JP2018188722A - スカンジウムの精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スカンジウムを含有する酸性溶液から一工程でトリウム、ウランの両元素を分離することができる、簡易なスカンジウムの精製方法を提供する。【解決手段】本発明に係るスカンジウムの精製方法は、スカンジウムを含有する酸性溶液を、1級アミンと3級アミンとを含有する混合抽出剤を用いた溶媒抽出に付し、スカンジウムを含有する抽残液と抽出後抽出剤とに分離することを特徴とする。混合抽出剤としては、1級アミンに対して3級アミンを20体積%以上100体積%未満の割合で含有するものであることが特に好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、スカンジウムの精製方法に関し、スカンジウムを含有する酸性溶液から複数の不純物を効率的に分離することができるスカンジウムの精製方法に関する。
スカンジウムは、高強度合金の添加剤や燃料電池の電極材料として極めて有用である。しかしながら、生産量が少なく、高価であるため、広く用いられるには至っていない。
ところで、近年、特許文献1に記載されるように、ラテライト鉱やリモナイト鉱等のニッケル酸化鉱石に含まれる微量のスカンジウムを回収する高圧酸浸出(High Pressure Acid Leach:HPAL)プロセスが提案されている。このHPALプロセスでは、ニッケル酸化鉱石を硫酸と共に加圧容器に装入し、240℃〜260℃程度の高温に加熱してニッケルを含有する浸出液と浸出残渣とに固液分離する。そして、得られた浸出液に対して中和剤を添加して不純物を分離し、次いで硫化剤を添加すると、ニッケルはニッケル硫化物として回収される一方で、スカンジウムは硫化剤添加後の酸性溶液中に含まれるようになる。このように、HPALプロセスを使用することによって、ニッケルとスカンジウムとを効果的に分離することができる。
また、上述した酸性溶液からスカンジウムを回収する方法として、溶媒抽出を用いてスカンジウムを回収する方法も提案されている(特許文献2及び3参照)。例えば、特許文献2には、2−エチルヘキシルスルホン酸−モノ−2−エチルヘキシルをケロシンで希釈した有機溶媒を用いて、スカンジウムを有機溶媒中に抽出する方法が記載されている。また、特許文献3には、スカンジウム含有供給液をバッチ処理によって一定の割合で抽出剤に接触させることにより、スカンジウム含有供給液からスカンジウムを選択的に分離回収する方法が記載されている。
これらの方法で回収されるスカンジウムの品位は、酸化スカンジウムに換算して95%〜98%程度の純度が得られることが知られている。ところが、合金への添加等の用途に対しては十分な品位であるものの、近年需要が高まっている燃料電池の電解質等の用途に対しては、特性を発揮するために、さらに高純度な、例えば99.9%程度の品位が必要とされる。また、特定の元素によっては、許容できる上限の品位があり、スカンジウムの純度にとどまらず、元素個々に許容限度以下まで精製する必要がある。
ニッケル酸化鉱石中に含まれる不純物は、産出する地域によって種類や量の大小にバラツキはあるものの、鉄やアルミニウムの他に、マンガンやマグネシウム等の元素や、さらに場合によっては微量のトリウムやウラン等のアクチノイド元素も含め、様々な不純物元素が含有されている。
しかしながら、特許文献2及び3に開示される溶媒抽出法を用いた場合、いくつかの上述した不純物元素、特にトリウムやウラン等のアクチノイド元素は、スカンジウムと類似の挙動を示すため、ニッケル酸化鉱石から高純度なスカンジウムを工業的に回収することは困難であった。
特許文献4には、スカンジウムを含有する溶液から、アミン系抽出剤を用いた溶媒抽出でトリウムを分離し、その後にシュウ酸化処理を行うことでウランと分離する、スカンジウムの精製方法が提案されている。この特許文献4の方法を用いることにより、99.9%の高純度な酸化スカンジウムの回収が可能とされている。
しかしながら、特許文献4に開示される方法においては、トリウムやウラン等の不純物の種類に応じて、別々の工程で各不純物成分とスカンジウムとの分離を行う処理が必要なこともあり、設備やコスト面での負担が大きかった。
特開平3−173725号公報 特開平9−291320号公報 国際公開第2014/110216号 特開2016−108664号公報
本発明は、上述した事情に鑑みて提案されたものであり、スカンジウムを含有する酸性溶液から一工程でトリウム、ウランの両元素を分離することができる、簡易で経済的なスカンジウムの精製方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、1級アミンと3級アミンとを混合した抽出剤を用いることにより、スカンジウムを含有する酸性溶液から一工程でトリウム、ウランの両元素を抽出して、スカンジウムと分離できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、スカンジウムを含有する酸性溶液を、1級アミンと3級アミンとを含有する混合抽出剤を用いた溶媒抽出に付し、スカンジウムを含有する抽残液と抽出後抽出剤とに分離する、スカンジウムの精製方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記混合抽出剤は、前記1級アミンに対して前記3級アミンを20体積%以上100体積%未満の割合で含有する、スカンジウムの精製方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記1級アミンは、一般式NHRで表され、Rは、炭素数16〜22の分岐アルキル基である、スカンジウムの精製方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記3級アミンは、トリ−ノルマル−オクチル−アミンである、スカンジウムの精製方法である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記抽出後抽出剤を洗浄するスクラビング工程を有し、前記スクラビング工程では、洗浄液(As)に対する前記抽出後抽出剤(Os)の体積比(Os/As)を2以上10以下とする、スカンジウムの精製方法である。
(6)本発明の第6の発明は、第5の発明において、前記抽出後抽出剤に対する逆抽出処理後の抽出剤を洗浄する洗浄工程を有し、前記洗浄工程では、前記スクラビング工程で排出された洗浄後液を洗浄液として使用して洗浄処理を施し、前記洗浄工程での洗浄処理後の抽出剤を、前記溶媒抽出に用いる前記混合抽出剤として再使用する、スカンジウムの精製方法である。
(7)本発明の第7の発明は、第1乃至第6のいずれかの発明において、前記酸性溶液は、スカンジウムを含有する溶液をイオン交換樹脂に通液し、次いで該イオン交換樹脂からスカンジウムを溶離させた溶離液である、スカンジウムの精製方法である。
(8)本発明の第8の発明は、第1乃至第7のいずれかの発明において、前記抽残液にシュウ酸を添加してシュウ酸スカンジウムを含む沈殿物を生成させ、次いで該沈殿物を焙焼して酸化スカンジウムを得る工程をさらに有する、スカンジウムの精製方法である。
本発明によれば、スカンジウムを含有する酸性溶液から一工程でトリウム、ウランの両元素を分離することができる、簡易で経済的なスカンジウムの精製方法を提供することができる。
スカンジウムの精製方法の適用例の一例を示す工程図である。 3級アミンの混合量に対する、ウランの分離係数αと抽残液中のウラン濃度との推移を示すグラフである。 3級アミンの混合量に対する、トリウムの分離係数αと抽残液中のトリウム濃度との推移を示すグラフである。 ウランの抽出挙動に、マッケーブ・シール法による作図を行った一例を示すグラフである。 トリウムの抽出挙動に、マッケーブ・シール法による作図を行った一例を示すグラフである。 洗浄液(As)/抽出後抽出剤(Os)に対する、スカンジウム、トリウム、ウランの回収率を示すグラフである。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、本明細書にて、「X〜Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
≪1.スカンジウムの精製方法≫
本実施の形態に係るスカンジウムの精製方法は、スカンジウムを含有する酸性溶液を、特定の溶媒抽出処理に付して、スカンジウムを精製する方法である。具体的に、このスカンジウムの精製方法においては、スカンジウムを含有する酸性溶液を、1級アミンと3級アミンとを混合した抽出剤(以下、「混合抽出剤」という)を用いた溶媒抽出に付し、スカンジウムを含有する抽残液と抽出後抽出剤とに分離することを特徴としている。
このような溶媒抽出の処理により、その酸性溶液中に含まれる不純物、特にアクチノイド元素であるトリウム(Th)とウラン(U)とを混合抽出剤中に抽出させ、抽出後に酸性溶液に残留することになるスカンジウムと効果的に分離することができる。つまり、一工程での簡便な操作で、トリウムとウランとの両成分を抽出してスカンジウムと分離することができ、高純度のスカンジウムを効率よく精製することができる。
また、好ましくは、混合抽出剤において、1級アミンに対する3級アミンの混合割合を20体積%以上100体積%未満とすることによって、トリウムとウランの抽出効率を高めることができ、スカンジウムの精製効率を向上させることができる。
ここで、溶媒抽出に供するスカンジウムを含有する酸性溶液としては、特に限定されないが、例えば、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスにおいて、ニッケル酸化鉱石のスラリーに対して硫酸等の酸により浸出処理を施して得られる溶液を挙げることができる。なお、この溶液としては、湿式製錬プロセスの浸出処理を経て得られる浸出液や、その浸出液から不純物成分を除去する中和処理を施し、得られた中和後液に硫化剤を添加してニッケルを含む硫化物を回収した後の硫化後液等を挙げることができる。これらの溶液は、硫酸等の酸を含んで構成される酸性溶液であり、ニッケル酸化鉱石に由来するスカンジウムを含有する酸性溶液である。
≪2.スカンジウムの精製方法の適用例について≫
図1は、本実施の形態に係るスカンジウムの精製方法の適用例を示した工程図であり、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスを経て得られた硫化後液に基づいて、スカンジウムを濃縮させる処理を経て得られる酸性溶液に対して溶媒抽出処理を施し、その溶媒抽出により得られた抽残液からスカンジウムを回収するプロセスの一例の図である。
具体的に、図1に示すスカンジウムの回収プロセスは、ニッケル酸化鉱石を硫酸等の酸で浸出することでスカンジウムを含有する酸性溶液を得る湿式製錬処理工程S1と、得られた酸性溶液から不純物を除去してスカンジウムを濃縮させたスカンジウム溶離液を得るスカンジウム溶離工程S2と、スカンジウムを含有する酸性溶液に特定の抽出剤を用いて溶媒抽出に付す溶媒抽出工程S4と、抽残液からスカンジウムを回収するスカンジウム回収工程S5とを有する。なお、溶媒抽出工程S4に先立ち、スカンジウム溶離液に対して中和剤を添加して中和処理を施すことでスカンジウムを高濃度化する処理(中和工程S3)を有するようにすることもできる。また、溶媒抽出工程S4では、得られた抽出後抽出剤から不純物を逆抽出し(逆抽出工程S43)、この逆抽出後の抽出剤を洗浄した後(酸洗浄工程S6)、抽出工程S41で再使用することもできる。
<2−1.湿式製錬処理工程>
スカンジウム精製の処理対象となるスカンジウムを含有する酸性溶液としては、上述したように、ニッケル酸化鉱石に対して硫酸を用いて浸出して得られる硫酸酸性溶液等の、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスを経て得られる溶液を用いることができる。
具体的に、スカンジウムを含有する酸性溶液としては、ニッケル酸化鉱石を高温高圧下で硫酸により浸出して浸出液を得る浸出工程S11と、浸出液に中和剤を添加して不純物を含む中和澱物と中和後液とを得る中和工程S12と、中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る硫化工程S13とを有する湿式製錬処理工程S1により得られる硫化後液を用いることができる。以下では、湿式製錬処理工程S1の流れを簡単に説明する。
(1)浸出工程
浸出工程S11は、例えば高温加圧容器(オートクレーブ)等を用いて、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して240℃〜260℃の温度下で撹拌処理を施し、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを形成する工程である。なお、浸出工程S11における処理は、従来知られているHPALプロセスに従って行えばよく、例えば特許文献1に記載されている。
ここで、ニッケル酸化鉱石としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱が挙げられる。ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8〜2.5重量%であり、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、これらのニッケル酸化鉱石には、スカンジウムが含まれている。
浸出工程S11では、得られた浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを洗浄しながら、ニッケルやコバルト、スカンジウム等を含む浸出液と、ヘマタイトである浸出残渣とに固液分離する。この固液分離処理では、例えば、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、凝集剤供給設備等から供給される凝集剤を用いて、シックナー等の固液分離設備を利用して行うことができる。
(2)中和工程
中和工程S12は、得られた浸出液に中和剤を添加してpH調整し、不純物元素を含む中和澱物と中和後液とを得る工程である。この中和工程S12における中和処理により、ニッケルやコバルト、スカンジウム等の有価金属は中和後液に含まれるようになり、鉄、アルミニウムをはじめとした不純物の大部分が中和澱物となる。
中和剤としては、従来公知のもの使用することができ、例えば、炭酸カルシウム、消石灰、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
(3)硫化工程
硫化工程S13は、上述した中和工程S12により得られた中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る工程である。この硫化工程S13における硫化処理により、ニッケル、コバルト、亜鉛等は硫化物となり、スカンジウムは硫化後液に含まれることになる。
具体的に、硫化工程S13では、得られた中和後液に対して、硫化水素ガス、硫化ナトリウム、水素化硫化ナトリウム等の硫化剤を添加し、不純物成分の少ないニッケル及びコバルトを含む硫化物(ニッケル・コバルト混合硫化物)と、ニッケル濃度を低い水準で安定させ、スカンジウムを含有させた硫化後液とを生成させる。
硫化工程S13における硫化処理では、ニッケル・コバルト混合硫化物のスラリーに対してシックナー等の沈降分離装置を用いた沈降分離処理を施し、ニッケル・コバルト混合硫化物をシックナーの底部より分離回収する。一方で、水溶液成分である硫化後液についてはオーバーフローさせて回収する。
本実施の形態に係るスカンジウムの精製方法では、以上のようなニッケル酸化鉱石の湿式製錬処理工程S1の各工程を経て得られる硫化後液を、スカンジウム精製処理の対象となる、スカンジウムとその他の不純物とを含有する酸性溶液として用いることができる。
<2−2.スカンジウム溶離工程>
上述したように、ニッケル酸化鉱石を硫酸により浸出して得られた、スカンジウムを含有する酸性溶液である硫化後液を、スカンジウム精製処理の対象溶液として適用することができる。ところが、スカンジウムを含有する酸性溶液である硫化後液には、スカンジウムの他に、例えば上述した硫化工程S13における硫化処理で硫化されずに溶液中に残留したアルミニウムやクロム、その他の多種多様な不純物が含まれている。このことから、この酸性溶液を溶媒抽出に付すにあたり、スカンジウム溶離工程S2として、予め、酸性溶液中に含まれる不純物を除去してスカンジウムを濃縮させることが好ましい。
例えば、スカンジウム溶離工程S2では、湿式製錬処理工程S1における硫化工程S13にて得られた硫化後液を、例えばキレート樹脂を使用したイオン交換樹脂に通液し、硫化後液中のスカンジウムや他の不純物をイオン交換樹脂に吸着させた後、イオン交換樹脂からスカンジウムのみを硫酸等の強酸により溶離させることによって、スカンジウムを濃縮させたスカンジウム溶離液を得ることができる。
このようなイオン交換処理において、使用するキレート樹脂の種類としては特に限定されず、例えばイミノジ酢酸を官能基とする樹脂を用いることができる。また、スカンジウム溶離液を得るに際しては、溶離液に用いる硫酸の規定度を0.3N以上3N未満の範囲に維持することが好ましい。
<2−3.中和工程>
上述したスカンジウム溶離工程S2では、キレート樹脂の選択性によってスカンジウムと不純物との分離が行われ、不純物と分離したスカンジウムが溶離液として回収されるが、使用するキレート樹脂の特性上、すべての不純物を完全にスカンジウムと分離できるわけではない。特に、トリウムやウラン等のアクチノイド元素は、スカンジウムと挙動が同一であり、分離が困難となる。
そこで、本実施の形態においては、スカンジウム溶離工程S2で回収したスカンジウム溶離液を、溶媒抽出処理(後述する溶媒抽出工程S4)での抽出始液として用いて溶媒抽出に付すことで、スカンジウムと不純物との分離をさらに進めることができる。
さて、一般的に、溶媒抽出処理においては、処理対象の抽出始液中の目的成分の濃度が高い方が目的外の不純物との分離性能が向上する。また、処理するスカンジウムの物量が同じであるならば、スカンジウムを高濃度に含有する抽出始液であるほど、溶媒抽出に供する液量が少なくて済み、その結果として、使用する抽出剤の物量も少なくて済む。さらに、溶媒抽出処理に必要な設備がよりコンパクトで済むといったような操業効率が向上する等の様々なメリットもある。
このことから、スカンジウム溶離液中のスカンジウム濃度を上昇させるために、すなわちスカンジウムを濃縮させるために、スカンジウム溶離工程S2において例えばキレート樹脂から溶離させたスカンジウム溶離液に対して中和剤を添加してpHを調整して中和処理を施すことが好ましい(中和工程S3)。
具体的に、中和工程S3では、スカンジウム溶離液に中和剤を添加して所定の範囲にpHを調整することによって水酸化スカンジウムの沈殿物を形成させる。その後、得られた水酸化スカンジウムの沈殿物に酸を添加して再度溶解することによって、高いスカンジウム濃度をもった溶液を得ることができる。このように、溶媒抽出工程S4に先立って、スカンジウム溶離液に対し中和処理を施してスカンジウムを濃縮させる中和工程S3を経ることで、溶媒抽出の処理効率を向上させることができる。なお、このような中和工程S3では、スカンジウム溶離液から一旦スカンジウムを含有する沈殿物を形成させて固液分離することで、沈殿物とならなかった不純物を分離する効果も期待できる。
中和剤としては、特に限定されず、例えば水酸化ナトリウム等を用いることができる。中和澱物を溶解させるための酸としては、特に限定されないが、硫酸を用いるのが好ましい。なお、硫酸を用いた場合、その再溶解液は硫酸スカンジウム溶液となる。
<2−4.溶媒抽出工程>
次に、溶媒抽出工程S4では、スカンジウム溶離工程S2により得られたスカンジウム溶離液、又は、スカンジウム溶離液に対して中和処理を施す中和工程S3を経て得られた再溶解液を、特定の抽出剤に接触させて溶媒抽出処理を行う。なお、溶媒抽出に供するスカンジウム溶離液や再溶解液は、上述したように、スカンジウムの他に、トリウムやウラン等の不純物元素を含有する酸性溶液であり、これらを以下では「スカンジウム含有溶液」と称する。
溶媒抽出工程S4における態様としては、特に限定されないが、例えば図1に示すように、スカンジウム含有溶液を、特定の抽出剤を用いた溶媒抽出に付し、不純物と僅かなスカンジウムを抽出した抽出後抽出剤と、スカンジウムを残した抽残液とに分離する抽出工程S41と、抽出後抽出剤に洗浄液を混合して抽出後抽出剤に抽出された僅かなスカンジウムを洗浄液(水相)に分離させて洗浄後液を得るスクラビング工程S42と、抽出後抽出剤に逆抽出剤を添加して抽出後抽出剤から不純物を逆抽出する逆抽出工程S43とを有する溶媒抽出処理を行うことが好ましい。
(1)抽出工程
抽出工程S41では、スカンジウム含有溶液と、特定の抽出剤を含む有機溶媒(抽出溶媒)とを混合して、不純物、特にトリウム(Th)やウラン(U)を選択的に抽出した抽出後抽出剤と、スカンジウムを含有する抽残液とを得る。
[混合抽出剤]
抽出工程S41では、1級アミンと3級アミンとを混合して含有させた抽出剤(以下では「混合抽出剤」という)を用いることを特徴としている。このように、混合抽出剤を用いて溶媒抽出処理を行うことにより、一工程で、効率的に且つ効果的にトリウムやウラン等の不純物を同時に抽出して、スカンジウムと分離することができる。
具体的には、例えば、1級アミンを単独で用いた抽出剤では、トリウムの抽出率は高いものの、ウランはほとんど抽出することができない。一方で、3級アミンを単独で用いた抽出剤では、ウランの抽出率は高く、スカンジウムとの分離性も良好であるものの、トリウムの抽出率が低い。このように、1級アミンと3級アミンとを単独で用いる場合には、一工程でトリウムやウラン等の不純物を同時に抽出して、スカンジウムから効率よく分離するのは困難となる。これに対して、1級アミンと3級アミンとを混合した混合抽出剤を用いることによって、一工程でトリウムやウラン等の不純物を抽出剤に抽出させることができ、抽残液に移行することになるスカンジウムと効率よく分離することができる。
混合抽出剤に用いる1級アミンとしては、例えば、一般式NHRで表され、Rが、炭素数16〜22の分岐アルキル基であるアミン系抽出剤を好ましく用いることができる。具体的には、商品名:PrimeneJM−T(ダウ・ケミカル(株)社製)等を好適に用いることができる。
また、混合抽出剤に用いる3級アミンとしては、例えば、トリ−ノルマル−オクチル−アミン(以下、「TNOA」ともいう)を好ましく用いることができる。具体的には、商品名:ファーミン T−08(花王(株)社製)等を好適に用いることができる。
ここで、1級アミンを抽出剤として単独で用いた場合と、3級アミンを抽出剤として単独で用いた場合とでは抽出挙動が変わるため、1級アミンと3級アミンとの混合抽出剤を用いた溶媒抽出では、単純和となる抽出挙動が得られるわけではない。このことは、後述する実施例及び比較例の結果からも明確に分かる。
このことから、混合抽出剤としては、特定の割合で1級アミンと3級アミンとを混合して構成することが好ましく、これにより、より効果的にトリウムとウランとを抽出することができる。具体的には、1級アミンに対して3級アミンを20体積%以上100体積%未満の割合で含有させて混合抽出剤を構成することが好ましく、20体積%以上60体積%以下の割合で含有させて混合抽出剤を構成することがより好ましい。
混合抽出剤の含有割合に関して、1級アミンに対する3級アミンの含有量が20体積%未満であると、ウラン抽出率が小さくなる傾向となる。また、1級アミンに対する3級アミンの含有量が100体積%以上となると、トリウム抽出率が小さくなる傾向となる。
混合抽出剤を溶媒抽出に使用するにあたっては、上述したように、その混合抽出剤を、例えば、炭化水素系の有機溶媒等で希釈して使用することが好ましい。なお、以下では、混合抽出剤を有機溶媒により希釈して得られたものを「抽出溶媒」という。具体的には、抽出時及び後述する逆抽出時における相分離性等を考慮すると、抽出溶媒中の混合抽出剤の濃度が、1体積%以上10体積%以下程度となるように希釈することが好ましく、5体積%以上9体積%以下程度となるように希釈することがより好ましい。
また、抽出時において、スカンジウム含有溶液(A)に対する抽出溶媒(O)の割合としては、特に限定されないが、体積比O/Aとして、0.5以下であることが好ましい。体積比O/Aが0.5を超える割合でそれぞれを接触させると、混合抽出剤中にスカンジウムが抽出されやすくなってしまい、トリウムとウランとの分離性が低下する可能性がある。
(2)スクラビング(洗浄)工程
上述した抽出工程S41において、スカンジウム含有溶液から不純物を抽出させた抽出後抽出剤中にスカンジウムが僅かに共存する場合には、抽出工程S41における抽出処理を経て得られた抽出後抽出剤を逆抽出する前に、その抽出後抽出剤に対してスクラビング(洗浄)処理を施し、スカンジウムを洗浄液に分離して洗浄後液中に回収することが好ましい(スクラビング工程S42)。
このようにスクラビング工程S42を設けて抽出後抽出剤を洗浄し、混合抽出剤により抽出された僅かなスカンジウムを洗浄液に分離させることで、スカンジウムの回収率をより一層に高めることができる。
スクラビングに用いる洗浄液としては、硫酸溶液や塩酸溶液等を使用することができる。また、水に可溶性の塩化物や硫酸塩を添加したものを使用することもできる。具体的に、洗浄液として硫酸溶液を用いる場合には、0.1mol/L以上3.0mol/L以下の濃度範囲のものを使用することが好ましい。
洗浄段数(回数)としては、不純物元素の種類、濃度にも依存することから使用した、1級アミンと3級アミンとを含有する混合抽出剤の種類や抽出条件等によって適宜変更することができる。例えば、洗浄液(「As」とする)に対する抽出後抽出剤(「Os」とする)の体積比Os/Asを1(1/1)とした場合には、3〜5段程度の洗浄段数とすることで、抽出後抽出剤中に抽出されたスカンジウムを分析装置の検出下限未満まで分離することができる。
このとき、後述する実施例からも明らかなように、体積比Os/Asを1よりも小さくすると、洗浄後液にトリウムとウランとが抽出されてスカンジウムのみの回収が不可能となる。これに対し、体積比Os/Asを1以上にすることで、洗浄後液中に抽出されるトリウムやウランは減少してスカンジウムを選択的に回収することができ、さらに体積比Os/Asを2以上にすることで、ウランの回収率を10%未満、トリウムの回収率を1%未満までに減少させることができる。一方、体積比Os/Asが大きくなると、その分だけ、必要な有機溶媒量が増加する等、コストや設備規模等の点で好ましくない。このことから、スクラビング工程S42では、体積比Os/Asが好ましくは2〜10となるように、より好ましくは2〜4となるようにして、抽出後抽出剤を洗浄液により洗浄する。
(3)逆抽出工程
逆抽出工程S43では、抽出工程S41にて不純物を抽出した抽出後抽出剤から、不純物を逆抽出する。具体的に、逆抽出工程S43では、混合抽出剤を含む抽出後抽出剤に逆抽出溶液(逆抽出始液)を添加して混合することによって、抽出工程S41における抽出処理とは逆の反応を生じさせて不純物を逆抽出し、不純物を含む逆抽出後液を得る。
上述したように、抽出工程S41での抽出処理においては、混合抽出剤を用いてトリウムやウラン等の不純物を選択的に抽出するようにしている。ウランやトリウム等の不純物を効果的に分離させ抽出剤を再生する観点から、逆抽出溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩を含有する溶液を用いることが好ましい。
逆抽出溶液である炭酸塩を含有する溶液の濃度としては、過剰な使用を抑制する観点から、例えば0.5mol/L以上2mol/L以下程度とすることが好ましい。
なお、上述したスクラビング工程S42において抽出後抽出剤に対してスクラビング処理を施した場合には、同様に、スクラビング後の抽出後抽出剤に対して逆抽出溶液を添加して混合することによって逆抽出処理を行うことができる。
<2−5.スカンジウム回収工程>
次に、スカンジウム回収工程S5では、溶媒抽出工程S4における抽出工程S41にて得られた抽残液、及び、スクラビング工程S42にてスクラビングを行った場合にはそのスクラビング後の洗浄後液から、スカンジウムを回収する。
スカンジウム回収方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができるが、例えばアルカリを加えて中和して水酸化スカンジウムの澱物として回収する方法や、シュウ酸溶液によってシュウ酸塩の沈澱物として回収する方法(シュウ酸塩化処理)等が挙げられる。
シュウ酸塩化処理を用いた回収方法では、抽残液及び洗浄後液にシュウ酸を加えることでシュウ酸スカンジウムの沈殿物を生成させ、その後、生成したシュウ酸スカンジウムを乾燥し、焙焼することによって酸化スカンジウムとして回収するとよい。
シュウ酸塩化処理におけるシュウ酸の添加量としては、例えば、抽残液等に含まれるスカンジウムをシュウ酸塩として析出させるのに必要な当量の1.05倍以上1.2倍以下の量とすることが好ましい。なお、スカンジウムをシュウ酸スカンジウム(Sc(C)とするのに必要なシュウ酸((COOH))の量を1当量と定義する。
また、得られたシュウ酸スカンジウムに対する焙焼処理の条件としては、例えば、管状炉に入れて約900℃で2時間程度加熱すればよい。なお、工業的には、ロータリーキルン等の連続炉を用いることで、乾燥と焙焼とを同じ装置で行うことができ好ましい。
<2−6.酸洗浄工程>
上述した逆抽出工程S43を経て得られる抽出剤は、再び、抽出工程S41において抽出剤(混合抽出剤)として繰り返し使用することができる。
酸洗浄工程S6では、逆抽出工程S43を経て得られた抽出剤を、抽出工程S41で再使用する前に酸洗浄液を用いて酸洗浄する。酸洗浄液としては、硫酸溶液や塩酸溶液等の酸性溶液を用いることができる。これにより、抽出剤に巻き込んだNaを除去し、抽出剤を再生することができる。なお、この酸洗浄工程S6を経て抽出剤を回収した後の液は、硫酸酸性溶液等であることから、例えば上述した逆抽出溶液の中和剤として利用することができ、新たな中和剤を投入する必要がなくなり、効率的な操業が可能になる。
ここで、酸洗浄工程S6において抽出剤の洗浄に使用する酸洗浄液としては、上述したスクラビング工程S42で排出された洗浄後液を使用するとよい。スクラビング工程S42にて用いられる洗浄液は、硫酸溶液や塩酸溶液等の酸溶液であり、スクラビング後に排出される洗浄後液もそれら酸溶液に由来するものである。
そして、そのスクラビング工程S42で排出された洗浄後液は、抽出工程S41を経て得られる抽出後抽出剤に共抽出されたスカンジウムを洗浄回収して得られたものであり、スカンジウムを含有する。したがって、このようなスカンジウムを含有する洗浄後液を、酸洗浄工程S6での逆抽出後の抽出剤に対する洗浄液として使用することにより、スカンジウムの回収率を向上させることができる。
すなわち、酸洗浄工程S6において、スクラビング工程S42で排出された洗浄後液を洗浄液として使用して逆抽出後の抽出剤に対する酸洗浄を行うことで、例えば逆抽出工程S43での逆抽出溶液(アルカリ溶液)を用いた逆抽出に起因する不純物が除去されて精製されるとともに、その洗浄された抽出剤に、洗浄液として使用した洗浄後液に含まれるスカンジウムが抽出されることになる。そして、このような酸洗浄処理により洗浄され、スカンジウムが抽出された抽出剤を、抽出工程S41における抽出剤として再利用することにより、新規の硫酸溶液等の酸性溶液を洗浄液として使用した場合と比べて、その抽出工程S41での抽出処理を経て得られる抽残液中のスカンジウム回収率を高めることができる。具体的には、洗浄液として用いた洗浄後液中に含まれていたスカンジウムの分、回収率を高めることができる。
また、スクラビング工程S42で排出された洗浄後液には、ウランやトリウム等の不純物成分が少量含まれている可能性がある。そのため、そのような洗浄後液の全量をスカンジウム回収工程S5に移送してスカンジウムを回収しようとした場合、回収対象の溶液中に不純物成分が混入し、スカンジウムの純度の低下をもたらす可能性もある。これに対して、スクラビング工程S42で排出された洗浄後液の少なくとも一部(全量であってもよい)を、酸洗浄工程S6における酸洗浄処理の洗浄液として使用することにより、洗浄後液に微量含まれていたウランやトリウム等の不純物成分も抽出剤に抽出され、再利用のために繰り返される抽出工程S41にて適切に分離されることになる。これにより、スカンジウムの回収率を高めるとともに、回収されるスカンジウムの純度の低下をより効果的に抑えることができる。
さらに、酸洗浄工程S6における洗浄液として洗浄後液を使用することにより、スクラビング工程S42から排出された洗浄後液をスカンジウム回収工程S5に全量を送液せずともスカンジウムを効率的に回収でき、また上述のように不純物濃度の調整を行うことができることから、手間がかからず経済的にスカンジウムを回収できることになる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<スカンジウム含有溶液(抽出始液)の調製>
特許文献1に記載の方法等の公知の方法に基づき、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して高温高圧下で浸出処理を施し、得られた浸出液のpHを調整して不純物を除去した。その後、硫化剤を添加してニッケルを硫化物として沈殿させ、その硫化物を分離することにより硫化後液を得た。
次に、得られた硫化後液に対し、キレート樹脂を用いて公知の方法によりイオン交換処理を行って不純物を分離し、同時にスカンジウムの濃縮処理を施した。なお、本実施例での精製効果を確認する点から、十分な量が含まれていない成分は、試薬等を添加することで下記の表1に示す組成の抽出始液を調製し用意した。
Figure 2018188722
<抽出溶媒の調製>
実施例及び比較例にて用いる抽出溶媒を、下記表2に示す配合で調製した。なお、混合抽出剤を構成する1級アミンとして、PrimeneJM−T(ダウ・ケミカル(株)社製)を用い、3級アミンとして、TNOA(ファーミン T−08,花王(株)社製)を用いた。そして、この混合抽出剤を有機溶媒(希釈剤)で希釈することによって抽出溶媒を調製した。なお、有機溶媒としては、スワゾール1800(丸善石油化学(株)社製)を用いた。
Figure 2018188722
<抽出工程>
表1に示す抽出始液(A)と表2に示す各実施例及び比較例の抽出溶媒(O)とを、下記表3に示す体積比O/Aで、それぞれ容量100mLの分液ロートに分取した。これらを、振とう器を用いて10分間の振とう(混合)を行い、振とう後に10分間静置した。
Figure 2018188722
その後、抽出後抽出剤と抽残液とをそれぞれメスシリンダーに移し取り、液量を確認した。回収した抽出後抽出剤と抽残液について、それぞれ定性ろ紙(抽出後抽出溶媒:1PS、抽残液:5C)にて自然ろ過を行い、抽出後抽出剤及び抽残液の主要成分濃度を発光分光分析法にて測定することによって抽残液中のスカンジウム(Sc)、ウラン(U)、トリウム(Th)の濃度及びこれらの抽出率を確認した。表4〜表6に、その結果を示す。
Figure 2018188722
Figure 2018188722
Figure 2018188722
<抽出率について>
まず、比較例1の抽出結果(表6参照)からわかるように、1級アミンのみからなる抽出剤では、トリウムの抽出率が高いが、ウランをほとんど抽出できない。一方、比較例2の抽出結果(表6参照)からわかるように、3級アミンのみからなる抽出剤では、ウランの抽出率が高く、スカンジウムとの分離性が高いが、トリウムの抽出率が低い。また、スカンジウム含有溶液に対する抽出溶媒の体積比O/Aを4/1に上げても、トリウムの抽出率は17%程度で留まってしまう上に、スカンジウムの抽出が始まってしまう。このことから、1級アミン又は3級アミンを抽出剤として単独で用いても、スカンジウムからウランとトリウムの両者を効率よく分離するのは難しいことがわかる。
一方、表4と表6との比較から、1級アミンと3級アミンとを1:1で混合した混合抽出剤を用いた実施例1では、1級アミンを単独で用いた比較例1、3級アミンを単独で用いた3級アミンを用いた比較例2と同量の抽出剤であるものの、スカンジウム(Sc)、ウラン(ウラン)、トリウム(Th)の抽出率は、比較例1と比較例2の単純和とはならないことが確認された。実施例1及び実施例2の抽出結果では、スカンジウムの分離性の点では、スカンジウム含有溶液に対する抽出溶媒の量の体積比O/Aは1/2以下であることが好ましいことがわかる。ただし、体積比O/Aが小さくなると、トリウム(Th)の抽出率が低下する傾向にあることが確認された。
これに対し、1級アミンと3級アミンとを5:2又は5:1で混合した混合抽出剤を用いた実施例3、4(表5参照)では、スカンジウム含有溶液に対する抽出溶媒の体積比O/Aが1/2以下であっても、実施例1、2に比べてトリウムの抽出率の低下が小さかった。これらのことから、3級アミンの混合比を低下させることによって、ウラン、トリウムの両方を抽出しやすくなることがわかる。
<分配係数及び分離係数について>
下記表7に、各実施例及び比較例において、スカンジウムの分離性が高く、ウラン、トリウムの抽出率が高く得られた抽出4(O/A=1/2)による抽出結果をまとめる。また、この表7に示す結果から、スカンジウム、ウラン、トリウムのそれぞれの分配係数Dと分離係数αを下記の式により算出した。下記表8に、その結果を示す。
分配係数D=抽出後抽出溶媒中の成分(x)濃度/抽残液中の成分(x)濃度
分離係数α=分配係数(Dx)/分配係数(DSc)
Figure 2018188722
Figure 2018188722
表8に示す結果に基づいて、1級アミンの混合割合を5体積%として固定し、3級アミンの配合率を変化させた場合(比較例1、実施例1、3、4)における、ウラン、トリウムのそれぞれの分離係数αと、抽残液中のウラン濃度、トリウム濃度の推移を調べた。図2及び図3に、それぞれの結果を示す。
図2の結果から、抽残液中のウラン濃度を低減させて、ウランを効率よく抽出するためには、3級アミンの混合割合としては混合抽出剤全体に対して2体積%もあれば十分であることがわかる。また、1級アミンとの関係でいうと、3級アミンとしては、100体積%の1級アミンに対して20体積%の割合で混合することで、ウランを効率よく抽出することができることがわかる。
また、スカンジウムの分離係数αが1を超えるには、3級アミンの混合割合としては、混合抽出剤全体に対して1体積%以上とすることが好ましいことがわかる。また、1級アミンとの関係でいうと、3級アミンとしては、100体積%の1級アミンに対して10体積%以上の割合で混合することで、スカンジウムと効率よく分離できることがわかる。
一方、図3の結果から、抽残液中のトリウム濃度は、3級アミンの混合比の増加に伴って増えていき、トリウムの抽出能が低下することがわかるが、3級アミンの混合割合が混合抽出剤全体に対して1体積%〜5体積%である場合には、スカンジウムとの分離係数が37〜61であり、スカンジウムと有効に分離させて回収できるレベルとなった。
<抽出溶媒の段数について>
下記の表9にまとめて示す実施例1、3、4の抽出結果に基づき、マッケーブ・シール法による作図を行った。図4、5に、その一例を示す。図4及び図5の結果から溶媒抽出に必要な段数を検討した。
Figure 2018188722
図4の結果から、ウランを溶媒抽出するにあたっては、3級アミンの混合比を上げた方が抽出能力を高めることができ、必要な溶媒抽出の段数としては、例えばO/A=1/1である場合には2段以上とすることで、スカンジウムを含有した硫酸溶液からウランやトリウムを効率的に抽出し、スカンジウムから分離できることがわかる。なお、抽出段数に関して、O/A=1/2である場合には2段以上とすることが好ましいことがわかる。
また、図5の結果から、トリウムを溶媒抽出するにあたっては、3級アミンの混合比を下げた方が抽出能力を高めることができ、必要な溶媒抽出の段数としては、例えばO/A=1である場合には3段以上とすることで、スカンジウムを含有した硫酸溶液からウランやトリウムを効率的に抽出し、スカンジウムから分離できることがわかる。なお、抽出段数に関して、O/A=1/2である場合には4段以上とすることが好ましいことがわかる。
以上の結果から、1級アミンと3級アミンとを混合させて含有させた混合抽出剤を用いて溶媒抽出することにより、ウランとトリウムとを同時に効率的に抽出することができ、処理対象の酸性溶液中のスカンジウムと効果的に分離できることがわかった。
また、特に、混合抽出剤として、1級アミンに対して3級アミンの混合比を、20体積%以上100体積%未満、より好ましくは20体積%以上40体積%以下含有することによって、ウランやトリウムの抽出能力を高めることができることがわかった。
<スクラビング工程>
スクラビング工程において、洗浄段数は3段とし、洗浄液として1mol/L硫酸溶液を用いて、抽出後抽出剤を洗浄に付した。また、洗浄液(As)に対する抽出後抽出剤(Os)の体積比Os/Asを0.5〜5.5の範囲で変化させ、その体積比Os/Asが、スカンジウム、トリウム、ウランの分離挙動に及ぼす影響を調べた。図6にその結果を示す。なお、回収率は、洗浄後液中の元素量/抽出工程(S41)で処理する液中の元素量から計算した。
図6の結果から、洗浄後液中のスカンジウム、トリウム、ウランの回収率は、スクラビング工程での体積比Os/Asに依存することが分かる。すなわち、体積比Os/Asが0.5の場合には、洗浄後液にスカンジウムの他に、ウラン、トリウムも回収される。特にウランの回収率は40%以上となる。そして、体積比Os/Asを増加させることで、ウランやトリウムの回収率は低下する。
一方、体積比Os/As比が2以上であると、ウラン回収率は10%未満、トリウム回収率は1%未満まで減少する。また、スカンジウムの回収率は、体積比Os/Asが2以上では3.5%付近で一定で推移する。このことから、スクラビング工程での体積比Os/Asは、2以上で行うことが好ましいことがわかる。
<酸洗浄工程>
スクラビング工程を経た抽出後抽出剤に対して逆抽出処理を施した後、回収された抽出剤(逆抽出後抽出剤)に対して酸洗浄を施す酸洗浄工程を行った(実施例5)。酸洗浄処理に用いる酸洗浄液として、スクラビング工程で回収された硫酸溶液(洗浄後液)を用い、洗浄した抽出剤を抽出工程にて繰り返し使用したときのスカンジウムの回収率を調べた。
具体的には、酸洗浄工程における酸洗浄液として洗浄後液を用いた処理を行い、その後、酸洗浄された抽出剤を抽出工程における抽出剤(混合抽出剤)として用いて抽出処理を施した。またその後、スクラビング工程、逆抽出工程における処理も実行した。そして、各工程から排出されたスカンジウムの量から、スカンジウムの回収率を調べた。
なお、比較のため、酸洗浄工程における洗浄液として、新規の硫酸溶液を用いて同様の操作を行った例(参照例1)も実行し、スカンジウム回収率の違いの有無を確認した。
下記表10に、各工程にて排出されたスカンジウムの回収率の測定結果を示す。なお、スカンジウムの回収率は、下記の式から計算した。
スカンジウム回収率(%)=(各工程の溶液中スカンジウム排出量−投入量)/抽出工程へのスカンジウム投入量×100
Figure 2018188722
表10に示すように、実施例5では、酸洗浄工程において酸洗浄液としてスクラビング工程で回収された洗浄後液を用いたため、抽出剤へスカンジウムが3%抽出されている(スカンジウム回収率=−3%)ことがわかった。そして、そのような酸洗浄工程での処理を経て回収された抽出剤を抽出工程へ繰り返し、混合抽出剤として再利用したところ、新規の硫酸溶液を用いた参照例1よりも、抽出工程でのスカンジウム回収率が3%程度上昇する結果となった。
このように、スクラビング工程で回収された洗浄後液を、酸洗浄工程における酸洗浄液として使用することにより、スカンジウムの回収率を有効に高められることがわかった。また、スクラビング工程から排出された洗浄後液を、例えばスカンジウム回収工程へ送液する場合に比べて、その洗浄後液を酸洗浄工程における処理の洗浄液として使用することにより、手間がかからずより経済的にスカンジウムを回収できることがわかった。

Claims (8)

  1. スカンジウムを含有する酸性溶液を、1級アミンと3級アミンとを含有する混合抽出剤を用いた溶媒抽出に付し、スカンジウムを含有する抽残液と抽出後抽出剤とに分離する
    スカンジウムの精製方法。
  2. 前記混合抽出剤は、前記1級アミンに対して前記3級アミンを20体積%以上100体積%未満の割合で含有する
    請求項1に記載のスカンジウムの精製方法。
  3. 前記1級アミンは、一般式NHRで表され、Rは、炭素数16〜22の分岐アルキル基である
    請求項1又は2に記載のスカンジウムの精製方法。
  4. 前記3級アミンは、トリ−ノルマル−オクチル−アミンである
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスカンジウムの精製方法。
  5. 前記抽出後抽出剤を洗浄するスクラビング工程を有し、
    前記スクラビング工程では、洗浄液(As)に対する前記抽出後抽出剤(Os)の体積比(Os/As)を2以上10以下とする
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスカンジウムの精製方法。
  6. 前記抽出後抽出剤に対する逆抽出処理後の抽出剤を洗浄する洗浄工程を有し、
    前記洗浄工程では、前記スクラビング工程で排出された洗浄後液を洗浄液として使用して洗浄処理を施し、
    前記洗浄工程での洗浄処理後の抽出剤を、前記溶媒抽出に用いる前記混合抽出剤として再使用する
    請求項5に記載のスカンジウムの精製方法。
  7. 前記酸性溶液は、スカンジウムを含有する溶液をイオン交換樹脂に通液し、次いで該イオン交換樹脂からスカンジウムを溶離させた溶離液である
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載のスカンジウムの精製方法。
  8. 前記抽残液にシュウ酸を添加してシュウ酸スカンジウムを含む沈殿物を生成させ、次いで該沈殿物を焙焼して酸化スカンジウムを得る工程をさらに有する
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載のスカンジウムの精製方法。
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JANUBIA,C.B.S.AMARAL ET AL.: "Thorium and uranium extraction from rare earth elements in monazite sulfuric acid liquor through sol", MINERALS ENGINEERING, vol. 23, JPN6021001159, February 2010 (2010-02-01), pages 498 - 503, XP055712324, ISSN: 0004468245, DOI: 10.1016/j.mineng.2010.01.003 *

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