JP3705498B2 - V、Mo、及びNi含有廃棄物からの有価金属の回収方法 - Google Patents

V、Mo、及びNi含有廃棄物からの有価金属の回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、使用済脱硫触媒、ボイラー灰、ボイラースラッジ、ニッケル系スラッジ、メタバナジン酸アンモニウム等の廃棄物から有価金属を回収する方法に関する。
例えば発電所のように石油系燃料を燃料とするボイラーにおいては、ボイラーの底に沈着するボイラースラッジ、集塵装置に捕捉されるボイラー灰の中に、Ni、Vの重金属が酸化物の形態で凝縮されている。ボイラー灰を湿式アルカリ処理して得られるメタバナジン酸アンモニウムにも、Vの重金属が酸化物の形態で凝縮されている。
石油精製、ガス処理工業等の分野においては、精製過程で脱硫触媒が設けられている。この使用済脱硫触媒にも、Ni、Mo、Vの重金属が酸化物の形態で凝縮されている。これらNi、Mo、Vの酸化物をメタルの形態で回収することが、廃棄物の有効活用として望まれている。
こうした回収技術の一つに、V含有廃棄物を450〜950℃に加熱して廃棄物中のS分、N分及びC分を除去した後、この廃棄物を鉄源及び還元剤と共に混合、粉砕してから粒状に成形し、次いで、1150〜1350℃に過熱して原料中のFe分、Ni分、Mo分を固相還元した後、電気炉に装入し過熱してFe、Ni、Moを主成分とするメタルとVリッチなフラックスとを生成させ、このFe、Ni、Moを主成分とするメタルには脱P処理を行なって低P合金を得る一方、Vリッチなフラックスには強攪拌機能を有する容器にて還元材を投入するとともに攪拌を行ってフラックス中のVを還元しFe−V系合金を得る方法が開示されている(特許文献1、請求項1参照)。
他の回収技術として、V、Mo、Co及びNi含有廃棄物を焙焼する第1工程と、Mo、Ni及びCo酸化物を金属にまで還元するのに必要な化学的当量の50〜120%相当の金属Si及び/又は金属Alを添加し、加熱還元して溶解することにより、Mo−Ni系合金又はMo−Co系合金又はMo−Ni−Co系合金とCaO−Al23系スラグとを分離してそれぞれを回収する第2工程と、前記CaO−Al23系スラグに対し、このスラグ中に含まれるVの酸化物を金属にまで還元するのに必要な化学的当量以上の金属Si及び/又は金属Alを添加し、加熱還元して溶解することにより、V−Si系合金又はV−Al系合金とCaO−Al23系スラグとを分離してそれぞれを回収する第3工程とを備える方法が開示されている(特許文献2、請求項1参照)。
特開2000−204420号公報 特開2001−214423号公報
しかしながら特許文献1に記載の回収方法にあっては、原料中のFe、Ni、及びMo成分を固相還元する還元剤として、微粉炭又はコークスを用いている(特許文献1、段落0022参照)。このため、生成されるFe、Ni、Moを主成分とするメタル中にカーボンが残ってしまう。カーボンはメタル中のFe−Mo、Fe−Ni等に結合し易いので、後の工程でカーボンを除去するのが困難になる。また固相還元する際にMo成分がキルン内で昇華してしまい、Mo成分の回収歩留りが悪化してしまうという問題もある。さらに工程が長く設備費が増大してしまうという問題もある。
特許文献2に記載の回収方法にあっては、第1工程において、廃棄物をペレットにしないで粉のまま焙焼する(特許文献2、段落0010参照)。このため廃棄物がキルン内で焼結してしまい、流れなくなるという問題がある。
また第2工程において、廃棄物を粉のまま溶解するので、炉況が悪化し、例えば溶解炉内で棚吊りや吹き上げが生じてしまう。炉況の悪化は電力原単位の悪化や操業の不安定を招く。さらに第2工程において、還元剤として金属Si及び/又は金属Alを用いているので、V成分とMo、Ni成分との分離が困難になるという問題も生じる。すなわち金属Si及び/又は金属Alの量を少なくして弱還元したときには、Mo及びNi成分の歩留りが悪くなり、V含有スラグにMo及びNi成分が入ってしまう。一方強還元したときには、還元されたV成分がMo−Ni系合金に入ってしまうのみならず、Si及び/又はAl還元剤がMo−Ni系合金に入ってしまう。特に還元剤としてAlを用いると、Alが大気中の酸素と反応してしまい、酸化ロスも大きくなる。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、V、Mo及びNi含有廃棄物から、Fe−Mo−Ni系合金及びFe−V系合金を安定して歩留りよく回収できる方法を提供することにある。
本発明者は、溶融還元温度1400℃〜1800℃におけるNi、Mo、Vの酸素親和力に着目した。そして図1(酸化物の標準生成自由エネルギのグラフ)に示されるように、FeがNi及びMoよりも酸素親和力が強く、Vよりも弱いことに着目し、還元剤としてFeを用いればV含有スラグとFe−Mo−Ni系合金とを歩留まり良く分離できることを知見した。
すなわち本発明は、V、Mo及びNi含有廃棄物を800℃以上950℃以下で焙焼す
る工程と、V、Mo及びNi含有廃棄物をFeで還元して、V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる工程と、前記V含有スラグに還元剤を投入してFe−V系合金を生成させる工程と、を備えることを特徴とする有価金属の回収方法により、上述した課題を解決する。
また本発明は、V、Mo及びNi含有廃棄物を800℃以上950℃以下で焙焼する工程と、前記V、Mo及びNi含有廃棄物、還元剤としてのFe、及びフラックスを加熱炉に装入し、これらを加熱還元することで、V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる工程と、前記V含有スラグにAl還元剤を投入して、Fe−V系合金及びCaO−Al23スラグを生成させる工程と、を備えるV、Mo及びNi含有廃棄物からの有価金属の回収方法としても構成することができる。

前記V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる工程において、前記V、Mo及びNi含有廃棄物を前記Feで還元した後、前記Feで還元することにより生じたFe酸化物を、Al、Si、及びCの少なくとも一つで還元してもよい。
この発明によれば、還元反応により生じたFe酸化物をFe−Mo−Ni系合金の鉄源として用いることができる。またV含有スラグ中のFe分を調整することができ、ひいては最終的に得られるFe−V系合金の規格に合わせてFe分を調整することができる。
前記V、Mo及びNi含有廃棄物を乾燥する工程において、前記V、Mo及びNi含有廃棄物を乾燥した後、粉砕し、団鉱に成形し、これを焙焼することが望ましい。
この発明によれば、V、Mo及びNi含有廃棄物を粉のまま加熱炉に装入することがないので、棚吊りや吹き上げが生ずることがなく、したがって安定した操業をすることがで
きる。
また、前記V、Mo及びNi含有廃棄物を焙焼する工程において、前記V、Mo及びNi含有廃棄物を焙焼した後、団鉱に成形してもよい。
前記V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる工程において、あらかじめ鉄浴を生成しておき、該鉄浴に前記V、Mo及びNi含有廃棄物を装入して溶融還元反応を行うことが望ましい。
この発明によれば、還元反応の反応効率を向上させることができ、しかも熱効率も向上させることができる。また加熱炉の連続した操業も可能になる。
前記V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる工程において、前記Fe−Mo−Ni系合金を前記V含有スラグと分離した後、前記Fe−Mo−Ni系合金の脱S,脱P,脱Cを行うことが望ましい。
この発明によれば、Fe−Mo−Ni系合金の規格に合わせてS分,P分及びC分の不純物を除去することができる。また、団鉱に成形したV、Mo及びNi含有廃棄物を焙焼する際に廃棄物中に含まれるS分をSOxにし、C分をCO2にして排出するが、Fe−
Mo−Ni系合金をV含有スラグと分離した後に脱S、脱Cすることで、焙焼する際の負担を軽減することができる。
前記Fe−Mo−Ni系合金の脱S,脱P,脱Cを行うのに使用される加熱用容器と、前記V含有スラグに還元剤を投入してFe−V系合金を生成させる工程において使用される加熱用容器とが、共用されることが望ましい。
この発明によれば、最少の設備で回収方法を実施することができる。
前記V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる工程において、前記Fe−Mo−Ni系合金が一回出湯される間に、前記V含有スラグが複数回出湯されるのが望ましい。
生成されるFe−Mo−Ni系合金の量はV含有スラグに比較して非常に少ない。この発明によれば、V含有スラグを頻繁に出湯することにより、熱効率が向上する。またV含有スラグを出湯するバッチ毎にFe−Mo−Ni系合金を出湯する場合に比較して、生産性も向上する。
以上説明したように本発明によれば、還元剤としてFeを用いるので、V、Mo及びNi含有廃棄物から、Fe−Mo−Ni系合金及びFe−V系合金を安定して歩留りよく回収できる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、V、Mo及びNiを含有する廃棄物を原料とする。具体的には使用済脱硫触媒(直接脱硫触媒、間接脱硫触媒)、ボイラー灰、ボイラースラッジ、ニッケル系スラッジ、メタバナジン酸アンモニウム等の少なくとも一つ又はこれらを混合した廃棄物を原料とする。表1は原料毎の成分の一例を示す。
Figure 0003705498
例えば脱硫触媒にはNi、Mo、及びV成分が多く、C、S成分も多い。ボイラー灰にはC成分が例えば80%程度含まれるが、Mo成分が含まれていない。カーボン系スラッジには水分が例えば50%も含まれる。このように多種多様な成分を有する廃棄物を原料としている。原料は重油又は水分が付着した状態になっている。
表2は最終的に得られる製品規格の一例を示す。
Figure 0003705498
Fe−V系合金には例えばJIS2号規格品相当の規格が求められる。この規格では、V成分を45〜55mass%に調整し、C、Si、P、S成分等を低く抑える必要があり、Ni、Mo及びAl成分も低く抑える必要がある。またFe−Ni−Mo系合金には
、例えば鉄鋼関係で使用される際の規格があり、この規格によればP、S成分を低く抑える必要がある。
図2は有価金属の回収方法のフローを示し、図3はこのフローを図式化したものである。まず脱硫触媒(直接脱硫触媒、間接脱硫触媒)、ボイラー灰、カーボン系スラッジ、ニッケル系スラッジ、重質油ガス化スラッジ等の原料を乾燥する(S1)。この乾燥工程では、ロータリードライヤで原料を例えば120℃程度の温度に加熱して乾燥する。原料中には水分が例えば30〜40%程度揮発分として存在する。水分がある状態でこのまま次工程に進むと、水分が多すぎて団鉱できないことがある。なお、脱硫触媒及びコークスボイラー灰はもともと水分が少ないので、乾燥工程の後に投入することもある。
次に、乾燥したV、Mo及びNi含有廃棄物を粉砕する(S2)。例えば潤式ミルによりV、Mo及びNi含有廃棄物を粉砕する。粉砕すると多種多様な原料が混合され、均一になる。
次に粉砕した廃棄物を造粒して団鉱に成形する(S3)。例えばペレタイザー又はブリケットにより粉砕物をペレット状又はブリケット状の団鉱に成形する。原料を団鉱に成形することなく粉のまま次工程に進むと、焙焼するキルンで原料が焼結したり、溶融還元する加熱炉で棚吊りや吹き上げが生じて炉況が悪くなったりするおそれがある。
次に団鉱した原料を焙焼する(S4)。この工程では、団鉱した原料をキルンで例えば800〜900℃に加熱する。この焙焼により廃棄物中のS分、C分が加熱分解され、SOx、CO2等として除去される。800℃以上にするのは、原料に付着した重油とかC
分を酸化物にして除去するのに適した温度であり、950℃以下にするのはMoが昇華して回収率が落ちてしまうのを防止するためである。
次に焙焼した原料、還元剤としてのFe、及びフラックスとしての石灰を、加熱炉としての電気炉に装入する。そして、これらを約1700℃で加熱還元することで、V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる(S5)。
この工程(S5)では、焙焼した原料、Fe、及びフラックスを同時に電気炉に装入してもよいし、またあらかじめ鉄浴を生成しておき、該鉄浴に原料及び石灰を装入することで溶融還元反応を行ってもよい。あらかじめ鉄浴を生成すると、還元反応の反応効率を向上させることができ、しかも熱効率も向上させることができる。
原料中のMo酸化物及びNi酸化物の還元は、Feで行なわれる。還元剤としてのFeの量は、V、Mo及びNi含有廃棄物中のMo酸化物及びNi酸化物を金属にまで還元するのに必要な化学的当量に略等しく設定される。
原料をFeで還元した後、溶湯にAl還元剤を添加して、Fe還元により生じたFe酸化物及び原料中のFe酸化物をAl還元剤で還元する。Al還元剤で還元するのは、還元反応により生じたFe酸化物をFe−Mo−Ni系合金の鉄源としてメタル中に戻すためであり、またV含有スラグ中のFe分を調整するためでもある。Al還元剤はあくまでFe分の成分調整用に補助的に用いられる。Fe酸化物の還元剤としては、金属Al、金属Si、フェロシリコン、コークス等のいずれか一つ、又はこれらの組み合わせを用いることができる。
Al還元剤を添加することなく、全てFe還元剤で還元することも、還元剤としてのFeの量にFe−Mo−Ni系合金の鉄源としての分を加えることで可能である。しかしそうすると次工程でV含有スラグ中のFe分が多くなりすぎて、V成分を還元するのが困難になってしまう。V含有スラグ中のFe分が多い場合、V含有スラグにV成分調整用にV25又はメタバナジン酸アンモニウムを装入する必要がある。
次にFe−Mo−Ni系合金をV含有スラグと分離した後、Fe−Mo−Ni系合金の脱S,脱P,脱Cを行う(S6,S7)。原料中のP成分はFe−Mo−Ni系合金中に残る。S成分は規格が厳しいので脱Sする必要があり、C成分は電極からの加炭もあるので脱Cする必要がある。
この工程では、まずFe−Mo−Ni系合金を加熱用容器としてのレードル・ファーネスに出湯する(S6)。次に、石灰、CaO−Al23系フラックス、及びCaO−Al23−FeO系フラックス等を装入し、脱S,P,Cを行う(S7)。CaO−Al23系フラックスには、後述するV含有スラグをAl還元することで発生するスラグを利用してもよい。ArガスやO2ガス吹き(バブリング利用)は効果がある。最後に脱S,脱P
,脱Cを行ったFe−Mo−Ni系合金を鋳型に鋳込む。
一方V含有スラグも、加熱用容器としてのレードル・ファーネスに出湯される(S8)。このレードル・ファーネスには、Al還元剤、石灰及びV成分調整用のV25も投入され、これによりV含有スラグからFe−V系合金及びCaO−Al23スラグが生成する。ここで最少の設備にするために、Fe−Mo−Ni系合金を脱S,脱P,脱Cするのに使用されるレードル・ファーネスと、V含有スラグをAl還元するのに使用されるレードル・ファーネスとが共用される。
図4は電気炉における溶湯量と、メタルFe、Ni、Mo成分の経時的な変化を示す概念図である。Fe還元することにより、時間の経過に伴ってメタル中のFe成分が少なくなり、Ni及びMo成分が多くなり、その後安定させることができる。また、V含有スラグが所定の量になると、メタルをそのまま炉内に残し、V含有スラグだけレードル・ファーネスに出湯する。そしてレードル・ファーネスでV含有スラグの還元が行なわれる。一方V含有スラグがレードル・ファーネスに出湯される複数バッチに一回、Fe−Mo−Ni系合金が同じレードル・ファーネスに出湯される。そして同じレードル・ファーネスで脱S,脱P,脱Cの精錬が行われる。
生成されるFe−Mo−Ni系合金の量はV含有スラグに比較して非常に少ない。V含有スラグを頻繁に出湯することにより、電気炉の熱効率が向上する。またV含有スラグを出湯するバッチ毎にFe−Mo−Ni系合金を出湯する場合に比較して、生産性も向上する。
図5は有価金属の回収方法のフローの他の例を示す。このフローでは、予備処理工程の乾燥工程と焙焼工程とを一緒にして、プロセスをシンプルにしている。まず脱硫触媒(直接脱硫触媒、間接脱硫触媒)、ボイラー灰、カーボン系スラッジ、ニッケル系スラッジ、重質油ガス化スラッジ等の原料を焙焼する(S1´)。この工程では、例えばロータリーキルンで例えば800〜900℃に加熱する。この焙焼により、廃棄物中の水分が蒸発し、また、S分、C分が除かれる。
次に、粉々になっている原料を団鉱する(S3´)。例えばペレタイザー又はブリケットにより原料をペレット状又はブリケット状の団鉱に成形する。原料によっては、ブリケット状により団鉱しやすくするために、団鉱する前に粉砕工程を入れてもよい(S2´)。粉でないものは団鉱せずにそのまま装入してもよい。原料、還元剤としてのFe、及び
フラックスとしての石灰を、加熱炉としての電気炉に装入する(S5)以降のプロセスは、上記図2に示される回収方法のフローと同一なので、同一の符号を附してその説明を省略する。
脱硫触媒、ボイラー灰、ニッケル系スラッジの混合原料をドライヤで焙焼して表3の成分組成が得られた。
Figure 0003705498
次に500KVA電気炉に、乾燥原料100kg、生石灰14kg、Fe7kgを装入し、これらを約1700℃に加熱し、溶融還元反応を行った。表4に示される成分組成のFe−Mo−Ni系合金10kgとVリッチスラグを生成した。
Figure 0003705498
分離回収したVリッチスラグ57kgを高周波炉で1600℃に保持し、還元剤として金属Alを5kgと石灰5kg、V257kgを添加して表5に示されるFe−V系合金10kgを回収した。
Figure 0003705498
脱硫触媒、ボイラースラッジ、ニッケル系スラッジ、ボイラー灰等の原料を乾燥後、バインダとしてベントナイトを2%添加してから潤式ボールミルにて200mesh以下に調湿・粉砕し、次いで団鉱機を用いて直径10mm程度のペレットに成形した。その後、竪型キルンにて、800℃、3時間焙焼し、表6に示される焙焼物を得た。
Figure 0003705498
マグネシアライニングされた500KVA電気炉に、あらかじめFe17kgを溶融しておき、そこに上記焙焼物100kgと生石灰32、Al4kgを添加し、さらにArガスを吹き込む攪拌を加えることにより、表7に示されるFe−Mo−Ni系合金24kgを得た。
Figure 0003705498
さらにFe−Mo−Ni系合金を高周波炉で加熱保持し、脱S,P,Cを行った。表8に結果を示す。
Figure 0003705498
分離回収したVリッチスラグ138kgを約1600℃に保持し、Arガスで攪拌した。還元剤として金属Al25kgと、V25を21kgと、石灰25kgとを添加することで、表9に示されるFe−V系合金39kgを回収した。
Figure 0003705498
また、スラグ成分は、CaO31%、Al2352%、SiO22%、MgO8%、F
eO0.8%であった。
酸化物の標準生成自由エネルギのグラフ。 本発明の一実施形態における有価金属の回収方法のフローを示す図。 図2のフローを図式化した図。 電気炉におけるメタル中のFe、Ni、Mo成分の経時的な変化と電気炉の溶湯量の変化を示す概念図。 有価金属の回収方法のフローの他の例を示す図。
符号の説明
S1…V,Ni,Mo含有廃棄物を乾燥する工程
S2…乾燥したV、Mo及びNi含有廃棄物を粉砕する工程
S3…粉砕した廃棄物を造粒して団鉱に成形する工程
S4…団鉱した原料を焙焼する工程
S5…V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる工程
S6…Fe−Mo−Ni系合金をレードルファーネルに出湯する工程
S7…脱S,脱P,脱Cを行う工程
S8…V含有スラグをレードル・ファーネスに出湯する工程

Claims (9)

  1. V、Mo及びNi含有廃棄物を800℃以上950℃以下で焙焼する工程と、
    V、Mo及びNi含有廃棄物をFeで還元して、V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる工程と、
    前記V含有スラグに還元剤を投入してFe−V系合金を生成させる工程と、を備えるV、Mo及びNi含有廃棄物からの有価金属の回収方法。
  2. V、Mo及びNi含有廃棄物を800℃以上950℃以下で焙焼する工程と、
    前記V、Mo及びNi含有廃棄物、還元剤としてのFe、及びフラックスを加熱炉に装入し、これらを加熱還元することで、V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる工程と、
    前記V含有スラグにAl還元剤を投入して、Fe−V系合金及びCaO−Al23スラグを生成させる工程と、を備えるV、Mo及びNi含有廃棄物からの有価金属の回収方法。
  3. 前記V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる工程において、
    前記V、Mo及びNi含有廃棄物を前記Feで還元した後、前記Feで還元することにより生じたFe酸化物をAl、Si、及びCの少なくとも一つで還元することを特徴とする請求項1又は2に記載のV、Mo及びNi含有廃棄物からの有価金属の回収方法。
  4. 前記V、Mo及びNi含有廃棄物を焙焼する工程において、
    前記V、Mo及びNi含有廃棄物を乾燥した後、粉砕し、団鉱に成形し、これを焙焼することを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のV、Mo及びNi含有廃棄物からの有価金属の回収方法。
  5. 前記V、Mo及びNi含有廃棄物を焙焼する工程において、
    前記V、Mo及びNi含有廃棄物を焙焼した後、団鉱に成形することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のV、Mo及びNi含有廃棄物からの有価金属の回収方法。
  6. 前記V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる工程において、
    あらかじめ鉄浴を生成しておき、該鉄浴に前記V、Mo及びNi含有廃棄物を装入して溶融還元反応を行うことを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載のV、Mo及びNi含有廃棄物からの有価金属の回収方法。
  7. 前記V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる工程において、
    前記Fe−Mo−Ni系合金を前記V含有スラグと分離した後、前記Fe−Mo−Ni系合金の脱S,脱P,脱Cを行うことを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載のV、Mo及びNi含有廃棄物からの有価金属の回収方法。
  8. 前記Fe−Mo−Ni系合金の脱S,脱P,脱Cを行うのに使用される加熱用容器と、前記V含有スラグに還元剤を投入してFe−V系合金を生成させる工程において使用される加熱用容器とが、共用されることを特徴とする請求項7に記載のV、Mo及びNi含有廃棄物からの有価金属の回収方法。
  9. 前記V含有スラグ及びFe−Mo−Ni系合金を生成させる工程において、
    前記Fe−Mo−Ni系合金が一回出湯される間に、前記V含有スラグが複数回出湯されることを特徴とする請求項1ないし8いずれかに記載のV、Mo及びNi含有廃棄物からの有価金属の回収方法。
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