
solid
hydrochloric acid
hydrogen peroxide
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JP9033561A
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English (en)
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Minoru Tsukiyama
稔 築山
Koichi Ito
弘一 伊藤
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は上記問題点を解決すべく開発された
ものであり、ロジウムと銅、鉛、ビスマス等の不純物が
多く含有する澱物からロジウムを効率的に分離回収する
ための方法を提供する。 【解決手段】 ロジウム、銅、鉛、ビスマスを含む澱物
に、澱物溶解後の溶液中の遊離塩酸濃度が3〜6Nとな
るように塩酸と過酸化水素水とを加え、澱物を溶解し
て、得られた溶液を固液分離後にアルカリで一次中和
し、固液分離し、溶液とギ酸とを混合してロジウムを一
次還元し、固液分離に還元生成物を塩酸と過酸化水素水
とを用いて溶解し、固液分離後にアルカリを加え二次中
和してBiを沈殿させ、純度の高い含ロジウム溶液と
し、この含ロジウム溶液からギ酸等の還元剤によりロジ
ウムを二次還元して回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非鉄金属製錬工程
で発生するロジウム含有澱物からロジウムを精製する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ロジウムと他の金属が共存する澱物から
ロジウムを精製、回収する方法として、亜硝酸イオンと
金属イオンとからなる錯イオンの安定度の差を利用して
ロジウム以外の金属を沈殿分離させ、母液にロジウムを
残し、母液を濃縮してロジウム塩を結晶として分離する
方法がある。
【0003】しかし、この錯イオンの安定度を利用して
ロジウムと他の金属を相互分離する方法では、比較的高
いpHで他の金属の錯イオンを加水分解させるため、相
当量のロジウムも他の金属と共に沈殿することが避けら
れない。特に、沈殿物として除去しなければならない他
の金属が多ければ多いほど、ロジウムの共沈量も多くな
り、一回の精製で40〜60%程度のロジウムしか回収
することができない場合もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決すべく開発されたものであり、ロジウム、銅、鉛、
ビスマス等の金属を多く含有する澱物からロジウムを効
率的に分離回収するための方法の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の方法は、ロジウム、銅、鉛、ビスマスを含む澱物
に、澱物溶解後の溶液中の遊離塩酸濃度が3〜6Nとな
るように、かつ、過酸化水素水が反応当量(計算量)の
1.2倍以上になるように塩酸と過酸化水素水とを加
え、澱物を溶解して得られた溶液を固液分離後にアルカ
リで一次中和し、固液分離し、該溶液にギ酸を混合して
ロジウムを一次還元し、固液分離後に還元生成物を塩酸
と過酸化水素水とで溶解し、アルカリを加え二次中和し
てBiを沈殿させ、固液分離して、純度の高い含ロジウ
ム溶液を得る。この含ロジウム溶液よりロジウムを回収
するに際しては、ギ酸等の還元剤を添加して二次還元す
る。
【0006】そして、一次中和のpHは1〜4とし、一
次還元時の温度は80〜100℃とし、酸化還元電位を
対塩化銀電極で0〜−100mVとすることが好まし
く、さらに、二次中和のpHは3〜4とすることが好ま
しい。
【0007】
【発明の実施の形態】図1に本発明の実施例にかかるフ
ローチャートを示す。
【0008】ロジウムの他に銅・鉛・ビスマスを含む澱
物を塩酸と過酸化水素水とで溶解するが、ロジウムは化
学的に安定性であり、溶解しにくいので、溶解後の遊離
塩酸濃度が3〜6N程度となるように塩酸−過酸化水素
水を加えるのが好ましい。
【0009】次いで、溶解後の溶液を固液分離した後
に、該溶液にアルカリを加えてギ酸還元できる最適pH
に調整する。アルカリは苛性ソーダが好ましい。最適p
Hは、1〜4が好ましく、さらに2〜3がより好まし
い。pHが1より低いとロジウムクロロ錯体が安定にな
るためか、ロジウムの還元が不充分になる。逆に、pH
が4より高いと、共存する銅・鉛・ビスマス等の不純物
が水酸化物となり、ロジウムがこれらと共に共沈するよ
うになるために好ましくない。
【0010】アルカリ(苛性ソーダ)による中和で沈殿
物が発生するので、固液分離により、沈殿物を除去す
る。固液分離後に該溶液にギ酸を添加して還元する。
【0011】ギ酸による還元時の液温は80℃以上が好
ましい。これ以下では、ギ酸の還元力が弱く、溶液中の
ロジウムを完全に還元することが困難となる。なお、経
済性、安全性から100℃以下が望ましい。
【0012】ギ酸の量は、液中の酸化還元電位でコント
ロールするのが簡便であり、塩化銀電極を基準電極とし
た場合に、0mv以下が終点となる。一方、酸化還元電
位が−100mv以下となると、共存する銅が還元され
はじめるので好ましくなく、0〜−100mvが好まし
い範囲と言える。
【0013】前記ギ酸還元でビスマスを十分分離できな
いから、ギ酸還元によって回収されたロジウム粉末には
未だビスマスを中心とした不純物が含まれており、これ
を除去するために再溶解し、精製する。
【0014】ロジウム粉末の溶解は、澱物の溶解と同様
に塩酸と過酸化水素水とを用いる。この場合、回収した
ロジウム粉末は水中に保存する等、酸化させないように
することが、効率よく再溶解させるために好ましい。酸
化させると再溶解が困難となるからである。塩酸−過酸
化水素水での溶解条件は、澱物溶解時と同様である。
【0015】溶解後に苛性ソーダで二次中和するのは、
ビスマスを水酸化物としてより十分に除去するためであ
る。この目的から、二次中和のpHは3〜4にするのが
好ましい。pH3以下では、ビスマスの沈殿除去が不充
分であり、pH4以上では、ロジウムの水酸化物が生成
し、ビスマスの沈殿物と共沈するため好ましくないから
である。さらに、このときロジウムが水酸化物として沈
殿するのを防ぐのに、液の温度を30℃以下とするのが
好ましい。
【0016】一次中和におけるpHとロジウム溶解力と
の関係 ロジウムを含む原料を溶解して得たRh:15.0g/
リットル、Cu:35.0g/リットル、Pb:16.
0g/リットル、Bi:21.0g/リットルの溶液に
苛性ソーダを添加し、pHと溶液中の各元素の濃度との
関係を求めた。得られた結果を表1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】以上の結果より、ロジウムの溶解濃度が高
いpH1〜4の範囲が好ましいことがわかる。
【0019】ロジウムのギ酸還元と酸化還元電位の関係 次に、上記溶液のpHを2に維持したままギ酸を加え、
酸化還元電位(銀塩化銀電極基準)と各元素の濃度との
関係を求めた。その結果を表2に示した。
【0020】
【表2】
【0021】以上の結果より、ロジウムと他の元素の濃
度差が大きくなる酸化還元電位0〜−100mVの範囲
が好ましいことがわかる。
【0022】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに説明す
る。
【0023】[実施例1]Rhを7.8%、Cuを2
9.4%、Pbを8.1%、Biを10.5%の割合で
含む澱物52kgを300リットルのグラスライニング
槽に装入し、35%工業用塩酸を100リットル入れ、
撹拌しながら、液温が60℃になるまで昇温し、次いで
撹拌しつつ30%工業用過酸化水素水を0.15リット
ル/分の速度で、過酸化水素水が反応当量(計算量)の
1.2倍になるように添加し澱物を溶解し、固液分離し
て溶液を得た。
【0024】この溶液にpHが3に達するまで苛性ソー
ダを添加して一次中和した。添加量は35リットルであ
った。また、液温を測定したところ90℃であった。該
一次中和により沈殿物が発生したので、これを固液分離
した。
【0025】次に、ギ酸を0.1リットル/分の割合で
最終電位が−32mmvに達するまで添加した。なお、
ギ酸添加中は、液温を80〜90℃に保持した。使用し
たギ酸量は22リットルであり、最終pHは2となって
いた。
【0026】得られたスラリーを冷却した後、デンバー
にて濾過し、水洗し、ロジウム濃縮物17kgを得た。
このロジウム濃縮物の品位は、Rh:20.5%、C
u:2.2%、Pb:0.9%、Bi:8.0%であっ
た。
【0027】上記操作を3回繰り返し、ロジウム濃縮物
を合計で50kg貯えた後、これを300リットルグラ
スライニング槽に袋入し、35%工業用塩酸を100リ
ットル入れ、撹拌しながら、液温が60℃になるまで昇
温し、次いで、30%工業過酸化水素水を0.15リッ
トル/分の速度で添加して溶解した。使用した過酸化水
素水は32リットルであった。
【0028】固液分離した後、溶解液に48%苛性ソー
ダ溶液をpHが1になるまで添加し、次いで溶液を30
℃まで冷却しこの温度以下に冷却しながらさらにpH3
に達するまで重曹を添加した。添加量は苛性ソーダ液2
0リットル、重曹8.6kgであった。
【0029】固液分離後に得られた液の量は200リッ
トルであり、液中の各金属の濃度はRh:49.1g/
リットル、Cu:5.4g/リットル、Pb:1.5g
/リットル、Bi:1.7g/リットルとなっていた。
この結果、Rh収率は86.0%となった。この結果
は、本発明の方法によれば、従来法による55%の回収
率より大幅に高い回収率を得ることができることを示し
ている。
【0030】次いで、この溶液に還元剤を添加する二次
還元により、金属ロジウムを析出させ、最終回収率を求
めたところ86.0%であった。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ロジウムの選択
分別性が向上するため、特段の装置を用いることなくロ
ジウムの収率を大幅に向上でき、かつ純度を高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例によるロジウム回収のフロー
チャートである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロジウム、銅、鉛、ビスマスを含む澱物
    に、澱物溶解後の溶液中の遊離塩酸濃度が3〜6Nとな
    るように、かつ、過酸化水素水が反応当量の1.2倍以
    上になるように塩酸と過酸化水素水とを加えて、澱物を
    溶解して得られた溶液を固液分離後にアルカリで一次中
    和し、固液分離し、該溶液にギ酸を混合してロジウムを
    一次還元し、固液分離後に還元生成物を塩酸と過酸化水
    素水とで溶解し、アルカリを加え二次中和してBiを沈
    殿させ、固液分離により含ロジウム溶液を得て、該含ロ
    ジウム溶液よりロジウムを回収することを特徴とする含
    ロジウム澱物からのロジウム精製方法。
  2. 【請求項2】 一次中和のpHは1〜4とする請求項1
    記載のロジウム精製方法。
  3. 【請求項3】 一次還元時の温度は80〜100℃と
    し、酸化還元電位を対塩化銀電極で0〜−100mVと
    する請求項1または2に記載のロジウム精製方法。
  4. 【請求項4】 二次中和のpHは3〜4とする請求項1
    〜3のいずれかに記載のロジウム精製方法。
JP9033561A 1997-02-18 1997-02-18 含ロジウム澱物からのロジウム精製法 Pending JPH10226828A (ja)

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