JP2016180184A - 高純度マンガン - Google Patents
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Abstract
【課題】市販の電解マンガンから高純度金属マンガンを得るもので、特にCl、C、S及びOの不純物量が少ない高純度金属マンガンを提供する。
【解決手段】2Nレベルの純度を持つマンガン原料を酸で浸出し、フイルターで残渣をろ過した後、電解においてカソード側に前記液を使用し電解マンガンを得て、電解マンガン原料を脱ガス処理し、電解マンガン中のCl含有量100ppm以下とし、不活性雰囲気中で溶解することにより製造する、Cl≦1ppm、C≦20ppm、S<30ppm、O<20ppmの4N(99.99%)以上の高純度マンガン。
【選択図】なし
【解決手段】2Nレベルの純度を持つマンガン原料を酸で浸出し、フイルターで残渣をろ過した後、電解においてカソード側に前記液を使用し電解マンガンを得て、電解マンガン原料を脱ガス処理し、電解マンガン中のCl含有量100ppm以下とし、不活性雰囲気中で溶解することにより製造する、Cl≦1ppm、C≦20ppm、S<30ppm、O<20ppmの4N(99.99%)以上の高純度マンガン。
【選択図】なし
Description
本発明は、市販の電解マンガンから高純度マンガン及びそれを製造する方法に関する。
市販で入手可能な金属マンガンの製造方法は、硫酸アンモニウム電解浴からの電解法であり、この方法によって得られる市販の電解マンガンにはSが100〜3000ppm程度、カーボンも数100ppm含まれている。塩素も数100ppm、また水溶液中からの電析物のため、酸素も数1000ppm程度含まれている。
前記電解マンガンからのS,Oの除去法としては、従来技術では昇華精製法がよく知られている。しかし、昇華精製法は装置が非常に高い上に、歩留まりが非常に悪いという難点があった。また、昇華精製法ではSとOを低減できたとしても、昇華精製装置のヒータ材質、コンデンサー材質等を起因とする汚染を受けてしまうため、精製法による金属マンガンは、電子デバイス用の原料として適さないという問題があった。
先行技術としては、下記特許文献1に金属マンガン中の硫黄の除去方法が記載され、MnO、Mn3O4、MnO2などのマンガン酸化合物及び/又は金属マンガンの溶融温度で、これらのマンガン酸化物となるもの、例えば炭酸マンガンなどを添加し、マンガン化合物を添加した金属マンガンを、不活性雰囲気で溶融し、溶融状態で好ましくは30〜60分間保持して、硫黄含有量:0.002%とすることが記載されている。
しかし、この文献1には、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、塩素(Cl)の含有量については、一切記載がなく、これらが含有することによる問題の解決に至っていない。
下記特許文献2には、金属マンガンの電解採取方法および高純度金属マンガンを、塩酸に過剰に溶解して未溶解物を濾過した溶解液に、酸化剤を添加すると共に中和し、生成した沈殿物を濾過し、緩衝剤を添加して調製した電解液を用いることを特徴とする金属マンガンの電解採取方法が記載され、好ましくは、金属マンガンの塩酸溶解液に、さらに金属マンガンを追加し、未溶解物を濾過した溶解液に過酸化水素とアンモニア水を添加し、弱酸性ないし中性の液性下で生成した沈殿物を濾過し、緩衝剤を添加して調製した電解液を用いて金属マンガンの電解採取を行う方法が記載されている。
しかし、この文献2には、高純度マンガンのS:1ppmの低減化の記載はあるが、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、塩素(Cl)の含有量については、一切記載がなく、これらが含有することによる問題の解決に至っていない。
下記特許文献3には、高純度マンガンの製造方法が記載され、塩化マンガン水溶液にキレート樹脂を用いたイオン交換精製法を適用し、次いで、その精製塩化マンガン水溶液を、電解採取法により高純度化する方法が記載されている。乾式法は、固相マンガンから真空昇華精製法(固相マンガンの昇華により得たマンガン蒸気を蒸気圧差により、冷却部にて選択的に凝縮蒸着させること)により、高純度マンガンを得ることが記載されている。
そして、この文献3の硫黄(S)、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)の合計濃度が10ppm以下であることが記載されている。
しかしながら、この文献3には、半導体部品の製造に有害である塩素(Cl)の含有量の記載がない。原料として塩化マンガンを使用していることから、塩素が高濃度に含有される可能性があり、問題を有している。
しかしながら、この文献3には、半導体部品の製造に有害である塩素(Cl)の含有量の記載がない。原料として塩化マンガンを使用していることから、塩素が高濃度に含有される可能性があり、問題を有している。
下記特許文献4には、低酸素Mn材料の製造方法が記載され、Mn原料を不活性ガス雰囲気中で誘導スカル溶解することにより、酸素量を100ppm以下に低減したMn材料を得ること、また、Mn原料を誘導スカル溶解する前に酸洗浄することが、より酸素低減を図ることができるため好ましいという記載がある。
しかし、この文献4には、高純度マンガン中の酸素量低減化の記載はあるが、窒素(N)、炭素(C)、塩素(Cl)の含有量については、一切記載がなく、これらが含有することによる問題の解決に至っていない。
下記特許文献5には、磁性材用Mn合金材料、Mn合金スパッタリングタ−ゲット及び磁性薄膜が記載され、酸素含有量が500ppm以下、S含有量が100ppm以下、好ましくはさらに不純物(Mnおよび合金成分以外の元素)含有量が合計で1000ppm以下とすることが記載されている。
さらに、同文献には、市販されている電解Mnに脱酸剤としてCa,Mg,La等を加え、高周波溶解を行うことによって酸素、硫黄を除去。電解Mnを予備溶解した後、さらに真空蒸留することが記載されている。
さらに、同文献には、市販されている電解Mnに脱酸剤としてCa,Mg,La等を加え、高周波溶解を行うことによって酸素、硫黄を除去。電解Mnを予備溶解した後、さらに真空蒸留することが記載されている。
上記のMn原料において、実施例3と実施例7(表3と表7)において、酸素含有量を50ppm、酸素含有量を30ppmとする例がある。また、この例では、Siが10ppm程度、Pbが10ppm程度含有されている。
下記特許文献6には、高純度Mn材料の製造方法及び薄膜形成用高純度Mn材料が記載されている。この場合、粗Mnを1250〜1500°Cで予備溶解した後、1100〜1500°Cで真空蒸留することにより、高純度Mn材料を得ることが記載されている。好ましくは、真空蒸留の際の真空度を5×10− 5 〜10Torrとする。
これにより得られる高純度Mnは不純物含有量が合計で100ppm以下、酸素:200ppm以下、窒素:50ppm以下、S:50ppm以下、C:100ppm以下である。そして、実施例2(表2)では、酸素が30ppmであり、他の元素が10ppm未満である例が記載されている。
この他、下記特許文献7に高純度Mn合金からなるスパッタリングターゲットが記載され、特許文献8に硫酸を使用したマンガンの回収方法が記載され、特許文献9に酸化マンガンを加熱還元した金属マンガンを製造する方法が記載されているが、特に脱硫に関する記載はない。
本発明の目的は、市販の電解マンガンから高純度マンガン及びそれを製造する方法を提供するものであり、特に酸素と硫黄の不純物量が少ない高純度マンガンを得ることを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するものであって、以下の発明を提供する。
1)マンガンの純度が4N(99.99%)以上であり、Cl≦10ppm、C≦50ppm、S<50ppm、O<30ppmであることを特徴とする高純度マンガン。
1)マンガンの純度が4N(99.99%)以上であり、Cl≦10ppm、C≦50ppm、S<50ppm、O<30ppmであることを特徴とする高純度マンガン。
2)マンガン原料を酸で浸出し、フイルターで残渣をろ過後、電解においてカソード側に前記ろ過後の液を使用することを特徴とする高純度マンガンの製造方法。
3)前記電解マンガンを脱ガス処理し、電解マンガン中のCl含有量を100ppm以下とすることを特徴とする前記(2)記載の高純度マンガンの製造方法。
4)不活性雰囲気中で溶解することにより、純度が4N(99.99%)以上であり、Cl≦10ppm、C≦50ppm、S<50ppm、O<30ppmのマンガンを製造することを特徴とする上記(2)又は(3)のいずれか一項に記載の高純度マンガンの製造方法。
3)前記電解マンガンを脱ガス処理し、電解マンガン中のCl含有量を100ppm以下とすることを特徴とする前記(2)記載の高純度マンガンの製造方法。
4)不活性雰囲気中で溶解することにより、純度が4N(99.99%)以上であり、Cl≦10ppm、C≦50ppm、S<50ppm、O<30ppmのマンガンを製造することを特徴とする上記(2)又は(3)のいずれか一項に記載の高純度マンガンの製造方法。
本発明によれば、
(1)Cl、C、S、O等の不純物を簡単な工程で低減可能となり、高純度マンガンを得ることができる。
(2)特別な装置を必要とせずに、汎用炉で製造可能であり、従来法である蒸留法と比較して低コストかつ高収率で高純度マンガンを得ることができる等の効果を挙げられることができる。
(1)Cl、C、S、O等の不純物を簡単な工程で低減可能となり、高純度マンガンを得ることができる。
(2)特別な装置を必要とせずに、汎用炉で製造可能であり、従来法である蒸留法と比較して低コストかつ高収率で高純度マンガンを得ることができる等の効果を挙げられることができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本願発明の高純度マンガンの製造方法は、2Nレベルの純度を持つマンガン原料を酸浸出した液を用いて精製を行う。
本願発明の高純度マンガンの製造方法は、2Nレベルの純度を持つマンガン原料を酸浸出した液を用いて精製を行う。
また、本願発明の高純度マンガンの製造方法は、2Nレベルの純度を持つマンガン原料を酸で浸出し、フイルターで残渣を分離除去する。酸は、塩酸、硫酸、硝酸あるいはその混酸やそのほか必要と思われる酸、例えば過酸化水素酸を添加してもよい。残渣や浮遊物が残るときもあるが、フイルターにより除去できる。
その後電解でアノード側とカソード側をイオン交換膜で分離した装置において、前記酸浸出したマンガン液をカソード側に入れて電解を行う。アノード側はマンガンが入っている必要はなく、硫酸浴等の液でよい。カソード側の液は前記酸浸出したマンガン溶液を用い、必要ならばさらに液中の不純物を除去するために、溶媒抽出等の工程を入れてもよい。
電解で得たマンガンを、真空中で脱ガス処理を行う。脱ガス処理の温度は、100〜1000℃が好ましく、より好ましくは300〜600℃である。これにより、Cl等の揮発性元素が除去できる。
その後、不活性雰囲気の弱減圧下で溶解して不純物をスラグとして除去し、これにより高純度のマンガンを得ることができる。
Cl含有量の多い電解マンガンを不活性雰囲気で溶解すると、Clが簡単に揮発してしまうように考えられるが、ClはMnxOyClzの形態の物質のスラグを形成することが判明した。
この形態でClを含有するスラグが問題であり、Mnと比重差が少なくなり、浮上分離することなく、Mnインゴット中に分散して残存することになる。
この形態でClを含有するスラグが問題であり、Mnと比重差が少なくなり、浮上分離することなく、Mnインゴット中に分散して残存することになる。
本発明者らの研究では、Clが100ppm以上あると、上記の物質の形成が原因で、スラグの分離性が悪くなり、歩留まりが低下することが分かった。このことから、Cl含有量の多い原料マンガンをそのまま溶解するのではなく、上記のような物質の形成を避けるためにClを除去する工程が必要であるという知見を得た。本発明は、この点の重要性を把握した点に、一つの大きな特徴を有する。
上記の工程により、Cl、C、S、Oを低減することにより、純度が4N(99.99%)以上であり、Cl≦10ppm、C≦50ppm、S<50ppm、O<30ppmのマンガンを製造することが可能となる。
以下に、実施例及び比較例をもって説明するが、これらは発明を理解し易いようにするためであり、本発明は実施例又は比較例によって限定されるものではない。
(実施例1)
出発原料として、市販のCl:110〜300ppm、C:130〜420ppm、S:230〜810ppm、O:720〜2500ppmの純度2N(99%)のマンガンを用いた。
出発原料として、市販のCl:110〜300ppm、C:130〜420ppm、S:230〜810ppm、O:720〜2500ppmの純度2N(99%)のマンガンを用いた。
このマンガン原料を、塩酸を用いて酸浸出を行った。浮遊物があったため、1μmのフイルターを用いて除去した。この液をカソード側の液として使用し、アノード側は硫酸浴として使用した。これにより、電解マンガンを得た。
このとき、Cl:180ppm、C:50ppm、S:50ppm,O:200ppmの純度であった。
このとき、Cl:180ppm、C:50ppm、S:50ppm,O:200ppmの純度であった。
この電解マンガンを300℃、0.01torrの真空度で脱ガス処理した。その結果、Cl:80ppm、C:50ppm、S:50ppm ,O:180ppmの純度のマンガンを得た。
次に、前記マンガンをArガス雰囲気中、100torr、1300℃、50分で溶解した。上層部に浮いたスラグを除去し、その結果、歩留まり75%のインゴットでCl:10ppm、C:40ppm、S:40ppm,O:25ppmの純度であった。
次に、前記マンガンをArガス雰囲気中、100torr、1300℃、50分で溶解した。上層部に浮いたスラグを除去し、その結果、歩留まり75%のインゴットでCl:10ppm、C:40ppm、S:40ppm,O:25ppmの純度であった。
(実施例2)
出発原料として、実施例1と同様の純度2N(99%)のマンガン原料を用いた。
前記マンガン原料を、塩酸と過酸化水素水を用いて酸浸出を行った。浮遊物があったため、0.5μmのフイルターを用いて除去した。この液をカソード側の液として使用し、アノード側は硫酸浴として使用した。これにより、
電解マンガンを得た。このとき、Cl:160ppm、C:20ppm、S:40ppm、O:400ppmの純度であった。
出発原料として、実施例1と同様の純度2N(99%)のマンガン原料を用いた。
前記マンガン原料を、塩酸と過酸化水素水を用いて酸浸出を行った。浮遊物があったため、0.5μmのフイルターを用いて除去した。この液をカソード側の液として使用し、アノード側は硫酸浴として使用した。これにより、
電解マンガンを得た。このとき、Cl:160ppm、C:20ppm、S:40ppm、O:400ppmの純度であった。
この電解マンガンを600℃、0.1torrの真空度で脱ガス処理した。その結果、Cl:10ppm、C:20ppm、S:40ppm ,O:400ppmの純度のマンガンを得た。
次に、前記マンガンをArガス雰囲気中、500torr、1300℃、2時間で溶解した。上層部に浮いたスラグを除去し、その結果、歩留まり80%のインゴットでCl:1ppm、C:20ppm、S:30ppm,O:20ppmの純度であった。
次に、前記マンガンをArガス雰囲気中、500torr、1300℃、2時間で溶解した。上層部に浮いたスラグを除去し、その結果、歩留まり80%のインゴットでCl:1ppm、C:20ppm、S:30ppm,O:20ppmの純度であった。
(実施例3)
出発原料として、実施例1と同様の純度2N(99%)のマンガンを用いた。
このマンガン原料を、硫酸溶液で表面を洗浄し、その後硫酸で浸出した。さらに、0.1μmのフイルターで異物や浮遊物を除去した。
この液を用いてカソード側に液を入れて電解を行った。アノード側には硫酸浴を用いた。
これにより電解マンガンを得た。このとき、Cl:10ppm、C:20ppm、S:180ppm、O:300ppmの純度であった。
出発原料として、実施例1と同様の純度2N(99%)のマンガンを用いた。
このマンガン原料を、硫酸溶液で表面を洗浄し、その後硫酸で浸出した。さらに、0.1μmのフイルターで異物や浮遊物を除去した。
この液を用いてカソード側に液を入れて電解を行った。アノード側には硫酸浴を用いた。
これにより電解マンガンを得た。このとき、Cl:10ppm、C:20ppm、S:180ppm、O:300ppmの純度であった。
次に、これをArガス雰囲気の弱減圧下で溶解した。この際、マグネシウムを添加し、溶湯保持時間を30分とし、坩堝内で凝固した。この結果、インゴット上部にスラグが濃縮した。Cl<1ppm、C:10ppm、S:30ppm、O<10ppmの純度であった。歩留りは、約85%であった。
次に、比較例について説明する。
(比較例1)
実施例1で用いた市販Mnを、そのまま弱減圧下数torr、1300℃、10分で溶解した。その結果、Cl:10〜30ppm、C:70〜130ppm、S:180〜230ppm、O:510〜720ppmで、その他(ガス成分以外)の不純物も2Nレベルであった。この結果、Clが高い市販Mnをそのまま使用したために、スラグの分離性が悪く、スラグが多量に発生し、歩留まりは約60%であった。
(比較例1)
実施例1で用いた市販Mnを、そのまま弱減圧下数torr、1300℃、10分で溶解した。その結果、Cl:10〜30ppm、C:70〜130ppm、S:180〜230ppm、O:510〜720ppmで、その他(ガス成分以外)の不純物も2Nレベルであった。この結果、Clが高い市販Mnをそのまま使用したために、スラグの分離性が悪く、スラグが多量に発生し、歩留まりは約60%であった。
(比較例2)
実施例1で用いた市販Mnを、塩酸で溶解した。そのまま、その液を電解した。その結果、Cl:480ppm、C:150ppm、S:90ppm、O:650ppmの電解マンガンを得た。
その電解マンガンを脱ガス処理せず、そのまま弱減圧下数torr、1300℃、5分で溶解した。その結果、Cl:15〜80ppm、C:130〜170ppm、S:20〜40ppm、O:150〜250ppmでその他(ガス成分以外)の不純物も2Nレベルであった。この結果、スラグが多量に発生し、歩留まりは約50%であった。
実施例1で用いた市販Mnを、塩酸で溶解した。そのまま、その液を電解した。その結果、Cl:480ppm、C:150ppm、S:90ppm、O:650ppmの電解マンガンを得た。
その電解マンガンを脱ガス処理せず、そのまま弱減圧下数torr、1300℃、5分で溶解した。その結果、Cl:15〜80ppm、C:130〜170ppm、S:20〜40ppm、O:150〜250ppmでその他(ガス成分以外)の不純物も2Nレベルであった。この結果、スラグが多量に発生し、歩留まりは約50%であった。
(比較例3)
出発原料として、純度2N(99%)のマンガンであるが、Cl含有量が1200ppmと非常に高い原料を用いた。これを、そのまま溶解したところ、スラグとの分離ができなく、インゴット内のCl<10〜230ppm、C:70〜140ppm、S:150〜1600ppm、O:120〜780ppmと非常にばらつき、高純度のマンガンを得ることができなかった。
出発原料として、純度2N(99%)のマンガンであるが、Cl含有量が1200ppmと非常に高い原料を用いた。これを、そのまま溶解したところ、スラグとの分離ができなく、インゴット内のCl<10〜230ppm、C:70〜140ppm、S:150〜1600ppm、O:120〜780ppmと非常にばらつき、高純度のマンガンを得ることができなかった。
本発明によれば、下記の著しい効果を得ることができるので、配線材料、磁性材(磁気ヘッド)等の電子部品材料、半導体部品材料に使用する金属マンガン、同薄膜、特にマンガン含有薄膜を作製するためのスパッタリングターゲット材として有用である。本発明は、特別な装置を必要とせずに、汎用炉で製造可能であり、従来法である蒸留法と比較して低コストかつ高収率で高純度マンガンを得ることができる。
本発明は、上記課題を解決するものであって、以下の発明を提供する。
1)マンガンの純度が4N(99.99%)以上であり、Cl≦10ppm、C≦50ppm、S<50ppm、O<30ppmであることを特徴とする高純度マンガン。
1)マンガンの純度が4N(99.99%)以上であり、Cl≦10ppm、C≦50ppm、S<50ppm、O<30ppmであることを特徴とする高純度マンガン。
2)マンガンの純度が4N(99.99%)以上であり、Cl≦1ppm、C≦20ppm、S≦30ppm、O≦20ppmであることを特徴とする高純度マンガン。
Claims (4)
- マンガンの純度が4N(99.99%)以上であり、Cl≦10ppm、C≦50ppm、S<50ppm、O<30ppmであることを特徴とする高純度マンガン。
- マンガン原料を酸で浸出し、フイルターで残渣をろ過後、電解においてカソード側に前記ろ過後の液を使用することを特徴とする高純度マンガンの製造方法。
- 前記電解マンガンを脱ガス処理し、電解マンガン中のCl含有量を100ppm以下とすることを特徴とする請求項2記載の高純度マンガンの製造方法。
- 前記電解マンガン原料を脱ガス処理し、不活性雰囲気中で溶解することにより、Cl≦10ppm、C≦50ppm、S<50ppm、O<30ppmのマンガンを製造することを特徴とする請求項2又は3記載のいずれか一項に記載の高純度マンガンの製造方法。
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A02 | Decision of refusal |
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