JP2008274382A - 塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微量の鉛を含有する塩化コバルト水溶液から鉛を分離除去して、高純度金属コバルト等を得るために好適な精製液を得ることができる塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法を提供する。
【解決手段】鉛を含有する塩化コバルト水溶液(A)に硫化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を−50〜0mVに、かつpHを1.0〜2.0に調整して、硫化鉛沈殿を生成させることにより、鉛を1.0mg/L未満含有する塩化コバルト水溶液(B)を得る第1の工程、及び前記塩化コバルト水溶液(B)に酸化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を910〜1050mV、かつpHを2.2〜3.0に調整して、酸化鉛沈殿を生成させることにより、鉛が分離された精製液を得る第2の工程、を含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法に関し、さらに詳しくは、微量の鉛を含有する塩化コバルト水溶液から鉛を分離除去して、高純度金属コバルト等を得るために好適な精製液を得ることができる塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法に関する。なお、得られる精製液中の鉛は、分析の検出限界以下、例えば0.05mg/L以下の濃度にまで分離除去することができる。
コバルトは、特殊材料や磁性材料として工業的用途に広く使用されている金属である。通常、コバルトは、ニッケル製錬又は銅製錬の副産物として産出するものが大半を占めているので、コバルトの製造においては、ニッケル及び銅との分離が不可欠である。例えば、ニッケル製錬からコバルトを回収する場合、まずニッケルとコバルトを含む水溶液を得るため、原料を鉱酸等を用いて溶解処理する。次いで、得られた水溶液は溶媒抽出に付され、ニッケルとコバルトが分離回収される。しかし、得られたコバルト水溶液には、処理原料に由来する各種不純物元素を含有している。また、ニッケル製錬では、処理原料として、ニッケルマット以外に銅製錬で産出されるニッケル残渣又はニッケルめっき廃液から回収されるニッケルスラッジ等も使用されるため、不純物元素とその含有量も多岐にわたる。
したがって、一般に、ニッケル製錬でコバルトを回収する際には、ニッケルとの分離のほか、銅、マンガン、亜鉛、鉛等の不純物元素との分離が必要となる。したがって、不純物元素の少ない高純度金属コバルトを製造するためには、電解採取法等のコバルトを金属化する工程に先立って、原料となる塩化コバルト水溶液中の不純物元素をあらかじめ除去しておくことが必要であり、そのための効率的な方法が望まれていた。
この解決策として、本出願人は、不純物元素として、特にマンガンを含有するコバルト水溶液を酸化還元電位とpHを2段階で制御して、酸化中和法でマンガンを除去する方法(例えば、特許文献1参照。)、不純物元素を含むコバルト水溶液に硫化剤を添加して硫化銅沈殿を分離する工程、次に酸化剤を添加して酸化中和して生成したマンガン含む水酸化物沈殿を除去する工程、及び亜鉛、カルシウム及び前記工程で残留した微量不純物をアルキルリン酸により溶媒抽出する工程を含む方法(例えば、特許文献2参照)等を提案している。
これらの提案により、塩化コバルト水溶液からの銅、マンガン、亜鉛、カルシウム等の分離は達成される。しかしながら、これらの提案において、微量不純物元素として含有されている鉛の除去については、明確に記載されていない。
以上の状況から、塩化コバルト水溶液中に微量に含有される鉛を分析の検出限界以下、例えば0.05mg/L以下の濃度にまで分離する方法が求められている。
特開2004−123469号公報(第1頁、第2頁) 特開2004−285368号公報(第1頁、第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、微量の鉛を含有する塩化コバルト水溶液から鉛を分離除去して、高純度金属コバルト等を得るために好適な精製液を得ることができる塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法について、鋭意研究を重ねた結果、特定の条件で硫化鉛沈殿を生成させ、液中の鉛を所定値未満にまで除去する工程、及び特定の条件で酸化鉛沈殿を生成させ、液中の微量の鉛をさらに除去する工程からなる一連の工程を行なったところ、塩化コバルト水溶液中に微量に含有される鉛を分析の検出限界以下、例えば0.05mg/L以下の濃度にまで分離することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、鉛を含有する塩化コバルト水溶液(A)に硫化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を−50〜0mVに、かつpHを1.0〜2.0に調整して、硫化鉛沈殿を生成させることにより、鉛を1.0mg/L未満含有する塩化コバルト水溶液(B)を得る第1の工程、及び
前記塩化コバルト水溶液(B)に酸化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を910〜1050mV、かつpHを2.2〜3.0に調整して、酸化鉛沈殿を生成させることにより、鉛が分離された精製液を得る第2の工程、を含むことを特徴とする塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記塩化コバルト水溶液(A)は、鉛を1〜10mg/L含有することを特徴とする請求項1に記載の塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記第1の工程で用いる硫化剤が、硫化水素ガスであることを特徴とする塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記第1の工程で用いるpH調整剤が、塩酸又は炭酸コバルトであることを特徴とする塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、前記第2の工程で用いる酸化剤が、塩素ガスであることを特徴とする塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、前記第2の工程で用いるpH調整剤が、炭酸コバルトであることを特徴とする塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法が提供される
本発明の塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法は、微量の鉛を含有する塩化コバルト水溶液から、鉛を分析の検出限界以下、例えば0.05mg/L以下の濃度にまで分離除去して、高純度金属コバルト等を得るために好適な精製液を得ることができるので、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法を詳細に説明する。
本発明の塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法は、鉛を含有する塩化コバルト水溶液(A)に硫化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を−50〜0mVに、かつpHを1.0〜2.0に調整して、硫化鉛沈殿を生成させることにより、鉛を1.0mg/L未満含有する塩化コバルト水溶液(B)を得る第1の工程、及び前記塩化コバルト水溶液(B)に酸化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を910〜1050mV、かつpHを2.2〜3.0に調整して、酸化鉛沈殿を生成させることにより、鉛が分離された精製液を得る第2の工程、を含むことを特徴とする。
本発明において、まず、第1の工程において、鉛を1.0mg/L未満にまで分離除去することが重要である。これによって、第2の工程において、酸化中和法により鉛を分析の検出限界以下、例えば0.05mg/L以下の濃度にまで分離除去することができる。なお、上記鉛の分析は、原子吸光法で行なったものである。
1.塩化コバルト水溶液
本発明の方法に用いる塩化コバルト水溶液(A)としては、特に限定されるものではなく、微量の鉛を含有する塩化コバルト水溶液が用いられる。例えば、塩化浴でのニッケル精錬においてニッケルから分離される塩化コバルト水溶液が好ましい。前記塩化コバルト水溶液には、通常、鉛のほかに銅、マンガン、亜鉛その他の不純物元素が含まれているが、電解工程でのコバルト回収に先だって、各々の不純物元素の分離除去工程が設けられている。しかしながら、鉛のほかに銅、及びマンガンが含有されている塩化コバルト水溶液も、本発明の方法において用いることができる。その際、銅は第1の工程で、マンガンは第2の工程で各々鉛とともに沈殿分離される。
上記塩化コバルト水溶液中(A)の鉛含有量としては、特に限定されるものではないが、通常、1〜10mg/Lのものが用いられる。
2.第1の工程
本発明の第1の工程は、鉛を含有する塩化コバルト水溶液(A)に硫化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を−50〜0mVに、かつpHを1.0〜2.0に調整して、硫化鉛沈殿を生成させることにより、鉛を1.0mg/L未満含有する塩化コバルト水溶液(B)を得る工程である。ここで、酸化還元電位とpHを所定値に調整することが、硫化物を生成して鉛を1.0mg/L未満の濃度にまで除去し、かつコバルトの共沈殿を抑制するために重要である。
上記工程において、硫化鉛(PbS)の生成反応は、硫化剤が硫化水素(HS)である場合、下記の式(1)により行なわれる。
式(1):HS+Pb2+→PbS+2H
上記工程において、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)は−50〜0mV、好ましくは−50〜−20mVに調整される。すなわち、前記酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)が0mVを超えると、硫化鉛の再溶解が起こるので鉛の硫化沈殿が不十分となる。一方、−50mV未満では、コバルトが硫化物を生成し共沈殿量が増加し、コバルトの損失が多くなるとともに、硫化剤コストが上昇する。ここで酸化還元電位の調整は、硫化剤の添加によって行われる。
上記工程において、pHは1.0〜2.0、好ましくは1.1〜1.4に調整される。すなわち、前記pHが1.0未満では、硫化水素が酸解離しづらく、反応効率が極端に低下する。一方、前記pHが2.0を超えれば、鉛に付随して、コバルトが硫化物を生成し共沈殿量が増加し、コバルトの損失が多くなる。
上記工程で用いる硫化剤としては、特に限定されるものではなく、硫化水素、硫化ナトリウム、水硫化ナトリウム等の水溶性の硫化物が用いられるが、これらの中で、特にアルカリ金属等による新たな不純物汚染の恐れのない硫化水素が好ましい。
上記工程で用いるpH調整剤としては、特に限定されるものではなく、塩化コバルト水溶液(A)のpH、或いは硫化剤により、アルカリ性又は酸性のpH調整剤が選ばれる。アルカリ性pH調整剤として水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸コバルト等のアルカリ塩、又は酸性pH調整剤として塩酸、硫酸等の鉱酸を用いることができるが、これらの中で、特に他のアルカリ金属の混入を極力避けるため、塩酸又は炭酸コバルトが好ましい。
上記工程で用いる温度としては、特に限定されるものではなく、30〜60℃が好ましい。すなわち、30℃未満では、反応速度が小さくなり、一方、60℃を超えると、硫化水素ガスの溶解度が低下して反応が進みにくくなる。
上記工程で用いる反応設備としては、特に限定されるものではなく、通常の撹拌設備を備えた反応槽が用いられるが、さらに、酸化還元電位とpHを測定し、かつ制御する装置を備えることが好ましい。例えば、まず、反応槽に塩化コバルト水溶液(A)を添加し、次いで硫化剤及びpH調整剤が添加され、オーバーフローによって中継槽へと流れた後、生成された硫化物沈殿が固液分離される。
以上の第1の工程によって、鉛を1.0mg/L未満の濃度で含有する塩化コバルト水溶液(B)を得ることができるが、pH、及び酸化還元電位との関係について、以下に具体的に説明する。
図1は、上記反応設備により、Pb濃度が1〜10mg/Lである塩化コバルト水溶液を用いて硫化反応を行ない得られた、pHと反応終液のPb濃度(終液中Pb濃度)の関係を表す。
図2は、上記反応設備により、Pb濃度が1〜10mg/Lである塩化コバルト水溶液を用いて硫化反応を行ない得られた、酸化還元電位(ORP、Ag/AgCl電極基準)と反応終液のPb濃度(終液中Pb濃度)の関係を表す。
図1、図2より、それぞれpHが1.0以上、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)が0mV以下で、反応終液のPb濃度(終液中Pb濃度)が1.0mg/L未満になることが分かる。
3.第2の工程
本発明の第2の工程は、塩化コバルト水溶液(B)に酸化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を910〜1050mV、かつpHを2.2〜3.0に調整して、酸化鉛沈殿を生成させることにより、鉛が分離された精製液を得る工程である。
ここで、酸化還元電位とpHを所定値に調整することが、酸化物を生成させ鉛を分析の検出限界以下、例えば0.05mg/L以下の濃度にまで分離除去十分に除去し、かつコバルト共沈殿を抑制するために重要である。
上記工程において、酸化鉛(PbO)の生成反応は、酸化剤が塩素(Cl)、pH調整剤である場合、下記の式(2)により行なわれる。
式(2):Pb2++Cl+2CoCO→PbO+2Co2++2CO
上記工程において、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)は910〜1050mVに調整される。すなわち、前記酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)が910mV未満では、酸化反応が起こりにくいため鉛の酸化物沈殿の生成が不十分である。一方、1050mVを超えると、コバルトが酸化物として沈殿したり、塩素のコストが上昇する。ここで、酸化還元電位の調整は、酸化剤の添加によって行われる。
上記工程において、pHは2.2〜3.0、好ましくは2.2〜2.4に調整される。すなわち、前記pHが2.2未満では、鉛の除去が不十分となり、3.0を超えると、鉛の除去に伴なうコバルト共沈殿量が増加する。ここでpHの調整は、pH調整剤の添加によって行われる。
上記工程で用いる酸化剤としては、特に限定されるものではなく、塩素、次亜塩素酸又はオゾンが用いられるが、これらの中で、特に安価で、アルカリ金属等による新たな不純物汚染の恐れのない塩素が好ましい。
上記工程で用いるpH調整剤としては、特に限定されるものではなく、アルカリ性pH調整剤として水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸コバルト等のアルカリ塩を用いることができるが、これらの中で、特に他の金属の混入を極力避けるため、炭酸コバルトが好ましい。
上記工程で用いる温度としては、特に限定されるものではなく、40〜60℃が好ましい。すなわち、40℃未満では、反応速度が小さくなり、一方、60℃を超えると、塩素の溶解度が小さくなり反応が進みにくくなる。
上記工程で用いる反応設備としては、特に限定されるものではなく、通常の撹拌設備を備えた反応槽が用いられるが、さらに、酸化還元電位とpHを測定し、かつ制御する装置を備えることが好ましい。例えば、まず、反応槽に塩化コバルト水溶液(B)を添加し、次いで酸化剤及びpH調整剤が添加され、オーバーフローによって中継槽へと流れた後、生成された酸化物沈殿が固液分離される。
以上の第2の工程によって、鉛が分離除去された精製液を得ることができるが、pH、及び酸化還元電位との関係について、以下により具体的に説明する。
図3は、上記反応設備により、Pb濃度が0.05〜2.5mg/Lである塩化コバルト水溶液を用いて酸化反応を行ない得られた、反応始液のPb濃度(始液中Pb濃度)と反応終液のPb濃度(終液中Pb濃度)の関係を表す。
図3より、反応始液のPb濃度(始液中Pb濃度)が1.0mg/L未満において、反応終液のPb濃度(終液中Pb濃度)が0.05mg/L以下になることが分かる。
図4は、上記反応設備により、Pb濃度が0.05〜2.5mg/Lである塩化コバルト水溶液を用いて酸化反応を行ない得られた、pH及び酸化還元電位(ORP、Ag/AgCl電極基準)と反応終液のPb濃度(終液中Pb濃度)の関係を表す。ここで、終液中Pb濃度は、分析検出限界以下(0.05mg/L以下)と0.05mg/L以上とに別けた記号で図示している。
図4より、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)が910mV以上で、pHが2.0以上、特に2.2以上の領域で、確実に分析検出限界以下(0.05mg/L以下)が得られることが分かる。
以上の第2の工程によって、高純度金属コバルト等の製造原料として好適な濃度にまで塩化コバルト水溶液中の鉛を分離除去した精製液を得ることができる。
以下に、本発明の実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例で用いた金属の分析方法は原子吸光法で行った。
(実施例1)
まず、塩化コバルト水溶液(A)として、pH0.62で、コバルト87g/L、鉛5mg/Lの組成のものを用いて、次のように第1の工程を行った。
前記塩化コバルト水溶液(A)を50℃に加温して、その中に硫化水素ガスを毎分20mLの流量で吹込んだ。硫化水素ガスの吹きこみを、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)が−20mVとなるまで継続した。また、pH調整剤として炭酸コバルトスラリーを添加して、pHを1.2に調整した。このまま反応を継続して、反応開始から140分後に、塩化コバルト水溶液中の鉛濃度が0.5mg/Lの塩化コバルト水溶液(B)を得た。
次いで、第1の工程で得られた、鉛濃度0.5mg/Lの塩化コバルト水溶液(B)を使用して、次のように第2の工程を行った。
前記塩化コバルト水溶液(B)を50℃に加温して、その中に、酸化剤として塩素ガス、及びpH調整剤として炭酸コバルトスラリーを連続的に添加して、pHを2.2、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を920mVに調整した。このまま反応を継続して、反応開始から70分後に、塩化コバルト水溶液中の鉛濃度が分析検出限界以下(0.05mg/L以下)の精製液を得た。
以上より、実施例1では、本発明の方法に従って、第1の工程及び第2の工程を行なったので、微量の鉛を含有する塩化コバルト水溶液から、高純度コバルトの製造原料として望ましいレベルにまで鉛の分離除去が行なえることが分かる。
以上より明らかなように、本発明の塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法は、微量の鉛を含有する塩化コバルト水溶液から鉛を分離除去して、高純度金属コバルト等を得るために好適な精製液を得ることができるので、鉛のほか、銅、マンガン等の不純物元素を含有する塩化コバルト水溶液の精製方法に好適に用いられる。
第1の工程で、Pb濃度が1〜10mg/Lである塩化コバルト水溶液を用いて硫化反応を行ない得られた、pHと反応終液のPb濃度(終液中Pb濃度)の関係を表す図である。 第1の工程で、Pb濃度が1〜10mg/Lである塩化コバルト水溶液を用いて硫化反応を行ない得られた、酸化還元電位(ORP、Ag/AgCl電極基準)と反応終液のPb濃度(終液中Pb濃度)の関係を表す図である。 第2の工程で、Pb濃度が0.05〜2.5mg/Lである塩化コバルト水溶液を用いて酸化反応を行ない得られた、反応始液のPb濃度(始液中Pb濃度)と反応終液のPb濃度(終液中Pb濃度)の関係を表す図である。 第2の工程で、Pb濃度が0.05〜2.5mg/Lである塩化コバルト水溶液を用いて酸化反応を行ない得られた、pH及び酸化還元電位(ORP、Ag/AgCl電極基準)と反応終液のPb濃度(終液中Pb濃度)の関係を表す図である。

Claims (6)

  1. 鉛を含有する塩化コバルト水溶液(A)に硫化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を−50〜0mVに、かつpHを1.0〜2.0に調整して、硫化鉛沈殿を生成させることにより、鉛を1.0mg/L未満含有する塩化コバルト水溶液(B)を得る第1の工程、及び
    前記塩化コバルト水溶液(B)に酸化剤とpH調整剤を添加し、酸化還元電位(Ag/AgCl電極基準)を910〜1050mV、かつpHを2.2〜3.0に調整して、酸化鉛沈殿を生成させることにより、鉛が分離された精製液を得る第2の工程、を含むことを特徴とする塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法。
  2. 前記塩化コバルト水溶液(A)は、鉛を1〜10mg/L含有することを特徴とする請求項1に記載の塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法。
  3. 前記第1の工程で用いる硫化剤が、硫化水素ガスであることを特徴とする請求項1に記載の塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法。
  4. 前記第1の工程で用いるpH調整剤が、塩酸又は炭酸コバルトであることを特徴とする請求項1に記載の塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法。
  5. 前記第2の工程で用いる酸化剤が、塩素ガスであることを特徴とする請求項1に記載の塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法。
  6. 前記第2の工程で用いるpH調整剤が、炭酸コバルトであることを特徴とする請求項1に記載の塩化コバルト水溶液から鉛の分離方法。
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