WO2018101039A1 - イオン交換処理方法、スカンジウムの回収方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、スカンジウムと、不純物として少なくともアルミニウムとを含有する酸性溶液からスカンジウムを分離するイオン交換処理方法である。
図1は、本発明に係るイオン交換処理方法を適用したスカンジウムの回収方法の一例を示す工程図であり、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスを経て得られた硫化後液を用いて、その硫化後液に対して特定のイオン交換処理を施し、得られたスカンジウム溶離液からスカンジウムを酸化スカンジウムとして回収する方法について説明する図である。
スカンジウムを回収するにあたり、ニッケル酸化鉱石に対し硫酸を用いて浸出することで得られる酸性溶液等の、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスを経て得られる溶液を原料として用いることができる。後述するように、このスカンジウムを含有する酸性溶液が、イオン交換処理の対象溶液となる。
浸出工程S11は、例えば高温加圧容器(オートクレーブ)等を用いて、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して240℃~260℃の温度下で撹拌処理を施し、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを形成する工程である。なお、浸出工程S11における処理は、従来知られているHPALプロセスに従って行えばよい。
中和工程S12は、得られた浸出液に中和剤を添加してpH調整し、不純物元素を含む中和澱物と中和後液とを得る工程である。この中和工程S12における中和処理により、ニッケルやコバルト、スカンジウム等の有価金属は中和後液に含まれるようになり、鉄、アルミニウムをはじめとした不純物の大部分が中和澱物となる。
硫化工程S13は、上述した中和工程S12により得られた中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る工程である。この硫化工程S13における硫化処理により、ニッケル、コバルト、亜鉛等は硫化物となり、スカンジウムは硫化後液に含まれることになる。
上述したように、ニッケル酸化鉱石を硫酸により浸出して得られた、スカンジウムを含有する酸性溶液である硫化後液を、スカンジウム回収の処理対象溶液として適用することができる。ところが、その硫化後液には、スカンジウムの他に、例えば上述した硫化工程S13における硫化処理で硫化されずに溶液中に残留したアルミニウムやクロム、その他の多種多様な不純物が含まれている。このことから、この酸性溶液からスカンジウムを回収するにあたり、予め、酸性溶液中に含まれる不純物を除去することで、スカンジウムを濃縮させたスカンジウム含有溶液を生成させることが好ましい。
第1のイオン交換工程S21は、イオン交換処理の対象溶液である硫化後液を所定のキレート樹脂に接触させることで、その硫化後液中に含まれるスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる吸着工程である。この第1のイオン交換工程S21では、カラムを用いた通液処理を行うものであっても、ビーカー等によるバッチ処理を行うものであってもよい。
第1の溶離工程S22は、第1のイオン交換工程S21にて硫化後液を接触させることでスカンジウムを吸着させたキレート樹脂と、第1の溶離始液とを接触させて、溶離液を得る溶離工程である。この第1の溶離工程S22では、キレート樹脂に吸着したスカンジウムだけでなく、アルミニウムも同時に溶離されるが、一方で、クロム等のその他の不純物元素がキレート樹脂に吸着したままの状態となる。
第2のイオン交換工程S23は、第1の溶離工程S22から得られた溶離液を所定のキレート樹脂に接触させることで、その溶離液中に含まれるスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる吸着工程である。このように、第2のイオン交換工程S23は、2段階目のイオン交換処理を行う工程であり、溶離液中に溶離させたスカンジウムをキレート樹脂に再び吸着させる。
第2の溶離工程S24は、第2のイオン交換工程S23にて溶離液を接触させたキレート樹脂と、第2の溶離始液とを接触させて、スカンジウムを含有するスカンジウム溶離液を得る溶離工程である。
より具体的に説明すると、第2の溶離工程S24では、先ず、濃度が0.01N以上0.1N以下である第1の硫酸溶液とキレート樹脂とを接触させることによって、キレート樹脂からアルミニウムを溶離させ、アルミニウムを含有するアルミニウム溶離液を得る。なお、溶離処理の対象となるキレート樹脂は、第2のイオン交換工程S23での吸着処理を経て得られたキレート樹脂であり、少なくともアルミニウムとスカンジウムとが吸着しているキレート樹脂である。
第2の溶離工程S24では、次に、濃度が0.3N以上20N以下である第2の硫酸溶液とキレート樹脂、すなわちアルミニウム溶離工程を経たキレート樹脂とを接触させることによって、キレート樹脂からスカンジウムを溶離させ、スカンジウムを含有するスカンジウム溶離液を得る。なお、この工程を、「スカンジウム溶離工程」ともいう。
アルミニウム溶離工程で得られたアルミニウム溶離液や、スカンジウム溶離工程で得られたスカンジウム溶離液については、酸濃度やpH、ORPを調整することによって、アルミニウムを溶離するための溶離始液(第1の硫酸溶液)や、スカンジウムを溶離するための溶離始液(第2の硫酸溶液)として再利用してもよい。このようにすることで、得られる溶離液、特にスカンジウム溶離液の濃度を上昇させることができる。
また、必須の態様ではないが、図2に示すように、得られたスカンジウム溶離液のpH等を調整して調整後液とし、その調整後液を第2のイオン交換工程S23に移送して、キレート樹脂に対する吸着(再吸着)処理を繰り返し行うようにしてもよい。このような調整後液を用いて再びキレート樹脂に吸着させ、その後、アルミニウム溶離工程、スカンジウム溶離工程を経てスカンジウム溶離液を得るようにすることで、回収できるスカンジウムの品位を高め、品質を向上させることができる。また、薬剤コストや設備規模を縮減することもできる。
ここで、イオン交換処理工程S2における工程としては戻るが、図2に示すように、第1の溶離工程S22から得られた溶離液に対し、アルカリ及び還元剤を添加することで、pHや酸化還元電位(ORP)を所定の範囲に調整する調整工程S25を設けてもよい。
(クロムの除去)
また、第1のイオン交換工程S21においては、スカンジウムやアルミニウムの他、不純物元素としてクロムがキレート樹脂に吸着する。上述したように、キレート樹脂に吸着したクロムは、第1の溶離工程S22における溶離処理では溶離されずにキレート樹脂に残存する。なお、これにより、スカンジウムと効率的に分離することができる。
また、ニッケル酸化鉱石に湿式処理を施して得られた硫化後液には、不純物として鉄が含まれている場合がある。このような場合、第1のイオン交換工程S21でキレート樹脂に吸着したスカンジウムやアルミニウムを、第1の溶離工程S22にて溶離するに先立ち、吸着処理後のキレート樹脂に対して硫酸溶液を接触させて、キレート樹脂に吸着した鉄を除去しておくことが好ましい。
濃縮工程S3は、イオン交換処理工程S2を経て得られたスカンジウム溶離液に含まれる不純物成分をスカンジウムと分離して、スカンジウムを濃縮させる工程である。
例えば、水酸化中和の処理においては、得られたスカンジウム溶離液に中和剤を添加することによってスカンジウムの沈殿物(水酸化スカンジウム)を生成させ、固液分離することで回収する。次いで、回収したスカンジウム沈殿物に硫酸や塩酸等の酸溶液を添加し、その沈殿物を溶解させることによって、スカンジウムが溶解した酸性溶液を得る。
また、シュウ酸化の処理においては、得られたスカンジウム溶離液にシュウ酸を添加することによってシュウ酸スカンジウムの結晶を生成させる。次いで、回収したシュウ酸スカンジウム沈殿物に硫酸や塩酸等の酸溶液を添加し、その結晶を溶解させることによって、スカンジウムが溶解した酸性溶液を得る。
また、水酸化中和とシュウ酸化との両方の併用処理においては、先ず、得られたスカンジウム溶離液に対して水酸化中和の処理を行うことで、水酸化スカンジウムを含む沈殿物を生成させる。次に、生成した沈殿物に塩酸等の酸溶液を添加して再溶解し、得られた再溶解液にシュウ酸を添加することで、シュウ酸スカンジウムの結晶を生成させる。そして、得られたシュウ酸スカンジウムの結晶に硫酸や塩酸等の酸溶液を添加し、その結晶を溶解させることによって、スカンジウムが溶解した酸性溶液を得る。
溶媒抽出工程S4では、濃縮工程S3を経てスカンジウムが濃縮されたスカンジウム溶解液を抽出始液として、その抽出始液を所定の抽出剤に接触させることによって溶媒抽出処理を行う。
抽出工程では、抽出始液であるスカンジウム溶解液と、抽出剤を含む有機溶媒とを混合して、有機溶媒中にスカンジウムを選択的に抽出する。
スカンジウムを抽出した有機溶媒中にスカンジウム以外の不純物元素が共存する場合には、次の逆抽出工程にて抽出液を逆抽出する前に、有機溶媒(有機相)にスクラビング(洗浄)処理を施し、不純物元素を水相に分離して抽出剤から除去することが好ましい。
逆抽出工程では、スカンジウムを抽出した有機溶媒からスカンジウムを逆抽出する。この逆抽出工程は、有機溶媒と逆抽出溶液(逆抽出始液)とを混合することによって、抽出時の逆反応を進行させる工程である。
スカンジウム回収工程S5は、溶媒抽出工程S4を経て回収されたスカンジウム塩を用いて、酸化スカンジウムの形態としてスカンジウムを回収する工程である。
具体的に、スカンジウム沈殿工程は、溶媒抽出工程S4を経て逆抽出物として得られたスカンジウム塩を酸溶液で中和し、さらに得られたスカンジウムの溶解液にシュウ酸を加えてシュウ酸スカンジウムの固体として析出、沈殿させる工程である。
焙焼工程は、スカンジウム沈殿工程で得られたシュウ酸スカンジウムの沈殿物を水で洗浄し、乾燥して、焙焼する工程である。この焙焼工程を経ることで、極めて高品位なスカンジウムを酸化スカンジウムの形態で回収することができる。
ニッケル酸化鉱石の湿式製錬プロセスを経て得られた硫化後液を用い、スカンジウムを回収した。
(浸出工程)
ニッケル酸化鉱石のスラリーを濃硫酸と共に加圧反応容器(オートクレーブ)に装入し、245℃の条件下で1時間かけて、スカンジウムやニッケル等の有価金属を浸出させる処理を行った。そして、この浸出処理により得られたスラリーを固液分離し、各種の有価金属を含有する浸出液と浸出残渣とを得た。
次に、得られた浸出液に炭酸カルシウムを添加し、pHを調整して中和処理を行った。その後、得られたスラリーを固液分離して、中和澱物と中和後液とを得た。なお、スカンジウムやニッケル等の有価金属は中和後液に含まれていた。
次に、得られた中和後液に硫化水素ガスを吹き込み、ニッケルやコバルト、亜鉛を硫化物として析出させた。生成した硫化物を固液分離して回収し、一方で、硫化物を分離した後の溶液として硫化後液(酸性溶液)を得た。なお、硫化後液には、スカンジウムが含まれていた。
次に、得られた硫化後液とキレート樹脂とを接触させることによって、スカンジウムをキレート樹脂に吸着させるイオン交換処理を行った。
先ず、得られた硫化後液に、中和剤として炭酸カルシウム、還元剤として水流化ナトリウムを添加して、pHを1.8、酸化還元電位(ORP)を-100mV(参照電極:銀/塩化銀電極)に調整した。pHとORPの調整は、両方を同時に並行しつつ行い、いずれもが目標範囲に入るように調整した。
次に、濾別後のキレート樹脂を純水で素早く洗浄し、表面に付着した吸着後液を除去した。そして、洗浄後のキレート樹脂13mlと、溶離液として濃度2Nの硫酸溶液53mlとをビーカーに入れて混合し、30分間撹拌して溶離処理を行った。撹拌後、キレート樹脂と硫酸溶液とを濾過により分別した。硫酸溶液(溶離液)は一部をサンプリングして、ICPで分析した。
次に、第1の溶離工程で得られたスカンジウム溶離液(通算の溶液)に、炭酸カルシウムのスラリーや水流化ナトリウムを添加して、pHが2.0、ORPが-81mVとなるように調整した。表4に、調整して得られた調整後液の組成を示す。
次に、表4に示す組成の吸着始液を、イミノジ酢酸を官能基とするキレート樹脂(製品名:ダイヤイオンCR11,三菱化学(株)製)と共にビーカーに入れ、撹拌しながら30分間接触させるイオン交換処理を行った。なお、樹脂量は5mlとし、吸着始液量は84ml(BV=17相当)であった。また、反応温度は30℃とした。その後、キレート樹脂と吸着後液とを濾過により分別した。吸着後液は一部をサンプリングして、ICPで分析した。
・アルミニウム溶離工程
次に、吸着処理後に得られたキレート樹脂5mlと、濃度0.1Nの硫酸溶液50mlとをビーカーに入れて混合し、30分間撹拌して溶離処理を行った(アルミニウムの溶離)。なお、反応温度は室温とした。撹拌後、キレート樹脂と硫酸溶液とを濾過により分別した。硫酸溶液(溶離液)は一部をサンプリングして、ICPで分析した。
続いて、アルミニウムを溶離させた後のキレート樹脂5mlと、濃度0.5Nの硫酸溶液20mlとをビーカーに入れて混合し、30分間撹拌して溶離処理を行った(スカンジウムの溶離)。なお、反応温度は室温とした。撹拌後、キレート樹脂と硫酸溶液とを濾過により分別した。硫酸溶液(溶離液)は一部をサンプリングして、ICPで分析した。
次に、表6に組成を示したスカンジウム溶離液に、水酸化ナトリウムを添加してpHを8~9に調整し維持して、水酸化スカンジウムの沈殿を生成させた。その後、その沈殿物に硫酸を添加して再溶解し、水酸化スカンジウムの溶解液(水酸化物溶解液)を得た。下記表8に、得られた溶解液の組成を分析した結果を示す。なお、Mg、Cr、Mn、Caの分析値は、測定可能な下限以下であった。
(抽出工程)
次に、表8に示した溶解液と同組成の溶解液103Lを用意し、これを抽出始液として溶媒抽出処理を行った。具体的には、用意した抽出始液に、酸性抽出剤であるジ-2-エチルヘキシルリン酸(D2EHPA、ランクセス社製)をテクリーンN20(JX日鉱日石(株)社製)を用いて13体積%に調整した有機溶媒2.6Lを混合し、室温で60分間撹拌して抽出処理を行った。これにより、スカンジウムを含む抽出有機相を得た。なお、抽出時にはクラッドの形成は認められず、静置後の相分離も迅速に進行した。
次に、抽出処理により得られた、スカンジウムを含む2.6Lの有機溶媒(抽出有機相)に、濃度6.5mol/Lの塩酸溶液を、相比(O/A)が1の比率となる2.6Lの割合で混合し、10分間撹拌して洗浄した。撹拌後、静置して水相を分離し、有機相は再び濃度6.5mol/Lの新たな塩酸溶液2.6Lと混合して洗浄し、同様に水相を分離した。このような洗浄操作を合計3回繰り返した。
次に、洗浄後の抽出有機相に、濃度6mol/Lの水酸化ナトリウムを、相比O/A=1/1の比率となるように混合して20分間撹拌し、スカンジウムを水相に逆抽出した。逆抽出処理によって、析出した固体と液相とが混じったスラリー状態となったため、濾過することで固体と液相とを分離した。固体については、水洗浄し、その固体に付着する有機相や逆抽出後液を除去した。液相については、液相に塩酸を添加して5分間撹拌し、静置して逆抽出後有機溶媒の有機相と逆抽出後液の水相とを分離した。
(スカンジウム沈殿工程)
次に、逆抽出処理を経て得られた水酸化スカンジウムの固体に、塩酸を添加してスラリーのpHを1.0以上1.5以下の範囲に維持しつつ撹拌することによって、水酸化スカンジウムの固体を完全に溶解して再溶解液を得た。次いで、得られた再溶解液に、その再溶解液に含まれるスカンジウム量に対して計算量で2倍となるシュウ酸・2水和物(三菱ガス化学(株)社製)の結晶を添加して溶解させ、60分間撹拌混合してシュウ酸スカンジウムの白色結晶性沈殿を生成させた。
次に、得られたシュウ酸スカンジウムの白色結晶性沈殿を吸引濾過し、純水を用いて洗浄し、105℃で8時間乾燥させた。続いて、シュウ酸スカンジウムを管状炉に入れて850℃~900℃に維持して焙焼(焼成)させて、酸化スカンジウムを得た。
比較例1では、実施例1と異なり、1段階のみのイオン交換処理を行ってスカンジウム溶離液を得る操作を行った。
Claims (12)
- スカンジウムと、不純物として少なくともアルミニウムとを含有する酸性溶液からスカンジウムを分離するイオン交換処理方法であって、
前記酸性溶液を、キレート樹脂に接触させる第1のイオン交換工程と、
前記第1のイオン交換工程にて前記酸性溶液を接触させたキレート樹脂と、第1の溶離始液とを接触させて溶離液を得る第1の溶離工程と、
得られた溶離液を、キレート樹脂に接触させる第2のイオン交換工程と、
前記第2のイオン交換工程にて前記溶離液を接触させたキレート樹脂と、第2の溶離始液とを接触させてスカンジウムを含有するスカンジウム溶離液を得る第2の溶離工程と
を有する、イオン交換処理方法。 - スカンジウムと、不純物として少なくともアルミニウムとを含有する酸性溶液からスカンジウムを回収するスカンジウムの回収方法であって、
前記酸性溶液を、キレート樹脂に接触させる第1のイオン交換工程と、
前記第1のイオン交換工程にて前記酸性溶液を接触させたキレート樹脂と、第1の溶離始液とを接触させて溶離液を得る第1の溶離工程と、
得られた溶離液を、キレート樹脂に接触させる第2のイオン交換工程と、
前記第2のイオン交換工程にて前記溶離液を接触させたキレート樹脂と、第2の溶離液とを接触させてスカンジウムを含有するスカンジウム溶離液を得る第2の溶離工程と
を有する処理工程を含む
スカンジウムの回収方法。 - 前記第1の溶離工程で得られた溶離液にアルカリ及び還元剤を添加することにより、該溶離液のpH及び酸化還元電位を調整する調整工程をさらに有し、該調整工程で得られた調整後液を、前記第2のイオン交換工程に付して前記キレート樹脂に接触させる
請求項2に記載のスカンジウムの回収方法。 - 前記第1の溶離工程では、前記キレート樹脂と接触させる前記第1の溶離始液が、0.3N以上3N未満の濃度の硫酸溶液である
請求項2又は3に記載のスカンジウムの回収方法。 - 前記第2の溶離工程では、
第2の溶離始液として、濃度が異なる2種類の硫酸溶液を用い、
濃度が0.01N以上0.1N以下である第1の硫酸溶液と、前記キレート樹脂とを接触させてアルミニウムを含有するアルミニウム溶離液を得て、
次いで、前記第1の硫酸溶液を用いた溶離処理後のキレート樹脂と、濃度が0.3N以上20N以下である第2の硫酸溶液とを接触させて、スカンジウムを含有するスカンジウム溶離液を得る
請求項2乃至4のいずれか1項に記載のスカンジウムの回収方法。 - 前記調整工程では、pHが1.8以上2.2以下、酸化還元電位が銀/塩化銀電極を参照電極する値で-80mV~-120mVの範囲になるように、前記溶離液に添加するアルカリ及び還元剤の添加量を調整する
請求項3に記載のスカンジウムの回収方法。 - 前記キレート樹脂は、イミノジ酢酸を官能基にもつキレート樹脂である
請求項2乃至6のいずれか1項に記載のスカンジウムの回収方法。 - 前記第1の溶離工程における溶離処理後のキレート樹脂に、3Nを超え20N以下の濃度の硫酸溶液を接触させ、該キレート樹脂に吸着し残留したクロムを除去する
請求項2乃至7のいずれか1項に記載のスカンジウムの回収方法。 - 前記酸性溶液は、ニッケル酸化鉱石を高圧酸浸出して得られた浸出液に対して中和処理を施し、得られた中和後液に硫化剤を添加することで生成したニッケル及び/又はコバルトの硫化物を分離した後に得られる硫化後液である
請求項2乃至8のいずれか1項に記載のスカンジウムの回収方法。 - 前記第2の溶離工程で得られたスカンジウム溶離液から、スカンジウムを含有する澱物を生成させ、該澱物を酸溶解してスカンジウム濃縮液を得る濃縮工程を含む
請求項2乃至9のいずれか1項に記載のスカンジウムの回収方法。 - 前記濃縮工程で得られたスカンジウム濃縮液と抽出剤とを接触させて溶媒抽出する溶媒抽出工程を含む
請求項10に記載のスカンジウムの回収方法。 - 前記溶媒抽出工程で得られたスカンジウム含有溶液に、中和剤又はシュウ酸を添加してスカンジウムの固形物を生成させ、該スカンジウムの固形物を加熱することによって酸化スカンジウムを得る酸化スカンジウム回収工程を含む
請求項11に記載のスカンジウムの回収方法。
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