JP5796716B2 - コバルト含有液の不純物除去方法 - Google Patents

コバルト含有液の不純物除去方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5796716B2
JP5796716B2 JP2012061284A JP2012061284A JP5796716B2 JP 5796716 B2 JP5796716 B2 JP 5796716B2 JP 2012061284 A JP2012061284 A JP 2012061284A JP 2012061284 A JP2012061284 A JP 2012061284A JP 5796716 B2 JP5796716 B2 JP 5796716B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cobalt
added
iron
solution
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012061284A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013194269A (ja
Inventor
始 川崎
始 川崎
淳二 阿部
淳二 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2012061284A priority Critical patent/JP5796716B2/ja
Publication of JP2013194269A publication Critical patent/JP2013194269A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5796716B2 publication Critical patent/JP5796716B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Description

本発明は、超硬スクラップからタングステンを回収した後の残渣から得られるコバルト含有液から不純物を除去する方法に関する。
超硬スクラップに鉱酸を直接加えてコバルトを浸出させて回収する方法が知られている(特許文献1)。また、超硬スクラップを焙焼した後にコバルトを酸浸出させ、その浸出液をアンモニア性にしてコバルトおよびタングステンを沈殿させて回収する方法が知られている(特許文献2)。
この他に、コバルト水溶液を溶媒抽出して精製し、電解採取によってコバルトを回収する方法が多数出願されている。また、コバルトの溶媒抽出の前処理として、コバルト水溶液に含まれている銅を硫化物として沈殿させて除去し、また、コバルト水溶液液に含まれている鉄、マンガン、銅を中和処理および酸化還元処理によって沈殿させ除去する方法が出願されている(特許文献3、4)。
特開2004−0029237号公報 特開平10−18325号公報 特開2004−285368号公報 特開2000−017347号公報 Effect of chromium(VI) on electrocrystallisation of cobalt from sulphate solution , N.Pradhan, U.N.Dash and S.C.Das , Hydrometallurgy Volume 62 Issue 1, September 2001, Pages 1-10
超硬スクラップを焙焼してアルカリ浸出し、タングステンを抽出した後の残渣(以下、タングステン浸出残渣と云う)にはコバルト等の超硬中に含まれるタングステン以外の金属が多量に含まれており、具体的には、チタン、バナジウム、クロム、鉄、ニッケル、銅、ニオブ、モリブデン、タングステン、タンタルなどが含まれている。このタングステン浸出残渣からコバルトを回収するには、残渣を酸浸出してコバルトを溶出させた後に、溶媒抽出と電解採取によってコバルトを精製し回収する方法が一般的である。
コバルトの精製方法としては溶媒抽出が一般的であり、D2EHPAおよびPC88Aに代表されるリン酸系抽出剤またはトリオクチルアミンを用いてコバルトとニッケルとを分離・精製する方法が知られている。しかし、タングステン浸出残渣にはコバルトとニッケルの他に上記金属が含まれており、リン酸系抽出剤またはトリオクチルアミンによる溶媒抽出ではこれらの金属を十分に分離することができない。
例えば、リン酸系抽出剤は銅が十分に分離されず、またトリオクチルアミンは鉄と銅が十分に分離されないため、溶媒抽出を行う前にこれらの金属を除去する必要がある。タングステン浸出残渣にニッケルが含まれていない場合には、溶媒抽出せずに電解採取してコバルトを回収しても良いが、この場合でも、鉄、銅、クロムを除去する必要がある。このように、コバルトの溶媒抽出による精製ではコバルトとともに抽出される不純物が問題になる。また、コバルト電解採取は少量のクロム(VI)でも影響を受けることが知られている(非特許文献1)。
本発明は、タングステン浸出残渣からコバルトを回収する際に問題となる不純物を除去する方法を提供する。
本発明は以下に示す構成によって上記問題を解決したコバルト含有液の不純物除去方法。
〔1〕タングステン浸出残渣の水スラリーにpH4.0以下になるまで鉱酸を加えて不純物金属を浸出させ(酸浸出工程)、この酸浸出スラリーに鉄(II)化合物を添加して液中のクロムを還元し、次いで酸化剤を添加して液中の鉄(II)を酸化してクロムおよび鉄の水酸化物を沈澱させ(不純物沈澱化工程)、これを固液分離して酸浸出残渣と酸浸出液とに分離し、この酸浸出液を脱銅処理して銅を沈澱化し(脱銅工程)、該脱銅後に固液分離した溶液をコバルトの回収に用いることを特徴とするコバルト含有液の不純物除去方法。
〔2〕不純物沈澱化工程において、酸浸出スラリーに鉄(II)化合物を添加し、酸化還元電位を400mV(Ag/AgCl電極)以下にしてクロム(VI)をクロム(III)に還元し、次いで酸化剤を酸化還元電位が500mV〜850mV(Ag/AgCl電極)になるまで添加して液中の鉄(II)を鉄(III)に酸化した後に、pH5.0以上になるまでアルカリを添加してクロムおよび鉄を含む不純物金属の水酸化物を沈澱させる上記[1]に記載するコバルト含有液の不純物除去方法。
〔3〕不純物沈澱化工程において、酸浸出スラリーに鉄(II)化合物を添加し、酸化還元電位を400mV(Ag/AgCl電極)以下にしてクロム(VI)をクロム(III)に還元し、次いでpH5.0以上になるまでアルカリを添加した後に、酸化剤を酸化還元電位が500mV〜850mV(Ag/AgCl電極)になるまで添加して液中の鉄(II)を鉄(III)に酸化してクロムおよび鉄を含む不純物金属の水酸化物を沈澱させる上記[1]に記載するコバルト含有液の不純物除去方法。
〔4〕脱銅工程において、酸浸出液に鉱酸を添加してpH0.4以下にした後に硫化物を添加して硫化銅を沈澱させて固液分離する上記[1]〜上記[3]の何れかに記載するコバルト含有液の不純物除去方法。
〔5〕脱銅工程において、酸浸出液に鉱酸を添加してpH4以下にした後に金属コバルトを添加して金属銅を析出させて固液分離する上記[1]〜上記[3]の何れかに記載するコバルト含有液の不純物除去方法。
〔6〕脱銅処理後の溶液を溶媒抽出処理してニッケルを分離し、該抽出処理した溶液を電解液としてコバルトを電解採取する上記[1]〜上記[5]の何れかに記載するコバルト含有液の不純物除去方法。
本発明の不純物除去方法によれば、不純物沈澱化工程において液中の鉄、クロムが沈澱化して除去され、さらに脱銅工程において液中の銅が除去されるので、鉄、クロム、および銅の格段に少ないコバルト含有液を得ることができ、このコバルト含有液から純度の高いコバルトを回収することができる。
本発明の不純物除去方法によれば、最初の不純物沈澱化工程において液中の鉄、クロムを沈澱化して固液分離し、その後、脱銅処理によって銅を沈澱化して分離する段階的な処理を行うので、各段階で確実に不純物金属を除去することができ、また各段階での負担が小さい。具体的には、最初の不純物沈澱化工程において鉄およびクロムの除去効果が高く、また次の脱銅工程での脱銅効果が高く、各段階で生じた不純物金属を含む沈澱を固液分離するので、次工程への影響が無く、効率よく不純物金属を除去することができる。
本発明の処理方法の概略を示す工程図。
以下、本発明の処理方法を実施形態に基いて具体的に説明する。
本発明の処理方法は、タングステン浸出残渣の水スラリーにpH4.0以下になるまで鉱酸を加えて不純物金属を浸出させ(酸浸出工程)、この酸浸出スラリーに鉄(II)化合物を添加して液中のクロムを還元し、次いで酸化剤を添加して液中の鉄を酸化してクロムおよび鉄の水酸化物を沈澱させ(不純物沈澱化工程)、これを固液分離して酸浸出残渣と酸浸出液とに分離し、この酸浸出液を脱銅処理して銅を沈澱化し(脱銅工程)、該脱銅後に固液分離した溶液をコバルトの回収に用いることを特徴とするコバルト含有液の不純物除去方法である。本発明の処理方法の概略を図1に示す。
〔スラリー化工程〕
タングステン浸出残渣に水を加えて水スラリーにする。スラリー化に使用する水はコバルトの回収率を高めるために、その後の処理工程において酸浸出残渣をリパルプ洗浄した洗浄後液を用いると良い。スラリー濃度はスラリー液が流動する範囲であれば良く、例えば20〜30wt%が好ましい。
〔酸浸出工程〕
タングステン浸出残渣の水スラリーに、pH4.0以下になるまで、好ましくはpH0.5〜1.0になるまで、鉱酸を加えてコバルト及びその他の金属を浸出させる。pHが4.0よりも高いとコバルトが十分に浸出しない。鉱酸は塩酸、硫酸、硝酸、またはこれらの混酸の何れでも良い。
〔不純物沈澱化工程〕
タングステン浸出残渣の水スラリーにpH4.0以下になるまで鉱酸を加えたスラリー(酸浸出スラリーと云う)には、コバルトおよびニッケルの他に、クロム(VI)、鉄(II)、鉄(III)、銅(II)が含まれている。これらの金属を水酸化物として分離するには、一般的には、鉄(II)はpH9以上、銅(II)はpH7以上、クロム(VI)はクロム(III)に還元した後にpH5.5以上にすることが必要である。
しかし、鉄は鉄(III)に酸化すればpH4程度で水酸化物の沈澱になり、この鉄(III)の水酸化物沈殿はpH5付近でクロム(III)および銅(II)を共沈させる。さらに、クロム(VI)は鉄(II)によって容易にクロム(III)に還元されることが知られている。
本発明の方法は鉄とクロムの上記性質を利用し、不純物沈澱化工程において、酸浸出スラリーに鉄(II)化合物を添加して液中のクロムを還元し、次いで酸化剤を添加して液中の鉄(II)を酸化し、またアルカリを添加してpH5.0以上に調整して不純物金属の水酸化物を沈澱させる。
具体的には、酸浸出スラリーに塩化鉄(II)などの鉄(II)化合物を添加し、酸化還元電位を400mV(Ag/AgCl電極)以下にしてクロム(VI)をクロム(III)に還元する。酸化還元電位が400mVより高いとクロムが十分に還元されない。
次いで、酸化剤(過酸化水素水、次亜塩素酸など)を、酸化還元電位が500mV〜850mV(Ag/AgCl電極)になるまで、好ましくは700mV〜800mVになるまで、添加して液中の鉄(II)を鉄(III)に酸化する。酸化還元電位が500mVより低いと鉄の酸化が不十分であり、850mVより高くても効果はあまり変わらない。
上記酸化処理の後に、pH5.0以上になるまでアルカリを添加して中和し不純物金属の水酸化物を沈澱させる。pH5.0未満では水酸化物の沈澱形成が不十分になる。アルカリは水酸化カルシウムなどを用いればよい。水酸化物が沈澱した酸浸出スラリーを固液分離して、酸浸出残渣と酸浸出液とに分離する。
酸化処理後に中和処理する方法に代えて、中和処理の後に酸化剤を添加して液中の鉄を酸化して水酸化物を沈澱させても良い。具体的には、酸浸出スラリーに鉄(II)化合物を添加して液中のクロムを還元し、次いでアルカリを添加してpH5.0以上に中和した後に、酸化剤を添加して液中の鉄を酸化して水酸化物を沈澱させる(実施例4参照)。なお、実施例1と実施例4の比較に示すように、酸化処理後に中和して水酸化物を沈澱させた場合にはクロムがよく沈澱し、中和処理の後に酸化剤を添加する場合よりも酸浸出液のクロムの濃度が低い。
上記沈澱化処理によって、酸浸出スラリーに含まれていた鉄、クロムは沈澱して酸浸出残渣に含まれ、また銅の一部も共沈して酸浸出残渣に含まれるので、これらの少ない酸浸出液が得られる。具体的には、上記処理によって、例えば、酸浸出液に含まれる鉄およびクロムの濃度を何れも0.001g/L未満に低減することができる。
固液分離した酸浸出残渣には、コバルトが僅かに残留しているので、pH5.0以下好ましくはpH3.5〜4.5で40℃〜90℃の温水を用いて酸浸出残渣をリパルプ洗浄しコバルトを溶出させ回収する。洗浄液量はタングステン浸出残渣のスラリー液量と同量が好ましい。リパルプ洗浄後は固液分離を行い、その洗浄後液はタングステン浸出残渣のスラリー化工程に戻し、該残渣に加える水として利用すると良い。
〔脱銅工程〕
上記酸浸出液には少量の銅が含まれているので、脱銅処理して銅を沈澱化し除去する。脱銅方法としては、(イ)銅を硫化物にして沈澱させる方法、(ロ)コバルトによって銅を置換析出させるセメンテーションによる方法を利用することができる。脱銅処理によって、例えば、酸浸出液に含まれる銅の濃度を0.001g/L未満に低減することができる。
(イ) 硫化物沈澱法は、酸浸出液を40℃〜90℃に加熱し、鉱酸を添加してpH0.4以下にした後に、硫化水素、水硫化ソーダ、硫化ソーダなどの硫化物を添加して硫化銅を沈澱させて固液分離する。pHが0.4より高いとコバルトの硫化物が沈澱するので好ましくない。
(ロ) コバルトと銅のセメンテーションによる方法は、酸浸出液を40℃〜90℃に加熱し、鉱酸を添加してpH4以下、好ましくはpH1.0〜1.5にした後に、金属コバルトを添加して金属銅を析出させる。金属コバルトを添加することによって液中に含まれている銅がコバルトに置換されて析出するので、これを固液分離する。
〔コバルト回収工程〕
脱銅処理後の溶液を溶媒抽出処理してニッケルを分離し、ニッケルを分離した溶液を電解液としてコバルトを電解採取することができる。本発明の不純物除去方法によって、鉄、クロム、銅の濃度が何れも0.001g/L未満の溶液を得ることができるので、これら不純物金属の少ない高純度のコバルトをタングステン浸出残渣から回収することができる。脱銅処理後の溶媒抽出および電解採取は従来の方法を利用することができる。電解採取後の尾液を溶媒抽出工程に戻して再利用することによってコバルトの回収率を高めることができる。
〔実施例1〕
タングステン浸出残渣500gに水1Lを加え攪拌して水スラリーにし、この水スラリーを60℃に加熱した。加熱したスラリーにpHが0.8になるまで濃塩酸(11.3規定)を添加し、残渣に含まれているコバルトを溶出させた。
次に、この残渣スラリーに、酸化還元電位(ORP:Ag/AgCl電極)が400mVになるまで塩化鉄(II)を添加し、30分間攪拌した。その後、この残渣スラリーに過酸化水素水を添加して酸化還元電位(ORP:Ag/AgCl電極)を800mVに調整した後に、pH5になるまで消石灰を添加し、このスラリーを濾過して酸浸出液を得た。沈澱化処理前の残渣スラリー(元液)に含まれる金属濃度、沈澱化処理後の酸浸出液に含まれる金属濃度を表1に示す。
Figure 0005796716
酸浸出液から濾別した酸浸出残渣に1Lの温水(液温50℃)を、加えて再スラリー化し攪拌することによってリパルプ洗浄を行い、残渣中に残ったコバルトを再浸出させた。このときスラリー液のpHが4になるようにNaOHを添加した。リパルプ洗浄後、スラリーを濾過した。濾液(洗浄後液)の金属濃度を表2に示す。
Figure 0005796716
表1の酸浸出液を50℃に加熱し、pH0.4になるように濃塩酸を添加した。その後、1L当たり0.01mol/S2-となる量(溶液中のCu量に対し10倍molのS2-)の水硫化ソーダを添加し、生成した硫化物沈殿(硫化銅)を濾別した。この脱銅処理によって得た濾液(脱銅液)の金属濃度を表3に示す。塩化鉄(II)の添加から脱銅工程までの上記処理によって、不純物金属の含有量が格段に少ない(0.001g/L未満)コバルト含有液を得ることができた。
Figure 0005796716
〔実施例2〕
タングステン浸出残渣500gに水1Lを加え攪拌して水スラリーにし、この水スラリーを60℃に加熱した。加熱したスラリーにpHが0.8になるまで12規定の硫酸を添加し、残渣に含まれているコバルトを溶出させた。
次に、この残渣スラリーに、酸化還元電位(ORP:Ag/AgCl電極)が400mVになるまで硫酸鉄(II)を添加し、30分間攪拌した。その後、この残渣スラリーに過酸化水素水を添加して酸化還元電位(ORP:Ag/AgCl電極)を800mVに調整した後に、pH5になるまで消石灰を添加し、このスラリーを濾過して酸浸出液を得た。この酸浸出液に含まれる金属濃度を表4に示す。
Figure 0005796716
表4の酸浸出液を50℃に加熱し、pH0.4になるように12規定の硫酸を添加した。その後、1L当たり0.01mol/S2-となる量(溶液中のCu量に対し10倍molのS2-)の水硫化ソーダを添加し、生成した硫化物沈殿(硫化銅)を濾別した。この脱銅処理によって得た濾液(脱銅液)の金属濃度を表5に示す。硫酸鉄(II)の添加から脱銅工程までの上記処理によって、不純物金属の含有量が格段に少ない(0.001g/L未満)コバルト含有液を得ることができた。
Figure 0005796716
〔実施例3〕
実施例2の酸浸出液と同様の金属濃度の溶液(表4)について、12規定硫酸を添加してpHを1に調整した。次いで、Co/Cuモル比=10になるように金属コバルト粉を添加し、50℃に加熱して2時間反応させ、金属銅を析出させた。この溶液を濾過して脱銅液を得た。該脱銅液の金属濃度を表6に示す。この処理工程によって、不純物金属の含有量が格段に少ない(0.001g/L未満)コバルト含有液を得ることができた。
Figure 0005796716
〔実施例4〕
タングステン浸出残渣500gに水1Lを加え攪拌して水スラリーにし、この水スラリーを60℃に加熱した。加熱したスラリーにpHが0.8になるまで濃塩酸(11.3規定)を添加し、残渣に含まれているコバルトを溶出させた。
次に、この残渣スラリーに、酸化還元電位(ORP:Ag/AgCl電極)が400mVになるまで塩化鉄(II)を添加し、30分間攪拌した。この残渣スラリーにpH5になるまで消石灰を添加した後に、過酸化水素水を添加して酸化還元電位(ORP:Ag/AgCl電極)を800mVに調整した後に、このスラリーを濾過して酸浸出液を得た。沈澱化処理前の残渣スラリー(元液)に含まれる金属濃度、沈澱化処理後の酸浸出液に含まれる金属濃度を表7に示す。
Figure 0005796716
表7の酸浸出液を50℃に加熱し、pH0.4になるように濃塩酸を添加した。その後、1L当たり0.01mol/S2-となる量(溶液中のCu量に対し10倍molのS2-)の水硫化ソーダを添加し、生成した硫化物沈殿(硫化銅)を濾別した。この脱銅処理によって得た濾液(脱銅液)の金属濃度を表8に示す。塩化鉄(II)の添加から脱銅工程までの上記処理によって、不純物金属の含有量が格段に少ない(0.001g/L未満)コバルト含有液を得ることができた。
Figure 0005796716

Claims (6)

  1. タングステン浸出残渣の水スラリーにpH4.0以下になるまで鉱酸を加えて不純物金属を浸出させ(酸浸出工程)、この酸浸出スラリーに鉄(II)化合物を添加して液中のクロムを還元し、次いで酸化剤を添加して液中の鉄(II)を酸化してクロムおよび鉄の水酸化物を沈澱させ(不純物沈澱化工程)、これを固液分離して酸浸出残渣と酸浸出液とに分離し、この酸浸出液を脱銅処理して銅を沈澱化し(脱銅工程)、該脱銅後に固液分離した溶液をコバルトの回収に用いることを特徴とするコバルト含有液の不純物除去方法。
  2. 不純物沈澱化工程において、酸浸出スラリーに鉄(II)化合物を添加し、酸化還元電位を400mV(Ag/AgCl電極)以下にしてクロム(VI)をクロム(III)に還元し、次いで酸化剤を酸化還元電位が500mV〜850mV(Ag/AgCl電極)になるまで添加して液中の鉄(II)を鉄(III)に酸化した後に、pH5.0以上になるまでアルカリを添加してクロムおよび鉄を含む不純物金属の水酸化物を沈澱させる請求項1に記載するコバルト含有液の不純物除去方法。
  3. 不純物沈澱化工程において、酸浸出スラリーに鉄(II)化合物を添加し、酸化還元電位を400mV(Ag/AgCl電極)以下にしてクロム(VI)をクロム(III)に還元し、次いでpH5.0以上になるまでアルカリを添加した後に、酸化剤を酸化還元電位が500mV〜850mV(Ag/AgCl電極)になるまで添加して液中の鉄(II)を鉄(III)に酸化してクロムおよび鉄を含む不純物金属の水酸化物を沈澱させる請求項1に記載するコバルト含有液の不純物除去方法。
  4. 脱銅工程において、酸浸出液に鉱酸を添加してpH0.4以下にした後に硫化物を添加して硫化銅を沈澱させて固液分離する請求項1〜請求項3の何れかに記載するコバルト含有液の不純物除去方法。
  5. 脱銅工程において、酸浸出液に鉱酸を添加してpH4以下にした後に金属コバルトを添加して金属銅を析出させて固液分離する請求項1〜請求項3の何れかに記載するコバルト含有液の不純物除去方法。
  6. 脱銅処理後の溶液を溶媒抽出処理してニッケルを分離し、該抽出処理した溶液を電解液としてコバルトを電解採取する請求項1〜請求項5の何れかに記載するコバルト含有液の不純物除去方法。
JP2012061284A 2012-03-17 2012-03-17 コバルト含有液の不純物除去方法 Active JP5796716B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012061284A JP5796716B2 (ja) 2012-03-17 2012-03-17 コバルト含有液の不純物除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012061284A JP5796716B2 (ja) 2012-03-17 2012-03-17 コバルト含有液の不純物除去方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013194269A JP2013194269A (ja) 2013-09-30
JP5796716B2 true JP5796716B2 (ja) 2015-10-21

Family

ID=49393595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012061284A Active JP5796716B2 (ja) 2012-03-17 2012-03-17 コバルト含有液の不純物除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5796716B2 (ja)

Families Citing this family (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103789554B (zh) * 2014-03-11 2015-09-30 中南大学 一种铜镍渣的分步浓差浸出方法
CN103911516B (zh) * 2014-03-27 2015-10-28 全南晶环科技有限责任公司 一种从废弃电子陶瓷粉中提取钕的工艺
CN103911511B (zh) * 2014-04-28 2016-08-17 北京矿冶研究总院 一种从锌溶液中除铁的方法
CN104498714B (zh) * 2014-12-22 2016-08-17 中南大学 从含钪溶液中分离去除铁、铝、钙、钛杂质的方法
CN104561540A (zh) * 2015-01-07 2015-04-29 中国科学院过程工程研究所 一种利用盐酸选择性浸出蛇纹石型红土镍矿的方法
CN104711428B (zh) * 2015-02-12 2017-05-03 江苏恒嘉再生资源有限公司 一种用于酸洗污泥制备回收金属的方法
CN104711427B (zh) * 2015-02-12 2017-05-03 江苏恒嘉再生资源有限公司 一种用于酸洗污泥制备回收海绵铜金属的方法
WO2016158878A1 (ja) 2015-03-31 2016-10-06 Jx金属株式会社 タングステンカーバイドの製造方法
JP6532734B2 (ja) 2015-03-31 2019-06-19 Jx金属株式会社 タングステンを含む有価物の回収方法
CN107429319B (zh) 2015-03-31 2020-03-17 捷客斯金属株式会社 钨的制造方法
CN104726717B (zh) * 2015-04-01 2017-04-19 云南驰宏锌锗股份有限公司 一种逆锑净化钴渣回收钴的方法
JP6201154B2 (ja) * 2015-05-29 2017-09-27 住友金属鉱山株式会社 塩化コバルト水溶液の浄液方法
JP6218121B2 (ja) * 2015-05-29 2017-10-25 住友金属鉱山株式会社 塩化コバルト水溶液の精製方法
CN105274336B (zh) * 2015-11-27 2017-09-29 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 一种稳定钙化提钒工艺中浸出液的方法
CN105567978B (zh) * 2016-01-28 2018-08-31 浙江新时代中能循环科技有限公司 从各种含有色金属的废料中回收铜锌钴镍的方法
CN106011471B (zh) * 2016-06-15 2018-01-26 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 一种酸浸钒液提钒的方法
JP6760793B2 (ja) * 2016-08-03 2020-09-23 Jx金属株式会社 コバルト・タングステン原料からの有価金属の回収方法
CN106435186B (zh) * 2016-08-24 2019-09-20 湖南金源新材料股份有限公司 钴废料酸解法及在制备四氧化三钴用高纯钴液中的应用
CN106435183B (zh) * 2016-10-13 2018-08-07 中南大学 一种湿法冶金浸出液中和除铁的固体氧化剂及其应用
CN107245587A (zh) * 2017-04-18 2017-10-13 云南云铜锌业股份有限公司 一种中浸过程的除铁方法
CN107447112B (zh) * 2017-08-10 2019-03-01 云南龙蕴科技环保股份有限公司 一种从低品位铅渣中富集铅的方法
CN107619937A (zh) * 2017-09-27 2018-01-23 长沙华时捷环保科技发展股份有限公司 一种镍的回收方法
JP7008904B2 (ja) * 2018-03-22 2022-01-25 三菱マテリアル株式会社 コバルトと銅およびアルミニウムの分離方法
JP2020147812A (ja) * 2019-03-14 2020-09-17 Jx金属株式会社 銅鉄コバルト合金の処理方法
WO2021181997A1 (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 株式会社ササクラ コバルト回収方法
JP7350318B2 (ja) * 2020-03-09 2023-09-26 株式会社ササクラ コバルト回収方法
JP7321531B2 (ja) 2020-03-09 2023-08-07 株式会社ササクラ コバルト回収方法
CN112662878B (zh) * 2020-12-02 2021-07-27 桂林理工大学 一种从电解锰硫化渣中制备高纯硫酸钴的方法
CN113388742A (zh) * 2021-05-31 2021-09-14 浙江中金格派锂电产业股份有限公司 一种钴中间品浸出后液连续除铁的方法
JP7245423B1 (ja) * 2021-09-29 2023-03-24 住友金属鉱山株式会社 合金の処理方法
CN113862482B (zh) * 2021-10-08 2023-03-10 上海良仁化工有限公司 电镀污泥回收铬、铜、镍和钴的工艺
CN114921649B (zh) * 2022-03-22 2023-11-10 湖北绿钨资源循环有限公司 一种回收含钨废料中可溶性钨酸盐的方法
CN114921655B (zh) * 2022-05-30 2023-12-01 厦门钨业股份有限公司 一种钨钴废渣的回收方法
CN115109931B (zh) * 2022-06-21 2023-12-08 厦门钨业股份有限公司 一种从钨钼废渣中回收多种金属的方法
CN115074532B (zh) * 2022-06-21 2023-12-01 厦门钨业股份有限公司 一种从废渣中回收铬钨铜镍的方法
CN115626773B (zh) * 2022-11-01 2024-02-06 盛隆资源再生(无锡)有限公司 一种含钙铁铬污泥的综合利用方法
CN115652105B (zh) * 2022-11-18 2023-12-19 金川集团股份有限公司 一种钴原料分段浸出工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013194269A (ja) 2013-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5796716B2 (ja) コバルト含有液の不純物除去方法
JP5439997B2 (ja) 含銅鉄物からの銅回収方法
JP2018062691A (ja) コバルト・タングステン原料からのタングステン濃縮物の回収方法
JP2011179038A (ja) 超硬合金スクラップからタングステンを回収する方法。
JP4999058B2 (ja) インジウム含有物からインジウムを回収する方法
JP4079018B2 (ja) コバルト水溶液の精製方法
JP2012197492A (ja) In含有排水泥の浸出液からのCu、Co及びNiの回収方法
JP5628610B2 (ja) インジウムの回収方法
JP2010138490A (ja) 亜鉛の回収方法等
JP2008115429A (ja) 湿式銅製錬法における銀の回収方法
JP6256491B2 (ja) スカンジウムの回収方法
JP6760793B2 (ja) コバルト・タングステン原料からの有価金属の回収方法
JP2008297608A (ja) スズの分離回収方法
JP5156992B2 (ja) インジウム含有物からインジウムを回収する方法
JP5423592B2 (ja) 低塩素硫酸ニッケル/コバルト溶液の製造方法
JP4506660B2 (ja) 湿式銅製錬法における銀の回収方法
JP2007224400A (ja) 塩化鉄水溶液から電解鉄の回収方法
JP5854065B2 (ja) スカンジウム回収方法
JP5673471B2 (ja) 塩化ニッケル水溶液中の銅イオン除去方法及び電気ニッケルの製造方法
JP2008013388A (ja) 塩化ニッケル水溶液の精製方法
JP2019189891A (ja) セレンとテルルを含有する混合物からセレン及びテルルを分離する方法
JP6634870B2 (ja) 塩化ニッケル水溶液の脱鉄方法
JP6683910B2 (ja) 塩化ニッケル水溶液の精製方法
JP2005104809A (ja) 塩化ニッケル水溶液の精製方法
JP7011794B2 (ja) コバルトおよびニッケルの回収方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150722

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150804

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5796716

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150