JP2008013388A - 塩化ニッケル水溶液の精製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鉄、ヒ素その他の不純物元素を含有する塩化ニッケル水溶液から、鉄及びヒ素を効率的に除去することができる塩化ニッケル水溶液の精製方法を提供する。
【解決手段】鉄、ヒ素その他の不純物元素を含有する塩化ニッケル水溶液に、酸化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を1050〜1080mVに、かつpHを1.95〜2.00に調整して、鉄及びヒ素を水酸化物沈殿として除去することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】鉄、ヒ素その他の不純物元素を含有する塩化ニッケル水溶液に、酸化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を1050〜1080mVに、かつpHを1.95〜2.00に調整して、鉄及びヒ素を水酸化物沈殿として除去することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、塩化ニッケル水溶液の精製方法に関し、さらに詳しくは、鉄、ヒ素その他の不純物元素を含有する塩化ニッケル水溶液から、鉄及びヒ素を効率的に除去することができる塩化ニッケル水溶液の精製方法に関する。
従来、ニッケル地金を生産する精錬方法として、Ni3S2等のニッケル硫化物を主成分とし、コバルト、鉄、銅等の不純物元素を含むニッケルマットを原料として用いて、これを粉砕した後、塩化物水溶液に懸濁して塩素ガスを吹き込み、ニッケル等の有価金属を浸出する工程、得られる浸出生液からコバルト、鉄、銅などを除去して精製液を得る工程、及び精製液から、不溶性アノードを用いる電解採取によってカソードにニッケルを電着する工程を含む湿式精錬法が広く行われている。
この中で、代表的な湿式精錬法として、ニッケルマット等のニッケル硫化物原料を用いて、その浸出液からコバルト及び鉄を分離する酸化中和工程を含む方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、ニッケル硫化物原料は、浸出工程において酸化剤として塩素ガスを用いて塩化物水溶液中で浸出され、イオウを含む浸出残渣とニッケルと溶解された不純物元素を含む浸出液とに分離される。得られた浸出液は、予備工程において、酸化中和工程で生成されるニッケル、コバルト及び鉄を含む水酸化物の一部を用いてスラリーが形成され、部分的な酸化中和処理がなされる。この反応後のスラリーは、そのまま酸化中和工程において、酸化剤と中和剤が添加され酸化中和反応が完了され、ニッケル電解液とニッケル、コバルト及び鉄を含む水酸化物沈殿とに分離される。なお、前記水酸化物沈殿中に含まれるニッケルは、酸化中和反応においてコバルトの沈殿に際して共沈殿されたものである。得られたニッケル電解液は、ニッケル電解工程において、電解採取され、高純度の電着ニッケルが回収される。また、ニッケル、コバルト及び鉄を含む水酸化物沈殿は、その一部が予備工程に用いられるが、残りは水酸化物沈殿中に含有されるニッケル及びコバルトを原料として副産品を回収するため、別工程で処理される。
ここで、一般に塩素による浸出工程では、ニッケルとともに、ニッケルマットに含有される殆ど全ての金属成分、例えば、コバルト、鉄、銅、ヒ素、亜鉛、鉛等が液中に浸出され、イオウを主成分とした残渣が生成される。その後、浸出液に含まれる銅イオンは、例えば、ニッケルマット中の金属ニッケルとイオウによるセメンテーション反応で残渣中に固定され、それに続く塩素浸出後の浸出液から脱銅電解等により分離される。したがって、浸出液に含まれる、銅を除くコバルト、鉄、ヒ素等は、浸出工程の次工程である酸化中和工程、或いは予備工程を含む酸化中和工程において、pHが4〜6、かつ酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)が600〜1100mVの条件に制御される酸化中和法によって水酸化物沈殿として除去されている。
上記塩素による浸出工程において、ヒ素は、その一部、例えば約10%が残渣中に残留するが、残りは浸出され、浸出液に含まれる。その後、上記酸化中和工程において、ヒ素は水酸化物沈殿に含まれ分離除去される。すなわち、上記酸化中和工程の代表的な操業条件としては、コバルト及び鉄の水酸化物を形成するため、pHが3.8〜4.6、かつ酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)が1000〜1100mVで制御されている。このとき、浸出液中に含まれるヒ素は、鉄が水酸化物として沈殿する際に共沈作用により沈殿する。したがって、原料中に含有されるヒ素の約90%が、水酸化物沈殿中に含まれて、上記副産品としてニッケル及びコバルトを回収する工程に送られる。このため、副産物の回収工程で、原液のヒ素濃度が上昇するため、副産品を汚染するという問題があった。
ところで、このようなニッケル硫化物原料の塩素浸出法において、鉄及びヒ素の含有量が少ない浸出液を得る方法として、塩素浸出後のスラリーに空気等を吹き込み、pHを0.5〜1に調整する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、ヒ素を残渣とともに除去して、浸出液中に含有されるヒ素を低減する効果がある。しかしながら、鉄及びヒ素の除去を優先するとニッケルの浸出率が犠牲になるため、ヒ素の除去にはおのずと限界があった。
また、上記課題の解決策としては、上記副産品としてニッケル及びコバルトを回収する工程へのヒ素の混入を避けるため、従来の酸化中和工程を鉄及びヒ素の除去工程とコバルトの除去工程とに分割することが考えられる。このため、コバルトの沈殿を極力避けて、鉄とヒ素のみを優先的に除去する方法が望まれている。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、鉄、ヒ素その他の不純物元素を含有する塩化ニッケル水溶液から、鉄及びヒ素を効率的に除去することができる塩化ニッケル水溶液の精製方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、鉄、ヒ素その他の不純物元素を含有する塩化ニッケル水溶液から鉄及びヒ素を除去する方法について、鋭意研究を重ねた結果、特定の条件で酸化中和法を行なったところ、ニッケル及びコバルトの沈殿生成が抑えられる条件下で鉄及びヒ素を効率的に除去することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、鉄、ヒ素その他の不純物元素を含有する塩化ニッケル水溶液に、酸化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を1050〜1080mVに、かつpHを1.95〜2.00に調整して、鉄及びヒ素を水酸化物沈殿として除去することを特徴とする塩化ニッケル水溶液の精製方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記酸化剤が塩素ガスで、pH調整剤が水酸化ニッケル、塩基性炭酸ニッケル、又は炭酸ニッケルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする塩化ニッケル水溶液の精製方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記塩化ニッケル水溶液の組成は、ニッケル濃度が150〜180g/L、鉄濃度が0.9〜2.6g/L、及びヒ素濃度が3〜100mg/Lであることを特徴とする塩化ニッケル水溶液の精製方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、精製後の塩化ニッケル水溶液の組成は、鉄濃度が0.1g/L以下、及びヒ素濃度が0.1mg/L以下であることを特徴とする塩化ニッケル水溶液の精製方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4いずれかの発明において、前記塩化ニッケル水溶液は、ニッケル硫化物を塩素浸出して得られる浸出液であることを特徴とする塩化ニッケル水溶液の精製方法が提供される。
本発明の塩化ニッケル水溶液の精製方法は、鉄、ヒ素その他の不純物元素を含有する塩化ニッケル水溶液から、ニッケル及びコバルトの沈殿生成が抑えられる条件下で鉄及びヒ素を効率的に除去することができる方法であり、この方法を脱鉄、ヒ素工程として採用すれば、後続のコバルトの分離工程で得られる沈殿物へのヒ素の分配が大幅に低減されるので、副産物の回収工程で副産品を汚染する問題が解消されるので、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の塩化ニッケル水溶液の精製方法を詳細に説明する。
本発明の塩化ニッケル水溶液の精製方法は、鉄、ヒ素その他の不純物元素を含有する塩化ニッケル水溶液に、酸化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を1050〜1080mVに、かつpHを1.95〜2.00に調整して、鉄及びヒ素を水酸化物沈殿として除去することを特徴とする。
本発明の塩化ニッケル水溶液の精製方法は、鉄、ヒ素その他の不純物元素を含有する塩化ニッケル水溶液に、酸化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を1050〜1080mVに、かつpHを1.95〜2.00に調整して、鉄及びヒ素を水酸化物沈殿として除去することを特徴とする。
本発明の方法において、鉄及びヒ素を水酸化物沈殿として除去する際に、酸化中和法により、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を1050〜1080mVに、かつpHを1.95〜2.00に厳密に調整して行なうことが重要である。これによって、ヒ素を十分に除去することができる。
すなわち、従来の酸化中和法に比べて、低pH領域で、かつ厳密に制御することが求められる。これに対して、従来の酸化中和法では、コバルトの分離が最重要課題の一つであるので、十分なコバルト回収率を得るための条件が設定されていた。例えば、pHが3.8〜4.6で、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)が1000〜1100mVに制御されていたため、その高pHにより、鉄及びヒ素のほか、ニッケルも共沈殿していた。
まず、本発明の塩化ニッケル水溶液の精製方法の概要を、図を用いて説明する。図1は、本発明に関わる鉄及びヒ素の除去を目的とする酸化中和工程(1)と、コバルトの分離を目的とする酸化中和工程(2)含むニッケル硫化物を原料とする湿式精錬法の工程フロー図の一例を示す。
図1において、ニッケル硫化物6は、浸出工程1において酸化剤として塩素ガス7を用いて塩化物水溶液中で浸出され、硫イオウを含む浸出残渣8とニッケルと溶解された不純物元素を含む浸出液9に分離される。浸出液9には、酸化中和工程(1)2において、酸化剤とpH調整剤10を添加され酸化中和反応がなされ、鉄及びヒ素の除去がなされ、鉄及びヒ素を水酸化物沈殿12と脱鉄精製液11とに分離される。脱鉄精製液11には、酸化中和工程(2)3において、酸化剤とpH調整剤10を添加され酸化中和反応がなされ、脱コバルト精製液13とコバルトを含む水酸化物沈殿14に分離される。その後、脱コバルト精製液13は、図上には記載していないが必要に応じてさらに精製された後、ニッケル電解工程4において、電解採取がなされ、高純度の電解ニッケル15が回収される。また、コバルトを含む水酸化物沈殿14の原料として別工程の副産品回収工程5で処理される。
本発明で用いる鉄、ヒ素その他の不純物元素を含有する塩化ニッケル水溶液としては、特に限定されるものではなく、コバルト、鉄、銅、ヒ素、亜鉛、鉛、マンガンその他の不純物元素を含む塩化ニッケル水溶液が用いられるが、その中で、特にニッケル硫化物原料を、塩素ガスで浸出し、得られた塩化ニッケル水溶液を精製した後、電解採取によって電着ニッケルを得る湿式精製法において得られる、鉄とヒ素を含む浸出液が好ましく用いられる。このような浸出液の組成としては、特に限定されるものではないが、例えば、ニッケル濃度が150〜180g/L、鉄濃度が0.9〜2.6g/L、及びヒ素濃度が3〜100mg/Lである。
本発明の方法では、酸化中和法を用いて、ニッケル及びコバルトの沈殿生成が抑えられる条件下で鉄及びヒ素を除去するため、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を1050〜1080mVに、かつpHを1.95〜2.00に調整して、鉄イオンを下記の反応式1に従って酸化中和して水酸化鉄(Fe(OH)3)として除去する。このとき、本来は酸化中和反応では除去が難しいヒ素イオンも、下記の反応式2にしたがって3価から5価に酸化されると、水酸化鉄と共沈殿する。ここで、得られる精製液の鉄とヒ素は、鉄濃度が0.1g/L以下、及びヒ素濃度が0.1mg/L以下にまで除去される。
反応式1:Fe2++0.5Cl2+3OH− → Fe(OH)3+Cl−
反応式2:As2++0.5Cl2 → As3++Cl−
すなわち、酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)が、1050mV未満では、ヒ素の酸化が不十分でヒ素の除去が十分に行われない。一方、酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)が1080mVを超えると、コバルトとニッケルも酸化することにより、それらの中和反応による共沈殿量が増加する。また、pHが1.95未満では、ヒ素の酸化反応が不足となりヒ素の除去が十分に行われなくなる。一方、pHが2.00を超えると、コバルトとニッケルの中和反応による共沈殿量が増加する。
上記方法で用いる酸化剤としては、特に限定されるものではなく、塩素、オゾン等の不純物の蓄積が起らないものが用いられるが、コスト上、塩素ガスが好ましい。
上記方法で用いるpH調節剤としては、特に限定されるものではなく、アルカリ金属塩、ニッケルの水酸化物及び炭酸塩等が用いられるが、この中で、不純物の蓄積が起らない水酸化ニッケル、塩基性炭酸ニッケル及び炭酸ニッケルが好ましく、ハンドリング性の良い塩基性炭酸ニッケルがより好ましい。
上記方法で用いる温度としては、特に限定されるものではないが、60〜70℃が好ましい。すなわち、温度が60℃未満では、反応の進行が遅い。一方、温度が70℃を超えるまで上昇させてもそれ以上の効果が得られない。
以上より明らかなように、本発明の方法では、酸化中和法において、コバルト及びニッケルが酸化中和されるようになるpHよりも低い条件に設定し、しかもヒ素の酸化が十分に行なわれる酸化還元電位が設定されるので、コバルト及びニッケルの沈殿を抑えて、鉄とヒ素を優先的に水酸化物として沈殿分離することができる。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた金属の分析は原子吸光法で行った。
また、実施例及び比較例で用いた塩化ニッケル水溶液は、ニッケルマットを用いて、塩素ガスで浸出し、得られた浸出生成液を精製した後、電解採取によって電着ニッケルを得る湿式精製法において得られた鉄、ヒ素その他の不純物元素を含む塩化ニッケル水溶液(Ni濃度:150〜180g/L、Fe濃度:0.9〜2.6g/L、As濃度:3〜100mg/L)であった。なお、各々の始液のFe濃度及びAs濃度を、表1に示す。
また、実施例及び比較例で用いた塩化ニッケル水溶液は、ニッケルマットを用いて、塩素ガスで浸出し、得られた浸出生成液を精製した後、電解採取によって電着ニッケルを得る湿式精製法において得られた鉄、ヒ素その他の不純物元素を含む塩化ニッケル水溶液(Ni濃度:150〜180g/L、Fe濃度:0.9〜2.6g/L、As濃度:3〜100mg/L)であった。なお、各々の始液のFe濃度及びAs濃度を、表1に示す。
(実施例1)
上記塩化ニッケル水溶液に、市販の塩素ガスを吹きこみながら、炭酸ニッケル(住友金属鉱山(株)製)を適時添加して、pHを1.98、酸化還元電位(ORP、銀/塩化銀電極規準)を1056mV、及び温度を63〜66℃の範囲に調整して、撹拌処理を行った。なお、ヒ素は、鉄との共沈で除去される割合が高く、撹拌処理時間により影響されるので、反応終液のFe濃度が0.1g/L程度になるように鉄の沈殿生成量を増加させる方法で行なった。その後、生成された水酸化物を、濾過圧縮分離し、得られた精製液(反応終液)のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
上記塩化ニッケル水溶液に、市販の塩素ガスを吹きこみながら、炭酸ニッケル(住友金属鉱山(株)製)を適時添加して、pHを1.98、酸化還元電位(ORP、銀/塩化銀電極規準)を1056mV、及び温度を63〜66℃の範囲に調整して、撹拌処理を行った。なお、ヒ素は、鉄との共沈で除去される割合が高く、撹拌処理時間により影響されるので、反応終液のFe濃度が0.1g/L程度になるように鉄の沈殿生成量を増加させる方法で行なった。その後、生成された水酸化物を、濾過圧縮分離し、得られた精製液(反応終液)のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(実施例2)
pHを1.95、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を1075mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを1.95、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を1075mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(実施例3)
pHを1.95、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を1064mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを1.95、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を1064mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(実施例4)
pHを1.98、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を1068mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを1.98、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を1068mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(実施例5)
pHを1.96、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を1080mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを1.96、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を1080mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(比較例1)
pHを1.92に調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを1.92に調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(比較例2)
pHを1.91、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を1056mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを1.91、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を1056mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(比較例3)
pHを1.84、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を1016mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを1.84、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を1016mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(比較例4)
pHを1.81、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を594mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを1.81、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を594mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(比較例5)
pHを1.96、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を601mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを1.96、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を601mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(比較例6)
pHを2.07、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を615mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを2.07、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を615mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(比較例7)
pHを2.18、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を734mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを2.18、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を734mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(比較例8)
pHを1.98、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を509mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを1.98、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を509mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(比較例9)
pHを2.23、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を484mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを2.23、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を484mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(比較例10)
pHを2.42、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を496mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを2.42、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を496mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(比較例11)
pHを2.39、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を415mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを2.39、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を415mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
(比較例12)
pHを2.51、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を431mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
pHを2.51、及び酸化還元電位(銀/塩化銀電極規準)を431mVに調整したこと以外は、実施例1と同様に行い、得られた精製液のFe濃度及びAs濃度を分析した。結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜5では、pH及び酸化還元電位を所定値に調整して本発明の方法に従って行われたので、鉄濃度が0.1g/L以下で、ヒ素濃度が0.1mg/L以下にまで除去されることが分かる。これに対して、比較例1〜12では、pH又は酸化還元電位のいずれかがこれらの条件に合わないので、ヒ素濃度において満足すべき結果が得られないことが分かる。
以上より明らかなように、本発明の塩化ニッケル水溶液の精製方法は、ニッケル精錬分野の不純物元素を含む塩化ニッケル水溶液から鉄及びヒ素を効率的に優先的に除去する方法として利用され、特にニッケル硫化物を塩素浸出して得られる浸出生成液に好ましく用いられる。
1 浸出工程
2 酸化中和工程(1)
3 酸化中和工程(2)
4 ニッケル電解工程
5 副産品回収工程
6 ニッケル硫化物
7 塩素ガス
8 浸出残渣
9 浸出液
10 酸化剤とpH調整剤
11 脱鉄精製液
12 鉄及びヒ素を含む水酸化物沈殿
13 脱コバルト精製液
14 コバルトを含む水酸化物沈殿
15 電気ニッケル
2 酸化中和工程(1)
3 酸化中和工程(2)
4 ニッケル電解工程
5 副産品回収工程
6 ニッケル硫化物
7 塩素ガス
8 浸出残渣
9 浸出液
10 酸化剤とpH調整剤
11 脱鉄精製液
12 鉄及びヒ素を含む水酸化物沈殿
13 脱コバルト精製液
14 コバルトを含む水酸化物沈殿
15 電気ニッケル
Claims (5)
- 鉄、ヒ素その他の不純物元素を含有する塩化ニッケル水溶液に、酸化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を1050〜1080mVに、かつpHを1.95〜2.00に調整して、鉄及びヒ素を水酸化物沈殿として除去することを特徴とする塩化ニッケル水溶液の精製方法。
- 前記酸化剤が塩素ガスで、pH調整剤が水酸化ニッケル、塩基性炭酸ニッケル、又は炭酸ニッケルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の塩化ニッケル水溶液の精製方法。
- 前記塩化ニッケル水溶液の組成は、ニッケル濃度が150〜180g/L、鉄濃度が0.9〜2.6g/L、及びヒ素濃度が3〜100mg/Lであることを特徴とする請求項1に記載の塩化ニッケル水溶液の精製方法。
- 精製後の塩化ニッケル水溶液の組成は、鉄濃度が0.1g/L以下、及びヒ素濃度が0.1mg/L以下であることを特徴とする請求項1に記載の塩化ニッケル水溶液の精製方法。
- 前記塩化ニッケル水溶液は、ニッケル硫化物原料を塩素浸出して得られる浸出液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の塩化ニッケル水溶液の精製方法。
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2006
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