JP2016065273A - スカンジウムの回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニッケル酸化鉱から高品位のスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収することができるスカンジウムの回収方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るスカンジウムの回収方法は、ニッケル酸化鉱を硫酸により浸出し、得られた浸出液をイオン交換樹脂に通液し、次いで溶媒抽出処理を経てスカンジウムを回収するスカンジウムの回収方法であって、その溶媒抽出処理では、溶媒抽出の抽出剤にアミン系抽出剤を用いることにより、被処理溶液中に含まれるトリウムを抽出剤中に抽出して抽出後に被処理溶液中に残留するスカンジウムと分離する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スカンジウムの回収方法に関し、より詳しくは、ニッケル酸化鉱に含まれるスカンジウムを、アミン系抽出剤による溶媒抽出を用いて簡便に且つ効率よく回収するスカンジウムの回収方法に関する。
スカンジウムは、高強度合金の添加剤や燃料電池の電極材料として極めて有用である。しかしながら、生産量が少なく、高価であるため、広く用いられるには至っていない。
ところで、ラテライト鉱やリモナイト鉱等のニッケル酸化鉱には、微量のスカンジウムが含まれている。しかしながら、ニッケル酸化鉱は、ニッケル含有品位が低いため、長らくニッケル酸化鉱をニッケル原料として工業的に利用されてこなかった。そのため、ニッケル酸化鉱からスカンジウムを工業的に回収することもほとんど研究されていなかった。
しかしながら、近年、ニッケル酸化鉱を硫酸と共に加圧容器に装入し、240℃〜260℃程度の高温に加熱してニッケルを含有する浸出液と浸出残渣とに固液分離するHPALプロセスが実用化されている。このHPALプロセスでは、得られた浸出液に中和剤を添加することで不純物が分離され、次いで、不純物が分離された浸出液に硫化剤を添加することによりニッケルをニッケル硫化物として回収する。そして、このニッケル硫化物を既存のニッケル製錬工程で処理することによって、電気ニッケルやニッケル塩化合物を得ることができる。
上述のようなHPALプロセスを用いる場合、ニッケル酸化鉱に含まれるスカンジウムは、ニッケルと共に浸出液に含まれることになる(特許文献1参照)。そして、HPALプロセスで得られた浸出液に対して中和剤を添加して不純物を分離し、次いで硫化剤を添加すると、ニッケルはニッケル硫化物として回収される一方で、スカンジウムは硫化剤添加後の酸性溶液中に含まれるようになるため、HPALプロセスを使用することによって、ニッケルとスカンジウムとを効果的に分離することができる。
また、スカンジウムの分離をキレート樹脂を用いて行う方法もある(特許文献2参照)。具体的に、この特許文献2に示される方法は、先ず、ニッケル含有酸化鉱石を酸化性雰囲気の高温高圧のもとで酸性水溶液中にニッケルとスカンジウムとを選択的に浸出させて酸性溶液を得て、次いでその酸性溶液のpHを2〜4の範囲に調整した後、硫化剤の使用によってニッケルを硫化物として選択的に沈殿回収する。次に、得られたニッケル回収後の溶液をキレート樹脂と接触させてスカンジウムを吸着させ、キレート樹脂を希酸で洗浄した後、洗浄後のキレート樹脂を強酸と接触させてキレート樹脂からスカンジウムを溶離するというものである。
また、上述した酸性溶液からスカンジウムを回収する方法として、溶媒抽出を用いてスカンジウムを回収する方法も提案されている(特許文献3及び4参照)。具体的に、この特許文献3に記載の方法では、先ず、スカンジウムの他に、少なくとも鉄、アルミニウム、カルシウム、イットリウム、マンガン、クロム、マグネシウムの1種以上を含有する水相の含スカンジウム溶液に、2−エチルヘキシルスルホン酸−モノ−2−エチルヘキシルをケロシンで希釈した有機溶媒を加えて、スカンジウム成分を有機溶媒中に抽出する。次いで、有機溶媒中にスカンジウムと共に抽出されたイットリウム、鉄、マンガン、クロム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムを分離するために、塩酸水溶液を加えてスクラビングを行うことによってそれらを除去した後、有機溶媒中にNaOH水溶液を加えて、有機溶媒中に残存するスカンジウムをSc(OH)を含むスラリーとし、これを濾過して得られたSc(OH)を塩酸で溶解して、塩化スカンジウム水溶液を得る。そして、得られた塩化スカンジウム水溶液にシュウ酸を加えてシュウ酸スカンジウム沈殿とし、その沈殿を濾過して、鉄、マンガン、クロム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムを濾液中に分離した後、仮焼することにより高純度な酸化スカンジウムを得るというものである。
また、特許文献4には、スカンジウム含有供給液をバッチ処理によって一定の割合で抽出剤に接触させることにより、スカンジウム含有供給液からスカンジウムを選択的に分離回収する方法が記載されている。
しかしながら、上述したニッケル酸化鉱の中には、トリウム等のアクチノイド元素が含有されている場合があることが知られている。この場合、特許文献2や特許文献3で開示されるキレート樹脂や有機溶媒では、多くのアクチノイド元素がスカンジウムと類似の挙動を示し、スカンジウムと分離することは困難となる。また、ニッケル酸化鉱の浸出液には、同時かつより高濃度な鉄、アルミ等の不純物が含有されており、これらの多量の不純物の影響もあって、ニッケル酸化鉱から高純度なスカンジウムを工業的に回収するのに適した方法は見出されていない。
特開平3−173725号公報 特開平9−194211号公報 特開平9−291320号公報 国際公開第2014/110216号
本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、ニッケル酸化鉱から高品位のスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収することができるスカンジウムの回収方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、スカンジウムとアクチノイド元素であるトリウムとを含有する酸性溶液を、アミン系抽出剤を用いた溶媒抽出に付すことで、ニッケル酸化鉱から高品位のスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収することができることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、ニッケル酸化鉱を硫酸により浸出し、得られた浸出液をイオン交換樹脂に通液し、次いで溶媒抽出処理を経てスカンジウムを回収するスカンジウムの回収方法において、前記溶媒抽出処理では、溶媒抽出の抽出剤にアミン系抽出剤を用いることにより、被処理溶液中に含まれるトリウムを該抽出剤中に抽出して抽出後に該被処理溶液中に残留するスカンジウムと分離することを特徴とするスカンジウムの回収方法である。
(2)また、本発明の第2の発明は、上記第1の発明において、前記被処理溶液中のトリウムを抽出した後の抽出剤に、洗浄液としての1.0mol/l以上3.0mol/l以下の濃度の硫酸溶液を混合し、該抽出剤中に含まれるスカンジウムを該洗浄液中に分離するスクラビングを行い、スクラビング後の洗浄液からスカンジウムを回収することを特徴とするスカンジウムの回収方法である。
(3)また、本発明の第3の発明は、上記第1の発明において、抽出後の抽出剤に炭酸塩を添加して逆抽出を行うことにより逆抽出後の抽出剤と逆抽出液とを得て、抽出剤中に抽出したトリウムを逆抽出液中に分離して回収することを特徴とするスカンジウムの回収方法である。
(4)また、本発明の第4の発明は、上記第2の発明において、スクラビング後の抽出剤に炭酸塩を添加して逆抽出を行うことにより逆抽出後の抽出剤と逆抽出液とを得て、抽出剤中に抽出したトリウムを逆抽出液中に分離して回収することを特徴とするスカンジウムの回収方法である。
(5)また、本発明の第5の発明は、上記第3又は第4の発明において、逆抽出後の抽出剤を、前記被処理溶液中のトリウムを抽出する抽出剤として繰り返し用いることを特徴とするスカンジウムの回収方法である。
(6)また、本発明の第6の発明は、上記第1乃至第5の何れかの発明において、前記溶媒抽出処理に付される被処理溶液は、前記ニッケル酸化鉱を高温高圧下で硫酸により浸出して浸出液を得る浸出工程と、前記浸出液に中和剤を添加して不純物を含む中和澱物と中和後液とを得る中和工程と、前記中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る硫化工程とを有するニッケル酸化鉱の湿式製錬処理により得られる前記硫化後液であることを特徴とするスカンジウムの回収方法である。
本発明によれば、ニッケル酸化鉱から高品位のスカンジウムを簡便に且つ効率よく回収することができる。
本発明に係るスカンジウムの回収方法を説明するためのフロー図である。 本発明に係るスカンジウムの回収方法の適用した全体の流れの一例を説明するためのフロー図である。 実施例における溶媒抽出処理後の有機溶媒に含まれるSc、Th、Al、及びFeの抽出率を示すグラフ図である。 実施例における溶媒抽出後の抽出剤に洗浄液としての硫酸溶液を添加してスクラビング(洗浄)処理を行ったときの硫酸濃度と洗浄率(洗浄による回収率)との関係を示すグラフ図である。
以下、本発明に係るスカンジウムの回収方法の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
≪1.スカンジウムの回収方法≫
図1は、本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法の一例を示すフロー図である。このスカンジウムの回収方法は、ニッケル酸化鉱を硫酸等の酸により浸出して得られた、スカンジウムと不純物であるトリウムとを含有する酸性溶液から、スカンジウムとトリウムとを分離して、スカンジウムのみを簡便に且つ効率よく回収するものである。
このスカンジウムの回収方法では、スカンジウムとトリウムとを含有する酸性溶液(被処理溶液)を、アミン系抽出剤を用いた溶媒抽出処理に付すことにより、その酸性溶液中のトリウムを抽出剤中に抽出して抽出後に酸性溶液に残留することになるスカンジウムと分離する。そして、溶媒抽出により抽残液中に含まれるようになったスカンジウムについては、例えばシュウ酸を添加して沈殿物として回収する等の公知の方法により回収することができる。
このように、本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法では、溶媒抽出によりスカンジウムを分離して回収するにあたって、アミン系の溶媒抽出剤を用いた溶媒抽出処理を行うことを特徴としている。このような方法によれば、不純物をより高品位で分離することができ、ニッケル酸化鉱のような多くの不純物を含有する原料からであっても、安定した操業を行うことができ、高品位のスカンジウムを効率よく回収することができる。
例えば、本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法は、図1のフロー図に示すように、ニッケル酸化鉱を硫酸等の酸により浸出することにより、スカンジウムとトリウムとを含有する酸性溶液を得るニッケル酸化鉱の湿式製錬処理工程S1と、その酸性溶液から不純物を除去してスカンジウムを濃縮させたスカンジウム溶離液を得るスカンジウム溶離工程S2と、スカンジウム溶離液をアミン系抽出剤を用いた溶媒抽出に付すことにより、トリウムを抽出剤中に抽出して抽出後に酸性溶液に残留するスカンジウムと分離する溶媒抽出工程S3と、抽残液からスカンジウムを回収するスカンジウム回収工程S4とを有するものとすることができる。
≪2.スカンジウムの回収方法の各工程について≫
<2−1.ニッケル酸化鉱の湿式製錬処理工程>
スカンジウム回収の処理対象となるスカンジウムとトリウムとを含有する酸性溶液としては、ニッケル酸化鉱を硫酸により処理して得られる酸性溶液を用いることができる。
具体的に、溶媒抽出に付される酸性溶液としては、ニッケル酸化鉱を高温高圧下で硫酸等の酸により浸出して浸出液を得る浸出工程S11と、浸出液に中和剤を添加して不純物を含む中和澱物と中和後液とを得る中和工程S12と、中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る硫化工程S13とを有するニッケル酸化鉱の湿式製錬処理工程S1により得られる硫化後液を用いることができる。以下では、ニッケル酸化鉱の湿式製錬処理工程S1の流れを説明する。
(1)浸出工程
浸出工程S11は、例えば高温加圧容器(オートクレーブ)等を用いて、ニッケル酸化鉱のスラリーに硫酸を添加して240℃〜260℃の温度下で撹拌処理を施し、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを形成する工程である。なお、浸出工程S11における処理は、従来知られているHPALプロセスに従って行えばよく、例えば特許文献1に記載されている。
ここで、ニッケル酸化鉱としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱が挙げられる。ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8〜2.5重量%であり、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、これらのニッケル酸化鉱には、スカンジウムが含まれている。
この浸出工程S11では、得られた浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを洗浄しながら、ニッケルやコバルト、スカンジウム等を含む浸出液と、ヘマタイトである浸出残渣とに固液分離する。この固液分離処理では、例えば、浸出スラリーを洗浄液と混合した後、凝集剤供給設備等から供給される凝集剤を用いて、シックナー等の固液分離設備により固液分離処理を施す。具体的には、先ず、浸出スラリーが洗浄液により希釈され、次に、スラリー中の浸出残渣がシックナーの沈降物として濃縮される。なお、この固液分離処理では、シックナー等の固液分離槽を多段に連結させて用い、浸出スラリーを多段洗浄しながら固液分離することが好ましい。
(2)中和工程
中和工程S12は、上述した浸出工程S11により得られた浸出液に中和剤を添加してpHを調整し、不純物元素を含む中和澱物と中和後液とを得る工程である。この中和工程S12における中和処理により、ニッケルやコバルト、スカンジウム等の有価金属は中和後液に含まれるようになり、鉄、アルミニウムをはじめとした不純物の大部分が中和澱物となる。
中和剤としては、従来公知のもの使用することができ、例えば、炭酸カルシウム、消石灰、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
中和工程S2における中和処理では、分離された浸出液の酸化を抑制しながら、pHを1〜4の範囲に調整することが好ましく、pHを1.5〜2.5の範囲に調整することがより好ましい。pHが1未満であると、中和が不十分となり、中和澱物と中和後液とに分離できない可能性がある。一方で、pHが4を超えると、アルミニウムをはじめとした不純物のみならず、スカンジウムやニッケル等の有価金属も中和澱物に含まれる可能性がある。
(3)硫化工程
硫化工程S13は、上述した中和工程S12により得られた中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る工程である。この硫化工程S13における硫化処理により、ニッケル、コバルト、亜鉛等は硫化物となり、スカンジウム等は硫化後液に含まれることになる。
具体的に、この硫化工程S13では、得られた中和後液に対して、硫化水素ガス、硫化ナトリウム、水素化硫化ナトリウム等の硫化剤を吹きこみ、不純物成分の少ないニッケル及びコバルトを含む硫化物(ニッケル・コバルト混合硫化物)と、ニッケル濃度を低い水準で安定させ、スカンジウム等を含有させた硫化後液とを生成させる。
この硫化工程S13における硫化処理では、ニッケル・コバルト混合硫化物のスラリーをシックナー等の沈降分離装置を用いて沈降分離処理し、ニッケル・コバルト混合硫化物をシックナーの底部より分離回収する一方で、水溶液成分である硫化後液はオーバーフローさせて回収する。
本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法は、以上のようなニッケル酸化鉱の湿式製錬処理工程S1における各工程を経て得られる硫化後液を、スカンジウム回収処理の対象となる、スカンジウムとトリウムとを含有する酸性溶液として用いることができる。
<2−2.スカンジウム(Sc)溶離工程>
本実施の形態においては、上述のようにしてニッケル酸化鉱を硫酸により浸出して得られた、スカンジウムとトリウムとを含有する酸性溶液である硫化後液を、スカンジウム回収処理の対象溶液として適用することができる。ところが、そのスカンジウムとトリウムとを含有する酸性溶液である硫化後液には、スカンジウムやトリウムの他に、上述の硫化工程S13における硫化処理で硫化されずに溶液中に残留したアルミニウムやクロム等が含まれている。このことから、この酸性溶液を溶媒抽出に付すにあたり、スカンジウム溶離工程S2として、予め酸性溶液中に含まれる不純物を除去してスカンジウム(Sc)を濃縮し、スカンジウム溶離液(スカンジウム含有溶液)を生成させることが好ましい。
スカンジウム溶離工程S2では、例えばキレート樹脂を使用したイオン交換処理による方法で、酸性溶液中に含まれるアルミニウム等の不純物を分離して除去し、スカンジウムを濃縮させたスカンジウム含有溶液を得るようにすることができる。
なお、以下に、図2のフロー図を参照しながら、酸性溶液中に含まれる不純物を除去してスカンジウムを濃縮し溶離させる方法として、キレート樹脂を使用したイオン交換反応により行う方法を例に挙げて概略を説明するが、この方法に限られるものではない。
図2に一例を示す工程は、イオン交換工程S2に関するものである。具体的には、ニッケル酸化鉱の湿式製錬処理工程S1における硫化工程S13にて得られた硫化後液をキレート樹脂に接触させて硫化後液中のスカンジウムをキレート樹脂に吸着させ、スカンジウム(Sc)溶離液を得るものである。
イオン交換工程S2の態様としては特に限定されるものではないが、例えば、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる吸着工程S21と、スカンジウムを吸着したキレート樹脂に0.1N以下の硫酸を接触させてキレート樹脂に吸着したアルミニウムを除去するアルミニウム除去工程S22と、キレート樹脂に0.3N以上3N以下の硫酸を接触させてスカンジウム溶離液を得るスカンジウム溶離工程S23と、このスカンジウム溶離工程S23を経たキレート樹脂に3N以上の硫酸を接触させ、吸着工程S21でキレート樹脂に吸着したクロムを除去するクロム除去工程S24とを有するものを例示できる。以下、各工程について簡単に概略を説明する。
[吸着工程]
吸着工程S21では、硫化後液をキレート樹脂に接触させてスカンジウムをキレート樹脂に吸着させる。キレート樹脂の種類は特に限定されず、例えばイミノジ酢酸を官能基とする樹脂を用いることができる。
[アルミニウム除去工程]
アルミニウム除去工程S22では、吸着工程S21でスカンジウムを吸着したキレート樹脂に0.1N以下の硫酸を接触させ、キレート樹脂に吸着したアルミニウムを除去する。なお、アルミニウムを除去する際、pHを1以上2.5以下の範囲に維持することが好ましく、1.5以上2.0以下の範囲に維持することがより好ましい。
[スカンジウム溶離工程]
スカンジウム溶離工程S23では、アルミニウム除去工程S22を経たキレート樹脂に0.3N以上3N未満の硫酸を接触させ、スカンジウム溶離液を得る。スカンジウム溶離液を得るに際して、溶離液に用いる硫酸の規定度を0.3N以上3N未満の範囲に維持することが好ましく、0.5N以上2N未満の範囲に維持することがより好ましい。
[クロム除去工程]
クロム除去工程S24では、スカンジウム溶離工程S23を経たキレート樹脂に3N以上の硫酸を接触させ、吸着工程S21でキレート樹脂に吸着したクロムを除去する。クロムを除去する際に、溶離液に用いる硫酸の規定度が3Nを下回ると、クロムが適切にキレート樹脂から除去されないため、好ましくない。
<2−3.溶媒抽出工程>
次に、溶媒抽出工程S3では、スカンジウム溶離工程S2により得られたスカンジウム含有溶液、すなわち、スカンジウムと不純物であるトリウムとを含有する酸性溶液を抽出剤に接触させ、スカンジウムを含有する抽残液を得る。
溶媒抽出工程S3における態様は、特に限定されないが、そのスカンジウム含有溶液と有機溶媒である抽出剤とを混合して不純物(トリウム)と僅かなスカンジウムを抽出した抽出後有機溶媒とスカンジウムを残した抽残液とに分離する抽出工程S31と、抽出後有機溶媒に硫酸溶液を混合して抽出後有機溶媒に抽出された僅かなスカンジウムを水相に分離させて洗浄後液を得るスクラビング工程S32と、洗浄後有機溶媒に逆抽出剤を添加して洗浄後有機溶媒から不純物(トリウム)を逆抽出する逆抽出工程S33とを有する溶媒抽出処理を行うことが好ましい。
(1)抽出工程
抽出工程S31では、スカンジウム含有溶液と、抽出剤を含む有機溶媒とを混合して、有機溶媒中に不純物(トリウム)を選択的に抽出し、トリウムを含有する有機溶媒と抽残液とを得る。本実施の形態に係るスカンジウムの回収方法においては、この抽出工程S31において、アミン系の抽出剤を用いた溶媒抽出処理を行うことを特徴としている。アミン系抽出剤を用いて溶媒抽出処理を行うことにより、より効率的に且つ効果的に不純物であるトリウムを抽出してスカンジウムと分離することができる。
ここで、アミン系抽出剤は、スカンジウムとの選択性が低く、また抽出時に中和剤が不要である等の特徴を有するものであり、例えば、1級アミンであるPrimeneJM−T、2級アミンであるLA−1、3級アミンであるTNOA(Tri−n−octylamine)、TIOA(Tri−i−octylamine)等の商品名で知られるアミン系抽出剤を用いることができる。
抽出時においては、そのアミン系抽出剤を、例えば炭化水素系の有機溶媒等で希釈して使用することが好ましい。有機溶媒中のアミン系抽出剤の濃度としては、特に限定されないが、抽出時、後述する逆抽出時における相分離性等を考慮すると、1体積%以上10体積%以下程度であることが好ましく、特に5体積%程度であることがより好ましい。
また、抽出時における、有機溶媒とスカンジウム含有溶液との体積割合としては、特に限定されないが、スカンジウム含有溶液中のメタルモル量に対して有機溶媒モル量を0.01倍以上0.1倍以下程度にすることが好ましい。
(2)スクラビング(洗浄)工程
上述した抽出工程S31において、スカンジウム含有溶液から不純物であるトリウムを抽出させた溶媒中にスカンジウムが僅かに共存する場合には、抽出工程S31にて得られた抽出液を逆抽出する前に、その有機溶媒(有機相)に対してスクラビング(洗浄)処理を施し、スカンジウムを水相に分離させて抽出剤から回収することが好ましい(スクラビング工程S32)。
このようにしてスクラビング工程S32を設けて有機溶媒を洗浄し、抽出剤により抽出された僅かなスカンジウムを分離させることによって、洗浄液中にスカンジウムを分離させることができ、スカンジウムの回収率をより一層に高めることができる。
スクラビングに用いる溶液(洗浄溶液)としては、硫酸溶液や塩酸溶液等を使用することができる。また、水に可溶性の塩化物や硫酸塩を添加したものを使用することもできる。具体的に、洗浄溶液として硫酸溶液を用いる場合には、1.0mol/l以上3.0mol/l以下の濃度範囲のものを使用することが好ましい。
洗浄段数(回数)としては、不純物元素の種類、濃度にも依存することからそれぞれのアミン系抽出剤や抽出条件によって適宜変更することができる。例えば、有機相(O)と水相(A)の相比O/A=1とした場合、3〜5段程度の段数とすることにより、有機溶媒中に抽出されたスカンジウムを分析装置の検出下限未満まで分離することができる。
(3)逆抽出工程
逆抽出工程S33では、抽出工程S31にて不純物(トリウム)を抽出した有機溶媒から、不純物(トリウム)を逆抽出する。具体的に、この逆抽出工程S33では、抽出剤を含む有機溶媒に逆抽出溶液(逆抽出始液)を添加して混合することによって、抽出工程S31における抽出処理とは逆の反応を生じさせてトリウムを逆抽出し、トリウムを含む逆抽出後液を得る。
上述したように本実施の形態では、抽出工程S31での抽出処理において、抽出剤としてアミン系抽出剤を用いて不純物であるトリウムを選択的に抽出するようにしている。このことから、その不純物であるトリウムを抽出剤を含む有機溶媒から効率的に且つ効果的に分離させて抽出剤を再生する観点から、逆抽出溶液としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩を含有する溶液を用いることが好ましい。
逆抽出溶液である炭酸塩を含有する溶液の濃度としては、過剰な使用を抑制する観点から、例えば0.5mol/l以上2mol/l以下程度とすることが好ましい。
なお、上述したスクラビング工程S32にて抽出剤を含む有機溶媒に対してスクラビング処理を施した場合には、同様に、スクラビング後の抽出剤に対して逆抽出溶液を添加して混合することによって逆抽出処理を行うことができる。
このようにして抽出後の抽出剤又はスクラビング後の抽出剤に炭酸ナトリウム等の炭酸塩溶液を添加して逆抽出処理を行いトリウムを分離させた後の抽出剤は、再び、抽出工程S31における抽出処理に用いる抽出剤として繰り返して使用することができる。
<2−4.スカンジウム回収工程>
次に、スカンジウム回収工程S4において、溶媒抽出工程S3における抽出工程S31にて得られた抽残液、及び、スクラビング工程S32でスクラビングを行った場合には、そのスクラビング後の洗浄液から、スカンジウムを回収する。
スカンジウム回収工程S4におけるスカンジウム回収方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、抽残液及び洗浄液に対してシュウ酸を加えてシュウ酸スカンジウムの沈殿物を生成させ、その後、シュウ酸スカンジウムの乾燥し、焙焼することによって酸化スカンジウムとして回収する方法等を挙げることができる。なお、以下に、図2のフロー図を参照しながら、シュウ酸塩化した後に焙焼処理を行い、酸化スカンジウムとしてスカンジウムを回収する方法の概略を説明する。
[シュウ酸塩化工程]
シュウ酸塩化工程S41は、溶媒抽出工程S2で得られた抽残液及び洗浄液に対して所定量のシュウ酸を加えてシュウ酸スカンジウムの固体として析出、沈殿させて分離する工程である。
シュウ酸の添加量としては、特に限定されないが、抽残液等に含まれるスカンジウムをシュウ酸塩として析出させるのに必要な当量の1.05倍以上1.2倍以下の量とすることが好ましい。その添加量が析出に必要な当量の1.05倍未満であると、スカンジウムを全量回収できなくなる可能性がある。一方で、その添加量が析出に必要な当量の1.2倍を超えると、得られるシュウ酸スカンジウムの溶解度が増加することでスカンジウムが再溶解して回収率が低下したり、過剰なシュウ酸を分解するために次亜塩素ソーダのような酸化剤を使用する量が増加してしまう。
[焙焼工程]
焙焼工程S42は、シュウ酸塩化工程S41で得られたシュウ酸スカンジウムの沈殿物を水で洗浄し、乾燥させた後に、焙焼する工程である。この焙焼工程S42における焙焼処理を経ることで、スカンジウムを極めて高品位な酸化スカンジウムとして回収することができる。
焙焼処理の条件としては、特に限定されないが、例えば管状炉に入れて約900℃で2時間程度加熱すればよい。なお、工業的には、ロータリーキルン等の連続炉を用いることで、乾燥と焙焼とを同じ装置で行うことができるため好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
[スカンジウム含有溶液の調製]
ニッケル酸化鉱を特許文献1に記載の方法等の公知の方法に基づき、硫酸を用いて加圧酸浸出し、得られた浸出液のpHを調整して不純物を除去した後、硫化剤を添加してニッケルを分離して硫化後液を用意した。なお、表1に硫化後液の組成を示す。
Figure 2016065273
この硫化後液にトリウム等の不純物を必要に応じて試薬で添加し、またキレート樹脂を用いたイオン交換処理を行い、さらに加熱する等の公知の方法により濃縮処理を施して、抽出前元液を得た。なお、表2に抽出前元液の組成を示す。
Figure 2016065273
[溶媒抽出]
〔抽出工程〕
表2に示す組成の溶解液100リットルを抽出始液とした。これに、アミン系抽出剤(ダウケミカル社製,PrimeneJM−T)を溶剤(シェルケミカルズジャパン社製,シェルゾールA150)を用いて5体積%に調整した有機溶媒50リットルを混合させて室温で60分間撹拌し、スカンジウムを含む抽残液を得た。なお、抽出時にはクラッドが形成されることはなく、静置後の相分離も迅速に進行した。
この抽出により得られた抽出有機相に含まれる各元素の組成を分析した。表3に、抽出有機相に含まれる各種元素の物量を、抽出前元液に含有されていた各元素の物量で割った値の百分率を算出し、それを抽出率(%)として結果を示す。
Figure 2016065273
表3に示す抽出率の結果から分かるように、抽出工程を通じて、抽出前元液に含まれていたスカンジウム(Sc)の多くが抽残液に分配され、AlやFe等は抽出されなかったことが確認された。また、抽出始液中に含まれていたトリウム(Th)が高い抽出率で抽出された。
〔スクラビング(洗浄)工程〕
次に、抽出工程で得られたスカンジウムを含む50リットルの有機溶媒(抽出有機相)に、濃度1mol/lの硫酸溶液を、相比(O/A)が1の比率となるように50リットル混合し、60分間撹拌して洗浄した。その後、静置して水相を分離し、有機相は再び濃度1mol/lの新たな硫酸溶液50リットルと混合して洗浄し、同様に水相を分離した。このような洗浄操作を合計5回繰り返した。
抽出有機相を5回洗浄することにより、抽出有機相に含まれていたスカンジウムを水相に分離し、回収することができた。一方で、抽出有機相に含まれる不純物については、1mg/lの低いレベルの溶出に留まり、有機溶媒に抽出されたスカンジウムのみを効果的に水相に分離させることができ、不純物のみを除去できることが分かった。
〔逆抽出工程〕
次に、洗浄後の抽出有機相に、濃度1mol/lの炭酸ナトリウムを、相比O/A=1/1の比率となるように混合して60分間撹拌して逆抽出処理を施し、不純物(トリウム)を水相に逆抽出した。
この逆抽出操作によって得られた逆抽出後液に含まれる各種元素の組成を分析した。表4に、逆抽出後液に含まれる各種元素の物量を、抽出工程において有機相に抽出された各種元素の物量で割った値の百分率を算出し、それを回収率(%)として結果を示す。
Figure 2016065273
表4に示す回収率の結果から分かるように、上述した溶媒抽出処理を行うことによって、抽出前元液に含まれていたトリウムを分離して、抽残液と洗浄後液から回収できるスカンジウムと分離し、それにより高純度なスカンジウムを得ることができることを確認できた。
<実施例2>
実施例1にて使用した、表1に示す同組成の硫化後液に対して、実施例1と同じ手法でイオン交換処理及び濃縮処理を行い、得られた水酸化スカンジウムを硫酸で再び溶解することによって、表5に示す組成のキレート溶離液(水酸化物溶解液)を得て、溶媒抽出前元液とした。
Figure 2016065273
表5に示す組成のキレート溶離液(水酸化物溶解液)を抽出始液として、これに、アミン系抽出剤を用いた溶媒抽出に付した。なお、アミン系抽出剤には、実施例1と同様に、PrimeneJM−T(ダウケミカル社製)を用い、これを溶剤(シェルケミカルズジャパン社製,シェルゾールA150)で5%に希釈した。抽出平衡pHを1とし、有機量と液中メタル量の比を元に、有機量(O)と抽出始液(A)の量を、表6に示す抽出条件のように選定した。
Figure 2016065273
図3は、有機溶媒中に含まれるSc、Th、U、Al、及びFeの抽出率(%)の結果を示すグラフ図である。なお、抽出率は、抽出有機相に含まれる各種元素の物量を、抽出前元液に含有されていた各元素の物量で割った値の百分率とした。
図3のグラフ図から分かるように、メタル量に対する有機量の比である有機量/メタル量(単位:mol/mol、以下同じ)が0.01以上0.1以下の範囲にある場合、アミン系抽出剤を用いた溶媒抽出により、トリウムをスカンジウムと効率的に分離することができ、その結果、抽残液中にスカンジウムを濃縮することができることが分かった。具体的には、O/Aが0.5(有機量/メタル量=0.02)である場合、トリウムの抽出率は50%であるに対し、スカンジウムの抽出率は4%となる。
なお、有機量/メタル量が0.01倍未満であると、有機相と水相の分相が悪く、好ましくない。また、有機量/メタル量が0.1倍を超えると、有機相にスカンジウムが多く含まれるようになり、好ましくない。
続いて、実施例2−3に係るスカンジウムを抽出した後の有機溶媒に硫酸を混合して洗浄した。なお、表7に、洗浄に使用した硫酸の濃度条件を示す。
Figure 2016065273
図3は、洗浄に用いた硫酸の濃度と洗浄率との関係を示すグラフ図である。ここで、洗浄率とは、有機溶媒から分離して硫酸に含まれるようになった金属の割合をいう。
図3のグラフ図から分かるように、どの硫酸濃度であっても、スカンジウムを有機溶媒から分離して回収することができたが、特に硫酸濃度が1mol/l以上3mol/l以下である場合に、トリウムを有機溶媒中に残したまま、効率的にスカンジウムのみを有機溶媒から分離して回収することができた。

Claims (6)

  1. ニッケル酸化鉱を硫酸により浸出し、得られた浸出液をイオン交換樹脂に通液し、次いで溶媒抽出処理を経てスカンジウムを回収するスカンジウムの回収方法において、
    前記溶媒抽出処理では、溶媒抽出の抽出剤にアミン系抽出剤を用いることにより、被処理溶液中に含まれるトリウムを該抽出剤中に抽出して抽出後に該被処理溶液中に残留するスカンジウムと分離することを特徴とするスカンジウムの回収方法。
  2. 前記被処理溶液中のトリウムを抽出した後の抽出剤に、洗浄液としての1.0mol/l以上3.0mol/l以下の濃度の硫酸溶液を混合し、該抽出剤中に含まれるスカンジウムを該洗浄液中に分離するスクラビングを行い、スクラビング後の洗浄液からスカンジウムを回収することを特徴とする請求項1に記載のスカンジウムの回収方法。
  3. 抽出後の抽出剤に炭酸塩を添加して逆抽出を行うことにより逆抽出後の抽出剤と逆抽出液とを得て、抽出剤中に抽出したトリウムを逆抽出液中に分離して回収することを特徴とする請求項1に記載のスカンジウムの回収方法。
  4. スクラビング後の抽出剤に炭酸塩を添加して逆抽出を行うことにより逆抽出後の抽出剤と逆抽出液とを得て、抽出剤中に抽出したトリウムを逆抽出液中に分離して回収することを特徴とする請求項2に記載のスカンジウムの回収方法。
  5. 逆抽出後の抽出剤を、前記被処理溶液中のトリウムを抽出する抽出剤として繰り返し用いることを特徴とする請求項3又は4に記載のスカンジウムの回収方法。
  6. 前記溶媒抽出処理に付される被処理溶液は、
    前記ニッケル酸化鉱を高温高圧下で硫酸により浸出して浸出液を得る浸出工程と、
    前記浸出液に中和剤を添加して不純物を含む中和澱物と中和後液とを得る中和工程と、
    前記中和後液に硫化剤を添加してニッケル硫化物と硫化後液とを得る硫化工程と
    を有するニッケル酸化鉱の湿式製錬処理により得られる前記硫化後液であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のスカンジウムの回収方法。
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