JP5446735B2 - 金属マンガンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属マンガンの製造法に関し、とくに酸化マンガン含有物質から金属(以下、合金を含めて金属という)マンガンを製造する方法を提案する。
近年、BRICSなど新興国の経済発展につれて、希土類金属だけでなくいわゆるマンガンなどの希少金属(レアメタル)についても高騰が続いている。こうしたレアメタルのうち、とくにマンガンは、鉄鋼材料の添加材として、あるいはマンガン/アルカリ電池もしくはリチウム-マンガン電池材料などとして、広く利用されている金属であり、その重要性は増すばかりであって、国家備蓄対象金属に指定されているものの1つである。
マンガンは、非常に酸化されやすく、一方で還元され難い物質である。即ち、平衡酸素濃度を有するエリンガム図からも理解できるように、マンガンは、鉄やニッケル、銅よりも酸化されやすく、クロムと同程度であり、一方でマグネシウムやアルミなどよりは還元されやすい。そして、一般的な還元剤である炭素や水素、一酸化炭素などのうち、還元可能な固体炭素を用いた場合のみである。
マンガンの一般的な製造方法は、電気分解法、高炉法、電気炉法、テルミット法などである。このうち電気分解法は、マンガン鉱石を硫酸などの酸で溶解した後、電気分解して金属マンガンとする方法である。この方法は、非常に純粋な金属マンガンを得ることができるが、コストが高いという問題点があった。高炉法は、マンガン鉱石もしくは焼結をコークスとともに高炉へ装入して精錬する方法であり、比較的安価に製造できるが、シリコン/炭素などの不純物を含むことや粉状原料の使用が難しく、また、亜鉛/ナトリウム/カリウムなどの揮発性の高い物質を含む原料を使用できないという問題点があった。テルミット法は、マグネシウムもしくはアルミなどの金属を鉱石などの酸化物と混合してテルミット反応を起こさせることにより、金属マンガンを得る方法であるが、還元剤であるアルミの価格が高騰しているために、コスト高になるという問題点があった。
ところで、現在、マンガン原料としては、酸化マンガン鉱石(軟マンガン鉱)、炭酸マンガン鉱石(菱マンガン鉱)が一般的なものである。このうち、炭酸マンガン鉱石は中国などで産出し、電気分解法の原料としても使用されているが、枯渇のおそれが指摘されている。また、近年、未利用の天然資源として、海底に堆積した鉄などの金属水酸化物の塊であるマンガン団塊もマンガン原料として有望視されている。
その他、マンガン原料として考えらえるものの中には、マンガン含有廃棄物、例えば、廃(乾)電池、ソフトフェライト屑、マンガン触媒、マンガン製造設備から発生するダスト、スラッジなどがあるが、これらは未利用のまま廃棄されるものが大半である。
従来、マンガン原料のうち廃電池からその構成金属成分である亜鉛や鉄などと共にマンガンを回収する技術としては、特許文献1に開示されているような方法がある。この技術は、廃電池に含まれる各種金属成分を亜鉛や鉛のような高揮発性金属と、鉄やマンガンなどの低揮発性金属とに分けて回収する際に、廃電池を加熱容器内に収容して、まず、高揮発成分を回収し、その残留物を塊状物と粗粒物に分けて金属精錬原料として再利用する方法である。
特開2001−283871号公報
上掲の従来技術の場合、廃電池を単に加熱処理して高揮発性金属と低揮発性金属とに分別回収する方法である。従って、この方法では、特に、低揮発性金属中には、マンガン等の他に、鉄や銅のような金属も一緒に、一つの混合物として回収されることになる。もしその後に、得られた混合物から、その構成成分(金属)の1つであるマンガンのみを優先的に選別しようとすると、専用の設備が必要となり、コスト高になるおそれがあった。
即ち、上記従来技術の場合、低揮発性金属として回収される金属成分としては、鉄、銅、マンガンが主である。ところが、製鉄用原料に着目すると、この場合、マンガンを多く含有する金属(合金)であれば、利用価値の高いものになることが知られている。とくに、鋼材特性を考えると、回収金属(合金)中に、廃電池中に含有している銅などが多量に含まれることは望ましくないからである。できれば鉄分も多くない方がよい。それは、製鉄原料として金属マンガンが好まれるのは、鋼の汚染を招くことなくマンガン濃度を上げるための材料として有効だからである。
そこで、本発明は、廃電池などの酸化マンガン含有物質から金属マンガンを製造するに当たって、銅分や鉄分などの少ない金属マンガンを効率よく製造する技術を提案することにある。
発明者らは、上述した従来技術の現状を踏まえ、廃電池を含む酸化マンガン含有物質から、金属マンガンを効率よく製造するための方法について鋭意研究し、以下の要旨構成から本発明に想到した。即ち、酸化マンガン含有物質を加熱、還元して金属マンガンを製造する方法において、加熱炉内に酸化物の還元に必要な量の炭素系還元剤を内装もしくは外装することにより炭素濃度を調整した酸化マンガン含有物質を装入し、前記加熱炉の炉内温度1200℃以上に加熱した後、炉内雰囲気におけるCO 濃度を1vol.%以下、O 濃度を0.1vol.%以下にして酸化マンガンを還元し、その後、700℃以下にまで冷却した上で、得られた金属マンガン含有物を炉外へ排出することを特徴とする金属マンガンの製造方法である。
また、上掲の本発明方法は、以下のような手法を採用することがより好ましい方法である。
(1)前記加熱炉の炉内温度を1250℃以上に加熱すること。
)酸化マンガン含有物質は粉砕したものを使用すること。
)酸化マンガン含有物質は、粉砕後さらに分級し、その篩い下のものを使用すること。
)酸化マンガン含有物質として、廃電池、マンガン鉱石、マンガン団塊、ソフトフェライト屑、マンガン触媒、マンガン製造設備から発生するダスト、スラッジを用いること。
)混合する炭素系還元剤は、石炭、コークス、黒鉛、ピッチ、タール、炭素系煤塵のいずれか1種以上を用いること。
前記のように構成される本発明方法については、次のような効果が期待できる。
(1)製鉄原料の他、乾電池など各種の用途に用いられる安価な金属マンガンを得ることができる。
(2)資源の有効活用ができる。即ち、原料として用いる酸化マンガン含有物質として、マンガン鉱石、マンガン団塊などの天然資源だけに頼らず、廃電池やソフトフェライト屑、マンガン触媒、マンガン製造設備から発生するダスト、スラッジなどのような、一般に廃棄物と呼ばれるようなものを使用することができる。
(3)金属マンガン製造用原料(酸化マンガン含有物質)として廃棄物を利用することができるから、環境上有益である。しかも、この原料中には、亜鉛やナトリウム、カリウム、塩素、フッ素などの高揮発成分を含有しているため、これらの有価金属成分もしくはその化合物をも同時に回収することができる。とりわけ、亜鉛などの価値の高い物質が混入している場合は、それらを回収の上、たとえば亜鉛精錬用の原料とすることも可能である。
実施例で用いた電気抵抗加熱炉の模式図である。
本発明は、以下に説明する形態で実施される。本発明において用いる加熱炉は、その加熱形式については特に限定しない。ただし、後述するようにガス組成については調整する必要があるため、燃焼熱を熱源とする場合よりも、電気加熱炉を用いる方が有利である。もちろん、その他にも、燃焼ガスの対流によるものではなく、輻射伝熱による伝熱が可能な反射炉などを用いることができる。とくに、マンガン原料の出し入れのために、移動炉床炉やバッチ炉などを使用することが望まれる。
酸化マンガン含有物質の還元剤としてはコークスや石炭などの炭素材を用いることが好ましい。その理由は、前記酸化マンガン含有物質に内装し、もしくは外装する形で添加する炭素量は、直接還元反応に寄与する成分であって、上記含有物質中のマンガン以外の金属酸化物も含めた全被還元酸素量に対して、該含有物質の炭素量が原子数比率で1以上となるようにすることが望ましい。マンガン以外の金属酸化物とは酸化鉄、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化ニッケルをさす。ここで、炭素原子数を分子、酸素原子数を分母とした値を炭材比と定義する。炭材比は多いほうが還元に有利であるが、残存する炭素量が増加する。増加した残存炭素を加熱するにも、エネルギーが必要になるため、過度に炭素量が多い場合はエネルギー効率が低下する。そのため、常識的な炭素量の上限は炭材比が2程度までである。また、低温にて揮発する炭素分は1200℃以上で起こる還元反応における還元剤として使用することはできない。従って、高温状態でも残存する炭素濃度を用いて算出されるべきである。測定方法はさまざま考えられるが、石炭分析で求められるFC値(固定炭素濃度)を使用して、炭材比を決定することが推奨される。
還元温度は高いほど短期間での還元が可能になるため、望ましくは1200℃以上に昇温することが求められる。この温度であればマンガンのみならず、亜鉛、鉄などが還元されるが、亜鉛分については還元と同時に揮発し、マンガン原料から除去されるからである。揮発すると言う点ではナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属も蒸発し、除去される。
炉内温度を1200℃以上の高温にすることにより、金属マンガンは溶融し、金属としての密度を高めることができる。密度が上昇した金属は、酸素によって犯され難くなり、かさ密度の上昇によって、体積が低下し、取扱いが容易になる。炉内温度を1350℃以上とすると、一層、容易に溶解ができるようになり、マンガン品質の向上を図ることができる。なお、炉内温度とは炉内での最高温度である。
炭素によって還元された酸化マンガン含有原料は、高温中では容易に酸化する。これを防止するために、本発明では原料まわりのガス組成を制御することが有効になる。酸化マンガン含有物質からなる原料は、炉内雰囲気ガスのうち、CO によって酸化される。特に、Oは酸化能力が高いため、より低い濃度に保たれるべきである。そこで、本発明においては、高温雰囲気(≧1300℃)の下では、炉内のCO濃度を1%以下、O濃度を0.1%以下にすることが望ましい。これは、熱力学的観点から言えば、この濃度であってもマンガンを酸化できるが、この程度の濃度まで酸化性ガス濃度を低下させることができれば、マンガンの酸化速度を遅らせることができ、実質的には酸化しなくなる。
なお、この炉内雰囲気ガスの組成は、酸化反応が起こらない温度に降温するまで維持する必要がある。基本的に700℃以下になればマンガンは酸化しないので、この温度まで上記ガス組成に保つ必要がある。
このような、マンガンの還元プロセスにおいては、金属マンガンの金属化率が重要な指標であり、高いほうが望ましい。なぜなら、前記の方法で生成した金属マンガンを、例えば、製鉄材料として使用する場合、金属化していないマンガン分は金属鉄とは混合せず、酸化物であるスラグとなってしまい、有効活用されないためである。このときのマンガンの金属化率は80mass%以上にすることが望ましい。金属化率とは全マンガン中に含まれる金属化したマンガンの割合を言う。
次に、本発明の好ましい実施形態について説明する。
図1は、好ましい実施形態の1つであるバッチ式電気加熱炉の一例である。この電気加熱炉は、炉内に窒素ガスを導入することで、外界からの酸素の侵入を防止することができる。また、炉内で発生したガスは炉上部の煙道に導かれ、ウェットスクラバー式の湿式集塵機で、冷却および除塵を行うことできる。サンプル容器はアルミナセラミック製で、炉下側から、昇降させることで装入、取出しをすることができる。
電気加熱炉内に装入する原料、即ち、酸化マンガン含有物質は、廃電池、好ましくは粉砕して得られるその粉砕物とマンガン高炉ダストなどとの混合物を用いることが好ましい。廃電池(乾電池)の粉砕物(残渣)とは、廃(乾)電池を粉砕して粉粒体となったものだけを取り出したもので、酸化マンガンの他、約5mass%の炭素分と約20mass%の亜鉛分を含んでいるものである。例えば、炉内装入原料としては、マンガン高炉ダスト45mass%、廃(乾)電池の破砕物45mass%、内装黒鉛10mass%の混合物とすることにより、金属マンガンを得るための炭素濃度調整を行った。このように、酸化マンガン含有物中へ炭素系還元剤を添加(内装)することにより、炭素濃度が調整される。
本発明において、電気加熱炉のダクト延在位置にあるウェットスクラバ内には、炉内で発生したダストが回収されるが、このダストは、酸化亜鉛濃度が80mass%以上の良質な酸化亜鉛ダストであることから、金属亜鉛製造用原料として有用である。
本発明で使用する酸化マンガン含有物質は、廃電池にしろ、磁石にしろ、これらを粉砕機を用いて3mm以下に粉砕した上で他の原料や炭材と混合して使用する。粉砕廃電池および鉱石粉のような酸化マンガン含有物質と炭素とは、直接接触による固体還元反応によって還元されるため、酸化マンガン含有物質と炭材との接触面積は大きくすることが望ましい。酸化マンガン含有物質を粉砕して得られる粉砕物を用いると、炭材との接触面積が大きくなって還元反応効率を向上させることができる。この粉砕物の粒度は細かいほど反応には有利であるが、微粉砕にはコストもかかる。反応性を損なわず経済的な粉砕粒度という点では3mm程度以下の大きさにすることが望ましい。もちろん、3mm以上のものであっても使用できるが、再度、粉砕して3mm以下のものにして使用することもできる。
一方で、粉砕を行っても粒径が低下しない場合もある。粉砕できなかった原料物質に関しては取り除くほうがよい。特に、粉砕特性が異なる異物が混合した場合においては、その異物を除去することが望ましい。たとえば、廃電池を粉砕の上、分級すると、マンガンを多く含む粉粒状物質が篩い下となり、電池用缶および電極部分のような剛性と延性の大きい物質は篩い上となる。電池用缶および電極部分は鉄もしくは銅でできており、混入することで金属マンガンの純度が低する。鉄分は製鉄原料として使用するのであれば問題とはならないが、銅分は添加された鋼材の特性を低下させることが知られており、そのためできるだけ除去することが望まれる。
混合する炭素系還元剤としては、石炭やコークス、黒鉛、ピッチ、タール、炭素系煤煙を用いることができる。これらは各炭材の価格のみならず、不純物の含有率を考慮して、選択使用する。不純物の少ない炭材を使用することでより、良質な金属マンガンを得ることができる。特に、りん、硫黄などの軽元素は炭材に多く含まれる場合があるので、その濃度には注意が必要であり、これらは金属マンガンの品位を考慮して選択すべきである。また、炭素を含有する煤塵であっても、還元剤として使用可能である。例えば、製鉄ダストなどは炭素分と同時に鉄分を多く含む場合がある。この点、本発明法を使用すれば、この鉄分も炭素によって還元されて、金属鉄となる。製鉄原料として使用することを考えれば、この鉄分の混入はなんら問題なく、資源活用の点から有効であるといえる。
本発明の実施例を以下に示す。この実施例では図1に示すようなバッチ式電気加熱炉を用いた。使用したマンガン含有物質(原料)の組成を表1に、炭材の組成を表2に、そして操業条件を表3にそれぞれ示す。
電気加熱炉内に出し入れ可能に設置されるサンプル容器は、アルミナ製1m角で、高さ0.3mである。このサンプル容器の中に酸化マンガン含有物質のサンプルを装入した。サンプル容器は、電気ヒーターによって加熱されるが、昇温に4時間かけ、最高温度で4時間保持してから、2時間で500℃まで降温させた。炉内ガスは、廃棄煙道から排出し、ウェットスクラバ式の集塵機で除塵した後に系外へ排出した。また、煙道にはガス分析計を設置し、CO濃度を監視した。この電気炉には、窒素ボンベとCOボンベが接続されている。窒素は毎分100リットルで流通させた。また、炭酸ガスは前述のCO濃度が設定値になるように少量添加した。
使用した酸化マンガン含有物質原料は、マンガン鉱石A、マンガン鉱石A、廃電池粉砕物B、廃電池粉砕物B、マンガン高炉ダストである。マンガン鉱石Aは粉砕を行わずに使用したもので、粒径3mm以上の割合が30mass%であった。これに対して、マンガン鉱石(A)はロール式粉砕機を用いて粉砕したものを、粒径3mmで篩い、3mm以上を再度粉砕した、微粉である。
Figure 0005446735
使用した炭材は、表2に示すとおり石炭、黒鉛、製鉄ダストの3種類である。石炭は、低揮発分、低灰分であり、黒鉛は灰分1mass%以下であった。製鉄ダストは高炉の集塵ダストの微粒で、35%程度の鉄分を含有するものである。すべての炭材に関しても粉砕を行い3mm以下としている。
Figure 0005446735
表3、表4の酸化マンガン含有物質原料、炭材の欄に記載されている重量は1バッチあたりに使用した各原料および炭材の重量を示している。この表3中の空欄は、原料または炭材として使用していないことを示している。また、金属化率とは前述したマンガンの金属化率をあらわす。マンガン濃度、銅濃度は生成した合金中の両元素の濃度を示している。また、炭材比も前述の方法により、炭素量と酸素量から求めた。
以下に、この実施例の結果について総括する。
a.比較例(1)−(2)と発明法(1)−(2)を比較する。最高温度が高いほど、金属化率が高まることが容易に判る。特に、1300℃を超えるところで、金属化率は急上昇し、80%を超えることが分かる。
b.比較例(3)−(4)と発明法(2)−(3)を比較する。CO濃度が低いほど、還元率は高く、CO濃度1.5vol.%以上では急激に還元率が低下し、80vol.%を割り込んでしまった。
c.比較例(5)−(6)と発明法(3)を比較する。O濃度が低いほど、還元率は高く、O濃度0.1%以上では急激に還元率が低下し、80%を割り込んでしまった。
d.発明法(4)は廃電池の残渣を使用し、なおかつ、炭材濃度を調整した場合の実施例である。発明法(2)と比較して、炭材比を適正値とすることで、還元率が向上していることから、より好ましい実施例であることが判る。
e.発明法(5)はマンガン鉱石を使用した実施例である。
発明法(6)は粉砕を行ったマンガン鉱石を使用した実施例である。発明法(5)と比較して、還元率が向上していることから、より好ましい実施例であることが判る。
f.発明法(7)は乾電池残渣のうち、篩い上を除去した場合の実施例である。発明法(6)と比較して、還元率が向上しているころおよび不純物である銅濃度が低下していることから、より好ましい実施例であることが判る。
g.発明法(8)はマンガン高炉ダストを使用した実施例であり、発明法(9)はマンガン高炉ダストと乾電池残渣を混合して使用した場合の実施例である。このように、各種の酸化マンガン含有物質を混合して使用することも、有効であることが判る。
h.発明法(10)は黒鉛を使用した場合であり、発明法(11)は高炉ダストを使用した場合の実施例である。黒鉛を使用することで、不純物が減少し、マンガン濃度が上昇することが判る。また、高炉ダストを使用することによっても、マンガン還元率は維持され、一般には廃棄物とされるダストであってもマンガン金属製造に寄与できることが確認された。
i.発明法(1)〜(4)、(7)〜(9)、(11)においては少量であるが、ウェットスクラバの煤塵から亜鉛を含有するダストを回収することができた。これらは亜鉛濃度50mass%を超えており、亜鉛精錬原料として利用可能である。
Figure 0005446735
Figure 0005446735
j.発明法(12)に炉内温度を1350℃まで上昇させた場合の実施例を示す。表5に示したように、1350℃まで昇温することで、溶融が進み、見かけ密度が上昇した。
Figure 0005446735
以上説明した本発明の技術は、主に廃電池などに含まれている酸化マンガン金属原料から金属マンガンを製造する方法としてだけでなく、他の有価金属の製造、回収技術としても有用である。

Claims (6)

  1. 酸化マンガン含有物質を加熱、還元して金属マンガンを製造する方法において、
    加熱炉内に酸化物の還元に必要な量の炭素系還元剤を内装もしくは外装することにより炭素濃度を調整した酸化マンガン含有物質を装入し、前記加熱炉の炉内温度1200℃以上に加熱した後、炉内雰囲気におけるCO 濃度を1vol.%以下、O 濃度を0.1vol.%以下にして酸化マンガンを還元し、その後、700℃以下にまで冷却した上で、得られた金属マンガン含有物を炉外へ排出することを特徴とする金属マンガンの製造方法。
  2. 前記加熱炉の炉内温度を1250℃以上に加熱することを特徴とする請求項1に記載の金属マンガンの製造方法。
  3. 酸化マンガン含有物質は粉砕したものを使用することを特徴とする請求項1または2に記載の金属マンガンの製造方法。
  4. 酸化マンガン含有物質は、粉砕後さらに分級し、その篩い下のものを使用することを特徴とする請求項に記載の金属マンガンの製造方法。
  5. 酸化マンガン含有物質として、廃電池、マンガン鉱石、マンガン団塊、ソフトフェライト屑、マンガン触媒、マンガン製造設備から発生するダスト、スラッジを用いることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の金属マンガンの製造方法。
  6. 混合する炭素系還元剤は、石炭、コークス、黒鉛、ピッチ、タール、炭素系煤塵のいずれか1種以上を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属マンガンの製造方法。
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